IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148787
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】発泡体シート及び車両用内装材
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
C08J9/04 101
C08J9/04 CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050605
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165021
【弁理士】
【氏名又は名称】千々松 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100154391
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康義
(72)【発明者】
【氏名】濱田 哲史
(72)【発明者】
【氏名】杉江 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】三上 洋輝
【テーマコード(参考)】
4F074
【Fターム(参考)】
4F074AA21
4F074AA24
4F074AA24B
4F074AA98
4F074AB05
4F074AD12
4F074AD14
4F074AG04
4F074BA13
4F074BB25
4F074BB28
4F074CA29
4F074CC06X
4F074DA02
4F074DA04
4F074DA08
4F074DA23
4F074DA35
(57)【要約】
【課題】成形性が優れる発泡体シート及びその発泡体シートを成形してなる車両用内装材を提供する。
【解決手段】本発明の発泡体シートは、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む発泡性組成物を発泡してなる発泡体シートであり、見掛け密度が0.02~0.2g/cmであり、PEゾル成分比率が42%以上であり、PPゲル成分比率が25%以下であり、JIS K6767に準拠して測定した160℃引張伸度が300%以上である。本発明の車両用内装材は本発明の発泡体シートを成形してなるものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む発泡性組成物を発泡してなる発泡体シートであって、
見掛け密度が0.02~0.2g/cmであり、
PEゾル成分比率が42%以上であり、
PPゲル成分比率が25%以下であり、
JIS K6767に準拠して測定した160℃引張伸度が300%以上である発泡体シート。
【請求項2】
25%圧縮硬さが20~200kPaである請求項1に記載の発泡体シート。
【請求項3】
架橋度が15~50質量%である請求項1又は2に記載の発泡体シート。
【請求項4】
電子架橋した発泡性組成物を発泡してなる請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡体シート。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡体シートを成形してなる車両用内装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡体シート及び車両用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートは、断熱材、クッション材等として汎用されている。例えば、自動車分野では、天井材、ドア、インスツルメントパネル等の車両用内装材として使用される。これらの車両用内装材は、通常、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを基材として、真空成形や圧縮成形等により二次加工して所定の形状に成形される。そのため、車両用内装材に使用されるポリオレフィン系樹脂発泡体シートは、二次加工する際の成形性が必要とされる。
【0003】
例えば、特許文献1~3には、成形性を良好にすることを目的としたポリオレフィン系樹脂発泡体シートが開示される。具体的には、特許文献1には、密度0.036g/cc以上0.133g/cc未満の発泡体において、160℃破断点伸び(%)を150%以上とし、かつ破断点伸び(%)に160℃で測定された100%モジュラス(MPa)を乗じた値を7以上とし、かつ架橋度を30~50%とすることが示されている。また、特許文献2には、発泡体シートの表面から0.5mmの深さまでの表層部分の平均膨潤比を10~28倍にすることが示されている。特許文献3には、表層部の架橋度が中層部の架橋度よりも5%以上高くすることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/039400号
【特許文献2】特開2001-294699号公報
【特許文献3】国際公開第2016/052555号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、車両用内装材のデザインはさらに複雑になり、車両用内装材に複雑で鋭利な形状が求められるようになってきた。しかし、特許文献1~3に記載されているポリオレフィン系樹脂発泡体シートでは、絞り性が不十分であるため、発泡体シートが複雑で鋭利な形状に追従できなかった。このため、成形性がさらに優れた発泡体シートが望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は、成形性が優れた発泡体シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、見掛け密度、PEゾル成分比率、PPゲル成分比率、及び160℃引張伸度の値が所定範囲内である発泡体シートが上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供する。
[1]ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む発泡性組成物を発泡してなる発泡体シートであって、見掛け密度が0.02~0.2g/cmであり、PEゾル成分比率が42%以上であり、PPゲル成分比率が25%以下であり、 JIS K6767に準拠して測定した160℃引張伸度が300%以上である発泡体シート。
[2]25%圧縮硬さが20~200kPaである上記[1]に記載の発泡体シート。
[3]架橋度が15~50質量%である上記[1]又は[2]に記載の発泡体シート。
[4]電子架橋した発泡性組成物を発泡してなる上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の発泡体シート。
[5]上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の発泡体シートを成形してなる車両用内装材。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、成形性が優れた発泡体シート及びその発泡体シートを成形してなる車両用内装材を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の発泡体シートを詳細に説明する。
<発泡体シート>
本発明の発泡体シートは、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む発泡性組成物を発泡してなる発泡体シートであり、見掛け密度が0.02~0.2g/cmであり、PEゾル成分比率が42%以上であり、PPゲル成分比率が25%以下であり、JIS K6767に準拠して測定した160℃引張伸度が300%以上である。これにより、本発明の発泡体シートは、成形性が優れたものとなる。
【0010】
(見掛け密度)
本発明の発泡体シートの見掛け密度は0.02~0.2g/cmである。見掛け密度が0.02g/cm未満であると、車両用内装材に発泡体シートを使用するには発泡体シートの強度が不十分になる場合がある。見掛け密度が0.2g/cmよりも大きいと、発泡体シートの絞り性が悪くなり、発泡体シートの成形性が悪くなる。また、発泡体シートの柔軟性も低下する。このような観点から、本発明の発泡体シートの見掛け密度は、好ましくは0.03~0.2g/cmであり、より好ましくは0.04~0.1g/cmである。発泡体シートの見掛け密度は後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
【0011】
(PEゾル成分比率及びPPゲル成分比率)
本発明の発泡体シートは、PEゾル成分比率が42%以上であり、PPゲル成分比率が25%以下である。本発明の発泡体シートは、PEゾル成分比率が一定値以上となり、かつPPゲル成分比率が一定値以下となることで、高温下でも引張伸度が高くなり、成形性が良好となる。
一方で、PEゾル成分比率が42%未満であると、発泡シートは、高温下における引張伸度が低くなって、絞り性が悪くなり、成形性も悪くなる。このような観点から、PEゾル成分比率は、好ましくは43%以上であり、より好ましくは44%以上である。PEゾル成分比率の範囲の上限値は、特に限定されないが、発泡体を一定以上架橋させる観点から、PEゾル成分比率は、好ましくは46%である。なお、PEゾル成分比率とは、発泡体シートにおけるポリエチレンゾル成分の割合を発泡体シートにおけるポリエチレン系樹脂の割合で割り算した値である。PEゾル成分比率は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
【0012】
また、PPゲル成分比率は25%よりも大きいと、発泡体シートの成形性が低下したり、発泡体シートの柔軟性が低下したりする場合がある。PPゾル成分比率の範囲の下限値は、特に限定されないが、発泡体シートの耐熱性や機械強度の観点から、好ましくは24%である。なお、PPゲル成分比率とは、発泡体シートにおけるポリプロピレンゲル成分の割合を発泡体シートにおけるポリプロピレン系樹脂の割合で割り算した値である。PPゲル成分比率は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、本発明では、PEゾル成分比率及びPPゲル成分比率は、架橋条件により調整できる。例えば、後述する通りに照射電圧を低くすることで、PEゾル成分比率を一定量以上とし、かつPPゲル成分比率を一定量以下としやすくなる。
【0013】
(160℃引張伸度)
JIS K6767に準拠して測定された本発明の発泡体シートの160℃引張伸度は300%以上である。発泡体シートの160℃引張伸度が300%未満であると、発泡体シートの伸び特性が悪くなり、その結果、発泡体シートの絞り性が悪くなり、成形性が悪くなる。このような観点から、本発明の発泡体シートの160℃引張伸度は、好ましくは350%以上であり、より好ましくは400%以上であり、さらに好ましくは450%以上である。160℃引張伸度の上限は特に限定されないが、例えば600%である。160℃引張伸度は後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
【0014】
(25%圧縮硬さ)
本発明の発泡体シートの25%圧縮硬さは、好ましくは20~200kPaである。25%圧縮硬さが200kPa以下であると、発泡体シートは柔軟になり、発泡体シートの成形性を良好にできる。25%圧縮硬さが20kPa以上であると、発泡体シートは、車両用内装材に使用するのに十分な強度を有するようになる。このような観点から、本発明の発泡体シートの25%圧縮硬さは、より好ましくは30~120kPaであり、さらに好ましくは40~82kPaである。発泡体シートの25%圧縮硬さは、実施例に記載の方法で測定することができる。
【0015】
(架橋度)
本発明の発泡体シートの架橋度は、好ましくは15~50質量%である。発泡体シートの架橋度が上記範囲内であると、PEゾル成分比率及びPPゲル成分比率を上記した所定の範囲内に調整しやすくなる。また、発泡体シートの架橋度が15質量%以上であると、発泡体シートの伸び特性が良好になり、発泡体シートの成形性が改善される。発泡体シートの架橋度が50質量%以下であると、発泡体シートは、車両用内装材に使用するのに十分な強度を有するようになる。このような観点から、本発明の発泡体シートの架橋度は、より好ましくは15~40質量%であり、さらに好ましくは20~35質量%であり、よりさらに好ましくは25~31質量%である。
【0016】
(表層及び内層の架橋度差)
本発明の発泡体シートの2つの主面の表面において、表面から0.5mmまでの領域を、それぞれ、第1の表層及び第2の表層とし、第1の表層及び第2の表層の間を内層とする。この場合、第1の表層の架橋度及び第2の表層の架橋度のうちの低い方の架橋度と内層の架橋度との架橋度差の絶対値が3.0質量%以下であることが好ましい。架橋度差の絶対値が3.0質量%以下であると、160℃引張伸度をより一層高くしやすくなる。このような観点から、上記架橋度差の絶対値は、より好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは1.0質量%以下である。発泡体シートの架橋度は発泡体シート内で均一であることが好ましいので、上記架橋度差の絶対値の範囲の下限値は0質量%である。なお、第1の表層の架橋度及び第2の表層の架橋度のうちの高い方の架橋度と内層の架橋度との架橋度差の絶対値も上記範囲内であることがより好ましい。
【0017】
発泡体シートの第1及び第2の表層と内層との架橋度は、例えば、以下のように測定することができる。
まず、スライサーを用いて、発泡体シートから第1表層、第2の表層及び内層に切り離す。なお、発泡体シートが柔らかすぎて、切りにくい場合は、発泡体シートを液体窒素に漬けて硬くしてから発泡体シートを切断してもよい。切り離した第1表層、第2の表層及び内層について、それぞれ、以下のようにして架橋度を測定する。
発泡体層から約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出する。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
【0018】
第1の表層の架橋度及び第2の表層の架橋度のうちの低い方の架橋度と内層の架橋度との架橋度差の絶対値は、例えば、以下のようにして小さくすることができる。
低い照射電圧の電離性放射線を、シート状に成形した発泡性組成物の両面に照射して発泡性組成物を電子架橋し、また、電離性放射線の照射による帯電を急激に解消しないことにより、発泡体シートの上記架橋度差の絶対値を小さくすることができる。
【0019】
(発泡体シートの厚み)
発泡体シートの車両用内装材への利用の観点から、本発明の発泡体シートの厚みは、好ましくは1mmより大きく6mm以下であり、より好ましくは2~5mmであり、さらに好ましくは3.0~4.5mmであり、よりさらに好ましくは3.5~4.2mmである。
【0020】
本発明の発泡体シートは、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む発泡性組成物を発泡してなる発泡体シートである。これにより、耐熱性及び成形性が優れた発泡体シートを容易に作製することができる。
【0021】
<ポリプロピレン系樹脂>
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよいが、ランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)が好ましい。
プロピレンと共重合される他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等のα-オレフィンが挙げられ、これらの中ではエチレンが好ましい。したがって、エチレン-プロピレンランダム共重合体がより好ましい。
【0022】
ポリプロピレン系樹脂の含有量は、発泡体シートを構成する樹脂全量に対して、好ましくは30~80質量%である。ポリプロピレン系樹脂の含有量を40質量%以上とすることで、機械強度、及び高温下における成形性などを確保しやすくなる。また、80質量%以下とすることでポリエチレン系樹脂などの他の樹脂を一定量配合でき、柔軟性などを確保しやすくなる。ポリプロピレン系樹脂の含有量は、上記観点から、より好ましくは50~70質量%である。
【0023】
ポリプロピレン系樹脂の中でも、成形性などの観点からプロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、又はランダムポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよいが、2種以上併用することが好ましく、成形性、機械強度、及び柔軟性などの観点から、ホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンを併用することが好ましい。
ホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンを併用する場合、成形性、機械強度、柔軟性などをバランスよく良好にできる観点から、ホモポリプロピレンに対するランダムポリプロピレンの質量比(ランダム/ホモ)は、0.2~5.0であることが好ましく、0.5~4.0であることが好ましく、0.8~3.0であることがさらに好ましい。
【0024】
ポリプロピレン系樹脂は、その230℃におけるメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう)が0.1~20g/10分であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂のMFRを上記範囲内とすると、樹脂の流れ性が良好になる一方で、樹脂の流動性が高くなりすぎるのを防止し、後述する発泡性組成物を発泡体シートに加工する際の加工性が良好になる。これら観点から、ポリプロピレン系樹脂の上記MFRは、0.3~15g/10分であることより好ましく、0.4~12g/10分であることさらに好ましい。
【0025】
<ポリエチレン系樹脂>
本発明の発泡体シートにおけるポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂に加えて、ポリエチレン系樹脂を含有する。これにより、発泡体シートの柔軟性をさらに改善することができる。また、発泡性組成物の電離性放射線による電子架橋を容易にすることができる。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられ、中でも直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンとしては、エチレン/1-ブテン共重合体、エチレン/1-ヘキセン共重合体、エチレン/4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン/1-オクテン共重合体などが挙げられるが、中でもエチレン/1-ヘキセン共重合体が好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.880~0.940g/cm3のポリエチレンであり、好ましくは密度が0.900~0.930g/cm3のものである。なお、密度とは、JIS K7112に準拠して測定したものである。
また、加工性及び柔軟性などの観点から、ポリエチレン系樹脂の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、0.5~20g/10分が好ましく、3~15g/10分がより好ましく、5~12g/10分がさらに好ましい。
【0026】
ポリエチレン系樹脂の含有量は、発泡体シートを構成する樹脂成分全量に対して、好ましくは20~60質量%である。ポリエチレン系樹脂の含有量を20質量%以上とすることで柔軟性を確保しやすくなる。また、60質量%以下とすることでポリプロピレン系樹脂などの他の樹脂を相当量配合でき、発泡体シートの機械強度などを確保しやすくなる。これら観点からポリエチレン系樹脂の含有量は、より好ましくは30~50質量%である。
【0027】
<ポリオレフィン系樹脂>
本発明の発泡体シートには、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂を樹脂成分として使用してもよい。上記以外のポリオレフィン系樹脂には、例えば、エチレン-α-オレフィン系共重合ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アルキルアクリレ-ト共重合体、又は無水マレイン酸を共重合した変性共重合体等が挙げられる。
また、本発明の効果を阻害しない限り、発泡体シートは、スチレン系熱可塑性エラストマーなどのポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を含有してもよい。ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の含有量は、樹脂成分全量に対して、例えば25質量%以下であり、好ましくは10質量%以下である。
【0028】
<発泡性組成物>
本発明の発泡体シートは、上記ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの樹脂成分を含有する発泡性組成物を発泡してなるものであり、架橋しかつ発泡してなるものが好ましい。発泡性組成物は、添加剤として発泡剤を通常含有するものであり、また、架橋助剤及び酸化防止剤などを含有することが好ましい。
【0029】
(発泡剤)
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が使用され、例えば分解温度が160~270℃程度の有機系又は無機系の化学発泡剤を用いることができる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。
【0030】
熱分解型発泡剤の添加量は、発泡体シートの気泡が破裂せずに適切に発泡ができるように、樹脂成分100質量部に対して1~20質量部が好ましく、2~15質量部がより好ましく、5~10質量部がさらに好ましい。
【0031】
(架橋助剤)
発泡性組成物は、架橋助剤を含有することが好ましい。架橋助剤を発泡性組成物に添加することによって、少ない電離性放射線量で発泡性組成物を架橋することが可能になる。そのため、電離性放射線の照射に伴う各樹脂分子の切断、劣化を防止することができる。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の3官能(メタ)アクリレート系化合物、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の2官能(メタ)アクリレート系化合物、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物、エチルビニルベンゼン、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
上記した中では、(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。また、架橋助剤は、1種単独で使用してもよいが、2以上を組み合わせて使用することも好ましい。架橋助剤は、2種併用する場合、例えば3官能(メタ)アクリレート系化合物と2官能(メタ)アクリレート系化合物とを組み合わせて使用するとよい。
架橋助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0.2~20質量部が好ましい。この含有量を0.2質量部以上とすると発泡性組成物を発泡する際、所望する架橋度に調整しやすくなる。また、20重量部以下とすると発泡性組成物に付与する架橋度の制御が容易となる。架橋助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0.5~10質量部がより好ましく、1~8質量部がさらに好ましい。
【0032】
(酸化防止剤)
発泡性組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられるが、これらの中では、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤とを組み合わせて使用することがより好ましい。
酸化防止剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0.1~10質量部が好ましく、0.2~5質量部がより好ましい。
【0033】
また、発泡体組成物は、必要に応じて、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素、トリアゾール系化合物等の発泡助剤、難燃剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、顔料等の上記以外の添加剤を含有してもよい。
【0034】
<発泡体シートの製造方法>
本発明の発泡体シートは、例えば、ポリオレフィン系樹脂などの樹脂成分、及び熱分解型発泡剤などの添加剤を含む発泡性組成物を、電子架橋した後、発泡させることにより製造することができる。
【0035】
本発明の発泡体シートは、具体的には、以下の工程(1)~(3)を有する方法により製造することが工業的に有利である。
工程(1):ポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤を含む発泡性組成物の各成分を混練装置に供給して混練した後、シート状の発泡性組成物を得る工程
工程(2):工程(1)で得た発泡性組成物に電離性放射線を照射して電子架橋する工程
工程(3):工程(2)で架橋した発泡性組成物を、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ、発泡体シートを得る工程
なお、一般的には、シート状の発泡性組成物はロールトゥロールで搬送されながら工程(2)、(3)が行われる。
【0036】
工程(1)では、発泡性組成物を、バンバリーミキサーや加圧ニーダ等の混練り機を用いて混練した後、押出機、カレンダ、コンベアベルトキャスティング等により連続的に押し出すことによりシート状の発泡性組成物を製造することができる。
【0037】
また、工程(2)において使用される電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線等を挙げることができるが、電子線が好ましい。
電離性放射線の透過厚みには制限があるので、表層と内層との間で架橋度差が大きくなる。このため、シート状の発泡性組成物の上面と下面の両方から電離性放射線を照射することが好ましい。
電離性放射線の照射電圧は、照射する発泡性組成物の厚みにもよるが、例えば、厚みが1mmより大きく8mm以下の場合、300~700kVであることが好ましい。電離性放射線の照射電圧を300kV以上とすることで、シート状の発泡性組成物に電離性放射線を透過させることができる。電離性放射線の照射電圧を600kV以下とすることで、PEゾル成分比率及びPPゲル成分比率を上記した所定の範囲内に調整しやすくなる。さらに、160℃引張伸度が300%以上である発泡体シートを製造することが容易になる。また、第1の表層の架橋度及び第2の表層の架橋度のうちの低い方の架橋度と内層の架橋度との架橋度差の絶対値を低くしやすくなる。このような観点から、電離性放射線の照射電圧は、厚みが1mmより大きく8mm以下の場合、400~600kVであることがより好ましい。
電離性放射線の照射量は、所定のPEゾル成分比率及びPPゲル成分比率、及び所望の架橋度を得ることができればよいが、0.6~6Mradが好ましく、0.8~3Mradがより好ましく、1.0~2.4Mradがさらに好ましい。
【0038】
なお、従来は、電離性放射線の加速電圧は、電離性放射線がシート状発泡性組成物を十分に透過できる電圧であればよいと考え、シート状発泡性組成物のゲル分率は、もっぱら電離性放射線の照射量で制御していた。また、従来は、厚みが1mmより大きく8mm以下程度の場合、600kV以下の電離性放射線の加速電圧は、シート状発泡性組成物に電離性放射線を十分に透過せずに外観不良が生じやすく、適切に発泡できないと考えられていた。このため、従来は、厚みが1mmより大きく8mm以下程度の場合、シート状の発泡性組成物に電離性放射線を十分に透過させるため、800kV以上の加速電圧で電離性放射線を照射していた。しかし、本発明者らは、鋭意検討の結果、上記厚み範囲でも、300~600kV、特に好ましくは500~590Vの加速電圧で電離性放射線をシート状の発泡性組成物に照射することによって、外観不良が生じずに、PEゾル成分比率及びPPゲル成分比率を所定の範囲内にすることができる。
【0039】
電離性放射線を照射して帯電したシート状発泡性組成物の帯電を急激に解消しないことが好ましい。これにより、電離性放射線を照射して生成した活性種を拡散させて、シート状発泡性組成物の電子架橋の上述のゲル分率差をさらに小さくすることができ、また、外観不良も生じにくくなると考えられる。なお、帯電を急激に解消しない手法としては、特に限定されないが、電離性放射線を照射した後、シート状発泡性組成物を金属ロールに通過させることが一般的であるが、金属ロールの代わりに樹脂ロールを使用したり、金属ロールの表面に布などの絶縁体を巻いたりして表面を非金属とするとよい。これにより、金属ロールに接触したシート状発泡性組成物の帯電が急激に解消することを抑制することができる。
【0040】
工程(3)において、発泡性組成物を加熱発泡させる温度は、発泡剤として使用される熱分解型発泡剤の分解温度によるが、通常140~300℃、好ましくは150~260℃である。
【0041】
工程(3)において、発泡体シートは、発泡後、又は発泡しつつMD又はCDの何れか一方又は双方に延伸することが好ましい。
【0042】
[積層体]
本発明の発泡体シートを、単体で使用してもよいが、少なくとも一方の面に例えばシート状素材などを積層して、積層体として使用してもよい。積層体において、シート状素材は、通常、発泡体シートに接着される。シート状素材としては、樹脂シート、熱可塑性エラストマーシート、布帛等が挙げられ、積層体を車両用内装材に使用する場合には、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニルとABS樹脂との混合樹脂からなる樹脂シート、熱可塑性エラストマーシート、織物、編物、不織布、皮革、人工皮革、合成皮革等の各種の布帛が好ましくは使用される。これらシート状素材は、積層体が成形体に成形された際、成形体において表面に配置されることが好ましい。
また、積層体において上記シート状素材は、発泡体シートの一方の面のみに設けられてもよいし、両面に設けられてもよい。例えば、積層体を車両用内装材に使用する場合には、発泡体シートの一方の面に上記樹脂シート、熱可塑性エラストマーシート、布帛を積層するとともに、他方の面にポリエチレン、ポリプロピレン等からなる樹脂シートを配置してもよい。
【0043】
[車両用内装材]
本発明の車両用内装材は、本発明の発泡体シートを成形してなるものである。なお、本発明の車両用内装材を得るために、本発明の発泡体シートをそのまま成形してもよいし、本発明の発泡体シートを上述の積層体にした後に、成形してもよい。
本発明の発泡体シートの成形方法としては、スタンピング成形法、真空成形法、圧縮成形法、射出成形法等が挙げられる。
本発明の車両用内装材は、自動車用内装材として使用することがより好ましい。自動車用内装材には、例えば、天井材、ドア、インスツルメントパネル等が挙げられる。
【実施例0044】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0045】
各物性の測定方法、及び発泡体シートの評価方法は以下のとおりである。
(1)厚み
ダイヤルゲージを用いて発泡体シートの厚みを計測した。
【0046】
(2)見掛け密度及び発泡倍率
JIS K7222に準拠して発泡体シートの見掛け密度を測定した。そして、発泡体シートの見掛け度の逆数を発泡体シートの発泡倍率とした。
【0047】
(3)160℃引張伸度
JIS K6767に準拠して発泡体シートのMD方向の160℃引張伸度を測定した。次に、JIS K6767に準拠して発泡体シートのTD方向の160℃引張伸度を測定した。そして、発泡体シートのMD方向の160℃引張伸度及び発泡体シートのTD方向の160℃引張伸度の平均値を発泡体シートの160℃引張伸度とした。なお、「MD」は、Machine Directionを意味し、発泡体シートの押出方向等と一致する方向を意味する。また、「TD」は、Transverse Directionを意味し、MDに直交しかつ発泡体シートに平行な方向を意味する。
【0048】
(4)25%圧縮硬さ
JIS K6767に準拠して発泡体シートの25%圧縮硬さを測定した。
【0049】
(5)PPゲル成分比率及びPEゾル成分比率
13C NMRスペクトルによりPPゲル成分比率及びPEゾル成分比率を求めた。具体的には、発泡体シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の質量A(mg)を精秤した。なお、試験片は、発泡体シートの厚み方向に沿って均等に採取した。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分と溶解分を採取した。不溶解分の質量をB(mg)とすると、ゲル分率及びゾル分率は以下の式から算出できる。
ゲル分率(質量%)=(B/A)×100
ゾル分率(質量%)=(1-B/A)×100
次に、PP及びPEの13C NMRスペクトルを測定し、各種ピークから溶解分(ゾル)中のPP及びPEの成分比率を求めた。このゾル中のPP及びPEの成分比率の結果と、PP及びPEの配合比率から、ゲル中のPP及びPEの成分比率を求めた。
そして、ゲル分率及びゲル中のPP及びPEの成分比率からPPゲル成分比率を算出し、ゾル分率及びゾル中のPP及びPEの成分比率からPEゾル成分比率を算出した。
なお、13C NMRスペクトルの測定条件は、以下のとおりであった。
装置:AVANCE 400(Bruker Biospin社製)
プローブ:クライオプローブ Prodigy(BBO)
回転数:20Hz
測定パルス:Single pulse
溶媒:重オルトジクロロベンゼン(ODCB)
濃度:約5wt%/vol%
温度:130℃(403K)
スキャン回数:6400回
化学シフト:ODCB 128.5ppm
【0050】
(6)架橋度
発泡体シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤した。なお、試験片は、発泡体シートの厚み方向に沿って均等に採取した。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤した。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
【0051】
(7)表層及び内層の架橋度差
上述の本発明の発泡体シートの説明の「表層及び内層の架橋度差」の項目で説明した方法で、発泡体シートの表層及び内層の架橋度差を測定した。
【0052】
(8)成形性
各実施例、比較例の発泡体シートを、表面温度160℃でメス引きカップで真空成形して、成形性を評価した。カップの直径をD、深さをHとし、深さHと直径Dの比H/Dを大きくして各々真空成形していき、発泡シートに破れが生じ、或いは、発泡シートの一部に薄く透明となる部分が生じたときの比H/D(%)により成形性を評価した。
(評価基準)
A:90%≦H/D
B:90%>H/D
【0053】
実施例、比較例で使用した各成分は以下のとおりである。
(ポリプロピレン系樹脂)
・ランダムPP:エチレン-プロピレンランダム共重合体、プライムポリマー社製、製品名「E333GV」、MFR=2.4g/10min
・ホモPP:ホモポリプロピレン、プライムポリマー社製、製品名「S135」、MFR=9g/10min
(ポリエチレン系樹脂)
・LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、プライムポリマー社製、製品名「ULT-ZEX 20100J」、MFR=8.5g/10分
(添加剤)
・架橋助剤
1,9-ノナンジオールジメタクリレート
トリメチロールプロパントリメタクリレート
・酸化防止剤
フェノール系酸化防止剤
イオウ系酸化防止剤
・発泡剤
ADCA(アゾジカルボンアミド)・・・永和化成工業株式会社製、商品名「ACK3TA」
・発泡助剤
CDA-1・・株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブCDA-1」
【0054】
実施例1及び2並びに比較例1~3の発泡体シートを以下のようにして作製した。
表1に示す樹脂成分及び添加剤を、表1に示した部数で単軸押出機に投入して、樹脂温度190℃にて溶融混練して押し出し、シート状の発泡組成物を得た。
得られたシート状の発泡組成物の両面から、それぞれ、表1の照射電圧及び照射量で照射することにより発泡性組成物を架橋した。その後、架橋した発泡性組成物を、MD及びTDに延伸しつつ250℃の気相オーブンで発泡させ、発泡体シートを得た。各実施例及び比較例の発泡体シートの評価結果を表1に示す。各実施例及び比較例の発泡体シートの評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
見掛け密度が0.02~0.2g/cmであり、PEゾル成分比率が42%以上であり、PPゲル成分比率が25%以下であり、160℃引張伸度が300%以上である実施例1及び2の発泡体シートの成形性は良好であった。一方、見掛け密度が0.02~0.2g/cmであったものの、PEゾル成分比率が42%未満であり、PPゲル成分比率が25%よりも大きく、160℃引張伸度が300%未満である比較例1及び2の発泡体シートの成形性は悪かった。また、見掛け密度が0.02~0.2g/cmであり、PEゾル成分比率が42%以上であったものの、PPゲル成分比率が25%よりも大きく、160℃引張伸度が300%未満である比較例3の発泡体シートの成形性も悪かった。