(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148923
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】線材コイル集積装置及び線材コイル集積方法
(51)【国際特許分類】
B21C 47/04 20060101AFI20220929BHJP
B21C 47/24 20060101ALI20220929BHJP
B21C 47/28 20060101ALI20220929BHJP
B65H 54/78 20060101ALI20220929BHJP
B65H 54/80 20060101ALI20220929BHJP
B65H 67/04 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B21C47/04
B21C47/24 B
B21C47/28 A
B65H54/78
B65H54/80 A
B65H67/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050794
(22)【出願日】2021-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健吾
【テーマコード(参考)】
3F057
3F112
4E026
【Fターム(参考)】
3F057BA01
3F057BD03
3F057BD07
3F112AA01
3F112BB01
3F112EB02
3F112ED02
3F112ED03
3F112FA02
4E026AA01
4E026BA09
4E026DA02
4E026DA08
4E026DA17
4E026FA08
(57)【要約】
【課題】セイルリフトの修復コストの低減化を図ることができるとともに、コイル内径部に疵などが発生しない高品質の線材コイルを集積することができる線材コイル集積装置を提供する。
【解決手段】リング状に搬送されてきた線材コイルCが上部から導入されるチャンバー3と、チャンバー内の上部に配置され、導入された線材コイルを上部から通すノーズコーン6と、チャンバー内に昇降自在に配置され、ノーズコーンから落下してきた線材コイルを集積するコイルプレート8と、ノーズコーンの下部及びコイルプレートの間の上下方向に延在して配置され、ノーズコーンから落下してくる線材コイルのコイル内径部をリフト表面に接触させて線材コイルがコイルプレートの中央に落下するように誘導するセイルリフト5と、を備えている。セイルリフトは、芯材10と、芯材に着脱自在に固定された表面材11と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状に搬送されてきた線材コイルが上部から導入されるチャンバーと、
前記チャンバー内の上部に配置され、導入された前記線材コイルを上部から通すノーズコーンと、
前記チャンバー内に昇降自在に配置され、前記ノーズコーンから落下してきた前記線材コイルを集積するコイルプレートと、
前記ノーズコーンの下部及び前記コイルプレートの間の上下方向に延在して配置され、前記ノーズコーンから落下してくる前記線材コイルのコイル内径部を誘導するセイルリフトと、を備えており、
前記セイルリフトは、芯材と、前記芯材に着脱自在に固定された表面材と、を備えていることを特徴とする線材コイル集積装置。
【請求項2】
前記表面材は、前記芯材の周方向を分割して覆っている複数の周方向分割プレートで構成されていることを特徴とする請求項1記載の線材コイル集積装置。
【請求項3】
前記複数の周方向分割プレートは、前記芯材の長尺方向を分割して覆っている複数の長尺方向分割プレートで構成されていることを特徴とする請求項2記載の線材コイル集積装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の線材コイル集積装置を使用した線材コイル集積方法において、
落下してくる前記線材コイルのコイル内径部との接触により前記表面材の前記リフト表面に損傷が発生したときに、少なくとも前記損傷が発生した前記表面材を前記芯材から取り外し、新たな表面材を前記芯材に取付けることを特徴とする線材コイル集積方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材コイル集積装置及び線材コイル集積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
線材コイル製造ラインでは、線材圧延機で圧延された線材が、レイングヘッドで連続したリング状の線材コイルに成形され、コンベア上で展開されながら搬送されていき、コイル集積装置に集積されていく。
従来のコイル集積装置として、導入した線材コイルのコイル内径部に疵を発生させずに集積する装置が知られている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1のコイル集積装置は、筒状体の内部に、ステム底体と、ステム底体から複数の棒状体を立設して形成されたステムと、ステム底体から昇降してステムの棒状体の間から突出する昇降セイルと、を備えている。そして、コンベアから落下してきた線材コイルの内径部がステムに挿入され、ステム底体から昇降する昇降セイルが、線材コイルに疵や曲がりを発生させずにステム底体上に集積するようにしている。
【0004】
また、特許文献2のコイル集積装置は、上部ガイドセグメント及び中間ガイドセグメントを設けた入側ガイドと、上端にノーズコーンが装着されており、入側ガイドの中心位置にノーズコーンが位置するように移動自在に配置された芯部材と、芯部材の周囲に径方向に移動可能なコイル外径ガイド棒と、芯部材を遊挿して上下動するコイルプレートと、を備えている。そして、コンベアから落下してきた線材コイルは、ノーズコーンでコイル内径側が規制され、入側カイドの上部ガイドセグメント及び中間ガイドセグメントでコイル外径側が規制され、芯部材とコイル外径ガイド棒との間に入ってコイルプレート上に集積させることで、線材コイルに疵を発生させず安定した荷姿でコイルプレート上に集積するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-10767号公報
【特許文献2】実開平03-126217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のコイル集積装置は、コンベアから落下する線材コイルのコイル内径部がステムに連続して接触することで摩耗箇所が生じ、その摩耗箇所が変形してバリが発生する場合がある。ステムにバリが発生した状態で線材コイルの集積作業を行うと、落下する線材コイルがバリに接触し、コイル内径部に疵が発生するおそれがある。また、集積した線材コイルをステムから抜き取る際にも、線材コイルのコイル内径部がステムのバリに引っ掛かり、線材コイルをステムから正常に抜き取ることができない。
【0007】
また、特許文献2のコイル集積装置も、コンベアから落下する線材コイルの一部が芯部材に連続して接触することで摩耗箇所が生じ、その摩耗箇所が変形してバリが発生する場合がある。このように、芯部材にバリが発生した状態で線材コイルの集積作業を行うと、落下する線材コイルが芯部材のバリに接触し、コイル内径部に疵が発生する。また、集積した線材コイルを芯部材から抜き取る際にも、線材コイルのコイル内径部が芯部材のバリに引っ掛かり、線材コイルを芯部材から正常に抜き取ることができない。
【0008】
そこで、特許文献1ではステムに摩耗箇所が発生した時点でステム全体を新品部材に交換、特許文献2では芯部材に摩耗箇所が発生した時点で芯部材全体を新品部材に交換することで、線材コイルの内面疵の防止、或いは、線材コイルから正常な抜き取りを行うことができる。
しかし、特許文献1のステム全体の交換、特許文献2の芯部材全体の交換は、部材交換のコストが大幅に増大する。また、部材交換のための作業時間が長時間となるので、メンテナンスコストも増大する。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、セイルリフトの修復コストの低減化を図りながら、コイル内径部に疵などが発生しない高品質の線材コイルを集積することができる線材コイル集積装置及び線材コイル集積方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る線材コイル集積装置は、リング状に搬送されてきた線材コイルが上部から導入されるチャンバーと、チャンバー内の上部に配置され、導入された線材コイルを上部から通すノーズコーンと、チャンバー内に昇降自在に配置され、ノーズコーンから落下してきた線材コイルを集積するコイルプレートと、ノーズコーンの下部及びコイルプレートの間の上下方向に延在して配置され、ノーズコーンから落下してくる線材コイルのコイル内径部を誘導するセイルリフトと、を備えており、セイルリフトは、芯材と、芯材に着脱自在に固定された表面材とを備えている。
【0011】
また、本発明の一態様に係る線材コイル集積方法は、上記の線材コイル集積装置を使用した線材コイル集積方法において、落下してくる線材コイルのコイル内径部との接触により表面材のリフト表面に損傷が発生したときに、少なくとも損傷が発生した表面材を芯材から取り外し、新たな表面材を芯材に取付ける方法である。ここで、損傷とは、線材コイルのコイル内径部が連続的に接触することにより発生する摩耗などである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る線材コイル集積装置及び線材コイル集積方法によると、セイルリフトの修復コストの低減化を図ることができるとともに、コイル内径部に疵などが発生しない高品質の線材コイルを集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る線材コイル集積装置を示す概略構成図である。
【
図2】線材コイル集積装置を構成するセイルリフトの構造を示す斜視図である。
【
図3】セイルリフトを構成する表面材が複数の周面プレートで構成され、各周面プレートが複数の分割プレートで構成され、各分割プレートが着脱自在に固定されている状態を示す図である。
【
図4】チャンバーの開口部から落下した線材コイルが、ノーズコーン及びセイルリフトに接触しながらコイルプレート上に集積されている状態を示す図である。
【
図5】コイルプレートに集積された線材コイルがバケットに移送される状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
図1は、本発明に係る1実施形態の線材コイルCを集積する線材コイル集積装置1と、線材コイル集積装置1に隣接配置され、集積した線材コイルCを他の場所に搬送するバケット2と、を示すものである。
線材コイル集積装置1は、上部に開口部3aを設けた円筒形状のチャンバー3と、チャンバー3内の開口部3a近くの上部に配置したブレード4と、チャンバー3内を昇降自在に立設されているとともに、チャンバー3の外に配置されているバケット2まで移動可能なセイルリフト5と、チャンバー3内を上昇したセイルリフト5の最上部が同軸に連結するノーズコーン6と、チャンバー3内に向けて前進・後退するアイリス7と、チャンバー3内を昇降するコイルプレート8と、を備えている。また、チャンバー3の開口部3a近くには、線材コイル製造ラインの上流でリング状に成形された線材コイルCを、水平に倒した状態でチャンバー3に導入するコンベア9が配置されている。
【0016】
セイルリフト5は、
図2に示すように、一般構造用圧延鋼材SS400を素材として形成されており、横断面長方形状とされて長尺方向を上下方向に延在している芯材10と、芯材10の長尺方向の周囲を囲みながら芯材10に固定されている表面材11と、で構成されている。
表面材11は、四角筒形状をなして芯材10の長尺方向の周囲を囲む第1~第4周面プレート12,13,14,15で構成されている。
第1周面プレート12は、同一の直方体形状の分割プレート12a~12fが、芯材10の長手方向に沿って連続して配置されることで構成されている。他の第2~第4プレート13~15も、長尺方向の寸法を等分に分割した複数の直方体形状の分割プレート13a~13f,14a~14f,15a~15fが芯材10の長手方向に沿って連続して配置されることで構成されている(
図2において分割プレート13b~13fは図示していない)。
【0017】
次に、芯材10と第1~第4周面プレート12,13,14,15との具体的な固定構造について
図2及び
図3を参照して説明する。
図3は、芯材10の周囲を四角筒形状で囲んでいる第1周面プレート12を構成する分割プレート12a、第2周面プレート13を構成する分割プレート13a、第3周面プレート14を構成する分割プレート13a及び第4周面プレート15を構成する分割プレート15aである。
【0018】
分割プレート12a及び分割プレート14aは、芯材10の短尺側面10a,10bに当接した状態でH型に配置される。また、分割プレート12a,14aの表面中央部にザグリ穴16が形成され、ザグリ穴16の底にねじ穴17が形成され、芯材10のねじ穴17に対応する位置にねじ穴18が形成されている。そして、ザグリ穴16から挿入した固定ボルト19のねじ部をねじ穴17,18にねじ込むことで、分割プレート12a,14aが芯材10に固定される。なお、分割プレート12aのザグリ穴16は上下に2箇所形成されており(
図2参照)、図示しないが、これらザグリ穴16に対応するねじ穴17,18も形成されており、2本の固定ボルト19で分割プレート12aが芯材10に着脱自在に固定されている。また、図示しないいが、分割プレート14aも、2本の固定ボルト19で芯材10に着脱自在に固定されている。
【0019】
そして、分割プレート12a以外の第1周面プレート12を構成する分割プレート12b~12fも、芯材10の長手方向に沿って連続して着脱自在に固定されているとともに、分割プレート14a以外の第3周面プレート14を構成する分割プレート14b~14fも、芯材10の長手方向に沿って連続して着脱自在に固定されている。ここで、固定ボルト19のボルト頭部は、分割プレート12a~12f,14a~14fの表面から突出せず、ザグリ穴16の内部に位置した状態となる。
【0020】
一方、
図3の分割プレート13a及び分割プレート15aは、芯材10に固定された分割プレート12a,14aとともに四角筒状に配置される。そして、分割プレート12a,14aの長手方向両端部の表面にザグリ穴20が形成され、ザグリ穴20の底にねじ穴21が形成され、分割プレート13a、15aのねじ穴21に対応する位置にねじ穴22が形成されている。そして、ザグリ穴20から挿入した固定ボルト23のねじ部をねじ穴21,22にねじ込むことで、分割プレート13a,15aが、分割プレート12a,14aに固定される。なお、分割プレート12aの長手方向両端部に形成したザグリ穴20は、上下に2箇所形成されており(
図2参照)、図示しないが、これらザグリ穴20に対応するねじ穴21,22も形成されており、各々2本の固定ボルト23をねじ込むことで、分割プレート13a,15aは分割プレート12a,14aに固定されている。
【0021】
そして、分割プレート13a以外の第2周面プレート13を構成する分割プレート13b~13fも、芯材10の長手方向に沿って連続して着脱自在に分割プレート12a,14aに固定されているとともに、分割プレート15a以外の第4周面プレート15を構成する分割プレート15b~15fも、芯材10の長手方向に沿って連続して着脱自在に分割プレート12a,14aに固定されている。ここで、固定ボルト23のボルト頭部は、分割プレート12a~12f,14a~14fの表面から突出せず、ザグリ穴20の内部に位置した状態となる。
【0022】
次に、本実施形態の線材コイル集積装置1を使用した線材コイルの集積作業について、
図1、
図4及び
図5を参照して説明する。なお、
図1で示す線材コイルCの集積作業の初期では、アイリス7をチャンバー3内に前進させておく。
図1に示すように、線材コイル製造ラインの上流でリング状に成形された線材コイルCは、コンベア9上で水平に倒された状態でチャンバー3の開口部3aに落下されていく。線材コイルCは、回転するブレード4に案内されてチャンバー3内にばら捲かれ、ノーズコーン6に接触しながら落下していく。これにより、線材コイルCは、ノーズコーン6で位置決めしながらアイリス7上に一時的に集積されていく。また、コイルプレート8は、アイリス7上に集積されている線材コイルCを受け入れるために所定高さまで上昇していく。
【0023】
図4に示すように、アイリス7上に一時的に集積された線材コイルCは、アイリス7がチャンバー3内から後退することで、コイルプレート8上に落下していく。コイルプレート8上に落下する直前の線材コイルCは、セイルリフト5の表面材11に接触することで、コイルプレート8の中央に落下するように誘導される。コイルプレート8は、線材コイルCの集積量の増大とともに徐々に下降していき、一定量の線材コイルCが積載されたときに、コイルプレート8の下降動作が停止する。
【0024】
次いで、
図5に示すように、セイルリフト5がチャンバー3の外に配置されているバケット2側に移動することで、コイルプレート8に積載されていた線材コイルCが、バケット2上に移送される。さらに、セイルリフト5を下降させて線材コイルCの内径部から抜き取ることで、繊細コイルCを載置したバケット2は、線材コイル保管場所などの他の場所に移動する。
【0025】
ここで、線材コイル集積装置1を使用した線材コイルの集積作業において、線材コイルCのコイル内径部がセイルリフト5の表面材11の一部に連続的に接触することで、その連続的に接触する部位に摩耗が発生した場合のセイルリフト5の修復作業について以下に説明する。なお、本実施形態のセイルリフト5では、
図2の第1周面プレート12の分割プレート12dと、第4周面プレート15を構成する分割プレート15dに摩耗箇所が発生しているものとする。
【0026】
摩耗が発生している分割プレート12dは、芯材10にねじ込まれている固定ボルト19と、分割プレート13d、15dにねじ込まれている固定ボルト23を緩めることで、芯材10、分割プレート13d、15dから取り外す。
また、摩耗が発生している分割プレート15dは、分割プレート14dにねじ込まれている固定ボルト23を緩めることで、分割プレート14dから取り外す。
そして、摩耗が発生している分割プレート12d、14dの替わりに、新品の分割プレート12d,14dを、固定ボルト19,23を使用して固定することで、セイルリフト5の修復作業が完了する。
【0027】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の線材コイル集積装置1を使用した線材コイルCの集積作業において、落下して集積されている線材コイルCのコイル内径部が連続的に接触することでセイルリフト5の表面材11の一部に摩耗が発生した場合、表面材11を構成する第1周面プレート12(分割プレート12a~12f),第2周面プレート13(分割プレート13a~13f),第3周面プレート14(分割プレート14a~14f),第4周面プレート15(分割プレート15a~15f)のうち少なくとも1つの分割プレートを交換するだけで、セイルリフト5の修復作業を簡単に行うことができる。
【0028】
したがって、本実施形態では、摩耗が発生したセイルリフト5の全体を新品部材に交換せず、摩耗が発生している分割プレートの交換だけで短時間でセイルリフト5の修復が完了するので、セイルリフト5の修復コストを大幅に低減することができる。
また、摩耗が発生している表面材11の一部(所定の分割プレート)は新品の分割プレートに交換してセイルリフト5を修復することができ、このセイルリフト5の表面材11に、コイルプレート8上に落下する直前の線材コイルCのコイル内径部が接触してもコイル内径部に疵が発生せず、高品質の線材コイルを集積することができる。
そして、バケット2上に移送した線材コイルCからセイルリフトを抜き取る際にも、修復したセイルリフト5の表面材11には、線材コイルのコイル内径部に、バリなどの引っ掛かる部位が存在しないので、セイルリフト5を線材コイルCから正常に抜き取ることができる。
【0029】
なお、本実施形態のセイルリフト5は、芯材10の長尺方向の周囲を囲む四角筒形状の第1~第4周面プレート12,13,14,15で構成したが、本発明の要旨がこれに限定されるものでなく、芯材10の長尺方向の周囲を囲む複数の円弧形状、多角形状のプレートであってもよい。また、第1~第4周面プレート12,13,14,15を、同一形状の複数の直方体形状の分割プレート12a~12f,13a~13f,14a~14f,15a~15fで形成したが、形状が異なる分割プレートが芯材10の長尺方向に連続しているものであってもよい。また、本実施形態のセイルリフト5は、
図3に示すように芯材10を、長尺方向に平行な、一対の短尺側面10a,10bおよび長尺側面を有するプレート状の構成としているが、本発明の要旨がこれに限定されるものでなく、例えば、円筒形状ものや、長尺方向に直交する断面がH型形状のもの等、種々の形状のものが適用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 線材コイル集積装置
2 バケット
3 チャンバー
3a 開口部
4 ブレード
5 セイルリフト
6 ノーズコーン
7 アイリス
8 コイルプレート
9 コンベア
10 芯材
11 表面材
12 第1周面プレート(周方向分割プレート)
12a~12f 分割プレート(長尺方向分割プレート)
13 第2周面プレート(周方向分割プレート)
13a~13f 分割プレート(長尺方向分割プレート)
14 第3周面プレート(周方向分割プレート)
14a~14f 分割プレート(長尺方向分割プレート)
15 第4周面プレート(周方向分割プレート)
15a~15f 分割プレート(長尺方向分割プレート)
16,20 ザグリ穴
17,18,21,22 ねじ穴
19,23 固定ボルト
C 線材コイル