IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アズビル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-監視装置及び監視方法 図1
  • 特開-監視装置及び監視方法 図2
  • 特開-監視装置及び監視方法 図3
  • 特開-監視装置及び監視方法 図4A
  • 特開-監視装置及び監視方法 図4B
  • 特開-監視装置及び監視方法 図5
  • 特開-監視装置及び監視方法 図6
  • 特開-監視装置及び監視方法 図7
  • 特開-監視装置及び監視方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148688
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】監視装置及び監視方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050458
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 正也
(72)【発明者】
【氏名】山下 康介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】メータ交換記録を従来よりも正確に取得する監視装置及び監視方法を提供する。
【解決手段】監視装置3において、監視対象である検針メータ毎に、交換開始を示す第1の指示又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部304、指示受付部304がメータ1に対する第1の指示を受け付けた場合、第1の指示が受け付けられた際の検針メータの読み値を、交換前読み値として取得する交換前読み値取得部305、指示受付部304が検針メータに対する第1の指示を受け付けた場合、第1の指示を受け付けた日付を、検針メータの交換日として取得する交換日取得部306及び指示受付部304が検針メータに対する第2の指示を受け付けた場合、第2の指示を受け付けた際の検針メータの読み値を交換後読み値として取得する交換後読み値取得部307を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象であるメータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換前読み値として取得する交換前読み値取得部と、
前記指示受付部により前記メータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該メータの交換日として取得する交換日取得部と、
前記指示受付部により前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換後読み値として取得する交換後読み値取得部と
を備えた監視装置。
【請求項2】
前記交換前読み値取得部により取得された交換前読み値と、
前記交換日取得部により取得された前記メータの交換日と、
前記交換後読み値取得部により取得された交換後読み値とを表示した画面を表示部に表示させる表示制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、第1の指示又は第2の指示を受け付けるためのチェックボックスを前記画面に表示させ、
前記指示受付部は、
前記画面に表示されたチェックボックスがオンにされた場合に第1の指示を受け付け、
前記画面に表示されたチェックボックスがオンからオフにされた場合に第2の指示を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記交換日取得部は、
前記指示受付部により前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた日付を取得し、
当該第2の指示が受け付けられた日付が、当該交換日取得部で取得した、第1の指示が受け付けられた日付と異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、当該メータの交換日として取得することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項5】
前記指示受付部は、前記メータに対する第1の指示が受け付けられた場合に、当該メータの交換モードを有効に設定し、
前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合に、当該メータの交換モードを有効から無効に変更することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項6】
監視装置による監視方法であって、
指示受付部が、監視対象であるメータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付けるステップと、
交換前読み値取得部が、前記指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換前読み値として取得するステップと、
交換日取得部が、前記指示受付部により前記メータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該メータの交換日として取得するステップと、
交換後読み値取得部が、前記指示受付部により前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換後読み値として取得するステップと、
を有する監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メータを監視及び検針する監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスメータ及び水道メータ等のメータ端末(以下、単にメータという)を、中央の監視装置にて集中して監視及び検針する監視システムが知られている(例えば特許文献1参照)。このメータの検針により、対象期間(検針期間)における対象物体(水、ガス又は電気等)の使用量が得られ、得られた使用量は対象物体の使用者(テナント等)に対する課金請求に用いられる。
【0003】
ところで、上記メータは、使用者に対する課金請求とは関係なく一定期間毎(例えば8年から10年毎)に交換作業を実施することが法令で定められている。一般に、メータの交換に関する記録(以下、メータ交換記録という)は、オペレータによりメータ毎に監視装置に入力され、監視装置にて管理される。ここで、メータ交換記録は、例えばメータの交換日、交換前読み値、及び交換後読み値である。交換前読み値は、メータの交換作業開始の際のメータの読み値であり、交換後読み値は、交換作業終了の際のメータの読み値である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3862638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
課金対象の監視システムでは、対象期間内にメータ交換があった場合には、対象物体の正しい使用量を算出するために、オペレータがメータ交換記録を手作業で監視装置に入力することがある。しかしながら、メータの交換作業は、使用者が対象物体を使用していない夜間に行われることが多く、その時間帯では、設備管理に精通していないオペレータがメータ交換記録の入力を担当する場合がある。そのような場合、設備管理に精通していないオペレータは、メータ交換記録を監視装置に誤入力する可能性があるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、メータ交換記録を従来よりも正確に取得可能な監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る監視装置は、監視対象であるメータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部と、指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換前読み値として取得する交換前読み値取得部と、指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該メータの交換日として取得する交換日取得部と、指示受付部によりメータに対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換後読み値として取得する交換後読み値取得部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、上記のように構成したので、メータ交換記録を従来よりも正確に取得可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る監視装置を含む監視システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る監視装置の構成例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る監視装置の動作例の概要を説明する図である。
図4A】実施の形態1に係る監視装置の具体的な動作例のうち、ステップST401~ST407を説明する図である。
図4B】実施の形態1に係る監視装置の具体的な動作例のうち、ステップST408~ST413を説明する図である。
図5】実施の形態1における計量ポイント監視画面の例を示す図である。
図6図4AのステップST405終了時における計量ポイント監視画面の例を示す図である。
図7図4BのステップST412終了時における計量ポイント監視画面の例を示す図である。
図8】メータ交換記録を表示した計量ポイント監視画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る監視装置を含む監視システムの構成例を示す図である。
【0011】
監視システムは、図1に示すように、1つ以上の検針メータ1、1つ以上のコントローラ2、1つ以上のサブコントローラ2b、及び監視装置3を備えている。検針メータ1は、通信線を介してサブコントローラ2bに接続されている。サブコントローラ2bは、通信線を介してコントローラ2に接続されている。また、コントローラ2は、通信線を介して監視装置3に接続されている。図1では、1つの検針メータ1、1つのサブコントローラ2b及び1つのコントローラ2を示している。
【0012】
検針メータ1は、対象物体の使用量に応じてメータ値を更新し、現在のメータ値を示すデータをサブコントローラ2bに送信する。対象物体としては、水又はガス等の流体、あるいは電気等が挙げられる。検針メータ1は、例えば通信メータ又はパルスメータで構成される。
【0013】
例えば通信メータは、対象物体が一定量使用されると読み値を1つ増やすようにして、メータ値を更新する。そして、通信メータは、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すデータ(電文)をサブコントローラ2bに送信する。
【0014】
また、パルスメータは、対象物体が一定量使用されると読み値を1つ増やすようにして、メータ値を更新し、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すパルス信号をサブコントローラ2bに送信する。
【0015】
サブコントローラ2bは、対象とする検針メータ1の管理を行う。例えば、検針メータ1が通信メータである場合、サブコントローラ2bは、通信メータからのデータ(電文)を受信し、当該データが示すメータ値を取得する。また、検針メータ1がパルスメータである場合、サブコントローラ2bは、パルスメータからのパルス信号を受信し、当該パルス信号が示すメータ値を取得する。そして、サブコントローラ2bは、取得したメータ値で、現在のメータ値を更新し、Modbus又はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等の通信により、例えばコントローラ2からの取得要求に応じて、現在のメータ値を示すデータを当該コントローラ2に送信する。
【0016】
コントローラ2は、サブコントローラ2bを介して、対象とする検針メータ1の管理を行う。例えば、コントローラ2は、サブコントローラ2bに対して所定周期(例えば10秒周期)でメータ値の取得要求を行うことによりサブコントローラ2bからのデータを受信し、当該データが示すメータ値、すなわち検針メータ1からサブコントローラ2bに送信されたメータ値を読み値として取得する。そして、コントローラ2は、取得した読み値で、現在の読み値を更新する。そして、コントローラ2は、BACnet(Building Automation and Control Network)等の通信により、例えば監視装置3からの取得要求に応じて、現在の読み値を示すデータを当該監視装置3に送信する。
【0017】
なお、検針メータ1、サブコントローラ2b及びコントローラ2としては、既存の検針メータ、サブコントローラ及びコントローラを用いることができる。
【0018】
監視装置3は、コントローラ2及びサブコントローラ2bを介して、対象とする検針メータ1の監視及び検針を行う。監視装置3は、図2に示すように、保持部301、取得部302、使用量算出部303、指示受付部304、交換前読み値取得部305、交換日取得部306、交換後読み値取得部307、表示制御部308、及び表示部309を備えている。
【0019】
保持部301は、監視装置3で扱う各種のデータを保持する。保持部301は、SSD(Solid State Drive)、DVD(Digital Versatile Disc)又はメモリ等によって構成される。
【0020】
保持部301は、対象とする検針メータ1に関する種々の情報(例えばメータID等)を、当該検針メータ1の計量ポイントとして保持する。また、保持部301は、取得部302により取得された読み値を示すデータを、計量ポイントデータとして時系列に保持する。
【0021】
また、保持部301は、使用量算出部303により算出された使用量を示すデータを、検針データとして時系列に保持する。また、保持部301は、交換前読み値取得部305により取得された交換前読み値を示すデータ、交換日取得部306により取得された交換日を示すデータ、及び、交換後読み値取得部307により取得された交換後読み値を示すデータを、メータ交換記録として時系列に保持する。
【0022】
図2では、保持部301が監視装置3の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、保持部301は監視装置3の外部に設けられていてもよい。
【0023】
取得部302は、例えばコントローラ2に対して所定周期(例えば60秒周期)で読み値の取得要求(コントローラ2が複数の場合にはスキャン等)を行うことによりコントローラ2からデータを受信し、当該データが示す読み値を取得する。すなわち、取得部302は、検針メータ1のメータ値を取得する。なお、以下では、説明を容易にするため、取得部302が上記のように所定周期でコントローラ2から読み値を取得することを「定期取得」という。
【0024】
使用量算出部303は、取得部302による取得結果に基づいて、対象期間(検針期間)における使用量を算出する。この際、使用量算出部303は、例えば取得部302による定期取得で取得された読み値が、対象期間にどの程度増加したかを算出することで、当該対象期間における使用量を算出する。
【0025】
指示受付部304は、監視対象である検針メータ1毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける。この際、指示受付部304は、例えば表示部309に表示された後述の計量ポイント監視画面を介して、オペレータから第1の指示又は第2の指示を受け付けてもよい。
【0026】
交換前読み値取得部305は、指示受付部304により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換前読み値として取得する。なお、交換前読み値取得部305は、交換前読み値をコントローラ2から取得するが、この交換前読み値の取得は、指示受付部304により第1の指示が受け付けられた場合に実施されるものであり、取得部302による定期取得とは別に実施される。
【0027】
交換後読み値取得部307は、指示受付部304により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換後読み値として取得する。なお、交換後読み値取得部307は、交換後読み値をコントローラ2から取得するが、交換後読み値取得部307による交換後読み値の取得も、取得部302による定期取得とは別に実施される。
【0028】
交換日取得部306は、指示受付部304により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。この際、交換日取得部306は、例えば監視装置3のシステム日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。
【0029】
また、交換日取得部306は、指示受付部304により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた日付を取得する。そして、交換日取得部306は、第2の指示が受け付けられた日付が、当該交換日取得部306で取得した、第1の指示が受け付けられた日付と異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。
【0030】
表示制御部308は、メータ交換記録を表示した計量ポイント監視画面を表示部309に表示させる。メータ交換記録は、例えば交換前読み値取得部305により取得された交換前読み値、交換日取得部306により取得された検針メータ1の交換日、及び、交換後読み値取得部307により取得された交換後読み値である。
【0031】
表示部309は、例えばモニタにより構成される。図2では、表示部309が監視装置3の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、表示部309は監視装置3の外部に設けられていてもよい。
【0032】
取得部302,使用量算出部303、指示受付部304、交換前読み値取得部305、交換日取得部306、交換後読み値取得部307、及び表示制御部308の機能は、例えば監視装置3が備える不図示のCPU(Central Processing Unit)が、不図示のメモリに展開された所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0033】
なお図1では、監視システムにサブコントローラ2bが設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、監視システムにサブコントローラ2bが設けられていなくてもよい。この場合、検針メータ1は、通信線を介してコントローラ2に接続される。そして、検針メータ1が通信メータである場合、当該通信メータは、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すデータ(電文)を当該コントローラ2に送信する。また、検針メータ1がパルスメータである場合、当該パルスメータは、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すパルス信号を当該コントローラ2に送信する。
【0034】
次に、図3を参照しながら、実施の形態1に係る監視装置3の動作例の概要を説明する。図3において、横軸は時間、縦軸は読み値を示す。
【0035】
まず、a点において、オペレータは、検針メータ1に対して交換開始を示す第1の指示を行う。監視装置3は、指示受付部304にて第1の指示を受け付けると、交換前読み値取得部305にて当該検針メータ1の交換前読み値を取得する。また、監視装置3は、交換日取得部306にて、第1の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。
【0036】
その後、期間bにおいて、検針メータ1の交換作業が実施される。当該交換作業が終了すると、オペレータはc点において、検針メータ1に対して交換終了を示す第2の指示を行う。監視装置3は、指示受付部304にて第2の指示を受け付けると、交換後読み値取得部307にて当該検針メータ(実際には交換後の検針メータ)の交換後読み値を取得するとともに、交換日取得部306にて第2の指示が受け付けられた日付を取得する。このとき、交換日取得部306は、第2の指示が受け付けられた日付が、a点で取得した検針メータ1の交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なるかを確認し、2つの日付が異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1の交換日として取得する。2つの日付が同じである場合、交換日取得部306は、検針メータ1の交換日を、第1の指示が受け付けられた日付のままとする。
【0037】
次に、図4A及び図4Bを参照しながら、実施の形態1に係る監視装置3の具体的な動作例を説明する。図4Aは、監視装置3の具体的な動作例のうち、ステップST401~ST407を説明する図であり、図4Bは、監視装置3の具体的な動作例のうち、ステップST408~ST413を説明する図である。なお、ここでは、説明を分かりやすくするため、交換時期が到来した検針メータ1aを、新たな検針メータ1bに交換する場合を例に説明する。また、ここでは、オペレータは、例えば表示部309に表示された所定の画面を介して、交換対象のメータが検針メータ1aであることを予め特定しており、この特定により、計量ポイント監視画面を表示部309に表示させているものとする。
【0038】
ここで、計量ポイント監視画面の例を図5に示す。図5に示すように、計量ポイント監視画面は、オペレータにより交換対象のメータとして特定された検針メータ1aについて表示されるものであり、上部のタグ欄に「メータ交換」という名称が付されたチェックボックス501が表示されている。このチェックボックス501は、初期状態では空欄となっている。また、計量ポイント監視画面の下部には「メータ交換記録」を表示する欄が設けられ、監視装置3により取得されたメータ交換記録がこの欄に表示されるようになっている。
【0039】
また、ここでは、交換開始を示す第1の指示は、オペレータが、例えば表示部309に表示された計量ポイント監視画面のチェックボックス501をオンにすることで実行され、交換終了を示す第2の指示は、オペレータが、当該チェックボックス501をオンからオフにすることで実行されるものとする。
【0040】
また、指示受付部304は、第1の指示を受け付けると、対象の検針メータ1aの交換モードを有効に設定し、第2の指示を受け付けると、対象の検針メータ1aの交換モードを有効から無効に変更するものとする。交換モードは、検針メータ1aが交換作業中であるか否かを示すモードである。この交換モードは、各検針メータ1の計量ポイントに対して個別に設定可能となっており、初期状態では無効に設定されている。
【0041】
なお、ここでは、オペレータによる第1の指示及び第2の指示が、上記チェックボックス501のオンオフ操作により行われる例を説明するが、第1の指示及び第2の指示はこれに限らず、上記チェックボックス501のオンオフ操作以外の方法で行われてもよい。
【0042】
まず、表示制御部308は、オペレータが交換対象のメータとして検針メータ1aを特定したことに応じて、検針メータ1aに関する計量ポイント監視画面を表示部309に表示させる(ステップST401)。
【0043】
次いで、指示受付部304は、検針メータ1aについて、交換開始を示す第1の指示を受け付ける(ステップST402)。ここでは、指示受付部304は、オペレータが、表示部309に表示された計量ポイント監視画面内の所定のチェックボックスをオンにすることにより、第1の指示を受け付ける。このとき、指示受付部304は、検針メータ1aの交換モードを有効に設定する。
【0044】
次いで、交換前読み値取得部305は、ステップST402において、指示受付部304により第1の指示が受け付けられた際の検針メータ1aの読み値を、交換前読み値として取得する(ステップST403)。
【0045】
次いで、交換日取得部306は、ステップST402において、指示受付部304により第1の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1aの交換日として取得する(ステップST404)。なお、当該ステップST404とステップST403とは順序が逆でもよいし、同時(略同時を含む)に行われてもよい。
【0046】
次いで、表示制御部308は、交換前読み値取得部305により取得された交換前読み値と、交換日取得部306により取得された検針メータ1aの交換日とを、計量ポイント監視画面に表示させる(ステップST405)。
【0047】
ここで、ステップST405終了時における計量ポイント監視画面の例を図6に示す。図6に示すように、計量ポイント監視画面では、「メータ交換」という名称が付されたチェックボックス501がオペレータによりオンにされている。また、計量ポイント監視画面の下部には「メータ交換記録」を表示する欄が設けられ、交換前読み値取得部305により取得された交換前読み値(図6では「交換前値」)と、交換日取得部306により取得された検針メータ1aの交換日(図6では「交換日」)とが、この欄に表示されている。
【0048】
交換モードが有効に設定された後、現場では実際のメータ交換作業が行われる。なお、監視装置3は、この交換作業中であっても、取得部302による読み値の定期取得(コントローラ2からの所定周期での読み値の取得)を継続する。これにより、例えば交換作業により新たな検針メータ1bが設置された際、当該新たな検針メータ1bとコントローラ2とが通信可能に接続されたかを監視装置3側で確認することができる。
【0049】
メータの交換作業が完了すると、オペレータは、表示部309に表示された計量ポイント監視画面内のチェックボックス501をオンからオフにする。これにより、指示受付部304は、検針メータ1aについて、交換終了を示す第2の指示を受け付ける(ステップST406)。このとき、指示受付部304は、検針メータ1aの交換モードを有効から無効に変更する。
【0050】
次いで、交換後読み値取得部307は、指示受付部304により第2の指示が受け付けられた際の検針メータ1bの読み値を、交換後読み値として取得する(ステップST407)。
【0051】
次いで、交換日取得部306は、ステップST406において、指示受付部304により第2の指示が受け付けられた日付を取得する(ステップST408)。なお、当該ステップST408とステップST407とは順序が逆でもよいし、同時(略同時を含む)に行われてもよい。
【0052】
次いで、交換日取得部306は、ステップST408で取得した、第2の指示が受け付けられた日付が、ステップST404で取得した検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なるか否かを確認する(ステップST409)。
【0053】
その結果、第2の指示が受け付けられた日付が、検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なっていた場合(ステップST409;YES)、交換日取得部306は、第2の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1aの交換日として取得する(ステップST410)。
【0054】
例えば、メータ交換作業は通常、対象物体(水、ガス又は電気等)の使用が停止される夜間に行われ、その作業時間は数時間程度である場合が多い。しかしながら、メータ交換作業が長時間にわたり、作業の終了が日付を跨いで作業開始日の翌日になる場合がある。その場合、検針メータ1aの交換日は、実際に作業を終了した日付(第2の指示が受け付けられた日付)とするのが望ましい。したがって、このような場合、交換日取得部306は、第2の指示が受け付けられた日付を検針メータ1aの交換日として取得する。
【0055】
次いで、表示制御部308は、交換後読み値取得部307により取得された交換後読み値を、計量ポイント監視画面に表示させるとともに、計量ポイント監視画面に表示されている検針メータ1aの交換日を、第2の指示が受け付けられた日付に更新する(ステップST411)。
【0056】
一方、第2の指示が受け付けられた日付が、検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と同じであった場合(ステップST409;NO)、表示制御部308は、交換後読み値取得部307により取得された交換後読み値を、計量ポイント監視画面に表示させる(ステップST412)。
【0057】
ここで、ステップST412終了時における計量ポイント監視画面の例を図7に示す。図7に示すように、計量ポイント監視画面では、オペレータにより画面上部のチェックボックス501がオンからオフにされている。また、計量ポイント監視画面の下部の「メータ交換記録」には、交換後読み値取得部307により取得された交換後読み値(図7では「交換後値」)が表示されている。なお、図7では、交換日の更新は行われていないが、第2の指示が受け付けられた日付が、検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なっていた場合、交換日は第2の指示が受け付けられた日付に更新される。
【0058】
なお、表示制御部308は、交換前値及び交換後値を、オペレータが補正できるような態様で計量ポイント監視画面に表示してもよい。例えば、表示制御部308は、図7に示すように、増減ボタンが付されたスピンボックス内に交換前値及び交換後値を表示させ、オペレータが増減ボタンを操作することで、交換前値及び交換後値を補正できるようにしてもよい。
【0059】
交換前値及び交換後値の補正が必要となるのは、例えば、検針メータの交換に先立って、事前に使用者(例えばテナントのオーナ等)と交換前読み値を取り決めていたが、実際に第1の指示を実行するのが遅れてしまったような場合である。この場合、監視装置3で取得した交換前読み値が、予め取り決めていた交換前読み値よりも大きくなってしまうため、取得した交換前読み値の補正が必要となる場合がある。
【0060】
または、メータ交換作業の終了後に第2の指示を実行するのが遅れてしまい、新たな検針メータのメータ値がある程度増加してしまってから第2の指示を実行した結果、監視装置3で取得した交換後読み値が、本来の値ではなくなってしまった場合も、取得した交換後読み値の補正が必要となる場合がある。これらの場合に対応できるようにするため、表示制御部308は、交換前値及び交換後値を、オペレータが補正できるような態様で計量ポイント監視画面に表示するとよい。
【0061】
次いで、表示制御部308は、オペレータの指示に応じて、最終的なメータ交換記録を表示した計量ポイント監視画面を表示部309に表示させる(ステップST413)。この場合の計量ポイント監視画面の表示例を図8に示す。オペレータは、この画面により、最終的なメータ交換記録(交換日、交換前値、及び交換後値)を確認することができる。
【0062】
以上のように、実施の形態1によれば、監視装置3は、監視対象であるメータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部304と、指示受付部304により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換前読み値として取得する交換前読み値取得部305と、指示受付部304により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する交換日取得部306と、指示受付部304により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換後読み値として取得する交換後読み値取得部307とを備えた。これにより、監視装置3は、メータ交換記録を従来よりも正確に取得可能となる。
【0063】
また、監視装置3は、交換前読み値取得部305により取得された交換前読み値と、交換日取得部306により取得された検針メータ1の交換日と、交換後読み値取得部307により取得された交換後読み値とを表示した計量ポイント監視画面を表示部309に表示させる表示制御部308を備えた。これにより、オペレータは、メータ交換記録を容易に確認することができる。
【0064】
また、交換日取得部306は、指示受付部304により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた日付を取得し、当該第2の指示が受け付けられた日付が、当該交換日取得部306で取得した、第1の指示が受け付けられた日付と異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。これにより、監視装置3は、メータ1の交換作業が日付を跨いだ場合でも、検針メータ1の交換日を正確に取得することができる。
【0065】
また、表示制御部308は、第1の指示又は第2の指示を受け付けるためのチェックボックス501を計量ポイント監視画面に表示させ、指示受付部304は、計量ポイント監視画面に表示されたチェックボックス501がオンにされた場合に第1の指示を受け付け、計量ポイント監視画面に表示されたチェックボックス501がオンからオフにされた場合に第2の指示を受け付ける。これにより、オペレータは、簡易な操作で第1の指示及び第2の指示を行うことができる。特に、設備管理に精通していないオペレータの作業負荷を従来よりも軽減することができる。また、オペレータは、チェックボックス501の状態を確認することで、第1の指示を行った後に第2の指示を行うのを忘れてしまうことを防止できる。
【0066】
また、指示受付部304は、検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合に、当該検針メータ1の交換モードを有効に設定し、検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合に、当該検針メータ1の交換モードを有効から無効に変更する。これにより、監視装置3は、交換モードに基づいて検針メータ1の交換作業を管理することができる。
【0067】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 検針メータ(メータ)
2 コントローラ
2b サブコントローラ
3 監視装置
301 保持部
302 取得部
303 使用量算出部
304 指示受付部
305 交換前読み値取得部
306 交換日取得部
307 交換後読み値取得部
308 表示制御部
309 表示部
501 チェックボックス
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8