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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148480
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/66 20060101AFI20220929BHJP
   B65D 75/56 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B65D75/66
B65D75/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050187
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100101867
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 寿武
(72)【発明者】
【氏名】小幡 ▲隆▼
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB31
3E067AC01
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067BC06A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB07
3E067EB08
3E067EE12
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】 吊り下げて陳列でき、しかも包装フィルム2を容易且つ円滑に開封することのできる包装体を提供する。
【解決手段】 製品1の胴回りを包装フィルム2で胴巻きし、当該包装フィルム2の両端縁部を重ね合わせてシールすることにより、包装フィルム2の胴巻き部21を形成し、この胴巻き部21の裏面に、製品1の胴回りに巻き付けるように開封テープ24を融着する。また、胴巻きした包装フィルム2の一方の側端を、製品1の胴部よりも外側へ延出させて筒状の一端延出部を形成するとともに、当該一端延出部を重ね合わせて偏平状にシールすることにより、包装フィルム2の一端延出シール部22を形成し、この一端延出シール部22に吊り下げ用の孔28を形成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の胴回りを包装フィルムで胴巻きし、当該包装フィルムの両端縁部を重ね合わせてシールすることにより、前記包装フィルムの胴巻き部を形成し、
前記胴巻きした包装フィルムの一方の側端を、前記製品の胴部よりも外側へ延出させて筒状の一端延出部を形成するとともに、当該一端延出部を重ね合わせて偏平状にシールすることにより、前記包装フィルムの一端延出シール部を形成し、さらに当該一端延出シール部に吊り下げ用の孔を形成し、
前記胴巻きした包装フィルムの他方の側端を、前記製品の胴部よりも外側へ延出させて筒状の他端延出部を形成するとともに、当該他端延出部を重ね合わせて偏平状にシールすることにより、前記包装フィルムの他端延出シール部を形成し、
且つ、前記製品の胴回りに巻き付けるように配置される開封テープを、前記胴巻き部の裏面に設けたことを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記一端延出シール部は、前記筒状の一端延出部を半周ごとの領域に分け、各領域を対向する二方向から重ね合わせてフィン状にシールすることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記他端延出シール部は、前記筒状の他端延出部を半周ごとの領域に分け、各領域を対向する二方向から重ね合わせてフィン状にシールすることにより形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
前記他端延出シール部を前記製品の側に折り畳むとともに、当該他端延出シール部の両側部に形成された三角形状のフラップも前記製品の側に折り畳み、これら折り畳み部分を接着又はシールしたことを特徴とする請求項3に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製品を包装フィルムで密封するとともに、包装フィルムの延出部に吊り下げ用の孔を設けた構成の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、従来のこの種の包装体を開示している。同文献1に開示された包装体は、製品(フィルム一体型カメラ)を包装部材(1)により密封するとともに、包装部材(1)の上端から延出するシール部(1A)に吊り下げ用の穴部(3)も設け、さらに包装部材(1)の下端から延出するシール部(1B)に切欠き部(4)を設けた構成となっている。
【0003】
上述した従来の包装体は、シール部(1B)に設けた切欠き部(4)から包装部材(1)を引き裂いて製品を取り出すが、シール部(1B)の根本から製品の底部を覆う部分へと包装部材(1)を引き裂いていく際に、引き裂かれる包装部材(1)の方向が急変するため、円滑な引き裂きができず、製品の取り出しに手間取ることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7-50747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、吊り下げて陳列でき、しかも包装フィルムを容易且つ円滑に開封することのできる包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る包装体は、製品の胴回りを包装フィルムで胴巻きし、当該包装フィルムの両端縁部を重ね合わせてシールすることにより、包装フィルムの胴巻き部を形成し、
胴巻きした包装フィルムの一方の側端を、製品の胴部よりも外側へ延出させて筒状の一端延出部を形成するとともに、当該一端延出部を重ね合わせて偏平状にシールすることにより、包装フィルムの一端延出シール部を形成し、さらに当該一端延出シール部に吊り下げ用の孔を形成し、
胴巻きした包装フィルムの他方の側端を、製品の胴部よりも外側へ延出させて筒状の他端延出部を形成するとともに、当該他端延出部を重ね合わせて偏平状にシールすることにより、包装フィルムの他端延出シール部を形成し、
且つ、製品の胴回りに巻き付けるように配置される開封テープを、胴巻き部の裏面に設けたことを特徴とする。
【0007】
上述した構成の包装体は、吊り下げ用の孔を使って吊り下げ陳列することができ、さらに製品の胴回りに巻き付けるように配置された開封テープにより、包装フィルムを円滑に引き裂いて、製品を容易に取り出すことができる。
【0008】
さて、既述した特許文献1の包装体では、シール部(1A,1B)の両側面が内側に折り込まれた、いわゆるガゼット折込部を形成しているが、この種のガゼット折込部は、内側に隙間が生じ、その隙間に塵埃などが侵入してしまうおそれがあった。
そこで、本発明の包装体は、一端延出シール部を、筒状の一端延出部を半周ごとの領域に分け、各領域を対向する二方向から重ね合わせてフィン状にシールすることにより形成することで、内側への折り込みによる隙間をなくして、衛生的に好ましい形態に構成することもできる。
【0009】
同様に、他端延出シール部を、筒状の他端延出部を半周ごとの領域に分け、各領域を対向する二方向から重ね合わせてフィン状にシールすることにより形成することで、他端延出シール部についても内側への折り込みによる隙間をなくして、衛生的に好ましい形態に構成することができる。
【0010】
さらに、他端延出シール部を製品の側に折り畳むとともに、当該他端延出シール部の両側部に形成された三角形状のフラップも製品の側に折り畳み、これら折り畳み部分を接着又はシールすることで、当該他端延出シール部の折り畳まれた面をほぼ平坦な面に構成することもできる。このように構成すれば、包装体を起立して配置することも可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明の包装体によれば、吊り下げ用の孔を使って吊り下げ陳列することができ、さらに製品の胴回りに巻き付けるように配置された開封テープにより、包装フィルムを円滑に引き裂いて、製品を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は本発明の実施形態に係る包装体の外観斜視図、(b)は同包装体の底部を示す部分斜視図である。
図2】包装体の製造過程における中間体を示す外観斜視図である。
図3】包装体の製造工程を示す流れ図である。
図4】(a)は本発明の他の実施形態に係る包装体を示す外観斜視図、(b)は同包装体の底部を示す部分斜視図である。
図5】本発明のさらに他の実施形態に係る包装体を示す外観斜視図である。
図6図1に示した本発明の実施形態に係る包装体の斜視図である。
図7】同じく、包装体の正面図である。
図8】同じく、包装体の右側面図である。
図9】同じく、包装体の左側面図である。
図10】同じく、包装体の背面図である。
図11】同じく、包装体の平面図である。
図12】同じく、包装体の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は本実施形態に係る包装体の外観斜視図、同図(b)は同包装体の底部を示す部分斜視図である。図2は包装体の製造過程における中間体を示す外観斜視図である。
図6図12は包装体の斜視図と六面図であり、図6は斜視図、図7は正面図、図8は右側面図、図9は左側面図、図10は背面図、図11は平面図、図12は底面図である。
【0014】
本実施形態に係る包装体は、直方体形状の製品1を包装フィルム2で包み込んで構成されている。製品1を包む包装フィルム2は、胴巻き部21、一端延出シール部22、他端延出シール部23の各部を有し、胴巻き部21の裏面に開封テープ24が融着された構成となっている。
本実施形態では、図1(b)に示すように、他端延出シール部23は、製品1の底面側に折り畳まれてシールされている。
【0015】
図3は包装体の製造工程を示す流れ図である。
帯状の包装フィルム2はリール3から繰り出され、搬送途中で切断された開封テープ24が裏面に融着されるとともに(開封テープ融着工程A)、包装フィルム2の切断予定部分に開封用の切れ目29が入れられる(切れ目形成工程B)。その後、あらかじめ決められた寸法の長さに切断され(切断工程C)、続いて製品1の胴回りに包装フィルム2が胴巻きされる(胴巻き工程D)。包装フィルム2に融着されている開封テープ24は、このとき製品1の胴回りに巻き付けるように配置される。胴巻きされた包装フィルム2の両端縁部は、重ね合わせてシールされ、製品1の胴部側に折り畳まれる。
【0016】
ここで、製品1の胴回りに胴巻きされた包装フィルム2の両側端部は、製品1の胴部よりも外側に延出させて、筒状の一端延出部25と他端延出部26とを形成している。
次に、一端延出部25は、重ね合わせて図示しないヒータブロックに挟持されて、フィン状にシールされる。同時に、他端延出部26も重ね合わせて図示しないヒータブロックに挟持されて、フィン状にシールされる(延出部シール工程E)。この延出部シール工程Dでは、筒状の一端延出部25を半周ごとの領域に分け、各領域の境界部分を拡張して平坦で且つ一方の境界(一側縁)から他方の境界(他側縁)まで連続する偏平状(すなわち、フィン状)に成形するとともに、各領域を対向する二方向から重ね合わせる。そして、重ね合わせた各領域をシールすることにより一端延出シール部22が形成される。同様に、筒状の他端延出部26を半周ごとの領域に分け、各領域の境界部分を拡張してフィン状に成形するとともに、各領域を対向する二方向から重ね合わせる。そして、重ね合わせた各領域をシールすることにより他端延出シール部23が形成される。図2はこれら一端延出シール部22と他端延出シール部23が形成された中間体を示している。
なお、一端延出シール部22が、ヒータブロック(不図示)に挟まれてシールされた直後のヒータブロックで挟持されている間に、ヒータブロックを貫通する穴を通して孔形成用のカッターが作動し、一端延出シール部22に吊り下げ用の孔28が形成される。
【0017】
次に、他端延出シール部23を、製品1の底面側に折り畳むとともに、この他端延出シール部23の両側部に形成された三角形状のフラップ27も製品1の側に折り畳み、これら折り畳み部分を接着又はシールすることで、他端延出シール部23の折り畳まれた面をほぼ平坦な面に成形する(底部成形工程F)。
【0018】
このようにして製造された本実施形態に係る包装体は、一端延出シール部22に吊り下げ用の孔28が形成されているので、この孔28を使って吊り下げ陳列することができる。また、包装フィルム2の裏面には、製品1の胴回りに巻き付けるように開封テープ24が融着されているので、この開封テープ24により包装フィルム2を円滑に引き裂いて、製品1を容易に取り出すことができる。
さらに、図1(b)に示すように、他端延出シール部23を製品1の底面側に折り畳んで、平坦な面に成形してあるので、包装体を起立した状態に配置して陳列することもできる。
また、上述した手順で形成された一端延出シール部22と他端延出シール部23は、ガゼットタイプの折込部を有する包装体と違い、内側への折り込みによる隙間が形成されないため、塵埃の侵入を考慮する必要がなく衛生的に好ましい(図2参照)。
【0019】
なお、必要に応じて他端延出シール部23を折り畳むことなく、図2に示した中間体の形態で、一端延出シール部22に吊り下げ用の孔28を形成して包装体とすることもできる。
【0020】
図4及び図5は本発明の他の実施形態に係る包装体を示す外観斜視図である。これらの図において、先に示した図1と同一部分又は相当する部分には同一符号を付してある。
図4に示す包装体は、一端延出部25にガゼットタイプの折込部(ガゼット折込部31)を形成した構成となっている。このガゼット折込部31を形成することで、一端延出シール部22の両側部が外側に張り出すことがなく、スマートな包装形態となる。
図5に示す包装体は、一端延出部25と他端延出部26のそれぞれにガゼット折込部31を形成した構成となっている。
【0021】
ガゼット折込部31を形成するには、図3に示した製造工程の延出部シール工程Eにおいて、筒状の一端延出部25を半周ごとの領域に分け、各領域の境界部分をそれぞれ内側に折り込んだ後に、各領域を対向する二方向から重ね合わせ、その重ね合わせた各領域をシールすればよい。同様に、筒状の他端延出部26についても半周ごとの領域に分け、各領域の境界部分をそれぞれ内側に折り込んだ後に、各領域を対向する二方向から重ね合わせ、その重ね合わせた各領域をシールすればよい。
【0022】
図4に示す包装体では、他端延出シール部23を、製品1の底面側に折り畳んで接着又はシールすることで、包装体の底部をほぼ平坦な面に形成してある(図4(b)参照)。
【0023】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変形実施や応用実施が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0024】
1:製品、2:包装フィルム、3:リール、
21:胴巻き部、22:一端延出シール部、23:他端延出シール部、24:開封テープ、25:一端延出部、26:他端延出部、27:三角形状のフラップ、28:吊り下げ用の孔、29:開封用の切れ目、31:ガゼット折込部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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