(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148610
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】ヘルメット、動作制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A42B 3/04 20060101AFI20220929BHJP
A42B 3/30 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A42B3/04
A42B3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050359
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】王 ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】多川 博章
(72)【発明者】
【氏名】宇野 昌利
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】黒▲崎▼ ひろみ
(72)【発明者】
【氏名】荒木 尚幸
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107CA02
3B107DA17
3B107DA21
3B107EA05
3B107EA19
(57)【要約】
【課題】ヘルメットに設けられるバッテリの異常の発生による衝撃から装着者が保護されるようにする。
【解決手段】バッテリと、起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサと、前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定部と、前記異常判定部により異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置が起動するように制御する動作制御部とを備えてヘルメットを構成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、
前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサと、
前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定部と、
前記異常判定部により異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置が起動するように制御する動作制御部と
を備えるヘルメット。
【請求項2】
前記センサは、前記バッテリの振動を検出し、
前記異常判定部は、前記センサの検出出力が示す振動に基づいて前記バッテリの異常の発生を判定する
請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記センサは、前記バッテリの温度を検出し、
前記異常判定部は、前記センサの検出出力が示す温度に基づいて前記バッテリの異常の発生を判定する
請求項1に記載のヘルメット。
【請求項4】
バッテリと、
起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、
前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサとを備えるヘルメットにおける前記衝撃緩和装置の動作制御方法であって、
前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定ステップと、
前記異常判定ステップにより異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置を展開させるように制御する動作制御ステップと
を含む動作制御方法。
【請求項5】
バッテリと、
起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、
前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサとを備えるヘルメットにおいて備えられるコンピュータを、
前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定部、
前記異常判定部により異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置を展開させるように制御する動作制御部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメット、動作制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ライト、マイク、制御部、スピーカ等のデバイスを搭載、内蔵するとともに、これらのデバイスに電力を供給するバッテリを備えたヘルメットが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリは、温度等の状態によっては破裂する可能性が皆無ではない。このため、バッテリが設けられるヘルメットに関しては、バッテリの破裂等の異常の発生による衝撃から装着者が保護されるようにすることが求められる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ヘルメットに設けられるバッテリの異常の発生による衝撃から装着者が保護されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、バッテリと、起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサと、前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定部と、前記異常判定部により異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置が起動するように制御する動作制御部とを備えるヘルメットである。
【0007】
また、本発明の一態様は、バッテリと、起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサとを備えるヘルメットにおける前記衝撃緩和装置の動作制御方法であって、前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定ステップと、前記異常判定ステップにより異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置を展開させるように制御する動作制御ステップとを含む動作制御方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、バッテリと、起動することにより前記バッテリの破裂による装着者への衝撃を緩和するように設けられる衝撃緩和装置と、前記バッテリの所定の状態を検出するように設けられるセンサとを備えるヘルメットにおいて備えられるコンピュータを、前記センサの検出出力に基づいて、前記バッテリの異常の発生を判定する異常判定部、前記異常判定部により異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態の前記衝撃緩和装置を展開させるように制御する動作制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、ヘルメットに設けられるバッテリの異常の発生による衝撃から装着者が保護されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るヘルメットの外観例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るヘルメットの構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るヘルメットの制御部が、エアバッグの展開に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態のヘルメットについて説明する。本実施形態のヘルメットは、例えば工事現場にて作業者が装着するものである場合を例に挙げる。
図1及び
図2を参照して、本実施形態のヘルメット1の構成例について説明する。
図1は、本実施形態のヘルメット1の外観例を示している。同図においては、ヘルメット1を作業者W(装着者の一例)が装着している状態が示されている。
図2は、ヘルメット1の機能構成例を示している。
【0012】
図1に示されるように、本実施形態のヘルメット1は、本体部11と庇12とを備えた外形を有する。
図2に示されるように、本実施形態のヘルメット1は、ヘッドライト20、防爆めがね30、カメラ40(40-L、40-R)、骨伝導ヘッドセット50、バッテリ60、電源回路65、センサ70、エアバッグ80(衝撃緩和装置の一例)、エアバッグ駆動部85、制御部100、及び通信部110を備える。
【0013】
ヘッドライト20は、
図1に示されるように、作業者Wにより装着された状態において、作業者Wの前方を照明するように設けられる。
【0014】
防爆めがね30は、
図1に示されるように、左右のそれぞれにおいてテンプル31の端部側が、ヘルメット1に設けられたホルダ13と連結されている。ホルダ13は、連結されたテンプル31を保持する部位が回転可能とされている。これにより、作業者Wは、防爆めがね30を、同図のように作業者Wの目を覆うようにされた状態と、同図の状態から上に引き上げるようにしてヘルメット1の内側に収納させた状態との間で変化させることができる。
【0015】
防爆めがね30は、
図2に示されるように、表示部35を備える。表示部35は、自分の目を覆うように防爆めがね30を装着している状態において、作業者Wに向けた画像を表示する。
【0016】
表示部35が対応する表示デバイスについては特に限定されるものではない。表示部35が対応する表示デバイスは、例えば、レンズに画像を表示するものであってもよいし、網膜投影などによるものであってもよい。表示される画像は、平面的であってもよいし、作業者Wの視野において立体的に投影されるようなものであってもよい。
【0017】
このように表示部35が備えられることで、作業者Wは、自分の目を覆うように防爆めがね30を装着している状態において、防爆めがね30のレンズ越しに周囲を観察できるとともに、表示された画像も観察することができる。
【0018】
カメラ40(40-L、40-R)は、
図1に示されるように、互いに左右となる位置関係となるように設けられ、ヘルメット1を装着した作業者Wの視線に応じた前方を撮像するように設けられる。カメラ40-Lは、防爆めがね30のフレームの前方の左側に設けられ、カメラ40-Rは、防爆めがね30のフレームの前方の右側に設けられる。
このように設けられる2つのカメラ40は、左右それぞれの視差を利用して、撮像画像における物体の距離を算出することのできるステレオカメラとして機能することができる。
【0019】
なお、
図1では、カメラ40が防爆めがね30に取り付けられている例を示しているが、例えばヘルメット1の本体部11の左右に対して、ヘルメット1を装着した作業者Wの視線に応じた前方を撮像するように設けられてもよい。
【0020】
骨伝導ヘッドセット50は、
図1に示されるように、本体部51に対して骨伝導イヤホン52と骨伝導マイクロフォン53が設けられたヘッドセットである。骨伝導ヘッドセット50は、連結具55によりヘルメット1に取り付けられている。
同図の骨伝導ヘッドセット50は、作業者Wの耳に掛けられることで、骨伝導イヤホン52が作業者Wのこめかみ部分に当接し、骨伝導マイクロフォン53が作業者Wの頬に当接する状態となる。これにより、作業者Wは、骨伝導を介して骨伝導イヤホン52からの音を聴くことができるとともに、自分が発した音声を骨伝導マイクロフォン53により収音させることができる。
このように骨伝導を介して音声の聴き取りと発話音声の収音が行われることで、作業者Wは、例えば工事現場などの音の大きな環境であっても、明確に相手の音声を聞き、明確な自分の音声を相手に聞かせることができる。つまり、作業者Wは、骨伝導ヘッドセット50を利用することで、周囲の騒音にかかわらず円滑に他者と会話を行うことができる。
【0021】
バッテリ60は、ヘルメット1において電力供給を受けて動作するデバイスに供給する電力を蓄積する。バッテリ60は、例えば一次電池であってもよいし、リチウムイオン電池等の二次電池が使用されてよい。また、バッテリ60としての種別、形状等については特に限定されない。
バッテリ60は、ヘルメット1における所定の位置に取り付けられるようにして設けられる。バッテリ60は、ヘルメット1に対して着脱可能に取り付けられてよい。また、バッテリ60が二次電池である場合、バッテリ60はヘルメット1に取り付けられた状態のまま充電が可能なようにされてもよい。
【0022】
電源回路65は、バッテリ60に蓄積された電力を入力し、入力した電力から生成した電源電圧を、ヘルメット1に備えられた各種のデバイスに出力する。本実施形態において、電源回路65により電源電圧が供給されるデバイスには、ヘッドライト20、表示部35、カメラ40、骨伝導ヘッドセット50、エアバッグ駆動部85が含まれる。また、電源回路65により電源電圧が供給されるデバイスは、制御部100及び通信部110等としての機能を実現するコンピュータが含まれる。制御部100及び通信部110等に対応するコンピュータも、ヘルメット1内部に収容されるようにして設けられる。
また、例えば電源回路65は、外部から直流または交流の電力を入力してバッテリ60に充電を行うことが可能とされてもよい。
【0023】
センサ70は、バッテリ60の振動を検出するようにして設けられる。
【0024】
エアバッグ80は、平常時においては、畳まれた状態でヘルメット1における所定の位置に取り付けられている。エアバッグ80が起動して膨らむように展開された状態では、ヘルメット1においてバッテリ60の破裂により発生する作業者Wへの衝撃を緩和するようにされる。これにより、バッテリ60の破裂による衝撃から作業者Wを保護できる。
エアバッグ駆動部85は、制御部100の制御に応じて畳まれたエアバッグ80を展開させる。
【0025】
制御部100は、ヘルメット1における各種制御を実行する。制御部100は、ヘルメット1における各種デバイス(ヘッドライト20、表示部35、カメラ40、骨伝導ヘッドセット50、エアバッグ駆動部85等)を制御する。また、制御部100は、通信部110の通信に関する制御を実行する。
制御部100における異常判定部101、動作制御部102については後述する。
【0026】
通信部110は、無線経由で外部と通信を行う。通信部110が対応する無線通信は、特に限定されないが、例えば無線LANであってよい。また、通信部110は、例えばBluetooth(登録商標)による近距離無線通信が可能とされてよい。
【0027】
上記構成によるヘルメット1は、通信部110を介した無線通信により音声を送受信可能となる。これにより、作業者Wは、骨伝導ヘッドセット50を用いて、他の作業者や本部の管理者等の他者と会話を行うことが可能になる。
【0028】
また、上記構成によるヘルメット1は、制御部100の制御により、スマートグラスとしての表示部35を備える防爆メガネ30にて以下のように画像を表示することができる。
例えば、制御部100は、カメラ40により撮像して得られた撮像画像について所定の解析、分析を行った結果を反映した情報を表示することができる。
また、制御部100は、通信部110による通信により外部のサーバや端末の情報処理装置から取得した情報を表示することができる。
【0029】
また、本実施形態のカメラ40(40-L、40-R)は、ステレオカメラの撮像装置としての利用が可能である。そこで、例えば工事現場における所定の対象物をステレオカメラとしてのカメラ40により撮像して得られた画像を利用して、対象物の位置を計測するシステムが構築されてよい。このようなシステムは、例えば制御部100が撮像画像を入力して計測を行うようにされることで、ヘルメット1で完結するように構成されてもよい。あるいは、ヘルメット1が撮像画像を外部装置に送信し、外部装置にて対象物の位置等の計測が行われるようにされてもよい。この場合の外部装置としては、例えば作業者W等が所持する外部の携帯端末(例えばスマートフォン、タブレット端末等)、事務所等に設置されたコンピュータ等の端末、あるいはサーバ等を挙げることができる。
また、上記のシステムのそれぞれにおいて、対象物の計測結果が反映された画像が防爆めがね30の表示部35により作業者W向けに表示されるようにしてよい。
【0030】
バッテリは、例えば負荷が重くなることにより温度が許容範囲を超えて上昇するといったことが原因で破裂するといった異常が発生する可能性がある。ヘルメット1に備えられるバッテリ60が破裂した場合には、ヘルメット1を装着している作業者Wに対し破裂による衝撃が加わることになる。このため、ヘルメット1としては、バッテリ60が破裂したとしても作業者Wへの衝撃が緩和できるようになっていることが好ましい。
このためには、例えばバッテリ60の周囲を緩衝材のような物体で覆うことが考えられる。しかしながら、バッテリ60の周囲を緩衝材で覆うようにした場合には、ヘルメット1において緩衝材が占有する容積が大きくなってしまう。ヘルメット1の内部の容積には制限があることから緩衝材のための容積を確保することが難しい。また、バッテリ60を緩衝材で覆った場合には、緩衝材によりバッテリ60から発せられた熱が拡散しにくくなるために、バッテリ60の温度上昇が助長されてしまう可能性がある。
【0031】
そこで、本実施形態のヘルメット1にエアバッグ80が設けられる。エアバッグ80は、平常時においては折り畳まれた状態にあるので、ヘルメット1の内部容積を圧迫しない。また、バッテリ60を覆うように設ける必要がないことから、バッテリ60の温度の拡散を妨げることがない。
そのうえで、本実施形態のヘルメット1においては、バッテリ60が破裂したときには、エアバッグ80を展開させることで、バッテリ60の破裂による作業者Wへの衝撃が緩和されるようにする。
【0032】
このようなエアバッグ80の展開のために、制御部100は、異常判定部101と動作制御部102とを備える。異常判定部101は、センサ70の検出出力に基づいて、バッテリ60の異常の発生を判定する。動作制御部102は、異常判定部101により異常の発生が判定されたことに応じて、収納状態のエアバッグ80が展開(起動)するように制御する。
具体的に、異常判定部101は、バッテリ60の振動を検出するセンサ70の検出出力(検出信号)を入力し、バッテリ60に生じる振動を監視している。バッテリ60が破裂した際には、破裂に応じた大きな振動がバッテリ60にて発生することから、センサ70が出力する検出信号のレベルも一定以上となる。つまり、異常判定部101は、バッテリ60に異常が発生したか否かの判定を、センサ70の検出信号が一定以上のレベルとなったか否かの判定により行う。そして、センサ70の検出信号が一定以上のレベルとなったことが異常判定部101により判定されると、動作制御部102がエアバッグ駆動部85を制御して、エアバッグ80が膨らむように展開させる。これにより、バッテリ60の破裂による作業者Wへの衝撃が緩和されることになる。
【0033】
図3のフローチャートは、本実施形態の制御部100が、エアバッグ80の展開の制御に関連して実行する処理手順例を示している。
ステップS101:制御部100において異常判定部101は、センサ70の検出信号を入力する。
ステップS102:異常判定部101は、ステップS101により入力したセンサの検出信号のレベルが一定以上であるか否かを判定する。
ステップS102にてセンサの検出信号のレベルが一定未満であると判定された場合には、バッテリ60は破裂していないことになる。そこで、この場合には、ステップS101に処理が戻される。
ステップS103:ステップS102にてセンサの検出信号のレベルが一定以上であると判定された場合には、バッテリ60が破裂したことになる。そこで、この場合の動作制御部102は、エアバッグ駆動部85を制御してエアバッグ80を展開させる。
【0034】
なお、センサ70は、1のバッテリ60に対応して適宜複数が備えられてよい。この場合の異常判定部101は、例えば複数のセンサ70の検出信号うちで検出信号のレベルが最も大きい検出信号を利用して、ステップS102の判定を行ってよい。
なお、1のバッテリ60に対応して複数のエアバッグ80が設けられてもよい。つまり、1のバッテリ60に対応して設けられるエアバッグ80の数は特に限定されない。また、ヘルメット1において備えられるバッテリ60の数も必要に応じて適宜変更されてよい。
【0035】
なお、センサ70は、振動を検出するセンサに限定されるものではなく、例えばバッテリ60の異常として、破裂の発生を判定可能な検出信号を出力するものであればよい。
あるいは、センサ70は、バッテリ60に発生する異常として、破裂の兆候を判定可能な検出信号を出力するものであってもよい。このようなセンサ70としては、例えばバッテリ60の温度を検出するものであってもよい。この場合、制御部100は、センサ70が出力する検出信号により示される温度が一定以上となったことを判定すると、バッテリ60について破裂の兆候があるとして、エアバッグ駆動部85を制御してエアバッグ80を展開させてよい。
なお、本実施形態のヘルメット1は、工事現場で作業者Wが使用するものに限定されない。例えば、本実施形態のヘルメット1は、高所等で点検、整備等を行う作業者が使用してもよいし、防災用等として使用されてもよい。
【0036】
なお、上述の制御部100等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の制御部100等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 ヘルメット、20 ヘッドライト、30 防爆メガネ、35 表示部、40(40-L、40-R) カメラ、50 骨伝導ヘッドセット、52 骨伝導イヤホン、53 骨伝導マイクロフォン、60 バッテリ、65 電源回路、70 センサ、80 エアバッグ、85 エアバッグ駆動部、100 制御部、101 異常判定部、102 動作制御部