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特開2022-148603印刷データ作成プログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148603
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】印刷データ作成プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220929BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20220929BHJP
   B41J 29/38 20060101ALN20220929BHJP
   B41J 3/36 20060101ALN20220929BHJP
   B41J 21/00 20060101ALN20220929BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/0484
G06F3/12 305
B41J29/38 202
B41J3/36 Z
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050348
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長尾 聡輝
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
2C187
5E555
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AS08
2C061CG02
2C061CG15
2C061HP00
2C187AD05
2C187AE18
2C187AG08
2C187CD17
5E555AA04
5E555AA09
5E555AA13
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA09
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC11
5E555BC18
5E555BC19
5E555CA12
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB12
5E555CB39
5E555CB44
5E555CC15
5E555CC19
5E555DB21
5E555DB25
5E555DB41
5E555DC31
5E555DC33
5E555DC34
5E555DC35
5E555DC37
5E555DC45
5E555DD06
5E555DD07
5E555DD09
5E555EA04
5E555EA07
5E555EA08
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】入力されたテキストを用いてオブジェクトへのフィールドの対応付けが可能な印刷データ作成プログラムを提供する。
【解決手段】本開示は、情報処理装置の制御部に、受付処理と、検出処理と、対応付け処理と、印刷処理とを実行させる印刷データ作成プログラムである。受付処理では、オブジェクトに対するテキストの入力を受け付ける。検出処理では、データベースから、入力されたテキストを含む候補セルを検出する。対応付け処理では、候補セルから選択された特定セルが含まれる列を、オブジェクトに対応したフィールドとして記憶する。印刷処理では、フィールドに含まれるセルのうち、印刷対象のセルのテキストデータをオブジェクトに挿入した印刷データを印刷装置に出力する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、表示部と、入力部と、テキストデータで構成されるセルの行列として記述されたデータベースが記憶された記憶部と、印刷装置と通信するように構成された通信部とを備える情報処理装置の前記制御部に、
前記表示部に表示されたオブジェクトに対する、前記入力部によるテキストの入力を受け付ける受付処理と、
前記データベースから、前記オブジェクトに入力された前記テキストの少なくとも一部を含む少なくとも1つの候補セルを検出する検出処理と、
前記少なくとも1つの候補セルから選択された特定セルが含まれる前記データベース内の列を、前記オブジェクトに対応したフィールドとして記憶する対応付け処理と、
前記フィールドに含まれるセルのうち、印刷対象のセルのテキストデータを前記オブジェクトにそれぞれ挿入した印刷データを前記印刷装置に出力する印刷処理と、
を実行させる、印刷データ作成プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理の前に前記データベースを読み込む読込処理を前記制御部に実行させる、印刷データ作成プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記少なくとも1つの候補セルとして複数の候補セルが検出された場合に、前記入力部によって前記特定セルを選択するセル選択処理を前記制御部に実行させる、印刷データ作成プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理では、前記表示部において、前記少なくとも1つの候補セルについて他のセルに対する強調表示を行う、印刷データ作成プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記強調表示は、ハイライト表示である、印刷データ作成プログラム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理では、前記表示部において、前記少なくとも1つの候補セルのうち、前記オブジェクトよりも先に前記検出処理及び前記対応付け処理が実行された処理済オブジェクトの前記特定セルと同じ行に含まれるセルについて前記強調表示を行う、印刷データ作成プログラム。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理では、前記表示部において、前記少なくとも1つの候補セルのうち、前記オブジェクトよりも先に前記検出処理及び前記対応付け処理が実行された処理済オブジェクトに対応付けられた前記フィールドに含まれないセルについて前記強調表示を行う、印刷データ作成プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理では、前記データベースに対し指定されたラベル方向が行方向の場合に、前記処理済オブジェクトに対応付けられた前記フィールドに含まれないセルについて前記強調表示を行う、印刷データ作成プログラム。
【請求項9】
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理では、前記表示部において、前記少なくとも1つの候補セルのうち、前記オブジェクトよりも先に前記検出処理及び前記対応付け処理が実行された処理済オブジェクトに対応付けられた前記フィールドに含まれるセルについて前記強調表示を行う、印刷データ作成プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記検出処理では、前記データベースに対し指定されたラベル方向が列方向の場合に、前記処理済オブジェクトに対応付けられた前記フィールドに含まれるセルについて前記強調表示を行う、印刷データ作成プログラム。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記対応付け処理では、前記処理済オブジェクトに対応付けられた前記フィールドに含まれるセルが処理対象の前記オブジェクトの前記特定セルとして選択された場合に、処理対象の前記オブジェクトに対応付けられた前記フィールドの印刷開始セルと、前記処理済オブジェクトに対応付けられた前記フィールドの前記特定セル又は先頭行のセルとの列方向のずれ値を自動的に設定する、印刷データ作成プログラム。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記対応付け処理では、前記特定セルを印刷対象のセルとして自動的に設定する、印刷データ作成プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の印刷データ作成プログラムであって、
前記対応付け処理では、前記フィールドにおける印刷開始セルのテキストデータが挿入された前記オブジェクトを前記表示部に表示させる、印刷データ作成プログラム。
【請求項14】
制御部と、
表示部と、
入力部と、
テキストデータで構成されるセルの行列として記述されたデータベースが記憶された記憶部と、
印刷装置と通信するように構成された通信部と、
を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示されたオブジェクトに対する、前記入力部によるテキストの入力を受け付ける受付処理と、
前記データベースから、前記オブジェクトに入力された前記テキストの少なくとも一部を含む少なくとも1つの候補セルを検出する検出処理と、
前記少なくとも1つの候補セルから選択された特定セルが含まれる前記データベース内の列を、前記オブジェクトに対応したフィールドとして記憶する対応付け処理と、
前記フィールドに含まれるセルのうち、印刷対象のセルのテキストデータを前記オブジェクトにそれぞれ挿入した印刷データを前記印刷装置に出力する印刷処理と、
を実行するように構成される、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷データ作成プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テキストデータが行列状に配置されたデータベースを参照して、印刷データの作成と、印刷装置への印刷データの出力とを連続的に行う印刷データ編集装置が公知である(特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、データベースから表示画面のオブジェクトに挿入するフィールドを選択することで、選択されたフィールドに含まれるテキストデータがオブジェクトに挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-051657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の装置におけるオブジェクトに対するデータベースのフィールドの対応付けでは、候補となるフィールドの表示、フィールドの選択及び決定といった操作ステップが必要である。
【0006】
本開示の一局面は、入力されたテキストを用いてオブジェクトへのフィールドの対応付けが可能な印刷データ作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、制御部と、表示部と、入力部と、テキストデータで構成されるセルの行列として記述されたデータベースが記憶された記憶部と、印刷装置と通信するように構成された通信部とを備える情報処理装置の制御部に、受付処理と、検出処理と、対応付け処理と、印刷処理と、を実行させる印刷データ作成プログラムである。
【0008】
受付処理では、表示部に表示されたオブジェクトに対する、入力部によるテキストの入力を受け付ける。検出処理では、データベースから、オブジェクトに入力されたテキストの少なくとも一部を含む少なくとも1つの候補セルを検出する。
【0009】
対応付け処理では、少なくとも1つの候補セルから選択された特定セルが含まれるデータベース内の列を、オブジェクトに対応したフィールドとして記憶する。印刷処理では、フィールドに含まれるセルのうち、印刷対象のセルのテキストデータをオブジェクトにそれぞれ挿入した印刷データを印刷装置に出力する。
【0010】
本開示の別の態様は、制御部と、表示部と、入力部と、テキストデータで構成されるセルの行列として記述されたデータベースが記憶された記憶部と、印刷装置と通信するように構成された通信部と、を備える情報処理装置である。制御部は、受付処理と、検出処理と、対応付け処理と、印刷処理と、を実行するように構成される。
【0011】
受付処理では、表示部に表示されたオブジェクトに対する、入力部によるテキストの入力を受け付ける。検出処理では、データベースから、オブジェクトに入力されたテキストの少なくとも一部を含む少なくとも1つの候補セルを検出する。
【0012】
対応付け処理では、少なくとも1つの候補セルから選択された特定セルが含まれるデータベース内の列を、オブジェクトに対応したフィールドとして記憶する。印刷処理では、フィールドに含まれるセルのうち、印刷対象のセルのテキストデータをオブジェクトにそれぞれ挿入した印刷データを印刷装置に出力する。
【0013】
これらのような構成によれば、オブジェクトに入力されたテキストに基づいたオブジェクトへのフィールドの対応付けが可能となる。そのため、印刷データ作成のステップ数の削減、テキストによるフィールドの検索機能、ユーザーに対する入力ガイド機能等の付加価値を情報処理装置に与え得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態における画像処理システムを示す模式的な構成図である。
図2図2は、実施形態におけるデータベースの一例を示す模式図である。
図3図3は、図1の情報処理装置に表示されるプレビュー画面とデータベース選択画面との一例を示す模式図である。
図4図4は、図1の情報処理装置に表示されるプレビュー画とデータベース表示画面との一例を示す模式図である。
図5図5は、図1の情報処理装置に表示されるプレビュー画とデータベース表示画面との一例を示す模式図である。
図6図6は、図1の情報処理装置に表示されるプレビュー画とデータベース表示画面との一例を示す模式図である。
図7図7は、図1の情報処理装置に表示されるプレビュー画とデータベース表示画面との一例を示す模式図である。
図8図8A図8B図8C図8D及び図8Eは、データベース表示画面におけるセルの強調表示の一例を示す模式図である。
図9図9Aは、オフセット設定画面の一例を示す模式図であり、図9Bは、フォーム作成画面の一例を示す模式図である。
図10図10は、図1の情報処理装置の制御部が実行する処理を概略的に示すフロー図である。
図11図11A及び図11Bは、図10の処理で実行される優先セル判定処理を概略的に示すフロー図である。
図12図12は、図10の処理で実行される特定セル選択処理を概略的に示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す情報処理装置1は、印刷装置101と共に、画像処理システムを構成する。
【0016】
<情報処理装置>
情報処理装置1は、制御部2と、表示部3と、入力部4と、記憶部5と、通信部6とを備える。
【0017】
本実施形態では、スマートフォンを情報処理装置1の一例として用いる。ただし、情報処理装置1はスマートフォンに限定されず、タブレット等のスマートフォン以外の携帯端末、及びパーソナルコンピュータも情報処理装置1として使用可能である。
【0018】
<制御部>
制御部2は、CPU2Aと、メモリ2Bとを有する。CPU2Aは、メモリ2Bに記憶されたプログラム及びデータに基づいて、各種の処理を行うプロセッサである。メモリ2Bは、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等を含む。メモリ2Bには、OS(オペレーティングシステム)プログラム等が記憶されている。
【0019】
<表示部>
表示部3は、情報処理装置1の待ち受け画面、制御部2によるアプリケーションの実行結果等を表示するディスプレイである。
【0020】
<入力部>
入力部4は、ユーザーがアプリケーション等に対する入力を行うための機器で構成される。入力部4としては、例えば、表示部3と一体化されたタッチパネル、物理的キーボード、マイク等が挙げられる。
【0021】
<記憶部>
記憶部5は、アプリケーションプログラム及びアプリケーションが使用するデータを記憶する。
【0022】
具体的には、記憶部5には、印刷装置101を制御する印刷データ作成プログラムと、印刷データ作成プログラムが使用するデータベースとが記憶されている。印刷データ作成プログラムは、印刷装置101による印刷を行うための処理を制御部2に実行させるプログラムである。
【0023】
図2に示すように、データベースDBは、テキストデータで構成されるセルSの行列として記述されている。データベースDBは、ヘッダHと、少なくとも1つの行と複数の列とで構成された行列本体とを含む。
【0024】
ヘッダHは、データベースDBの列ごとに付された列名である。なお、図2の各セルSには1つの文字からなるテキストが例示されているが、セルSには複数の文字を含むテキストも含まれる。
【0025】
データベースDBは、例えば、CSV(Comma-Separated Values)形式のデータとして、記憶部5に記憶されている。また、記憶部5には、複数のデータベースDBが記憶されてもよい。
【0026】
<通信部>
図1に示す通信部6は、印刷装置101の通信部105と通信するように構成されている。通信部6は、無線通信又は有線通信によって、印刷装置101に印刷データを送信する。無線通信としては、例えば近距離無線通信、無線LAN等が使用される。
【0027】
<印刷装置>
印刷装置101は、情報処理装置1の指令に基づいて印刷用紙、ラベル等の印刷媒体に印刷を行う。印刷装置101は、制御部102と、表示部103と、入力部104と、通信部105と、印刷部106とを備える。
【0028】
制御部102は、CPU102Aと、メモリ102Bとを有する。CPU102Aは、メモリ102Bに記憶されたプログラム及びデータ、並びに通信部105が受信したデータに基づいて、印刷に関する各種の処理を行う。
【0029】
表示部103は、印刷状況、通信状況等を表示する。入力部104は、印刷装置101の印刷設定等を制御部102に入力する。通信部105は、情報処理装置1の通信部6から印刷データを受信すると共に、通信部6へ印刷結果等のコードを送信する。
【0030】
印刷部106は、印刷媒体の搬送機構と、印刷媒体への文字、図形等の印刷を行う印刷機構とを有する。印刷部106は、情報処理装置1から送信された印刷データに基づいて、印刷媒体に印刷を行う。印刷部106の印刷方式は、特に限定されず、例えば、感熱方式、インクジェット方式、インクリボン方式等が挙げられる。
【0031】
<制御部の処理>
情報処理装置1の制御部2は、少なくとも、起動処理、読込処理、受付処理、印刷対象選択処理、検出処理、セル選択処理、対応付け処理、オフセット設定処理、印刷処理、及びフォーム作成処理を実行する。
【0032】
(起動処理)
制御部2は、ユーザーの操作による印刷データ作成アプリケーションの起動を受けて、起動処理を実行する。起動処理では、制御部2は、図3に示すプレビュー画面PVを表示部3に表示する。
【0033】
プレビュー画面PVには、印刷イメージPIが表示される。印刷イメージPIは、印刷媒体(本実施形態では帯状のラベル)に印刷される文字の大きさ、位置、色、フォント等が反映された画像である。
【0034】
図3の印刷イメージPI内には、第1オブジェクトOB1及び第2オブジェクトOB2が配置されている。第1オブジェクトOB1及び第2オブジェクトOB2は、それぞれ、ユーザーが任意のテキストを入力可能な領域である。なお、印刷イメージPI内には、1つのオブジェクトのみが配置されてもよいし、3つ以上のオブジェクトが配置されてもよい。
【0035】
図3は、いずれのオブジェクトにもテキストが入力されていない状態を示している。そのため、図3の第1オブジェクトOB1及び第2オブジェクトOB2には、それぞれのオブジェクト名である「Text1」及び「Text2」が表示されている。
【0036】
(読込処理)
読込処理では、制御部2は、検出処理の前に記憶部5からユーザー指定のデータベースを読み込む。
【0037】
具体的には、制御部2は、ユーザーによるデータベース呼び出し操作に基づいて、図3に示すデータベース選択画面DSを、プレビュー画面PVの下方に設けられた作業領域WSに表示する。
【0038】
データベース選択画面DSには、記憶部5に記憶されている少なくとも1つ(図3では3つ)のデータベース名DNが表示される。ユーザーは、これらのデータベース名DNの中から1つを選択する。
【0039】
制御部2は、ユーザーが選択したデータベース名DNのデータベースを記憶部5から読み込んで、メモリ2Bに記憶する。読み込み完了後、制御部2は、図4に示すように読み込んだデータベースを作業領域WSにマトリックス形式で表示する。
【0040】
(受付処理)
受付処理では、制御部2は、表示部3のプレビュー画面PVに表示されたオブジェクトに対する、入力部4によるテキストの入力を受け付ける。
【0041】
具体的には、制御部2は、ユーザーによるオブジェクトの選択に基づいて、図5に示すように、選択されたオブジェクトの表示をテキスト入力が可能なことを示す表示に切り替える。図5では、選択された第2オブジェクトOB2に、テキスト入力の対象であることを示すアンダースコアが表示されている。
【0042】
オブジェクトが選択された状態でユーザーがテキストを入力すると、制御部2は、図6に示すように選択されたオブジェクトに入力されたテキストを表示する。図6は、第2オブジェクトOB2に対してユーザーが「A」を入力した状態を示している。
【0043】
(印刷対象選択処理)
印刷対象選択処理は、読込処理の後、印刷処理開始までの任意のタイミングで、必要に応じて実行される。
【0044】
印刷対象選択処理では、制御部2は、入力部4によってデータベース内の印刷対象となるセルを選択する。本実施形態では、制御部2は、図7に示すように、データベースの行毎に印刷対象チェックボックスCBを表示させる。印刷対象チェックボックスCBは、チェックの有無によって、データベースの各行が印刷対象に含まれるか否かを切り替える。
【0045】
例えば、図7のデータベースの1行目の印刷対象チェックボックスCBの状態が「印刷対象」(例えばチェックがオン)の場合は、「F1」列及び「F2」列の1行目のセル(つまり、「A」のテキスト及び「B」のテキスト)がそれぞれ印刷データに埋め込まれるテキストとして選択される。
【0046】
一方、データベースの1行目の印刷対象チェックボックスCBの状態が「非印刷対象」(例えばチェックがオフ)の場合は、「A」のテキスト及び「B」のテキストはいずれも印刷されない。
【0047】
なお、印刷対象選択処理において、制御部2は、ユーザーに対しデータベースの行単位で印刷対象を選択させる替わりに、データベースのセル単位で印刷対象を選択させてもよい。
【0048】
(検出処理)
検出処理では、読込処理で読み込んだデータベース(以下、「読込データベース」ともいう。)から、オブジェクトに入力されたテキストの少なくとも一部を含む、少なくとも1つの候補セルを検出する。つまり、制御部2は、読込データベースに含まれる全てのセルを検索対象として、テキストの完全一致検索、又は部分一致検索を行う。
【0049】
制御部2は、例えば、オブジェクトに入力されたテキストが「A」である場合、「AN」、「TA」等のテキストを含むセルを候補セルとして検出する。また、制御部2は、例えば、オブジェクトに入力されたテキストが「HAT」である場合、「AT」、「HA」等のテキストを含むセルを候補セルとして検出する。
【0050】
なお、制御部2は、例えばユーザーの設定に基づいて、入力されたテキストと完全一致するテキストのみ、前方一致するテキストのみ、又は後方一致するテキストのみを含むセルを候補セルとして検出してもよい。また、制御部2は、ユーザーが設定した数(例えば2文字)以上の文字が一致するセルのみを候補セルとして検出してもよい。
【0051】
検出処理では、制御部2は、表示部3において、候補セルについて他のセルに対する強調表示を行う。具体的には、制御部2は、図7に示すように、作業領域WSに表示された読込データベース上の候補セルをハイライト表示する。図7では、第2オブジェクトOB2に入力された「A」と一致する読込データベース上の「F1」列の第1行の「A」がハイライト表示として太字化されている。
【0052】
ハイライト表示には、太字化に加えて、知覚し易い色への文字色変更、背景色の追加、下線の追加、及びこれらの組み合わせが含まれる。また、制御部2は、候補セルに対する強調表示として、例えば、点滅等のアニメーション、候補セルへのカーソルの移動(つまりジャンプ)等を行ってもよい。
【0053】
(セル選択処理)
セル選択処理では、制御部2は、複数の候補セルが検出された場合に、候補セルの中から入力部4によって特定セルを選択する。また、制御部2は、検出処理を行ったオブジェクトと紐づけて特定セルをメモリ2Bに記憶する。
【0054】
具体的には、ユーザーが表示部3に表示された候補セルの中から1つのセルを入力部4によって選択することで、選択された候補セルを特定セルとする。特定セルの選択は、候補セルを直接選択してもよいし、候補セルを含む列を選択してもよい。列を選択した場合は、選択された列に含まれる候補セルが特定セルとされる。
【0055】
図7では、候補セル(つまり「F1」列の第1行のセル)を含む「F1」列に対し、「Merge」と記載された選択ボタンB1が表示されている。ユーザーが選択ボタンB1を押す(つまりタップする)ことで「F1」列が選択され、特定セルとして「F1」列の第1行のセルが選択される。
【0056】
なお、図7では1つの選択ボタンB1が表示されているが、複数の候補セルが複数の列に跨って検出された場合は、複数の選択ボタンB1が作業領域WSに表示される。ユーザーは、複数の選択ボタンB1の中から1つを選択する。
【0057】
(対応付け処理)
対応付け処理では、制御部2は、少なくとも1つの候補セルから選択された特定セルが含まれるデータベース内の列を、検出処理を行ったオブジェクトに対応したフィールドとしてメモリ2Bに記憶する。
【0058】
図7の例では、選択ボタンB1によって「F1」列が第2オブジェクトOB2に対応するフィールドとして選択される。つまり、図7の選択ボタンB1は、特定セルを選択するボタンと、フィールドを選択するボタンとを兼ねている。
【0059】
対応付け処理では、制御部2は、特定セルを印刷対象のセルとして自動的に設定する。例えば、制御部2は、特定セルが含まれる行の印刷対象チェックボックスCBの状態が「非印刷対象」となっていた場合、特定セルのみ又は特定セルを含む行を印刷対象に変更する。
【0060】
さらに、対応付け処理では、制御部2は、対応付けられたフィールドにおける印刷開始セル(つまり後述するオフセットを考慮した先頭行のセル)のテキストデータが挿入されたオブジェクトを表示部3に表示させる。
【0061】
例えば、第2オブジェクトOB2に入力されたテキストが「1」、対応付けられたフィールドにおける先頭行のセルのテキストが「A」の場合、制御部2は、入力された「1」を「A」に変更した第2オブジェクトOB2をプレビュー画面PVに表示する。
【0062】
(複数のオブジェクトに対する検出処理)
検出処理において、候補セルの検出を現在行っているオブジェクト(以下、「処理対象オブジェクト」ともいう)よりも先に検出処理及び対応付け処理が実行された(つまり、フィールドの対応付けが完了している)処理済オブジェクトが同じ印刷イメージPI内に存在する場合、制御部2は、処理対象オブジェクトにおいて強調表示を行う候補セルを第1基準、第2基準、第3基準及び第4基準のいずれかで選択する。
【0063】
なお、処理済みオブジェクトが存在する場合とは、例えば、第1オブジェクトOB1に対して、テキストの入力、候補セルの検出、特定セルの選択及びフィールドの対応付けが完了した後に、第2オブジェクトOB2に対する候補セルの検出が行われる場合である。
【0064】
第1基準では、制御部2は、処理済オブジェクトの処理結果(つまり、選択された特定セル及びフィールド)とは無関係に、全ての候補セルを強調表示する。図8Aは、検索対象のテキストが「A」の場合に、複数の列に含まれる「A」を含むセルがそれぞれ強調表示された例を示す。
【0065】
第2基準では、制御部2は、処理済オブジェクトの特定セルと同じ行に含まれるセルについて強調表示を行う。例えば、図8Bに示すように、処理済オブジェクトの特定セルが点線で囲ったセル(つまり「F1」列の1行目のセル)の場合、このセルと同じ1行目に含まれる「A」を含むセル(つまり「F3」列の1行目のセル)のみが強調表示され、他の行に含まれる「A」を含むセルは強調表示されない。
【0066】
ここで、図8B,8C,8Dにおいて、「MEGRED」の表記が付された列は、処理済みオブジェクトに対応付けられているフィールド(以下、「対応フィールド」ともいう。)を示す。なお、特定セルを表示する点線、及び「MEGRED」の表記は、表示部3に表示されても表示されなくてもよい。
【0067】
第3基準では、制御部2は、処理済オブジェクトの対応フィールドに含まれないセルについて強調表示を行う。例えば、図8Cに示すように、対応フィールドが「F1」列の場合、「F1」列に含まれる「A」を含むセル(つまり「F1」列の3行目のセル)は強調表示されず、他の列に含まれる「A」を含むセルのみが強調表示される。
【0068】
第4基準では、制御部2は、処理済オブジェクトの対応フィールドに含まれるセルについて強調表示を行う。例えば、図8Dに示すように、対応フィールドが「F1」列の場合、「F1」列に含まれる「A」を含むセル(つまり「F1」列の3行目のセル)のみが強調表示され、他の列に含まれる「A」を含むセルは強調表示されない。
【0069】
第2基準、第3基準及び第4基準において、制御部2は、強調表示の対象となる候補セル(以下、「優先セル」ともいう。)以外の候補セルについて、優先セルよりも弱い強調表示を行ってもよい。つまり、制御部2は、(1)優先セル、(2)優先セル以外の候補セル、及び(3)その他のセルが区別される3段階の識別表示を行ってもよい。
【0070】
制御部2は、読込データベースに対し指定されたラベル方向が行方向LDの場合に第3基準の強調表示を行う。また、制御部2は、読込データベースに対し指定されたラベル方向が列方向CDの場合に第4基準の強調表示を行う。
【0071】
「ラベル方向」とは、1つの印刷イメージPIに同時に配置される(つまり同時に印刷される)頻度の高いテキストの、読込データベースにおける並び方向である。例えば、図8Aにおいて、データベースの2行目の「1」、「2」、「3」及び「4」が、1つの印刷イメージPIに同時に配置される頻度が高い場合は、ラベル方向は行方向LDである。
【0072】
また例えば、図8Aにおいて、「F1」列に含まれる「a」、「1」及び「A」が、1つの印刷イメージPIに同時に配置される頻度が高い場合は、ラベル方向は列方向CDである。
【0073】
なお、「行方向LD」は、データベースにおける行に沿った横方向を意味し、各列が並んでいる方向である。「列方向CD」は、データベースにおける列に沿った縦方向を意味し、各行が並んでいる方向である。
【0074】
また、制御部2は、第2基準と、第3基準及び第4基準のいずれかとを組み合わせて強調表示を行ってもよい。
【0075】
(オフセット設定処理)
オフセット設定処理は、対応付け処理の後、印刷処理開始までの任意のタイミングで、必要に応じて実行される。
【0076】
オフセット設定処理では、制御部2は、印刷イメージPIに含まれるオブジェクトごとに、対応付けられたフィールドの印刷開始セル(つまり印刷開始行)を設定する。
【0077】
オフセット設定処理は、例えば図9Aに示すオフセット設定画面OSにおけるユーザーの入力に基づいて行われる。オフセット設定画面OSは、例えば図7のプレビュー画面PVのオフセット設定ボタンB2を押すことで呼び出される。
【0078】
オフセット設定画面OSのオフセット値(Offset)は、フィールドの印刷開始行の先頭行からのずれを表す。例えば、「Text1」オブジェクトのオフセット値を「1」とした場合、「Text1」オブジェクトでは、「F1」列の2行目が印刷開始行となる。つまり、「F1」列の2行目のセルが印刷開始セルとされる。
【0079】
なお、オフセット設定処理で入力されるオブジェクトごとのオフセット値は、他のオブジェクトに対する相対的なずれであってもよい。例えば、図9Aにおいて「Text2」オブジェクトのオフセット値を「1」とした場合に、「Text1」オブジェクトに「F1」列のn行目のセルが印刷されると共に、「Text2」オブジェクトに「F2」列の(n+1)行目のセルが印刷される仕様であってもよい。
【0080】
(複数のオブジェクトに対する対応付け処理)
検出処理において第4基準の強調表示を行った場合、制御部2は、対応付け処理で以下の処理を行う。
【0081】
すなわち、制御部2は、処理済オブジェクトの対応フィールドに含まれるセルが処理対象オブジェクトの特定セルとして選択された場合に、処理対象オブジェクトに対応付けられたフィールドの印刷開始セルと、処理済オブジェクトに対応付けられたフィールドの特定セル又は先頭行のセルとの列方向のずれ値を自動的に設定する。つまり、制御部2は、処理対象オブジェクトのオフセット値を処理済オブジェクトとの関係から自動的に設定する。
【0082】
例えば、図8Eに示すように「F1」列の2行目のセル(「1」)が処理済オブジェクトの特定セルであったときに、「F1」列の3行目のセル(「A」)が処理対象オブジェクトの特定セルとして選択された場合を想定する。
【0083】
この場合、制御部2は、処理対象オブジェクトのフィールド(つまり「F1」列)の印刷開始セルを、処理済オブジェクトの特定セルである2行目のセルから1行下とする。つまり、制御部2は、「F1」列の3行目のセルを印刷開始セルとする。「1行」は、処理済オブジェクトの特定セルと、処理対象オブジェクトの特定セルとの列方向の相対的なずれ値である。
【0084】
また、図8Eの場合、制御部2は、処理対象オブジェクトのフィールドの印刷開始セルを、処理済オブジェクトの先頭行のセルから2行下としてもよい。「2行」は、データベースの1行目に対する、処理対象オブジェクトの特定セルの列方向の絶対的なずれ値である。
【0085】
このように、制御部2は、基準セル(つまり処理済オブジェクトに対応付けられたフィールドの特定セル又は先頭行のセル)に対する、処理対象オブジェクトの特定セルの相対的又は絶対的なずれ値に基づいて、印刷処理対象オブジェクトのフィールドにおける印刷開始セルを変更する。
【0086】
(印刷処理)
印刷処理では、制御部2は、オブジェクトに対応付けられたフィールドに含まれるセルのうち、印刷対象のセルのテキストデータをオブジェクトにそれぞれ挿入した複数の印刷パターンを含む印刷データを印刷装置101に出力する。
【0087】
例えば、図8Aの「F1」列が第1オブジェクトOB1に対応付けられ、「F2」列が第2オブジェクトOB2に対応付けられている場合、制御部2は、印刷対象チェックボックスCBがチェックされた行に含まれる「F1」列のセル及び「F2」列のセルのテキストが第1オブジェクトOB1及び第2オブジェクトOB2にそれぞれ挿入された複数の印刷イメージPIを反映した印刷パターンを作成する。
【0088】
また、制御部2は、オフセット値が設定されたオブジェクトに対して、印刷イメージPIに挿入されるセルの行を、オフセット値に基づいて先頭行又は他のオブジェクトの行からずらす。
【0089】
(フォーム作成処理)
フォーム作成処理は、読込処理の後、印刷処理開始までの任意のタイミングで、必要に応じて実行される。
【0090】
フォーム作成処理では、制御部2は、読込データベースに含まれる複数の列を連結したフォームを作成し、オブジェクトに挿入する。
【0091】
フォーム作成処理は、例えば図9Bに示すフォーム作成画面FMにおけるユーザーの入力に基づいて行われる。フォーム作成画面FMは、例えば図7のプレビュー画面PVのメニューボタンB3を押すことで表示されるメニューから「フォーム作成」を選択することで呼び出される。
【0092】
フォーム作成画面FMでは、入力枠IWにユーザーが任意のフィールド及び任意の文字を入力する。フィールドの入力は、フォーム作成画面FMの下部に表示される列名を選択することで行われる。フォーム作成画面FMの完了ボタンB4を押すことで、作成されたフォームが新たな「列」として、候補セルの検出対象に加えられる。
【0093】
図9Bにおいて、例えば「F1」列の先頭行のセルが「A」、「F2」列の先頭行のセルが「B」であるとすると、「[F1]:::[F2]」のフォームが対応付けられたオブジェクトには「A:::B」のテキストが挿入される。制御部2は、印刷処理において、「A:::B」における「A」及び「B」を順次「F1」列及び「F2」列に含まれるセルに置き換えた複数の印刷イメージPIを印刷パターンとして作成する。
【0094】
[1-2.処理]
以下、図10を参照しつつ、オブジェクトにフィールドを対応付けるために制御部102が実行する処理の一例について説明する。
【0095】
制御部102は、プレビュー画面PVを表示した状態でオブジェクトに対するテキストの入力を受け付け(ステップS110)、オブジェクトにおけるテキストの変更(つまり入力又は削除)の有無を判定する(ステップS120)。
【0096】
テキストの変更が有った場合(S120:YES)、制御部2は、入力されたテキストに基づいてデータベースから候補セルを検出し(ステップS130)、候補セルの有無を判定する(ステップS140)。
【0097】
候補セルが無かった場合(S140:NO)、制御部2は、テキストの入力待ち(S110)に戻る。一方、少なくとも1つの候補セルが有った場合(S140:YES)、制御部2は、候補セルが複数か否か判定する(ステップS150)。
【0098】
候補セルが1つの場合(S150:NO)、制御部2は、この候補セルを強調表示する(ステップS160)。一方、候補セルが複数の場合(S150:YES)、制御部2は、メモリ2Bの記録から、2回目以降のオブジェクトに対するフィールドの対応付けか(つまり、フィールドが対応付けされた処理済みオブジェクトが既に存在するか)否かを判定する(ステップS170)。
【0099】
処理済みオブジェクトが存在しない場合(S170:NO)、制御部2は、全ての候補セルを強調表示する(ステップS180)。一方、処理済みオブジェクトが存在する場合(S170:YES)、制御部2は、優先セル判定処理を実行する(ステップS190)。ここで制御部2は、ユーザーの設定等により、図11Aに示す優先セル判定処理、及び図11Bに示す優先セル判定処理のいずれかを実行する。
【0100】
図11Aの優先セル判定処理では、制御部2は、処理済みオブジェクトの特定セルをメモリ2Bから取得し(ステップS410)、処理済みオブジェクトの特定セルと同じ行に含まれる候補セルを優先セルとする(ステップS420)。
【0101】
図11Bの優先セル判定処理では、制御部2は、まず、メモリ2Bからフィールドとオブジェクトとの対応関係(つまり、処理済みオブジェクトに対応付けられたフィールド名)を取得する(ステップS510)。
【0102】
次に、制御部2は、データベースのラベル方向が自動判定であるか否か判定する(ステップS520)。データベースのラベル方向が自動判定である場合(ステップS520:YES)、制御部2は、データベースのサイズからラベル方向を決定する(ステップS530)。例えば、データベースの行数が列数よりも大きい場合、制御部2は、ラベル方向を行方向とする。
【0103】
一方、データベースのラベル方向が自動判定でない場合(ステップS520:NO)、制御部2は、ユーザーが設定したラベル方向をデータベースのラベル方向として決定する(ステップS540)。
【0104】
ラベル方向の決定後、制御部2は、ラベル方向が行方向であるか否か判定する(ステップS550)。ラベル方向が行方向である場合(S550:YES)、制御部2は、処理済みオブジェクトに対応付けられたフィールドに含まれない候補セルを優先セルとする(ステップS560)。
【0105】
一方、ラベル方向が列方向である場合(S550:NO)、制御部2は、処理済みオブジェクトに対応付けられたフィールドに含まれる候補セルを優先セルとする(ステップS570)。
【0106】
優先セル判定処理の後、制御部2は、判定された優先セルに対し強調表示を行う(ステップS200)。
【0107】
候補セルの強調表示(S160、S180又はS200)の後、制御部2は、図12の特定セル選択処理を実行する(ステップS210)。
【0108】
特定セル選択処理では、制御部2は、ユーザーによる特定セルの選択を受け付け(ステップS710)、特定セルの選択の有無を判定する(ステップS720)。特定セルの選択が有った場合(S720:YES)、制御部2は、特定セルが含まれるフィールドをオブジェクトに対応したフィールドとして記憶すると共に(ステップS730)、特定セル自体も記憶する(ステップS740)。
【0109】
特定セル選択処理の後、制御部2は、対応付けしたフィールドにおける印刷対象セルを設定し(ステップS220)、フィールドにおける印刷開始セルのテキストデータが挿入されたオブジェクトを表示させる(ステップS230)。
【0110】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)制御部2の処理により、オブジェクトに入力されたテキストに基づいたオブジェクトへのフィールドの対応付けが可能となる。そのため、印刷データ作成のステップ数の削減、テキストによるフィールドの検索機能、ユーザーに対する入力ガイド機能等の付加価値を情報処理装置1に与え得ることができる。
【0111】
(1b)候補セルの強調表示により、UI(ユーザーインターフェース)の操作性を向上させることができる。
【0112】
(1c)先に対応付け処理がされた処理済みオブジェクトの特定セル又は対応付けられたフィールドに基づいて、次のオブジェクトの候補セルが強調表示されることで、オブジェクト間の関連性に基づいたフィールドの選択をユーザーに提案することができる。
【0113】
(1d)データベースに指定されたラベル方向に基づいて強調表示を行う優先セルが決定されることで、データベースの特徴や使用状況に合わせて強調表示されるセルの数を絞ることができる。そのため、フィールド選択の操作性を高めることができる。
【0114】
(1e)処理済みオブジェクトのフィールドと、処理対象オブジェクトの特定セルとの関係に基づいて、印刷開始セルが先頭行のセルから自動的に変更されることで、ユーザーによるオフセット値入力の手間を低減できる。
【0115】
(1f)特定セルが印刷対象のセルとして自動的に設定されることで、ユーザーによる印刷対象セルの選択の手間を低減できる。
【0116】
(1g)フィールドにおける印刷開始セルのテキストデータが挿入されたオブジェクトが表示部3に表示されることで、フィールド選択後のユーザーによる印刷イメージPIの確認が容易となる。
【0117】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0118】
(2a)上記実施形態の印刷データ作成プログラム及び情報処理装置において、候補セルの強調表示は必ずしも行われなくてもよい。
(2b)上記実施形態の印刷データ作成プログラム及び情報処理装置において、特定セルは必ずしも印刷対象のセルとして自動的に設定されなくてもよい。
【0119】
(2c)上記実施形態の印刷データ作成プログラム及び情報処理装置において、表示部に表示される各画面のレイアウト及び意匠は一例であり、これらは上述のものに限定されない。
【0120】
(2d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0121】
1…情報処理装置、2…制御部、2A…CPU、2B…メモリ、3…表示部、
4…入力部、5…記憶部、6…通信部、101…印刷装置、102…制御部、
102A…CPU、102B…メモリ、103…表示部、104…入力部、
105…通信部、106…印刷部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12