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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148621
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20220929BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220929BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220929BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20220929BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y115:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050370
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】水谷 有輝
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 禎治
(72)【発明者】
【氏名】増田 敏文
(72)【発明者】
【氏名】工藤 啓之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】送り配線を容易にでき、施工性を向上できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、長尺な樹脂筐体、樹脂筐体に長手方向に沿って配置する配線基板40、樹脂筐体に配置する発光素子41および電源部32を備える。配線基板40は、少なくとも外部電力が供給される電力送りパターン44を含むパターン42を有する。電源部32は、電力送りパターン44と電気的に接続され、発光素子41を点灯させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な筐体と;
前記筐体に長手方向に沿って配置され、少なくとも外部電力が供給される電力送りパターンを含むパターンを有する配線基板と;
前記筐体に配置される光源と;
前記筐体に配置され、前記電力送りパターンと電気的に接続され、前記光源を点灯させる電源部と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記パターンは、信号が伝送される信号送りパターンを含み、
前記電源部は、前記信号送りパターンと電気的に接続され、前記信号に応じて前記光源の点灯を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源は、前記配線基板の表面側に実装されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記配線基板の表面側に長手方向に沿って前記パターンが設けられ、前記配線基板の裏面側に短手方向に沿って前記パターンが設けられている
ことを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、送り配線可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の長尺な照明装置が長手方向に連続して配置されることで、ライン照明が構成される。この場合、1台の照明装置に天井面から外部電力供給用の電源ケーブルが接続され、この照明装置から送り用電線を用いて隣接する照明装置に外部電力を送るように送り配線されることが多い。
【0003】
この場合、隣接する照明装置間での送り用電線の接続や照明装置内への配線作業が必要となるため、送り配線に手間がかかり、施工性の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-228579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、送り配線を容易にでき、施工性を向上できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、長尺な筐体、筐体に長手方向に沿って配置する配線基板、筐体に配置する光源および電源部を備える。配線基板は、少なくとも外部電力が供給される電力送りパターンを含むパターンを有する。電源部は、電力送りパターンと電気的に接続され、光源を点灯させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、送り配線を容易にでき、施工性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の分解斜視図である。
図3】同上照明装置の光源部の側面図である。
図4】同上照明装置の配線構造を示す模式図である。
図5】第2の実施形態を示す照明装置の配線構造を示す模式図である。
図6】第3の実施形態を示す照明装置の配線基板の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0010】
図1および図2に照明装置10を示す。照明装置10は、天井面などの設置面に直付けされる直付け形照明装置である。照明装置10は、長尺に形成され、長手方向に交差する短手方向(幅方向)の幅寸法が高さ方向の高さ寸法に比べて小さいスリム形照明装置である。
【0011】
照明装置10は、複数の照明装置10が長手方向に沿って連続して配置されることでライン状光源を構成するのに対応している。
【0012】
照明装置10は、本体11と、この本体11に着脱可能に取り付けられる光源部12とを備えている。
【0013】
本体11は、金属製で、長尺に形成されている。本体11の長手方向の両端近傍に天井面に取り付けるための取付孔20が設けられ、本体11の長手方向の中央および両端近傍に天井面側からの電源ケーブルを引き込むための配線孔21が設けられている。さらに、本体11の両端近傍には、本体11に対して光源部12を着脱可能に取り付けるための取付ばねなどの取付部材22が取り付けられている。
【0014】
また、光源部12は、筐体である樹脂筐体30と、この樹脂筐体30に取り付けられる光源モジュール31と、この光源モジュール31を点灯させるための電源部32とを備えている。
【0015】
樹脂筐体30は、樹脂製で、絶縁性を有し、長尺に形成されており、短手方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法に比べて小さい外観形状に形成されている。樹脂筐体30は、前面部である下面部33、および短手方向の両側の側面部34を有し、上面側が開口された断面略U字形で長手方向に同一形状に形成されている。樹脂筐体30の少なくとも下部側は光が透過する光透過部である。照明装置10が連続して配置される場合、最端部に配置される照明装置10の樹脂筐体30の外端面に、端面板35が着脱可能に取り付けられる。
【0016】
樹脂筐体30には、図3に示すように、光源モジュール31の短手方向の両側縁部を保持する保持溝36を有する保持部37が長手方向に沿って形成されている。
【0017】
また、光源モジュール31は、配線基板40と、この配線基板40の一面側である表面側40aに実装される光源である複数の発光素子41とを備えている。発光素子41は、例えばLEDや有機ELなどの半導体発光素子が用いられている。
【0018】
配線基板40は、平板状で長尺に設けられ、全長が樹脂筐体30と略同じ長さに設けられ、幅が樹脂筐体30の両側の保持溝36間に挿入可能に設けられている。
【0019】
図4に示すように、配線基板40は、絶縁材または外面を絶縁被覆した金属材などで構成される基材の面に、導電性を有する配線パターンである各種のパターン42が形成されている。パターン42には、実装パターン43と、一対の電力送りパターン44と、一対の信号送りパターン45とが含まれている。
【0020】
実装パターン43は、配線基板40の表面側40aで短手方向の中央域に形成され、複数の発光素子41が実装され、これら発光素子41を直列または直並列に接続する。実装パターン43には、コネクタなどの一対の点灯用接続部46が電気的に接続されている。
【0021】
一対の電力送りパターン44は、配線基板40の表面側40aまたは他面側である裏面側40bで短手方向の両側域に配線基板40の長手方向に沿って形成され、例えば交流電力などの外部電力が通電される。一対の電力送りパターン44には、コネクタなどの一対の電源用接続部47が電気的に接続されている。
【0022】
一対の信号送りパターン45は、配線基板40の表面側40aまたは他面側である裏面側40bで短手方向の両側域に配線基板40の長手方向に沿って形成され、例えば調光信号などの信号が伝送される。一対の信号送りパターン45には、コネクタなどの一対の信号用接続部48が電気的に接続されている。
【0023】
電力送りパターン44および信号送りパターン45は、配線基板40の表面側40aまたは裏面側40bのいずれか一方の面に並んで設けられていてもよいし、電力送りパターン44および信号送りパターン45のいずれか一方が配線基板40の表面側40a、いずれか他方が配線基板40の裏面側40bにそれぞれ設けられていてもよい。また、一対の電力送りパターン44は、絶縁のために配線基板40の短手方向の両側で離して配置することが好ましく、電力送りパターン44を絶縁層や絶縁部材で覆う場合には配線基板40の短手方向の一側に並設してもよい。また、配線基板40の短手方向の一側域において、一対の電力送りパターン44のうちの一方が配線基板40の表面側40a、他方が配線基板40の裏面側40bに設けられ、かつ、配線基板40の短手方向の他側域において、一対の信号送りパターン45のうちの一方が配線基板40の表面側40a、他方が配線基板40の裏面側40bに設けられていてもよい。
【0024】
複数の照明装置10を連続して配置する場合には、隣接する照明装置10の配線基板40間に、電力送りパターン44および信号送りパターン45を電気的に接続するコネクタなどの接続部品49が介在される。電力送りパターン44および信号送りパターン45の端部に接続部品49が接続されることがあるので、電力送りパターン44および信号送りパターン45の端部以外の箇所に少なくとも電源用接続部47および信号用接続部48が設けられている。
【0025】
なお、1つの照明装置10に用いられる配線基板40が長手方向に複数に分割されている場合には、それら分割されている配線基板40間にコネクタが電気的に接続され、隣接する配線基板40の各パターン42が電気的に接続される。
【0026】
また、電源部32は、樹脂筐体30の内側に配置されている。なお、電源部32は、本体11に配置されてもよい。
【0027】
電源部32は、信号として調光信号を入力し、この調光信号に応じて発光素子41を調光する。電源部32は、調光信号に応じて発光素子41を点灯させる場合、交流電源などの外部電源60からの交流電力などの外部電力を、発光素子41が調光点灯するのに必要な直流電力などの点灯電力に変換して発光素子41に供給する。
【0028】
電源部32の一端側である入力側には、電源用端子台部61および信号用端子台部62が配置され、また、他端側である出力側には、点灯用端子台部63が配置されている。
【0029】
電源用端子台部61には、外部電源60からの外部電力を供給する一対の電源ケーブル64が電気的に接続可能とされているとともに、配線基板40の一対の電源用接続部47に電気的に接続されている一対の電源線65が電気的に接続されている。電源用端子台部61では、一対の電源ケーブル64と一対の電源線65とがそれぞれ電気的に接続され、電源ケーブル64からの外部電力が電源部32に供給されるとともに電源線65に供給される。
【0030】
信号用端子台部62には、外部の調光制御装置からの一対の信号ケーブル66が電気的に接続可能とされているとともに、配線基板40の一対の信号用接続部48に電気的に接続されている信号線67が電気的に接続されている。信号用端子台部62では、一対の信号ケーブル66と一対の信号線67とがそれぞれ電気的に接続され、信号ケーブル66からの調光信号が電源部32に伝送されるとともに信号線67に伝送される。
【0031】
出力用端子台部63には、配線基板40の一対の点灯用接続部46に電気的に接続されている一対の点灯出力線68が電気的に接続されている。
【0032】
そして、図4の左側の照明装置10のように、天井面の電源ケーブル64および信号ケーブル66が引き出されている位置などに電源元となる照明装置10を施工するには、電源ケーブル64および信号ケーブル66を配線孔21から本体11内に引き込み、取付孔20を利用して本体11を天井面にねじなどで取り付ける。
【0033】
光源部12の電源部32の電源用端子台部61に電源ケーブル64を電気的に接続し、信号用端子台部62に信号ケーブル66を電気的に接続し、光源部12を本体11に取り付ける。
【0034】
また、図4の右側の照明装置10のように、電源元の照明装置10の長手方向に連続して送り側となる照明装置10を配置するには、電源元の照明装置10の本体11の長手方向に隣接して送り側の照明装置10の本体11を天井面に取り付け、この本体11に光源部12を取り付ける。このとき、電源元の照明装置10の配線基板40と送り側の照明装置10の配線基板40との間に接続部品49を介在して電気的に接続する。図4には1つの送り側の照明装置10を連続して配置した例を示すが、同様にして、さらに送り側の照明装置10を連続して配置してもよい。
【0035】
電源元の1つの照明装置10の電源部32に電源ケーブル64および信号ケーブル66を電気的に接続すれば、電源元の照明装置10に連続して設置される送り側の各照明装置10には電源ケーブル64および信号ケーブル66の接続は必要なく、施工作業が簡略化される。
【0036】
そして、電源元の照明装置10において、電源ケーブル64から外部電力が供給されると、外部電力が電源部32に外部電力が供給されるとともに電源線65を通じて配線基板40の電力送りパターン44に供給される。配線基板40の電力送りパターン44に供給された外部電力は、電源元の照明装置10から接続部品49を通じて送り側の各照明装置10の配線基板40の電力送りパターン44に供給される。
【0037】
さらに、電源元の照明装置10において、信号ケーブル66から調光信号が伝送されると、調光信号が電源部32に入力されるとともに信号線67を通じて配線基板40の信号送りパターン45に伝送される。配線基板40の信号送りパターン45に伝送された調光信号は、電源元の照明装置10から接続部品49を通じて送り側の各照明装置10の配線基板40の信号送りパターン45に伝送される。
【0038】
送り側の各照明装置10では、配線基板40の電力送りパターン44に供給される外部電力が電源線65を通じて電源部32に入力されるとともに、配線基板40の信号送りパターン45に伝送される調光信号が信号線67を通じて電源部32に入力される。
【0039】
連続して配置されて電気的に接続されている複数の照明装置10は、調光信号に応じて、電源部32により外部電力が所定の点灯電力に変換されて発光素子41に供給され、発光素子41がそれぞれ点灯され、複数の照明装置10の樹脂筐体30の光透過部がライン状に光る。
【0040】
そして、このように構成された照明装置10では、配線基板40に電力送りパターン44および信号送りパターン45が設けられているため、送り配線を電線によって行う場合に比べて、送り配線を容易にでき、施工性を向上できる。
【0041】
しかも、長尺で、短手方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法よりも小さいスリム形の照明装置10では、内部スペースが限られ、送り配線用の電線を配線することが難しくなる可能性があるが、配線基板40を利用して送り配線することができる。
【0042】
また、配線基板40は、発光素子41の実装用と、電力送りパターン44および信号送りパターン45の形成用とを共用しているため、製造性がよく、部品点数を削減できる。
【0043】
また、配線基板40は、樹脂筐体30に取り付けられることにより、特別な絶縁部品を用いることなく、絶縁性を確保でき、照明装置10を小形化、スリム化することができる。
【0044】
また、図5に第2の実施形態を示す。
【0045】
調光信号を使用しない照明装置10にも適用できる。この場合、配線基板40には、パターン42として、実装パターン43、および電力送りパターン44のみが設けられていればよい。
【0046】
また、図6に第3の実施形態を示す。
【0047】
配線基板40の表面側40aには、実装パターン43とともに、縦送り用の電力送りパターン44aが長手方向に沿って設けられ、また、配線基板40の裏面側40bには、横送り用の電力送りパターン44bが短手方向に沿って設けられている。
【0048】
これは、複数の照明装置10が短手方向に並んで配置される場合に対応したもので、配線基板40の裏面側40bに設けられた横送り用の電力送りパターン44bを利用することで、並設される照明装置10に電力を送ることができる。したがって、照明装置10は、長手方向および短手方向のいずれに他の照明装置10を配置する場合でも電力を送ることができる。
【0049】
この場合、信号送りパターン45についても、電力送りパターン44bと同様に、配線基板40の表面側40aと裏面側40bとに設けることにより、長手方向および短手方向に隣接する照明装置10に信号を伝送することができる。
【0050】
なお、電源ケーブル64および信号ケーブル66は、電源部32を介さず、配線基板40の電力送りパターン44および信号送りパターン45に直接的に接続してもよい。
【0051】
また、配線基板40は、電力送りパターン44および信号送りパターン45が設けられる送り用配線基板と、発光素子41が実装される光源用配線基板とに分けて設けてもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10 照明装置
30 筐体である樹脂筐体
32 電源部
40 配線基板
41 光源である発光素子
42 パターン
44 電力送りパターン
45 信号送りパターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6