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特開2022-148873情報検索装置、情報検索方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148873
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】情報検索装置、情報検索方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/332 20190101AFI20220929BHJP
【FI】
G06F16/332
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050720
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小澤 健夫
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA09
5B175FA01
5B175GA04
(57)【要約】
【課題】辞書検索時に見出し語の情報として一部不明でも、その他に検索の補助となる他の情報の入力を用いて所望の説明情報を取得する。
【解決手段】複数種類の絞り込み情報に対応する説明情報を記憶した辞書データ記憶領域22bと、一部の内容が不明であることを示す記号を含んだ第1の種類(文字)の絞り込み情報を入力するキー入力部14と、キー入力部14で入力した第1の種類の絞り込み情報とは異なる第2の種類(音声)の絞り込み情報を入力する音声入力部16と、入力された文字の絞り込み情報と音声の絞り込み情報とに基づいて、辞書データ記憶領域22bを検索して対応する説明情報の候補を取得する制御部21とを備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部と、
前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記判別部により前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、
ことを特徴とする情報検索装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記第2の入力領域に入力された第2の種類の絞り込み情報に当該第2の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報検索装置。
【請求項3】
前記第1の種類の絞り込み情報および前記第2の種類の絞り込み情報は、キーボード操作による文字入力、音声入力、手書き文字入力のうちの少なくとも2つにより入力された情報である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報検索装置。
【請求項4】
所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御工程と、
前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別工程と、
を有し、
前記表示制御工程は、前記判別工程で前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、
ことを特徴とする情報検索方法。
【請求項5】
所定の記憶部を備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、前記コンピュータを、
前記記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部と、
前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部と、
して機能させ、
前記表示制御部は、前記判別部により前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索装置、情報検索方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の電子辞書では、スペルの一部が不明である場合でも、ワイルドカード[*]による検索が可能である。また、ワイルドカードによる検索とは別に、類似する発音記号を有する他の単語をジャンプ検索する技術について提案されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-040045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
調べたい外国語の単語のスペルの一部が不明であるが、その単語の発音自体は覚えている場合などに、その発音内容を活用して当該外国語用の辞書から所望する単語を検索する手法が求められていた。
【0005】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、辞書検索時に見出し語の情報として一部が不足していても、その他に検索の補助となる他の情報の入力を用いて所望の説明情報を取得することが可能な情報検索装置、情報検索方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部と、前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部と、を備え、
前記表示制御部は、前記判別部により前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、辞書検索時に見出し語の情報として一部が不足していても、その他に検索の補助となる他の情報の入力を用いて所望の説明情報を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電子辞書の外観構成を示す図。
図2】同実施形態に係る電子辞書の電子回路の機能構成を示すブロック図。
図3】同実施形態に係る第1の動作例で検索対象の英単語の候補を表示するまでの処理内容を示すフローチャート。
図4】同実施形態に係る第1の動作例での辞書検索の画面遷移を例示する図。
図5】同実施形態に係る第1の動作例で使用する発音記号テーブルの内容の一部を例示する図。
図6】同実施形態に係る第2の動作例で検索対象の漢字の候補を表示するまでの処理内容を示すフローチャート。
図7】同実施形態に係る第2の動作例での画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を電子辞書に適用した場合の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[構成]
図1は、同実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図である。なお、本実施形態は、以下に説明する電子辞書10として構成されるだけでなく、辞書機能を備えたタブレット型のPC(Personal Computer)、スマートフォン、電子ブック、携帯ゲーム機、通信ネットワーク上のサーバなどとしても構成され得る。
【0010】
電子辞書10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、[ホーム]キー14a、機能指定キー14b、文字入力キー14c、[決定]キー14d、[戻る]キー14e、[BOX]キー14f、カーソル移動キー14g、[シフト]キー14hなどを含むキー入力部14(ハードウェアキー)、音声出力部(スピーカを含む)15および音声入力部(マイクロホンを含む)16、などが設けられる。
【0011】
また、蓋体ケース12の表面には、タッチパネル式表示部17が設けられる。タッチパネル式表示部17は、電子辞書10のユーザがペンや手指でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置とが一体となった構造であり、バックライト付の液晶画面に透明のタッチパネルを積層して構成される。
【0012】
キー入力部14の[ホーム]キー14aは、キー入力部14にホーム画面を表示させるためのキーである。特に図示されないが、本電子辞書10の初期設定あるいはユーザ操作に応じて登録された複数のアイコンが表示される。各アイコンは、当該アイコンの表記に対応する機能を実現するための図面や記号である。例えば、辞書コンテンツや学習コンテンツを利用する機能(アプリケーション)を直接起動させるアプリケーションアイコンや、1つのカテゴリに属する複数の機能のアイコンの一覧画面を表示させるグループアイコンを含む。
【0013】
キー入力部14の機能指定キー14bは、各キーに表記されている辞書コンテンツなどを直接指定するためのキーである。機能指定キー14bには、辞書コンテンツのカテゴリをあえて特定しない[複数辞書]キー、同カテゴリを指定するキー([国語]キー、[古語]キー、[漢和]キー、[英英和]キーなど)と、辞書コンテンツを一覧表示させる[コンテンツ一覧]キー、ツールの1つのカテゴリである[学習帳]キーを含む。
【0014】
また、キー入力部14のキーは、[シフト]キー14hが操作された後に続けて操作されることで、そのキートップに枠囲みなしで表記されたキーとしてではなく、枠囲みして表記されたキーとして機能する。例えば、[シフト]キー14hの操作の後に[削除]キーが操作されると、[削除]キーではなく[設定]キーとして機能する。
【0015】
図1では、[英英和辞典]が選択され、タッチパネル式表示部17の上部に位置する見出し語入力部41において、3つ並んだ単語入力タグ(ABC)41A、例文入力タグ41B、成句入力タグ41Cのうちの単語入力タグ41Aがタッチ操作により選択された状態を示す。その直下部の文字列入力部41D(第1の入力領域)に、見出し語となる文字列[t*m](第1の種類の絞り込み情報)が入力されている。文字列入力部41D内にはさらに、見出し語を音声で入力するための音声入力ボタン41E、手書き文字入力を併用するための[手書き]ボタン41F、さらなる別の単語入力を行うための[abc]ボタン41G、入力した見出し語による検索を実行させるための[検索]ボタン41Hが右端側に揃えて表示され、それぞれのタッチ操作が可能となる。
【0016】
また見出し語入力部41の下側では、[文字数がわかっていてスペリングが不明な時]にその文字に代えて記号[?]を入力すること、および[文字数もスペリングも不明な時]に連続した数文字分のスペリングがわからない部分に記号[*]を入力すること、がガイドメッセージとして表示されている。
【0017】
前述したように文字列入力部41Dでは、ガイドメッセージにしたがって、文字数もスペリングも不明であることを示す記号[*]を含んだ英単語[t*m]が入力された状態を示している。
【0018】
図2は、電子辞書10の電子回路の機能構成を示すブロック図である。
電子辞書10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:Central Processing Unit)21を備える。制御部21は、フラッシュROMなどの記憶部22に予め記憶された制御プログラムに従って回路各部の動作を制御する。CPU等のプロセッサは1つでも2つ以上でも良い。
【0019】
なお、制御プログラムおよび後述する辞書データの少なくとも一方は、メモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶されても良いし、通信部25を介して外部の図示しないネットワーク上のウェブサーバ等からダウンロードされたものを記憶部22に記憶しても良い。
【0020】
制御部21には、データバスおよび制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、キー入力部14、音声出力部15、音声入力部16、タッチパネル式表示部17を接続する。
【0021】
記憶部22は、本電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の機器と通信接続するための通信プログラムのほか、検索処理プログラム記憶領域22a、辞書データ記憶領域22b、検索履歴記憶領域22c、作業データ記憶領域22dなど、本電子辞書10により各種の機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する記憶領域が確保される。
【0022】
検索処理プログラム記憶領域22aは、辞書データ記憶領域22b(所定の記憶部)に辞書データとして記憶される各種の辞書コンテンツ(英英和辞典/英和辞典/和英辞典/英英辞典/国語辞典/百科事典/…)に基づいて、ユーザ所望の見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報を検索して表示させるための制御プログラムや、見出し語の文字入力以外の入力に応じた検索を実行する際に使用する各種テーブル記憶領域22a1などを記憶する領域である。
検索履歴記憶領域22cには、ユーザ操作に応じた検索に従い、見出し語とその説明情報が検索結果として表示される際に、検索対象とされた見出し語がその検索回数の情報とともに検索履歴として記憶される。
【0023】
作業データ記憶領域22dには、制御部21による制御プログラムに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部21により取得、あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時的に記憶(保持)される。
【0024】
通信部25は、例えば無線PAN(Personal Area Network)技術の1つであるBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)規格に基づいて、周囲に存在する同様の電子辞書などの外部機器と無線接続するほか、無線ルータなどを介して外部の図示しないネットワーク上のウェブサーバ等と無線接続して、制御プログラムなどをダウンロードする。
【0025】
[動作]
次に本実施形態の動作について説明する。
[第1の動作例]
本動作例では、電子辞書10のユーザが、図1に示した状態から、さらにスペルのわからない英単語の発音を音声入力した場合に、制御部21が実行する検索動作を説明する。
【0026】
図3は、制御部21が検索処理プログラム記憶領域22aに記憶されたプログラムに従って、検索対象の英単語の候補を表示するまでの処理内容を示すフローチャートである。その当初に制御部21は、タッチパネル式表示部17の文字列入力部41D(第1の入力領域)を表示させて、文字入力、例えば[t*m](第1の種類の絞り込み情報)を受付ける(ステップS101)。即ち、制御部21は、所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部として機能する。
【0027】
制御部21は、入力される文字列中に「?」「*」が含まれているか否かにより、少なくともスペリングの一部が不明であるか否かを判断する(ステップS102)。即ち、制御部21は、第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部として機能する。
入力された文字列「t*m」である場合、「*」を含んでいると判断し(ステップS102のYES)、制御部21は文字列入力部41Dの下部に音声入力部42(第2の入力領域)を表示させる(ステップS103)。音声入力部42においては、その先頭位置にスピーカマーク42Aを表示し、このマークにユーザがタッチ操作を行うか否かにより、ユーザが音声入力を行う意思があるかを判断する(ステップS104)。
【0028】
スピーカマーク42Aがタッチ操作された場合(ステップS104のYES)、ユーザが音声入力を行う意思があるものとして、制御部21は、音声入力部による音声入力を受付ける(ステップS105)。
【0029】
制御部21は、一定の音圧以上で入力される一連の音声データを音声入力部16から作業データ記憶領域22dに送ってバッファ記憶させた後、音声データを音声解析処理して音素の時系列データに変換する(ステップS106)。
【0030】
制御部21は、その音素の時系列データに基づいて、各種テーブル記憶領域22a1に記憶される発音記号テーブルを参照して対応する発音記号を検索する(ステップS107)。
【0031】
図5は、各種テーブル記憶領域22a1に記憶される発音記号テーブルの内容の一部を例示するものである。カナで表される発音と対応する発音記号が列挙されており、図示されている如く、複数の発音記号が1つのカナに対応している場合が多い。
【0032】
制御部21は、各音素のカナ毎に得られる1乃至複数の発音記号を用い、次に各種テーブル記憶領域22a1に記憶される類似発音テーブルを参照して発音の候補を導出し、導出結果を音声入力部42に表示する(ステップS108)。
【0033】
図4(A)は、電子辞書10のユーザが音声入力した内容に基づいて、音声入力部42で入力された音声に対応するカナ表記[ターム]の文字列(第2の種類の絞り込み情報)が表示された状態を例示する図である。
【0034】
その後に制御部21は、キー入力部14の[決定]キー14dの操作がなされるのを繰り返し判断することで、単語の検索が指示されるのを待機する(ステップS109)。
【0035】
ステップS109において、[決定]キー14dが操作されたと判断した時点で(ステップS109のYES)、制御部21は少なくとも文字入力を含む入力条件に基づいて、単語の検索を行なう(ステップS110)。
【0036】
文字列の入力[t*m]と音声の入力[ターム]があった場合、制御部21は、辞書データ記憶領域22bに記憶される英単語中で先頭の文字が[t]、末尾の文字が[m]で、文字数は問わないがその間に何らかの文字が存在するものを検索する。さらに制御部21は、その検査結果に対して、発音がカタカナ表記で[ターム]に相当するものとして単語の候補を絞り込む。
【0037】
なお、入力された文字列中に[?]があった場合には、文字数も合わせて勘案して単語の候補を検索する。
【0038】
制御部21は、複数の入力条件がある場合の絞り込みで数が減少され、ユーザが所望している可能性が高い単語の候補をタッチパネル式表示部17においてリスト表示し(ステップS111)、以上でこの図3の処理を終了する。当該リスト表示中の候補が選択されると、その候補の単語の説明情報を表示する状態に移行する
図4(B)は、検索の結果として、タッチパネル式表示部17の左側画面で2つの単語[term(名詞)][term(動詞)]が表示されており、デフォルトとして先頭側の単語[term(名詞)]が仮に選択されている状態を示す。画面右側44では、仮に選択されている単語[term(名詞)]の説明情報の一部が表示可能な範囲で表示されるものとなる。
【0039】
またステップS102において、入力された文字列中に「?」「*」がいずれも含まれておらず、スペリングの一部が不明ではないと判断した場合(ステップS102のNO)、およびステップS104において、音声入力部42のスピーカマーク42Aがタッチ操作されず、ユーザは音声入力を行う意思がないと判断した場合(ステップS104のNO)、制御部21は、直接ステップS110に進んで、入力された文字列のみによる単語の検索を実行する。
【0040】
特にステップS104において、音声入力部42のスピーカマーク42Aがタッチ操作されず、ユーザが音声入力を行う意思がないと判断した場合には、入力された文字列中に一部が不明であることを示す「?」または「*」があるにも拘わらず、他の種類で単語を絞り込むための入力がないこととなる。そのため、ユーザが所望している可能性が低い他の単語も候補として同時に挙げられる可能性が高く、結果として音声を入力しない場合に比して、検索の効率が低下する。
【0041】
なお第1の動作例では、音声入力された発音に対し、発音記号テーブルおよび類似発音テーブルを用いてをカナ文字で表記した発音の候補を得るものとしたが、テーブルの構成により、導出される結果をあえて複数とすることも考えられる。例えば、発音[ターム]に対する結果として複数のカナ表記[ターム][タイム]を取得するものとして該当する候補を検索するものとしてもよい。このように、元の発音に含まれる微妙な個人差、例えば英国系の一部で[エイ]が[アイ]([ゲイト[gate]]が[ガイト]と発音されるなど)の相違を許容して検索を実行できる。
【0042】
[第2の動作例]
本動作例では、電子辞書10のユーザが漢字辞典を選択した状態で、タッチパネル式表示部17により一部の部首が不明である漢字を手書き入力した場合に、読みの文字列の入力を併用して漢字候補を表示させる際の動作について説明する。手書き入力中の不明である部首部分には、所定の記号[?]を用いるものとする。
【0043】
図6は、制御部21が検索処理プログラム記憶領域22aに記憶されたプログラムに従って、検索対象の漢字の候補を表示するまでの処理内容を示すフローチャートである。その当初に制御部21は、タッチパネル式表示部17で手書き入力部52(第1の入力領域)を表示させて、手書きでの文字入力を受付ける(ステップS201)。即ち、制御部21は、所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部として機能する。
【0044】
制御部21は、手書き入力後に、併記される[認識]ボタンが操作されると、入力された漢字に対する文字解析処理を実行する(ステップS202)。
【0045】
制御部21は、解析結果に従って、手書き入力された漢字中に記号[?]の部首が含まれていたか否かを判断する(ステップS203)。即ち、制御部21は、第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部として機能する。
【0046】
手書き入力された漢字に記号[?]の部首が含まれていなかった場合(ステップS203のNO)、制御部21は文字解析の結果に基づいて類似度の高い漢字の候補をタッチパネル式表示部17でリスト表示し(ステップS208)、以上で図6の処理を終える。
【0047】
タッチパネル式表示部17でリスト表示された漢字の候補中のいずれかがタッチ操作された場合、その漢字に関する説明情報を辞書データ記憶領域22bから読出してタッチパネル式表示部17で表示する。
【0048】
またステップS203において、記号[?]の部首が含まれていたと判断した場合(ステップS203のYES)、制御部21はタッチパネル式表示部17で読みの文字列入力部51(第2の入力領域)を表示して、当該漢字に対する読みを入力する状態に自動的に移行する(ステップS204)。
【0049】
この入力状態で、制御部21は読みの文字列入力部51への文字入力を受付ける(ステップS205)。
【0050】
文字入力後に[決定]キー14dが操作されると、制御部21は、受付けた読みの入力文字(第2の種類の絞り込み情報)中に、記号[*][?]の少なくとも一方が含まれているか否かを判断する(ステップS206)。
【0051】
記号[*][?]のいずれも含まれていないと判断した場合(ステップS206のNO)、制御部21は、読みの入力文字と、文字解析した結果から記号[?]の部首を除いた部分とに従って、類似度の高い漢字候補を絞り込む(ステップS209)。
【0052】
そして、絞り込んだ漢字候補をタッチパネル式表示部17でリスト表示し(ステップS208)、以上で図6の処理を終える。
【0053】
またステップS206において、受付けた読みの文字中に記号[*][?]の少なくとも一方が含まれていたと判断した場合(ステップS206のYES)、制御部21は読みの入力文字中の記号[*][?]を除いた文字およびその位置と、文字解析した結果から記号[?]の部首を除いた部分とに従って、類似度の高い漢字候補を絞り込む(ステップS207)。
【0054】
図7は、手書き入力部52にて、[魚]偏に対応する旁(つくり)の部分に記号[?]が入力され、続いて表示させた読みの文字列入力部51において読み[*ゆ]が入力された状態を例示する図である。
【0055】
このような2つの入力があった場合、制御部21は、辞書データ記憶領域22bに記憶される漢字辞典データ中で[魚]偏を有する漢字中、読みの末尾が[ゆ]となるものを候補として絞り込む処理を実行した上で(ステップS207)、絞り込んだ漢字候補をタッチパネル式表示部17でリスト表示して(ステップS208)、以上で図6の処理を終える。
【0056】
このように、部首の一部が不明であることを示す記号を含んだ漢字の手書き入力に加えて、一部が不明な読みの入力を組み合わせて漢字候補を絞り込むものとしたので、単に漢字の部首の一部が不明である場合に比して、漢字候補の検索をより効率的に実行できる。
【0057】
[実施形態の効果]
以上詳述した如く本実施形態によれば、辞書検索時に見出し語の情報として一部が不足していても、その他に検索の補助となる他の情報の入力を用いて所望の説明情報を取得することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態では、キー入力部14を操作しての文字入力、音声入力部16による音声入力、タッチパネル式表示部17での手書き文字入力、のうちの2つの組み合わせにより、見出し語となる情報の入力を行なうものとしたので、例えば電子辞書などの情報検索装置における既存のハードウェア構造に対して追加の負担なしに対応できる。
【0059】
その他、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0060】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部と、
前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記判別部により前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、
ことを特徴とする情報検索装置。
[請求項2]
前記判別部は、前記第2の入力領域に入力された第2の種類の絞り込み情報に当該第2の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報検索装置。
[請求項3]
前記第1の種類の絞り込み情報および前記第2の種類の絞り込み情報は、キーボード操作による文字入力、音声入力、手書き文字入力のうちの少なくとも2つにより入力された情報である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報検索装置。
[請求項4]
所定の記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御工程と、
前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別工程と、
を有し、
前記表示制御工程は、前記判別工程で前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、
ことを特徴とする情報検索方法。
[請求項5]
所定の記憶部を備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、前記コンピュータを、
前記記憶部から情報を検索するための検索条件として第1の種類の絞り込み情報を入力可能な第1の入力領域を表示させる表示制御部と、
前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されているか否かを判別する判別部と、
して機能させ、
前記表示制御部は、前記判別部により前記第1の入力領域に入力された第1の種類の絞り込み情報に当該第1の種類の絞り込み情報が不完全であることを示す情報が付されていると判別された場合に、追加の検索条件として第2の種類の絞り込み情報を入力可能な第2の入力領域を表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0061】
10…電子辞書
11…本体ケース
12…蓋体ケース
13…ヒンジ部
14…キー入力部
14a…[ホーム]キー
14b…機能指定キー
14c…文字入力キー
14d…[決定]キー
14e…[戻る]キー
14f…[BOX]キー
14g…カーソル移動キー
14h…[シフト]キー
15…音声出力部
16…音声入力部
17…タッチパネル式表示部
21…制御部(CPU)
22…記憶部
22a…検索処理プログラム記憶領域
22a1…各種テーブル記憶領域
22b…辞書データ記憶領域
22c…検索履歴記憶領域
22d…作業データ記憶領域
23…外部記録媒体
24…記録媒体読取部
25…通信部
41…見出し語入力部
41A…単語入力タグ
41B…例文入力タグ
41C…成句入力タグ
41D…文字列入力部
41E…音声入力ボタン
41F…[手書き]ボタン
41G…[abc]ボタン
41H…[検索]ボタン
42…音声入力部
51…文字列入力部
52…手書き入力部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7