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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148841
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】撮像素子及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220929BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20220929BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050667
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋
(72)【発明者】
【氏名】池原 成拓
(72)【発明者】
【氏名】飯島 匡
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA14
4M118CA03
4M118CA22
4M118DD04
4M118EA01
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA24
4M118FA26
4M118FA28
4M118FA29
4M118FA38
4M118GA02
4M118GB03
4M118GB07
4M118GC08
4M118GD03
4M118GD04
4M118GD07
5C024CX03
5C024CX32
5C024CY47
5C024EX12
5C024GX14
5C024GY31
(57)【要約】
【課題】画素に配置される複数の光電変換部同士を分離する。
【解決手段】本開示の撮像素子は、画素と、オーバーフローパスと、画素分離部と、画素分離電極と、画素内分離部と、画素内分離電極とを有する。画素は、表面側に配線領域が配置される半導体基板に形成されて被写体からの入射光の光電変換を行って電荷を生成する複数の光電変換部を備える。オーバーフローパスは、複数の光電変換部同士において電荷を相互に転送する。画素分離部は、画素の境界に配置される。画素分離電極は、画素分離部に配置されて第1のバイアス電圧が印加される。画素内分離部は、複数の光電変換部を分離する。画素内分離電極は、画素内分離部に配置されて第2のバイアス電圧が印加される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に配線領域が配置される半導体基板に形成されて被写体からの入射光の光電変換を行って電荷を生成する複数の光電変換部を備える画素と、
前記複数の光電変換部同士において電荷を相互に転送するオーバーフローパスと、
前記画素の境界に配置される画素分離部と、
前記画素分離部に配置されて第1のバイアス電圧が印加される画素分離電極と、
前記複数の光電変換部を分離する画素内分離部と、
前記画素内分離部に配置されて第2のバイアス電圧が印加される画素内分離電極と、
前記生成された電荷を保持する電荷保持部と、
前記複数の光電変換部毎に配置されて前記光電変換部により生成される電荷を前記電荷保持部に転送して保持させる複数の電荷転送部と、
前記保持された電荷に基づいて画像信号を生成する画像信号生成部と
を有する撮像素子。
【請求項2】
前記画素内分離電極は、前記オーバーフローパスの電位障壁を調整するための前記第2のバイアス電圧が印加される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記複数の電荷転送部は、前記複数の光電変換部によりそれぞれ生成される電荷を前記電荷保持部に共通に転送して前記電荷保持部に前記複数の光電変換部により生成される電荷を同時にまとめて保持させるまとめ転送と前記複数の光電変換部によりそれぞれ生成される電荷を前記電荷保持部に個別に転送する個別転送とを行い、
前記画像信号生成部は、前記まとめ転送により前記電荷保持部にまとめて保持された電荷に基づいて前記画像信号を生成するとともに前記個別転送により前記電荷保持部に個別に保持されたそれぞれの電荷に基づいて前記被写体を瞳分割して像面位相差を検出するための複数の位相差信号を生成する
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記オーバーフローパスは、前記画素内分離部及び前記画素分離部の間に配置される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記画素は、複数の前記画素内分離部を備え、
前記オーバーフローパスは、複数の前記画素内分離部の間に配置される
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記画素内分離電極は、前記まとめ転送により転送される電荷が生成される際と前記個別転送により転送される電荷が生成される際とにおいて異なる前記第2のバイアス電圧が印加される請求項3に記載の撮像素子。
【請求項7】
前記画素内分離電極は、前記光電変換部における前記電荷の蓄積容量を調整するための前記第2のバイアス電圧が印加される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項8】
前記画素内分離部は、前記半導体基板の裏面側に配置される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項9】
前記画素における前記半導体基板の表面側に配置されて前記複数の光電変換部を分離する半導体領域である画素内分離領域を更に有する請求項8に記載の撮像素子。
【請求項10】
前記半導体基板の表面側に配置される前記画素内分離部である第2の画素内分離部と、
前記第2の画素内分離部に配置される前記画素内分離電極である第2の画素内分離電極と
を更に有する請求項8に記載の撮像素子。
【請求項11】
前記第2の画素内分離電極は、前記画素内分離電極とは異なる前記第2のバイアス電圧が印加される請求項10に記載の撮像素子。
【請求項12】
前記半導体基板の裏面側に配置されて前記画素内分離電極に前記第2のバイアス電圧を印加する画素内分離部配線を更に有する請求項8に記載の撮像素子。
【請求項13】
前記画素内分離部配線は、透明な部材により構成される請求項12に記載の撮像素子。
【請求項14】
前記画素内分離部配線は、前記複数の光電変換部を覆う形状に構成される請求項13に記載の撮像素子。
【請求項15】
前記画素内分離部及び前記画素内分離電極は、前記半導体基板を貫通する形状に構成される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項16】
前記画素分離電極は、前記光電変換部における前記電荷の蓄積容量を調整するための前記第1のバイアス電圧が印加される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項17】
前記画素分離部は、前記半導体基板の裏面側に配置される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項18】
前記半導体基板の表面側に配置される前記画素分離部である第2の画素分離部と、
前記第2の画素分離部に配置される前記画素分離電極である第2の画素分離電極と
を更に有する請求項17に記載の撮像素子。
【請求項19】
前記半導体基板の裏面側に配置されて前記画素分離部に前記第1のバイアス電圧を伝達する画素分離部配線を更に有する請求項17に記載の撮像素子。
【請求項20】
前記画素分離部及び前記画素分離電極は、前記半導体基板を貫通する形状に構成される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項21】
前記画素内分離電極は、透明な部材により構成される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項22】
前記画素分離電極は、透明な部材により構成される請求項1に記載の撮像素子。
【請求項23】
表面側に配線領域が配置される半導体基板に形成されて被写体からの入射光の光電変換を行って電荷を生成する複数の光電変換部を備える画素と、
前記複数の光電変換部同士において電荷を相互に転送するオーバーフローパスと、
前記画素の境界に配置される画素分離部と、
前記画素分離部に配置されて第1のバイアス電圧が印加される画素分離電極と、
前記複数の光電変換部を分離する画素内分離部と、
前記画素内分離部に配置されて第2のバイアス電圧が印加される画素内分離電極と、
前記生成された電荷を保持する電荷保持部と、
前記複数の光電変換部毎に配置されて前記光電変換部により生成される電荷を前記電荷保持部に転送して保持させる複数の電荷転送部と、
前記保持された電荷に基づいて画像信号を生成する画像信号生成部と、
前記生成された画像信号を処理する処理回路と
を有する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入射光の光電変換を行う光電変換部を有する画素が2次元行列状に配置される撮像素子が使用されている。この撮像素子の画素は、光電変換により生成された電荷に基づいて画像信号を生成する。この撮像素子における画素同士の間には分離領域が配置され、画素間の電荷の移動が抑制される。これにより、画像信号のノイズを低減することができる。この分離領域は、光電変換部が配置される半導体基板に形成され、隣接する画素の光電変換部同士を分離する。しかし、分離領域と接する半導体基板の界面には、界面準位が形成される。この界面準位に補足された電荷(電子)が界面準位から解放されて拡散すると暗電流を生じる。この暗電流は光電変換によらない電荷による信号電流であるため、暗電流が光電変換部の生成電荷に重畳すると、画像信号に誤差を生じる。
【0003】
そこで、分離領域を導電性の部材により構成して負極性のバイアス電圧を印加する撮像素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。負極性のバイアス電圧を印加することにより、分離領域に接する半導体基板の界面の近傍に正孔が蓄積する。この蓄積した正孔により界面準位からの電荷の移動が阻止され、暗電流を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0170229号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像レンズの焦点位置を検出してオートフォーカスを行う撮像素子では、被写体像の像面位相差を検出する画素である位相差画素が配置される。この位相差画素のうち、複数の光電変換部が1つの画素に配置される形式の位相差画素では、光電変換部同士を分離する分離部を画素内に配置する必要がある。しかしながら、上記の従来技術では、画素内の光電変換部同士を分離できないという問題がある。
【0006】
そこで、本開示では、画素に配置される複数の光電変換部同士を分離する撮像素子及び撮像装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る撮像素子は、画素と、オーバーフローパスと、画素分離部と、画素分離電極と、画素内分離部と、画素内分離電極と、電荷保持部と、複数の電荷転送部と、画像信号生成部とを有する。上記画素は、表面側に配線領域が配置される半導体基板に形成されて被写体からの入射光の光電変換を行って電荷を生成する複数の光電変換部を備える。上記オーバーフローパスは、上記複数の光電変換部同士において電荷を相互に転送する。上記画素分離部は、上記画素の境界に配置される。上記画素分離電極は、上記画素分離部に配置されて第1のバイアス電圧が印加される。上記画素内分離部は、上記複数の光電変換部を分離する。上記画素内分離電極は、上記画素内分離部に配置されて第2のバイアス電圧が印加される。上記電荷保持部は、上記生成された電荷を保持する。上記複数の電荷転送部は、上記複数の光電変換部毎に配置されて上記光電変換部により生成される電荷を上記電荷保持部に転送して保持させる。上記画像信号生成部は、上記保持された電荷に基づいて画像信号を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る画素の構成例を示す図である。
図3】本開示の第1の実施形態に係る画素の構成例を示す図である。
図4】本開示の第1の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図5A】本開示の第1の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。
図5B】本開示の第1の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。
図5C】本開示の第1の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。
図6】本開示の実施形態に係る画像信号及び位相差信号の生成の一例を示す図である。
図7A】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7B】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7C】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7D】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7E】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7F】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7G】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7H】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7I】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7J】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7K】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7L】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7M】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7N】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7O】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7P】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7Q】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7R】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図7S】本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図8】本開示の第2の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図9】本開示の第3の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図10A】本開示の第4の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。
図10B】本開示の第4の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。
図11A】本開示の第4の実施形態に係る裏面側配線の他の構成例を示す図である。
図11B】本開示の第4の実施形態に係る裏面側配線の他の構成例を示す図である。
図11C】本開示の第4の実施形態に係る画素100の構成の変形例を示す図である。
図11D】本開示の第4の実施形態に係る画素100の構成の変形例を示す図である。
図12】本開示の第5の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図13A】本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図13B】本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図13C】本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図13D】本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図13E】本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図14】本開示の第6の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図15A】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図15B】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図15C】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図15D】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図16A】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16B】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16C】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16D】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16E】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16F】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16G】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図16H】本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。
図17】本開示の第6の実施形態の第1の変形例に係る画素の構成例を示す断面図である。
図18A】本開示の第6の実施形態の第2の変形例に係る画素の構成例を示す断面図である。
図18B】本開示の第6の実施形態の第2の変形例に係る画素の構成例を示す断面図である。
図19A】本開示の第6の実施形態の第2の変形例に係る画素の他の構成例を示す断面図である。
図19B】本開示の第6の実施形態の第2の変形例に係る画素の他の構成例を示す断面図である。
図20A】本開示の変形例に係る画素の構成例を示す図である。
図20B】本開示の変形例に係る画素の構成例を示す図である。
図20C】本開示の変形例に係る画素の構成例を示す図である。
図21A】本開示の変形例に係る画素の他の構成例を示す図である。
図21B】本開示の変形例に係る画素の他の構成例を示す図である。
図22】電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。説明は、以下の順に行う。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
4.第4の実施形態
5.第5の実施形態
6.第6の実施形態
7.変形例
8.撮像装置の構成例
【0010】
(1.第1の実施形態)
[撮像素子の構成]
図1は、本開示の実施形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。本例の撮像素子1は、図1に示すように、半導体基板11例えばシリコン基板に複数の光電変換素子を含む画素100が規則的に2次元的に配列された画素領域(いわゆる撮像領域)3と、周辺回路部とを有して構成される。画素100は、光電変換素子、例えば、フォトダイオードと、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。複数の画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ(後述する電荷転送部)、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタの3つのトランジスタで構成することができる。その他、選択トランジスタを追加して4つのトランジスタで構成することもできる。画素100は、共有画素構造とすることもできる。この画素共有構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有する1つの浮遊拡散領域と、共有する1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。
【0011】
周辺回路部は、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8などを有して構成される。
【0012】
制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また撮像素子の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路8では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力する。
【0013】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線13を選択し、選択された画素駆動配線に画素を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路4は、画素領域3の各画素100を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線9を通して各画素100の光電変換素子となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号をカラム信号処理回路5に供給する。
【0014】
カラム信号処理回路5は、画素100の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素100から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路5は、画素100固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling)や、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10との間に接続されて設けられる。
【0015】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0016】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子12は、外部と信号のやりとりをする。
【0017】
[撮像素子の構成]
図2は、本開示の実施形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成例を表す回路図である。画素100は、光電変換部101及び102と、電荷保持部103及び104と、電荷転送部105及び106と、リセットトランジスタ111と、増幅トランジスタ112と、選択トランジスタ113と、オーバーフローパス107と、画素内分離電極108と、画素分離電極109とを備える。なお、リセットトランジスタ111、増幅トランジスタ112及び選択トランジスタ113により構成される回路は、画像信号生成部110を構成する。
【0018】
光電変換部101及び102は、フォトダイオードにより構成することができる。また、電荷転送部105及び106、リセットトランジスタ111、増幅トランジスタ112及び選択トランジスタ113は、nチャネルMOSトランジスタにより構成することができる。このnチャネルMOSトランジスタでは、ゲート-ソース間電圧Vgsの閾値を超える電圧をゲートに印加することにより、ドレイン-ソース間を導通させることができる。以下、このゲート-ソース間電圧Vgsの閾値を超える電圧をオン電圧と称する。また、このオン電圧を含む制御信号をオン信号と称する。制御信号は、後述する信号線TRG1等により伝達される。
【0019】
前述のように、画素100には、画素駆動配線13及び垂直信号線9が配線される。同図の画素駆動配線13には、信号線Vb1、信号線Vb2、信号線TRG1、信号線TRG2、信号線RST、信号線SELが含まれる。また、垂直信号線9には、信号線VOが含まれる。この他、画素100には、電源線Vddが配線される。この電源線Vddは、画素100に電源を供給する配線である。
【0020】
光電変換部101のアノードは接地され、カソードは電荷転送部105のソースに接続される。光電変換部102のアノードは接地され、カソードは電荷転送部106のソースに接続される。電荷転送部105のドレインは、リセットトランジスタ111のソース、増幅トランジスタ112のゲート、電荷転送部106のドレイン、電荷保持部103の一端及び電荷保持部104の一端に接続される。電荷保持部103の他の一端及び104の他の一端は接地される。リセットトランジスタ111のドレインは、電源線Vddに接続される。増幅トランジスタ112のドレインは電源線Vddに接続され、ソースは選択トランジスタ113のドレインに接続される。選択トランジスタ113のソースは、信号線VOに接続される。
【0021】
オーバーフローパス107は、光電変換部101のカソード及び光電変換部102のカソードの間に接続される。画素内分離電極108は、信号線Vb2に接続される。画素分離電極109は、信号線Vb1に接続される。電荷転送部105のゲート及び電荷転送部106のゲートには、それぞれ信号線TRG1及び信号線TRG2が接続される。リセットトランジスタ111のゲート及び選択トランジスタ113のゲートには、それぞれ信号線RST及び信号線SELが接続される。
【0022】
光電変換部101及び102は、入射光の光電変換を行うものである。この光電変換部101及び102は、後述する半導体基板120に形成されるフォトダイオードにより構成することができる。光電変換部101及び102は、露光期間において入射光の光電変換を行うとともに光電変換により生成される電荷を保持する。
【0023】
電荷保持部103及び104は、光電変換部101及び102により生成される電荷を保持するものである。同図の電荷保持部103及び104は、並列に接続される場合の例を表したものである。電荷保持部103及び104は、半導体基板120に形成される半導体領域である浮遊拡散領域(FD:Floating Diffusion)により構成することができる。
【0024】
電荷転送部105及び106は、電荷を転送するものである。電荷転送部105は光電変換部101の光電変換により生成される電荷を電荷保持部103及び104に転送し、電荷転送部106は光電変換部102の光電変換により生成される電荷を電荷保持部103及び104に転送する。この電荷転送部105及び106は、光電変換部101及び102と電荷保持部103及び104との間をそれぞれ導通させることにより、電荷を転送する。電荷転送部105及び106の制御信号は、信号線TRG1及びTRG2によりそれぞれ伝達される。
【0025】
画像信号生成部110は、電荷保持部103及び104に保持される電荷に基づいて画像信号を生成するものである。前述のように、画像信号生成部110は、リセットトランジスタ111、増幅トランジスタ112及び選択トランジスタ113により構成される。
【0026】
リセットトランジスタ111は、電荷保持部103及び104をリセットするものである。このリセットは、電荷保持部103及び104と電源線Vddとの間を導通して電荷保持部103及び104の電荷を排出することにより行うことができる。リセットトランジスタ111の制御信号は、信号線RSTにより伝達される。
【0027】
増幅トランジスタ112は、電荷保持部103及び104の電圧を増幅するものである。増幅トランジスタ112のゲートは、電荷保持部103及び104に接続されている。このため、増幅トランジスタ112のソースには、電荷保持部103及び104に保持された電荷に応じた電圧の画像信号が生成される。また、選択トランジスタ113を導通させることにより、この画像信号を信号線VOに出力させることができる。選択トランジスタ113の制御信号は、信号線SELにより伝達される。
【0028】
オーバーフローパス107は、光電変換部101及び102の間において電荷を相互に転送するものである。このオーバーフローパス107は、光電変換部101及び102の間に配置される半導体領域により構成することができる。
【0029】
画素内分離電極108は、後述する画素内分離部150に配置される電極である。この画素内分離電極108には、信号線Vb2を介して第2のバイアス電圧が印加される。後述するように、画素内分離電極108は、光電変換部101及び102の間に配置される。
【0030】
画素分離電極109は、後述する画素分離部160に配置される電極である。この画素分離電極109には、信号線Vb1を介して第1のバイアス電圧が印加される。後述するように、画素分離電極109は、光電変換部101及び102を含む画素100を囲繞する形状に構成される。
【0031】
画素100において位相差信号を生成する際には、電荷転送部105及び106が光電変換部101及び102により生成される電荷を電荷保持部103及び104に個別に転送する。この電荷の転送を個別転送と称する。その後、電荷保持部103及び104に個別に転送された電荷に基づいて画像信号生成部110により位相差信号がそれぞれ生成される。以下、位相差信号を生成するモードを位相差信号モードと称する。
【0032】
一方、画素100において画像信号を生成する際には、電荷転送部105及び106が光電変換部101及び102により生成される電荷を電荷保持部103及び104に共通に転送する。この場合、電荷保持部103及び104は、光電変換部101及び102により生成される電荷を同時にまとめて保持する。この電荷の転送をまとめ転送と称する。また、この画像信号を生成するモードを画像信号モードと称する。
【0033】
[撮像素子の平面の構成]
図3は、本開示の第1の実施形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成例を表す平面図である。同図は、半導体基板120の裏面側からみた画素100の構成を模式的に表した図である。同図の点線の矩形が画素100の領域を表す。また、白抜きの矩形は、半導体基板120に形成された半導体領域及びゲート電極を表す。画素100には光電変換部101及び102をそれぞれ構成する半導体領域121及び122が配置され、半導体領域121及び122に隣接して電荷転送部105及び106が配置される。同図には、電荷転送部105及び106のゲート電極134及び135を記載した。電荷転送部105及び106に隣接して電荷保持部103及び104を構成する半導体領域123及び124が配置される。なお、ゲート電極134及び135並びに半導体領域123及び124は、半導体基板120の表面側に配置される。
【0034】
後述する画素分離部160と画素内分離部150との間の半導体基板120には、オーバーフローパス107が配置される。同図の画素100は、2つのオーバーフローパス107a及び107bが配置される例を表したものである。オーバーフローパス107a及び107bは、それぞれ半導体領域125及び126により構成される。
【0035】
光電変換部101及び102の間には、画素内分離部150が配置される。この画素内分離部150は、光電変換部101及び102を分離するものである。この画素内分離部150には、前述の画素内分離電極108を構成する電極152が配置される。また、画素100の境界には、画素分離部160が配置される。この画素分離部160は、画素100を囲繞する形状に構成されて隣接する画素100同士を分離する。この画素分離部160には、前述の画素分離電極109を構成する電極162が配置される。
【0036】
なお、同図には、画像信号生成部110を更に記載した。同図は、画像信号生成部110が画素100以外の領域に配置される例を表したものである。同図の画素100は、信号線119により電荷保持部103及び104と接続される。
【0037】
[撮像素子の断面の構成]
図4は、本開示の第1の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、画素100の構成例を表す断面図である。同図の画素100は、半導体基板120と、絶縁膜133及び191と、配線領域140と、画素内分離部150と、画素分離部160と、画素内分離部配線181と、画素分離部配線182と、カラーフィルタ192と、遮光壁193と、平坦化膜194と、オンチップレンズ195とを備える。
【0038】
半導体基板120は、画素100の素子の拡散層が配置される半導体の基板である。この半導体基板120は、例えば、シリコン(Si)により構成することができる。光電変換部101等の素子は、半導体基板120に形成されたウェル領域に配置することができる。便宜上、同図の半導体基板120は、p型のウェル領域に構成されるものと想定する。このウェル領域にn型又はp型の半導体領域を配置することにより、素子の拡散層を形成することができる。同図には、光電変換部101及び102、電荷転送部105及び106、電荷保持部103及び104並びにオーバーフローパス107を記載した。
【0039】
光電変換部101は、n型の半導体領域121により構成される。具体的には、n型の半導体領域121及び周囲のp型のウェル領域の界面のpn接合によるフォトダイオードが光電変換部101に該当する。同様に、光電変換部102は、n型の半導体領域122により構成される。露光期間に光電変換部101及び102の光電変換により生成される電荷は、n型の半導体領域121及び122にそれぞれ蓄積される。この蓄積された電荷が、露光期間の経過後に電荷転送部105及び106により電荷保持部103及び104に転送されて保持される。なお、同図の半導体領域121及び122は、一部が半導体基板120の表面側に展延される。この展延された領域は、後述する電荷転送部105及び106のソース領域を構成する。
【0040】
また、半導体基板120の表面側に電荷保持部103及び104を構成するn型の半導体領域123及び124が配置される。これらn型の半導体領域123及び124は、比較的高い不純物濃度の半導体領域であり、前述のFDを構成する。
【0041】
また、光電変換部101及び102をそれぞれ構成するn型の半導体領域121及び122の間にオーバーフローパス107を構成する半導体領域125が配置される。この半導体領域125は、半導体領域121及び122と同じ導電型に構成され、半導体領域121及び122に隣接して配置される。半導体領域125と半導体領域121及び122との間には、電位障壁が形成される。この電位障壁を低くすることにより、半導体領域121及び122の間において電荷を移動させることができる。
【0042】
光電変換部101及び102の間には、画素内分離部150が配置される。この画素内分離部150は、絶縁部材により構成され、光電変換部101及び102を電気的に分離する。同図の画素内分離部150は、半導体基板120の裏面側に配置される例を表したものであり、半導体基板120の裏面側から形成された溝部151に酸化シリコン(SiO)等の絶縁部材を埋め込むことにより構成することができる。
【0043】
画素内分離部150には、画素内分離電極108が配置される。この画素内分離電極108は、半導体基板120に形成された溝部151の中央部に電極152を配置することにより形成することができる。電極152は、例えば、タングステンにより構成することができる。
【0044】
また、半導体基板120の表面側の光電変換部101及び102の間には、画素内分離領域127が配置される。この画素内分離領域127は、光電変換部101及び102の間の電荷の移動を防止する。画素内分離領域127は、ウェル領域と同じ導電型の比較的高い不純物濃度に構成される半導体領域により構成することができる。
【0045】
また、画素100の境界の半導体基板120には、画素分離部160が配置される。この画素分離部160は、絶縁部材により構成され、画素100同士を電気的に分離する。同図の画素分離部160は、半導体基板120の裏面側に配置される例を表したものである。また、同図の画素分離部160は、半導体基板120の表面側から形成された溝部161にSiO等の絶縁部材を埋め込むことにより構成することができる。
【0046】
画素分離部160には、画素分離電極109が配置される。この画素分離電極109は、半導体基板120に形成された溝部161の中央部に電極162を配置することにより形成することができる。電極162は、例えば、タングステンにより構成することができる。
【0047】
また、画素100の境界の半導体基板120の表面側には、分離部131が配置される。この分離部131は、半導体基板120の表面側に形成された比較的浅い溝部132に絶縁部材を埋め込むことにより構成することができる。この分離部131は、STI(Shallow Trench Isolation)と称される。分離部131は、画素分離部160に重なる位置に配置することができる。
【0048】
絶縁膜133は、半導体基板120の表面側を絶縁する膜である。この絶縁膜133は、SiOや窒化シリコン(SiN)により構成することができる。
【0049】
半導体基板120の表面側には、ゲート電極134及び135が配置される。ゲート電極134及び135は、それぞれ電荷転送部105及び106のゲートを構成する。ゲート電極134及び135は、多結晶シリコンにより構成することができる。なお、ゲート電極134及び135の下層の絶縁膜133は、ゲート絶縁膜を構成する。電荷転送部105は、半導体領域121及び半導体領域123をそれぞれソース領域及びドレイン領域とするMOSトランジスタにより構成される。同様に、電荷転送部106は、半導体領域122及び半導体領域124をそれぞれソース領域及びドレイン領域とするMOSトランジスタにより構成される。
【0050】
配線領域140は、半導体基板120の表面側に配置され、画素100の配線が配置される領域である。この配線領域140は、配線142及び絶縁層141を備える。配線142は、画素100の素子の信号等を伝達するものである。この配線142は、銅(Cu)やタングステン等の導体により構成することができる。絶縁層141は、配線142等を絶縁するものである。この絶縁層141は、例えば、SiOにより構成することができる。また、半導体基板120の半導体領域やゲート電極134と配線142との間には、コンタクトプラグ143が配置される。このコンタクトプラグ143は、柱状の金属により構成することができる。
【0051】
絶縁膜191は、半導体基板120の裏面側を絶縁するものである。この絶縁膜191は、例えば、SiOにより構成することができる。
【0052】
画素内分離部配線181及び画素分離部配線182は、半導体基板120の裏面側に配置されて画素内分離電極108及び画素分離電極109と接続される配線である。画素内分離部配線181は画素内分離電極108に接続され、画素分離部配線182は画素分離電極109に接続される。画素内分離部配線181及び画素分離部配線182は、絶縁膜191に形成された開口部189を介して画素内分離電極108及び画素分離電極109と接続される。画素内分離部配線181及び画素分離部配線182は、タングステン等の金属により構成することができる。
【0053】
カラーフィルタ192は、入射光のうちの所定の波長の光を透過する光学的なフィルタである。カラーフィルタ192には、例えば、赤色光、緑色光及び青色光を透過するカラーフィルタを使用することができる。
【0054】
遮光壁193は、画素100の境界のカラーフィルタ192の領域に配置されて隣接する画素100からの入射光を遮光するものである。また、平坦化膜194は、カラーフィルタ192の表面を平坦化する膜である。
【0055】
オンチップレンズ195は、入射光を集光するレンズである。このオンチップレンズ195は、半球形状に構成され、入射光を光電変換部101及び102に集光する。
【0056】
同図の画素100は、半導体基板120の裏面側に照射された入射光により撮像を行う。このような画素100を備える撮像素子1は、裏面照射型の撮像素子と称される。
【0057】
画素内分離部150及び画素分離部160は、半導体基板120に埋め込まれて構成される。この画素内分離部150及び画素分離部160と接する半導体基板120の界面には、前述のように界面準位が形成され、暗電流の原因となる。そこで、この半導体基板120の界面の近傍に正孔が蓄積された電荷蓄積領域を形成し、暗電流の影響を低減する。この電荷蓄積領域は、画素内分離電極108及び画素分離電極109に負のバイアス電圧を印加することにより形成することができる。このバイアス電圧の絶対値を高くすることにより、電荷蓄積領域の幅を増加させることができる。界面準位の影響をより低減することができる。
【0058】
一方、バイアス電圧の絶対値を高くして電荷蓄積領域を増加させると、光電変換部101及び102の飽和電荷量が低下する。電荷を蓄積可能な半導体領域が減少するためである。画素分離部160は、画素100を囲繞する形状に構成されるため、画素分離電極109のバイアス電圧の変化に対する飽和電荷量への影響が大きくなる。この画素分離電極109のバイアス電圧は、例えば、半導体基板120を構成するSiのバンドギャップに相当する電圧、例えば、-1.4Vにすることができる。また、画素分離電極109に印加するバイアス電圧は、光電変換部101及び102に対する所望の電荷の蓄積容量(後述する飽和電荷量)や画素分離部160を構成する絶縁部材の厚さに応じて調整し、Siのバンドギャップに相当する電圧とは異なる電圧、例えば、-1.2Vにすることもできる。また、画素分離部160等に電荷蓄積領域が形成された後にバイアス電圧の絶対値を低くすることもできる。
【0059】
なお、画素内分離電極108のバイアス電圧は、画素分離電極109のバイアス電圧と同じ電圧にすることができる。また、画素内分離電極108のバイアス電圧を画素分離電極109のバイアス電圧と異なる電圧にすることもできる。以下、画素分離電極109及び画素内分離電極108のバイアス電圧をそれぞれ第1のバイアス電圧及び第2のバイアス電圧と称する。
【0060】
前述のように、光電変換部101及び102は、露光期間に光電変換を行って電荷を生成し、自身の半導体領域121及び122にそれぞれ蓄積する。この半導体領域121等に蓄積可能な電荷量は、飽和電荷量と称される。この飽和電荷量を超えて生成される電荷は、半導体領域121及び122から溢れて電荷保持部103及び104に移動する。この電荷保持部103及び104に移動した電荷は、リセットにより排出される。
【0061】
光電変換部101及び102の生成電荷量が異なる場合、半導体領域121及び122にそれぞれ蓄積される電荷量も異なる値となる。例えば、製造工程におけるばらつきにより、オンチップレンズ195が光電変換部101の方にずれて配置された場合には、光電変換部101において多くの電荷が生成されて蓄積される。露光期間中にこの蓄積電荷量が飽和電荷量に達すると、光電変換部101において電荷溢れを生じる。一方、光電変換部102は、蓄積電荷量が飽和電荷量に達していないため、電荷の蓄積が継続される。この状況は、前述のまとめ転送を行う画像信号モードにおいて問題となる。まとめ転送では、光電変換部101及び102により生成された電荷が加算されるため、光電変換部101の電荷溢れを生じた時点において加算後の電荷量の増加が鈍化してしまい、画像信号の直線性が損なわれるためである。
【0062】
そこで、オーバーフローパス107を配置し、光電変換部101の蓄積電荷量が飽和電荷量に達する前に光電変換部102に電荷を移動させる。これにより、画像信号の直線性を維持することができる。画素内分離電極108に負極性の第2のバイアス電圧を印加することによりオーバーフローパス107の電位障壁を調整することができる。例えば、画素内分離電極108に-0.5Vの第2のバイアス電圧を印加することにより、オーバーフローパス107の電位障壁を低くすることができる。光電変換部101及び102との間において電荷を相互に転送することが可能となる。
【0063】
一方、個別転送を行う位相差信号モードにおいては、オーバーフローパス107の電位障壁を高くして光電変換部101及び102の間の電荷の移動を制限する。これにより、光電変換部101及び102の飽和電荷量が増加する。位相差信号の振幅を高くすることができ、像面位相差の検出範囲を広くすることができる。位相差信号モードにおける第2のバイアス電圧は、例えば、-2Vにすることができる。
【0064】
[裏面側配線の構成]
図5A-5Cは、本開示の第1の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。同図は、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182の構成例を表す図である。
【0065】
図5Aは、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182が、画素内分離電極108と同じ向きに配置される例を表した図である。
【0066】
図5Bは、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182が、画素内分離電極108と異なる向きに配置される例を表した図である。
【0067】
図5Cは、画素100の境界における画素内分離部配線181及び画素分離部配線182の断面の構成を表した図である。画素100の境界には、遮光壁193が配置される。この遮光壁193は、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182を覆う形状に構成される。また、遮光壁193は、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182の配置有無に応じて厚さが調整される。これにより、遮光壁193の表面を平坦にすることができる。
【0068】
なお、同図の画素内分離部配線181及び画素分離部配線182は、半導体基板120を貫通する貫通ビアにより配線領域140の配線142と接続することができる。この貫通ビアは、図1において説明した画素領域3の外側の領域に配置することができる。
【0069】
[画像信号及び位相差信号の生成]
図6は、本開示の実施形態に係る画像信号及び位相差信号の生成の一例を示す図である。同図は、画素100における画像信号及び位相差信号の生成の一例を表すタイミング図である。
【0070】
同図の「RST」、「SEL」、「TRG1」及び「TRG2」は、それぞれ信号線RST、信号線SEL、信号線TRG1及び信号線TRG2の信号を表す。これらは、2値化された制御信号の波形を表し、値「1」の部分がオン信号の伝達される領域を表す。また、「Vb1」は、信号線Vb1により伝達される第1のバイアス電圧を表す。また、「Vb2」は、信号線Vb2により伝達される第2のバイアス電圧を表す。また、破線は、0Vのレベルを表す。また、「VO」は、信号線VOの出力を表す。同図の前半は位相差信号モードの手順を表し、後半は画像信号モードの手順を表す。
【0071】
位相差信号モードの初期状態において、信号線RST、信号線SEL、信号線TRG1及び信号線TRG2には、値「0」が印加される。また、信号線Vb2には、-2Vのバイアス電圧を印加する。なお、位相差信号モードの全期間において、信号線Vb1には-1.2Vのバイアス電圧が印加される。
【0072】
T1において、信号線RST、TRG1及びTRG2にオン信号を印加する。これにより、リセットトランジスタ111、電荷転送部105及び106が導通し、光電変換部101及び102並びに電荷保持部103及び104がリセットされる。また、信号線Vb2に0Vのバイアス電圧が印加される。オーバーフローパス107の電位障壁が低くなり、電荷が排出される。
【0073】
T2において、信号線RST、TRG1及びTRG2へのオン信号の印加が停止される。これにより、露光期間が開始され、光電変換部101及び102に光電変換により生成された電荷が蓄積される。また、信号線Vb2のバイアス電圧は、-2Vに戻る。
【0074】
T3において、信号線SELにオン信号が印加される。信号線SELへのオン信号の印加は、画素部3の1行分の画素100の位相差信号の出力まで継続する。
【0075】
T4において、信号線RSTにオン信号が印加され、電荷保持部103及び104がリセットされる。また、信号線Vb2に0Vのバイアス電圧が印加される。T6において、露光期間が終了する。
【0076】
T5において、信号線RSTへのオン信号の印加が停止される。また、信号線Vb2のバイアス電圧は、-2Vに戻る。次のT6までの期間においてリセット時の画像信号aが信号線VOから出力される。
【0077】
T6において、信号線TRG1にオン信号が印加される。電荷転送部105が導通し、光電変換部101に蓄積された電荷が電荷保持部103及び104に転送される。
【0078】
T7において、信号線TRG1へのオン信号の印加が停止される。次のT8までの期間において、光電変換部101の電荷に応じた画像信号bが信号線VOから出力される。画像信号a及び画像信号bにより前述のCDSが実行され、位相差信号が生成される。
【0079】
T8において、信号線RSTにオン信号が印加され、電荷保持部103及び104がリセットされる。また、信号線Vb2に0Vのバイアス電圧が印加される。
【0080】
T9において、信号線RSTへのオン信号の印加が停止される。また、信号線Vb2のバイアス電圧は、-2Vに戻る。
【0081】
T10において、信号線TRG2にオン信号が印加される。電荷転送部106が導通し、光電変換部102に蓄積された電荷が電荷保持部103及び104に転送される。
【0082】
T11において、信号線TRG2へのオン信号の印加が停止される。その後、光電変換部102の電荷に応じた画像信号cが信号線VOから出力される。上述の画像信号a及び画像信号cによりCDSが実行され、2つ目の位相差信号が生成される。
【0083】
このように、位相差信号モードにおいて2つの位相差信号を生成することができる。次に、画像信号モードを説明する。
【0084】
画像信号モードの初期状態において、信号線RST、信号線SEL、信号線TRG1及び信号線TRG2には、値「0」が印加される。また、信号線Vb2には、-0.3Vのバイアス電圧を印加する。なお、画像信号モードの全期間において、信号線Vb1には-1.4Vのバイアス電圧が印加される。
【0085】
T12において、信号線RST、TRG1及びTRG2にオン信号を印加する。これにより、リセットトランジスタ111、電荷転送部105及び106が導通し、光電変換部101及び102並びに電荷保持部103及び104がリセットされる。また、信号線Vb2に0Vのバイアス電圧が印加される。
【0086】
T13において、信号線RST、TRG1及びTRG2へのオン信号の印加が停止される。また、信号線Vb2のバイアス電圧は、-0.3Vに戻る。これにより、露光期間が開始され、光電変換部101及び102に光電変換により生成された電荷が蓄積される。
【0087】
T14において、信号線SELにオン信号が印加される。信号線SELへのオン信号の印加は、画素部3の1行分の画素100の画像信号の出力まで継続する。
【0088】
T15において、信号線RSTにオン信号が印加され、電荷保持部103及び104がリセットされる。また、信号線Vb2に0Vのバイアス電圧が印加される。T15において、露光期間が終了する。
【0089】
T16において、信号線RSTへのオン信号の印加が停止される。また、信号線Vb2のバイアス電圧は、-0.3Vに戻る。次のT17までの期間においてリセット時の画像信号dが信号線VOから出力される。
【0090】
T17において、信号線TRG1及びTRG2にオン信号が印加される。電荷転送部105及び106が導通し、光電変換部101及び102に蓄積された電荷が電荷保持部103及び104に転送される。
【0091】
T18において、信号線TRG1及びTRG2へのオン信号の印加が停止される。その後、光電変換部101及び102の電荷に応じた画像信号eが信号線VOから出力される。画像信号d及び画像信号eによりCDSが実行され、画像信号が生成される。
【0092】
以上の手順により、位相差信号及び画像信号を生成することができる。なお、上述の信号線Vb1及びVb2のバイアス電圧は、例として記載したものであり、他の電圧のバイアス電圧を適用することもできる。
【0093】
[撮像素子の製造方法]
図7A-7Sは、本開示の第1の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。同図は、撮像素子1の製造工程の一例を表す図である。
【0094】
まず、半導体基板120にウェル領域を形成し、半導体領域121(不図示)等を形成する(図7A)。
【0095】
次に、半導体基板120の表面側の分離部131を配置する領域に溝部132を形成する。これは、ドライエッチングにより行うことができる。次に、溝部132に絶縁膜509を配置する(図7B)。これは、CVD(Chemical Vapor Deposition)等を使用してSiO等の絶縁部材を溝部132に埋め込み、表面を平坦化することにより行うことができる。
【0096】
次に、半導体基板120の表面側の画素分離部160を配置する領域に溝部161を形成する(図7C)。これは、ドライエッチングにより行うことができる。
【0097】
次に、溝部161の壁面に絶縁部材を配置して画素分離部160を形成する(図7D)。これは、CVD等を使用してSiO等の膜を成膜することにより行うことができる。
【0098】
次に、溝部161に電極162を配置して画素分離電極109を形成する(図7E)。これは、CVD等を使用してタングステン等の膜を成膜することにより行うことができる。
【0099】
次に、画素分離電極109の表面側をエッチングにより除去し、開口部501を形成する(図7F)。
【0100】
次に、開口部501に絶縁部材を配置して分離部131を形成する(図7G)。これは、CVD等を使用してSiO等の膜を成膜することにより行うことができる。
【0101】
次に、半導体基板120の表面側に、画素内分離領域127を形成する(図7H)。これは、イオン注入により行うことができる。
【0102】
次に、半導体基板120の表面側に絶縁膜133(不図示)やゲート電極134及び135(不図示)を形成する。次に、配線領域140を形成する(図7I)。
【0103】
次に、半導体基板120の天地を反転して裏面側を研削し、薄肉化する。半導体基板120の研削は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により行うことができる。これにより、画素分離部160及び画素分離電極109が半導体基板120の裏面側に露出する形状になる(図7J)。
【0104】
次に、半導体基板120の裏面側の画素内分離部150を配置する領域に溝部151を形成する(図7K)。これは、ドライエッチングにより行うことができる。
【0105】
次に、溝部151の壁面に絶縁部材を配置して画素内分離部150を形成する(図7L)。これは、CVD等を使用してSiO等の膜を成膜することにより行うことができる。
【0106】
次に、溝部151に電極152を配置して画素内分離電極108を形成する(図7M)。これは、CVD等を使用してタングステン等の膜を成膜することにより行うことができる。
【0107】
次に、半導体基板120の裏面側に絶縁膜191を配置する(図7N)。これは、CVD等を使用してSiO等の膜を成膜することにより行うことができる。
【0108】
次に、画素内分離電極108及び画素分離電極109に隣接する絶縁膜191に開口部199を形成する(図7O)。
【0109】
次に、開口部199を含む半導体基板120の裏面側に、画素内分離部配線181等の材料膜502を配置する(図7P)。これは、CVD等を使用してタングステンの膜を成膜することにより行うことができる。
【0110】
次に、材料膜502をエッチングして画素内分離部配線181及び画素分離部配線182を形成する(図7Q)。
【0111】
次に、半導体基板120の裏面側の画素100の境界に遮光壁193を配置する(図7R)。
【0112】
次に、半導体基板120の裏面側に、カラーフィルタ192を形成する(図7S)。その後、平坦化膜194及びオンチップレンズ195を配置する。以上の工程により、撮像素子1を製造することができる。
【0113】
このように、本開示の第1の実施形態の撮像素子1は、画素100に画素内分離部150を配置して画素100に配置される光電変換部101及び102を分離することができる。この画素内分離部150に画素内分離電極108を配置してバイアス電圧を印加することにより、電荷蓄積領域を形成し、暗電流を低減することができる。
【0114】
(2.第2の実施形態)
上述の第1の実施形態の撮像素子1は、画素100の境界に画素分離部160が配置されていた。これに対し、本開示の第2の実施形態の撮像素子1は、画素100の半導体基板120を貫通する形状の画素分離部160が配置される点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0115】
[撮像素子の断面の構成]
図8は、本開示の第2の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、図4と同様に、画素100の構成例を表す断面図である。同図の画素100は、半導体基板120を貫通する形状の画素分離部160を備える点で、図4の画素100と異なる。
【0116】
同図の画素分離部160及び画素分離電極109は、半導体基板120を貫通する形状に構成される。なお、分離部131は、画素分離部160の一部を構成する。画素分離電極109が半導体基板120を貫通する形状のため、画素100の境界の電荷蓄積領域の範囲を広くすることができる。なお、同図の画素分離電極109は、図7F及び7Gの工程を省略することにより形成することができる。
【0117】
これ以外の撮像素子1の構成は本開示の第1の実施形態における撮像素子1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
このように、本開示の第2の実施形態の撮像素子1は、半導体基板120を貫通する形状の画素分離部160及び画素分離電極109を備える。これにより、画素100の境界の電荷蓄積領域を広くすることができ、暗電流を更に低減することができる。
【0119】
(3.第3の実施形態)
上述の第2の実施形態の撮像素子1は、半導体基板120の裏面側に画素分離電極109の配線が配置されていた。これに対し、本開示の第3の実施形態の撮像素子1は、画素分離電極109の配線が半導体基板120の表面側に配置される点で、上述の第2の実施形態と異なる。
【0120】
[撮像素子の断面の構成]
図9は、本開示の第3の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、図8と同様に、画素100の構成例を表す断面図である。同図の画素100は、画素分離部配線182の代わりにコンタクトプラグ143及び配線142が画素分離電極109に接続される点で、図8の画素100と異なる。
【0121】
画素分離電極109は、半導体基板120を貫通する形状に構成される。このため、画素分離電極109に隣接する絶縁膜133に開口部を形成してコンタクトプラグ143を配置し、配線142と接続することができる。同図の画素分離電極109は、配線領域140の配線142を介して第1のバイア電圧が印加される。同図の画素100は、画素分離部配線182を省略することができる。
【0122】
これ以外の撮像素子1の構成は本開示の第2の実施形態における撮像素子1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
このように、本開示の第3の実施形態の撮像素子1は、配線領域140のコンタクトプラグ143及び配線142を使用して画素分離電極109に第1のバイア電圧を印加する。画素分離部配線182を省略することができ、画素100の構成を簡略化することができる。
【0124】
(4.第4の実施形態)
上述の第1の実施形態の撮像素子1は、タングステン等の金属により構成される画素内分離部配線181及び画素分離部配線182を使用していた。これに対し、本開示の第4の実施形態の撮像素子1は、透明な部材により構成される裏面側配線を使用する点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0125】
[裏面側配線の構成]
図10A及び10Bは、本開示の第4の実施形態に係る裏面側配線の構成例を示す図である。同図は、図5A及び5Bと同様に、裏面側配線の構成例を表す平面図である。同図の画素100は、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182の代わりに画素内分離部配線183及び画素分離部配線184を備える点で、図5A及び5Bと異なる。
【0126】
画素内分離部配線183及び画素分離部配線184は、透明導電膜等の透明な部材により構成される配線である。画素内分離部配線183は画素内分離電極108に接続され、画素分離部配線184は画素分離電極109に接続される。画素内分離部配線183及び画素分離部配線184は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、In、ZnO(Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)及びIGZO(In-Ga-Zn-O)により構成することができる。
【0127】
図10Aは画素内分離部配線183及び画素分離部配線184が、画素内分離電極108と同じ向きに配置される例を表し、図10Bは画素内分離部配線183及び画素分離部配線184が、画素内分離電極108と異なる向きに配置される例を表す。
【0128】
[裏面側配線の他の構成]
図11A及び11Bは、本開示の第4の実施形態に係る裏面側配線の他の構成例を示す図である。同図は、図10A及び10Bと同様に、裏面側配線の構成例を表す平面図である。同図の画素内分離部配線183は、画素分離部配線184と異なる幅に構成される点で、図10A及び10Bの画素内分離部配線183と異なる。
【0129】
同図の画素内分離部配線183は、画素100の裏側の広い範囲を覆う形状に構成される。通常、透明導電膜は、金属膜と比較して導電率が低くなる。このため、画素内分離部配線183は、金属膜により構成される画素内分離部配線181より高い抵抗値となる。図6に表したように、第2のバイアス電圧は、頻繁に電圧が変化する。この第2のバイアス電圧を伝達する画素内分離部配線183の抵抗値が高い場合、遅延時間が増加するとともに、画素100毎の第2のバイアス電圧に差異を生じる。このため、画像信号にムラを生じることとなる。
【0130】
そこで、図11A及び11Bに表したように、画素内分離部配線183を幅広に構成する。これにより、画素内分離部配線183を低抵抗化することができ、第2のバイアス電圧の伝達の遅延時間を短縮することができる。
【0131】
[変形例]
図11C及び11Dは、本開示の第4の実施形態に係る画素100の構成の変形例を示す図である。同図の画素内分離電極108は、画素内分離領域127とは異なる方向に配置され、光電変換部101及び102の境界と垂直な方向に配置される例を表したものである。この画素内分離電極108により入射光を光電変換部101等の領域に反射することができる。画素100の変換効率を向上させることができる。
【0132】
これ以外の撮像素子1の構成は本開示の第1の実施形態における撮像素子1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0133】
このように、本開示の第4の実施形態の撮像素子1は、画素100に透明な部材により構成される画素内分離部配線183及び画素分離部配線184を備える。これにより、光電変換部101への入射光量を増加させることができる。画素100の感度を向上させることができる。
【0134】
(5.第5の実施形態)
上述の第1の実施形態の撮像素子1は、半導体基板120の裏面側に配置される画素内分離部150及び画素分離部160を備えていた。これに対し、本開示の第5の実施形態の撮像素子1は、半導体基板120の両面に画素内分離部及び画素分離部を備える点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0135】
[撮像素子の断面の構成]
図12は、本開示の第5の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、図4と同様に、画素100の構成例を表す断面図である。同図の画素100は、画素内分離領域127の代わりに画素内分離部154が配置され、画素分離部164が更に配置される点で、図4の画素100と異なる。
【0136】
画素内分離部154は、半導体基板120の表面側に配置される画素内分離部である。この画素内分離部154は、半導体基板120の表面側から形成された溝部155に絶縁部材を埋め込むことにより形成することができる。また、画素内分離部154には、画素内分離電極108を更に配置することができる。なお、画素内分離部150及び画素内分離部154にそれぞれ配置される画素内分離電極108を符号「a」及び「b」を付記して区別する。画素内分離電極108bは、溝部155の中央部に配置された電極156により構成することができる。
【0137】
また、同図の画素分離部160は、半導体基板120の表面側に配置される。半導体基板120の裏面側の画素100の境界には、画素分離部164が配置される。この画素分離部164は、半導体基板120の裏面側から形成された溝部165に絶縁部材を埋め込むことにより形成することができる。また、画素分離部164には、画素分離電極109を更に配置することができる。なお、画素分離部160及び画素分離部164にそれぞれ配置される画素分離電極109を符号「a」及び「b」を付記して区別する。画素分離電極109bは、溝部165の中央部に配置された電極166により構成することができる。
【0138】
また、同図の画素100は、オーバーフローパス107a及び107bを備える。オーバーフローパス107aは、画素内分離部150と画素分離部164との間に配置される半導体領域125により構成されるオーバーフローパスである。オーバーフローパス107bは、画素内分離部150及び154の間に配置される半導体領域128により構成されるオーバーフローパスである。なお、オーバーフローパス107a及び107bは、何れか一方を配置する構成にすることもできる。
【0139】
画素内分離電極108bには、画素内分離電極108aと同じ第2のバイアス電圧を印加することができる。また、画素内分離電極108bに、画素内分離電極108aとは異なる第2のバイアス電圧を印加することもできる。
【0140】
画素分離電極109aには画素分離部配線184が接続される。一方、画素分離電極109bには、配線領域140のコンタクトプラグ143及び配線142を接続することができる。画素分離電極109bには、画素分離電極109aと同じ第1のバイアス電圧を印加することができる。また、画素分離電極109bに、画素分離電極109aとは異なる第1のバイアス電圧を印加することもできる。
【0141】
同図の画素100は、半導体基板120の両面に画素内分離電極108a及び108b並びに画素分離電極109a及び109bを備える。これらに印加するバイアス電圧をそれぞれ調整することにより、光電変換部101及び102の飽和電荷量及び暗電流の調整を半導体基板120の両面のそれぞれにおいて行うことができる。
【0142】
なお、画素内分離部154は、特許請求の範囲に記載の第2の画素内分離部の一例である。画素内分離電極108bは、特許請求の範囲に記載の第2の画素内分離電極の一例である。同図の画素分離部160は、特許請求の範囲に記載の第2の画素分離部の一例である。同図の画素分離電極109bは、特許請求の範囲に記載の第2の画素分離電極の一例である。
【0143】
[撮像素子の製造方法]
図13A-13Eは、本開示の第5の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。同図は、本開示の第5の実施形態に係る撮像素子1の製造工程のうちの画素内分離部150及び154並びに画素分離部160及び164の部分の製造工程の一例を表す図である。
【0144】
まず、半導体基板120の表面側に溝部161及び155を形成する。次に、溝部161及び155の壁面に絶縁部材を配置して画素内分離部154及び画素分離部160を形成する。次に、溝部161及び155に導電部材を配置して電極156及び162を形成する(図13A)。
【0145】
次に、半導体基板120の表面側に配線領域140を形成する。次に、半導体基板120の天地を反転し、半導体基板120の裏面側を研削する(図13B)。
【0146】
次に、半導体基板120の裏面側に溝部151及び165を形成する(図13C)。
【0147】
次に、溝部151及び165の壁面に絶縁部材を配置して画素内分離部150及び画素分離部164を形成する(図13D)。
【0148】
次に、溝部151及び165に導電部材を配置して電極156及び162を形成する(図13E)。
【0149】
これ以外の撮像素子1の構成は本開示の第1の実施形態における撮像素子1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0150】
このように、本開示の第5の実施形態の撮像素子1は、半導体基板120の両面に画素内分離電極108a及び108b並びに画素分離電極109a及び109bを備える。これらに印加するバイアス電圧をそれぞれ調整することが可能となり、印加するバイアス電圧を最適化することができる。
【0151】
(6.第6の実施形態)
上述の第1の実施形態の撮像素子1は、金属の電極152及び162により構成される画素内分離電極108及び画素分離電極109を使用していた。これに対し、本開示の第6の実施形態の撮像素子1は、透明導電膜の電極により構成される画素内分離電極108及び画素分離電極109を使用する点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0152】
[撮像素子の断面の構成]
図14は、本開示の第6の実施形態に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、図4と同様に、画素100の構成例を表す断面図である。同図の画素100は、電極152の代わりに電極157が配置され、電極162の代わりに電極167が配置される点で、図4の画素100と異なる。
【0153】
同図の画素内分離電極108は、電極157により構成される。また、同図の画素分離電極109は、電極167により構成される。これらの電極157及び167は、透明導電膜等の透明な部材により構成される。この透明導電膜には、図10Aにおいて説明した部材を適用することができる。
【0154】
なお、撮像素子1の構成は、この例に限定されない。例えば、画素内分離部配線181及び画素分離部配線182の代わりに図10Aにおいて説明した画素内分離部配線183及び画素分離部配線184を配置することもできる。
【0155】
[撮像素子の製造方法]
図15A-15Dは、本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の一例を示す図である。同図は、本開示の第6の実施形態に係る撮像素子1の製造工程のうちの画素内分離部150及び画素分離部160の部分の製造工程の一例を表す図である。
【0156】
まず、半導体基板120の表面側に溝部161を形成する。次に、溝部161の壁面に絶縁部材を配置して画素分離部160を形成する(図15A)。
【0157】
次に、溝部161に透明導電膜を配置して電極167を形成する(図15B)。次に、半導体基板120に画素内分離領域127を形成し、半導体基板120の表面側に配線領域140を形成する。次に、半導体基板120の天地を反転し、半導体基板120の裏面側を研削する。次に、半導体基板120の裏面側に溝部151を形成する(図15C)。
【0158】
次に、溝部151の壁面に絶縁部材を配置して画素内分離部150を形成する。次に溝部151に透明導電膜を配置して電極157を形成する(図15D)。
【0159】
以上の工程では、図15Bに表したように、半導体基板120の表面側に形成された溝部151に透明導電膜の電極167が配置される。このため、以降の工程に低温プロセスを適用する必要がる。透明導電膜は、耐熱性が低いためである。
【0160】
[撮像素子の他の製造方法]
図16A-16Hは、本開示の第6の実施形態に係る撮像素子の製造方法の他の例を示す図である。同図は、本開示の第6の実施形態に係る撮像素子1の製造工程のうちの画素内分離部150及び画素分離部160の部分の製造工程の他の例を表す図である。
【0161】
まず、半導体基板120の表面側に溝部161を形成する。次に、溝部161の壁面に絶縁部材を配置して画素分離部160を形成する。次に、溝部161に仮電極510を配置する。この仮電極510は、例えば、多結晶シリコンにより構成することができる(図16A)。
【0162】
次に、半導体基板120に画素内分離領域127を形成し、半導体基板120の表面側に配線領域140を形成する。次に、半導体基板120の天地を反転し、半導体基板120の裏面側を研削する。(図16B)。
【0163】
次に、溝部151の仮電極510をエッチングにより除去する(図16C)。次に、溝部151にレジスト511を配置する(図16D)。
【0164】
次に、半導体基板120の裏面側に溝部151を形成する(図16E)。次に、溝部151の壁面に絶縁部材を配置して画素内分離部150を形成する(図16F)。
【0165】
次に溝部161のレジスト511を除去する(図16G)。次に、溝部151及び161に透明導電膜を配置して電極157及び167を形成する(図16H)。
【0166】
図16A-16Hに表した製造工程では、図16Aに表したように、半導体基板120の表面側に形成された溝部161に仮電極510が配置される。この仮電極510は、多結晶シリコンにより構成される。この多結晶シリコンは、高い耐熱性を有する部材である。このため、以降の工程に高温プロセス、例えば、半導体基板120の熱酸化による絶縁膜の形成のプロセスを適用することができる。
【0167】
[第1の変形例]
図12において説明した撮像素子1は、金属により構成される電極152及び156並びに電極162及び166を使用していたが、透明導電膜による電極を使用することもできる。
【0168】
[撮像素子の断面の構成]
図17は、本開示の第6の実施形態の第1の変形例に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、図12と同様に、画素100の構成例を表す図である。同図の画素100は、電極152及び156の代わりに電極157及び158が配置され、電極162及び166の代わりに電極167及び168が配置される点で、図12の画素100と異なる。電極157及び158並びに電極167及び168は、透明導電膜による電極である。
【0169】
[第2の変形例]
図17において説明した撮像素子1は、電極157及び158並びに電極167及び168に、透明導電膜による電極を使用していたが、一部の電極のみを透明導電膜により構成することもできる。
【0170】
[撮像素子の断面の構成]
図18A及び18Bは、本開示の第6の実施形態の第2の変形例に係る画素の構成例を示す断面図である。同図は、簡略化した画素100の構成例を表す図である。図18Aの画素100は、半導体基板120の裏面側に透明導電膜による電極157及び168が配置される例を表した図である。また、図18Bは、半導体基板120の表面側に透明導電膜による電極158及び167が配置される例を表した図である。
【0171】
[撮像素子の断面の他の構成]
図19A及び19Bは、本開示の第6の実施形態の第2の変形例に係る画素の他の構成例を示す断面図である。同図は、図18A及び18Bと同様に、簡略化した画素100の構成例を表す図である。図19Aの画素100は、画素内分離電極108a及び108bに透明導電膜による電極157及び158が配置される例を表したものである。また、図19Bは、画素分離電極109a及び109bに透明導電膜による電極167及び168が配置される例を表した図である。
【0172】
これ以外の撮像素子1の構成は本開示の第1の実施形態における撮像素子1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0173】
このように、本開示の第6の実施形態の撮像素子1は、透明な部材により構成された画素内分離電極108及び画素分離電極109にバイアス電圧を印加する。
【0174】
(7.変形例)
上述の第1の実施形態の撮像素子1は、画素内分離電極108及び画素分離電極109を使用していたが、これらと異なる形状の画素内分離電極108及び画素分離電極109を使用することもできる。
【0175】
[画素内分離電極及び画素分離電極の構成]
図20A-20Cは、本開示の変形例に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100における画素内分離電極108及び画素分離電極109の構成例を表す図である。
【0176】
図20Aは、半導体基板120の平面視において2つに分割された電極152により構成される画素内分離電極108を表す図である。2つの電極152の間にオーバーフローパス107を配置することができる。同図の画素100においては、半導体基板120を貫通する形状の画素内分離電極108及び画素分離電極109を配置することができる。また、図12に表した、半導体基板120の表面側及び裏面側に分割された画素内分離電極108及び画素分離電極109を配置することもできる。
【0177】
図20Bは、半導体基板120の平面視において2以上に分割された電極152により構成される画素内分離電極108を表した図である。これら複数の電極152の間にオーバーフローパス107を配置することができる。また、電極152と画素分離電極109を構成する電極152の間にオーバーフローパス107を配置することもできる。同図の画素100においては、半導体基板120を貫通する形状の画素内分離電極108及び画素分離電極109を配置することができる。また、図12に表した、半導体基板120の表面側及び裏面側に分割された画素内分離電極108及び画素分離電極109を配置することもできる。
【0178】
図20Cは、半導体基板120の平面視において画素分離電極109を構成する電極162に当接する形状の電極152により構成される画素内分離電極108を表した図である。同図の画素100においては、半導体基板120を貫通する形状の画素分離電極109や半導体基板120の表面側及び裏面側に分割された画素分離電極109を配置することができる。一方、同図の画素100においては、半導体基板120の表面側及び裏面側に分割された画素内分離電極108を配置する。この場合、オーバーフローパス107は、表面側及び裏面側に分割された画素内分離電極108の間に配置する。
【0179】
[画素分離電極の構成]
図21A及び22Bは、本開示の変形例に係る画素の他の構成例を示す図である。同図は、画素100における画素分離電極109の構成例を表す図である。
【0180】
図21Aは、半導体基板120の平面視において八角形の形状の電極162により構成される画素分離電極109の例を表した図である。電極162を八角形にすることにより、電極162に第1のバイア電圧を印加した際の画素100の隅部への電界の集中を軽減することができる。なお、画素100の隅部には、貫通ビア171を配置することができる。この貫通ビア171は、半導体基板120を貫通する形状のビアプラグであり、配線領域140の配線142に接続されるビアプラグである。この貫通ビア171を画素内分離部配線181及び画素分離部配線182に接続することにより、貫通ビア171を介して第1のバイア電圧及び第2のバイアス電圧を供給することができる。
【0181】
図21Bは、半導体基板120の平面視において角部を丸めた形状の電極162により構成される画素分離電極109の例を表した図である。図21Aの電極162と同様に、第1のバイア電圧を印加した際の画素100の隅部への電界の集中を軽減することができる。
【0182】
これ以外の撮像素子1の構成は本開示の第1の実施形態における撮像素子1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0183】
(8.撮像装置の構成例)
上述したような撮像素子1は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像システム、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0184】
図22は、電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。図22に示すように、撮像装置701は、光学系702、撮像素子703、DSP(Digital Signal Processor)704を備えており、バス707を介して、DSP704、表示装置705、操作系706、メモリ708、記録装置709、および電源系710が接続されて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0185】
光学系702は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの像光(入射光)を撮像素子703に導き、撮像素子703の受光面(センサ部)に結像させる。
【0186】
撮像素子703としては、上述したいずれかの構成例の撮像素子1が適用される。撮像素子703には、光学系702を介して受光面に結像される像に応じて、一定期間、電子が蓄積される。そして、撮像素子703に蓄積された電子に応じた信号がDSP704に入力される。
【0187】
DSP704は、撮像素子703からの信号に対して各種の信号処理を施して画像を取得し、その画像のデータを、メモリ708に一時的に記憶させる。メモリ708に記憶された画像のデータは、記録装置709に記録されたり、表示装置705に供給されて画像が表示されたりする。また、操作系706は、ユーザによる各種の操作を受け付けて撮像装置701の各ブロックに操作信号を供給し、電源系710は、撮像装置701の各ブロックの駆動に必要な電力を供給する。
【0188】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0189】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
表面側に配線領域が配置される半導体基板に形成されて被写体からの入射光の光電変換を行って電荷を生成する複数の光電変換部を備える画素と、
前記複数の光電変換部同士において電荷を相互に転送するオーバーフローパスと、
前記画素の境界に配置される画素分離部と、
前記画素分離部に配置されて第1のバイアス電圧が印加される画素分離電極と、
前記複数の光電変換部を分離する画素内分離部と、
前記画素内分離部に配置されて第2のバイアス電圧が印加される画素内分離電極と、
前記生成された電荷を保持する電荷保持部と、
前記複数の光電変換部毎に配置されて前記光電変換部により生成される電荷を前記電荷保持部に転送して保持させる複数の電荷転送部と、
前記保持された電荷に基づいて画像信号を生成する画像信号生成部と
を有する撮像素子。
(2)
前記画素内分離電極は、前記オーバーフローパスの電位障壁を調整するための前記第2のバイアス電圧が印加される前記(1)に記載の撮像素子。
(3)
前記複数の電荷転送部は、前記複数の光電変換部によりそれぞれ生成される電荷を前記電荷保持部に共通に転送して前記電荷保持部に前記複数の光電変換部により生成される電荷を同時にまとめて保持させるまとめ転送と前記複数の光電変換部によりそれぞれ生成される電荷を前記電荷保持部に個別に転送する個別転送とを行い。
前記画像信号生成部は、前記まとめ転送により前記電荷保持部にまとめて保持された電荷に基づいて前記画像信号を生成するとともに前記個別転送により前記電荷保持部に個別に保持されたそれぞれの電荷に基づいて前記被写体を瞳分割して像面位相差を検出するための複数の位相差信号を生成する
前記(1)又は(2)に記載の撮像素子。
(4)
前記オーバーフローパスは、前記画素内分離部及び前記画素分離部の間に配置される前記(1)から(3)の何れかに記載の撮像素子。
(5)
前記画素は、複数の前記画素内分離部を備え、
前記オーバーフローパスは、複数の前記画素内分離部の間に配置される
前記(1)から(4)の何れかに記載の撮像素子。
(6)
前記画素内分離電極は、前記まとめ転送により転送される電荷が生成される際と前記個別転送により転送される電荷が生成される際とにおいて異なる前記第2のバイアス電圧が印加される前記(3)に記載の撮像素子。
(7)
前記画素内分離電極は、前記光電変換部における前記電荷の蓄積容量を調整するための前記第2のバイアス電圧が印加される前記(1)から(6)の何れかに記載の撮像素子。
(8)
前記画素内分離部は、前記半導体基板の裏面側に配置される前記(1)から(7)の何れかに記載の撮像素子。
(9)
前記画素における前記半導体基板の表面側に配置されて前記複数の光電変換部を分離する半導体領域である画素内分離領域を更に有する前記(8)に記載の撮像素子。
(10)
前記半導体基板の表面側に配置される前記画素内分離部である第2の画素内分離部と、
前記第2の画素内分離部に配置される前記画素内分離電極である第2の画素内分離電極と
を更に有する前記(8)に記載の撮像素子。
(11)
前記第2の画素内分離電極は、前記画素内分離電極とは異なる前記第2のバイアス電圧が印加される前記(10)に記載の撮像素子。
(12)
前記半導体基板の裏面側に配置されて前記画素内分離電極に前記第2のバイアス電圧を印加する画素内分離部配線を更に有する前記(8)に記載の撮像素子。
(13)
前記画素内分離部配線は、透明な部材により構成される前記(12)に記載の撮像素子。
(14)
前記画素内分離部配線は、前記複数の光電変換部を覆う形状に構成される前記(13)に記載の撮像素子。
(15)
前記画素内分離部及び前記画素内分離電極は、前記半導体基板を貫通する形状に構成される前記(1)から(14)の何れかに記載の撮像素子。
(16)
前記画素分離電極は、前記光電変換部における前記電荷の蓄積容量を調整するための前記第1のバイアス電圧が印加される前記(1)から(15)の何れかに記載の撮像素子。
(17)
前記画素分離部は、前記半導体基板の裏面側に配置される前記(1)から(16)の何れかに記載の撮像素子。
(18)
前記半導体基板の表面側に配置される前記画素分離部である第2の画素分離部と、
前記第2の画素分離部に配置される前記画素分離電極である第2の画素分離電極と
を更に有する前記(17)に記載の撮像素子。
(19)
前記半導体基板の裏面側に配置されて前記画素分離部に前記第1のバイアス電圧を伝達する画素分離部配線を更に有する前記(17)に記載の撮像素子。
(20)
前記画素分離部及び前記画素分離電極は、前記半導体基板を貫通する形状に構成される前記(1)から(19)の何れかに記載の撮像素子。
(21)
前記画素内分離電極は、透明な部材により構成される前記(1)から(20)の何れかに記載の撮像素子。
(22)
前記画素分離電極は、透明な部材により構成される前記(1)から(21)の何れかに記載の撮像素子。
(23)
表面側に配線領域が配置される半導体基板に形成されて被写体からの入射光の光電変換を行って電荷を生成する複数の光電変換部を備える画素と、
前記複数の光電変換部同士において電荷を相互に転送するオーバーフローパスと、
前記画素の境界に配置される画素分離部と、
前記画素分離部に配置されて第1のバイアス電圧が印加される画素分離電極と、
前記複数の光電変換部を分離する画素内分離部と、
前記画素内分離部に配置されて第2のバイアス電圧が印加される画素内分離電極と、
前記生成された電荷を保持する電荷保持部と、
前記複数の光電変換部毎に配置されて前記光電変換部により生成される電荷を前記電荷保持部に転送して保持させる複数の電荷転送部と、
前記保持された電荷に基づいて画像信号を生成する画像信号生成部と、
前記生成された画像信号を処理する処理回路と
を有する撮像装置。
【符号の説明】
【0190】
1、703 撮像素子
5 カラム信号処理回路
100 画素
101、102 光電変換部
103、104 電荷保持部
105、106 電荷転送部
107、107a、107b オーバーフローパス
108、108a、108b 画素内分離電極
109、109a、109b 画素分離電極
110 画像信号生成部
120 半導体基板
127 画素内分離領域
131 分離部
150、154 画素内分離部
152、156~158、162、166、167 電極
160、164 画素分離部
181、183 画素内分離部配線
182、184 画素分離部配線
701 撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図7M
図7N
図7O
図7P
図7Q
図7R
図7S
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22