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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148746
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】光検出装置および車両
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/04 20060101AFI20220929BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01J1/04 Z
H01L31/10 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050550
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】日本電産モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】清水 豪
(72)【発明者】
【氏名】前田 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】間井 敬
(72)【発明者】
【氏名】小野 航太朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】近澤 聡
【テーマコード(参考)】
2G065
5F849
【Fターム(参考)】
2G065AA03
2G065AA15
2G065AB02
2G065BA36
2G065BA37
2G065BC35
5F849BA30
5F849EA02
5F849LA01
5F849LA02
5F849LA09
(57)【要約】
【課題】小型化すると共に、外観意匠性を良くする光検出装置を提供する。
【解決手段】光検出装置100は、可視光を透過する可視光透過部111と可視光透過部より透過する可視光が少ない赤外光透過部112とを有する受光面を上面に設けたケース10と、受光面に面して設けられたプリント基板20と、プリント基板上の受光面側に設けられ、可視光を検出する照度センサ22を含む複数の電子部品と、を備え、照度センサは、プリント基板において可視光透過部を通して透過した可視光が当たる第1位置に配置され、第1位置に配置される電子部品の実装点数は、プリント基板における第1位置以外の第2位置に配置される電子部品の実装点数より少ない。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置される光検出装置であって、
可視光を透過する第1領域と前記第1領域より透過する可視光が少ない第2領域とを有する受光面を上面に設けたケースと、
前記受光面に面して設けられたプリント基板と、
前記プリント基板上の前記受光面側に設けられ、可視光を検出する第1受光素子を含む複数の電子部品と、
を備え、
前記第1受光素子は、前記プリント基板において前記第1領域を通して透過した可視光が当たる第1位置に配置され、前記第1位置に配置される前記電子部品の実装点数は、前記プリント基板における前記第1位置以外の第2位置に配置される前記電子部品の実装点数より少ない、
光検出装置。
【請求項2】
前記車両の運転席の視点からの前記第1位置に配置されるのは、前記複数の電子部品の中で前記第1受光素子のみであることを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
可視光以外の光線を検出する第2受光素子を備え、
前記第2領域は、可視光以外の光線を透過し、
前記第2受光素子は、前記第2位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の光検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光検出装置を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる光検出装置および当該光検出装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のヘッドライトやエアコンなどを自動的に制御するために車両に設けられる光検出装置が知られている。この光検出装置は、たとえば特許文献1~2に開示されているように、車内に入射する光の照度、日射量、赤外線などを受光素子により検出し、その検出結果に基づいてヘッドライトやエアコンなどを制御する。
【0003】
たとえば、特許文献1は、小型化を実現しながら、組み立てを容易にすることが可能な光検出装置を開示する。この光検出装置は、照度センサおよび日射センサと、照度センサ等の検出結果に基づいて前照灯および尾灯を制御するマイコンと、照度センサ等およびマイコンが実装されるプリント配線基板と、プリント配線基板を保持する保持部材と、保持部材を収納する筐体とを備える。
【0004】
また、特許文献2は、小型化を実現しつつ、全方位から所定の傾斜角度で入射する周辺光を検出することができる光検出装置を開示する。この光検出装置は、上方にあるレンズを通過した光を、導光部材により導いて、下方にある光検出素子により検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-226946号公報
【特許文献2】特開2015-004666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光検出装置を小型化するために、一枚のプリント基板に電子部品を実装することが多く、必然的に電子部品の実装密度が増加する。しかし、光検出装置の上面には光を透過するレンズが設けられており、車両の搭乗者からは、このレンズを通してその下に配置されているプリント基板上の電子部品やはんだ付け部分が見え、光検出装置の外観意匠性を悪くしている。
本発明は、かかる事情を鑑みて考案されたものであり、小型化すると共に、外観意匠性を良くする光検出装置および当該光検出装置を備える車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、車両に設置される光検出装置であって、可視光を透過する第1領域と第1領域より透過する可視光が少ない第2領域とを有する受光面を上面に設けたケースと、受光面に面して設けられたプリント基板と、プリント基板上の受光面側に設けられ、可視光を検出する第1受光素子を含む複数の電子部品と、を備え、第1受光素子は、プリント基板において第1領域を通して透過した可視光が当たる第1位置に配置され、第1位置に配置される電子部品の実装点数は、プリント基板における第1位置以外の第2位置に配置される電子部品の実装点数より少ない光検出装置が提供される。
これによれば、可視光が当たる位置に配置される電子部品の実装点数を、それ以外の位置に配置される電子部品の実装点数より少なくすることで、小型化すると共に、外観意匠性を良くする光検出装置を提供することができる。
【0008】
さらに、車両の運転席の視点からの第1位置に配置されるのは、複数の電子部品の中で第1受光素子のみであることを特徴としてもよい。
これによれば、運転手から見た場合必要最小限の電子部品しか見えないため、外観意匠性を良くすることができる。
【0009】
さらに、可視光以外の光線を検出する第2受光素子を備え、第2領域は、可視光以外の光線を透過し、第2受光素子は、第2位置に配置されることを特徴としてもよい。
これによれば、不可視光線を検出する受光素子を可視光が当たる位置に配置しないことで、多機能であっても小型化を実現すると共に外観意匠性を悪くしない光検出装置を提供することができる。
【0010】
上記課題を解決するために、上記の光検出装置を備える車両が提供される。
これによれば、可視光が当たる位置に配置される電子部品の実装点数を、それ以外の位置に配置される電子部品の実装点数より少なくすることで、小型で、外観意匠性の良い光検出装置を備えた車両が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、小型化すると共に、外観意匠性を良くする光検出装置および当該光検出装置を備える車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る第一実施例の光検出装置の、(A)正面図、(B)平面図、(C)左側面図、(D)右側面図、(E)背面図、(F)底面図、(G)斜視図。
図2】本発明に係る第一実施例の光検出装置の上ケースの、(A)正面図、(B)平面図、(C)左側面図、(D)右側面図、(E)背面図、(F)底面図、(G)斜視図。
図3】本発明に係る第一実施例の光検出装置の下ケースの、(A)正面図、(B)平面図、(C)左側面図、(D)右側面図、(E)背面図、(F)底面図、(G)斜視図。
図4】本発明に係る第一実施例の光検出装置の、(A)A-A断面における断面図、(B)B-B断面における断面図、(C)C-C断面における断面図、(D)D-D断面における断面図。なお、各断面は、図1(B)と(C)に示されている。
図5】本発明に係る第一実施例の光検出装置の斜視図。
図6】本発明に係る第一実施例の光検出装置の、(A)プリント基板を透視表示した平面図、(B)上ケースを除いた斜視図。
図7】本発明に係る第一実施例の光検出装置を車両に設置した場合を示す図。
図8】本発明に係る第一実施例の光検出装置の運転手の視点からの見え方を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る実施例について説明する。
<第一実施例>
本実施例に係る光検出装置100は、車両(主に自動四輪車)のヘッドライトやテールランプ(図示せず)の点消灯を自動的に制御するための、所謂オートライトセンサである。典型的には、運転手がヘッドライト等をオンオフ操作するためのスイッチをオートポジションに設定しておくと、ヘッドライト等は、光検出装置100により検出される照度に応じて点消灯される。
【0014】
光検出装置100は、車両の周囲や車内に入射する光の照度を検出する照度センサと、照度センサが検出した検出結果に基づき点消灯を判定するマイコン(マイクロコントローラ)(図示せず)と、マイコンの判定結果を制御信号としてたとえばCAN(Controller Area Network)を介して車両制御部(図示せず)に伝達する通信回路(図示せず)と、を備える。照度センサは、たとえば、フォトダイオードとトランジスタ等が一体化されており、受光素子に入射した光を電流に変換し、回路内に設置されている抵抗の両端で明るさに応じた電圧が現れることで、光を検知する。なお、光を検知する方法は他にもあり、これに限定されない。
【0015】
マイコンは、照度センサにより検出される照度が所定の閾値よりも小さい場合車両の周囲が暗いと判定し、ヘッドライト等の点灯指令を出力する。また、マイコンは、照度センサにより検出される照度が所定の閾値よりも大きい場合車両の周囲が明るいと判定し、ヘッドライト等の消灯指令を出力する。すなわち、照度センサおよびマイコンは、ヘッドライト等の点消灯状態を自動的に制御するオートライト制御装置を構成する。また、光検出装置100は、赤外線センサを内部に備え、車内の温度を検出することにより車両のエアコンなどを制御することに用いられてもよい。
【0016】
図1乃至図6を参照し、本実施例における光検出装置100の構造について詳細に説明する。光検出装置100は、上面に受光面を有する上ケース10と、上ケース10と組み合わされる下ケース30と、上ケース10と下ケース30の中に収容されるプリント基板20と、を備える。
【0017】
上ケース10は、車両内に入射する光の受光面となる上面を有する受光部11と、受光部11の下面から下方に延在し上ケース10の側面を形成する側部12と、を有する。受光部11の受光面は、可視光を透過する可視光透過部111(第1領域)と、可視光透過部111に比べ透過する可視光の量が少なく、赤外光を透過する赤外光透過部112(第2領域)とを有する受光面から構成される。可視光透過部111および赤外光透過部112の裏面は、レンズが形成されており(図2(F)参照)、このレンズにより対面する受光素子にそれぞれ光線を集中させる。可視光透過部111は、可視光をよく透過するポリカーボネートから作製されることが好ましい。本実施例においては、可視光透過部111に、赤外線を透過しにくいポリカーボネートに少量の黒色の顔料を混ぜ、側部12と一体成型された赤外光透過部112にはめ込んでいる。赤外光透過部112には、多量の顔料が混ぜ込まれ、可視光を透過しにくくしている。なお、赤外光透過部112は、可視光をまったく透過しなくともよい。
【0018】
側部12は、すべての面において少なくともプリント基板20と下ケース30の支持部31の周囲を覆うように形成され、正面側においては、下ケース30に取り付けられる接続端子35を十分に覆うために下ケース30の下端近傍まで延在している。一方、側部12は、背面側においては、外部コネクタを受け入れるための下ケース30の開口32に適合するため、受光部11の下面から下方に延在する部分は短く、おおよそプリント基板20と下ケース30の支持部31の周囲のみを覆う。
【0019】
側部12は、左側面および右側面において、すなわち接続端子35を十分に覆うために下ケース30の下端近傍まで延在している部分(正面側)および開口32に適合し短く下方に延在している部分以外の面において、ほぼ中央部にU字状の切り欠き部13を有する。側部12は、その切り欠き部13の両側においては、下ケース30の下端近傍まで延在し、開口32の下側まで延在している側部延在部121を有する。切り欠き部13は、車両への取り付け時に下ケース30の鉤33が内側に曲げられても鉤33と干渉しないように設けられる。これにより、光検出装置100の全体形状の小型化が図られる。さらに、切り欠き部13は、下ケース30の鉤33に対応した形であることが好ましい。これにより、取り付け時に干渉せず、全体的な大きさを効率的に小さくすることができる。
【0020】
また、切り欠き部13の脇に存する側部延在部121、特に開口32側の側部延在部121は、開口32の下側である下ケース30の下端近傍まで延在している。これにより、水などの液体が側部12を伝って流れてきても下ケース30に回り込むことを防止することができる。
【0021】
下ケース30は、外部コネクタを受け入れるほぼ直方体に形成されたコネクタ収容体34と、コネクタ収容体34の上部に形成されたプリント基板20を支持するための支持部31と、下ケース30の背面側(一の側面)に外部コネクタを挿入するための開口32と、開口32と対向する面(正面側)に接続端子35と、コネクタ収容体34の底部に設けられ外部コネクタを接続端子35に誘導するためのコネクタ誘導部36と、左側面および右側面(他の側面)において光検出装置100(または下ケース30)を車両に取り付けるための鉤33と、を有する。
【0022】
支持部31は、平面視の外形においてプリント基板20とほぼ同形に形成され、プリント基板20の裏側にも電子部品を搭載することを考慮し、プリント基板20を浮かして周囲において支持することが好ましい。開口32は、外部コネクタの差し込み方向の形状にほぼ一致している。外部コネクタは、開口32から挿入され、コネクタ誘導部36に導かれて接続端子35の一端に圧入される。接続端子35の他端はプリント基板20と接続されているので、外部コネクタは、圧入されることによりプリント基板20と電気的に接続され、プリント基板20からの電気信号を車両制御部へ伝達する。
【0023】
鉤33は、左側面および右側面において、コネクタ収容体34の下部から立設し、上方に向けて両側に広がるように形成されている。鉤33は、弾性を有し、たとえば車両のダッシュボードに設けられた取付穴に取り付けられる際、光検出装置100がその取付穴に押し込まれると共に徐々に内側に曲げられ、鉤33の先端が取付穴の縁を通過すると元の形状に戻ることで、光検出装置100が車両に取り付けられる。下ケース30特に鉤33は、弾性のあるポリブチレンテレフタレートから作製されることが好ましい。
【0024】
プリント基板20は、受光部11の受光面の裏側に面して、可視光を検出する照度センサ22(第1受光素子)、赤外光を検出する赤外線センサ23(第2受光素子)、および他の電子部品(たとえば、マイコン、抵抗、コンデンサなど)を含む複数の電子部品21が実装されている。プリント基板20には、もちろんその裏側にこれら以外の電子部品が配置されてもよい。プリント基板20上の受光面側に設けられる照度センサ22は、上ケース10の可視光透過部111の直下に、赤外線センサ23を含む他の電子部品は、上ケース10の赤外光透過部112の直下に配置される。それぞれのセンサの機能を発揮させると共に、可視光透過部111に比べ可視光を透過しない赤外光透過部112の直下に他の電子部品を配置することで、可視光透過部111を通して見える電子部品を最小限にすることができ、その結果外観意匠性を向上させる。
【0025】
可視光透過部111を通して透過する可視光が光検出装置100内に入射し、プリント基板20に直接当たる領域(第1位置24)は、受光面からプリント基板20までの距離と受光面に対して垂直ではなく斜めに入射する可視光を考慮すると、平面視で可視光透過部111よりわずかに大きい(図6(A)の一点鎖線で示す第1位置24を参照)。なお、第1位置24は、プリント基板20において可視光が直接当たる領域なので、換言すれば、可視光透過部111を通して人の目で見える領域である。
【0026】
したがって、照度センサ22が第1位置24に配置され、第1位置24に配置される電子部品の実装点数は、プリント基板20における第1位置24以外の第2位置25に配置される電子部品の実装点数より少ないことが好ましい。なお、第2位置25は、図6(A)に示す第1位置24の一点鎖線の外側の領域であり、換言すれば、可視光透過部111を通して人の目で見えない領域である。このように、可視光が当たる位置に配置される電子部品の実装点数を、それ以外の位置に配置される電子部品の実装点数より少なくすることで、外観意匠性を良くする光検出装置100を提供することができる。
【0027】
また、赤外線センサ23が第2位置25に配置される、すなわち、不可視光線を検出する赤外線センサ23を可視光が当たる位置に配置しないことで、多機能であっても外観意匠性を悪くしない光検出装置100を提供することができる。
【0028】
光検出装置100は、上ケース10の側部12がプリント基板20およびそれを支持する下ケース30の支持部31を包囲するように、下ケース30が上ケース10の側部12に嵌合して構成される。また、上述したように、上ケース10の切り欠き部13の脇の側部12が側部延在部121として開口32の下側まで延在している。これにより、小型化すると共に、液体が外部コネクタに回り込んで浸入することを防止するため良好な排水性を有する光検出装置100を提供することができる。
【0029】
さらに、光検出装置100は、図5に示すように、下ケース30のコネクタ収容体34の外側側面と側部延在部121の内側側面との間に、液体の這い上がりを防止するための隙間40を備えることが好ましい。隙間40がない場合、コネクタ収容体34と側部延在部121の間に毛管現象により側部延在部121の下端まで垂れてきた液体が這い上がり、外部コネクタに回り込んで浸入する恐れがある。このように、隙間40があることで、側部延在部121まで垂れてきた液体の這い上がりを防止することができ、液体が外部コネクタに回り込んで浸入することを防止するため排水性をより向上させることができる。
【0030】
さらに、背面側における上ケース10の側部12は、外部コネクタが挿入される開口32を有する下ケース30の背面側の側面(一の側面)に対応して側面視で張り出すように形成された張り出し部14を有することが好ましい。このように、下ケース30の一の側面に対応する側面すなわち外部コネクタが接続される側面の上方に張り出し部14を設けることで、背面側の側部12を伝って流れてきた液体が下端から垂れても、液体が外部コネクタに回り込んで浸入することを防止することができる。
【0031】
図7図8を参照し、光検出装置100が車両CRに取り付けられる場合について説明する。光検出装置100は、図7に示すように、しばしば車両CRのダッシュボードDB上に設置され、傾斜したフロントガラスFGから入射する光を検出する。光検出装置100は、ダッシュボードDBに取り付けられる場合、図6に示すように、可視光透過部111をフロントガラスFG側に、赤外光透過部112を運転手側にして設置されることが好ましい。このような方向で設置された場合、ハンドルWHの手前に座る運転手から見たとき、図8に示すように、可視光透過部111を通して見える電子部品がさらに少なくなる。すなわち、図6で示した第1位置24は、あらゆる方向から入射する可視光を考慮した領域であるが、運転手の方向から見たときに見える領域は、図8に示す第1位置24aとなり、プリント基板20上の電子部品の多くが見えない領域である第2位置25aに存することとなる。
【0032】
このように、平面視で可視光透過部111の直下に照度センサ22以外の電子部品が見える場合であっても、運転手の視点を考慮するなど視差を利用したプリント基板20の電子部品の配置を行うことで、十分な大きさの可視光透過部111を確保しつつ、運転手から見える電子部品の実装点数を少なくし、外観意匠性を良くすることができる。さらに、車両CRの運転席の視点からの第1位置24aに配置されるのは、複数の電子部品の中で照度センサ22のみであることが好ましい。これによれば、運転手から見た場合必要最小限の電子部品しか見えないため、外観意匠性をさらに良くすることができる。
【0033】
また、車両CRが光検出装置100を備えることで、可視光が当たる位置に配置される電子部品の実装点数を、それ以外の位置に配置される電子部品の実装点数より少なくし、小型で、外観意匠性の良い光検出装置100を備えた車両CRを提供することができる。
【0034】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0035】
100 光検出装置
10 上ケース
11 受光部
111 可視光透過部(第1領域)
112 赤外光透過部(第2領域)
12 側部
121 側部延在部
13 切り欠き部
14 張り出し部
20 プリント基板
21 電子部品
22 照度センサ(第1受光素子)
23 赤外線センサ(第2受光素子)
24 第1位置
25 第2位置
30 下ケース
31 支持部
32 開口
33 鉤
34 コネクタ収納体
35 接続端子
36 コネクタ誘導部
40 隙間
CR 車両
DB ダッシュボード
FG フロントガラス
WH ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8