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特開2022-148997送迎地点案内システム、ピックアップ地点案内システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022148997
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】送迎地点案内システム、ピックアップ地点案内システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20220929BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20220929BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220929BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220929BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0968
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050906
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】大橋 大
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
(72)【発明者】
【氏名】堀 敬滋
(72)【発明者】
【氏名】若林 賢
(72)【発明者】
【氏名】前山田 信
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB22
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD39
2F129DD40
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE84
2F129EE90
2F129EE94
2F129EE96
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF59
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF68
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MC15
(57)【要約】
【課題】出発時と到着時の天候に応じた送迎地点を案内する技術の提供。
【解決手段】車両による送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際に送迎した送迎地点と、送迎時の目的地周辺の天候と、を含む送迎履歴を取得する送迎履歴取得部と、車両による新規の送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、を含む新規送迎情報を取得する新規送迎情報取得部と、前記新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、送迎時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する前記送迎履歴に対応付けられた送迎地点を取得する送迎地点取得部と、取得した送迎地点を案内部に案内させる案内制御部と、を備える送迎地点案内システムを構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両による送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際に送迎した送迎地点と、送迎時の目的地周辺の天候と、を含む送迎履歴を取得する送迎履歴取得部と、
車両による新規の送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、を含む新規送迎情報を取得する新規送迎情報取得部と、
前記新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、送迎時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する前記送迎履歴に対応付けられた送迎地点を取得する送迎地点取得部と、
取得した送迎地点を案内部に案内させる案内制御部と、
を備える送迎地点案内システム。
【請求項2】
前記送迎履歴には、送迎地点での送迎時間帯が対応付けられ、
前記新規送迎情報には、目的地の到着予定時間帯が含まれ、
前記送迎地点取得部においては、前記新規送迎情報における目的地の到着予定時間帯と送迎時間帯が一致する前記送迎履歴に対応付けられた送迎地点が取得される、
請求項1に記載の送迎地点案内システム。
【請求項3】
車両によってピックアップされた者の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際にピックアップされたピックアップ地点と、ピックアップ時の目的地周辺の天候とを含むピックアップ履歴を取得するピックアップ履歴取得部と、
車両によって新規にピックアップされる者の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、を含む新規ピックアップ情報を取得する新規ピックアップ情報取得部と、
前記新規ピックアップ情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、ピックアップ時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する前記ピックアップ履歴に対応付けられたピックアップ地点を取得するピックアップ地点取得部と、
取得したピックアップ地点を案内部に案内させる案内制御部と、
を備えるピックアップ地点案内システム。
【請求項4】
前記ピックアップ履歴には、ピックアップ地点でのピックアップ時間帯が対応付けられ、
前記新規ピックアップ情報には、目的地の到着予定時間帯が含まれ、
前記ピックアップ地点取得部においては、前記新規ピックアップ情報における目的地の到着予定時間帯とピックアップ時間帯が一致する前記ピックアップ履歴に対応付けられたピックアップ地点が取得される、
請求項3に記載のピックアップ地点案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送迎地点案内システム、ピックアップ地点案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、合流相手と合流するための合流位置を設定するナビゲーション装置において、天候が雨の場合、屋内の施設を合流地点として設定し、天候が晴れの場合は屋内・屋外に関わらず利用できる施設を合流地点とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-105929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来技術では、出発時の天候と到着時の天候が異なる場合について考慮されていない。例えば、車両にて目的地に送られる者の出発時における出発地は晴天であるが、目的地到着時の目的地は雨天であった場合、送られる者は雨具を所持していないことが考えられ、その場合、目的地付近の屋根付きの施設が降車地点となりうる。一方で出発時も到着時も雨天の場合は、送られる者は雨具を所持していることが考えられ、その場合、必ずしも屋根付きの施設が降車地点とならないことも考えられる。このように、送迎における出発時の出発地の天候と到着時の目的地の天候によって、目的地近傍の実際の送迎地点の傾向が異なりうる。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、出発時と到着時の天候に応じた送迎地点を案内する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、送迎地点案内システムは、車両による送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際に送迎した送迎地点と、送迎時の目的地周辺の天候と、を含む送迎履歴を取得する送迎履歴取得部と、車両による新規の送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、を含む新規送迎情報を取得する新規送迎情報取得部と、新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、送迎時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する送迎履歴に対応付けられた送迎地点を取得する送迎地点取得部と、取得した送迎地点を案内部に案内させる案内制御部と、を備える。
【0006】
すなわち、送迎地点案内システムでは、目的地と、目的地周辺で実際に送迎した送迎地点と、送迎時の目的地周辺の天候と、を含む送迎履歴を予め取得しておく。そして、新規の送迎についての出発時の出発地周辺の天候・目的地・到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせが、送迎履歴における出発時の出発地周辺の天候・目的地・目的地周辺の天候の組み合わせと一致する場合に、当該送迎履歴における送迎地点を案内部に案内させる。そのため、出発時と到着時の天候に応じた送迎地点を案内することができる。
【0007】
また、上記の目的を達成するためのピックアップ地点案内システムは、車両によってピックアップされた者の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際にピックアップされたピックアップ地点と、ピックアップ時の目的地周辺の天候とを含むピックアップ履歴を取得するピックアップ履歴取得部と、車両によって新規にピックアップされる者の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、を含む新規ピックアップ情報を取得する新規ピックアップ情報取得部と、新規ピックアップ情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、ピックアップ時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致するピックアップ履歴に対応付けられたピックアップ地点を取得するピックアップ地点取得部と、取得したピックアップ地点を案内部に案内させる案内制御部と、を備える。
【0008】
すなわち、ピックアップ地点案内システムでは、目的地と、目的地周辺で実際にピックアップされたピックアップ地点と、ピックアップ時の目的地周辺の天候とを含むピックアップ履歴を予め取得しておく。そして、新規のピックアップについての出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯における目的地周辺の天候の組み合わせが、ピックアップ履歴における出発時の出発地周辺の天候、目的地、ピックアップ時の目的地周辺の天候と一致する場合に、当該ピックアップ履歴におけるピックアップ地点を案内部に案内させる。そのため、出発時と到着時の天候に応じたピックアップ地点を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】送迎地点案内システムの構成を示すブロック図。
図2図2Aは送迎履歴(ピックアップ履歴)の例を示す図、図2Bは送迎地点案内処理のフローチャート。
図3】ピックアップ地点案内システムの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1実施形態:
(1-1)送迎地点案内システムの構成:
(1-2)送迎地点案内処理:
(2)第2実施形態:
(3)他の実施形態:
【0011】
(1)第1実施形態:
(1-1)送迎地点案内システムの構成:
図1は、送迎地点案内システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態において、送迎地点案内システム10は、ナビゲーションシステム100,200と協働する。ナビゲーションシステム100は、プローブ車両に搭載されるシステムであり、プローブ車両によって生成したプローブ情報を送迎地点案内システム10に送信する。
【0012】
本実施形態において、プローブ情報は、プローブ車両の走行履歴と、プローブ車両におけるドア開閉を示す情報と、目的地を示す情報を含んでいる。送迎地点案内システム10は、ナビゲーションシステム100からプローブ情報を取得する。送迎地点案内システム10は、プローブ情報から送迎履歴30bを生成して記録媒体30に記録する。本実施形態において、プローブ車両は複数台存在することが想定されている。各プローブ車両のそれぞれには、ナビゲーションシステム100が備えられるが、図1においては、その中の一つを示している。プローブ情報は、各プローブ車両から送信されるため、送迎地点案内システム10は、複数のプローブ車両から送信されるプローブ情報に基づいて送迎地点を取得することができる。
【0013】
一方、ナビゲーションシステム200は、送迎地点の案内を行う案内車両に搭載されるシステムであり、本実施形態において、案内車両は複数台存在することが想定されている。各案内車両のそれぞれには、ナビゲーションシステム200が備えられるが、図1においては、その中の一つを示している。送迎地点案内システム10は、複数のナビゲーションシステム200からの要求に応じて送迎地点を取得し、ナビゲーションシステム200に当該送迎地点を案内させる。
【0014】
ナビゲーションシステム100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部120と記録媒体130とドアセンサ140とGNSS受信部141と車速センサ142とジャイロセンサ143と通信部144とユーザI/F部145を備えている。記録媒体130には、地図情報130aが記録されている。地図情報130aは、道路区間の端点に対応するノードの位置を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士を接続するリンクを示すリンクデータ等を含んでいる。ここで、ノードは、交差点に対応し、リンクは、交差点から交差点までの道路区間に対応する。地図情報130aは、プローブ車両の位置の特定や目的地までの経路探索、経路案内等に利用される。また道路の周辺に存在する施設の施設IDや名称、施設ジャンル、位置等を含む施設データが地図情報130aには含まれている。当該施設は経路探索の目的地として利用されうる。
【0015】
通信部144は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部120による送迎地点案内システム10との情報の送受信は、通信部144を介して行われる。ドアセンサ140は、プローブ車両が備えるドアの開閉を検知し、検知結果を出力するセンサである。制御部120はドアセンサ140の出力信号に基づいてプローブ車両に備えられた各ドアの開閉を検知することができる。ユーザI/F部145は、プローブ車両の利用者の指示を入力し、また、利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスイッチ等やスピーカー等を備えている。
【0016】
GNSS受信部141は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部141は、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、車両の位置を算出するための信号を出力する。制御部120は、この信号を取得して車両の位置を取得する。車速センサ142は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部120は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ143は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部120は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ142およびジャイロセンサ143等は、車両の走行軌道を特定するために利用される。本実施形態においては、制御部120は、車両の出発地と走行軌道とに基づいて車両の位置を特定し、出発地と走行軌道とに基づいて特定された車両の位置をGNSS受信部141の出力信号に基づいて補正する。
【0017】
制御部120は、ROMや図示しない記録媒体に記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部120は、このプログラムとして、図示しないナビゲーションプログラムとプローブ情報送信プログラム121を実行することができる。ナビゲーションプログラムは、目的地までの経路を探索し、経路を走行するように誘導する機能を制御部120に実現させる。プローブ情報送信プログラム121が実行されると、制御部120はプローブ情報送信部121aとして機能する。制御部120は、プローブ情報送信部121aの機能により、プローブ情報を生成し、通信部144を介してプローブ情報を送迎地点案内システム10に送信する。
【0018】
制御部120は、プローブ情報送信部121aの機能により、一定期間または一定距離の走行のたびに、GNSS受信部141、車速センサ142,ジャイロセンサ143の出力信号に基づいてプローブ車両の現在地を取得する。さらに、制御部120は、プローブ情報送信部121aの機能により、図示しない計時回路に基づいて現在時刻を取得し、プローブ車両の現在地に対して現在時刻を対応づけ、プローブ情報としてRAMまたは図示しない記録媒体に記録する。また、制御部120はドアセンサ140の出力によりドアの開閉を検知すると、ドアの開閉を検知した際の現在地および現在時刻とドア開閉を示す情報とを対応付け、プローブ情報として記録する。また、プローブ車両において設定されている目的地をプローブ情報として記録する。
【0019】
そして、制御部120は、プローブ情報送信部121aの機能により、一定期間内に収集したプローブ情報に、プローブ車両の車両IDを対応付け、通信部144を介して送迎地点案内システム10に送信する。以上の処理が、各プローブ車両において実施されることにより、送迎地点案内システム10においては、複数のプローブ車両のプローブ情報を取得することができる。
【0020】
次に、送迎地点案内システム10について説明する。送迎地点案内システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と記録媒体30と通信部41とを備えている。制御部20は、記録媒体30やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部20は、このプログラムの1つとして、送迎地点案内プログラム21を実行することができる。制御部20は、送迎地点案内プログラム21の処理により、複数のプローブ車両から収集したプローブ情報に基づいて送迎履歴30bを生成し、送迎履歴30bに基づいてナビゲーションシステム200に送迎地点を案内させる。
【0021】
通信部41は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部20は、通信部41を介してナビゲーションシステム100およびナビゲーションシステム200と通信し、各種の情報を授受する。また、制御部20は、通信部41を介して図示しない気象情報配信サーバと通信し、気象情報配信サーバから任意の地域における過去の天候や現況の天候、将来の予想の天候の情報を取得することができる。記録媒体30は、各種の情報を蓄積可能であり、本実施形態においては、送迎履歴30bを記録する。また記録媒体には地図情報30aが予め記録されている。地図情報30aは、地図情報130aと同様の構成に加えて、行政区域を示すデータが含まれており、地図情報30aは任意の地点が含まれる行政区域の特定に利用される。
【0022】
制御部20が送迎地点案内プログラム21を実行すると、制御部20は、送迎履歴取得部21a,新規送迎情報取得部21b,送迎地点取得部21c,案内制御部21dとして機能する。送迎履歴取得部21aは、車両による送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際に送迎した送迎地点と、送迎地点での送迎時間帯と、送迎時の目的地周辺の天候と、を含む送迎履歴を取得する機能である。制御部20は、送迎履歴取得部21aの機能により、プローブ車両から送信されるプローブ情報を、通信部41を介して取得する。
【0023】
本実施形態において、プローブ情報は、プローブ車両による送迎の出発地と、出発時刻と、目的地と、送迎地点と、送迎時刻を特定するために利用される。本実施形態において、送迎地点は、プローブ車両の運転車が同乗者を送った地点である。制御部20は、プローブ車両から取得した一定期間内のプローブ車両の現在地の履歴を参照し、現在地の変化が既定の距離以下である履歴を駐車の履歴とみなす。駐車期間において運転席以外のドアが開閉している場合であって、駐車期間における現在地を示す地点が、ナビゲーションシステムに設定された目的地の既定範囲内である場合に、制御部20は当該地点を送迎地点と見なす。
【0024】
続いて制御部20は、当該送迎地点に至るまでの移動の出発地を特定する。例えば制御部20は、当該送迎地点に至るよりも過去の駐車期間のうちの最新の駐車期間であって運転席以外のドアが開閉された期間を上述と同様に特定し、当該期間における現在地を出発地(すなわち目的地に送り届ける人物を乗車させた地点)として特定する。制御部20は、出発地におけるドア開閉時刻を含む時間帯の天候と、送迎地点におけるドア開閉時刻を含む時間帯の天候を、気象情報配信サーバから取得する。制御部20は出発地が含まれる行政区域と、送迎地点や目的地が含まれる行政区域を、地図情報30aを参照して特定し、当該行政区域についての上述の時間帯の天候を取得する。ここで特定される行政区域は、最も細分化された区域であることが望ましく、例えば市区町村を想定してよい。時間帯は予め決められた時刻の範囲であってよく、本実施形態においては例えば毎時0分からの1時間を1つの時間帯とする。そして、制御部20は、出発地の座標と、出発時の時間帯における出発地周辺の天候と、送迎地点の座標と、目的地の座標(あるいは目的地を示す施設IDでもよい)と、送迎時間帯(送迎地点でのドア開閉時を含む時間帯)、送迎時間帯における目的地周辺の天候とを対応付けた送迎履歴30bを生成し、記録媒体30に記録する。
【0025】
このようにして制御部20は、複数のプローブ車両から取得した複数のプローブ情報から複数の送迎履歴30bを取得する。図2Aは、送迎履歴の一例を示している。図2Aでは、目的地毎、且つ、同一送迎時間帯毎、且つ、出発地の出発時の天候毎、且つ、送迎時の目的地周辺の天候毎の、複数の送迎地点を示している。例えば、送迎地点P10、P11、P12は、目的地がA駅であり、送迎時間帯が17:00から18:00であり、出発時の出発地周辺の天候が晴・曇(晴または曇の少なくともいずれか)であり、送迎時の目的地周辺の天候が晴・曇である場合に、プローブ車両から同乗者を降車させた送迎地点の履歴である。
【0026】
送迎時(同乗者の降車時)に雨であっても出発時(同乗者の乗車時)には雨でないC2のような場合、プローブ車両によって送られる者(同乗者)は雨具を所持していないことがありえる。そのため雨に濡れて歩く距離を短くするために例えば、A駅の建物の入口付近や、A駅に接続する屋根付き施設(例えば地下道、アーケード、デパート等)の入口付近や屋根付き施設内(屋内駐車場等)等に送迎地点が分布しうる。さらに、送迎時間帯がラッシュアワーの場合、A駅の建物の入口付近は車両で混雑することが考えられるため、A駅に直接アクセスできるA駅の建物の入口付近よりも、A駅に間接的にアクセスできる屋根付き施設の入口付近や屋根付き施設内の方が送迎地点として多く分布することも考えられる。その他例えば、送迎時に雨であっても出発時にも雨であるC4のような場合は、A駅に送られる者は既に雨具を所持していることが考えられ、C2の場合ほど、A駅の建物の入口付近や、A駅に接続する屋根付き施設の入口付近や屋根付き施設内には送迎地点が分布しないことが考えられる。また例えば、送迎時には晴・曇であるC1やC3のような場合、雨具が必要ないため、送迎地点の分布がC2やC4よりもばらつくことが考えられる。このように、出発時の天候と送迎時の天候の組み合わせや送迎時間帯によって、送迎地点の傾向が異なりうる。
【0027】
以上のような送迎履歴30bが複数蓄積された場合、制御部20は、この送迎履歴30bを利用して、新規の送迎における送迎地点の候補を取得する。具体的には、制御部20は、新規送迎情報取得部21bの機能により、案内車両のナビゲーションシステム200から新規の送迎における出発時刻と出発地と目的地と目的地への到着予想時刻を取得する。制御部20は、新規送迎情報取得部21bの機能により、出発時刻を含む時間帯における出発地周辺の天候と、到着予定時刻を含む到着予定時間帯における目的地周辺の天候を、気象情報配信サーバから取得する。すなわち制御部20は、出発地が含まれる行政区域を地図情報30aに基づいて特定し、当該区域における現況の天候を取得する。また制御部20は、目的地が含まれる行政区域を特定し、当該区域における到着予定時間帯の予想の天候を取得する。案内車両による新規の送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、到着予定時間帯の組み合わせを以降では新規送迎情報と呼ぶ。
【0028】
制御部20は、送迎地点取得部21cの機能により、新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、目的地の到着予定時間帯、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、送迎時間帯、送迎時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する送迎履歴に対応付けられた送迎地点(座標)を取得する。例えば、図2Aに示す送迎履歴が蓄積されている場合であって、新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候が晴・曇、目的地がA駅、目的地の到着予定時間帯が17:00~18:00、到着予定時間帯の目的地周辺の天候が晴・曇である場合、制御部20はC1の場合に対応付けられた送迎地点P10,P11,P12等を取得する。
【0029】
そして、制御部20は案内制御部21dの機能により、取得した送迎地点を案内部に案内させる。すなわち、制御部20は、案内車両のナビゲーションシステム200に送迎地点の座標を送信し、案内車両のナビゲーションシステム200によって案内車両の利用者に送迎地点の位置を通知させる。
【0030】
案内車両のナビゲーションシステム200は、制御部220と記録媒体230とGNSS受信部241と車速センサ242とジャイロセンサ243と通信部244とユーザI/F部245を備える。GNSS受信部241、車速センサ242、ジャイロセンサ243、通信部244、ユーザI/F部245は、プローブ車両のナビゲーションシステム100における141~145と同様の構成である。制御部220はCPU,RAM,ROM等を備え、記録媒体230に記録されたナビゲーションプログラム221を含む様々なプログラムを実行可能である。地図情報230aは地図情報130aと同様の構成である。地図情報230aは、案内車両の位置の特定や目的地までの経路探索、経路案内等に利用される。
【0031】
ナビゲーションプログラム221には、目的地周辺へ同乗者を送る場合に送迎地点(同乗者を降車させる地点)の候補を案内する機能が含まれる。この場合に制御部220は案内部221aとして機能する。案内車両の運転者は、案内車両に他者を乗せて送迎を始める際に、ユーザI/F部245を操作してナビゲーションシステム200に目的地を入力し、目的地までの経路探索と、目的地周辺の送迎地点の候補の案内を指示する。制御部220は、入力された目的地までの経路を探索し、到着予定時刻を算出する。そして、制御部220は、目的地と、現在地と、現在時刻と、目的地への到着予定時刻を、通信部244を介して送迎地点案内システム10に送信する。上述のように送迎地点案内システム10が送迎地点の候補を取得し案内車両のナビゲーションシステム200に返信すると、制御部220は通信部244を介して送迎地点の候補を取得する。制御部220は、案内部221aの機能により、目的地周辺の地図をユーザI/F部245に表示し、さらに本実施形態においては、当該地図上に、送迎地点の候補の位置を示すアイコンを重ねて表示する。送迎地点を示すアイコンが密集しているエリアは、到着予定時間帯と同じ時間帯において、出発時と到着時の天候の組み合わせが同じである場合に送迎地点として多く採用されたエリアであることを示している。案内車両の運転者は、目的地周辺に到達すると、送迎地点の候補として提示されたアイコンが示す地点のうちのいずれかの地点を目指して案内車両を進めることができる。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、送迎地点案内システム10は、出発時と到着時の天候に応じた送迎地点を案内することができる。そのため案内車両の運転者は、例えば目的地が不慣れな場所であったとしても出発時と送迎時の天候や送迎時間帯に応じた利便性のよい送迎地点を認識することができ、当該地点を目指して車両を走行させることができる。
【0033】
(1-2)送迎地点案内処理:
次に、制御部20が実行する送迎地点案内処理を、図2Bを参照しながら説明する。送迎地点案内処理は、送迎履歴取得部21aの機能により送迎履歴30bが予め蓄積され、図2Aに示すように目的地毎、且つ、送迎時間帯毎、且つ、出発地時の出発地周辺の天候毎、且つ、送迎時の目的地周辺の天候毎に送迎地点が集計されている状態で、案内車両のナビゲーションシステム200から新規の送迎における出発時刻と出発地と目的地と目的地への到着予想時刻を受信した場合に開始される。送迎地点案内処理が開始されると、制御部20は、新規送迎情報取得部21bの機能により、新規送迎情報を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、出発時刻を含む時間帯における出発地周辺の天候と、到着予定時刻を含む到着予定時間帯における目的地周辺の天候を、気象情報配信サーバから取得し、新規の送迎の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、到着予定時間帯とを対応付けた新規送迎情報を取得する。
【0034】
続いて、制御部20は、送迎地点取得部21cの機能により、新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせと、出発時の出発地周辺の天候、目的地、送迎時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する送迎履歴に対応付けられた送迎地点を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は送迎履歴30bを参照し、これらの組み合わせが一致する送迎履歴における送迎地点を取得する。
【0035】
続いて、制御部20は、案内制御部21dの機能により、送迎地点を案内させる(ステップS110)。すなわち制御部20は、案内車両のナビゲーションシステム200に送迎地点を送信し、案内部221aに送迎地点を案内させる。その結果、ナビゲーションシステム200のユーザI/F部245の表示部において送迎地点の候補の位置が提示される。
【0036】
(2)第2実施形態:
図3は、ピックアップ地点案内システム50の構成を示すブロック図である。ピックアップ地点案内システム50は、携帯端末150および携帯端末250と協働する。携帯端末150,250は、例えばスマートフォンやタブレット等の通信機能を有する可搬型の端末である。携帯端末150はピックアップ履歴を取得するための移動履歴をピックアップ地点案内システム50に送信する端末であり、複数台存在するが図3においてはそのうちの1台を記載している。携帯端末250は、ピックアップ地点を案内させる端末であり、複数台存在しうるが図3にはそのうちの1台を図示している。第2実施形態において、ピックアップ地点案内システム50は、携帯端末を所持し目的地に向かって公共交通機関等を利用して移動し目的地において車両にピックアップされる者に、目的地周辺のピックアップ地点の候補を案内する機能を有する。
【0037】
携帯端末150は、GNSS受信部191と通信部194とタッチパネルディスプレイ195を備えている。携帯端末150の制御部160は、図示しないCPU,ROM,RAM等を備え、図示しない記録媒体に記録された様々なプログラムを実行することができる。本実施形態において、制御部160は、ナビゲーションプログラムや、移動履歴送信プログラム161を実行することができる。ナビゲーションプログラムは、移動手段に応じた目的地までの経路を探索し、経路に沿って移動するように案内する機能を制御部160に実現させる。経路探索機能や経路案内機能は、図示しないナビゲーションサーバと連携して行う構成であってもよい。携帯端末150の利用者は、タッチパネルディスプレイ195を操作してナビゲーションプログラムを起動し目的地を入力し、移動手段を選択すると、当該移動手段に応じた経路を取得できる。
【0038】
移動履歴送信プログラム161を実行する場合に制御部160は移動履歴送信部161aとして機能する。制御部160は、移動履歴送信部161aの機能により、一定期間毎にGNSS受信部191の出力信号に基づいて現在地を取得し、図示しない計時回路から取得した現在時刻と端末のIDを対応付けて移動履歴とする。さらに、制御部160は、携帯端末150において設定されている目的地を対応付けて移動履歴とする。制御部160は既定のタイミングで移動履歴をピックアップ地点案内システム50に通信部194を介して送信する。
【0039】
ピックアップ地点案内システム50は、制御部60と、記録媒体70と、通信部81とを備えている。通信部81は、携帯端末150,250や、図示しない気象情報配信サーバ等と通信する回路を備えている。記録媒体70には予め地図情報70aが記録されている。地図情報70aは第1実施形態における地図情報30aと同様の構成である。制御部60は図示しないCPU,ROM,RAM等を備え記録媒体70に記録された任意のプログラムを実行することができる。このプログラムの1つとして制御部60は、ピックアップ地点案内プログラム61を実行可能である。制御部60がピックアップ地点案内プログラム61を実行する場合、制御部60は、ピックアップ履歴取得部61a、新規ピックアップ情報取得部61b、ピックアップ地点取得部61c、案内制御部61dとして機能する。
【0040】
制御部60は、ピックアップ履歴取得部61aの機能により、携帯端末150の移動履歴からピックアップ履歴を取得する。例えば、制御部60は、携帯端末150が目的地に到達したことを移動履歴から特定すると、目的地の既定範囲内において車両にピックアップされたことを示す履歴が存在するか否かを判定する。例えば、目的地に到着後、目的地の既定範囲内の地点まで徒歩で移動し、当該地点からの移動履歴が車両に乗車したことを示す場合に、ピックアップされたと見なし、当該地点をピックアップ地点とする。例えば、当該地点以降の移動軌跡が車道上にあり移動速度が徒歩の一般的な速度より速い場合に、当該地点から車両に乗車したと見なすことができる。また、バス停やタクシー乗り場以外の任意の地点をピックアップ地点の候補として取得するため、制御部60は、当該地点がバス停やタクシー乗り場に該当するか否かを地図情報70aに基づいて判定し、該当する場合はピックアップ履歴取得のための移動履歴から除外する。
【0041】
移動履歴からピックアップ地点を特定できた場合、制御部60は、目的地への移動を開始した地点を移動履歴から特定する。例えば制御部60は、経路探索を行った際の現在地を出発地として特定する。そして、制御部60は、出発地から移動を開始した時刻すなわち出発時刻を含む時間帯における出発地の天候を気象情報配信サーバから取得する。また、制御部60は、目的地への到着時刻を含む時間帯における目的地の天候を気象情報配信サーバから取得する。制御部60は、出発地を含む区域や目的地を含む区域を地図情報70aに基づいて特定し、当該区域の天候を取得可能である。そして制御部60は、ピックアップされた者の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、目的地周辺で実際にピックアップされたピックアップ地点と、ピックアップ時の目的地周辺の天候と、ピックアップ地点でのピックアップ時間帯とが対応付けられたピックアップ履歴70bを生成し、記録する。このようにして複数の携帯端末における移動履歴から制御部60はピックアップ履歴を生成することができる。複数のピックアップ履歴を生成すると、制御部60は、複数のピックアップ履歴を、目的地、ピックアップ時間帯、出発地の天候、目的地の天候、ピックアップ地点で集計する(例えば図2A参照)。ピックアップされる者の出発時の出発地の天候と、目的地到着時の目的地の天候と、目的地の到着時間帯に応じて、ピックアップ地点の傾向は異なりうる。例えばピックアップされる者が雨具を所持していないことが想定されうるC2のような場合、目的地付近の屋根付きの施設で待機しピックアップしてもらうことが考えられる。またピックアップしてもらう時間帯に応じてピックアップ地点の傾向も異なりうる。
【0042】
図2Aのようにピックアップ地点が集計された状態で、ピックアップ地点案内システム50は、新規のピックアップについてピックアップ地点の候補を取得することができる。制御部60は、新規ピックアップ情報取得部61bの機能により、車両によって新規にピックアップされる者の出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、目的地の到着予定時間帯を含む新規ピックアップ情報を取得する。すなわち制御部60は、携帯端末250からピックアップ地点の候補の案内要求として、目的地と、現在地と、現在時刻と、目的地への到着予定時刻を受信すると、現在時刻を含む時間帯における携帯端末250の現在地周辺の天候を図示しない気象情報配信サーバから取得する。また、制御部260は、目的地への到着予定時刻における目的地周辺の天候を気象情報配信サーバから取得する。新規のピックアップの出発時の出発地周辺の天候と、目的地と、到着予定時間帯の目的地周辺の天候と、到着予定時間帯の組み合わせを以降では新規ピックアップ情報と呼ぶ。
【0043】
制御部60は、ピックアップ地点取得部61cの機能により、新規ピックアップ情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、目的地への到着予定時間帯、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、ピックアップ時間帯、ピックアップ時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致するピックアップ履歴に対応付けられたピックアップ地点を取得する。
【0044】
そして制御部60は、案内制御部61dの機能により、取得したピックアップ地点を案内部に案内させる。すなわち、制御部60は、携帯端末250にピックアップ地点の座標を送信し、携帯端末250において利用者にピックアップ地点の位置を通知させる。
【0045】
携帯端末250は携帯端末150と同様に、制御部260、通信部294、GNSS受信部291、タッチパネルディスプレイ295を備えている。制御部260は、図示しないROM,RAM,CPU等を備え、ナビゲーションプログラム261を含む様々なプログラムを実行できる。ナビゲーションプログラム261を実行する場合、制御部260は案内部261aとして機能する。携帯端末250の利用者が目的地と移動手段を入力して経路探索を指示するとともに、目的地周辺でのピックアップ地点の候補の提示を指示すると、制御部260は、移動手段に応じた経路を探索し、目的地までの経路と目的地への到着予定時刻を取得する。そして制御部260は、案内部261aの機能により、ピックアップ地点の候補の案内要求として、目的地と、現在地と、現在時刻と、目的地への到着予定時刻を、通信部294を介してピックアップ地点案内システム50に送信する。
【0046】
ピックアップ地点案内システム50は上述のようにピックアップ地点の候補を取得し、携帯端末250に返信する。ピックアップ地点の候補を受信すると、制御部260は、案内部261aの機能により、タッチパネルディスプレイ295に目的地周辺の地図を表示させ、当該地図上にピックアップ地点の候補を示すアイコンを重ねて表示する。携帯端末250の利用者がいずれかの地点を選択すると、制御部260は、到着予定時刻とともに、ピックアップしてもらう予定の車両の運転者の携帯端末(あるいは当該車両の車載のナビゲーションシステムでもよい)に送信する。この結果、携帯端末250の利用者は、当該ピックアップ地点にて到着予定時刻にピックアップしてもらえるように依頼することができる。車両を運転しピックアップする側の利用者は、送信された到着予定時刻頃にピックアップ地点に到着するように車両を運転して向かうことができる。なお、携帯端末250の制御部260は、目的地までの経路に従って移動するように携帯端末250の利用者を案内する。ナビゲーションプログラム261における経路探索機能や経路案内機能は、図示しないナビゲーションサーバと連携して行われても良い。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、ピックアップ地点案内システム50は、ピックアップされる者の出発時の出発地の天候と、目的地到着時の目的地の天候と、到着予定時間帯に応じたピックアップ地点の候補を案内することができる。そのため、新規にピックアップされる者は、例えば目的地が不慣れな場所であったとしても出発時と送迎時の天候やピックアップ時間帯に応じた利便性のよいピックアップ地点を認識することができ、当該地点にて車両にピックアップしてもらえるように依頼すること等が可能である。
【0048】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、送迎地点案内システム10やピックアップ地点案内システム50は、複数の装置によって実現されるシステムであってもよい。送迎地点案内システム10を構成する送迎履歴取得部21a、新規送迎情報取得部21b、送迎地点取得部21c、案内制御部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。また、ピックアップ地点案内システム50を構成するピックアップ履歴取得部61a、新規ピックアップ情報取得部61b、ピックアップ地点取得部61c、案内制御部61dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。また、図1図3に示す各システムは、より少ない数の装置で構成されていても良い。例えば、送迎地点案内システム10はナビゲーションシステム200に組み込まれていても良い。この場合、ナビゲーションシステム200が備える記録媒体230に送迎履歴30bが記録されていれば良い。送迎履歴30bは、外部の装置で生成され、ナビゲーションシステム200に提供されても良いし、予め生成され、記録媒体230に記録されていても良い。また、プローブ車両のナビゲーションシステム100は案内車両のナビゲーションシステム200によって実現されても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0049】
プローブ車両に搭載されたナビゲーションシステム100や、案内車両に搭載されたナビゲーションシステム200は、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現される装置であっても良い。
【0050】
第1実施形態において、送迎地点は、車両の運転者が他者を車両に迎える(乗車させる)地点であってもよい。車両の運転者が他者を車両に迎えるために目的地に向かって出発し、目的地付近の駐車場に駐車し一旦降車して他者を迎えに行くような場面を想定してよい。車両の運転者が出発する際の出発地の天候と目的地付近に到着した際の目的地付近の天候とに応じて、車両の運転者にとって好適な駐車場が相違しうる。例えば、出発時は晴れで到着時は雨の場合に、運転者は雨具を持ち合わせていない可能性がある。そのため、屋根付きの駐車場を利用する送迎履歴が多く蓄積されることが考えられる。このような送迎履歴が蓄積されている場合、新規の送迎においても、出発時が晴れで到着予定時間帯が雨の場合、屋根付きの駐車場を送迎地点(他者を迎えるために車両を駐車する地点)として提案可能である。
【0051】
送迎履歴やピックアップ履歴において記録される天候の情報は、天候に関する様々な情報であってよく、晴・曇・雨以外にも様々な状態が記録されてよい。また、気温、湿度、気圧、降水確率、風速、風向、注意報や警報の発令状況、などが記録されてもよい。そして、新規送迎情報や新規ピックアップ情報においてもそれらの情報を採用し、履歴との一致が判定されてもよい。
【0052】
送迎履歴取得部においてプローブ情報に基づいて送迎地点を特定する方法は、上記実施形態の他にも様々な方法を採用してよい。例えば、同乗者を送った(降車させた)際に、車両の運転者が明示的に送迎完了をナビゲーションシステムに入力するように構成され、送迎完了が入力された際の車両の現在地と時刻がプローブ情報に含まれてもよい。あるいは、定期的に過去の移動履歴について運転者にレビューを促すように構成され、過去の移動履歴に対して送迎地点を入力できるように構成されていてもよい。
【0053】
送迎履歴には送迎地点での送迎時間帯が対応付けられなくてもよいし、新規送迎情報には目的地の到着予定時間帯が含まれなくてもよい。この場合に送迎地点取得部は、新規送迎情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、送迎時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致する送迎履歴に対応付けられた送迎地点を取得することができればよい。
【0054】
ピックアップ履歴にはピックアップ地点でのピックアップ時間帯が対応付けられなくてもよいし、新規ピックアップ情報には目的地の到着予定時間帯が含まれなくてもよい。この場合に、ピックアップ地点取得部は、新規ピックアップ情報における出発時の出発地周辺の天候、目的地、到着予定時間帯の目的地周辺の天候の組み合わせに対して、出発時の出発地周辺の天候、目的地、ピックアップ時の目的地周辺の天候の組み合わせが一致するピックアップ履歴に対応付けられたピックアップ地点を取得することができればよい。
【0055】
プローブ車両や案内車両や携帯端末において、目的地は、利用者に明示的に入力されたものであってもよいし、過去の移動履歴や移動パターンから推定されたものであってもよい。あるいは、外部から指定されたものであってもよい。また、送迎履歴取得部やピックアップ履歴取得部においては、過去の移動履歴を利用者にレビューさせ、過去の各移動における目的地を入力させるように構成されていてもよい。
第2実施形態において、携帯端末250の利用者によるピックアップ地点の通知先は、ピックアップされる者の家族や知人が運転する一般車両であってもよいし、送迎サービスのサービス車両であってもよい。
【0056】
送迎地点案内部やピックアップ地点案内部において、送迎地点やピックアップ地点の候補として、送迎履歴やピックアップ履歴に対応付けられた地点をそのまま案内部に提示させてもよいし、それらが分布するエリアを地図上に示すようにさせても良い。例えばそれらが分布するエリアを枠で囲んだり、当該エリアに該当する施設を通常とは異なる色に着色したり、当該エリアに該当する道路区間を示す図形を通常とは異なる色に着色したりするようにさせてもよい。当該エリアに該当する道路区間は交差点から交差点までの区間であってもよいし、当該区間のうちの一部であってもよい。また、分布数が多いエリアほど、強調表示させてもよい。また、複数の送迎地点(あるいはピックアップ地点)を道路区間毎に分類し、1つの道路区間に分布する複数の地点のうちの代表地点を送迎地点(あるいはピックアップ地点)として提示させてもよい。
気象情報配信サーバで気象情報の配信単位として定義されているエリアは、市区町村等の行政区域以外のエリアであってもよい。例えば、地図のメッシュが示すエリアであってもよい。地図のメッシュのうち最も細分化されたレベルのメッシュであれば、市区町村等の行政区域よりもさらに狭い範囲における天候を特定可能である。
【0057】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0058】
10…送迎地点案内システム、20…制御部、21…送迎地点案内プログラム、21a…送迎履歴取得部、21b…新規送迎情報取得部、21c…送迎地点取得部、21d…案内制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…送迎履歴、41…通信部、50…ピックアップ地点案内システム、60…制御部、61…ピックアップ地点案内プログラム、61a…ピックアップ履歴取得部、61b…新規ピックアップ情報取得部、61c…ピックアップ地点取得部、61d…案内制御部、70…記録媒体、70a…地図情報、70b…ピックアップ履歴、81…通信部、100…ナビゲーションシステム、120…制御部、121…プローブ情報送信プログラム、121a…プローブ情報送信部、130…記録媒体、130a…地図情報、140…ドアセンサ、141…GNSS受信部、142…車速センサ、143…ジャイロセンサ、144…通信部、145…ユーザI/F部、150…携帯端末、160…制御部、161…移動履歴送信プログラム、161a…移動履歴送信部、191…GNSS受信部、194…通信部、195…タッチパネルディスプレイ、200…ナビゲーションシステム、220…制御部、221…ナビゲーションプログラム、221a…案内部、230…記録媒体、230a…地図情報、241…GNSS受信部、242…車速センサ、243…ジャイロセンサ、244…通信部、245…ユーザI/F部、250…携帯端末、260…制御部、261…ナビゲーションプログラム、261a…案内部、291…GNSS受信部、294…通信部、295…タッチパネルディスプレイ
図1
図2
図3