IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社竹中工務店の特許一覧

特開2022-148617空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム
<>
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図1
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図2
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図3
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図4
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図5
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図6
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図7
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図8
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図9
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図10
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図11
  • 特開-空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148617
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20220929BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20220929BHJP
   G06F 16/335 20190101ALI20220929BHJP
【FI】
G06F13/00 560A
G06F13/00 510G
G06Q50/00 300
G06F16/335
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050366
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 邦明
(72)【発明者】
【氏名】国本 陸斗
【テーマコード(参考)】
5B084
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA17
5B084AA30
5B084AB11
5B084AB31
5B084AB39
5B084AB40
5B084BB15
5B084CC04
5B084CC06
5B084CC07
5B084CC14
5B084CC16
5B084CC17
5B084CE07
5B084CE12
5B084DB02
5B084DB07
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC06
5B084DC27
5B084EA22
5B084EA33
5B175DA01
5B175HA02
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性を高めることができる空間評価支援装置及び空間評価支援プログラムを得る。
【解決手段】空間評価支援装置10は、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、利用者によるカテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定する推定部11Bと、取得部11Aによって取得された新規投稿情報が示す利用者による感情的な評価値に対して推定部11Bによって推定された嗜好情報が示す当該利用者の嗜好の程度を反映させる反映部11Cと、反映部11Cによる嗜好の程度の反映後の評価値に関する評価情報を提示する提示部11Dと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して前記利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、前記利用者による前記カテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定する推定部と、
前記取得部によって取得された前記新規投稿情報が示す前記利用者による感情的な評価値に対して、前記推定部によって推定された前記嗜好情報が示す前記利用者の嗜好の程度を反映させる反映部と、
前記反映部による前記嗜好の程度の反映後の前記評価値に関する評価情報を提示する提示部と、
を備えた空間評価支援装置。
【請求項2】
前記評価値は、ポジティブな感情の高さを示す評価値及びネガティブな感情の高さを示す評価値の少なくとも一方である、
請求項1に記載の空間評価支援装置。
【請求項3】
前記提示部は、前記評価情報を地図画像に合成して提示する、
請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置。
【請求項4】
前記地図画像は、ソーシャルヒートマップ画像である、
請求項3に記載の空間評価支援装置。
【請求項5】
前記頻度関連情報は、前記カテゴリー毎の頻度の比率を示す情報である、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の空間評価支援装置。
【請求項6】
利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して前記利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得し、
取得した前記複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、前記利用者による前記カテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定し、
取得した前記新規投稿情報が示す前記利用者による感情的な評価値に対して、推定した前記嗜好情報が示す前記利用者の嗜好の程度を反映させ、
前記嗜好の程度の反映後の前記評価値に関する評価情報を提示する、
処理をコンピュータに実行させるための空間評価支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間評価支援装置及び空間評価支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SNS(Social Networking Service)等において投稿される情報を利用する技術として、以下の技術があった。
【0003】
特許文献1には、投稿者の投稿文を閲覧可能な複数の他の投稿者からなるグループに対して、当該投稿者によって投稿された投稿文を公開するブログサイトサーバと、ネットワークを介して通信可能な投稿文送信装置が開示されている。この投稿文送信装置は、1つ以上の嗜好アイテムを登録した嗜好アイテムテーブルと、前記嗜好アイテムテーブル中の前記嗜好アイテムに関連する推薦嗜好アイテムを逐次導出する推薦嗜好アイテム導出手段と、を有する。また、この投稿文送信装置は、テンプレート文章を用いて、その一部に前記推薦嗜好アイテムを含む投稿文を逐次生成する投稿文生成手段と、前記投稿文を前記ブログサイトサーバへ逐次投稿する投稿手段と、前記ブログサイトサーバから、前記投稿文に対する他の投稿者の反応情報を収集する反応情報収集手段と、を有する。そして、この投稿文送信装置は、前記反応情報から前記他の投稿者の反応が多い推薦嗜好アイテムを導出し、該推薦嗜好アイテムを前記嗜好アイテムテーブルに新たに登録するフィードバック手段を有する。
【0004】
また、特許文献2には、投稿者毎に、投稿文からプロフィール項目を分析する投稿者分析装置が開示されている。この投稿者分析装置は、複数の学習投稿文にプロフィール項目を対応付けて記憶する学習投稿文記憶手段と、前記学習投稿文から学習述語項構造を抽出する学習述語項構造抽出手段と、を有する。また、この投稿者分析装置は、全ての学習述語項構造を要素ビットの列とした定義ベクトルを設定し、プロフィール項目毎に、各学習投稿文から学習述語項構造の学習ベクトルを生成する学習ベクトル生成手段を有する。また、この投稿者分析装置は、前記投稿者のユーザ投稿文からユーザ述語項構造を抽出するユーザ述語項構造抽出手段と、前記ユーザ投稿文から、前記定義ベクトルに対応するユーザ述語項構造のユーザベクトルを生成するユーザベクトル生成手段と、を有する。そして、この投稿者分析装置は、前記プロフィール項目毎の前記学習ベクトルの群を用いて、前記ユーザベクトルに最も類似する学習ベクトルを判定し、当該学習ベクトルの学習投稿文に対応付けられたプロフィール項目を、当該投稿者に対応付けて登録するプロフィール項目推定手段を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-073551号公報
【特許文献2】特開2016-181062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、商業地域、観光地、都市部等の各種空間の評価を行う際には、当該空間に対する人の感情がポジティブであるのか、ネガティブであるのか、といった当該感情の傾向を把握することは極めて重要である。そして、上記空間に対する人の感情の傾向を把握するために、SNS等において当該空間に関して投稿された情報を評価することが考えられる。従って、上記感情の傾向を高い精度で把握するためには、SNS等において上記空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果は信憑性が高いことが要求される。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、上記空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性については考慮されておらず、当該評価結果の信憑性が必ずしも高いとは言えない、という問題点があった。
【0008】
本発明は、以上の事情に鑑みて成されたものであり、空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性を高めることができる空間評価支援装置及び空間評価支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して前記利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、前記利用者による前記カテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定する推定部と、前記取得部によって取得された前記新規投稿情報が示す前記利用者による感情的な評価値に対して、前記推定部によって推定された前記嗜好情報が示す前記利用者の嗜好の程度を反映させる反映部と、前記反映部による前記嗜好の程度の反映後の前記評価値に関する評価情報を提示する提示部と、を備える。
【0010】
請求項1に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得し、取得した複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、利用者によるカテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定し、取得した新規投稿情報が示す利用者による感情的な評価値に対して、推定した嗜好情報が示す利用者の嗜好の程度を反映させることで、空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性を高めることができる。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1に記載の空間評価支援装置であって、前記評価値が、ポジティブな感情の高さを示す評価値及びネガティブな感情の高さを示す評価値の少なくとも一方であるものである。
【0012】
請求項2に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、評価値を、ポジティブな感情の高さを示す評価値及びネガティブな感情の高さを示す評価値の少なくとも一方とすることで、ポジティブな感情の高さを示す評価値及びネガティブな感情の高さを示す評価値の少なくとも一方に対する信憑性を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置であって、前記提示部が、前記評価情報を地図画像に合成して提示する。
【0014】
請求項3に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、評価情報を地図画像に合成して提示することで、より効果的に、評価情報を活用することができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項3に記載の空間評価支援装置であって、前記地図画像が、ソーシャルヒートマップ画像であるものである。
【0016】
請求項4に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、上記地図画像を、ソーシャルヒートマップ画像とすることで、より効果的に、評価情報を活用することができる。
【0017】
請求項5に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の空間評価支援装置であって、前記頻度関連情報が、前記カテゴリー毎の頻度の比率を示す情報であるものである。
【0018】
請求項5に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、頻度関連情報を、カテゴリー毎の頻度の比率を示す情報とすることで、評価値に対して、対応する利用者のみの嗜好傾向を、より適切に反映させることができる。
【0019】
請求項6に記載の本発明に係る空間評価支援プログラムは、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して前記利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得し、取得した前記複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、前記利用者による前記カテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定し、取得した前記新規投稿情報が示す前記利用者による感情的な評価値に対して、推定した前記嗜好情報が示す前記利用者の嗜好の程度を反映させ、前記嗜好の程度の反映後の前記評価値に関する評価情報を提示する、処理をコンピュータに実行させる。
【0020】
請求項6に記載の本発明に係る空間評価支援プログラムによれば、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得し、取得した複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、利用者によるカテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定し、取得した新規投稿情報が示す利用者による感情的な評価値に対して、推定した嗜好情報が示す利用者の嗜好の程度を反映させることで、空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る空間評価支援システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る空間評価支援システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る対象領域情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図4】実施形態に係る頻度関連情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る嗜好情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る評価値情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】実施形態に係る嗜好推定処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態に係る新規投稿対応処理の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る評価情報提示処理の一例を示すフローチャートである。
図10】実施形態に係る評価情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係る初期画面の構成の一例を示す正面図である。
図12】実施形態に係る評価結果画面の構成の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、サーバコンピュータ等により構成された空間評価支援装置と、各々利用者が個別に用いる端末である複数の利用者端末と、を含む空間評価支援システムに適用した場合について説明する。
【0024】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る空間評価支援システム90の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る空間評価支援システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る空間評価支援システム90の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る空間評価支援システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、空間評価支援装置10と、複数の利用者端末30と、を含む。なお、空間評価支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、利用者端末30の例としては、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)等の携帯型の端末が挙げられる。
【0026】
本実施形態に係る利用者端末30は、空間評価支援システム90の利用対象となる複数の利用者(以下、単に「利用者」という。)が各々所持する端末である。利用者端末30は、CPU(Central Processing Unit)31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、タッチパネル等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35及び媒体読み書き装置(R/W)36を備えている。また、利用者端末30は、カメラ38、マイク39、GPS(Global Positioning Systems)40、及び無線通信部42を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36、カメラ38、マイク39、GPS40、及び無線通信部42はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
【0027】
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、評価情報表示プログラム33Aが記憶されている。評価情報表示プログラム33Aは、評価情報表示プログラム33Aが書き込まれた記録媒体37が媒体読み書き装置36にセットされ、媒体読み書き装置36が記録媒体37からの評価情報表示プログラム33Aの読み出しを行うことで、記憶部33へ記憶される。CPU31は、評価情報表示プログラム33Aを記憶部33から読み出してメモリ32に展開し、評価情報表示プログラム33Aが有するプロセスを順次実行する。
【0028】
一方、空間評価支援装置10は、空間評価支援システム90において中心的な役割を有する装置であり、空間評価支援システム90で取り扱う各種情報を統括的に保管して管理する装置である。空間評価支援装置10は、CPU11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0029】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、嗜好推定プログラム13A、新規投稿対応プログラム13B、及び評価情報提示プログラム13Cが記憶されている。
【0030】
嗜好推定プログラム13Aは、嗜好推定プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの嗜好推定プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。また、新規投稿対応プログラム13Bは、新規投稿対応プログラム13Bが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの新規投稿対応プログラム13Bの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。更に、評価情報提示プログラム13Cは、評価情報提示プログラム13Cが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの評価情報提示プログラム13Cの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。
【0031】
CPU11は、嗜好推定プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、嗜好推定プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。また、CPU11は、新規投稿対応プログラム13Bを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、新規投稿対応プログラム13Bが有するプロセスを順次実行する。更に、CPU11は、評価情報提示プログラム13Cを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、評価情報提示プログラム13Cが有するプロセスを順次実行する。
【0032】
また、記憶部13には、対象領域情報データベース13D、頻度関連情報データベース13E、嗜好情報データベース13F、及び評価値情報データベース13Gが記憶される。対象領域情報データベース13D、頻度関連情報データベース13E、嗜好情報データベース13F、及び評価値情報データベース13Gについては、詳細を後述する。
【0033】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る空間評価支援装置10及び利用者端末30の機能的な構成について説明する。
【0034】
図2に示すように、空間評価支援装置10は、取得部11A、推定部11B、反映部11C、及び提示部11Dを含む。空間評価支援装置10のCPU11が嗜好推定プログラム13A、新規投稿対応プログラム13B、及び評価情報提示プログラム13Cを実行することで、取得部11A、推定部11B、反映部11C、及び提示部11Dとして機能する。
【0035】
本実施形態に係る取得部11Aは、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して当該利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得する。
【0036】
本実施形態では、既存投稿情報及び新規投稿情報を、利用者が利用者端末30を介してSNSに投稿した情報を当該利用者端末30から直接受信することで取得するものとしているが、これに限るものではない。例えば、図示しない複数種類のSNSのサーバからダウンロードすることにより、各利用者による既存投稿情報及び新規投稿情報を取得する形態としてもよい。
【0037】
また、本実施形態に係る推定部11Bは、取得部11Aによって取得された複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、利用者による上記カテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定する。
【0038】
なお、本実施形態では、既存投稿情報のカテゴリーの特定を、SNSにおいて投稿された情報に対して、対応するカテゴリーのタグを付与した教師データを用いて機械学習された人工知能を用いて行っているが、これに限るものではない。例えば、従来既知のテキストマイニング技術を用いて、既存投稿情報のカテゴリーの特定を行う形態としてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、上記カテゴリーとして、飲食、ショッピング、及び文化・芸術の3種類のカテゴリーを適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらのカテゴリーに加えて、歴史、自然環境等の他のカテゴリーを含めて、何れか1種類、又は複数種類の組み合わせを上記カテゴリーとして適用する形態としてもよい。
【0040】
更に、本実施形態では、上記頻度関連情報として、上記カテゴリー毎の頻度の比率を示す情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、上記カテゴリー毎の頻度そのものを上記頻度関連情報として適用する形態としてもよい。
【0041】
一方、本実施形態に係る反映部11Cは、取得部11Aによって取得された新規投稿情報が示す、利用者による感情的な評価値に対して、推定部11Bによって推定された嗜好情報が示す、利用者の嗜好の程度を反映させる。
【0042】
なお、本実施形態では、上記評価値として、ポジティブな感情の高さを示す評価値(以下、「ポジティブ評価値」という。)及びネガティブな感情の高さを示す評価値(以下、「ネガティブ評価値」という。)の双方を適用しているが、これに限るものではない。例えば、ポジティブ評価値及びネガティブ評価値の何れか一方のみを上記評価値として適用する形態としてもよいし、怒り、悲しみ等といった他の感情の高さを示す評価値を上記評価値として適用する形態としてもよい。
【0043】
本実施形態では、新規投稿情報が示す評価値の導出を、SNSにおいて投稿された情報に対して、ポジティブ評価値及びネガティブ評価値の少なくとも一方を付与した教師データを用いて機械学習された人工知能を用いて行っているが、これに限るものではない。例えば、従来既知のテキストマイニング技術を用いて、新規投稿情報が示す評価値を導出する形態としてもよい。
【0044】
そして、本実施形態に係る提示部11Dは、反映部11Cによる嗜好の程度の反映後の評価値に関する評価情報を提示する。
【0045】
なお、本実施形態では、提示部11Dが、評価情報を地図画像に合成して提示するものとされているが、これに限るものではない。例えば、地図画像と合成することなく、評価情報のみを提示する形態としてもよいし、地図画像以外の画像と合成して評価情報を提示する形態としてもよい。
【0046】
本実施形態では、提示部11Dにより、上記評価情報の提示を、要求された利用者端末30に当該評価情報に関する情報を送信して、当該利用者端末30の表示部35により表示させることで行っているが、これに限るものではない。例えば、空間評価支援装置10の表示部15により表示させることにより、上記評価情報の提示を行う形態としてもよい。また、提示部11Dによる評価情報の提示は表示部による表示による提示に限らず、音声による提示や、画像形成装置(所謂プリンタ)による印刷による提示を適用する形態としてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、上記地図画像として、ソーシャルヒートマップ画像を適用している。ソーシャルヒートマップ画像は、対応する領域の通常表示される地図画像に重ねて濃度や色が異なる領域を表示することで、利用者の属性に適合した情報が多い場所を強調した地図を示す画像である。即ち、本実施形態では、各利用者に対して予め複数の設問に回答してもらい、回答結果を分析して分類することにより各利用者の属性を事前に決定する。そして、本実施形態に係るソーシャルヒートマップ画像は、利用する利用者の属性に適合した情報(本実施形態では、SNSにおいて投稿された情報。)が多い場所ほど濃度が高くなるように地図画像に重ねて表示する。但し、この濃度を変える形態に限らず、高い濃度から低い濃度の順に、赤色→黄色→緑色といったように色を変える形態としてもよい。
【0048】
本実施形態では、空間評価支援装置10がネットワーク80等を介して、空間評価支援システム90が取り扱い対象としている領域(以下、「対象領域」という。)の各々のソーシャルヒートマップ画像の最新版を提供するサーバに接続されている。そして、空間評価支援装置10は、このサーバからソーシャルヒートマップ画像の最新版を取得して、後述する対象領域情報データベース13D(図3も参照。)に記憶されているソーシャルヒートマップ画像を逐次更新するものとしている。但し、この形態に限らず、空間評価支援装置10自身により、各利用者に対応するソーシャルヒートマップ画像を逐次更新する形態としてもよい。
【0049】
一方、本実施形態に係る利用者端末30は、受信部31A及び表示制御部31Bを含む。利用者端末30のCPU31が評価情報表示プログラム33Aを実行することで、受信部31A及び表示制御部31Bとして機能する。
【0050】
本実施形態に係る受信部31Aは、空間評価支援装置10の反映部11Cによって利用者の嗜好の程度が反映された評価値に関する評価情報を空間評価支援装置10から受信する。また、表示制御部31Bは、受信部31Aによって受信された評価情報に関する情報を表示部35に表示する制御を行う。
【0051】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る対象領域情報データベース13Dについて説明する。図3は、本実施形態に係る対象領域情報データベース13Dの構成の一例を示す模式図である。
【0052】
本実施形態に係る対象領域情報データベース13Dは、上述した対象領域に関する情報が登録されたデータベースである。図3に示すように、本実施形態に係る対象領域情報データベース13Dは、対象領域名、ソーシャルヒートマップ画像、対象地区名、及び対象地区位置の各情報が記憶される。
【0053】
上記対象領域名は、上記対象領域の各々の名称を示す情報であり、上記ソーシャルヒートマップ画像は、対応する対象領域名が示す対象領域における利用者別の上述したソーシャルヒートマップ画像を示す情報である。また、上記対象地区名は、対応する対象領域の内部に存在する地区の名称を示す情報であり、上記対象地区位置は、対応する対象地区が存在する位置を示す情報である。
【0054】
本実施形態では、上記対象地区として、対応する対象領域に存在する各町における丁目で区分される領域を適用している。また、本実施形態では、上記対象地区位置として、対応する対象地区の外接矩形枠の一対の対角の2次元座標系における座標位置として規定している。但し、これらの形態に限らず、例えば、上記対象地区として、対応する対象領域に存在する各町における番地で区分される領域を適用する形態としてもよいし、上記対象地区位置として、上記外接矩形枠の中心点の上記2次元座標系における座標位置を適用する形態としてもよく、更に上記2次元座標系における座標位置に代えて、緯度及び経度を適用する形態としてもよい。
【0055】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る頻度関連情報データベース13Eについて説明する。図4は、本実施形態に係る頻度関連情報データベース13Eの構成の一例を示す模式図である。
【0056】
本実施形態に係る頻度関連情報データベース13Eは、上述した頻度関連情報が登録されるものである。図4に示すように、本実施形態に係る頻度関連情報データベース13Eは、対象地区名、利用者ID(Identification)、及び頻度関連情報の各情報が記憶される。
【0057】
上記対象地区名は、対象領域情報データベース13Dの対象地区名と同一の情報であり、上記利用者IDは、利用者を個別に識別するために利用者毎に異なるものとして予め割り振られた情報であり、上記頻度関連情報は、上述した頻度関連情報である。
【0058】
図4に示す例では、利用者IDとして「U001」が割り振られた利用者により、大手町一丁目に関して投稿された情報の頻度関連情報、即ち、当該利用者による既存投稿情報の各カテゴリー(飲食、ショッピング、文化・芸術)毎の頻度の比率が70:10:20であることが記憶されている。
【0059】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る嗜好情報データベース13Fについて説明する。図5は、本実施形態に係る嗜好情報データベース13Fの構成の一例を示す模式図である。
【0060】
本実施形態に係る嗜好情報データベース13Fは、上述した嗜好情報が登録されるものである。図5に示すように、本実施形態に係る嗜好情報データベース13Fは、対象地区名、利用者ID、及び嗜好情報の各情報が記憶される。
【0061】
上記対象地区名及び利用者IDは、頻度関連情報データベース13Eの対象地区名及び利用者IDと同一の情報であり、上記嗜好情報は、上述した嗜好情報である。
【0062】
図5に示す例では、利用者IDとして「U001」が割り振られた利用者により、大手町一丁目に関して投稿された情報の嗜好情報、即ち、当該利用者の上記カテゴリーの単位での嗜好の程度として、飲食が1.4であり、ショッピングが0.2であり、文化・芸術が0.4であることが記憶されている。
【0063】
なお、本実施形態では、嗜好情報を次の式(1)によって導出している。式(1)において、Pcは対応するカテゴリーの嗜好情報を表し、Fcは対応するカテゴリーの頻度関連情報を表す。即ち、本実施形態では、頻度関連情報Fcを各カテゴリー別の頻度の百分率の割合(%)としており、当該頻度関連情報Fcを50で除算することで、当該頻度関連情報Fcにおける50%を中央値である1として、頻度関連情報Fcを0から2までの範囲の値に換算している。
【0064】
Pc=Fc/50 (1)
【0065】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る評価値情報データベース13Gについて説明する。図6は、本実施形態に係る評価値情報データベース13Gの構成の一例を示す模式図である。
【0066】
本実施形態に係る評価値情報データベース13Gは、上述した評価値(本実施形態では、ネガティブ評価値及びポジティブ評価値)が登録されるものである。図6に示すように、本実施形態に係る評価値情報データベース13Gは、対象地区名、利用者ID、及び評価値情報の各情報が記憶される。
【0067】
上記対象地区名及び利用者IDは、頻度関連情報データベース13Eの対象地区名及び利用者IDと同一の情報であり、上記評価値情報は、対応する対象地区に関して、対応する利用者により投稿された新規投稿情報が示す感情的な評価値を示す情報である。
【0068】
なお、本実施形態では、当該評価値を、予め定められた段階数のレベル(本実施形態では、1から5までの5段階のレベル)で表すものとしているが、これに限るものではない。例えば、上記段階数は、3段階や10段階等の5段階以外の段階数としてもよいし、上記レベルの値も正の値に限らず、0(零)を中心とした負の値を含む複数段階の値とする形態としてもよい。
【0069】
図6に示す例では、利用者IDとして「U001」が割り振られた利用者により、大手町一丁目に関して投稿された新規投稿情報のうちの1つが、飲食に関するもので、かつ、ポジティブなものであり、評価値(レベル)が5であることが記憶されている。
【0070】
なお、上述したように、本実施形態では、新規投稿情報そのものが示す評価値に対して、嗜好情報が示す、対応する利用者の嗜好の程度を反映させたものを最終的な評価値としている。より具体的には、本実施形態では、最終的な評価値を次の式(2)によって導出している。式(2)において、Ecは対応するカテゴリーの評価値を表し、ecは対応するカテゴリーを示す新規投稿情報そのものが示す評価値を表し、Pcは対応するカテゴリーの嗜好情報を表す。即ち、本実施形態では、新規投稿情報そのものが示す評価値ecに対して、1を中心として0から2までの範囲内とされた嗜好情報Pcを乗算して得られた値を最終的な評価値Ecとしている。これにより、嗜好情報Pcに対応する頻度関連情報が示す比率が50%を超えている場合は、評価値ecを、より大きな値に変換し、当該比率が50%未満の場合は、評価値ecを、より小さな値に変換して最終的な評価値Ecとしている。
【0071】
Ec=ec×Pc (2)
【0072】
なお、本実施形態では、便宜上、式(2)による演算の結果、評価値Ecが上述した段階数(本実施形態では、5)を超える場合は評価値Ecを5とし、当該評価値Ecが1未満となる場合は評価値Ecを1としているが、これに限るものではない。
【0073】
次に、図7図12を参照して、本実施形態に係る空間評価支援システム90の作用を説明する。図7は、本実施形態に係る嗜好推定処理の一例を示すフローチャートである。また、図8は、本実施形態に係る新規投稿対応処理の一例を示すフローチャートである。また、図9は、本実施形態に係る評価情報提示処理の一例を示すフローチャートである。また、図10は、本実施形態に係る評価情報表示処理の一例を示すフローチャートである。また、図11は、本実施形態に係る初期画面の構成の一例を示す正面図である。更に、図12は、本実施形態に係る評価結果画面の構成の一例を示す正面図である。
【0074】
まず、図7を参照して、嗜好推定処理を実行する場合の本実施形態に係る空間評価支援装置10の作用を説明する。空間評価支援装置10のユーザ(例えば、空間評価支援システム90の管理者)により、入力部14を介して嗜好推定処理の実行を開始する指示入力が行われた場合に、空間評価支援装置10のCPU11が嗜好推定プログラム13Aを実行することで、図7に示す嗜好推定処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、対象領域情報データベース13Dが既に構築されている場合について説明する。また、ここでは、利用者が利用者端末30を介してSNSに投稿した情報で、かつ、当該利用者端末30から受信した情報が、対応する利用者ID及び対象地区を示す情報に関連付けられて記憶部13に逐次記憶(蓄積)されている場合について説明する。
【0075】
図7のステップ100で、CPU11は、空間評価支援システム90の利用対象となる複数の利用者のうちの一人の利用者(以下、「対象利用者」という。)によりSNSに投稿された情報を、上述した既存投稿情報として記憶部13から読み出すことにより取得する。ステップ102で、CPU11は、取得した既存投稿情報における1つの対象地区に対応する情報を、上述した人工知能を用いてカテゴリー毎に分類する。
【0076】
ステップ104で、CPU11は、カテゴリー毎に分類された既存投稿情報の数をカテゴリー別に導出し、ステップ106で、CPU11は、カテゴリー毎の頻度関連情報(本実施形態では、カテゴリー毎の頻度の比率)を導出する。ステップ108で、CPU11は、導出した頻度関連情報を頻度関連情報データベース13Eに記憶(更新)する。
【0077】
ステップ110で、CPU11は、ステップ102~ステップ108の処理が全ての対象地区について終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ102に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ112に移行する。なお、ステップ102~ステップ110の処理を繰り返し実行する場合に、CPU11は、それまでに処理対象としなかった対象地区を対象として処理を実行する。
【0078】
ステップ112で、CPU11は、ステップ100~ステップ110の処理が全ての利用者について終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ114に移行する。なお、ステップ100~ステップ112の処理を繰り返し実行する場合に、CPU11は、それまでに処理対象としなかった利用者を対象利用者として処理を実行する。
【0079】
ステップ114で、CPU11は、以上の処理によって得られた対象地区別で、かつ、利用者別の頻度関連情報を用いて、上述したように、対象地区別で、かつ、利用者別の嗜好情報を導出する。ステップ116で、CPU11は、導出した嗜好情報を嗜好情報データベース13Fに記憶(更新)し、その後に本嗜好推定処理を終了する。
【0080】
以上の嗜好推定処理により、頻度関連情報データベース13E及び嗜好情報データベース13Fが、一例として図4及び図5に湿すように構築(更新)されることになる。
【0081】
次に、図8を参照して、新規投稿対応処理を実行する場合の本実施形態に係る空間評価支援装置10の作用を説明する。空間評価支援装置10が何れかの利用者端末30からSNSに投稿された新規投稿情報が受信された場合に、空間評価支援装置10のCPU11が新規投稿対応プログラム13Bを実行することで、図8に示す新規投稿対応処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、嗜好情報データベース13Fが既に構築されている場合について説明する。
【0082】
図8のステップ150で、CPU11は、受信した新規投稿情報の送信元の利用者端末30を用いる利用者(以下、「新規投稿利用者」という。)、及び当該新規投稿情報に対応する対象地区を特定する。そして、CPU11は、新規投稿利用者に対応し、かつ、特定した対象地区に対応する嗜好情報Pcを嗜好情報データベース13Fから読み出す。なお、本実施形態では、利用者がSNSに情報を投稿する際に、当該情報に加えて、自身を示す情報(本実施形態では、利用者ID)及び投稿する情報が対象としている対象地区を示す情報も入力するものとしており、これらの情報から新規投稿利用者及び対象地区を特定するものとしているが、これに限るものではないことは言うまでもない。
【0083】
ステップ152で、CPU11は、新規投稿情報に対応するカテゴリーの評価値ecを上述した人工知能を用いて導出する。ステップ154で、CPU11は、読み出した嗜好情報Pc及び導出した評価値ecを上述した式(2)に代入することで最終的な評価値Ecを導出する。
【0084】
ステップ156で、CPU11は、導出した評価値Ecを評価値情報データベース13Gに記憶し、その後に本新規投稿対応処理を終了する。
【0085】
次に、図9を参照して、評価情報提示処理を実行する場合の本実施形態に係る空間評価支援装置10の作用を説明する。
【0086】
本実施形態に係る空間評価支援システム90では、何れかの利用者が、何れかの対象地区の評価情報を参照したい場合、自身が所持する利用者端末30を用いて、後述する評価情報表示処理が実行される。この評価情報表示処理では、利用者が上記評価情報を参照したい対象地区を示す情報(以下、「指定対象地区情報」という。)を含む参照要求情報を空間評価支援装置10に送信する。この参照要求情報が受信された場合に、空間評価支援装置10のCPU11が評価情報提示プログラム13Cを実行することで、図9に示す評価情報提示処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、評価値情報データベース13Gが既に構築されている場合について説明する。
【0087】
図9のステップ180で、CPU11は、受信した参照要求情報から指定対象地区情報を抽出する。ステップ182で、CPU11は、指定対象地区情報が示す対象地区(以下、「処理対象地区」という。)に対応する評価値情報を評価値情報データベース13Gから読み出す。
【0088】
ステップ184で、CPU11は、処理対象地区に対応する対象地区位置と、処理対象地区が含まれる対象領域に対応し、かつ、アクセス元の利用者に対応するソーシャルヒートマップ画像とを対象領域情報データベース13Dから読み出す。
【0089】
ステップ186で、CPU11は、読み出したソーシャルヒートマップ画像と、処理対象地区に対応する評価値情報と、対象地区位置とを用いて、予め定められた構成とされた評価結果画面を示す情報(以下、「評価結果画面情報」という。)を作成する。ステップ188で、CPU11は、作成した評価結果画面情報をアクセス元の利用者端末30に送信し、その後に本評価情報提示処理を終了する。
【0090】
次に、図10を参照して、上述した評価情報表示処理を実行する場合の本実施形態に係る利用者端末30の作用を説明する。何れかの利用者端末30のCPU31が評価情報表示プログラム33Aを実行することにより、図10に示す評価情報表示処理が実行される。図10に示す評価情報表示処理は、例えば、何れかの利用者(以下、「実施利用者」という。)から自身の利用者端末30の入力部34を介して、評価情報表示処理の実行指示が入力された場合に実行される。
【0091】
図10のステップ200で、CPU31は、予め定められた構成とされた初期画面を表示するように表示部35を制御し、ステップ202で、CPU31は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0092】
一例として図11に示すように、本実施形態に係る初期画面は、対象地区名の入力を促すメッセージが表示されると共に、評価情報を参照したい対象地区の名称を入力する入力領域35Aが表示される。図11に示す初期画面が表示部35により表示されると、実施利用者は、入力部34を用いて、評価情報を参照したい対象地区の名称を入力領域35Aに入力した後に、終了ボタン35Cを指定する。これに応じてステップ202が肯定判定となってステップ204に移行する。なお、本実施形態では、初期画面での対象地区の名称の入力を、当該対象地区の名称を直接入力する形態としているが、これに限るものではなく、上記評価情報を参照可能な全ての対象地区の名称をプルダウン形式に表示する一方、表示された対象地区の名称から所望の対象地区の名称を指定する形態としてもよい。
【0093】
ステップ204で、CPU31は、上述した参照要求情報を空間評価支援装置10に送信する。これに応じて空間評価支援装置10は、上述したように評価情報提示処理を実行し、評価結果画面情報をアクセス元の利用者端末30に送信する。
【0094】
そこで、ステップ206で、CPU31は、空間評価支援装置10から評価結果画面情報が受信されるまで待機する。ステップ208で、CPU31は、受信した評価結果画面情報が示す評価結果画面を表示するように表示部35を制御し、ステップ210で、CPU31は、所定情報が入力されるまで待機した後、本評価情報表示処理を終了する。
【0095】
一例として図12に示すように、本実施形態に係る評価結果画面は、対象地区が含まれる対象領域のソーシャルヒートマップ画像に対して、対象地区におけるカテゴリー別で、かつ、ポジティブ評価値及びネガティブ評価値の各評価値の平均値を示す評価情報35Bが対応する位置に表示される。なお、当該対応する位置は、上述した対象地区位置によって示される位置である。
【0096】
従って、実施利用者は、評価結果画面を参照することで、所望の対象地区に対する、感情的な評価値を、ソーシャルヒートマップ画像と共に把握することができる。この場合、表示される評価値は、対応するカテゴリーに対する投稿者の嗜好の程度も反映されたものとされているので、より信憑性の高い評価値となる。
【0097】
なお、図12に示す例では、評価情報35Bとして、ポジティブ評価値及びネガティブ評価値のうち、値が大きい方の評価値のみを対象として表示した場合について例示しているが、これに限るものではない。例えば、ポジティブ評価値及びネガティブ評価値の双方を対象として表示する形態としてもよい。また、図12に示した例では、評価値を数値で表示した場合について例示しているが、これに限るものではない。例えば、数値の大きさによって色分けして表示する形態としてもよい。更に、カテゴリー毎に色分けして表示する形態としてもよい。
【0098】
以上説明したように、本実施形態によれば、利用者によって過去に投稿された情報である複数の既存投稿情報、及び評価対象とする空間に関して利用者によって新規に投稿された情報である新規投稿情報を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された複数の既存投稿情報の予め定められたカテゴリー毎の頻度に関する情報である頻度関連情報を用いて、利用者によるカテゴリーの単位での嗜好の程度を示す嗜好情報を推定する推定部11Bと、取得部11Aによって取得された新規投稿情報が示す利用者による感情的な評価値に対して、推定部11Bによって推定された嗜好情報が示す利用者の嗜好の程度を反映させる反映部11Cと、反映部11Cによる嗜好の程度の反映後の上記評価値に関する評価情報を提示する提示部11Dと、を備えている。従って、空間に関して投稿された情報に対する感情に関する評価結果の信憑性を高めることができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、上記評価値を、ポジティブな感情の高さを示す評価値及びネガティブな感情の高さを示す評価値の少なくとも一方としている。従って、ポジティブな感情の高さを示す評価値及びネガティブな感情の高さを示す評価値に対する信憑性を高めることができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、上記評価情報を地図画像に合成して提示する。従って、より効果的に、評価情報を活用することができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、上記地図画像を、ソーシャルヒートマップ画像としている。従って、より効果的に、評価情報を活用することができる。
【0102】
更に、本実施形態によれば、上記頻度関連情報を、カテゴリー毎の頻度の比率を示す情報としている。従って、評価値に対して、対応する利用者のみの嗜好傾向を、より適切に反映させることができる。
【0103】
なお、上記実施形態では、参照したい対象地区を利用者自身が指定する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、利用者が所持する利用者端末30に内蔵されたGPS40を用いて、当該利用者端末30が存在する位置を含む地区を参照する対象地区として自動的に適用する形態としてもよい。また、利用者の嗜好の傾向を示す情報を空間評価支援装置10で予め取得しておき、利用者に対して、当該利用者の嗜好に応じた対象地区の情報を随時提供する形態としてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、空間評価支援装置10において嗜好推定処理及び新規投稿対応処理を実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、各利用者端末30によって嗜好推定処理及び新規投稿対応処理を実行する形態としてもよい。この形態の場合、本発明の空間評価支援装置10が利用者端末30に含まれることになる。
【0105】
また、上記実施形態では、参照したい対象地区の入力を、入力部34を用いて初期画面上で行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、参照したい対象地区を、マイク39を用いて音声情報として入力する形態としてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、カテゴリーとして「飲食」、「ショッピング」といったように比較的広い範囲の分類を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、「ショッピング」を細分化して、「洋服」、「和服」等に分類した、より狭い範囲の分類をカテゴリーとして適用する形態としてもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、対象地区毎に評価値を導出する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、時間帯毎に評価値を導出する形態としてもよいし、曜日毎に評価値を導出する形態としてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、推定部11Bによって推定された嗜好情報Pcを新規投稿情報の評価値のみに反映させる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、予め定められたカテゴリーの嗜好情報Pcが示す利用者の嗜好の程度が所定閾値以上である利用者のみを対象として濃度等を変えたソーシャルヒートマップ画像を作成する形態としてもよい。また、例えば、予め定められたカテゴリーの嗜好情報Pcが示す利用者の嗜好の程度が所定閾値以上である利用者のみを対象として、ソーシャルヒートマップ画像を表示する形態としてもよい。
【0109】
その他、式(1)及び式(2)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更して適用することができることは言うまでもない。
【0110】
また、上記実施形態において、例えば、取得部11A、推定部11B、反映部11C、及び提示部11Dの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0111】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0112】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0113】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0114】
10 空間評価支援装置
11 CPU
11A 取得部
11B 推定部
11C 反映部
11D 提示部
12 メモリ
13 記憶部
13A 嗜好推定プログラム
13B 新規投稿対応プログラム
13C 評価情報提示プログラム
13D 対象領域情報データベース
13E 頻度関連情報データベース
13F 嗜好情報データベース
13G 評価値情報データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
30 利用者端末
31 CPU
31A 受信部
31B 表示制御部
32 メモリ
33 記憶部
33A 評価情報表示プログラム
34 入力部
35 表示部
35B 評価情報
36 媒体読み書き装置
37 記録媒体
38 カメラ
39 マイク
40 GPS
42 無線通信部
80 ネットワーク
90 空間評価支援システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12