特開 2022-148502 情報処理装置、プログラム、ネイルシステム及びネイルデザイン選択方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022148502

(43)【公開日】2022-10-06

(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、ネイルシステム及びネイルデザイン選択方法

(51)【国際特許分類】

   A61B 5/16 20060101AFI20220929BHJP

   A61B 5/02 20060101ALI20220929BHJP

   A61B 5/022 20060101ALI20220929BHJP

   A61B 5/0275 20060101ALI20220929BHJP

   A45D 29/00 20060101ALI20220929BHJP

【ＦＩ】

A61B5/16 110

A61B5/02 310Z

A61B5/022 400Z

A61B5/0275 Z

A45D29/00

【審査請求】未請求

【請求項の数】12

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021050213

(22)【出願日】2021-03-24

(71)【出願人】

【識別番号】000001443

【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100106002

【弁理士】

【氏名又は名称】正林 真之

(74)【代理人】

【識別番号】100120891

【弁理士】

【氏名又は名称】林 一好

(74)【代理人】

【識別番号】100126000

【弁理士】

【氏名又は名称】岩池 満

(72)【発明者】

【氏名】大塚 利彦

(72)【発明者】

【氏名】冨田 高弘

【テーマコード（参考）】

4C017

4C038

【Ｆターム（参考）】

4C017AA09

4C017AB03

4C017AC28

4C017BC21

4C017DD14

4C017EE01

4C017FF05

4C038PP03

4C038PS00

4C038VB13

4C038VC01

(57)【要約】

【課題】ユーザの心身状態により適したネイルデザインを提示可能な情報処理装置、プログラム、ネイルシステム及びネイルデザイン選択方法を提供すること。
【解決手段】印刷装置１は、血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する制御部１１０を備える。
【選択図】図１４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理部を備えることを特徴とする情報処理装置。

【請求項2】

前記処理部は、少なくとも身体の一部を撮像したことにより得られる映像に関する情報に基づいて、前記生体情報を取得することを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。

【請求項3】

前記生体情報は、映像脈波であることを特徴とする請求項２に記載の情報処理装置。

【請求項4】

前記処理部は、ユーザの指を撮像したことにより得られる映像に関する情報に基づいて、前記生体情報を取得することを特徴とする請求項２又は請求項３に記載の情報処理装置。

【請求項5】

前記処理部は、前記生体情報に基づいて血行状態を判定し、判定された前記血行状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする請求項１から４の何れかに記載の情報処理装置。

【請求項6】

前記処理部は、前記生体情報に基づいてユーザの緊張状態を判定し、判定された前記緊張状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする請求項１から５の何れかに記載の情報処理装置。

【請求項7】

前記処理部は、前記生体情報に基づいて心拍調整機能の状態を判定し、判定された前記心拍調整機能に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の情報処理装置。

【請求項8】

前記処理部は、前記生体情報に基づいて血圧の高低の状態を判定し、判定された前記血圧の高低の状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする請求項１から７の何れかに記載の情報処理装置。

【請求項9】

複数のネイルデザインからなるグループが予め設定されており、
前記処理部は、前記生体情報に基づいてユーザに提示する前記ネイルデザインとして、前記グループを決定することを特徴とする請求項１から８の何れかに記載の情報処理装置。

【請求項10】

外部と通信可能な第１通信部と、ユーザの爪に印刷可能な印刷部と、を有する印刷装置と、
前記印刷装置と通信可能な第２通信部と、ユーザの少なくとも身体の一部の映像に関する情報に基づいて前記ユーザの生体情報を決定し、決定された前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理部と、を有する情報処理装置と、を備え、
前記印刷部は、前記第１通信部が前記第２通信部から受信した前記ネイルデザインに基づいてユーザの爪に印刷を行うことを特徴とするネイルシステム。

【請求項11】

コンピュータに、
血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理機能を実行させるプログラム。

【請求項12】

情報処理装置が実行するネイルデザイン選択方法であって、
血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理ステップを含むネイルデザイン選択方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、情報処理装置、プログラム、ネイルシステム及びネイルデザイン選択方法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、ユーザが選択した色や絵柄等のネイルデザインを指の爪に施すことができるネイルプリンタが知られている。この種の技術が記載されているものとして特許文献１がある。特許文献１には、試し塗りをせずに高い精度でインク等の液滴を射出可能なネイルプリンタの技術が記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１７－１８５８９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１に記載されているような従来のネイルプリンタは、予め定められたネイルデザインをユーザに提示するものである。ネイルには、ユーザの気持ちを落ち着かせたりモチベーションを向上させたりする等の効果がある。ユーザの心身の状態に基づいてネイルデザインの提示という点で改善の余地があった。

【0005】

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの心身状態により適したネイルデザインを提示可能な情報処理装置、プログラム、ネイルシステム及びネイルデザイン選択方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理部を備えることを特徴とする。

【発明の効果】

【0007】

本発明によれば、ユーザの心身状態により適したネイルデザインを提示可能な情報処理装置、プログラム、ネイルシステム及びネイルデザイン選択方法を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本発明の一実施形態に係るネイルプリントシステムの構成を示す構成図である。

【図2】本発明の一実施形態に係る印刷装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。

【図3】本発明の一実施形態に係る印刷部の構成を示す構成図である。

【図4】本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能的構成のうち、印刷処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。

【図5】本発明の一実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。

【図6】本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能的構成のうち、印刷処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。

【図7】指の肌の領域に設定された測定領域を説明するための概略図である。

【図8】測定領域内の画素の輝度値から脈波情報を取得することを説明する概略図である。

【図9】脈波情報から生体情報を算出することを説明する概略図である。

【図10】算出可能な生体情報と、生体情報に対応する判定閾値、ユーザに提示するデザイン選択、心身状態推定結果とをまとめた表である。

【図11】提示されたネイルデザインの選択画面を示す模式図である。

【図12】脈波情報から算出したローレンツプロットの一例を示すグラフである。

【図13】本発明の一実施形態に係る印刷装置が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。

【図14】本発明の一実施形態に係る印刷装置が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。

【図15】本発明の第１の変形例に係る印刷装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。

【図16】本発明の第１の変形例に係る印刷部の構成を示す構成図である。

【図17】本発明の第１の変形例に係る印刷装置の機能的構成のうち、印刷処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。

【図18】カフの圧迫の有無による脈波測定結果の違いを説明する説明図である。

【図19】本発明の第１の変形例に係る印刷装置が実行する処理の流れのうち一部分を説明するフローチャートである。

【図20】本発明の第２の変形例に係る印刷装置が実行する処理の流れのうち一部分を説明するフローチャートである。

【図21】本発明の第３の変形例に係るネイルプリントシステムの構成を示す概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。

【0010】

［実施形態の概略］
＜ネイルプリントシステム＞
図１は、本実施形態に係る印刷装置１が含まれるネイルプリントシステムＳの全体構成を示す構成図である。図１に示すように、ネイルプリントシステムＳは、複数の印刷装置１、印刷装置１毎に対応したタブレット端末であるユーザ端末２、ネットワーク３及びサーバ群４を含む。

【0011】

印刷装置１は、ユーザの爪に色・絵柄・模様等のネイルデザインをプリントするネイルプリンタである。印刷装置１の台数には、特に制限はなく、ｎ台（ｎは、任意の自然数）の印刷装置１がネイルプリントシステムＳに含まれていても良い。なお、以下の説明において、ｎ台の印刷装置１を特に区別することなく説明する場合には、符号の末尾のアルファベットを省略し、単に「印刷装置１」と称する。

【0012】

本実施形態の印刷装置１は、映像からユーザの血流変動を測定し、測定結果に基づいてネイルデザインをユーザに選択させる。印刷装置１は、ユーザの選択したネイルデザインをユーザの爪に印刷する。また、印刷装置１は、有線通信又は無線通信によって電気的にユーザ端末２と接続され、各種の情報の送受信をしている。また、ユーザ端末２は、ネットワーク３を介して、サーバ群４に含まれる各サーバと、相互に通信可能に接続されている。

【0013】

ネットワーク３は、例えば、インターネットや、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）や、携帯電話網の何れか又はこれらを組み合わせたネットワークにより実現される。

【0014】

サーバ群４には、印刷装置１と協働する各種のサーバが含まれる。例えば、サーバ群４には、印刷装置１のユーザを認証するための認証サーバが含まれる。また、例えば、サーバ群４には、ユーザ端末２がダウンロードするためのネイルデザインデータが登録されているネイルデザイン登録配信サーバが含まれる。更に、サーバ群４には、ユーザのプロファイル情報を格納する測定データ格納サーバが含まれる。ユーザのプロファイル情報には、ユーザに関する設定情報やユーザによる印刷装置１の利用履歴等の情報が含まれる。

【0015】

ネイルデザインは、ユーザの指の爪に施すデザインである。例えば、色・絵柄・模様・色彩・キャラクター等のデザインが爪に施される。ネイルデザインは、芸術性があるだけでなく、ネイルデザインの印象等により、ネイルデザインを施された人のストレスが緩和したり、モチベーションが向上したり、精神面での効果がある。

【0016】

なお、図１に示したネイルプリントシステムＳは一例に過ぎず、他の機能を有するサーバがサーバ群４に含まれていても良い。また、サーバ群４に含まれる複数のサーバを、それぞれ別個のサーバ装置で実現しても良く、単一のサーバ装置にて実現するようにしても良い。

【0017】

＜印刷装置＞
図２は、本発明の一実施形態に係る印刷装置１のハードウェアの構成を示すブロック図である。印刷装置１は、図２に示すように、プロセッサであるＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）１１と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）１２と、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）１３と、バス１４と、入出力インターフェース１５と、撮像部１６と、入力部１７と、出力部１８と、記憶部１９と、通信部２０と、ドライブ２１と、電源部２２と、印刷部３２と、脈波解析部３３と、を備えている。

【0018】

ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２に記録されているプログラム、又は、記憶部１９からＲＡＭ１３にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。

【0019】

ＲＡＭ１３には、ＣＰＵ１１が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。

【0020】

ＣＰＵ１１、ＲＯＭ１２及びＲＡＭ１３は、バス１４を介して相互に接続されている。このバス１４にはまた、入出力インターフェース１５も接続されている。入出力インターフェース１５には、撮像部１６、入力部１７、出力部１８、記憶部１９、通信部２０、ドライブ２１、電源部２２、印刷部３２及び脈波解析部３３が接続されている。

【0021】

撮像部１６は、図３に示されるように、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えたカメラ１６ａと、後述する筐体３２ａ内に設けられ、筐体３２ａ内部を照らす照明１６ｂとを有する。光学レンズ部は、被写体を撮像するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。撮像部１６にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。

【0022】

イメージセンサは、光電変換素子や、ＡＦＥ（Ａｎａｌｏｇ Ｆｒｏｎｔ Ｅｎｄ）等から構成される。光電変換素子は、例えばＣＭＯＳ（Ｃｏｍｐｌｅｍｅｎｔａｒｙ Ｍｅｔａｌ Ｏｘｉｄｅ Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒ）型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換（撮像）して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてＡＦＥに順次供給する。ＡＦＥは、このアナログの画像信号に対して、Ａ／Ｄ（Ａｎａｌｏｇ／Ｄｉｇｉｔａｌ）変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、デジタル信号が生成され、撮像部１６の出力信号として出力される。このような撮像部１６の出力信号は、ＣＰＵ１１等に適宜供給される。照明１６ｂは、例えばＬＥＤで構成されている。

【0023】

入力部１７は、各種ボタンやマイク等で構成され、ユーザの指示操作や指示音声に応じて各種情報を入力する。

【0024】

出力部１８は、液晶ディスプレイ等で構成され、ＣＰＵ１１が出力する画像データや映像データに対応する画像や映像を出力する。

【0025】

記憶部１９は、ＤＲＡＭ（Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）等の半導体メモリで構成され、各種データを記憶する。

【0026】

通信部２０は、ＣＰＵ１１が、ネットワーク３を介して他の装置（例えば、サーバ群４に含まれる各サーバ）との間で通信を行うための通信制御を行う。

【0027】

ドライブ２１には、リムーバブルメディア１００を装着可能なインターフェースにより構成される。ドライブ２１には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア１００が適宜装着される。リムーバブルメディア１００には、各種のプログラムや、画像データや映像データ等の各種データが格納されていても良い。更に、ドライブ２１によってリムーバブルメディア１００から読み出されたプログラムや、画像データ等や映像データ等の各種のデータは、必要に応じて記憶部１９にインストールさせても良い。

【0028】

電源部２２は、外部電源に接続されることにより、印刷装置１の各部に電力を供給可能に構成される。

【0029】

印刷部３２は、ユーザの爪に、ネイルデザインを印刷可能である。印刷部３２は、図３に示すように、ユーザの指５を置くための指置台３２ｂと、指置台３２ｂに置かれた指５を検出する不図示のセンサと、爪５ａにネイルデザインを印刷する不図示のネイルデザイン印刷部と、指置台３２ｂとセンサとネイルデザイン印刷部を覆う筐体３２ａと、を有する。即ち、本実施形態の印刷装置１では、ネイルデザイン印刷部が、指置台３２ｂに置かれた指５の爪５ａにネイルデザインを印刷する。

【0030】

なお、本実施形態に係る印刷装置１は、センサによって指置台３２ｂに置かれた指５を認識している。しかし、印刷装置１は、センサではなく撮像部１６のカメラ１６ａにより撮像された映像に基づき、指５を認識させても良い。例えば、印刷装置１は、撮像された映像において指５の肌色を検出して認識させても良い。

【0031】

脈波解析部３３は、ユーザの肌等の映像を解析して脈波情報を算出可能な脈波解析回路を有する。例えば、脈波解析部３３は、撮像部１６が撮像した映像が入力されると、脈波解析回路を介して、後述する各種生体情報を算出する。本実施形態では、後述する制御部１１０の映像処理部１１１により映像の解析を行い、脈波情報や各種生体情報を算出しているが、脈波解析部３３がそれぞれ算出しても良い。

【0032】

また、印刷装置１は、上述したハードウェアに加えて、他のハードウェアを更に備えていても良い。例えば、印刷装置１は、ランプやスピーカあるいは振動用モータ等で構成され、光や音声あるいはバイブレーション信号を出力する出力部等を更に備えても良い。

【0033】

図４は、図２の印刷装置１の機能的構成のうち、印刷処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。印刷処理とは、印刷装置１がユーザから取得した生体情報の変化に基づいて測定結果を表示する一連の処理をいう。

【0034】

まず、各種情報を記憶する記憶部１９について説明する。記憶部１９には、画面表示の処理におけるガイダンスに関する各種のデータや、測定を行うための情報、測定結果を表示するための情報、測定結果を示す情報、ネイルデザインに関する情報、ネイルデザインを印刷した履歴、印刷処理に関する情報等が格納される。なお、上述した各種のデータは、記憶部１９にのみ格納されていても良いが、ドライブ２１によってリムーバブルメディア１００に適宜格納されるようにしても良い。更に、各情報は、サーバ群４に含まれる測定データ格納サーバ等に適宜格納されるようにしても良い。

【0035】

次に、印刷処理を実行する各機能ブロックについて説明する。本実施形態の制御部１１０は、図４に示すように、映像処理部（映像処理機能）１１１と、出力処理部（出力処理機能）１１２と、入力処理部（入力処理機能）１１３と、データ処理部（データ処理機能）１１４と、判定処理部（判定処理機能）１１５と、通信処理部（通信処理機能）１１６と、印刷処理部（印刷処理機能）１１７と、を有する。

【0036】

映像処理部１１１は、撮像部１６が撮像した被写体としてのユーザを含む映像を解析することにより、ユーザに関する情報（以下、「被写体情報」と称する。）を取得する。被写体情報は、例えば、ユーザ映像の指５等における各部位の色や、ユーザの状態を示す生体情報（バイタルデータと呼ばれることもある。）等である。撮像部１６が取得する情報（映像）を解析することで測定が行われるので、ユーザに接触することなく生体情報を逐次取得できる。具体的な映像処理部１１１による映像データの解析については後述する。また、映像処理部１１１は、取得した生体情報を出力する際、少なくとも記憶部１９に当該生体情報を出力する。これにより、記憶部１９には、取得した生体情報の履歴が格納される。

【0037】

出力処理部１１２は、出力部１８の画面に表示映像として動画像を表示する制御を行う。これにより、脈波測定の進捗状況等を動的に視覚化でき、分かり易く表示できる。また、出力処理部１１２は、ガイド画像や測定データ、ネイルデザイン等を合成する合成処理等も行う。例えば、出力処理部１１２は、図９に示されるようなユーザの指５と測定結果を示す画像（測定結果表やグラフ等）とを合成した合成映像や、ユーザの指５とネイルデザイン画像とを合成したプレビュー映像を表示する制御を行う。

【0038】

また、入力処理部１１３は、入力部１７に入力されたユーザによる操作を受け付ける処理を実行する。例えば、入力処理部１１３は、入力部１７にユーザによる印刷処理開始の操作を受け付けて、印刷処理部１１７に入力する。

【0039】

データ処理部１１４は、生体情報に基づいたネイルデザインを印刷するための処理を行う。例えば、データ処理部１１４は、映像処理部１１１により算出された生体情報を取得する。データ処理部１１４は、取得した生体情報を通信処理部１１６に出力して、通信部２０を介してユーザ端末に送信させる。また、データ処理部１１４は、ユーザ端末２から送信されたネイルデザインに関する情報を取得し、印刷部３２に印刷の指令信号を出力する。

【0040】

判定処理部１１５は、記憶部１９に記憶された各種の閾値に基づいて、印刷処理における各種の判定を行う。例えば、判定処理部１１５は、映像処理部１１１により算出された生体情報と所定の閾値と比較することで判定を行い、判定結果をデータ処理部１１４に出力する。

【0041】

通信処理部１１６は、外部の機器と通信を行うための処理を行う。例えば、サーバ群４に含まれる認証サーバと通信を行う。これにより、印刷処理を行うユーザが認証される。また、通信処理部１１６は、サーバ群４に含まれる測定データ格納サーバと通信を行うことにより、印刷処理におけるユーザのプロファイル情報を更新する。

【0042】

印刷処理部１１７は、印刷装置１の印刷部３２の動作を制御する処理を行う。例えば、印刷処理部１１７は、制御部１１０により印刷開始指令を受けた場合、印刷部３２にユーザの爪５ａへのネイルデザインの印刷を行わせる。

【0043】

＜ユーザ端末＞
次に、ユーザ端末２の一例について図５を用いて説明する。図５は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末２のハードウェアの構成を示すブロック図である。

【0044】

本実施形態のユーザ端末２は、ＣＰＵ５１と、ＲＯＭ５２と、ＲＡＭ５３と、バス５４と、入出力インターフェース５５と、入力部５６と、出力部５７と、記憶部５８と、通信部５９と、バッテリ６０と、を備えるコンピュータである。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。

【0045】

次に、ユーザ端末２の機能的構成について説明する。図６は、本実施形態に係るユーザ端末２の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。

【0046】

ユーザ端末２の各種の制御を行う制御部７０は、演算処理を実行するＣＰＵ５１によって実現される。本実施形態の制御部７０は、通信処理部（通信処理機能）７１と、出力処理部（出力処理機能）７２と、入力処理部（入力処理機能）７３と、印刷管理部（印刷管理機能）７４と、を有する。

【0047】

通信処理部７１は、通信部５９を介してサーバ群４と各種の情報をやり取りする処理を実行する。また、通信処理部７１は、通信部５９を介して印刷装置１と各種の情報をやり取りする処理を実行する。

【0048】

出力処理部７２は、出力部５７の画面に画像を表示するための処理を実行する。例えば、出力処理部７２は、印刷装置１から送信された生体情報を通信処理部７１が取得した場合に、通信処理部７１の指令により、出力部５７の画面に生体情報を表示させる処理を行う。また、出力処理部７２は、後述するサーバ群４のネイルデザイン登録配信サーバから送信されたネイルデザイン選択情報を通信処理部７１が取得した場合に、通信処理部７１の指令により、出力部５７の画面にネイルデザイン選択情報を表示させる処理を実行する。

【0049】

入力処理部７３は、入力部５６に入力されたユーザによる操作を受け付ける処理を実行する。例えば、入力処理部７３は、タッチパネルにおいて、出力部５７に表示された情報を入力として受け付け、出力部５７の画面に表示する情報を切り替える処理等を実行させる指令を出力処理部７２に送信する。

【0050】

印刷管理部７４は、通信部５９を介して、印刷装置１と印刷処理に関する情報を送受信する。例えば、印刷管理部７４は、ユーザによる印刷開始の入力を受けると、通信処理部７１に印刷開始の指令を出力することで、通信部５９を介して印刷装置１に印刷処理を開始させる。

【0051】

［映像データの解析］
次に、印刷装置１における映像データの解析について、図７から９を用いて説明する。図７は、図３における指置台３２ｂに置いた指５と、指の肌の領域に設定された測定領域としての関心領域ＲＯＩ（Ｒｅｇｉｏｎ Ｏｆ Ｉｎｔｅｒｅｓｔ）とが示される概略図である。図８は、関心領域ＲＯＩ内の画素の輝度値を算出し、取得した脈波の波形を表示することを説明するための概略図である。細線の波形は脈波の元波形を示し、太線は帯域通過フィルタ後の脈波の波形を示す。図９は、測定した脈波情報から生体情報を算出することを説明する概略図である。まず、図７を用いて映像処理部１１１によって解析される映像データの取得について説明する。

【0052】

映像処理部１１１は、輪郭や部位のパターンマッチングや肌色識別等のトラッキングに関する処理を行うことで、指の輪郭や位置、肌の領域を認識し、指の所定の部位領域の検出を行う。例えば、映像中の、ユーザ映像から指の輪郭と位置を検出して、指の領域が自動的に認識される。そして、映像処理部１１１は、この検出した部位領域の肌の色といった状態を検出する。また、図７に示すように、映像処理部１１１は、指５の爪５ａよりも付け根側に破線枠で示す関心領域ＲＯＩ（Region of Interest）を設定する。

【0053】

なお、本実施形態では、爪５ａ以外肌の部分に関心領域ＲＯＩを設定している。これは、爪５ａに、位置認識のための白色のベースコートが塗っており、脈波の測定ができないためである。爪５ａにベースコートを塗っていない場合は、関心領域ＲＯＩは爪５ａに設定しても良い。また、本実施形態では、関心領域ＲＯＩは、予め決められた範囲で設定される。しかし、関心領域ＲＯＩは、予め決められた範囲ではなくても良い。例えば、制御部１１０は、映像において肌の色から肌領域を自動で認識し、関心領域ＲＯＩが最大となる範囲を自動で設定しても良い。

【0054】

映像処理部１１１は、映像からの脈波抽出は、血中のヘモグロビンが緑色の光を良く吸収する性質を利用し、脈拍、脈波等の血流に関する生体情報を取得する。緑信号の波長は一般的に４９５－５７０ｎｍといわれており、ヘモグロビンは５００～６００ｎｍの辺りで吸収係数が高くなっている。血流の上昇時は皮膚表面に血液の量が多くなって単位時間あたりのヘモグロビン量が増加するため、血流が上昇する前に比べ多くの緑信号がヘモグロビンによって吸収される。そのため、血流の上昇時に検出される緑信号の輝度は低下することになる。なお、撮像部１６の撮像素子が光を輝度に変換する場合は、撮像素子の手前にＲＧＢのフィルタを配置し、ＲＧＢそれぞれの画素の輝度値を算出する。この場合、緑色のフィルタを通った光が輝度値となる。撮像素子の感度が波長に対してフラットでなくても、上述のフィルタによってある程度、波長帯域を絞り込めるので精度よく、緑信号を検出できる。

【0055】

映像処理部１１１は、図８に示すように、関心領域ＲＯＩ内の映像における身体の映像情報に含まれる輝度情報に基づいて脈波情報を取得する。より具体的には、映像処理部１１１は、緑信号の輝度の取得を単位時間毎に行って緑信号の輝度の時間変化から脈波情報を取得する。なお、単位時間は、例えば、動画像のフレームレートであり、映像を構成する時間的に連続する画像毎に緑信号の輝度を取得することができる。

【0056】

更に、映像処理部１１１は、赤信号に対しても同様に輝度の取得を単位時間毎に行い、単位時間毎に取得した緑信号から差し引かせても脈波情報の算出をさせても良い。映像処理部１１１は、この緑信号の輝度から赤信号の輝度を差し引いた輝度の時間変化から脈波情報を取得することができ、脈波情報の精度をより高くすることができる。また、本実施形態では、撮像部１６でユーザの身体の対象部位を撮像する動作から、緑信号の輝度を取得する動作までを、脈波測定として説明している。

【0057】

また、脈波情報には、振幅ＰＡがある。図８の太線で示す波形は、脈波の元波形を帯域通過フィルタにかけることで、振幅成分を取り出した波形である。映像から解析される脈波は、一定の振幅ＰＡの範囲内に波形を示す周期的な波形を示している。この脈波の振幅ＰＡは、脈波波形の隣り合う最大値と最小値の差を意味している。即ち、振幅ＰＡは、緑信号の輝度の最大値と最小値の差を意味する。

【0058】

なお、振幅ＰＡを取得するための範囲は、異常値がなく振幅が安定している領域であることが好ましい。例えば、予め設定される閾値を超えた異常値が検出された場合等は、異常値が外れるように脈波情報を取得する。あるいは、撮像時に映像が適切に取得できなかった旨を表示し、再撮像を行って適切な脈波情報を取得しても良い。あるいは、撮像開始から所定時間を経過した後の脈波を振幅の算出に用いても良い。あるいは、所定時間内に取得された脈波から異常値を除いて振幅を算出しても良い。このように、振幅の算出は、種々の方法を適用できる。

【0059】

更に、本実施形態に係る映像処理部１１１は、図９に示すように映像解析により取得した脈波に対して周波数解析や時間領域解析等を行うことで、後述する各種生体情報を算出可能である。本実施形態では、図１０に示すように、ＬＦ／ＨＦ、ＦＦＩのＳＤ（標準偏差）、ローレンツプロットのばらつき変化率、脈拍数の変化率、ＰＡの変化率、ベースラインの変化率、ＣＶＲＲ、歪み時間といった心身の生体情報が算出可能である。各生体情報についての詳細は後述する。

【0060】

また、本実施形態に係る印刷装置１では、各種生体情報を指標として、図１０に示す閾値と比較することによって、図１０に示すように、４項目の心身状態を推定することができる。図１０は、本実施形態に係る印刷装置１が算出可能な生体情報と、生体情報に対応する判定閾値と、判定結果に対応するユーザに提示するデザイン選択及び心身状態推定結果とをまとめた表である。

【0061】

例えば、図１０に示すようにＬＦ／ＨＦ、ＦＦＩのＳＤ（標準偏差）、ローレンツプロットのばらつき変化率、脈拍数の変化率は、ユーザの心身状態が緊張傾向・リラックス傾向かを推定することができる。また、ＰＡの変化率、ベースラインの変化率は、ユーザの血行の良し悪しを推定することができる。また、ＣＶＲＲ、ひずみ時間は、それぞれユーザの心拍調整機能の良し悪し、ユーザの血圧の高低について推定することができる。なお、図１０に示した閾値は一例にすぎず数値や条件は適宜変更することができる。

【0062】

また、本実施形態に係る印刷装置１は、推定されたユーザの心身状態に基づいて、３つの指針で図１１に示すようにネイルデザインを提示可能である。３つの指針としては、ユーザの心身状態をネイルデザインで示す指針、ユーザの心身状態のバランスをとるようなネイルデザインを示す指針、健康を保つような効果のあるネイルデザインを示す指針がある。

【0063】

例えば、ユーザの心身状態をネイルデザインで示す指針では、ユーザの心身状態が緊張傾向と推定される場合は、印刷装置１は、緊張状態を表現した明るい色のネイルデザインを提示する。また、ユーザの心身状態がリラックス状態と推定される場合は、印刷装置１は、落ち着いた色のネイルデザインを提示する。なお、本実施形態では、ネイルデザインを主に色で説明するが、絵柄や模様、装飾も推定された心身状態に合わせて変えても良い。

【0064】

また、ユーザの心身状態のバランスをとるようなネイルデザインを示す指針では、ユーザの心身状態が緊張傾向と推定される場合は、印刷装置１は、緊張を緩和させるような落ち着いた色のネイルデザインを提示する。また、ユーザの心身状態がリラックス傾向と推定される場合は、印刷装置１は、モチベーションを上げるような明るい色のネイルデザインを提示する。

【0065】

また、健康を保つような効果のあるネイルデザインを示す指針では、ユーザの血圧変動が高い状態であると推定される場合は、印刷装置１は、落ち着いた色のネイルデザインを提示する。また、ユーザの血圧変動が低い状態であると推定される場合は、印刷装置１は、明るい色のネイルデザインを提示する。

【0066】

また、印刷装置１は、１つの指標をもってユーザの心身状態の推定を行い、ユーザに提示するデザイン決定を行うことができる。しかし、印刷装置１は、複数の指標を組み合わせて心身状態の推定を行い、デザイン決定を行っても良い。例えば、印刷装置１は、リラックス・緊張傾向と、血行の良し悪し、心拍調整機能の良し悪し、血圧の高低の４項目について、それぞれ心身状態の推定を行い、それらの結果を多数決等で判定しても良い。また、印刷装置１は、多数決ではなく、判定に使用する項目のうちのいずれか１つを選択しても良い。

【0067】

また、実装するシステムの処理能力（リソース）に適した項目を選択し決定するようにしても良い。例えば、処理能力が小さい印刷装置では、算出する際の負荷が大きい指標を選択しないようにしても良い。なお、本実施形態では、予め判定に使用する指標が設定されているが、判定に使用する指標は、ユーザにより選択される設定としても良い。

【0068】

本実施形態では、予めどの指針でネイルデザインを提示するかユーザにより設定可能である。後述する本実施形態に係る印刷処理では、ユーザの心身状態をネイルデザインで示す指針を選択している。なお、心身状態に対するデザインの指針としては、上述の３つに限定されず、３つのうち１つでも良いし、上述の３つ以外の指針であっても良い。また、心身状態に対するデザインの指針はユーザに選択させずに、固定としても良い。

【0069】

次に、それぞれの生体情報について詳細を説明する。まず、ＬＦ／ＨＦは、脈波のパルスの間隔の揺らぎを示し自律神経の傾向を示す指標である。また、ＬＦ／ＨＦは、周波数解析等により算出される。ＬＦ／ＨＦの数値が大きいほど、印刷装置１は、ユーザを緊張傾向にあると判定できる。また、ＬＦ／ＨＦの数値が小さいほど、印刷装置１は、ユーザをリラックス傾向にあると判定できる。

【0070】

次に、ＦＦＩ（Ｆｏｏｔ ｔｏ Ｆｏｏｔ Ｉｎｔｅｒｖａｌ）の標準偏差について説明する。ＦＦＩは、脈波波形のボトムのピークの時間的間隔を示し、ＦＦＩの標準偏差は、脈波波形の間隔のばらつき具合を示す指標である。ＦＦＩの標準偏差が小さいほど、印刷装置１は、ユーザを緊張傾向にあると判定できる。また、ＦＦＩの標準偏差が大きいほど、印刷装置１は、ユーザをリラックス傾向にあると判定できる。

【0071】

次に、ローレンツプロットのばらつき変化率について図１２を用いて説明する。ローレンツプロットのばらつき変化率は、自律神経の傾向を示す指標である。ローレンツプロットのばらつき変化率は、以下のように算出される。まず、ローレンツプロットについて説明する。ローレンツプロットは、連続する２つの脈波の隣り合う間隔について、一方を横軸、他方を縦軸として、グラフにプロットしたものであり、脈波間隔のばらつきを見ることができる。

【0072】

例えば、あるｋ番目の脈波に注目した場合、ｋ番目の脈波と、その後の脈波である、ｋ＋１番目の脈波との間隔をそれぞれ、グラフの縦軸と横軸に対応させてプロットする。このようにプロットした一例を図１２に示す。連続する脈波の間隔の揺らぎが小さいほど、中央に点が集まる。一方、連続する脈波の間隔の揺らぎが大きいほど、周囲に分散する。

【0073】

ここで、ローレンツプロットのばらつきについて説明する。まず、ローレンツプロットを数値で評価する。本実施形態では、例えば、直交する軸にローレンツプロットを投影させることで数値化して、ローレンツプロットのばらつきを算出している。具体的には、ローレンツプロットのグラフにおいて、各ローレンツプロットのデータの分布の中心及び、ｋとｋ＋１が同じとなるような点を通る軸をｙ－ｘ軸とする。また、各ローレンツプロットのデータの分布の中心を通り、ｙ－ｘ軸と直交する軸をｙ－（－ｘ）軸とする。

【0074】

１～３分間のデータの各ローレンツプロットを、上述の２軸にそれぞれ投影して、ｙ－ｘ軸上でのばらつきσ（ｘ）とｙ―（―ｘ）軸上でのばらつきσ（－ｘ）とする。この場合に、ローレンツプロットのばらつきを、楕円の面積Ｓ＝π×σ（ｘ）×σ（－ｘ）として、評価する。楕円の面積が大きいほど、ばらつきが大きく、楕円の面積が小さいほど、ばらつきが小さい。

【0075】

ローレンツプロットのばらつき変化率は、脈波測定時のローレンツプロットのばらつきを通常状態のローレンツプロットのばらつきで除することで算出する。本実施形態では、記憶部１９が予め通常状態のローレンツプロットのばらつきを記憶しており、印刷装置１は、ローレンツプロットのばらつきの変化率を算出する際に記憶部１９が保持している通常状態のローレンツプロットのばらつきを呼び出して算出に用いている。

【0076】

また、制御部１１０は、ローレンツプロットのばらつき変化率と閾値を比較することで、ユーザの心身状態を推定する。算出したばらつきの変化率が閾値を超えている場合、印刷装置１は、ユーザをリラックス傾向にあると判定できる。また、算出したばらつきの変化率が閾値以下の場合、印刷装置１は、ユーザを緊張傾向にあると判定できる。

【0077】

次に、脈拍数の変化率について説明する。脈拍数の変化率は、自律神経の傾向を示す指標である。また、脈拍数は所定時間内の心臓の拍動の回数である。例えば、１分間で心臓が拍動する回数を脈拍数とする。脈拍数の変化率は、脈波測定時の脈拍数を通常状態の脈拍数で除することで算出される。本実施形態では、記憶部１９が予め通常状態の脈拍数を記憶しており、印刷装置１は、脈拍数の変化率を算出する際に記憶部１９が保持している通常状態の脈拍数を呼び出して算出に用いている。

【0078】

また、制御部１１０は、脈拍数の変化率と閾値を比較することで、ユーザの心身状態を推定する。例えば、算出した脈拍数の変化率が閾値を超えている場合、印刷装置１は、ユーザを緊張傾向にあると判定できる。また、算出した脈拍数の変化率が閾値以下の場合、印刷装置１は、ユーザをリラックス傾向にあると判定できる。

【0079】

次に、ＰＡ（Ｐｕｌｓｅ Ａｍｐｌｉｔｕｄｅ）の変化率については、脈波波形の振幅の増減を示す指標である。ＰＡの変化率は以下の式のように算出することができる。

ＰＡの変化率 ＝ （ＰＡ２／ＰＡ１）・・・（式）
ＰＡ１：通常状態のＰＡの測定値の平均値
ＰＡ２：測定における所定時間のＰＡの測定値の平均値

通常状態のＰＡの測定値の平均値は、予め測定され、印刷装置１の記憶部１９に記憶させている。制御部１１０は、生体情報を算出する際に、記憶部１９から通常状態のＰＡの測定値の平均値を呼び出し、その数値を用いて計算を行う。また、ＰＡの変化率が小さいほど、印刷装置１は、ユーザを血行が悪い傾向にあると判定できる。また、ＰＡの変化率が大きいほど、印刷装置１は、ユーザを血行が良い傾向にあると判定できる。

【0080】

次に、ベースライン変化率は、血行状態に関する指標である。ベースライン変化率は下記の式のように算出することができる。

ベースライン変化率＝（ＢＬ２／ＢＬ１）・・・（式）
ＢＬ１：通常状態の脈波情報のベースライン
ＢＬ２：測定における脈波情報のベースライン

【0081】

ここで、ベースラインとは、所定時間内の換算輝度の平均値である。また、本実施形態では、通常状態の脈波情報のベースラインは、予め測定され、印刷装置１の記憶部１９に記憶させている。制御部１１０は、生体情報を算出する際に、記憶部１９から通常状態のベースラインを呼び出し、その数値を用いて計算を行う。ベースラインの変化率が閾値以下の場合、印刷装置１は、ユーザの血行が悪いと判定できる。また、ベースラインの変化率が閾値を超えている場合、印刷装置１は、ユーザの血行が良いと判定できる。

【0082】

次に、ベースラインとＰＡのそれぞれの意味について考察する。上述の通り、映像の輝度から脈波情報を抽出する原理は、ヘモグロビンによって吸収される緑色光の輝度の時間的変化を捉えるものである。従って、ベースラインは測定期間中における対象部位のヘモグロビン量の平均とほぼ比例関係にあると考えられる。即ち、ベースラインの変化は、その測定部位における平均血液量の変化として解釈することができる。これに対して脈波振幅は、それ自体、脈の拍動を示すものであるから、ＰＡの変化は拍動の強さの変化として解釈することができる。

【0083】

なお、本実施形態に係る制御部１１０は、ローレンツプロットのばらつき変化率、脈拍数の変化率、ＰＡの変化率、ベースラインの変化率を算出する際に、算出の基準として通常状態のデータを記憶部１９に記憶させている。しかし、算出の基準とするデータは、これに限らず、例えば、同じ年代のユーザの平均値を用いても良いし、同じ性別のユーザの平均値を用いても良い。また、映像処理部１１１は、印刷処理時に２回以上データを取得し、取得したデータのうち１つを算出の基準としても良い。

【0084】

次に、ＣＶＲＲ(Ｃｏｅｆｆｉｃｉｅｎｔ oｆ Ｖａｒｉａｔｉｏｎ ｏｆ Ｒ－Ｒ ｉｎｔｅｒｖａｌｓ)、脈波パルスの間隔の揺らぎを示し、心拍調整機能の状態を示す指標である。また、ＣＶＲＲは、脈波情報の周波数解析等により算出される。ＣＶＲＲが小さいほど、印刷装置１は、ユーザの心拍調整機能が不良状態であると判定できる。また、ＣＶＲＲが大きいほど、印刷装置１は、ユーザの心拍調整機能が良好状態であると判定できる。

【0085】

次に、歪み時間は、血圧の相対的な変動を示す指標である。また、歪み時間は、脈波情報において、脈波成分と血圧の変動による波形歪み成分との時間的なずれである。歪み時間が小さいほど、印刷装置１は、ユーザの血圧が高い状態と判定できる。また、歪み時間が大きいほど、印刷装置１は、ユーザの血圧が低い状態と判定できる。なお、以上の指標に限らず、本実施形態に係る印刷装置１は、取得した脈波情報に基づきユーザの心身状態を示す各種の指標を算出できる。

【0086】

［印刷動作］
次に、印刷処理の流れについて図１３～１４を参照して説明する。図１３～１４は、図４の機能的構成を有する図２の印刷装置１が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。印刷処理は、ユーザの指が指置台に置かれた状態で、ユーザによるユーザ端末２の入力部５６への印刷処理開始の操作により開始される。

【0087】

まず、制御部１１０は、図１３に示すように撮像部１６の測定パラメータを予め設定された初期値に設定する（ステップＳ１０）。測定パラメータとは、撮像部１６のカメラ１６ａの撮像に関する設定値である。設定値は、例えば、カメラ１６ａの露出や焦点距離、倍率、照明１６ｂのＬＥＤの明るさ、輝度等の設定に関する数値である。測定パラメータを適正に設定することで、映像のノイズを低減でき、測定する脈波情報の信頼性を高めることができる。

【0088】

また、撮像されるユーザの肌の色等により、映像の輝度が変わることがある。このため、使用するユーザ間で個人差が想定される場合、各測定パラメータは初期値ではなく、ユーザに合わせてパラメータを設定しても良い。例えば、ステップＳ１１で、指置台３２ｂ上の指５を撮像し、撮像された指５の映像に基づいて、設定値を変えても良い。更に、制御部１１０は、印刷処理終了のタイミングでネットワーク３を介してサーバ群４の認証サーバに個人毎に測定パラメータを保存し、別の印刷処理開始の時に、認証サーバから測定パラメータを呼び出して設定しても良い。

【0089】

本実施形態では、制御部１１０は、測定パラメータの設定を印刷処理開始毎に行っている。しかし、制御部１１０は、設定した測定パラメータを記憶部１９に保持させて、次回以降に同じユーザへの印刷処理を行う場合に、保持された測定パラメータを使用しても良い。

【0090】

次に、制御部１１０は、印刷部３２のセンサによりユーザの指５が検出されているか否かを判定する（ステップＳ１１）。ユーザの指５がセンサにより検出されている場合（ステップＳ１１：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、関心領域ＲＯＩを指上に設定する（ステップＳ１２）。

【0091】

次に、制御部１１０は、撮像部１６に指５の撮像を開始させることで脈波の測定を開始する（ステップＳ１３）。制御部１１０は、脈波測定が完了すると（ステップＳ１４：Ｙｅｓ）、測定した脈波情報のＳ／Ｎ（Ｓｉｇｎａｌ ｔｏ Ｎｏｉｓｅ：信号対雑音）値を算出し、閾値と比較する（ステップＳ１５）。

【0092】

ここで、Ｓ／Ｎ値は、測定した脈波情報について、脈波以外の雑音（ノイズ）がどのくらい含まれているかを確認するための指標である。Ｓ／Ｎ値が小さいほど、取得した映像データの信頼性があると判定できる。本実施形態では閾値を０．７に設定し、０．７未満のＳ／Ｎ値のデータが信頼できるデータであるとしている。なお、閾値は０．７に限らず適用する装置の目的に応じて設定可能である。

【0093】

Ｓ／Ｎ値が０．７未満の場合（ステップＳ１５：Ｎｏ）、制御部１１０は、撮像部１６にカメラ１６ａの露出等の測定パラメータの再調整を行わせ（ステップＳ１７）、処理をステップＳ１１に移行させる。一方、Ｓ／Ｎ値が０．７を超える場合（ステップＳ１５：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、図１０に示す生体情報のうち判定に使用するデータを算出する（ステップＳ１６）。次に、制御部１１０は、算出した生体情報をユーザ端末２に表示させるために、算出した生体情報を、通信部２０を介してユーザ端末２に送信する（ステップＳ１８）。

【0094】

次に、制御部１１０は、算出した生体情報について、図１４に示すように閾値と比較して判定を行う（ステップＳ１９）。本実施形態では、判定の指標としてＬＦ／ＨＦを用い、心身状態を表現するようなネイルデザインを決定し提示する設定としている。例えば、制御部１１０は、ＬＦ／ＨＦの数値について、閾値「１」に対する判定を行う。ＬＦ／ＨＦが閾値「１」を超える場合（ステップＳ１９：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、通信部２０を介してユーザ端末２にデザインデータのタグから明るい色グループを作成して選択するための判定情報を送信する（ステップＳ２０）。

【0095】

すると、ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介してサーバ群４のネイルデザイン登録配信サーバに指令信号を出し、ネイルデザイン登録配信サーバに明るい色のタグが付いたネイルデザインのデータをユーザ端末２に送信させる。ユーザ端末２の制御部７０は、受信したネイルデザインのデータを用いて、決められたネイルデザイングループを複数作成する。例えば、図１１に示すような２つのネイルデザインを含むデータを作成する。なお、ネイルデザインの数は特に限定されない。

【0096】

更に、制御部１１０は、ユーザにネイルデザインを選択する選択画面を表示させるために通信部２０を介してユーザ端末２にデザイン選択表示の指令信号を送信する（ステップＳ２２）。

【0097】

ユーザ端末２の入力処理部７３は、ユーザによる入力部５６へのネイルデザイン選択を受け付ける。ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介して、ネイルデザインの選択情報を印刷装置１に送信する。

【0098】

制御部１１０は、通信部２０がネイルデザインの選択情報を受信したか否かを確認する（ステップＳ２３）。制御部１１０は、通信処理部７１がネイルデザインの選択情報を受信した場合（ステップＳ２３：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ２４に移行させる。

【0099】

一方、ＬＦ／ＨＦが閾値「１」以下の場合（ステップＳ１９：Ｎｏ）、制御部１１０は、通信処理部１１６に出力して通信部２０を介してユーザ端末２にデザインデータのタグから落ち着いた色グループを作成して選択するための判定情報を送信する（ステップＳ２１）。

【0100】

すると、ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介してサーバ群４のネイルデザイン登録配信サーバに指令信号を出し、ネイルデザイン登録配信サーバに落ち着いた色のタグが付いたネイルデザインのデータをユーザ端末２に送信させる。ユーザ端末２の制御部７０は、受信したネイルデザインのデータを用いて、決められたネイルデザイングループを複数作成する。

【0101】

更に、制御部１１０は、ユーザ端末２の出力部５７の画面にネイルデザインを選択する選択画面を表示させるために通信部２０を介してユーザ端末２にデザイン選択表示の指令信号を送信する（ステップＳ２２）。

【0102】

ユーザ端末２の入力処理部７３は、ユーザによる入力部５６へのネイルデザイン選択を受け付ける。ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介して、ネイルデザインの選択情報を印刷装置１に送信する。

【0103】

制御部１１０は、通信部２０がネイルデザインの選択情報を受信したか否かを確認する（ステップＳ２３）。制御部１１０は、通信処理部７１がネイルデザインの選択情報を受信した場合（ステップＳ２３：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ２４に移行させる。

【0104】

次に、制御部１１０は、撮像された指５の映像に選択されたネイルデザインを重畳させたプレビュー映像を作成する。また、制御部１１０は、プリントを実行するか否かの選択画面もプレビュー映像に重畳させる。また、制御部１１０は、ユーザ端末２にプレビュー画面を表示させるために、通信部２０を介して、作成したプレビュー映像をユーザ端末２に送信する（ステップＳ２４）。

【0105】

ユーザ端末２の制御部７０は、受信したプレビュー映像を出力部５７の画面に表示させる。また、ユーザ端末２の出力部５７の画面には、プリントを実行するか否かの選択画面が表示される。ユーザが画面に表示された選択肢をタッチすることで、ユーザ端末２の制御部７０は、プリントを実行するか否かの選択情報を受け付ける。ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介して印刷装置１に選択情報を送信する。

【0106】

次に、制御部１１０は、受信した選択情報から、プリントを実行するか否かを確認する（ステップＳ２５）。選択情報がプリントを実行しない選択の場合（ステップＳ２５：Ｎｏ）、制御部１１０は、処理をステップＳ２２に移行させる。選択情報がプリントを実行する選択の場合（ステップＳ２５：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、印刷部３２に選択されたネイルデザインをユーザの指５の爪５ａに印刷させる。次に、制御部１１０は、印刷部３２によるプリント動作が完了したか否かを確認する（ステップＳ２６）。

【0107】

印刷部３２によるプリント動作が完了した場合（ステップＳ２６：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、通信部２０を介して、プリントを継続するか否かを確認するために選択画面の表示を促すための指令信号をユーザ端末２に送信する。

【0108】

ユーザ端末２の制御部７０は、出力部５７の画面にプリントを継続するか否かの選択画面を表示させる。ユーザが画面に表示された選択肢をタッチすることで、ユーザ端末２の制御部７０は、プリントを継続するか否かの選択情報を受け付ける。ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介して、選択情報を印刷装置１に送信する。なお、プリントを継続するとは、例えば、同じユーザの他の指５の爪５ａに対してプリントをしたり、他のユーザが使用したりすることが想定される。

【0109】

制御部１１０は、受信したプリントを継続するか否かの選択情報を確認する（ステップＳ２７）。選択情報がプリントを継続する選択である場合（ステップＳ２７：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、通信部２０を介して、プリントを継続するユーザが同一ユーザか否かを確認するために選択画面の表示を促すための指令信号をユーザ端末２に送信する。

【0110】

ユーザ端末２の制御部７０は、出力部５７の画面にプリントを継続するか否かの選択画面を表示させる。画面に表示された選択肢がユーザによりタッチされることで、ユーザ端末２の制御部７０は、プリントを継続するか否かの選択情報を受け付ける。ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介して、選択情報を印刷装置１に送信させる。

【0111】

制御部１１０は、ユーザ端末２から送信される選択情報を確認する（ステップＳ２８）。選択情報が引き続きプリントするユーザが同一ユーザであった場合（ステップＳ２８：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、処理をステップＳ２２に移行させる。これにより、ユーザは、測定パラメータの設定等の処理を省略して他の指５の爪５ａにネイルデザインをプリントすることができる。

【0112】

一方、選択情報が引き続きプリントするユーザが同一人物ではない場合（ステップＳ２８：Ｎｏ）、制御部１１０は、処理をステップＳ１０に移行させる。これにより、制御部１１０は、新たなユーザに対して測定パラメータの設定から印刷処理を行うことができる。次に、ステップＳ２７のＮｏの場合について説明する。選択の入力がプリントを継続せず終了させる選択である場合（ステップＳ２７：Ｎｏ）、印刷処理を終了させる。なお、本実施形態では、図１４に示すステップＳ１９からＳ２８の処理は、印刷装置１の制御部１１０が行っていたが、ユーザ端末２の制御部７０で行っても良い。

【0113】

以上のように構成される印刷装置１は、血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する制御部１１０を備える。

【0114】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１においては、ユーザの心身状態により適したネイルデザインを提示可能である。

【0115】

また、制御部１１０は、少なくとも身体の一部を撮像したことにより得られる映像に関する情報に基づいて、生体情報を取得する。また、生体情報は、映像脈波である。

【0116】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１は、ユーザと非接触で生体情報を取得できる。

【0117】

また、ユーザの指を撮像したことにより得られる映像に関する情報に基づいて、生体情報を取得する。

【0118】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１は、ネイルプリンタに備わるカメラによる映像を用いて脈波測定を行うことができ、ネイルプリンタの部品点数削減による軽量化、コスト削減につなげることができる。また、本実施形態に係る印刷装置１は、ネイルプリンタでネイルデザインの印刷を行う時に、合わせて脈波測定を行うことができる。これにより、印刷装置１は、脈波測定にかける時間や手間を削減できる。更に、ネイルプリンタの指を載置する部位は、映像脈波のノイズの要因である外部の光等が入射しない場所である。そのため、本実施形態に係る印刷装置１は、脈波測定のための映像のノイズを削減することができる。

【0119】

また、制御部１１０は、生体情報に基づいて血行状態を判定し、判定された血行状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する。

【0120】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１は、ユーザの血行状態に応じたネイルデザインを提供できる。例えば、印刷装置１は、ユーザの血行の状態を表現したネイルデザインを提供できる。印刷装置１は、ユーザの血行が悪い場合にネイルデザインを落ち着いた色にしたり、ユーザの血行が良い場合にネイルデザインを明るい色にしたりすることができ、ユーザに心身状態を認識させることができる。

【0121】

また、制御部１１０は、生体情報に基づいてユーザの緊張状態を判定し、判定された緊張状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する。

【0122】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１は、ユーザの緊張状態に応じたネイルデザインを提供できる。例えば、印刷装置１は、ユーザの躁鬱を抑えバランスをとるようなネイルデザインを提供することができる。印刷装置１は、ユーザが緊張状態にある場合にネイルデザインを落ち着かせる色にしたり、ユーザがリラックス状態にある場合にネイルデザインを明るくさせる色にしたりすることができ、ユーザの気分のバランスを取ることに寄与できる。

【0123】

また、制御部１１０は、生体情報に基づいて心拍調整機能の状態を判定し、判定された心拍調整機能に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する。

【0124】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１は、ユーザの心拍調整機能の状態に応じたネイルデザインを提供できる。例えば、印刷装置１は、ユーザの心拍調整機能の状態を表現したネイルデザインを提供できる。印刷装置１は、ユーザの心拍調整機能の状態が悪い場合にネイルデザインを落ち着いた色にしたり、ユーザの心拍調整機能の状態が良い場合にネイルデザインを明るい色にしたりすることができ、ユーザに心身状態を認識させることができる。

【0125】

また、制御部１１０は、生体情報に基づいて血圧の高低の状態を判定し、判定された血圧の高低の状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する。

【0126】

これにより、本実施形態に係る印刷装置１は、血圧の状態に応じたネイルデザインを提供できる。例えば、印刷装置１は、ユーザの血圧の状態を表現したネイルデザインを提供できる。例えば、印刷装置１は、ユーザの血圧が低い場合にネイルデザインを落ち着いた色にしたり、ユーザの血圧が高い場合にネイルデザインを明るい色にしたりすることができ、ユーザに心身状態を認識させることができる。

【0127】

また、本実施形態に係る印刷装置１は、複数のネイルデザインからなるグループが予め設定されており、制御部１１０は、生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインとして、グループを決定する。

【0128】

これにより、印刷装置１は、ユーザに提示するネイルデザインを決定する時間をより短縮することができる。

【0129】

［変形例］
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、上述の実施形態を変形し、以下に例示するような変形例とすることができる。また、以下に例示するような変形例を組み合わせることもできる。

【0130】

＜第１の変形例＞
上述した実施形態では、印刷装置１では、ＬＦ／ＨＦ、ＦＦＩの標準偏差、ローレンツプロットのばらつき変化率、脈拍数の変化率、ＰＡの変化率、ベースラインの変化率、ＣＶＲＲ、ひずみ時間といった生体情報を算出していたが、これに限らない。例えば、指を圧迫するカフを追加した構成で、指の圧迫した場合と指の圧迫をしていない場合とでそれぞれ脈波測定を行うことで、指の圧迫前後の脈波情報から血液量を算出させることが可能である。これにより、印刷装置１は、ユーザに血液量に応じたネイルデザインの提示ができる。

【0131】

第１の変形例に係る印刷装置１のハードウェア構成について、図１５を用いて説明する。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。図１５は、本発明の第１の変形例に係る印刷装置１のハードウェアの構成を示すブロック図である。

【0132】

本実施形態の印刷装置１は、ＣＰＵ１１と、ＲＯＭ１２と、ＲＡＭ１３と、バス１４と、入出力インターフェース１５と、撮像部１６と、入力部１７と、出力部１８と、記憶部１９と、通信部２０と、ドライブ２１と、電源部２２と、印刷部３２と、脈波解析部３３と、圧迫部３４と、を備えるコンピュータである。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。

【0133】

圧迫部３４は、図１６に示される細長い袋状の布で形成されるカフ３４ａと、カフ３４ａの内部に空気を送り込む不図示のポンプ部と、を有する。図１６は、印刷装置１の印刷部３２において、指置台３２ｂ上に置いた指５にカフ３４ａを巻いた様子である。圧迫部３４は、ユーザの指５にカフ３４ａを巻いた状態で、ポンプ部にカフ３４ａ内に空気を送り込ませることで、カフ３４ａを膨らませて指５の血管を圧迫して血流を調整可能である。なお、本実施形態では、カフ３４ａ内に空気を送ることで、指を圧迫させていたが、これに限らない。例えば、ユーザの指をチューブ等で縛って圧迫しても良い。

【0134】

次に、第１の変形例に係る印刷装置１の機能的構成について説明する。図１７は、第１の変形例に係る印刷装置１の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。第１の変形例に係る印刷装置１の各種の制御を行う制御部１１０は、演算処理を実行するＣＰＵ１１によって実現される。本実施形態の制御部１１０は、映像処理部（映像処理機能）１１１と、出力処理部（出力処理機能）１１２と、入力処理部（入力処理機能）１１３と、データ処理部（データ処理機能）１１４と、判定処理部（判定処理機能）１１５と、通信処理部（通信処理機能）１１６と、印刷処理部（印刷処理機能）１１７と、圧迫処理部（圧迫処理機能）１１８と、を有する。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。

【0135】

圧迫処理部１１８は、指令により、圧迫部３４のポンプ部を駆動して、カフ３４ａ内に空気を送り込ませる制御を実行可能である。例えば、本変形例では、ユーザの指５を圧迫した状態で脈波測定を行う場合に、圧迫処理部１１８は、カフ３４ａの圧迫開始の指令を受信して、圧迫部３４のポンプを駆動する。

【0136】

図１８は、カフ３４ａの圧迫の有無による脈波測定結果の違いを説明する説明図であり、上段の図が指５の圧迫無しの状態での脈波測定を示す図で、下段の図が指５の圧迫有りの状態での脈波測定を示す図である。

【0137】

具体的には、上段の左図は、圧迫無しの状態で指５の脈波測定を行った場合の測定の様子を示す図である。上段の中央の図は、圧迫無しの状態で脈波測定中の指５の映像に関心領域ＲＯＩと脈波波形とを重畳させた様子を示す図である。上段の右の図は、指５の圧迫無しの状態で脈波測定を行った場合のベースラインを示すグラフである。本実施形態では、測定したベースラインを通常のベースラインとし、緑信号Ｇ１から赤信号Ｒ１を差し引いて算出され、Ｇ１－Ｒ１となる。

【0138】

また、具体的に、下段の左の図は、カフ３４ａを膨らませて指５の圧迫を行った上で指５の脈波測定を行った場合の測定の様子を示す図である。斜線が描かれたカフ３４ａの図は、カフ３４ａが圧迫状態であることを示す。下段の中央の図は、圧迫有りの状態で脈波測定中の指５の映像に関心領域ＲＯＩと脈波波形とを重畳させた様子を示す図である。下段の右の図は、指５の圧迫有りの状態で脈波測定を行った場合のベースラインを示すグラフである。本実施形態では、圧迫した状態で測定したベースラインを基準のベースラインとし、緑信号Ｇから赤信号Ｒを差し引いて算出され、Ｇ－Ｒとなる。

【0139】

図１８の上下段の左図に示すように、指５を圧迫して行う脈波測定は、カフ３４ａによって圧迫すること以外は同じ条件で行う。また、図１８の上下段の中央の図を比較してわかるように、上段中央の図に比べて下段中央の図の映像脈波の振幅が小さいことがわかる。即ち、指５がカフ３４ａによって圧迫されることで、脈波振幅が小さくなっていることがわかる。図１８の上下段の左の図に示されるように、算出したベースラインを比較しても、圧迫された状態での脈波情報に基づくベースラインＧ－Ｒの方が小さくなっている。

【0140】

本実施形態では、制御部１１０は、圧迫無しの脈波測定により得られた通常のベースライン（Ｇ１－Ｒ１）から、圧迫有りの脈波測定により得られたベースライン（Ｇ―Ｒ）を基準として差し引くことで、基準の状態の血液量に対して、脈波測定時に増加した血液量を算出できる。

【0141】

次に、第１の変形例の具体的な処理について説明する。図１９は、印刷装置１による印刷処理の流れを説明するフローチャートの一部である。ステップＳ１０～Ｓ１６と、ステップＳ１８～Ｓ２８は、本発明の一実施形態と共通であるため、フローチャートと詳細な説明とは省略する。

【0142】

図１３におけるステップＳ１６から説明を行う。制御部１１０は、取得した脈波情報から各種生体情報を算出する（ステップＳ１６）。次に、生成した生体情報、例えば算出したベースライン（Ｇ１－Ｒ１）を保存する（ステップＳ１００）。次に、制御部１１０は、圧迫部３４にポンプを駆動させ、指５に巻かれたカフ３４ａに空気を入れて指５の圧迫を開始させる（ステップＳ１０１）。

【0143】

制御部１１０は、カフ３４ａ内の圧迫値（圧力）を圧迫部３４から取得し、圧迫値が予め設定した設定値を上回っているか否かを確認する（ステップＳ１０２）。圧力値が設定値を上回っている場合（ステップＳ１０２：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、圧迫部３４にポンプの動作を停止させ、指５の圧迫を停止させる（ステップＳ１０３）。次に、制御部１１０は、撮像部１６に指５の撮像を開始させて、脈波測定を開始する（ステップＳ１０４）。

【0144】

脈波測定が完了したら（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、圧迫部３４にポンプ内の空気を解放させ、指５の圧迫を解除する（ステップＳ１０６）。ステップＳ１０４からステップＳ１０５で測定した脈波から各種生体情報を算出する（ステップＳ１０７）。次に、制御部１１０は、ユーザ端末２の出力部５７の画面に算出した生体情報を表示させるために、通信部２０を介してユーザ端末２に生体情報と指令信号を送信する（ステップＳ１０８）。

【0145】

ユーザ端末２の制御部７０は、取得した生体情報と指令信号に基づき、出力部５７の画面に算出した生体情報、例えば算出したベースラインの情報（Ｇ－Ｒ）を表示する。

【0146】

引き続き、制御部１１０は、保存されたベースラインの情報（Ｇ１－Ｒ１）から算出したベースラインの情報（Ｇ－Ｒ）を差し引くことで血液量を算出する（ステップＳ１０９）。次に、制御部１１０は、ユーザ端末２の出力部５７の画面に算出した血液量やグラフの推移を表示させるために、通信部２０を介してユーザ端末２に算出した各種情報と指令信号を出す。

【0147】

ユーザ端末２の制御部７０は、取得した各種情報と指令信号に基づき、出力部５７の画面に算出した血液量やグラフ推移を表示させる（ステップＳ１１０）。次に、制御部１１０は、ネイルデザインを爪５ａに印刷する印刷ジョブを終了するか否かの選択画面の表示を促すための指令信号をユーザ端末２に送信する。

【0148】

ユーザ端末２の制御部７０は、指令信号を受信すると、出力部５７の画面に印刷ジョブを終了するか否かの選択画面が表示させる。ユーザが画面に表示された選択肢をタッチすることで、ユーザ端末２の制御部７０は、ユーザの選択情報を受け付ける。また、ユーザ端末２の制御部７０は、通信部５９を介して印刷装置１に印刷ジョブを終了するか続けるかの選択情報を送信する。

【0149】

次に、制御部１１０は、通信部２０が選択情報を確認する（ステップＳ１１１）。選択情報が印刷ジョブを終了しない選択である場合（ステップＳ１１１：Ｎｏ）、制御部１１０は、記憶部１９に算出した生体情報を記憶させ、処理をステップＳ１８に移行させる（ステップＳ１１２）。選択情報が印刷ジョブを終了する選択である場合（ステップＳ１１１：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、処理をステップＳ１０に移行させる。以降は、図１３を参照して説明した上記実施形態と同様の処理が実行させる。

【0150】

以上説明したように、第１の変形例に係る印刷装置１では、本発明の一実施形態に加えて、指を圧迫する構成を備える。印刷装置１は、指の圧迫した場合としていない場合で脈波測定を行い、血液量を算出させる。これにより、印刷装置１は、ユーザの心身状態としての血液量に応じたネイルデザインの提示ができる。

【0151】

＜第２の変形例＞
上述した第１の変形例では、印刷処理における圧迫部３４による圧迫の停止制御（図１９のステップＳ１０２）は、予め設定された設定値を閾値として、比較し判定していたが、これに限られない。例えば、測定した脈波に含まれるノイズが一定以上となった場合にも停止させる制御をさせる。脈波情報に含まれるノイズの判定方法として、Ｓ／Ｎ値を用いて判定する。なお、第２の変形例に係る印刷装置１は、第１の変形例に係る印刷装置１と同様の構成であり、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。

【0152】

第２の変形例の具体的な処理について説明する。図２０は、印刷装置１による印刷処理の流れを説明するフローチャートの一部である。本変形例のフローチャートは、第１の変形例のステップＳ１０２～Ｓ１０４が、ステップＳ２００～Ｓ２０２に置き換わった処理であり、他の部分の処理は、第１の変形例と共通であるため、フローチャートと詳細な説明とは省略する。

【0153】

まず、ステップＳ１０１から説明を行う。制御部１１０は、圧迫部３４にポンプを駆動させ、指５に巻かれたカフ３４ａに空気を入れて指５の圧迫を開始させる（ステップＳ１０１）。次に、制御部１１０は、撮像部１６に指５の撮像を開始させて、脈波測定を開始する（ステップＳ２００）。次に、制御部１１０は、取得した脈波情報のＳ／Ｎ値と、カフ３４ａの圧迫値（圧力）を確認し（ステップＳ２０１）、Ｓ／Ｎ値が０．３未満である、もしくは、圧迫値が設定値を超えている場合（ステップＳ２０１：Ｙｅｓ）、制御部１１０は、圧迫部３４にポンプの動作を停止させ、指５の圧迫を停止させる（ステップＳ２０２）。以降は、図１９を参照した上述の変形例と同様の処理が実行させる。なお、Ｓ／Ｎ値の閾値は０．３に限らず個人毎に応じて設定可能である。

【0154】

以上説明したように、第２の変形例に係る印刷装置１では、指の圧迫した場合としていない場合で脈波測定を行い、血液量を算出させる際に、脈波情報のノイズの量を見て圧迫の停止を判定する。これにより、印刷装置１は、より正確に脈波測定を行うことができ、より精度よくユーザの心身状態に応じたネイルデザインの提示ができる。

【0155】

＜第３の変形例＞
上述した一実施形態では、指の映像を解析することにより、脈波情報を取得していたが、これに限らない。例えば、印刷装置１は、図２１に示すように印刷装置１とは別に外部に設けられたカメラにより、顔の映像を撮像し、顔の映像を解析することにより、脈波情報を取得させても良い。なお、第３の変形例に係る印刷装置１は、撮像部１６が印刷部３２の筐体の外に設けられている点を除いて、一実施形態と同様であり、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。また、本変形例の具体的な処理は、上記実施形態と共通であるため、フローチャートと詳細な説明とは省略する。

【0156】

以上説明したように、第３の変形例に係る印刷装置１では、顔の映像から脈波情報を取得し、生体情報を算出している。これにより、印刷装置１の設計の自由度が高まる。また、本変形例では、印刷装置１は、顔の映像を撮像していたが、これに限らない。例えば、撮像する部位は、ユーザの足でも良いし、腕でも良い。また、本変形例では、印刷装置１は、カメラを備えていたが、印刷装置１と接続可能な、撮像部１６とは別のカメラで撮像させても良い。

【0157】

また、本実施形態では、指の映像を解析することにより、脈波情報を取得していたが、これに限らない。例えば、脈波測定は、赤外光の発光素子及び受光素子を組み合わせたセンサを用いた測定であっても、動脈の容積変化を圧力変化として圧力センサでとらえる方法を用いた測定であっても良い。

【0158】

また、本実施形態では、ネイルデザイン登録配信サーバに記憶されたネイルデザインをユーザ端末２にダウンロードしてユーザに提示するネイルデザインを決定しているが、これに限らない。例えば、ユーザ端末２は、推定された心身状態に合わせてネイルデザインを生成しても良い。また、本実施形態では、ユーザ端末２で提示されたネイルデザインを表示し、ユーザに選択させているが、これに限らない。例えば、印刷装置１に画面表示機能と選択入力機能を設け、印刷装置１は、画面に提示されたネイルデザインを表示し、ユーザに選択させても良い。また、本実施形態では、印刷装置１に本発明を適用していたが、これに限らない。例えば、本発明に係る情報処理装置は、ユーザ端末２でも良いし、サーバでも良い。本実施形態に係る印刷装置１は、ネイルデザインのプリントと、身体の一部の映像取得の他に、映像脈波の検出や映像脈波から生体情報の取得し、取得した生体情報に基づいてネイルデザインの決定を行う処理を行っていたが、ネイルデザインを決定する処理がユーザ端末２側やサーバ側で行われてもよい。

【0159】

即ち、ネイルシステムＳが、ユーザの少なくとも身体の一部の映像を取得する撮像部１６（取得部）と、撮像部１６が取得した映像を外部に送信可能な通信部２０と、ユーザの爪に印刷可能な印刷部３２と、を有する印刷装置１と、印刷装置１と通信可能な通信部５９と、ユーザの少なくとも身体の一部の映像に基づいてユーザの生体情報を決定し、決定された生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する制御部７０と、を有するユーザ端末２と、を備える構成としてもよい。この構成では、印刷部３２が、通信部２０が通信部５９から受信したネイルデザインに基づいてユーザの爪に印刷を行うことになる。なお、上記では撮像部１６は印刷装置１が有していたが、それに限らず撮像部１６は印刷装置１とは別体の撮像機器を採用してもよいし、ユーザ端末２が持つカメラを採用してもよい。例えば、印刷装置１とは別体の撮像機器が撮像部１６として採用される場合、撮像部１６は、ユーザの少なくとも身体の一部の映像を取得したら、映像に関する情報をユーザ端末２に直接送信しても良いしサーバに直接送信してもよい。また、ユーザ端末２が持つカメラが撮像部１６として採用される場合、撮像部１６は、ユーザの少なくとも身体の一部の映像を取得したら、映像に関する情報をサーバに直接送信しても良いしサーバに送信せずに、制御部１１０は、そのままユーザ端末２がその映像に関連する情報に基づいてネイルデザインを決定してもよい。

【0160】

上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図４の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が印刷装置１に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図４の例に限定されない。

【0161】

また、１つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成しても良いし、ソフトウェア単体で構成しても良いし、それらの組み合わせで構成しても良い。本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）やＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ‐Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｇａｔｅ Ａｒｒａｙ）等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。

【0162】

一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであっても良い。

【0163】

このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図２のリムーバブルメディア１００により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア１００は、例えば、磁気ディスク（フロッピディスクを含む）、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ－Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ），ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ），Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ（ブルーレイディスク）等により構成される。光磁気ディスクは、ＭＤ（Ｍｉｎｉ－Ｄｉｓｋ）等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図２のＲＯＭ１２や、図２の記憶部１９に含まれるハードディスク等で構成される。

【0164】

なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。

【0165】

以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

【0166】

以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
［付記１］
血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理部を備えることを特徴とする情報処理装置。
［付記２］
前記処理部は、少なくとも身体の一部を撮像したことにより得られる映像に関する情報に基づいて、前記生体情報を取得することを特徴とする付記１に記載の情報処理装置。
［付記３］
前記生体情報は、映像脈波であることを特徴とする付記２に記載の情報処理装置。
［付記４］
前記処理部は、ユーザの指を撮像したことにより得られる映像に関する情報に基づいて、前記生体情報を取得することを特徴とする付記２又は付記３に記載の情報処理装置。
［付記５］
前記処理部は、前記生体情報に基づいて血行状態を判定し、判定された前記血行状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする付記１から４の何れかに記載の情報処理装置。
［付記６］
前記処理部は、前記生体情報に基づいてユーザの緊張状態を判定し、判定された前記緊張状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする付記１から５の何れかに記載の情報処理装置。
［付記７］
前記処理部は、前記生体情報に基づいて心拍調整機能の状態を判定し、判定された前記心拍調整機能に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする付記１から６の何れかに記載の情報処理装置。
［付記８］
前記処理部は、前記生体情報に基づいて血圧の高低の状態を判定し、判定された前記血圧の高低の状態に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定することを特徴とする付記１から７の何れかに記載の情報処理装置。
［付記９］
複数のネイルデザインからなるグループが予め設定されており、
前記処理部は、前記生体情報に基づいてユーザに提示する前記ネイルデザインとして、前記グループを決定する付記１から８の何れかに記載の情報処理装置。
［付記１０］
外部と通信可能な第１通信部と、ユーザの爪に印刷可能な印刷部と、を有する印刷装置と、
前記印刷装置と通信可能な第２通信部と、ユーザの少なくとも身体の一部の映像に関する情報に基づいて前記ユーザの生体情報を決定し、決定された前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理部と、を有する情報処理装置と、を備え、
前記印刷部は、前記第１通信部が前記第２通信部から受信した前記ネイルデザインに基づいてユーザの爪に印刷を行うことを特徴とするネイルシステム。
［付記１１］
コンピュータに、
血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理機能を実行させるプログラム。
［付記１２］
情報処理装置が実行するネイルデザイン選択方法であって、
血流に関連する生体情報を取得し、且つ取得した前記生体情報に基づいてユーザに提示するネイルデザインを決定する処理ステップを含むネイルデザイン選択方法。

【符号の説明】

【0167】

１ 印刷装置
２ ユーザ端末
７０ 制御部
１１０ 制御部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】