(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148931
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】プログラム、活動量管理システム、及び活動量計
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220929BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G16H10/00
A61B5/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050810
(22)【出願日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷田 千里
(72)【発明者】
【氏名】保田 正樹
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038VA13
4C038VB01
4C038VC09
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】活動量計に記憶される活動量のデータに不具合が存在するままで記憶されることを抑制する。
【解決手段】携帯端末10は、第1加速度センサ11の出力値に基づいて計測される利用者のサブ活動量データD1を第1記憶部15に記憶するコンピュータであって、第2加速度センサ21の出力値に基づいて利用者のメイン活動量データD2を計測する活動量計20に対して通信可能なコンピュータである。そのプログラムは、携帯端末10に、メイン活動量データD2の不具合の確認を実行するための実行信号を受け付けるステップS201と、活動量計20から利用者のメイン活動量データD2を取得するステップS204と、第1記憶部15に記憶されたサブ活動量データD1とメイン活動量データD2とを実行信号に基づいて比較して、メイン活動量データD2を補完するための補完データを生成するステップS105と、を実行させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1加速度センサの出力値に基づいて計測される利用者の第1活動量データを記憶部に記憶するコンピュータであって、第2加速度センサの出力値に基づいて前記利用者の第2活動量データを計測する装置と通信可能なコンピュータに、
前記第2活動量データの不具合の確認を実行するための実行信号を受け付ける実行信号受付ステップと、
前記装置から前記第2活動量データを取得する取得ステップと、
前記記憶部に記憶された前記第1活動量データと前記第2活動量データとを前記実行信号に基づいて比較して、前記第2活動量データを補完するための補完データを生成する補完データ生成ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記補完データを前記装置に送信する送信ステップをさらに備える、
プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプログラムであって、
前記補完データ生成ステップは、前記第1活動量データと前記第2活動量データとの差分に基づいて前記補完データを生成する機能を有する、
プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記補完データ生成ステップは、前記差分が所定の基準を満たす場合の前記第1活動量データに基づいて前記補完データを生成する機能を有する、
プログラム。
【請求項5】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記補完データ生成ステップは、前記差分が所定の基準を満たす場合に、
前記利用者の同一の活動に対して計測される前記第1活動量データと前記第2活動量データとの差分が小さくなるように、前記第1活動量データに対する補正処理を施したデータを、前記補完データとして生成する機能を有する、
プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータと前記装置との通信距離を判定する判定ステップをさらに備え、
前記判定ステップは、前記通信距離が所定の基準を満たす場合に、前記実行信号を受け付け可能にする機能を有する、
プログラム。
【請求項7】
利用者の活動量を管理するための活動量管理システムであって、
第1加速度センサの出力値に基づいて前記利用者の第1活動量データを計測する携帯端末と、
第2加速度センサの出力値に基づいて前記利用者の第2活動量データを計測する活動量計と、を備え、
前記携帯端末は、
前記活動量計から前記第2活動量データを受信する受信手段と、
前記第2活動量データの不具合の確認を実行するための実行信号を受け付けする受付手段と、
前記第1活動量データと前記第2活動量データとを前記実行信号に基づいて比較して、前記第2活動量データを補完するための補完データを生成する生成手段と、を備える
活動量管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の活動量管理システムであって、
前記携帯端末は、前記補完データを前記活動量計に送信する、
活動量管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の活動量管理システムであって、
前記活動量計は、
前記携帯端末から送信された前記補完データを受信し、
前記補完データに基づいて前記第1活動量データを補完する、
活動量管理システム。
【請求項10】
利用者の活動量を管理するための活動量管理システムであって、
第1加速度センサの出力値に基づいて前記利用者の第1活動量データを計測する携帯端末と、
第2加速度センサの出力値に基づいて前記利用者の第2活動量データを計測する活動量計と、
前記活動量計及び前記携帯端末と通信可能なサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記携帯端末において計測された前記第1活動量データと、前記活動量計において計測された前記第2活動量データと、を前記サーバの記憶部に記憶し、
前記第2活動量データの不具合の確認を実行するための実行信号を受け付けし、
前記記憶部に記憶された前記第1活動量データと前記第2活動量データとを前記実行信号に基づいて比較して、前記第2活動量データを補完するための補完データを生成する、
活動量管理システム。
【請求項11】
第1加速度センサの出力値に基づいて計測された利用者の第1活動量データを格納する外部装置と通信可能な活動量計であって、
第2加速度センサの出力値に基づいて前記利用者の第2活動量データを計測する計測手段と、
前記第2活動量データを前記外部装置に送信する送信手段と、
前記外部装置において前記第2活動量データの不具合の確認を実行するための実行信号に基づいて生成されるデータであって、前記第1活動量データと前記第2活動量データとの比較に基づいて生成される前記第2活動量データの不具合を補完する補完データを、前記外部装置から受信する受信手段と、
前記外部装置から受信した前記補完データに基づいて前記第2活動量データを補完する補完手段と、
を備える活動量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、活動量管理システム、及び活動量計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが携帯する活動量計が電池切れを起こしたときに、携帯端末が補助的に活動量を計測するシステムが開示されている。このシステムでは、活動量計の電池残量が回復すると、携帯端末から活動量計に対して、補助的に計測した活動量のデータが送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、活動量計が電池切れを起こしていない状態であっても、活動量計において利用者の動作の測定が行われない場合がある。特許文献1のシステムでは、このような場合に、活動量計に記憶される活動量のデータに、利用者の実際の活動が記録されない等の不具合が存在する状態になってしまう。
【0005】
本発明は、活動量計により測定される活動量のデータに不具合が生じた場合にその不具合が存在するままで活動量のデータが記憶されることを抑制できるプログラム、活動量管理システム、及び活動量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様によれば、第1加速度センサの出力値に基づいて計測される利用者の第1活動量データを記憶部に記憶するコンピュータであって、第2加速度センサの出力値に基づいて利用者の第2活動量データを計測する装置と通信可能なコンピュータに、第2活動量データの不具合の確認を実行するための実行信号を受け付ける実行信号受付ステップと、装置から第2活動量データを取得する取得ステップと、記憶部に記憶された第1活動量データと第2活動量データとを実行信号に基づいて比較して、第2活動量データを補完するための補完データを生成する補完データ生成ステップと、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
活動量計によって測定される活動量のデータには、例えば、活動量計の電池切れ、利用者による携帯し忘れ、動作不良等のために不具合が生じ得る。これに対して、本発明の一つの態様によれば、補完データを用いることによって、活動量計により測定される活動量のデータに不具合が生じた場合にその不具合が存在するままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る活動量管理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る活動量管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るサブ活動量データ及びメイン活動量データの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る比較データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るサブ活動量データ及びメイン活動量データの他の例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る比較データの他の例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る活動量管理システムのシーケンスの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る活動量管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る活動量管理システムのシーケンスの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1変形例に係る活動量管理システムのシーケンスの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る活動量管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態に係る活動量管理システム1について説明する。
【0010】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る活動量管理システム1について説明する。
【0011】
[システム構成]
図1は、第1の実施形態に係る活動量管理システム1の概略構成の一例を示す図である。活動量管理システム1は、携帯端末10と活動量計20とを備える。
【0012】
携帯端末10は、活動量計20とは異なる外部装置を構成する。携帯端末10は、コンピュータにより構成される装置であり、利用者が携帯することができる電子機器である。本実施形態の携帯端末10は例えばスマートフォンである。この携帯端末10は、通信及び画像表示などのスマートフォンとしての一般的な機能に加えて、利用者の歩数を計測する機能を備えている。
【0013】
本実施形態の携帯端末10における歩数を計測する機能は、いわゆるバックグラウンドにおいて常に動作している。このため、利用者が携帯端末10を携帯している間、利用者の歩数は常時自動的に計測される。
【0014】
活動量計20は、利用者の活動量を計測するための携帯型の装置である。活動量計20が計測する活動量には、歩数、歩行時間、消費エネルギ、及び加速度などが含まれる。また、活動量計20は、利用者の活動量を計測する機能の他に、例えば近距離無線通信を介して他の電子機器と通信する機能を備えている。なお、活動量計20は、社員証などのIDカードとしての個人認証機能を備えていてもよい。
【0015】
ここで、活動量計20を利用者が使用する場合について説明する。
【0016】
一般に、利用者は、活動量計20の他に、携帯端末10を常に持ち歩いていることが想定される。このような状況において携帯端末10が歩数を計測する機能を備えている場合には、携帯端末10によって利用者の歩数は常に計測されている。したがって、利用者が活動量計20を携帯し忘れたとしても、携帯端末10において利用者の歩数は補助的に計測されている。
【0017】
本実施形態の活動量管理システム1では、携帯端末10において計測された歩数、及び活動量計20において計測された歩数は各装置内に保持されている。具体的には、携帯端末10において計測された歩数はサブ活動量データD1として携帯端末10内に保持され、活動量計20において計測された歩数はメイン活動量データD2として活動量計20内に保持される。本実施形態のサブ活動量データD1及びメイン活動量データD2は、利用者の同一の活動に対し、二つの携帯端末10及び活動量計20においてそれぞれ計測される第1活動量データ及び第2活動量データに相当する。
【0018】
そして、携帯端末10と活動量計20とは、例えば近距離無線通信を介して、各装置内に保持された活動量データ(D1,D2)を互いに送受信することができる。これにより、利用者は、活動量計20を携帯し忘れるなどして活動量計20に歩数を記録できない日があったとしても、携帯端末10からその日の歩数を取得して補完することができる。
【0019】
なお、以下では、歩行、走行、及び階段の昇降運動などの鉛直方向における身体の動きを伴う身体活動を「歩行」と総称して説明する。また、本実施形態における「歩数」とは利用者の歩行によって増加する自然数である。
【0020】
[機能構成]
図2は、本実施形態の活動量管理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【0021】
まず、携帯端末10の機能構成について説明する。携帯端末10は、第1加速度センサ11と、第1記憶部15と、第1制御部100と、を備える。
【0022】
第1加速度センサ11は、携帯端末10において、利用者の身体活動に伴って生じる加速度を検出する。本実施形態の第1加速度センサ11は、利用者の身体活動のうち、少なくとも歩行によって生じる加速度を検出する。検出された加速度は、加速度データとして出力される。一般に、第1加速度センサ11が検出する加速度の検出精度は、携帯端末10の機種によって異なることが知られている。
【0023】
第1記憶部15は、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)及び揮発性メモリ(RAM;Random Access Memory)などにより構成される。第1記憶部15には、携帯端末10の動作を制御する制御プログラムが格納されている。すなわち、第1記憶部15は、本実施形態の機能を実現するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0024】
本実施形態の第1記憶部15は、第1記憶部15の一領域に、サブ活動量データ記憶部151と、補完データ記憶部152と、を備える。サブ活動量データ記憶部151は、携帯端末10において計測される利用者の歩数を示すサブ活動量データD1を記憶する。補完データ記憶部152は、以下で詳述する補完データを記憶する。
【0025】
第1記憶部15は、携帯端末10に設けられてもよく、携帯端末10に対して脱着可能な記憶媒体、例えばメモリカードであってもよい。あるいは、第1記憶部15は、携帯端末10とは異なる装置、例えばサーバに設けられてもよい。
【0026】
第1制御部100は、プロセッサと、入出力インターフェイスと、これらを相互に接続するバスと、により構成される。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はDSP(digital signal processor)等である。第1制御部100は、第1記憶部15に格納されている制御プログラムを読み出してCPUに実行させることにより、入出力インターフェイスを介して携帯端末10の各部を制御する。
【0027】
本実施形態の第1制御部100は、機能として、第1活動量データ生成部12と、第1通信部13と、第1処理部14と、を備える。
【0028】
第1活動量データ生成部12は、利用者の歩数を示すサブ活動量データD1を生成する。第1活動量データ生成部12は、第1加速度センサ11において検出された加速度データを用いて利用者の歩数を算出し、算出した利用者の歩数をサブ活動量データD1として、サブ活動量データ記憶部151に記憶させる。このように、第1活動量データ生成部12を備える携帯端末10は、第1加速度センサ11の出力値に基づいて計測される利用者のサブ活動量データD1を記憶するコンピュータを構成する。
【0029】
第1通信部13は、他の電子機器に対して有線又は無線の通信を行う機能を備える。本実施形態の第1通信部13は、少なくとも近距離無線通信機能を備えている。第1通信部13は、携帯端末10が活動量計20に対して所定の距離に接近すると、第1通信部13と活動量計20との間で活動量データの送受信を可能な状態、すなわち通信可能な状態にする。より詳細には、第1通信部13は、活動量計20に対してサブ活動量データD1を送信し、また活動量計20からメイン活動量データD2を受信することができる状態にする。
【0030】
このように、第1通信部13は、活動量計20からメイン活動量データD2を受信する受信手段を構成する。さらに第1通信部13は、メイン活動量データD2の不具合の確認を実行するための実行信号を受け付ける受付手段を構成する。受付手段は、携帯端末10において利用者の入力操作によって生成される実行信号を受け付ける操作部であってもよい。
【0031】
第1処理部14は、機能として、比較処理部141と、補完データ生成部142と、を備える。
【0032】
比較処理部141は、複数の活動量データを比較する機能を有する。本実施形態の比較処理部141は、携帯端末10において生成されたサブ活動量データD1と、活動量計20から受信したメイン活動量データD2との比較を行う。この比較の手法については
図3から
図6を参照して後述する。
【0033】
補完データ生成部142は、所定の活動量データを補完するための補完データを生成する生成手段を構成する。本実施形態の補完データ生成部142は、比較処理部141によって行われる比較の結果を示す比較データD3を用いて補完データを生成する。この補完データの生成については
図3から
図6を参照して後述する。
【0034】
続いて、活動量計20の機能構成について説明する。活動量計20は、第2加速度センサ21と、第2記憶部25と、第2制御部200と、を備える。
【0035】
第2加速度センサ21は、活動量計20において、利用者の活動に伴って生じる加速度を検出する。本実施形態の第2加速度センサ21は、上記の第1加速度センサ11と同様に、利用者の歩行によって生じる加速度を検出する。なお、本実施形態では、第2加速度センサ21の検出精度と、第1加速度センサ11の検出精度とは異なる。
【0036】
第2記憶部25は、上記の第1記憶部15と同様のハードウエア構成を備えている。本実施形態の第2記憶部25は、第2記憶部25の一領域にメイン活動量データ記憶部251を有する。
【0037】
第2制御部200は、上記の第1制御部100と同様のハードウエア構成を備えている。本実施形態の第2制御部200は、機能として、第2活動量データ生成部22と、第2通信部23と、第2処理部24と、を備える。
【0038】
第2活動量データ生成部22は、利用者の歩行による歩数を示すメイン活動量データD2を生成する。第2活動量データ生成部22は、第2加速度センサ21において検出された加速度を用いて利用者の歩数を算出し、利用者の歩数をメイン活動量データD2としてメイン活動量データ記憶部251に記憶させる。このように、第2活動量データ生成部22を備える活動量計20は、第2加速度センサ21の出力値に基づいてメイン活動量データD2を計測する装置又は計測手段を構成する。
【0039】
第2通信部23は、他の電子機器に対して有線又は無線の通信を行う機能を備える。本実施形態の第2通信部23は、例えば近距離無線通信機能を有する。第2通信部23は、活動量計20が携帯端末10に対して所定の距離に接近すると、第2通信部23と携帯端末10との間で活動量データの送受信を可能な状態にする。より詳細には、第2通信部23は、携帯端末10に対してメイン活動量データD2を送信し、また携帯端末10からサブ活動量データD1を受信することができる状態にする。
【0040】
このように、第2通信部23は、メイン活動量データD2を外部装置である携帯端末10に送信する送信手段と、メイン活動量データD2の不具合を補完するための補完データを携帯端末10から受信する受信手段とを構成する。
【0041】
第2処理部24は、機能として補完処理部241を備える。補完処理部241は、第2通信部23を介して携帯端末10から受信した補完データを用いて、メイン活動量データD2を補完する。すなわち、補完処理部241は、外部装置である携帯端末10から受信した補完データに基づいてメイン活動量データD2を補完する補完手段を構成する。なお、補完処理部241において実行される、メイン活動量データD2の補完処理については
図3から
図6を参照して後述する。
【0042】
このように、本実施形態の活動量管理システム1では、携帯端末10と、活動量計20との間で活動量データの送受信が行われることにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2を補完することができる。
【0043】
なお、上記各部の機能は、ソフトウエア又はハードウエアのいずれによって実現されてもよい。各部の機能がソフトウエアによって実現される場合、各部の機能はコンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムとして構成されてもよい。このアプリケーションプログラムは、例えば利用者が活動量計20を携帯端末10に初めて通信させたときに、所定のサーバからダウンロード可能な形態で提供されることが望ましい。
【0044】
[活動量データ]
次に、活動量管理システム1における活動量データについて説明する。
図3は、携帯端末10及び活動量計20に記憶される活動量データの一例を示す図である。
【0045】
図3には、携帯端末10のサブ活動量データD1と、活動量計20のメイン活動量データD2が示されている。これらの活動量データには、利用者が、携帯端末10と活動量計20との両方を、一定期間、同じ時間携帯していた場合に計測された歩数が示されている。
【0046】
本実施形態において、それぞれの活動量データは、特定の日にちを意味する「DAY1」から「DAY10」までの間に計測された歩数が、日にちごとに合算された状態で保持されている。例えば、特定の日にち「DAY1」において、携帯端末10のサブ活動量データD1における歩数は「7,780」であり、活動量計20のメイン活動量データD2における歩数は「7,800」である。上記のように、サブ活動量データD1及びメイン活動量データD2はそれぞれの装置の記憶部に保持されている。
【0047】
そして、
図4は、
図3に示されるサブ活動量データD1とメイン活動量データD2との比較結果が示された比較データD3の一例を示す図である。
図4の比較データD3は、携帯端末10の比較処理部141において生成される。
【0048】
図4に示される例において、「DAY1」から「DAY10」までの期間において、携帯端末10において計測される歩数と、活動量計20において計測される歩数との差分は「-40」から「40」である。このように、携帯端末10及び活動量計20が、利用者によって同じ時間携帯されたとしても、第1加速度センサ11と第2加速度センサ21との加速度の検出精度の違い、及び加速度から歩数に変換するアルゴリズムの違いにより、二つの装置において計測される歩数にわずかな差分が生じる。
【0049】
続いて、
図5は、携帯端末10及び活動量計20に記憶される活動量データの他の例を示す図である。
図5は、利用者が携帯端末10と活動量計20とを、一定の期間、異なる時間携帯していた場合に計測された歩数を示す例である。
【0050】
例えば、特定の日にち「DAY10」において、利用者が活動量計20を置き忘れるなどして携帯しないで活動した場合、活動量計20によって利用者の歩数は計測されないため、メイン活動量データD2の歩数は「0」となる。一方、利用者が携帯端末10を携帯して活動していた場合、携帯端末10において歩数が計測されるため、サブ活動量データD1の歩数は「12,040」となる。
【0051】
また、他の特定の日にち「DAY4」において、利用者が活動量計20を携帯して活動するとメイン活動量データD2の歩数は「7,500」となる一方、利用者が携帯端末10を携帯せずに活動するとサブ活動量データD1の歩数は「0」となる。
【0052】
なお、他の特定の日にち「DAY7」においては、利用者が携帯端末10を常に携帯している一方で、活動量計20を一時的に携帯せずに活動した場合の活動量データが示されている。この場合、一日のうちに、携帯端末10によって計測される歩数と、活動量計20によって計測される歩数とが異なる。
【0053】
そして、
図6は、
図5に示されるサブ活動量データD1とメイン活動量データD2との比較結果を示す比較データD3の他の例を示す図である。
【0054】
図6に示されるように、利用者が携帯端末10を携帯せずに活動した日にち「DAY4」において、差分は負の大きな値となる。逆に、利用者が活動量計20を携帯せずに活動した日にち「DAY10」において、差分は正の大きな値となる。一方、利用者が活動量計20を一日のうちの一部の時間帯において携帯せずに活動した日にち「DAY7」において、一日中携帯せずに活動した場合と比較して、差分は相対的に小さい正の値となる。
【0055】
上記のように、利用者が活動量計20を携帯せずに活動した場合には、比較データD3における差分は、日にち「DAY10」に示されるような正の大きな値となる。ここにいう正の大きな値は例えば「2,000」を超える値であり、この値を判定閾値とすることができる。
【0056】
この場合、第1制御部100は、比較データD3における差分が判定閾値を超える場合には、利用者がその日に活動量計20を携帯していなかったと判定する。一方、第1制御部100は、比較データD3における差分が判定閾値を超えない場合には、利用者がその日に活動量計20を携帯していたと判定する。このように判定閾値は、利用者が活動量計20を携帯しなかったか否かを判定するための所定の基準として用いられる。
【0057】
本実施形態では、比較データD3において差分が判定閾値を超える日にちに記憶された利用者の歩数を示すサブ活動量データD1を補完データD4として説明する。例えば
図6での補完データD4は、サブ活動量データD1のうち日にち「DAY10」での利用者の歩数「12,040」、及び「DAY7」での利用者の歩数「7,970」を示す部分データのことである。
【0058】
また、以下では、比較データD3において差分が判定閾値を超える日にちに記憶された利用者の歩数を示すメイン活動量データD2を「抜けデータ」と称する。例えば
図6での抜けデータD5は、メイン活動量データD2のうち日にち「DAY10」での歩数「0」、及び「DAY7」での歩数「4,000」を示す部分データのことである。
【0059】
このように、本実施形態の活動量管理システム1は、携帯端末10のサブ活動量データD1と活動量計20のメイン活動量データD2との比較結果として比較データD3に示される差分の大きさに基づいて、利用者が活動量計20を携帯していたか否かを判定することができる。
【0060】
[通信シーケンス]
次に、本実施形態の活動量管理システム1における、携帯端末10と活動量計20との間の通信シーケンスについて説明する。
図7は、本実施形態の活動量管理システム1のシーケンスの一例を示す図である。
【0061】
ステップS201において、活動量計20は、携帯端末10に対して、メイン活動量データD2の不具合の確認を実行するための実行信号を送信する。本実施形態では、第2制御部200は、第2通信部23を介して、上記実行信号としてメイン活動量データD2における抜けデータD5の有無の確認を要求するための要求信号を携帯端末10に送信する。この要求信号は、活動量計20と携帯端末10との間の距離が所定の範囲内にあるときに送信される。ここにいう所定の範囲とは、例えば、活動量計20の第2加速度センサ21と、携帯端末10の第1加速度センサ11との距離が、近距離無線通信の通信可能範囲内にある場合であってもよい。
【0062】
携帯端末10は、第1通信部13を介して要求信号を受信すると、ステップS101及びステップS202において、携帯端末10と活動量計20との間の通信が開始される。
【0063】
携帯端末10と活動量計20とが近距離無線通信を介して接続されると、ステップS203において活動量計20は、メイン活動量データD2を送信するためにメイン活動量データ記憶部251からメイン活動量データD2を読み出す。ステップS204において、活動量計20の第2制御部200は、メイン活動量データ記憶部251から読み出したメイン活動量データD2を、携帯端末10に対して送信する。
【0064】
携帯端末10は、メイン活動量データD2を受信すると、ステップS102において比較処理を開始する。この比較処理は、
図2に示した上記の比較処理部141によって実行される。
【0065】
ステップS103において、メイン活動量データD2とサブ活動量データD1との比較処理が行われる。この比較処理では、
図4又は
図6を用いて説明したように、比較処理部141が、これら二つの活動量データの日にちごとの歩数の差分を演算する。
【0066】
ステップS104において、比較処理部141は、比較結果として得られる比較データD3を用いて二つの活動量データが一致するか否か判定する。ここにいう一致とは、比較データD3における日にちごとの歩数の差分が上記の判定閾値を超えない場合をいう。すなわち、比較処理部141は、差分が判定閾値を超える場合に一致しないと判定し、差分が判定閾値を超えない場合に一致すると判定する。
【0067】
ステップS104において、比較処理部141が二つの活動量データは一致すると判定すると、ステップS108の処理に移行して比較処理を抜ける。ここで、ステップS104において一致する場合とは、言い換えると、メイン活動量データD2に抜けデータD5が存在しない場合である。すなわち、活動量計20は、所定の期間において、利用者に毎日携帯されることにより歩数を計測し、メイン活動量データD2としてその歩数を保持している状態である。
【0068】
一方、ステップS104において、比較処理部141が二つの活動量データは一致しないと判定すると、ステップS105の処理に移行する。ここで、ステップS104において一致しない場合とは、言い換えると、メイン活動量データD2に抜けデータD5が存在する場合である。すなわち、活動量計20は、所定の期間において利用者に携帯されていない期間が存在することによって、携帯されていない期間は利用者の歩数が計測されていないため、メイン活動量データD2のうち一部の期間において利用者の歩数が保持されていない状態である。
【0069】
このような抜けデータD5が存在する場合には、メイン活動量データD2のうち利用者によって活動量計20が携帯されていない期間の歩数を、サブ活動量データD1を用いることによって補完することができる場合がある。したがって、ステップS105において、補完データ生成部142は、メイン活動量データD2のうち、抜けデータD5を補完するための補完データD4を生成する。
【0070】
ステップS105において、補完データ生成部142は、比較データD3を参照して抜けデータD5の日にちを特定し、その日にちに対応するサブ活動量データD1の歩数を、サブ活動量データ記憶部151から読み出す。そして、補完データ生成部142は、特定した抜けデータD5の日にちとサブ活動量データD1の歩数とを関連付けたデータを、補完データD4として生成し、補完データ記憶部152に記憶させる。
【0071】
ステップS106において、携帯端末10の第1制御部100は、補完データ記憶部152に記憶された補完データD4を読み出し、第1通信部13を介して活動量計20に送信する。
【0072】
ステップS107において、活動量計20の第2制御部200は、第2通信部23を介して補完データD4を受信する。
【0073】
ステップS205において、活動量計20の第2制御部200は、メイン活動量データD2のうちの抜けデータD5に対して、補完データD4を上書きする処理を実行する。これにより、メイン活動量データD2は抜けデータD5のない状態、すなわち活動量計20内に所定期間の全ての日にちの歩数が保持されている状態となる。
【0074】
ステップS205においてメイン活動量データD2が補完されると、ステップS206において、第2制御部200は携帯端末10に補完完了信号を送信し、ステップS207において、携帯端末10との通信を終了する。そして、携帯端末10は、ステップS207において補完完了信号を受信すると、ステップS109において、活動量計20との通信を終了する。
【0075】
このように、本実施形態によれば、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2の抜けがサブ活動量データD1によって補完される。
【0076】
なお、本実施形態の第1制御部100は、ステップ(補完ステップ)S203が実行されたことを示す表示画像を生成する表示画像生成ステップをさらに実行してもよい。この表示画像は、例えば、第1制御部100によって活動量計20に送信され、活動量計20のメイン活動量データD2のうち、補完された日にちのデータと関連付けて第2記憶部25に記憶されてもよい。そして、第2制御部200は、メイン活動量データD2を活動量計20において表示するとき、補完データD4を識別できるように表示画像を対応付けて表示してもよい。これにより、利用者は表示画像を参照することにより、補完データD4によって補完された日にち及びその日の歩数を確認することができる。
【0077】
また、活動量計20の第2制御部200は、ステップS107において補完データD4を受信したとき、メイン活動量データD2を補完データD4によって上書きするか否かを、利用者に選択させてもよい。この利用者による選択は、例えば図示しない入力ボタンなどを介して実行されてもよい。
【0078】
上記実施形態では利用者が活動量計20を携帯しなかったことが原因となってメイン活動量データD2に抜けが発生した例について説明した。このようにメイン活動量データD2の不具合が発生する要因としては、利用者による活動量計20の不携帯の他に、例えば活動量計20の動作不良などの不具合も想定される。
【0079】
また、
図7に示した例では、携帯端末10は、活動量計20を構成する装置から上記の実行信号を受信したが、実行信号を受け付ける手法は、これに限られるものではない。例えば、利用者が携帯端末10を操作することによって携帯端末10自体が実行信号を生成してもよい。具体例としては、携帯端末10の操作画面におけるメイン活動量データD2の不具合を確認するための入力ボタンを利用者が押すことによって携帯端末10は実行信号を生成する。
【0080】
このように、携帯端末10を構成するコンピュータは、携帯端末10自身、活動量計20、又は、携帯端末10及び活動量計20とは異なるサーバなどの装置から、メイン活動量データD2における不具合の発生を検出するための実行信号を受け付ける。
【0081】
また、実行信号については、携帯端末10と活動量計20との通信が成立した後に携帯端末10が活動量計20から受け取るメイン活動量データD2を実行信号として用いてもよい。
【0082】
本実施形態によれば、以下の作用及び効果を奏する。
【0083】
本実施形態によれば、コンピュータからなる携帯端末10は、第1加速度センサ11の出力値に基づいて計測される利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を第1記憶部(記憶部)15に記憶する。また、携帯端末10は、第2加速度センサ21の出力値に基づいて利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を計測する活動量計(装置)20と通信可能である。
【0084】
この携帯端末10で実行させるためのプログラムは、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2の不具合の確認を実行するための実行信号を受け付けるステップ(実行信号受付ステップ)S204を含む。ここにいう不具合とは、メイン活動量データD2において利用者の実際の活動とは異なるデータが存在することを意味し、例えば、利用者が活動量計20を携帯していなかったときの活動量データ、並びに、活動量計20の動作不良などに起因する欠陥データなどが含まれる。
【0085】
さらに上記プログラムは、活動量計(装置)20から利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を取得するステップ(取得ステップ)S100と、第1記憶部(記憶部)15に記憶されたサブ活動量データ(第1活動量データ)D1とメイン活動量データ(第2活動量データ)D2とを実行信号に基づいて比較して、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2を補完するための補完データD4を生成するステップ(補完データ生成ステップ)S105と、を含む。
【0086】
このように、補完データD4を生成することにより、メイン活動量データD2において利用者の活動とは異なる内容が示されている欠落部分を、利用者の活動を示すサブ活動量データD1のうち上記欠落部分に該当する内容に置き換えることが可能になる。それゆえ、メイン活動量データD2に不具合が生じた場合に、その不具合が存在するままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。これに加え、実行信号については、利用者の意図を契機に実行信号を生成することが可能である。それゆえ、利用者が活動量計20を携帯する際に実行信号を生成することで、無用に補完データD4を生成することを抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態のプログラムは、補完データD4を活動量計(装置)20に送信するステップ(送信ステップ)S107をさらに備える。
【0088】
このように、本実施形態の携帯端末10は、活動量計20と通信可能であるため、携帯端末10が補助的に計測した歩数などに基づいて生成した補完データD4を活動量計20に送信する。この場合、携帯端末10において補完データD4を生成する処理が行われるので、活動量計20の処理負荷を軽減することができる。したがって、活動量計20の負荷を抑制しつつメイン活動量データD2に不具合が生じた場合に、その不具合が存在する状態で活動量のデータが記憶され続けることを回避することができる。
【0089】
また、活動量計20は、補完データD4を受信して、活動量計20自体に記憶されるメイン活動量データD2に対して直接的に抜けデータD5を補完することができる。これにより、活動量計20とは異なる装置でメイン活動量データD2の補完を行う場合に比べて活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に不具合が生じた場合に、その不具合が存在する状態で活動量のデータが記憶され続けてしまうという事態を確実に抑制することができる。また、利用者が、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2を漏れなく記録することを目標としている場合には、その達成感を高めることができる。
【0090】
また、本実施形態のプログラムは、補完データD4を生成するステップ(補完データ生成ステップ)S105は、サブ活動量データ(1活動量データ)D1とメイン活動量データ(第2活動量データ)D2との差分に基づいて補完データD4を生成する機能を有する。これにより、携帯端末10は、的確に補完データD4を生成することができる。
【0091】
例えば、本実施形態のプログラムは、上記差分を演算し、その差分が判定閾値を超える場合(所定の基準を満たす場合)に補完データD4を生成する機能を有する。
【0092】
このように、本実施形態のプログラムは、所定の基準としての判定閾値を設定することにより、判定閾値に応じて抜けデータD5の存否を判定することができる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けが存在するままで活動量のデータが記憶されることを、より確実に抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、サブ活動量データD1とメイン活動量データD2とが完全に一致する場合だけでなく、双方の差分が判定閾値を超えない場合に双方のデータが一致するとみなされる。このように、携帯端末10は、双方のデータが完全に一致する場合でなくても、双方のデータが一致するとみなすことによって、携帯端末10の計測アルゴリズムと活動量計20の計測アルゴリズムとの違いなどによって生じる歩数の誤差を考慮して、双方のデータの一致又は不一致を適切に判定することができる。
【0094】
さらに、判定閾値を調節することによって抜けデータD5の存否の判定精度を高めることもできる。例えば、この判定閾値は、活動量計20の利用者ごとに、特定の利用者の生活習慣に適した値に設定されてもよい。これにより、利用者ごとに異なる生活習慣に合わせたアプリケーションを提供することができる。
【0095】
また、本実施形態のプログラムは、補完データD4を生成するステップ(補完データ生成ステップ)S105は、上記の差分が判定閾値を超える場合(所定の基準を満たす場合)のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1に基づいて補完データD4を生成する機能を有する。例えば、本実施形態のプログラムは、差分が判定閾値を超える場合のサブ活動量データD1を、補完データD4として生成する機能を有する。
【0096】
このように、本実施形態のプログラムは、判定閾値に基づいて活動量計20に記憶されているメイン活動量データD2の抜けデータD5を、携帯端末10のサブ活動量データD1で上書きするような補完データD4を生成する。したがって、例えば利用者が活動量計20を一日のうちの一部の時間帯だけ携帯せずに活動した場合であっても、活動量計20のメイン活動量データD2の抜けデータD5に対して、携帯端末10によって計測された歩数が上書きされる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けが存在するままで活動量のデータが記憶されることをより確実に抑制することができる。
【0097】
本実施形態のプログラムは、補完データD4を送信するステップ(送信ステップ)S107が実行されたことを示す表示画像を生成する表示画像生成ステップをさらに実行させる。
【0098】
このように、本実施形態のプログラムによれば、補完データD4が送信されたことを示す表示画像を生成することができるので、利用者は、メイン活動量データD2のうち、どの日にちの歩数が、携帯端末10により補完されたデータであるか認識することができる。したがって、利用者は、活動量計20を携帯し忘れた日にちを確認し、その日にちの生活を振り返ることで活動量計20を携帯し忘れの予防策をとることができる。これにより、活動量計20で測定される活動量のデータに抜けが発生することを抑制することができる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けが存在するままで活動量のデータが記憶されることが、さらに抑制される。
【0099】
本実施形態において、利用者の活動量を管理するための活動量管理システム1は、第1加速度センサ11の出力値に基づいて利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を計測する携帯端末10と、第2加速度センサ21の出力値に基づいて利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を計測する活動量計20と、を備える。携帯端末10は、活動量計20からメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を受信し、活動量計20から、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2の不具合の確認を実行するための実行信号を受信し、サブ活動量データ(第1活動量データ)D1とメイン活動量データ(第2活動量データ)D2とを実行信号に基づいて比較して、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2を補完するための補完データD4を生成し、補完データD4を活動量計20に送信する。
【0100】
本実施形態の携帯端末10は、活動量計20から送信される実行信号に応じて、メイン活動量データD2の抜けなどの不具合の発生を確認し、補完データD4を送信する。例えば、利用者は、活動量計20を携帯し忘れたことを認識している場合、携帯端末10を活動量計20に近づけて通信させることによって実行信号を送信させ、メイン活動量データD2の抜けデータD5を送信することができる。または、利用者は、活動量計20に対して定期的に実行信号を送信させる設定を行った場合、携帯端末10は、メイン活動量データD2における抜けデータD5を定期的に送信する。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けが存在するままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。
【0101】
活動量計20は、携帯端末10から送信された補完データD4を受信し、補完データD4に基づいてメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を補完する。
【0102】
本実施形態の活動量計20は、携帯端末10から送信された補完データD4を用いて、メイン活動量データD2を補完する。これにより、活動量計20が活動量を計測できない場合においても、メイン活動量データD2に不具合が存在するままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態の活動量計20は、第1加速度センサ11の出力値に基づいて計測される利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を格納する携帯端末10(外部装置)と通信を行う活動量計20である。活動量計20は、第2加速度センサ21の出力値に基づいて利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を計測する第2活動量データ生成部(計測手段)22と、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2を携帯端末10に送信する第2通信部(送信手段)23と、を備える。
【0104】
さらに活動量計20は、携帯端末10においてメイン活動量データD2の不具合の確認を実行するための実行信号に基づいて生成されるデータであってサブ活動量データD1とメイン活動量データD2との比較に基づいて生成されるメイン活動量データD2についての不具合を補完するための補完データD4を携帯端末10から受信する第2通信部(受信手段)23を備える。そして活動量計20は、携帯端末10から受信した補完データD4に基づいて、メイン活動量データD2を補完する補完処理部(補完手段)241を備える。
【0105】
例えば、活動量計20は、メイン活動量データD2における抜けデータD5の確認を要求するための要求信号(実行信号)及びメイン活動量データD2を携帯端末10に送信する。その後、活動量計20は、携帯端末10において、要求信号に基づきサブ活動量データD1とメイン活動量データD2とを比較して生成されるデータであって抜けデータD5に対応する補完データD4を携帯端末10から受信する。そして活動量計20は、携帯端末10から受信した補完データD4に基づいて、メイン活動量データD2を補完する処理を実行する。
【0106】
本実施形態の活動量計20は、近距離無線通信を介して外部装置である携帯端末10と直接通信することも可能である。このため、活動量計20は、Wi-Fiなどのネットワークに接続する構成を備えていなくてもよい。したがって、活動量計20を簡素な構成にすることができる。また、本実施形態によれば、ネットワークへの接続環境が整わない場所においても、活動量計20のメイン活動量データD2を補完することができる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けが存在するままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。
【0107】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る活動量管理システム1について説明する。以下の各実施形態及び各変形例において、第1実施形態と同一の構成及び同一の処理には同一の符号を付すとともに説明を省略する。
【0108】
[第2機能構成]
図8は、本実施形態の活動量管理システム1の機能構成を示す図である。本実施形態の活動量管理システム1は、第1実施形態の構成に加えて外部サーバ30を備える。外部サーバ30は、携帯端末10及び活動量計20と通信可能なコンピュータにより構成される装置である。
【0109】
外部サーバ30は、外部制御部300と、外部記憶部35と、を備える。なお、外部制御部300及び外部記憶部35は、第1実施形態と同様のハードウエア構成を備える。
【0110】
外部制御部300は、機能として、比較処理部141及び補完データ生成部142を備える。また、外部記憶部35は、その一領域に補完データ記憶部152を有する。このため、本実施形態の携帯端末10は、第1実施形態と比較して、比較処理部141、補完データ生成部142、及び補完データ記憶部152を備えていない。
【0111】
[第2通信シーケンス]
図9は、本実施形態の活動量管理システム1の通信シーケンスを示す図である。
【0112】
ステップS201Aにおいて、活動量計20が外部サーバ30に対し、メイン活動量データD2における抜けの確認を要求するための要求信号を実行信号として送信する。活動量計20が外部サーバ30に実行信号を送信すると、ステップS211において活動量計20は外部サーバ30との間で通信を開始する。
【0113】
ステップS201Bにおいて、外部サーバ30は携帯端末10に対して実行信号を送信すると、ステップS111において携帯端末10は外部サーバ30と通信を開始する。
【0114】
ステップS112において携帯端末10は、サブ活動量データ記憶部151からサブ活動量データD1を読み出し、ステップS113において携帯端末10は外部サーバ30にサブ活動量データD1を送信する。
【0115】
ステップS212において活動量計20は、メイン活動量データ記憶部251からメイン活動量データD2を読み出し、ステップS213において活動量計20は外部サーバ30にメイン活動量データD2を送信する。
【0116】
外部サーバ30の外部制御部300は、受信したサブ活動量データD1とメイン活動量データD2とを一時的に外部記憶部35に記憶して、ステップS102からステップS108における比較処理を実行する。
【0117】
外部制御部300は、サブ活動量データD1とメイン活動量データD2とが一致しないと判定した場合、ステップS307において、活動量計20に補完データD4を送信する。
【0118】
活動量計20の第2制御部200は、受信した補完データD4を用いてメイン活動量データD2を補完する。第2制御部200は、ステップS214においてメイン活動量データD2の補完を完了すると、ステップS215において、外部サーバ30に補完完了信号を送信する。
【0119】
外部サーバ30の外部制御部300は、補完完了信号を受信すると、ステップS309において携帯端末10に補完完了信号を送信する。
【0120】
携帯端末10及び活動量計20において補完完了信号の送受信が行われると、ステップS114及びステップS216において携帯端末10及び活動量計20は、外部サーバ30との通信を終了する。
【0121】
このように、本実施形態では、外部サーバ30によってメイン活動量データD2の補完データD4が生成される。
【0122】
なお、本実施形態においてステップS201Aで活動量計20が実行信号を外部サーバ30に送信したが、これに限られるものではない。例えば、活動量計20は、ステップS201の処理を行うことなく、メイン活動量データD2を実行信号として外部サーバ30に送信してもよい。この場合には、外部サーバ30は、メイン活動量データD2を受信すると、ステップS201Bの処理を実行し、ステップS113の処理でサブ活動量データD1を受信する。
【0123】
本実施形態によれば、以下の作用及び効果を奏する。
【0124】
本実施形態によれば、利用者の活動量を管理するための活動量管理システム1であって、第1加速度センサ11の出力値に基づいて利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を計測する携帯端末10と、第2加速度センサ21の出力値に基づいて利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を計測する活動量計20と、活動量計20及び携帯端末10と通信可能な外部サーバ(サーバ)30と、を備える活動量管理システム1が提供される。
【0125】
上記の外部サーバ(サーバ)30は、携帯端末10において計測されたサブ活動量データ(第1活動量データ)D1と、活動量計20において計測されたメイン活動量データ(第2活動量データ)D2と、を外部サーバ(サーバ)30の外部記憶部(記憶部)35に記憶する。そして外部サーバ30は、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2の不具合の確認を実行するための実行信号を受け付けし、外部記憶部(記憶部)35に記憶されたサブ活動量データ(第1活動量データ)D1とメイン活動量データ(第2活動量データ)D2とを実行信号に基づいて比較して、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2を補完するための補完データD4を生成する。
【0126】
例えば、外部サーバ30は、活動量計20からメイン活動量データD2の抜けの確認を要求するための要求信号(実行信号)を受信する。そして外部サーバ30は、外部記憶部35に記憶されたサブ活動量データD1とメイン活動量データD2とを要求信号に基づいて比較して、メイン活動量データD2を補完するための補完データD4を生成し、補完データD4を活動量計20に送信する。
【0127】
また、本実施形態によれば、外部サーバ30は、第1加速度センサ11の出力値に基づいて計測される利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を外部記憶部(記憶部)35に記憶するコンピュータであって、第2加速度センサ21の出力値に基づいて利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を計測する活動量計(装置)20と通信可能なコンピュータである。この外部サーバ30に実行させるためのプログラムは、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2の不具合の確認を実行するための実行信号を受け付けるステップ(実行信号受付ステップ)S211と、活動量計(装置)20から利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を取得するステップ(取得ステップ)S214と、を含む。さらにプログラムは、外部記憶部(記憶部)35に記憶されたサブ活動量データ(第1活動量データ)D1とメイン活動量データ(第2活動量データ)D2とを比較して、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2を補完するための補完データD4を生成するステップ(補完データ生成ステップ)S315を含む。
【0128】
具体例として上記プログラムは、活動量計20から実行信号を受信するステップS211と、活動量計20から利用者のメイン活動量データD2を取得するステップS214と、外部記憶部35に記憶されたサブ活動量データD1とメイン活動量データD2とを比較して補完データD4を生成するステップS315と、補完データD4を活動量計20に送信するステップS307と、を含む。
【0129】
このように、本実施形態によれば、外部サーバ30において、サブ活動量データD1とメイン活動量データD2との比較が行われることにより、メイン活動量データD2の抜けデータD5を特定することができる。そして、外部サーバ30において生成される補完データD4によって、メイン活動量データD2を補完することができる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けなどの不具合が存在する状態で活動量のデータが記憶され続けることを回避することができる。
【0130】
また、一般に、外部サーバ30の外部制御部300の演算能力は、携帯端末10の第1制御部100の演算能力と比較して高い。このため、外部サーバ30は、携帯端末10において補完データD4を生成するよりも円滑に、メイン活動量データD2の抜けデータD5を特定し、補完データD4を生成することができる。また、外部サーバ30が比較処理を実行することにより、携帯端末10における処理負担が軽減されるため、携帯端末10の消費電力を低減することもできる。
【0131】
(第1変形例)
次に、第1実施形態に係る活動量管理システム1の変形例について説明する。本変形例の機能構成において、第1処理部14の機能は、活動量計20の第2制御部200に含まれる。
【0132】
図10は、本変形例における通信シーケンスの一例である。
図10を参照すると、活動量計20の第2制御部200は、ステップS404において携帯端末10からサブ活動量データD1を受信する。
【0133】
そして、活動量計20の比較処理部141は、ステップS103において比較データD3を生成すると、ステップS105において補完データ生成部142において補完データD4を生成し、ステップS205においてメイン活動量データD2を補完する処理を実行する。
【0134】
本変形例によれば、以下の作用及び効果を奏する。
【0135】
本実施形態によれば、活動量計20は、利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を計測するための携帯端末(第1加速度センサ11を備える装置)10と通信可能なコンピュータである。この活動量計20に処理を実行させるためのプログラムは、第2加速度センサ21の出力値に基づいて計測される利用者のメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を第2記憶部(記憶部)25に記憶する記憶ステップと、利用者のサブ活動量データ(第1活動量データ)D1を受信するステップ(受信ステップ)S404と、第2記憶部(記憶部)25に記憶されたメイン活動量データ(第2活動量データ)D2と、を含む。さらに上記プログラムは、サブ活動量データ(第1活動量データ)D1と、を比較して、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2のうち利用者が第2加速度センサ21を携帯していないときの抜けデータD5を特定するステップ(特定ステップ)S104と、抜けデータD5に基づいてメイン活動量データ(第2活動量データ)D2を補完するための補完データD4を生成するステップ(生成ステップ)S105と、を含む。
【0136】
このように、本変形例の活動量管理システム1によれば、上記各実施形態と比較して、携帯端末10の通信回数を減らすことができるため、いわゆる通信エラーなどによって、メイン活動量データD2が補完されないことを抑制することができる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けなどの不具合が存在するままで活動量のデータが記憶され続けてしまうという事態をより確実に回避することができる。また、利用者は、活動量計20の内部にのみ本実施形態のアプリケーションプログラムをインストールすればよいため、携帯端末10にインストールする手間を省くことができる。
【0137】
(第2変形例)
次に、上記各実施形態の第2変形例について説明する。本変形例では、補完データ生成部142による補完データD4の生成方法が異なる。
【0138】
本変形例の補完データ生成部142は、携帯端末10の第1加速度センサ11の加速度から歩数を演算する手法としての第1アルゴリズムと、活動量計20の第2加速度センサ21の加速度から歩数を演算する手法としての第2アルゴリズムと、の違いによって生じる歩数の差分が小さくなるように、補正した補完データD4を生成する。
【0139】
具体的には、補完データ生成部142は、サブ活動量データD1とメイン活動量データD2との比較データD3から、統計的に両者の歩数の差分が小さくなるような変換式を導出し、この変換式を用いて補完データD4を生成してもよい。
【0140】
例えば、補完データ生成部142は、携帯端末10の第1アルゴリズムにより計測された歩数を、活動量計20の第2アルゴリズムにより計測された歩数と等しくなるような変換式を用いて補完データD4を生成する。また、この変換式は、利用者の歩き方の変化などを反映するために所定期間ごとにアップデートされてもよい。このように、変換式が所定期間ごとにアップデートされることによって、より適切に補正された補完データD4が生成される。
【0141】
これに代えて又は加えて、補完データ生成部142は、携帯端末10及び活動量計20の両者の仕様の違いによって生じる差分が小さくなるように補完データD4を生成してもよい。
【0142】
本変形例によれば、以下の作用及び効果を奏する。
【0143】
本変形例によるプログラムにおいて、補完データD4を生成するステップ(補完データ生成ステップ)S105は、差分が判定閾値を超えるか否か(所定の基準を満たすか否か)を判断する。そしてステップS105は、差分が判定閾値を超える場合に、利用者の同一の活動に対して計測されるサブ活動量データ(第1活動量データ)D1とメイン活動量データ(第2活動量データ)D2との差分が小さくなるようにサブ活動量データD1に対する補正処理を施したデータを、補完データD4として生成する機能を有する。
【0144】
例えば、上記プログラムは、ステップS105は、差分が判定閾値を超える場合(所定の基準を満たす場合)に、サブ活動量データD1に対して、第1加速度センサ11の加速度からサブ活動量データD1を演算する手法としての第1アルゴリズムと、活動量計20の第2加速度センサ21の加速度からメイン活動量データD2を演算する手法としての第2アルゴリズムと、の違いによって生じる差分を補正するための補正処理をしたデータを、補完データD4として生成する機能を有する。
【0145】
このように、本変形例によれば、携帯端末10の歩数の計測に用いられる第1アルゴリズムと、活動量計20の歩数の計測に用いられる第2アルゴリズムと、の違いによって生じる差分が補正される。このため、携帯端末10において計測された歩数が活動量計20において計測された歩数に近似するように補正された補完データD4が生成される。したがって、利用者が携帯端末10を携帯し忘れた場合においても、活動量計20を携帯していた場合と略同一の歩数がメイン活動量データD2に上書きされる。これにより、メイン活動量データD2に抜けなどの不具合が存在したままで活動量のデータが記憶されることを抑制するとともに、より適切な歩数によってメイン活動量データD2を補完することができる。
【0146】
(第3変形例)
続いて、上記各実施形態の第3変形例について説明する。
【0147】
上記各実施形態のプログラムは、携帯端末10と活動量計20との通信距離を判定する判定ステップをさらに備えていてもよい。例えば、この判定ステップは、携帯端末10と活動量計20との通信距離が近距離無線通信の通信可能範囲内にあるか否かを判定する機能を有している。そして、第1制御部100は、通信距離が近距離無線通信の範囲内にある場合に、メイン活動量データ(第2活動量データ)D2の不具合の確認を実行するための実行信号を送信する。
【0148】
また、この判定ステップにおいて、例えば、所定時間毎に通信を試み、互いの通信が成立したときに携帯端末10と活動量計20との距離が近距離無線通信の範囲内にあると判定されてもよい。また、携帯端末10と活動量計20との距離は、アクセスポイント等の同一の通信拠点に対する通信の成立または応答速度によって判定されてもよい。
【0149】
または、この判定ステップにおいて、通信距離が所定の範囲を超えると判定された場合に、活動量計20の携帯し忘れを警告する機能を有していてもよい。例えば、この所定の距離は、自宅などの敷地寸法を基準に設定されてもよい。第1制御部100は、携帯端末10と活動量計20との通信距離が自宅の敷地寸法を超える場合、利用者は活動量計20を携帯し忘れたおそれがあるため、携帯端末10において携帯し忘れを報知してもよい。
【0150】
さらに、本変形例の活動量計20が例えばスマートウォッチを含む複数の携帯端末10と通信可能な場合には、この判定ステップにおいて、活動量計20との通信距離が最も近い携帯端末10が特定される。そして、活動量計20との通信距離が最も近い携帯端末10は、その装置内に保持されているサブ活動量データD1を用いて補完データD4を生成する。
【0151】
これにより、複数の携帯端末10が保持するサブ活動量データD1のうち、利用者が補完データD4として利用したいサブ活動量データD1を特定することができるので、より適切にメイン活動量データD2を補完することができる。
【0152】
本変形例によれば、以下の作用及び効果を奏する。
【0153】
本変形例のプログラムは、携帯端末(コンピュータ)10と活動量計(装置)20との通信距離を判定するステップ(判定ステップ)をさらに備え、判定ステップは、通信距離が近距離無線通信の通信可能範囲内にある場合(所定の基準を満たす場合)に、上記の実行信号を受け付け可能にする機能を有する。
【0154】
本変形例によれば、第1制御部100は、携帯端末10と活動量計20との通信距離を判定し、通信距離が所定の範囲にある場合にのみ実行信号を送信するため、所定の範囲外にある場合にまで実行信号を無駄に送信しない。このため、活動量計20が実行信号を送信し続けることによって消費されるエネルギを低減することができる。
【0155】
また、通信距離を判定するステップを備えることにより、通信距離が予め定められた範囲を超えた場合に、利用者に対して活動量計20の携帯し忘れを警告することができる。これにより、活動量計20に記憶されるメイン活動量データD2に抜けなどの不具合が存在したままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。
【0156】
(第4変形例)
続いて、第4変形例について説明する。本変形例では、携帯端末10は、サブ活動量データD1とメイン活動量データD2とを比較する際に、活動量計20の所有者本人の活動量データの比較であるか否かを判定する。そして、双方の活動量データが所有者本人の活動量データである場合には、補完データD4を生成する。
【0157】
具体的には、比較データD3において、上記の判定閾値としての「2,000」の歩数を超える差分を生じるデータ数が、従来の比較データD3におけるデータ数と比較して相対的に多い場合、活動量計20の所有者本人のメイン活動量データD2ではない可能性がある。このような場合、携帯端末10の第1制御部100は、メイン活動量データD2を補完するための補完データD4の生成を中止してもよい。
【0158】
また、携帯端末10が活動量計20の所有者を判定する場合、上記の判定閾値は、活動量計20の利用者ごとに変更されてもよい。例えば、利用者の一日の歩数が、利用者の生活習慣に応じて異なる値をとり得るため、判定閾値もまた利用者の生活習慣に合わせて利用者ごとに設定されてもよい。例えば、利用者の生活習慣として、歩行する時間が短い場合には判定閾値は小さく設定され、歩行する時間が長い場合には判定閾値は大きく設定されてもよい。
【0159】
本変形例によれば、第1制御部100は、利用者の生活習慣に応じて判定閾値を設定し、利用者の生活習慣に応じた判定閾値に基づいて、抜けデータD5の有無を精度よく判定することができる。
【0160】
(第5変形例)
次に、第5変形例について説明する。本変形例では、サブ活動量データD1とメイン活動量データD2との比較処理が異なる。
【0161】
具体的には、携帯端末10の第1制御部100は、所定期間における活動量計20のメイン活動量データD2のうち、平均値を下回るデータを抜けデータD5と推定する。一般に、利用者が活動量計20を携帯し忘れた日における活動量計20のメイン活動量データD2の歩数は、所定期間における歩数の平均値を下回る可能性が高い。
【0162】
したがって、携帯端末10の第1制御部100は、メイン活動量データD2を受信すると、メイン活動量データD2における所定期間内の歩数のうち、平均値を下回る歩数が記憶されている日にちのデータを抜けデータD5と推定する。または、第1制御部100は、平均値に代えて、例えば「500」を特定閾値として、この特定閾値よりも歩数の少ない日にちのデータを抜けデータD5と推定してもよい。
【0163】
そして、第1制御部100は、推定した抜けデータD5の歩数と、その日のサブ活動量データD1の歩数との差分を算出し、その差分が上記判定閾値を超える場合、その日のサブ活動量データD1を補完データD4として生成する。
【0164】
すなわち、本変形例の携帯端末10は、所定期間のサブ活動量データD1全部と、所定期間のメイン活動量データD2全部と、の比較処理を実行することなく、抜けデータD5を特定することができる。これにより、上記各実施形態と比較して補完データD4を生成するための演算量を減らすことができるため、より確実にメイン活動量データD2に抜けが存在したままで活動量のデータが記憶されることを抑制することができる。
【0165】
なお、携帯端末10が抜けデータD5を推定する代わりに、活動量計20が抜けデータD5を推定してもよい。
【0166】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る活動量管理システム1について説明する。本実施形態において、上記実施形態と同一の構成には同一の符号を付すとともに説明を省略する。
【0167】
図11は、第3実施形態の活動量管理システム1の機能構成を示す図である。本実施形態では、上述した補完処理部241と同じ構成が、活動量計20ではなく、外部サーバ30に備えられている点が第2実施形態とは異なる。外部サーバ30の補完処理部241は、補完データ生成部142からの補完データD4に基づいてメイン活動量データD2を補完する補完手段を構成する。
【0168】
本実施形態の外部サーバ30において、補完処理部241は、補完データ生成部142から取得した補完データD4に基づいて、活動量計20から受信したメイン活動量データD2を補完する。
【0169】
そして、外部制御部300は、補完したメイン活動量データD2を外部記憶部35に記録する。そのため、活動量計20の利用者は、携帯端末10又は他の通信機能を有する装置において、インターネットブラウザ、又は活動量管理用アプリケーションソフトウェア等を用いて外部サーバ30に接続する。これにより、利用者は、外部記憶部35に記憶されたメイン活動量データD2を携帯端末10又は他の通信機能を有する装置が備える不図示の表示部に表示させることができる。
【0170】
このように、補完データ生成部142によって生成された補完データD4は、必ずしも活動量計20に送信されて活動量計20内でメイン活動量データD2が補完されることが必須ではなく、本実施形態のように外部サーバ30内でメイン活動量データD2が補完されたうえで格納されてもよい。このような実施形態であっても、利用者は、活動量計20で測定される活動量のデータに不具合が発生した場合であっても、メイン活動量データD2に不具合が存在した状態で活動量のデータが保存され続けることなく、補完されたメイン活動量データD2を管理及び閲覧することができる。
【0171】
本実施形態の構成に代えて、活動量管理システム1は、携帯端末10及び活動量計20のみで実現されていてもよい。この場合、携帯端末10は、上述した外部制御部300の比較処理部141、補完データ生成部142及び補完処理部241を備えるとともに、第1記憶部15には補完データ記憶部152がさらに備えられる。そして、携帯端末10において、補完処理部241は、補完データ生成部142から取得した補完データD4に基づいて、活動量計20から受信したメイン活動量データD2を補完する。すなわち、携帯端末10は、補完したメイン活動量データD2を携帯端末10が備える補完データ記憶部152に記録する。
【0172】
そのため、活動量計20の利用者は、携帯端末10が格納する活動量管理用アプリケーションソフトウェア等を用いることによって、携帯端末10の補完データ記憶部152に記憶されたメイン活動量データD2を、携帯端末10が備える不図示の表示部に表示させることができる。このような構成であっても、利用者は、活動量計20で測定される活動量のデータに不具合が発生した場合であっても、メイン活動量データD2に不具合が存在したままで活動量のデータが記憶されることなく、補完されたメイン活動量データD2を管理および閲覧することができる。
【0173】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0174】
例えば、上記の各実施形態において、活動量計20が利用者の活動量として歩数を記憶する場合について説明した。しかしながら、補完される活動量は歩数に限られず、上記の他の活動量であってもよい。
【0175】
また、上記各実施形態において、メイン活動量データD2の日にちごとに比較処理が実行されている。しかしながら、比較処理は日にちごとに限られず、所定の時間帯ごとに実行されてもよい。例えば、利用者が常に携帯端末10を携帯していない場合には、利用者が携帯端末10を携帯している時間のサブ活動量データD1のみを補完データD4としてもよい。
【符号の説明】
【0176】
1 活動量管理システム
10 携帯端末
11 第1加速度センサ
15 第1記憶部(記憶部)
20 活動量計
21 第2加速度センサ
D1 サブ活動量データ(第1活動量データ)
D2 メイン活動量データ(第2活動量データ)
S100 取得ステップ
S107 送信ステップ
S204 受信ステップ