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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148689
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050459
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100129001
【弁理士】
【氏名又は名称】林 崇朗
(72)【発明者】
【氏名】杉本 有希
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】光を用いた斬新な演出効果によって遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】弾球遊技機は、光を用いた演出を行う演出装置を備える。演出装置は、遊技進行に応じて発光可能に構成された第1発光体と;透過性の拡散層が形成された導光板前面と、透過性の反射層が形成された導光板背面と、導光板前面および導光板背面の端に位置する導光板端面とを有し、第1発光体から導光板端面に入射された光を導光板前面から前方へ放出する導光板とを含む。演出装置は、更に、導光板より後方に位置し、遊技進行に応じて発光可能に構成された第2発光体と;導光板と第2発光体との間に位置し、後方側に透過性の反射層が形成されたハーフミラーとを含む。演出装置は、第2発光体からの光をハーフミラーおよび導光板に透過させて前方から視認可能に構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を用いた演出を行う演出装置を備え、
前記演出装置は、
遊技進行に応じて発光可能に構成された第1発光体と、
透過性の拡散層が形成された導光板前面と、透過性の反射層が形成された導光板背面と、前記導光板前面および前記導光板背面の端に位置する導光板端面とを有し、前記第1発光体から前記導光板端面に入射された光を前記導光板前面から前方へ放出する導光板と
を含む、弾球遊技機であって、
前記演出装置は、更に、
前記導光板より後方に位置し、遊技進行に応じて発光可能に構成された第2発光体と、
前記導光板と前記第2発光体との間に位置し、後方側に透過性の反射層が形成されたハーフミラーと
を含み、
前記演出装置は、前記第2発光体からの光を前記ハーフミラーおよび前記導光板に透過させて前方から視認可能に構成されている、ことを特徴とする弾球遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、弾球遊技機(パチンコ遊技機、パチンコ台とも呼ばれる。)に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機には、遊技進行に応じて光を用いた演出を行うものが知られている。特許文献1,2には、遊技盤において遊技球が流下する遊技領域を構成する平面に導光板を設け、導光板の端面から入射した光を遊技領域を構成する平面から遊技機前方に放出することによって演出を実施する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-254959号公報
【特許文献2】特開2006-218093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弾球遊技機においては、光を用いた斬新な演出効果によって遊技の興趣を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
【0006】
(1)本明細書に開示する一形態における弾球遊技機は、光を用いた演出を行う演出装置を備える。前記演出装置は、遊技進行に応じて発光可能に構成された第1発光体と;透過性の拡散層が形成された導光板前面と、透過性の反射層が形成された導光板背面と、前記導光板前面および前記導光板背面の端に位置する導光板端面とを有し、前記第1発光体から前記導光板端面に入射された光を前記導光板前面から前方へ放出する導光板とを含む。前記演出装置は、更に、前記導光板より後方に位置し、遊技進行に応じて発光可能に構成された第2発光体と;前記導光板と前記第2発光体との間に位置し、後方側に透過性の反射層が形成されたハーフミラーとを含む。前記演出装置は、前記第2発光体からの光を前記ハーフミラーおよび前記導光板に透過させて前方から視認可能に構成されている。
この形態の弾球遊技機によれば、消灯状態にある第2発光体の存在が導光板と重なり合って視認されることをハーフミラーによって抑制しながら、第1発光体の点灯によって導光板前面から放出される放出光と、第2発光体の点灯によって前方に放出される放出光との少なくとも一方の任意の放出光を、演出装置の前方から入射してハーフミラーに反射させた反射光に対して、重ね合わせた演出を実施できる。これによって、光を用いた斬新な演出効果によって遊技の興趣を向上させることができる。
【0007】
(2)上述した弾球遊技機において、前記導光板は、前方および後方の少なくとも一方に膨出した曲面状を成し、前記ハーフミラーは、前記導光板の形状に沿って膨出した曲面状を成してもよい。
この形態の弾球遊技機によれば、導光板の曲面とハーフミラーの曲面との間隔のばらつきが抑制され、第1発光体の点灯によって導光板前面から放出される放出光に対する、ハーフミラーに反射して導光板の各部を透過する反射光の態様のばらつきを低減できるため、反射光に違和感を感じさせない演出を実現できる。
【0008】
(3)上述した弾球遊技機において、前記導光板は、前方に向けて凸となる半球状を成し、前記ハーフミラーは、前記導光板の形状に沿った半球状を成してもよい。
この形態の弾球遊技機によれば、導光板の曲面とハーフミラーの曲面との間隔のばらつきが抑制され、第1発光体の点灯によって導光板前面から放出される放出光に対する、ハーフミラーに反射して導光板の各部を透過する反射光の態様のばらつきを低減できるため、反射光に違和感を感じさせない演出を実現できる。
【0009】
本明細書に開示する技術は、弾球遊技機とは異なる種々の形態で実現できる。本明細書に開示する技術は、例えば、弾球遊技機の形態のほか、弾球遊技機の演出装置、ならびに、弾球遊技機の演出装置を制御するプログラムなどの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】パチンコ遊技機の構成を示す正面図である。
図2】パチンコ遊技機の構成を示す背面図である。
図3】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図である。
図4】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】主制御装置が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。
図6】演出装置の詳細構成を示す説明図である。
図7】演出装置の詳細構成を示す説明図である。
図8】演出装置の詳細構成を示す説明図である。
図9】演出装置の詳細構成を示す説明図である。
図10】第2実施形態における演出装置の詳細構成を示す説明図である。
図11】第3実施形態における演出装置の詳細構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.第1実施形態
図1は、パチンコ遊技機10の構成を示す正面図である。図2は、パチンコ遊技機10の構成を示す背面図である。図3は、パチンコ遊技機10の遊技盤400を示す正面図である。
【0012】
パチンコ遊技機10は、プリペイドカードに対応した弾球遊技機(いわゆる「CR機」)であり、カードユニット80に接続されている。カードユニット80は、プリペイドカードに記録されている情報に基づいて、パチンコ遊技機10における遊技球の貸し出しを実現する。パチンコ遊技機10は、外枠110と、内枠120と、前枠130と、ハンドル140と、演出ボタン160とを備える。
【0013】
パチンコ遊技機10の外枠110は、縦長の矩形状を成す。外枠110は、パチンコ遊技機10を設置する設備に固定される。外枠110は、内枠120を開閉可能に支持する一対のヒンジ112を備える。
【0014】
パチンコ遊技機10の内枠120は、外枠110の内側に嵌り合う矩形状を成す。内枠120は、遊技盤400をはじめとするパチンコ遊技機10の各部を保持する。内枠120は、前枠130を開閉可能に支持する一対のヒンジ122を備える。
【0015】
内枠120の正面における前枠130の下方には、上皿124と、下皿126と、鍵穴128とが設けられている。上皿124は、遊技盤400へと発射される遊技球を貯留する。下皿126は、上皿124から溢れた遊技球を貯留する。鍵穴128は、鍵による外枠110に対する内枠120の固定および解除を実施する操作を受け付けるとともに、鍵による内枠120に対する前枠130の固定および解除を実施する操作を受け付ける。
【0016】
上皿124には、残高表示装置152と、球貸スイッチ154と、精算スイッチ156とが設けられている。残高表示装置152は、カードユニット80に保持されているプリペイドカードの残高を表示する。球貸スイッチ154は、カードユニット80に保持されているプリペイドカードの残高に基づいて遊技球の貸し出しを実行する指示を遊技者から受け付ける。精算スイッチ156は、カードユニット80からプリペイドカードを返却する指示を遊技者から受け付ける。
【0017】
パチンコ遊技機10の前枠130は、遊技盤400の正面において開閉可能に構成されている。前枠130は、遊技盤400の正面に位置する透明板132を備える。これによって、遊技者は、透明板132を介して遊技盤400を目視可能である。透明板132は、ガラスであり、前枠130は、ガラス枠とも呼ばれる。前枠130の正面には、電飾134と、スピーカ136とが設けられている。電飾134は、遊技の進行に応じて発光する。スピーカ136は、遊技の進行に応じて音声を出力する。
【0018】
パチンコ遊技機10のハンドル140は、遊技球を発射する操作入力を遊技者から受け付ける。ハンドル140は、内枠120の正面における前枠130の右下方に設けられている。
【0019】
パチンコ遊技機10の演出ボタン160は、演出に対する遊技者の操作入力を受け付ける。演出ボタン160は、内枠120の正面における上皿124に設けられている。
【0020】
図2に示すように、内枠120の背面には、遊技球タンク172と、払出装置174とが設けられている。遊技球タンク172は、パチンコ遊技機10の外部から補給される遊技球を貯留する。払出装置174は、遊技球タンク172に貯留されている遊技球を上皿124に払い出す。
【0021】
内枠120の背面には、更に、主制御装置210と、サブ統合制御装置220と、演出図柄制御装置230と、払出制御装置240と、発射制御装置250と、外部接続端子板265と、電源基板290とが設けられている。これらの制御装置は、CPU、ROM、RAMなどを備えるコンピュータであり、コンピュータプログラムに基づいて各種の制御処理を実行する。
【0022】
主制御装置210は、パチンコ遊技機10における遊技の進行を制御する。サブ統合制御装置220は、主制御装置210からのコマンドに基づいて、遊技の進行に応じた演出を制御する。演出図柄制御装置230は、サブ統合制御装置220からのコマンドに基づいて、演出図柄を用いた演出を制御する。払出制御装置240は、主制御装置210からのコマンドに基づいて、遊技球の払い出しを制御する。発射制御装置250は、ハンドル140に対する遊技者からの操作入力に基づいて、遊技盤400への遊技球の発射を制御する。外部接続端子板265は、パチンコ遊技機10における遊技状態を示す信号をパチンコ遊技機10の外部へと出力する。
【0023】
電源基板290は、パチンコ遊技機10の各部に電力を供給する。電源基板290は、電源スイッチ292と、RAMクリアスイッチ294とを備える。電源スイッチ292は、パチンコ遊技機10の管理者によって操作可能に構成されており、一方の側へ押された場合にパチンコ遊技機10に電源を供給するオン状態になり、他方の側へ押された場合にパチンコ遊技機10への電源供給を遮断するオフ状態になる。RAMクリアスイッチ294は、パチンコ遊技機10の管理者によって操作可能に構成されており、操作されない場合にはオフ状態を維持し、押し込まれた場合にオン状態になる。電源投入時にRAMクリアスイッチ294が押されていた場合、主制御装置210は、「RAMクリア」処理として、遊技進行に関する各種情報を削除(クリア)可能に構成されている。
【0024】
内枠120の裏面には、更に、設定切替スイッチ302と、設定変更スイッチ304とが設けられている。設定切替スイッチ302および設定変更スイッチ304は、主制御装置210に設けられている。主制御装置210には、遊技特性を規定した複数の設定値(例えば、大当り確率)が予め記憶されている。設定切替スイッチ302は、パチンコ遊技機10の遊技特性に関する設定の切替を開始(オン状態)および終了(オフ状態)する操作を受け付ける。設定変更スイッチ304は、設定切替スイッチ302によって設定の切替が有効となっている場合、設定を変更する操作を受け付ける。
【0025】
本実施形態では、パチンコ遊技機10の遊技特性の設定変更を実施する場合、パチンコ遊技機10の管理者は、パチンコ遊技機10の電源を投入する前に、設定切替スイッチ302に鍵を挿入して、設定切替スイッチ302を第1の位置(オン状態)に回転させる。その後、パチンコ遊技機10の電源を投入した場合、主制御装置210は、遊技特性の設定変更を受け付ける有効状態であると判断する。この有効状態において、主制御装置210は、パチンコ遊技機10の管理者が設定変更スイッチ304を押すごとに、現状の設定番号に1を加算した設定番号に変更する。例えば、主制御装置210は、パチンコ遊技機10の管理者が設定変更スイッチ304を押すごとに、設定1から設定2、設定3、設定4、設定5、設定6へと順に設定番号を変更し、設定6からは再び設定1に設定番号を変更する。その後、パチンコ遊技機10の管理者が設定切替スイッチ302を第2の位置(オフ状態)に回転させた場合、主制御装置210は、設定切替スイッチ302からの入力の受付を終了し、その直前に受け付けた設定番号を変更後の設定として確定する。
【0026】
図3に示すように、パチンコ遊技機10の遊技盤400は、パチンコ遊技機10の正面を向いた板状を成す。遊技盤400は、盤面402と、ガイドレール404,406と、複数の遊技釘408と、センターケース410と、電飾414と、普通入賞口421,422,423,424と、普通図柄作動ゲート430と、普通電動役物440と、第1始動口451と、第2始動口452と、大入賞口460とを備える。遊技盤400は、更に、普通図柄表示装置471と、普図保留表示装置472と、第1特別図柄表示装置473と、第1特図保留表示装置474と、第2特別図柄表示装置475と、第2特図保留表示装置476と、演出図柄表示装置480とを備える。
【0027】
遊技盤400の盤面402は、パチンコ遊技機10の正面を向いた面である。遊技盤400のガイドレール404,406は、盤面402の中央を円形状に取り囲むことによって、略円形を成す遊技領域GAを形成する。遊技盤400における複数の遊技釘408は、盤面402に植設され、遊技領域GAを流れる遊技球の通路を形成する。複数の遊技釘408は、回転部材を有する風車釘409を含む。
【0028】
遊技盤400のセンターケース410は、遊技領域GAの中央部に設けられた部材である。センターケース410は、遊技領域GAを流れる遊技球の通路を形成する。センターケース410の中央部には、演出図柄表示装置480が設けられている。演出図柄表示装置480は、遊技進行に応じた演出の一環として演出図柄を表示する。本実施形態では、演出図柄表示装置480は、液晶ディスプレイ(LCD)である。
【0029】
遊技盤400の電飾414は、遊技の進行に応じて発光する。本実施形態では、電飾414は、センターケース410に設けられている。他の実施形態では、電飾414は、盤面402に直接的に設けられていてもよい。
【0030】
遊技盤400の普通入賞口421,422,423,424は、遊技領域GAを流下する遊技球が入球可能に構成された入賞口である。普通入賞口421,422,423,424への遊技球の入球は、賞球払出の契機となる。
【0031】
遊技盤400の普通図柄作動ゲート430は、遊技領域GAを流下する遊技球が通過可能に構成されたゲートである。普通図柄作動ゲート430への遊技球の通過は、普通図柄(普図)を用いた当否判定(抽選)を実行する契機となる。普通図柄の判定結果(抽選結果)は、普通図柄表示装置471に表示される。普通電動役物440は、センターケース410の右側、かつ、普通図柄作動ゲート430の下方に配置されている。
【0032】
遊技盤400の普通電動役物440は、普通図柄による抽選結果に応じて開閉可能に構成された役物である。普通電動役物440は、閉鎖状態では第2始動口452へ流下する遊技球の通過を阻害し、開放状態では第2始動口452へ流下する遊技球の通過を許容する。普通電動役物440は、普通図柄の判定結果が当選である場合のみ開放状態になる。普通電動役物440は、センターケース410の右側、かつ、普通図柄作動ゲート430の下方に配置されている。
【0033】
遊技盤400の第1始動口451は、遊技領域GAを流下する遊技球が入球可能に構成された入賞口である。第1始動口451への遊技球の入球は、賞球払出の契機となるとともに、第1特別図柄(第1特図)による抽選結果を用いた当否判定(抽選)を実行する契機となる。第1特別図柄の判定結果(抽選結果)は、第1特別図柄表示装置473に表示される。第1始動口451は、センターケース410の中央下方に配置されている。
【0034】
遊技盤400の第2始動口452は、遊技領域GAを流下する遊技球が入球可能に構成された入賞口である。第2始動口452は、普通図柄作動ゲート430の開放によって遊技球の入球率が高くなるように構成されている。第2始動口452への遊技球の入球は、賞球払出の契機となるとともに、第2特別図柄(第2特図)を用いた当否判定(抽選)を実行する契機となる。第2始動口452は、センターケース410の右側、かつ、普通図柄作動ゲート430の下方において、普通電動役物440と共に配置されている。
【0035】
遊技盤400の大入賞口460は、第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方の特別図柄による抽選結果に応じて開閉可能に構成された入賞口である。大入賞口460は、閉鎖状態では遊技領域GAを流下する遊技球の入球を阻害し、開放状態では遊技領域GAを流下する遊技球の入球を許容する。大入賞口460は、特別図柄による抽選結果が当選(例えば、大当り、小当りなど)である場合のみ開放状態になる。大入賞口460への遊技球の入球は、賞球払出の契機となる。大入賞口460は、センターケース410の右側下方に配置されている。
【0036】
遊技盤400の普通図柄表示装置471は、普通図柄作動ゲート430への遊技球の通過に基づく普通図柄の判定結果を表示する。普通図柄表示装置471は、複数の普通図柄を変動表示した後、判定結果に応じた普通図柄を確定表示することによって、普通図柄の判定結果を表示する。
【0037】
遊技盤400の普図保留表示装置472は、普通図柄の保留記憶の数を表示する。普通図柄の保留記憶は、普通図柄表示装置471における判定結果の表示処理が保留されている普通図柄の当否判定に用いられるデータの記憶である。
【0038】
遊技盤400の第1特別図柄表示装置473は、第1始動口451への遊技球の通過に基づく第1特別図柄の判定結果を表示する。第1特別図柄表示装置473は、複数の第1特別図柄を変動表示した後、判定結果に応じた第1特別図柄を確定表示することによって、第1特別図柄の判定結果を表示する。
【0039】
遊技盤400の第1特図保留表示装置474は、第1特別図柄の保留記憶の数を表示する。第1特別図柄の保留記憶は、第1特別図柄表示装置473における判定結果の表示処理が保留されている第1特別図柄の当否判定に用いられるデータの記憶である。
【0040】
遊技盤400の第2特別図柄表示装置475は、第2始動口452への遊技球の通過に基づく第2特別図柄の判定結果を表示する。第2特別図柄表示装置475は、複数の第2特別図柄を変動表示した後、判定結果に応じた第2特別図柄を確定表示することによって、第2特別図柄の判定結果を表示する。
【0041】
遊技盤400の第2特図保留表示装置476は、第2特別図柄の保留記憶の数を表示する。第2特別図柄の保留記憶は、第2特別図柄表示装置475における判定結果の表示処理が保留されている第2特別図柄の当否判定に用いられるデータの記憶である。
【0042】
本実施形態では、パチンコ遊技機10は、第1特別図柄の変動中には演出図柄表示装置480において第1特別図柄の変動に応じた演出を実行し、第2特別図柄の変動中には演出図柄表示装置480において第2特別図柄の変動に応じた演出を実行する。パチンコ遊技機10は、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを同時に実行せずに、第2特別図柄の変動を優先して実行する。他の実施形態では、パチンコ遊技機10は、第1特別図柄の変動を優先して実行してもよいし、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動とを同時に実行してもよい。
【0043】
パチンコ遊技機10の遊技盤400は、遊技進行に応じて光を用いた演出を行う演出装置600を更に備える。本実施形態では、演出装置600は、遊技球が演出装置600の正面を流下しない構造である。他の実施形態では、演出装置600は、遊技球が演出装置600の正面を流下する構造であってもよい。演出装置600の詳細構成については後述する。
【0044】
図4は、パチンコ遊技機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ遊技機10の主制御装置210は、データ書き換え可能な不揮発性メモリであるRAM210mを備える。RAM210mは、パチンコ遊技機10に対する電源供給の有無にかかわらず、遊技の進行に関する各種情報の記憶を保持可能に構成されている。本実施形態では、RAM210mは、内蔵電池(バッテリ)によるバッテリバックアップ機能によって、外部電源がなくともデータを保持可能に構成されている。
【0045】
パチンコ遊技機10は、主制御装置210に対して信号を出力する電気的構成として、設定切替スイッチ302および設定変更スイッチ304のほか、一般入賞口スイッチ420sと、作動ゲートスイッチ430sと、第1始動口スイッチ451sと、第2始動口スイッチ452sと、カウントスイッチ460sとを備える。一般入賞口スイッチ420sは、普通入賞口421,422,423,424への遊技球の入球を検知し、その検知信号を主制御装置210に出力する。作動ゲートスイッチ430sは、普通図柄作動ゲート430における遊技球の通過を検知し、その検知信号を主制御装置210に出力する。第1始動口スイッチ451sは、第1始動口451への遊技球の入球を検知し、その検知信号を主制御装置210に出力する。第2始動口スイッチ452sは、第2始動口452への遊技球の入球を検知し、その検知信号を主制御装置210に出力する。カウントスイッチ460sは、大入賞口460への遊技球の入球を検知し、その検知信号を主制御装置210に出力する。
【0046】
パチンコ遊技機10は、主制御装置210からの制御信号に基づいて動作する電気的構成として、普通図柄表示装置471、普図保留表示装置472、第1特別図柄表示装置473、第1特図保留表示装置474、第2特別図柄表示装置475、第2特図保留表示装置476のほか、普電役物ソレノイド440dと、大入賞口ソレノイド460dとを備える。普電役物ソレノイド440dは、主制御装置210からの制御信号に基づいて普通電動役物440を開閉する。大入賞口ソレノイド460dは、主制御装置210からの制御信号に基づいて大入賞口460を開閉する。
【0047】
サブ統合制御装置220は、主制御装置210からの片方向で主制御装置210と通信可能に構成されている。サブ統合制御装置220は、演出ボタン160を介して遊技者から操作入力を受け付ける。サブ統合制御装置220は、主制御装置210からのコマンドに基づいて、電飾134、電飾414、スピーカ136、演出図柄制御装置230および演出装置600に制御信号を出力することによって、遊技の進行に応じた演出を実現する。演出図柄制御装置230は、サブ統合制御装置220からのコマンドに基づいて、演出図柄表示装置480に表示する画像を制御する。演出図柄表示装置480は、演出図柄制御装置230からの画像信号に基づいて演出図柄を始めとする各種の演出画像を表示する。
【0048】
払出制御装置240は、主制御装置210と相互通信可能に構成されている。払出制御装置240は、遊技球の貸し出し、および、遊技球の発射を制御するとともに、主制御装置210からのコマンドに基づいて遊技球の払い出しを制御する。パチンコ遊技機10は、払出制御装置240に信号を出力する電気的構成として、満杯スイッチ126sを備える。満杯スイッチ126sは、下皿126に貯留する遊技球が満杯であることを検知し、その検知信号を払出制御装置240に出力する。払出制御装置240は、満杯スイッチ126sからの検知信号に基づいて、遊技球の発射停止を指示するコマンドを発射制御装置250に出力する。
【0049】
発射制御装置250は、払出制御装置240からの片方向で払出制御装置240と通信可能に構成されている。発射制御装置250は、ハンドル140を通じた遊技者の操作入力に基づいて遊技盤400への遊技球の発射を制御する。パチンコ遊技機10は、発射制御装置250に接続された電気的構成として、ハンドルボリューム140bと、タッチスイッチ140tと、発射停止スイッチ140sと、発射モータ140mとを備える。ハンドルボリューム140bは、遊技球の発射強度に対応する遊技者によるハンドル140の操作量を検知し、その検知信号を発射制御装置250に出力する。タッチスイッチ140tは、静電気を利用してハンドル140に触れている遊技者を検知し、その検知信号を発射制御装置250に出力する。発射停止スイッチ140sは、遊技球の発射停止を示す遊技者の操作入力を検知し、その検知信号を発射制御装置250に出力する。発射モータ140mは、発射制御装置250からの制御信号に基づいて遊技球を発射する。
【0050】
パチンコ遊技機10は、信号を中継する端子板として、裏配線中継端子板260と、外部接続端子板265、払出中継端子板270と、カードユニット端子板280とを備える。
【0051】
裏配線中継端子板260は、主制御装置210および払出制御装置240と相互に信号をやり取り可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、裏配線中継端子板260に信号を出力する電気的構成として、内枠開放スイッチ120sと、前枠開放スイッチ130sと、球切れスイッチ172sとを備える。内枠開放スイッチ120sは、内枠120の開放状態を検知し、その検知信号を裏配線中継端子板260に出力する。前枠開放スイッチ130sは、前枠130の開放状態を検知し、その検知信号を裏配線中継端子板260に出力する。球切れスイッチ172sは、遊技球タンク172における球切れを検知し、その検知信号を裏配線中継端子板260に出力する。
【0052】
外部接続端子板265は、主制御装置210から裏配線中継端子板260を介して出力される遊技に関する情報を、パチンコ遊技機10を管理するホールコンピュータ90へと中継可能に構成されている。払出中継端子板270は、裏配線中継端子板260と相互に信号をやり取り可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、払出中継端子板270に接続された電気的構成として、払出モータ174dと、払出スイッチ174sとを備える。払出モータ174dは、払出制御装置240からの制御信号に基づいて、払出装置174から上皿124へと遊技球を送出する。払出スイッチ174sは、払出装置174から送出される遊技球を検知し、その制御信号を払出制御装置240へと出力する。
【0053】
カードユニット端子板280は、払出制御装置240とカードユニット80との間で相互に信号をやり取り可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、カードユニット端子板280に接続された電気的構成として、残高表示装置152と、球貸スイッチ154と、精算スイッチ156とを備える。
【0054】
電源基板290は、電源基板290からの片方向で主制御装置210と通信可能に構成されている。電源基板290は、電源スイッチ292およびRAMクリアスイッチ294の各状態を示す信号を主制御装置210に出力する。
【0055】
パチンコ遊技機10は、第1特別図柄の抽選または第2特別図柄の抽選で大当りに当選した場合、第1大入賞口460を開閉する大当り遊技(特別遊技)を実行する。大当り遊技の終了後、パチンコ遊技機10の遊技状態は、その大当り遊技の起因となった特別図柄の種類に基づいて通常遊技または確変遊技に移行する。大当り遊技の終了後に確変遊技に移行する確率(確変付与率)は、予め設定されている。通常遊技では、大当りに当選する確率が通常確率(低確率)に設定される。確変遊技では、大当りに当選する確率が通常確率より高い高確率に設定される。確変遊技では、第2始動口452への遊技球の入球が通常遊技よりも容易になる(いわゆる「電サポ」)。確変遊技の継続期間は、次回の大当り遊技を実行するまでの期間、または、所定回数(本実施形態では、150回)の特別図柄の抽選を実行するまでの期間である。本実施形態における大当りおよび確変遊技に関する仕様は、次の通りである。
第1特別図柄の大当り当選確率
通常遊技 1/319
確変遊技 1/74
第2特別図柄の大当り当選確率
通常遊技 1/319
確変遊技 1/74
確変付与率
第1特別図柄 50%
第2特別図柄 100%
【0056】
パチンコ遊技機10は、始動口への遊技球の入球を前記通常遊技より容易にする時短遊技(時短状態)を設定可能に構成されている。時短遊技では、普通電動役物440の開放時間、開放までの時間、開放の回数、ならびに、普通図柄の当選確率の少なくとも1つを変化させることによって、第2始動口452への遊技球の入球が通常遊技よりも容易になる(いわゆる「電サポ」)。パチンコ遊技機10は、a時短遊技、b時短遊技およびc時短遊技の3種類の時短遊技を遊技進行に応じて設定可能である。
【0057】
a時短遊技(a時短状態)は、第1特別図柄に基づく大当り遊技を終了した後、大当り図柄の種類に応じて付与される時短遊技(時短状態)である。a時短遊技の継続期間は、次回の大当り遊技を実行するまでの期間、または、所定回数(本実施形態では、100回)の特別図柄の抽選を実行するまでの期間である。本実施形態におけるa時短遊技の仕様は、次の通りである。
<通常遊技> <a時短遊技>
普通電動役物の1回の開放時間 0.2秒 2.0秒
普図の変動開始から開放までの平均時間 8.0秒 0.5秒
1回の当りごとの開放の回数 1回 2回
普通図柄の当選確率 4/20 19/20
【0058】
b時短遊技(b時短状態)は、通常確率(低確率)で特別図柄のハズレが所定回数(本実施形態では、950回)に到達した場合に付与される時短遊技(時短状態)である。b時短遊技の継続期間は、次回の大当り遊技を実行するまでの期間、または、所定回数(本実施形態では、1000回)の特別図柄の抽選を実行するまでの期間である。本実施形態では、b時短遊技が一度付与された後、大当り遊技を経なければ、再度のb時短遊技は付与されない。本実施形態におけるb時短遊技の仕様は、次の通りである。
<通常遊技> <b時短遊技>
普通電動役物の1回の開放時間 0.2秒 2.0秒
普図の変動開始から開放までの平均時間 8.0秒 0.5秒
1回の当りごとの開放の回数 1回 2回
普通図柄の当選確率 4/20 4/20
【0059】
c時短遊技(c時短状態)は、第2特別図柄の抽選で当選した場合(本実施形態では、c時短当選確率1/90)に大当り遊技を経ることなく付与される時短遊技(時短状態)である。c時短遊技の継続期間は、次回の大当り遊技を実行するまでの期間、または、所定回数(本実施形態では、300回)の特別図柄の抽選を実行するまでの期間である。本実施形態におけるc時短遊技の仕様は、次の通りである。
<通常モード> <b時短遊技>
普通電動役物の1回の開放時間 0.2秒 2.0秒
普図の変動開始から開放までの平均時間 8.0秒 0.5秒
1回の当りごとの開放の回数 1回 2回
普通図柄の当選確率 4/20 4/20
【0060】
なお、b時短状態およびc時短状態は大当り遊技を介して実行されるものではないため、普通図柄の当選確率を高確率に変動させないことが考えられる。この場合、大当り遊技を介して実行されるa時短状態についても普通図柄の当選確率を変動させない構成であってもよいし、a時短状態のみ当選確率を変動させて、b時短状態およびc時短状態の少なくとも一方については当選確率を変動させない構成であってもよい。a時短状態のみ当選確率を変動させる場合は、a時短状態とb時短状態およびc時短状態との間で遊技特性に差を設けることによって、遊技者にとっての有利度が異なる遊技状態を実現できる。また、a時短状態、b時短状態およびc時短状態のいずれの時短状態においても普通図柄の当選確率を変動させない場合は、それぞれの時短状態の間で同じ遊技特性を実現できる。
【0061】
図5は、主制御装置210が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。主制御装置210は、2ms周期のタイマ割り込み処理として、メインルーチン(図5)を繰り返し開始する。
【0062】
メインルーチン(図5)を開始した後、主制御装置210は、正常なタイマ割り込みによるメインルーチンの起動か否かを判断する(ステップS10)。正常なタイマ割り込みによるメインルーチンの起動ではない場合(ステップS10:「NO」)、主制御装置210は、初期設定処理(ステップS20)を実行する。初期設定処理(ステップS20)において、主制御装置210は、CPUやI/Oなどの各部の初期設定を行う。
【0063】
電源投入時にRAMクリアスイッチ294が押されていないオフ状態、かつ、設定切替スイッチ302がオフ状態、で実行された初期設定処理(ステップS20)では、主制御装置210は、RAM210mに記憶されている遊技の進行に関する各種情報(例えば、各種のフラグおよびカウンタ)を保持したまま各部の初期設定を行う。
【0064】
電源投入時にRAMクリアスイッチ294が押されたオン状態、かつ、設定切替スイッチ302がオフ状態、で実行された初期設定処理(ステップS20)では、主制御装置210は、RAM210mに記憶されている遊技の進行に関する各種情報を削除(クリア)し、これら各種情報を初期値に設定(リセット)する。
【0065】
電源投入時にRAMクリアスイッチ294が押されたオン状態、かつ、設定切替スイッチ302がオン状態、で実行された初期設定処理(ステップS20)では、主制御装置210は、b時短遊技の開始に必要な特別図柄のハズレ回数を計数した情報を除いて、RAM210mに記憶されている遊技の進行に関する各種情報を削除(クリア)し、これら各種情報を初期値に設定(リセット)する。
【0066】
電源投入時にRAMクリアスイッチ294が押されていないオフ状態、かつ、電源投入時に設定切替スイッチ302がオン状態で、実行された初期設定処理(ステップS20)では、主制御装置210は、遊技特性の設定変更を受け付けた後、RAM210mに記憶されている遊技の進行に関する各種情報を保持したまま各部の初期設定を行う。
【0067】
初期設定処理(ステップS20)を実行した後、主制御装置210は、初期値乱数更新処理(ステップS70)を次回のタイマ割り込みまで繰り返し実行する。初期値乱数更新処理(ステップS70)において、主制御装置210は、後述する大当り判定用乱数の更新に用いられる初期値乱数を更新する。
【0068】
正常なタイマ割り込みによるメインルーチンの起動である場合(ステップS10:「YES」)、主制御装置210は、各種の乱数を更新する処理として、初期値乱数更新処理(ステップS30)、大当り判定用乱数更新処理(ステップS32)、特図決定用乱数更新処理(ステップS34)、特図変動パターン決定用乱数更新処理(ステップS36)、当り判定用乱数更新処理(ステップS40)、普図決定用乱数更新処理(ステップS42)、普図変動パターン決定用乱数更新処理(ステップS44)を実行する。
【0069】
初期値乱数更新処理(ステップS30)において、主制御装置210は、大当り判定用乱数の更新に用いられる初期値乱数を更新する。本実施形態では、初期値乱数は、「0~22992」の範囲の値を取る22993個の乱数である。
【0070】
大当り判定用乱数更新処理(ステップS32)において、主制御装置210は、特別図柄の大当りを判定するために用いられる大当り決定用乱数を更新する。本実施形態では、大当り判定用乱数は、「0~22992」の範囲の値を取る22993個の乱数である。主制御装置210は、大当り判定用乱数のうち、特別図柄で大当りとなる値として予め規定された個数の値を設定することによって、特別図柄の大当り確率を調整可能に構成されている。
【0071】
特図決定用乱数更新処理(ステップS34)において、主制御装置210は、特別図柄の大当り図柄およびハズレ図柄を決定するために用いられる第1の特図決定用乱数および第2の特図決定用乱数を更新する。本実施形態では、第1の特図決定用乱数は、「0~199」の範囲の値を取る200個の乱数であり、第2の特図決定用乱数は、「0~10」の範囲の値を取る11個の乱数である。
【0072】
特図変動パターン決定用乱数更新処理(ステップS36)において、主制御装置210は、特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる特図変動パターン決定用乱数を更新する。本実施形態では、特図変動パターン決定用乱数は、「0~16383」の範囲の値を取る16384個の乱数である。
【0073】
当り判定用乱数更新処理(ステップS40)において、主制御装置210は、普通図柄の当りを判定するために用いられる当り判定用乱数を更新する。本実施形態では、当り判定用乱数は、「0~65535」の範囲の値を取る65536個の乱数である。主制御装置210は、当り判定用乱数のうち、普通図柄で当りとなる値として予め規定された個数の値を設定することによって、普通図柄の当り確率を調整可能に構成されている。
【0074】
普図決定用乱数更新処理(ステップS42)において、主制御装置210は、普通図柄の当り図柄を決定するために用いられる普図決定用乱数を更新する。本実施形態では、普図決定用乱数は、「0~18」の範囲の値を取る19個の乱数である。
【0075】
普図変動パターン決定用乱数更新処理(ステップS44)において、主制御装置210は、普通図柄の変動パターンを決定するために用いられる普図変動パターン決定用乱数を更新する。本実施形態では、普図変動パターン決定用乱数は、「0~16383」の範囲の値を取る16384個の乱数である。
【0076】
各種の乱数を更新する処理を実行した後(ステップS30~S44)、主制御装置210は、入球確認処理(ステップS50)を実行する。入球確認処理(ステップS50)において、主制御装置210は、各種の始動口、始動ゲート、入賞口への遊技球の入球を確認し、入球に応じた処理を実行する。入球確認処理(ステップS50)の詳細については後述する。
【0077】
入球確認処理(ステップS50)を実行した後、主制御装置210は、当否判定処理(ステップS52)を実行する。当否判定処理(ステップS52)において、主制御装置210は、特別図柄の抽選による当否、ならびに、普通図柄の抽選による当否をそれぞれ判定する。当否判定処理(ステップS52)の詳細については後述する。
【0078】
当否判定処理(ステップS52)を実行した後、主制御装置210は、普電作動処理(ステップS54)を実行する。普電作動処理(ステップS54)において、主制御装置210は、普通図柄の当選に基づいて普通電動役物440の開閉を制御する。普電作動処理(ステップS54)の詳細については後述する。
【0079】
普電作動処理(ステップS54)を実行した後、主制御装置210は、特別遊技処理(ステップS56)を実行する。特別遊技処理(ステップS56)において、主制御装置210は、特別図柄の当選に基づく特別遊技(例えば、大当り遊技、小当り遊技など)を制御する。特別遊技処理(ステップS56)の詳細については後述する。
【0080】
特別遊技処理(ステップS56)を実行した後、主制御装置210は、不正監視処理(ステップS60)を実行する。不正監視処理(ステップS60)において、主制御装置210は、遊技者による不正行為を監理する。
【0081】
不正監視処理(ステップS60)を実行した後、主制御装置210は、外部出力処理(ステップS65)を実行する。外部出力処理(ステップS65)において、主制御装置210は、ホールコンピュータ90などの外部機器に対して各種の情報を出力する。外部出力処理(ステップS65)を実行した後、主制御装置210は、初期値乱数更新処理(ステップS70)を次回のタイマ割り込みまで繰り返し実行する。
【0082】
図6は、演出装置600の詳細構成を示す説明図である。図6(a)は、パチンコ遊技機10の前方から見た演出装置600の正面図である。図6(b)は、図6(a)の断面F6-F6から見た演出装置600の断面図である。
【0083】
図6には、各図に共通するXYZ軸が図示されている。X軸の正方向は、パチンコ遊技機10の正面に向かって右方向であり、X軸の負方向は、パチンコ遊技機10の正面に向かって左方向である。Y軸の正方向は上方向であり、Y軸の負方向は、下方向である。Z軸の正方向は、パチンコ遊技機10の後方から前方に向かう方向であり、Z軸の負方向は、パチンコ遊技機10の前方から後方に向かう方向である。
【0084】
演出装置600は、ベース部材610と、導光板620と、第1発光体630と、ハーフミラー640と、第2発光体650とを備える。演出装置600は、第1発光体630からの光を導光板620から拡散させて前方(Z軸の正方向)から視認可能に構成されている。さらに、演出装置600は、第2発光体650からの光をハーフミラー640および導光板620に透過させて前方(Z軸の正方向)から視認可能に構成されている。
【0085】
演出装置600のベース部材610は、導光板620、第1発光体630、ハーフミラー640および第2発光体650の各部材を保持する。本実施形態では、ベース部材610は、第1発光体630および第2発光体650を駆動する電子回路が形成されたプリント基板である。
【0086】
演出装置600の導光板620は、内部に入射された光を表面に導いて放出する板状の部材である。本実施形態では、導光板620は、前方(Z軸の正方向)に向けて凸となる半球状を成す。本実施形態では、導光板620は、透明なアクリル樹脂製である。
【0087】
導光板620は、導光板前面622と、導光板背面624と、導光板端面626とを有する。導光板620は、第1発光体630から導光板端面626に入射された光を導光板前面622から前方(Z軸の正方向)へ放出する。導光板620は、導光板前面622からだけではなく、導光板背面624からも一部の光を積極的に放出するように構成されていてもよい。
【0088】
導光板前面622は、前方(Z軸の正方向)を向いた面である。導光板前面622には、透過性の拡散層(拡散シート)が形成されている。本実施形態では、導光板前面622は、前方(Z軸の正方向)に向けて凸となる半球状の面である。
【0089】
導光板背面624は、後方(Z軸の負方向)を向いた面である。導光板背面624には、導光板前面622において放出させる光の態様に応じた光学パターンが形成されている。導光板背面624には、透過性の反射層(反射シート)が形成されている。本実施形態では、導光板背面624は、後方(Z軸の負方向)に向けて凹となる半球状の面である。
【0090】
導光板端面626は、導光板前面622および導光板背面624の端に位置する面である。本実施形態では、導光板端面626は、後方(Z軸の負方向)を向いた円環状の面である。
【0091】
演出装置600の第1発光体630は、遊技進行に応じて発光可能に構成されている。第1発光体630は、サブ統合制御装置220からの駆動信号に基づいて発光する。本実施形態では、第1発光体630は、発光ダイオード(LED)である。本実施形態では、演出装置600は、複数の第1発光体630を備え、これらの第1発光体630は、導光板端面626に対峙するベース部材610における円環上の各位置に等間隔で配置されている。全ての第1発光体630は、同時に点灯および消灯を行ってもよいし、一部の第1発光体630は、他の第1発光体630とは異なる時期に点灯および消灯を行ってもよい。他の実施形態では、第1発光体630は、液晶ディスプレイであってもよい。
【0092】
演出装置600のハーフミラー640は、導光板620と第2発光体650との間に位置する。本実施形態では、ハーフミラー640は、導光板620の形状に沿った半球状を成す。本実施形態では、ハーフミラー640は、透明なアクリル樹脂製である。
【0093】
演出装置600の第2発光体650は、導光板620およびハーフミラー640より後方に位置する。第2発光体650は、遊技進行に応じて発光可能に構成されている。第2発光体650は、サブ統合制御装置220からの駆動信号に基づいて発光する。本実施形態では、第2発光体650は、発光ダイオード(LED)である。本実施形態では、演出装置600は、複数の第2発光体650を備え、これらの第2発光体650は、ハーフミラー640のミラー背面644に対峙するベース部材610における各位置に等間隔で配置されている。全ての第2発光体650は、同時に点灯および消灯を行ってもよいし、一部の第2発光体650は、他の第2発光体650とは異なる時期に点灯および消灯を行ってもよい。他の実施形態では、第2発光体650は、液晶ディスプレイであってもよい。
【0094】
ハーフミラー640は、ミラー前面642と、ミラー背面644とを有する。ミラー前面642は、前方(Z軸の正方向)を向いた透過面である。ミラー背面644は、後方(Z軸の負方向)を向いた面である。ハーフミラー640の後方側であるミラー背面644には、透過性の反射層(反射シート)が形成されている。これによって、ハーフミラー640は、演出装置600の前方に位置する(視認位置VD)から消灯状態にある第2発光体650の目視を困難にすることができるとともに、第2発光体650から放出される放出光を視認位置VDから目視可能に透過させることができる。
【0095】
図6の状態は、第1発光体630および第2発光体650を消灯した状態である。この状態では、演出装置600の前方から入射してハーフミラー640に反射した反射光L1を視認位置VDにおいて目視することができる。そのため、第1発光体630および第2発光体650を消灯した状態では、視認位置VDから見た演出装置600は、反射光L1による鏡面を表示する。
【0096】
図7は、演出装置600の詳細構成を示す説明図である。図7(a)は、パチンコ遊技機10の前方から見た演出装置600の正面図である。図7(b)は、図7(a)の断面F7-F7から見た演出装置600の断面図である。図7には、図6と同様にXYZ軸が図示されている。
【0097】
図7の状態は、第1発光体630を点灯し、第2発光体650を消灯した状態である。この状態では、反射光L1に加え、第1発光体630の点灯によって導光板前面622から放出される放出光L2と、第1発光体630の点灯によって導光板背面624から漏れてハーフミラー640に反射した反射光L3とを、視認位置VDにおいて目視することができる。そのため、第1発光体630を点灯し、第2発光体650を消灯した状態では、視認位置VDから見た演出装置600は、反射光L1による鏡面を背景に、放出光L2および反射光L3によって描画された図形(図7の例では、トラのキャラクタ画像)を表示する。
【0098】
図8は、演出装置600の詳細構成を示す説明図である。図8(a)は、パチンコ遊技機10の前方から見た演出装置600の正面図である。図8(b)は、図8(a)の断面F8-F8から見た演出装置600の断面図である。図8には、図6と同様にXYZ軸が図示されている。
【0099】
図8の状態は、第1発光体630を消灯し、第2発光体650を点灯した状態である。この状態では、反射光L1に加え、第2発光体650の点灯によってハーフミラー640および導光板620を透過して前方に放出される放出光L4を、視認位置VDにおいて目視することができる。そのため、第1発光体630を消灯し、第2発光体650を点灯した状態では、視認位置VDから見た演出装置600は、反射光L1による鏡面を背景に、放出光L4によって描画された図形(図8の例では、4つの丸(図8(a)のハッチング部分))を表示する。
【0100】
図9は、演出装置600の詳細構成を示す説明図である。図9(a)は、パチンコ遊技機10の前方から見た演出装置600の正面図である。図9(b)は、図9(a)の断面F9-F9から見た演出装置600の断面図である。図9には、図6と同様にXYZ軸が図示されている。
【0101】
図9の状態は、第1発光体630および第2発光体650を点灯した状態である。この状態では、反射光L1に加え、第1発光体630の点灯による放出光L2および反射光L3、ならびに、第2発光体650の点灯による放出光L4を、視認位置VDにおいて目視することができる。そのため、第1発光体630および第2発光体650を点灯した状態では、視認位置VDから見た演出装置600は、反射光L1による鏡面を背景に、放出光L2および反射光L3によって描画された図形、ならびに、放出光L4によって描画された図形(図9(a)のハッチング部分)を表示する。
【0102】
以上説明した第1実施形態によれば、消灯状態にある第2発光体650の存在が導光板620と重なり合って視認されることをハーフミラー640によって抑制しながら、第1発光体630の点灯によって導光板前面622から放出される放出光L2と第2発光体650の点灯によって前方に放出される放出光L4との少なくとも一方の任意の放出光を、演出装置600の前方から入射してハーフミラー640に反射させた反射光L1に対して、重ね合わせた演出を実施できる。これによって、光を用いた斬新な演出効果によって遊技の興趣を向上させることができる。
【0103】
また、ハーフミラー640は、導光板620の形状に沿った半球状を成す。これによって、導光板620の導光板背面624とハーフミラー640のミラー前面642との間隔のばらつきが抑制され、第1発光体630の点灯によって導光板前面622から放出される放出光L2に対する、ハーフミラー640に反射して導光板620の各部を透過する反射光L3の態様のばらつきを低減できるため、反射光L3に違和感を感じさせない演出を実現できる。
【0104】
B.第2実施形態
図10は、第2実施形態における演出装置600Bの詳細構成を示す説明図である。図10(a)は、パチンコ遊技機10の前方から見た演出装置600Bの正面図である。図10(b)は、図10(a)の断面F10-F10から見た演出装置600Bの断面図である。図10には、図6と同様にXYZ軸が図示されている。
【0105】
第2実施形態のパチンコ遊技機10は、演出装置600に代えて演出装置600Bを備える点を除き、第1実施形態と同様である。演出装置600Bは、導光板620およびハーフミラー640の形状が異なる点、ならびに、導光板620およびハーフミラー640の形状に応じて各部の構成が異なる点を除き、第1実施形態の演出装置600と同様である。第2実施形態の導光板620は、上下方向の中央が前方に膨出した曲面状を成す点を除き、第1実施形態と同様である。第2実施形態のハーフミラー640は、上下方向の中央が前方に膨出した曲面状の導光板620に沿って膨出した曲面状を成す点を除き、第1実施形態と同様である。
【0106】
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、放出光L2および放出光L4の少なくとも一方の任意の放出光を、反射光L1に対して重ね合わせた演出を実施できる。これによって、光を用いた斬新な演出効果によって遊技の興趣を向上させることができる。また、ハーフミラー640は、導光板620の形状に沿った曲面状を成すため、第1実施形態と同様に、反射光L3に違和感を感じさせない演出を実現できる。
【0107】
C.第3実施形態
図11は、第3実施形態における演出装置600Cの詳細構成を示す説明図である。図11(a)は、パチンコ遊技機10の前方から見た演出装置600Cの正面図である。図11(b)は、図11(a)の断面F11-F11から見た演出装置600Cの断面図である。図11には、図6と同様にXYZ軸が図示されている。
【0108】
第3実施形態のパチンコ遊技機10は、演出装置600に代えて演出装置600Cを備える点を除き、第1実施形態と同様である。演出装置600Cは、導光板620およびハーフミラー640の形状が異なる点、ならびに、導光板620およびハーフミラー640の形状に応じて各部の構成が異なる点を除き、第1実施形態の演出装置600と同様である。第3実施形態の導光板620は、平面状を成す点を除き、第1実施形態と同様である。第2実施形態のハーフミラー640は、導光板620に沿った平面状を成す点を除き、第1実施形態と同様である。
【0109】
以上説明した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、放出光L2および放出光L4の少なくとも一方の任意の放出光を、反射光L1に対して重ね合わせた演出を実施できる。これによって、光を用いた斬新な演出効果によって遊技の興趣を向上させることができる。
【0110】
D.その他の実施形態
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせることができる。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除できる。
【0111】
上述した実施形態の少なくとも一部は、封入式弾球遊技機に適用できる。封入式弾球遊技機は、弾球遊技機の内部に所定数の遊技球を封入した弾球遊技機であり、その封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射し、その後に遊技領域から回収した遊技球を遊技領域への発射に再び使用することによって、内部に封入された遊技球を循環的に遊技に使用する。
【0112】
導光板620およびハーフミラー640は、前方に膨出した曲面状に限らず、後方に膨出した曲面状であってもよいし、前方に膨出した部位と後方に膨出した部位とを組み合わせた曲面状であってもよい。
【符号の説明】
【0113】
10…パチンコ遊技機
80…カードユニット
90…ホールコンピュータ
110…外枠
112…ヒンジ
120…内枠
120s…内枠開放スイッチ
122…ヒンジ
124…上皿
126…下皿
126s…満杯スイッチ
128…鍵穴
130…前枠
130s…前枠開放スイッチ
132…透明板
134…電飾(枠電飾)
136…スピーカ
140…ハンドル
140b…ハンドルボリューム
140m…発射モータ
140s…発射停止スイッチ
140t…タッチスイッチ
152…残高表示装置
154…球貸スイッチ
156…精算スイッチ
160…演出ボタン
172…遊技球タンク
172s…球切れスイッチ
174…払出装置
174d…払出モータ
174s…払出スイッチ
210…主制御装置
210m…RAM
212…当否判定手段
212a…第1の当否判定手段
212b…第2の当否判定手段
214…特別遊技手段
215…確変遊技手段
216…a時短遊技手段
217…b時短遊技手段
218…c時短遊技手段
219…コマンド出力手段
220…サブ統合制御装置
222…遊技状態判断手段
230…演出図柄制御装置
240…払出制御装置
250…発射制御装置
260…裏配線中継端子板
265…外部接続端子板
270…払出中継端子板
280…カードユニット端子板
290…電源基板
292…電源スイッチ
294…RAMクリアスイッチ
302…設定切替スイッチ
304…設定変更スイッチ
400…遊技盤
402…盤面
404…ガイドレール
408…遊技釘
409…風車釘
410…センターケース
414…電飾(盤面電飾)
420s…一般入賞口スイッチ
421…普通入賞口
430…普通図柄作動ゲート
430s…作動ゲートスイッチ
440…普通電動役物
440d…普電役物ソレノイド
451…第1始動口
451s…第1始動口スイッチ
452…第2始動口
452s…第2始動口スイッチ
460…大入賞口
460d…大入賞口ソレノイド
460s…カウントスイッチ
471…普通図柄表示装置
472…普図保留表示装置
473…第1特別図柄表示装置
474…第1特図保留表示装置
475…第2特別図柄表示装置
476…第2特図保留表示装置
480…演出図柄表示装置
600,600B,600C…演出装置
610…ベース部材
620…導光板
622…導光板前面
624…導光板背面
626…導光板端面
630…第1発光体
640…ハーフミラー
642…ミラー前面
644…ミラー背面
650…第2発光体
L1…反射光
L2…放出光
L3…反射光
L4…放出光
VD…視認位置
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11