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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148690
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】監視装置及び監視方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050460
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 正也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間にメータの交換作業が行われた場合でも、使用量を正確に算出する監視装置及び監視方法を提供する。
【解決手段】1つ以上の検針メータ、1つ以上のコントローラ、1つ以上のサブコントローラ及び監視装置を備える監視システムにおいて、監視装置3は、監視対象である検針メータの読み値を取得する取得部302、取得部が取得した今回の読み値の、取得部が取得した前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部303及び検針メータ毎に、交換開始を示す第1の指示又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部306を備える。生涯値算出部は、指示受付部により検針メータに対する第1の指示が受け付けられた場合、検針メータに対する第2の指示が受け付けられるまでの期間は、検針メータに対する生涯値への加算は行わない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象であるメータの読み値を取得する取得部と、
前記取得部により取得された今回の読み値の、当該取得部により取得された前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部と、
メータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部とを備え、
前記生涯値算出部は、前記指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該メータに対する第2の指示が受け付けられるまでの期間は、当該メータに対する生涯値への加算は行わない
ことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記指示受付部により前記メータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換前読み値として取得する交換前読み値取得部と、
前記指示受付部により前記メータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該メータの交換日として取得する交換日取得部と、
前記指示受付部により前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該メータの読み値を、交換後読み値として取得する交換後読み値取得部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
前記交換前読み値取得部により取得された交換前読み値と、
前記交換日取得部により取得された前記メータの交換日と、
前記交換後読み値取得部により取得された交換後読み値とを表示した画面を表示部に表示させる表示制御部を備えたことを特徴とする請求項2記載の監視装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、第1の指示又は第2の指示を受け付けるためのチェックボックスを前記画面に表示させ、
前記指示受付部は、
前記画面に表示されたチェックボックスがオンにされた場合に第1の指示を受け付け、
前記画面に表示されたチェックボックスがオンからオフにされた場合に第2の指示を受け付けることを特徴とする請求項3に記載の監視装置。
【請求項5】
前記交換日取得部は、
前記指示受付部により前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた日付を取得し、
当該第2の指示が受け付けられた日付が、当該交換日取得部で取得した、第1の指示が受け付けられた日付と異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、当該メータの交換日として取得することを特徴とする請求項2から請求項4のうちいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項6】
前記指示受付部は、前記メータに対する第1の指示が受け付けられた場合に、当該メータの交換モードを有効に設定し、
前記メータに対する第2の指示が受け付けられた場合に、当該メータの交換モードを有効から無効に変更することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項7】
監視装置による監視方法であって、
取得部が、監視対象であるメータの読み値を取得するステップと、
生涯値算出部が、前記取得部により取得された今回の読み値の、当該取得部により取得された前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出するステップと、
指示受付部が、メータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付けるステップとを備え、
前記生涯値算出部は、前記指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該メータに対する第2の指示が受け付けられるまでの期間は、当該メータに対する生涯値への加算は行わない
ことを特徴とする監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メータを監視及び検針する監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パルス方式又は通信方式の流量計である検針メータ(以下、単にメータという)を、中央の監視装置にて集中して監視及び検針する監視システムが知られている。通信メータの検針を行う監視装置では、次のように検針が行われる(例えば特許文献1,2参照)。通信メータは、通信方式の流量計である。この通信メータは、対象とする流体の流量に応じてメータ値を更新し、当該メータ値を示すデータを外部に送信する。そして、監視装置は、通信メータからのデータを受信して、当該データが示すメータ値を読み値として取得し、現在の読み値の更新を行う。
【0003】
また、監視装置が、前月の検針日の翌日から今月の検針日までの使用量を算出する場合には、読み値の差分により算出を行う。なおここでは、対象物体が流体である場合を想定して説明を行ったが、対象物体が電気である場合についても同様である。
【0004】
使用量は課金請求の元データとなるため正しく算出される必要がある。しかしながら、従来の監視装置では、対象期間(検針期間)の間に、通信メータでのローテート又は監視装置でのプリセットがあった場合に、使用量を正確に算出することができない。従来の監視装置では、ローテート又はプリセットがあった場合に、ユーザが監視装置により表示された画面上で値を補正する必要があり、誤った値で課金請求を行ってしまう可能性がある。なお、ローテートは、通信メータにおいて、メータ値が、レンジの最大値を上回って最小値に戻り、更に増えることを指す。プリセットは、監視装置において、ユーザ操作に応じて読み値の値が0にリセットされることを指す。
【0005】
このような問題を解決するための方法として、読み値とは別の値である生涯値に基づいて使用量を算出する方法がある。生涯値は、今回の読み値の、前回の読み値からの増加量を加算することで算出される。そして、今回の生涯値と、前回の生涯値との差分から、増分値を算出し、算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する。このように、読み値の差分により使用量を算出するのではなく、生涯値の差分により算出された増分値を用いて使用量を算出することで、ローテート又はプリセットの影響を受けずに使用量を正確に算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-278762号公報
【特許文献2】国際公開第2019/107161号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のように生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間にメータの交換作業が行われた場合、次のような問題があった。例えば、メータがパルス方式のメータ(パルスメータ)である場合、当該パルスメータの交換作業において新たなパルスメータを結線したときに、新たなパルスメータから誤パルスが発生する場合がある。また、新たなパルスメータが正常に接続されたことを確認するために、確認用のダミーパルスを新たなパルスメータから発生させる場合がある。この場合、当該誤パルス又はダミーパルスが発生することにより、監視装置側で保持している読み値が増加し、その増加量が生涯値に加算されてしまう場合がある。
【0008】
また、メータが通信メータである場合、新たな通信メータが接続されると、監視装置側で保持している読み値が、通信により直ちに新たな通信メータが示すメータ値(例えば0よりわずかに大きい値)に変わるため、監視装置ではローテートがあったと判断し、読み値が大きく増加したと判断してしまう。この場合にも、監視装置ではその大きな増加量が生涯値に加算されてしまう場合がある。
【0009】
ところが、これらの誤パルス又はダミーパルスによる読み値の増加、あるいはローテートしたと判断したことによる読み値の増加は、使用者(テナント等)による対象物体の使用により生じたものではないため、その増加量を生涯値へ加算してしまうと、使用者が実際に対象物体を使用した量以上の使用量を算出してしまうことになる。すなわち、生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間にメータの交換作業が行われた場合、使用量を正確に算出できない場合があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間にメータの交換作業が行われた場合でも、使用量を正確に算出可能な監視装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る監視装置は、監視対象であるメータの読み値を取得する取得部と、取得部により取得された今回の読み値の、当該取得部により取得された前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部と、メータ毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部とを備え、生涯値算出部は、指示受付部によりメータに対する第1の指示が受け付けられた場合、当該メータに対する第2の指示が受け付けられるまでの期間は、当該メータに対する生涯値への加算は行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、上記のように構成したので、生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間にメータの交換作業が行われた場合でも、使用量を正確に算出可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る監視装置を含む監視システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る監視装置の構成例を示す図である。
図3】実施の形態1における計量ポイント監視画面の例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る監視装置の動作例を説明する図である。
図5】メータがパルスメータである場合の監視装置の効果を説明する図であり、図5A及び図5Bは、読み値、生涯値、及びパルスメータが示している実際のメータ値の推移を示す図である。
図6】メータが通信メータである場合の監視装置の効果を説明する図であり、図6A及び図6Bは、読み値、生涯値、及び通信メータが示している実際のメータ値の推移を示す図である。
図7】実施の形態2に係る監視装置の構成例を示す図である。
図8】実施の形態2に係る監視装置の動作例の概要を説明する図である。
図9A】実施の形態2に係る監視装置の具体的な動作例のうち、ステップST901~ST907を説明する図である。
図9B】実施の形態2に係る監視装置の具体的な動作例のうち、ステップST908~ST913を説明する図である。
図10図9AのステップST905終了時における計量ポイント監視画面の例を示す図である。
図11図9BのステップST912終了時における計量ポイント監視画面の例を示す図である。
図12】メータ交換記録を表示した計量ポイント監視画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る監視装置を含む監視システムの構成例を示す図である。
【0015】
監視システムは、図1に示すように、1つ以上の検針メータ1、1つ以上のコントローラ2、1つ以上のサブコントローラ2b、及び監視装置3を備えている。検針メータ1は、通信線を介してサブコントローラ2bに接続されている。サブコントローラ2bは、通信線を介してコントローラ2に接続されている。また、コントローラ2は、通信線を介して監視装置3に接続されている。図1では、1つの検針メータ1、1つのサブコントローラ2b及び1つのコントローラ2を示している。
【0016】
検針メータ1は、対象物体の使用量に応じてメータ値を更新し、現在のメータ値を示すデータをサブコントローラ2bに送信する。対象物体としては、水又はガス等の流体、あるいは電気等が挙げられる。検針メータ1は、例えば通信メータ又はパルスメータで構成される。
【0017】
例えば通信メータは、対象物体が一定量使用されると読み値を1つ増やすようにして、メータ値を更新する。そして、通信メータは、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すデータ(電文)をサブコントローラ2bに送信する。
【0018】
また、パルスメータは、対象物体が一定量使用されると読み値を1つ増やすようにして、メータ値を更新し、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すパルス信号をサブコントローラ2bに送信する。
【0019】
サブコントローラ2bは、対象とする検針メータ1の管理を行う。例えば、検針メータ1が通信メータである場合、サブコントローラ2bは、通信メータからのデータ(電文)を受信し、当該データが示すメータ値を取得する。また、検針メータ1がパルスメータである場合、サブコントローラ2bは、パルスメータからのパルス信号を受信し、当該パルス信号が示すメータ値を取得する。そして、サブコントローラ2bは、取得したメータ値で、現在のメータ値を更新し、Modbus又はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等の通信により、例えばコントローラ2からの取得要求に応じて、現在のメータ値を示すデータを当該コントローラ2に送信する。
【0020】
コントローラ2は、サブコントローラ2bを介して、対象とする検針メータ1の管理を行う。例えば、コントローラ2は、サブコントローラ2bに対して所定周期(例えば10秒周期)でメータ値の取得要求を行うことによりサブコントローラ2bからのデータを受信し、当該データが示すメータ値、すなわち検針メータ1からサブコントローラ2bに送信されたメータ値を読み値として取得する。そして、コントローラ2は、取得した読み値で、現在の読み値を更新する。そして、コントローラ2は、BACnet(Building Automation and Control Network)等の通信により、例えば監視装置3からの取得要求に応じて、現在の読み値を示すデータを当該監視装置3に送信する。
【0021】
なお、検針メータ1、サブコントローラ2b及びコントローラ2としては、既存の検針メータ、サブコントローラ及びコントローラを用いることができる。
【0022】
監視装置3は、コントローラ2及びサブコントローラ2bを介して、対象とする検針メータ1の監視及び検針を行う。監視装置3は、図2に示すように、保持部301、取得部302、生涯値算出部303、増分値算出部304、使用量算出部305、指示受付部306、表示制御部307、及び表示部308を備えている。
【0023】
保持部301は、監視装置3で扱う各種のデータを保持する。保持部301は、SSD(Solid State Drive)、DVD(Digital Versatile Disc)又はメモリ等によって構成される。
【0024】
保持部301は、取得部302により取得された読み値を示すデータ、及び、生涯値算出部303により算出された生涯値を示すデータを、計量ポイントデータとして時系列に保持する。また、保持部301は、取得部302により取得された読み値を示すデータ、及び、増分値算出部304により算出された増分値を示すデータを、日報データとして時系列に保持する。日報データには、使用量を算出するための増分値を示すデータが記録される。また、保持部301は、使用量算出部305により算出された使用量を示すデータを、検針データとして時系列に保持する。
【0025】
図2では、保持部301が監視装置3の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、保持部301は監視装置3の外部に設けられていてもよい。
【0026】
取得部302は、例えばコントローラ2に対して所定周期(例えば60秒周期)で読み値の取得要求(コントローラ2が複数の場合にはスキャン等)を行うことによりコントローラ2からデータを受信し、当該データが示す読み値を取得する。すなわち、取得部302は、検針メータ1のメータ値を読み値として取得する。
【0027】
生涯値算出部303は、取得部302による取得結果に基づいて、生涯値を算出する。この際、生涯値算出部303は、後述する指示受付部306により、検針メータ1の交換開始を示す第1の指示が受け付けられていない場合、又は、検針メータ1の交換開始を示す第1の指示が受け付けられた後、当該検針メータ1の交換終了を示す第2の指示が受け付けられている場合に、取得部302により取得された今回の読み値の、取得部302により取得された前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出(更新)する。
【0028】
より具体的には、生涯値算出部303は、上記いずれかの場合、取得部302により取得された今回の読み値と、取得部302により取得された前回の読み値とを比較する。そして、生涯値算出部303は、今回の読み値が前回の読み値より大きいと判定した場合には、今回の読み値から前回の読み値を差し引いた値を、増加量として算出する。一方、生涯値算出部303は、今回の読み値が前回の読み値より小さいと判定した場合には、レンジの最大値から前回の読み値を差し引いた値に、今回の読み値を加算した値を、増加量として算出する。その後、生涯値算出部303は、算出した増加量を現在の生涯値に加算することで、生涯値を算出する。なお、生涯値の初期値は0である。
【0029】
また、生涯値算出部303は、後述する指示受付部306により、検針メータ1の交換開始を示す第1の指示が受け付けられた場合、当該検針メータ1の交換終了を示す第2の指示が受け付けられるまでの期間は、当該検針メータ1に対する生涯値への加算は行わない。
【0030】
なお、読み値については、6桁程度のレンジが用意されることが一般的である。一方、生涯値については、数十年間の通算の読み値を記録可能なように、十分大きなレンジが用意される。
【0031】
増分値算出部304は、生涯値算出部303による算出結果に基づいて、増分値を算出する。この際、増分値算出部304は、生涯値算出部303により算出された今回の生涯値と、生涯値算出部303により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する。なお、増分値算出部304は、生涯値を保持部301に保持されている計量ポイントデータから取得する。
【0032】
使用量算出部305は、増分値算出部304による算出結果に基づいて、対象期間(検針期間)における使用量を算出する。この際、使用量算出部305は、増分値算出部304により算出された増分値のうち、対象期間における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する。なお、使用量算出部305は、増分値を保持部301に保持されている日報データから取得する。
【0033】
指示受付部306は、検針メータ1毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける。この際、指示受付部306は、例えば表示部308に表示された計量ポイント監視画面を介して、オペレータから第1の指示又は第2の指示を受け付けてもよい。
【0034】
ここで、計量ポイント監視画面の例を図3に示す。図3に示すように、計量ポイント監視画面は、オペレータにより交換対象のメータとして特定された検針メータ1について表示されるものであり、上部のタグ欄に「メータ交換」という名称が付されたチェックボックス320が表示されている。このチェックボックス320は、初期状態では空欄となっている。指示受付部306は、オペレータがチェックボックス320をオンにすることで交換開始を示す第1の指示を受け付け、オペレータがチェックボックス320をオンからオフにすることで交換終了を示す第2の指示を受け付けるようにしてもよい。なお、オペレータによる第1の指示及び第2の指示はこれに限らず、上記チェックボックス320のオンオフ操作以外の方法で行われてもよい。
【0035】
なお、計量ポイント監視画面の下部には「メータ交換記録」を表示する欄が設けられ、監視装置3により取得されたメータ交換記録がこの欄に表示されるようになっている。このメータ交換記録については実施の形態2で詳しく説明する。
【0036】
表示制御部307は、上述したチェックボックス320が表示された計量ポイント監視画面を表示部308に表示させる。
【0037】
表示部308は、例えばモニタにより構成される。図2では、表示部308が監視装置3の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、表示部308は監視装置3の外部に設けられていてもよい。
【0038】
取得部302、生涯値算出部303、増分値算出部304、使用量算出部305、指示受付部306、及び表示制御部307の機能は、例えば監視装置3が備える不図示のCPU(Central Processing Unit)が、不図示のメモリに展開された所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0039】
なお図2では、監視装置3に、増分値算出部304、使用量算出部305、及び表示制御部307を備えた場合を示した。しかしながら、これらの構成は監視装置3に必須の構成ではない。
【0040】
また図1では、監視システムにサブコントローラ2bが設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、監視システムにサブコントローラ2bが設けられていなくてもよい。この場合、検針メータ1は、通信線を介してコントローラ2に接続される。そして、検針メータ1が通信メータである場合、当該通信メータは、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すデータ(電文)を当該コントローラ2に送信する。また、検針メータ1がパルスメータである場合、当該パルスメータは、例えばメータ値が更新されたタイミングで、現在のメータ値を示すパルス信号を当該コントローラ2に送信する。
【0041】
次に、図1及び図2に示す監視装置3による1つの検針メータ1に対する動作例について、図4を参照しながら説明する。
【0042】
なお、ここでは、説明を簡単にするため、指示受付部306は、第1の指示を受け付けると、検針メータ1の交換モードを有効に設定し、第2の指示を受け付けると、検針メータ1の交換モードを有効から無効に変更するものとする。監視装置3は、検針メータ1に関する各種の情報を計量ポイントとして保持部301に保持しており、交換モードはこの計量ポイントに対して個別に設定可能となっている。なお、交換モードの初期設定は無効であり、読み値の初期値及び生涯値の初期値は0である。
【0043】
まず、取得部302は、検針メータ1の読み値を取得する(ステップST401)。この際、取得部302は、例えばコントローラ2に対して所定周期(例えば60秒周期)で読み値の取得要求を行うことによりコントローラ2からデータを受信し、当該データが示す読み値を取得する。
【0044】
次いで、生涯値算出部303は、指示受付部306により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられており、かつ当該検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられるまでの期間であるか否か、すなわち、当該検針メータ1の交換モードが有効であるか否かを確認する(ステップST402)。
【0045】
確認の結果、当該検針メータ1の交換モードが有効でない場合(ステップST402;NO)、生涯値算出部303は、取得部302による取得結果に基づいて、生涯値を算出する(ステップST403)。この際、生涯値算出部303は、取得部302により取得された今回の読み値の、取得部302により取得された前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する。
【0046】
より具体的には、生涯値算出部303は、取得部302により取得された今回の読み値と、取得部302により取得された前回の読み値とを比較する。そして、生涯値算出部303は、今回の読み値が前回の読み値より大きいと判定した場合には、今回の読み値から前回の読み値を差し引いた値を、増加量として算出する。一方、生涯値算出部303は、今回の読み値が前回の読み値より小さいと判定した場合には、レンジの最大値から前回の読み値を差し引いた値に、今回の読み値を加算した値を、増加量として算出する。その後、生涯値算出部303は、算出した増加量を現在の生涯値に加算することで、生涯値を算出する。
【0047】
なお、保持部301は、取得部302により取得されたメータ読み値を示すデータ、及び、生涯値算出部303により算出された生涯値を示すデータを、計量ポイントデータとして時系列に保持する。
【0048】
一方、ステップST402における確認の結果、当該検針メータ1の交換モードが有効である場合(ステップST402;YES)、処理はステップST404へ遷移する。つまり、生涯値算出部303は、ステップST403で説明した、当該検針メータ1に対する生涯値への加算は行わない。
【0049】
次いで、増分値算出部304は、生涯値算出部303による算出結果に基づいて、増分値を算出する(ステップST404)。この際、増分値算出部304は、生涯値算出部303により算出された今回の生涯値と、生涯値算出部303により算出された前回の生涯値との差分から、増分値を算出する。なお、増分値算出部304は、生涯値を保持部301に保持されている計量ポイントデータから取得する。また、増分値算出部304は、例えば1時間毎に増分値を算出する。
【0050】
なお、保持部301は、取得部302により取得された読み値を示すデータ、及び、増分値算出部304により算出された増分値を示すデータを、日報データとして時系列に保持する。
【0051】
次いで、使用量算出部305は、増分値算出部304による算出結果に基づいて、対象期間における使用量を算出する(ステップST405)。この際、使用量算出部305は、増分値算出部304により算出された増分値のうち、対象期間(例えば1か月間)における増分値を積算することで、当該対象期間における使用量を算出する。なお、使用量算出部305は、増分値を保持部301に保持されている日報データから取得する。
【0052】
次に、実施の形態1に係る監視装置3の効果について、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0053】
図5は、メータ1がパルスメータである場合の監視装置3の効果を説明する図である。パルスメータは、パルス信号をサブコントローラ2bに送信することで、現在のメータ値をサブコントローラ2bに通知する形式のメータである。コントローラ2及び監視装置3は、パルスメータからサブコントローラ2bに通知されたメータ値を読み値として取得する。図5A及び図5Bは、コントローラ2及び監視装置3で取得されている読み値、生涯値、及びパルスメータが示している実際のメータ値の推移を示している。図5Aにおいて、横軸は時刻(時間)、縦軸は読み値、生涯値、及びメータ値を示している。なお、ここで示す時刻及び読み値等の値は一例である。
【0054】
図5A及び図5Bに示すように、時刻1から時刻5までは、パルスメータが示すメータ値、及び読み値が増加する。また、時刻1から時刻5までは、交換モードが初期設定(無効)となっている。したがって、当該期間では、監視装置3は、読み値の増加量を生涯値に加算する。その結果、時刻5の時点で、読み値、生涯値及びメータ値はいずれも「50」となる。
【0055】
時刻5において、オペレータは、監視装置3に対してパルスメータの交換開始を示す第1の指示を行う。これにより、パルスメータの交換モードは有効に設定される。
【0056】
時刻6において、パルスメータの交換作業が現地にて行われる。このとき、新たに設置されたパルスメータのメータ値は「3」を示している。なお、新たに設置されたパルスメータのメータ値は、出荷前の検査等により、0からわずかに増えた値(例えば3)を示している。このとき、読み値及び生涯値はいずれも「50」のままである。
【0057】
時刻7において、新たなパルスメータを結線した際の誤パルスとして、「+1」を示すパルス信号が、新たなパルスメータからサブコントローラ2bに送信される。これにより、読み値は「50」から「51」に増加する。
【0058】
ここで、読み値の増加量である「1」は、もともと新たなパルスメータの結線時に発生した誤パルスにより生じたものであり、使用者(テナント等)による対象物体の使用により生じたものではないため、生涯値に加算すべきでない値である。この点、監視装置3(生涯値算出部303)は、パルスメータの交換モードが有効に設定されているため、当該増加量「1」を生涯値へ加算しない。したがって、時刻7においても生涯値は「50」のままとなる。
【0059】
時刻8において、新たなパルスメータが正常に接続されたかを確認するためのダミーパルスとして、10回のパルス信号が新たなパルスメータからサブコントローラ2bに送信される。これにより、読み値は「51」から「61」に増加する。
【0060】
ここで、読み値の増加量である「10」は、もともと新たなパルスメータが正常に接続されたかを確認するためのダミーパルスにより生じたものであり、使用者による対象物体の使用により生じたものではないため、生涯値に加算すべきでない値である。この点、監視装置3(生涯値算出部303)は、パルスメータの交換モードが有効に設定されているため、当該増加量「10」を生涯値へ加算しない。したがって、時刻8においても生涯値は「50」のままとなる。
【0061】
新たなパルスメータが正常に接続されたことを確認すると、オペレータは、時刻9において、コントローラ2及び監視装置3で取得されている読み値「61」を、新たなパルスメータが示している実際のメータ値である「3」にプリセットする。これにより、コントローラ2及び監視装置3で取得されている読み値と、新たなパルスメータが示している実際のメータ値とが同じ値に揃う。
【0062】
時刻10において、オペレータは、監視装置3に対してパルスメータの交換終了を示す第2の指示を行う。これにより、パルスメータの交換モードが有効から無効に変更(解除)される。
【0063】
時刻11において、新たなパルスメータのメータ値が「3」から「13」に増加すると、10回のパルス信号が新たなパルスメータからサブコントローラ2bに送信される。これにより、読み値は「3」から「13」に増加する。
【0064】
ここで、読み値の増加量である「10」は、メータ交換後に使用者により対象物体が使用されたことにより生じたものであるため、生涯値に加算すべき値である。監視装置3(生涯値算出部303)は、パルスメータの交換モードが既に無効とされているため、当該増加量「10」を生涯値へ加算する。したがって、時刻11において生涯値は「60」となる。
【0065】
時刻12においても同様に、読み値が「13」から「23」に増加したことによる増加量「10」を生涯値へ加算する。したがって、時刻12において生涯値は「70」となる。
【0066】
次に、図6は、メータ1が通信メータである場合の監視装置3の効果を説明する図である。図6A及び図6Bは、読み値、生涯値、及びメータ値の推移を示している。図6Aにおいて、横軸は時刻(時間)、縦軸は読み値、生涯値、及びメータ値の値を示している。なお、図6に示す時刻及び読み値等の値は一例である。
【0067】
図6に示すように、時刻1から時刻5までは、通信メータが示すメータ値、及び読み値が増加する。また、時刻1から時刻5までは、交換モードが初期設定(無効)となっている。したがって、当該期間では、監視装置3は、読み値の増加量を生涯値に加算する。その結果、時刻5の時点で、読み値、生涯値及びメータ値はいずれも「50」となる。
【0068】
時刻5において、オペレータは、監視装置3に対して通信メータの交換開始を示す第1の指示を行う。これにより、通信メータの交換モードは有効に設定される。
【0069】
時刻6において、通信メータの交換作業が現地にて行われる。このとき、新たに設置された通信メータのメータ値は「3」を示している。この新たに設置された通信メータのメータ値を示すデータは、サブコントローラ2bに送信される。なお、新たに設置された通信メータのメータ値は、出荷前の検査等により、0からわずかに増えた値(例えば3)を示している。このとき、読み値及び生涯値はいずれも「50」のままである。
【0070】
時刻7において、コントローラ2は、サブコントローラ2bに対して読み値の取得要求(例えばスキャン)を行うことによりサブコントローラ2bからのデータを受信し、当該データが示す読み値「3」を取得する。これにより、コントローラ2及び監視装置3で取得されている読み値と、新たな通信メータが示している実際のメータ値とが同じ値に揃う。
【0071】
ここで、監視装置3(生涯値算出部303)は、読み値が「50」から「3」に変わったため、ローテートしたと判断し、レンジの最大値から前回の読み値を差し引いた値に、今回の読み値を加算した値を、増加量として算出する。例えば、レンジの最大値が「120」であった場合、増加量として「73」(=120-50+3)を算出する。
【0072】
この増加量「73」は、もともとメータを新たな通信メータに交換したことにより生じたものであり、使用者による対象物体の使用により生じたものではないため、生涯値に加算すべきでない値である。この点、監視装置3(生涯値算出部303)は、通信メータの交換モードが有効に設定されているため、当該増加量「73」を生涯値へ加算しない。したがって、時刻7においても生涯値は「50」のままとなる。
【0073】
時刻8において、オペレータは、監視装置3に対して通信メータの交換終了を示す第2の指示を行う。これにより、通信メータの交換モードが有効から無効に変更(解除)される。
【0074】
時刻9において、新たな通信メータのメータ値が「3」から「13」に増加すると、4,5,6,・・・13のように、1ずつ加算された値を示すデータが、新たな通信メータからサブコントローラ2bに送信される。これにより、読み値は「3」から「13」となる。
【0075】
ここで、読み値の増加量である「10」は、メータ交換後に使用者により対象物体が使用されたことにより生じたものであるため、生涯値に加算すべき値である。監視装置3(生涯値算出部303)は、通信メータの交換モードが既に無効とされているため、当該増加量「10」を生涯値へ加算する。したがって、時刻9において生涯値は「60」となる。
【0076】
時刻10においても同様に、読み値が「13」から「23」に増加したことによる増加量「10」を生涯値へ加算する。したがって、時刻12において生涯値は「70」となる。
【0077】
このように、監視装置3は、検針メータ1の交換モードが有効に設定されている場合は、読み値が増加したとしてもその増加量を生涯値へ加算しない。これにより、監視装置3は、生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間(検針期間)に検針メータ1の交換作業が行われた場合でも、使用量を正確に算出することができる。
【0078】
特に、検針メータ1がパルスメータである場合は、上述のような誤パルス又はダミーパルスによる読み値の増加が生じ、検針メータ1が通信メータである場合は、ローテートしたと判断することによる読み値の増加が生じ得るところ、監視装置3では、検針メータ1の交換モードが有効に設定されている場合は、その増加量を生涯値へ加算しない。したがって、オペレータは、生涯値を正しい値に修正する作業が不要となる。
【0079】
以上のように、実施の形態1によれば、監視装置3は、監視対象である検針メータ1の読み値を取得する取得部302と、取得部302により取得された今回の読み値の、当該取得部302により取得された前回の読み値からの増加量を加算することで、生涯値を算出する生涯値算出部303と、検針メータ1毎に、交換開始を示す第1の指示、又は交換終了を示す第2の指示を受け付ける指示受付部306とを備え、生涯値算出部303は、指示受付部306により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられるまでの期間は、当該検針メータ1に対する生涯値への加算は行わない。これにより、監視装置3は、生涯値に基づいて使用量を算出する場合において、対象期間に検針メータ1の交換作業が行われた場合でも、使用量を正確に算出可能となる。
【0080】
実施の形態2.
実施の形態1では、検針メータ1の交換モードが有効に設定されている場合は、読み値の増加量を生涯値に加算しない例を説明した。実施の形態2では、実施の形態1に加えて、検針メータ1の交換作業を行う際のメータの交換に関する記録(以下、メータ交換記録という)を取得する例を説明する。
【0081】
メータ交換記録について補足すると、対象期間内に検針メータの交換作業が行われる場合には、交換後においても対象物体の正しい使用量を算出するために、オペレータが手作業でメータ交換記録を監視装置に入力することが一般的である。ここで、メータ交換記録は、例えば検針メータの交換日、交換前読み値、及び交換後読み値である。交換前読み値は、交換作業開始の際の読み値であり、交換後読み値は、交換作業終了の際の読み値である。
【0082】
しかしながら、検針メータ1の交換作業は、使用者が対象物体を使用していない夜間に行われることが多く、その時間帯では、設備管理に精通していないオペレータがメータ交換記録の入力を担当する場合がある。そのような場合、設備管理に精通していないオペレータは、メータ交換記録を監視装置に誤入力する可能性があるという問題があった。実施の形態2に係る監視装置3は、このような問題を解決可能である。
【0083】
図7は、実施の形態2に係る監視装置3の構成例を示す図である。実施の形態2に係る監視装置3は、図2に示す実施の形態1に対し、交換前読み値取得部309、交換後読み値取得部310、及び交換日取得部311が追加されている。その他の構成については、実施の形態1に係る監視装置3と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0084】
なお、実施の形態2では、説明を分かりやすくするため、取得部302がコントローラ2に対して所定周期(例えば60秒周期)で読み値の取得要求(コントローラ2が複数の場合にはスキャン等)を行うことによりコントローラ2から読み値を取得することを「定期取得」という。
【0085】
交換前読み値取得部309は、指示受付部306により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換前読み値として取得する。なお、交換前読み値取得部309は、交換前読み値をコントローラ2から取得するが、この交換前読み値の取得は、指示受付部306により第1の指示が受け付けられた際に実施されるものであり、取得部302による定期取得とは別に実施される。
【0086】
交換後読み値取得部310は、指示受付部306により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換後読み値として取得する。なお、交換後読み値取得部310による交換後読み値の取得も、取得部302による定期取得とは別に実施される。
【0087】
交換日取得部311は、指示受付部306により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。この際、交換日取得部311は、例えば監視装置3のシステム日付を検針メータ1の交換日として取得する。
【0088】
また、交換日取得部311は、指示受付部306により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた日付を取得する。そして、交換日取得部311は、第2の指示が受け付けられた日付が、当該交換日取得部311で取得した、第1の指示が受け付けられた日付と異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1の交換日として取得する。
【0089】
次に、図8を参照しながら、実施の形態2に係る監視装置3の動作例の概要を説明する。図8において、横軸は時間、縦軸は読み値を示す。
【0090】
まず、a点において、オペレータは、検針メータ1に対して交換開始を示す第1の指示を行う。監視装置3は、指示受付部306にて第1の指示を受け付けると、交換前読み値取得部309にて当該検針メータ1の交換前読み値を取得する。また、監視装置3は、交換日取得部311にて、第1の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。
【0091】
その後、期間bにおいて、検針メータの交換作業が実施される。当該交換作業が終了すると、オペレータはc点において、検針メータ1に対して交換終了を示す第2の指示を行う。監視装置3は、指示受付部306にて第2の指示を受け付けると、交換後読み値取得部310にて当該検針メータ1(実際には交換後の検針メータ)の交換後読み値を取得するとともに、交換日取得部311にて第2の指示が受け付けられた日付を取得する。このとき、交換日取得部311は、第2の指示が受け付けられた日付が、a点で取得した検針メータ1の交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なるかを確認し、2つの日付が異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1の交換日として取得する。2つの日付が同じである場合、交換日取得部311は、検針メータ1の交換日を、第1の指示が受け付けられた日付のままとする。
【0092】
次に、図9A及び図9Bを参照しながら、実施の形態2に係る監視装置3の具体的な動作例を説明する。図9Aは、監視装置3の具体的な動作例のうち、ステップST901~ST907を説明する図であり、図9Bは、監視装置3の具体的な動作例のうち、ステップST908~ST913を説明する図である。なお、ここでは、説明を分かりやすくするため、交換時期が到来した検針メータ1aを、新たな検針メータ1bに交換する場合を例に説明する。また、ここでは、交換開始を示す第1の指示は、オペレータが、例えば表示部308に表示された計量ポイント監視画面(図3参照)のチェックボックス320をオンにすることで実行され、交換終了を示す第2の指示は、オペレータが、当該チェックボックス320をオンからオフにすることで実行されるものとする。
【0093】
また、指示受付部306は、第1の指示を受け付けると、検針メータ1の交換モードを有効に設定し、第2の指示を受け付けると、検針メータ1の交換モードを有効から無効に変更するものとする。なお、交換モードは、初期状態では無効に設定されている。
【0094】
まず、表示制御部307は、オペレータの指示に応じて、検針メータ1aに関する計量ポイント監視画面を表示部308に表示させる(ステップST901)。
【0095】
次いで、指示受付部306は、検針メータ1aについて、交換開始を示す第1の指示を受け付ける(ステップST902)。ここでは、指示受付部306は、オペレータが、表示部308に表示された計量ポイント監視画面のチェックボックス320をオンにすることにより、第1の指示を受け付ける。このとき、指示受付部306は、検針メータ1aの交換モードを有効に設定する。
【0096】
次いで、交換前読み値取得部309は、ステップST902において、指示受付部306により第1の指示が受け付けられた際の検針メータ1aの読み値を、交換前読み値として取得する(ステップST903)。
【0097】
次いで、交換日取得部311は、ステップST2において、指示受付部306により第1の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1aの交換日として取得する(ステップST904)。なお、当該ステップST904とステップST903とは順序が逆でもよいし、同時(略同時を含む)に行われてもよい。
【0098】
次いで、表示制御部307は、交換前読み値取得部309により取得された交換前読み値と、交換日取得部311により取得された検針メータ1aの交換日とを、計量ポイント監視画面に表示させる(ステップST905)。
【0099】
ここで、ステップST905終了時における計量ポイント監視画面の例を図10に示す。図10に示すように、計量ポイント監視画面では、オペレータによりチェックボックス320がオンにされている。また、計量ポイント監視画面の下部には「メータ交換記録」を表示する欄が設けられ、交換前読み値取得部309により取得された交換前読み値(図10では「交換前値」)と、交換日取得部311により取得された検針メータ1aの交換日(図10では「交換日」)とが、この欄に表示されている。
【0100】
交換モードが有効に設定された後、現場では実際のメータ交換作業が行われる。なお、監視装置3は、この交換作業中であっても、取得部302による読み値の定期取得(コントローラ2からの所定周期での読み値の取得)を継続する。これにより、例えば交換作業により新たな検針メータ1bが設置された際、当該新たな検針メータ1bとコントローラ2とが通信可能に接続されたかを監視装置3側で確認することができる。
【0101】
メータの交換作業が完了すると、オペレータは、表示部308に表示された計量ポイント監視画面のチェックボックス320をオンからオフにする。これにより、指示受付部306は、検針メータ1aについて、交換終了を示す第2の指示を受け付ける(ステップST906)。このとき、指示受付部306は、検針メータ1aの交換モードを有効から無効に変更する。
【0102】
次いで、交換後読み値取得部310は、指示受付部306により第2の指示が受け付けられた際の検針メータ1bの読み値を、交換後読み値として取得する(ステップST907)。
【0103】
次いで、交換日取得部311は、ステップST906において、指示受付部306により第2の指示が受け付けられた日付を取得する(ステップST908)。なお、当該ステップST908とステップST907とは順序が逆でもよいし、同時(略同時を含む)に行われてもよい。
【0104】
次いで、交換日取得部311は、ステップST908で取得した、第2の指示が受け付けられた日付が、ステップST904で取得した検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なるか否かを確認する(ステップST909)。
【0105】
その結果、第2の指示が受け付けられた日付が、検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なっていた場合(ステップST909;YES)、交換日取得部311は、第2の指示が受け付けられた日付を、検針メータ1aの交換日として取得する(ステップST910)。
【0106】
例えば、メータ交換作業は通常、対象物体(水、ガス又は電気等)の使用が停止される夜間に行われ、その作業時間は数時間程度である場合が多い。しかしながら、メータ交換作業が長時間にわたり、作業の終了が日付を跨いで作業開始日の翌日になる場合がある。その場合、検針メータ1aの交換日は、実際に作業を終了した日付(第2の指示が受け付けられた日付)とするのが望ましい。したがって、このような場合、交換日取得部311は、第2の指示が受け付けられた日付を検針メータ1aの交換日として取得する。
【0107】
次いで、表示制御部307は、交換後読み値取得部310により取得された交換後読み値を、計量ポイント監視画面に表示させるとともに、計量ポイント監視画面に表示されている検針メータ1aの交換日を、第2の指示が受け付けられた日付に更新する(ステップST911)。
【0108】
一方、第2の指示が受け付けられた日付が、検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と同じであった場合(ステップST909;NO)、表示制御部307は、交換後読み値取得部310により取得された交換後読み値を、計量ポイント監視画面に表示させる(ステップST912)。
【0109】
ここで、ステップST912終了時における計量ポイント監視画面の例を図11に示す。図11に示すように、計量ポイント監視画面では、オペレータにより画面上部のチェックボックス320がオンからオフにされている。また、計量ポイント監視画面の下部の「メータ交換記録」には、交換後読み値取得部310により取得された交換後読み値(図11では「交換後値」)が表示されている。なお、図11では、交換日の更新は行われていないが、第2の指示が受け付けられた日付が、検針メータ1aの交換日(第1の指示が受け付けられた日付)と異なっていた場合、交換日は第2の指示が受け付けられた日付に更新される。
【0110】
なお、表示制御部307は、交換前値及び交換後値を、オペレータが補正できるような態様で計量ポイント監視画面に表示してもよい。例えば、表示制御部307は、図11に示すように、増減ボタンが付されたスピンボックス内に交換前値及び交換後値を表示させ、オペレータが増減ボタンを操作することで、交換前値及び交換後値を補正できるようにしてもよい。
【0111】
交換前値及び交換後値の補正が必要となるのは、例えば、メータの交換に先立って、事前に使用者(例えばテナントのオーナ等)と交換前読み値を取り決めていたが、実際に第1の指示を実行するのが遅れてしまったような場合である。この場合、監視装置3で取得した交換前読み値が、予め取り決めていた交換前読み値よりも大きくなってしまうため、取得した交換前読み値の補正が必要となる場合がある。
【0112】
または、メータ交換作業の終了後に第2の指示を実行するのが遅れてしまい、新たなメータのメータ値がある程度増加してしまってから第2の指示を実行した結果、監視装置3で取得した交換後読み値が、本来の値ではなくなってしまった場合も、取得した交換後読み値の補正が必要となる場合がある。これらの場合に対応できるようにするため、表示制御部307は、交換前値及び交換後値を、オペレータが補正できるような態様で計量ポイント監視画面に表示するとよい。
【0113】
次いで、表示制御部307は、オペレータの指示に応じて、最終的なメータ交換記録を表示した計量ポイント監視画面を表示部308に表示させる(ステップST913)。この場合の計量ポイント監視画面の表示例を図12に示す。オペレータは、この画面により、最終的なメータ交換記録(交換日、交換前値、及び交換後値)を確認することができる。
【0114】
以上のように、実施の形態2によれば、監視装置3は、指示受付部306により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換前読み値として取得する交換前読み値取得部309と、指示受付部306により検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合、当該第1の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する交換日取得部311と、指示受付部306により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた際の当該検針メータ1の読み値を、交換後読み値として取得する交換後読み値取得部310とを備えた。これにより、監視装置3は、メータ交換記録を従来よりも正確に取得することができる。
【0115】
また、監視装置3は、交換前読み値取得部309により取得された交換前読み値と、交換日取得部311により取得された検針メータ1の交換日と、交換後読み値取得部310により取得された交換後読み値とを表示した計量ポイント監視画面を表示部308に表示させる表示制御部307を備えた。これにより、オペレータは、メータ交換記録を容易に確認することができる。
【0116】
また、表示制御部307は、第1の指示又は第2の指示を受け付けるためのチェックボックス320を計量ポイント監視画面に表示させ、指示受付部306は、計量ポイント監視画面に表示されたチェックボックス320がオンにされた場合に第1の指示を受け付け、計量ポイント監視画面に表示されたチェックボックス320がオンからオフにされた場合に第2の指示を受け付ける。これにより、オペレータは、簡易な操作で第1の指示及び第2の指示を行うことができる。特に、設備管理に精通していないオペレータの作業負荷を従来よりも軽減することができる。
【0117】
また、交換日取得部311は、指示受付部306により検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合、当該第2の指示が受け付けられた日付を取得し、当該第2の指示が受け付けられた日付が、当該交換日取得部311で取得した、第1の指示が受け付けられた日付と異なる場合、第2の指示が受け付けられた日付を、当該検針メータ1の交換日として取得する。これにより、監視装置3は、検針メータ1の交換作業が日付を跨いだ場合でも、検針メータ1の交換日を正確に取得することができる。
【0118】
また、指示受付部306は、検針メータ1に対する第1の指示が受け付けられた場合に、当該検針メータ1の交換モードを有効に設定し、検針メータ1に対する第2の指示が受け付けられた場合に、当該検針メータ1の交換モードを有効から無効に変更する。これにより、監視装置3は、交換モードに基づいて検針メータ1の交換作業を管理することができる。
【0119】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 検針メータ(メータ)
2 コントローラ
2b サブコントローラ
3 監視装置
301 保持部
302 取得部
303 生涯値算出部
304 増分値算出部
305 使用量算出部
306 指示受付部
307 表示制御部
308 表示部
309 交換前読み値取得部
310 交換後読み値取得部
311 交換日取得部
320 チェックボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12