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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014900
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】回転式流体伝送装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 23/00 20060101AFI20220113BHJP
   F04C 18/32 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
F04C23/00 F
F04C18/32
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110353
(22)【出願日】2021-07-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】109122949
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514325262
【氏名又は名称】楊 進煌
(71)【出願人】
【識別番号】514325273
【氏名又は名称】楊 順吉
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 進煌
(72)【発明者】
【氏名】楊 順吉
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA04
3H129BB42
3H129BB44
3H129CC03
3H129CC05
3H129CC19
(57)【要約】
【課題】運転の円滑さを高め、より大容量の流体伝送装置として応用することができる回転式流体伝送装置を提供すること。
【解決手段】第1座体60のチャンバに円形のブッシュが設置され、円弧状のピストン21がチャンバに偏心して設置され、ピストン21の内周面212とブッシュの外周の間に第1貯留部が形成され、ピストン21の外周面211とチャンバの内壁の間に第2貯留部が形成され、第1座体60に枢設された円形座体40から突出する2つのクランプアーム41の間にブレード50がはめ込まれ、ブレード50の2つの当接面51がピストン21の2つの端面213に当接され、ピストン21が旋回するとブレード50が往復移動し、第1座体60の第1流路と第2流路が第1貯留部と第2貯留部にそれぞれ連通され、流体をチャンバに流入及び流出させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式流体伝送装置であって、ローターと、駆動軸と、第1座体と、第2座体を含み、前記第1座体と前記第2座体が緊密に結合され、前記第1座体の内部に外周が円形のブッシュが設置され、前記第1座体には前記ブッシュの周囲に環状のチャンバが形成され、前記ローターが円弧状のピストンを備え、前記ピストンが前記チャンバに設置され、かつ前記ピストンと前記チャンバとが偏心し、前記駆動軸が前記ピストンを駆動して前記チャンバ内部で旋回移動させ、前記ピストンの外周面と前記チャンバの内壁が相互に接し、前記ピストンの内周面と前記ブッシュの外周が相互に接し、前記チャンバにおいて前記内周面と前記ブッシュの間に第1貯留部が形成され、前記外周面と前記内壁の間に第2貯留部が形成され、
前記第1座体に往復旋回可能な円形座体が枢設され、前記円形座体の軸方向に沿って突出して延伸された2つのクランプアームが前記チャンバ内に進入し、前記2つのクランプアームの間にブレードがはめ込まれ、前記ピストンの円心と前記チャンバの円心を通過する仮想線が定義され、前記仮想線が延伸されて各前記クランプアームと前記ブレードを通過し、かつ前記チャンバの円心が前記ピストンの円心と前記ブレードの間に位置し、前記ブレードが2つの当接面を備え、前記当接面が前記仮想線とそれぞれ平行であり、かつ前記仮想線が前記2つの当接面の間を通過し、前記ピストンが2つの端面を備え、各前記端面が前記ピストンの円弧の延伸方向両端にそれぞれ位置し、各前記端面が各前記当接面にそれぞれ当接され、前記ピストンが旋回移動運動するとき、各前記端面が各前記当接面をそれぞれ往復摺動させ、かつ前記ブレードが前記仮想線に対して垂直の方向に沿って往復移動して、運転の円滑さと容量を向上し、
前記第1座体に2つの第1流路と2つの第2流路が設けられ、前記第1流路が前記第1貯留部に連通され、かつ各前記第1流路が前記円形座体の両側にそれぞれ近接し、前記第2流路が前記第2貯留部に連通され、かつ各前記第2流路が前記円形座体の両側にそれぞれ近接し、流体を前記チャンバに流入及び前記チャンバから流出させるように構成されたことを特徴とする、回転式流体伝送装置。
【請求項2】
前記ブレードの各前記当接面の間の長さをL1、前記クランプアームの各前記当接面に近接する両側面の間の長さをL2、前記ピストンの円心と前記チャンバの円心の間の偏心距離をL3と定義して、(L2+2×L3)≦L1とし、前記円形座体の外径をD1、前記チャンバの半径をR1、前記ブッシュの半径をR2と定義して、(R1-R2)≦D1とする、ことを特徴とする、請求項1に記載の回転式流体伝送装置。
【請求項3】
前記第1座体が第1表面を備え、前記第2座体が第2表面を備え、前記第1表面と前記第2表面が相対しており、前記チャンバが前記第1表面から前記第1座体の内部に向かって凹陥して形成され、前記第2表面が前記第2座体の内部に向かって凹陥されて収容槽が設けられ、前記ローターがディスクを備え、前記ディスクが前記ピストンと同軸で連接され、前記ディスクが前記収容槽の内部に収容して設置され、かつ前記ディスクの一側が前記第1表面に当接され、これにより前記チャンバの前記第2座体的に隣接する一端が封鎖される、ことを特徴とする、請求項1に記載の回転式流体伝送装置。
【請求項4】
前記駆動軸が、第1区間と、第2区間と、第3区間が軸方向に相互に連接して構成され、かつ前記第2区間が前記第1区間と前記第3区間の間に位置し、前記第1区間と前記第3区間が同軸で相対し、前記第2区間が前記第1区間及び前記第3区間に対して偏心し、前記第1区間が前記第2座体に枢着されて前記第2座体から延伸され、前記第1区間を駆動装置に連接させるとともに、前記第2区間が前記ディスクの中心に枢着され、前記第3区間が前記ブッシュに枢着され、これにより前記駆動装置が前記駆動軸を介して前記ローターを駆動し旋回移動運動させる、ことを特徴とする、請求項3に記載の回転式流体伝送装置。
【請求項5】
前記第1区間と前記第2座体の間に第1ブッシングが設置され、前記第3区間と前記ブッシュの間に第2ブッシングが設置され、前記第1ブッシングと前記第2ブッシングがそれぞれ耐摩耗性の材料で構成される、ことを特徴とする、請求項4に記載の回転式流体伝送装置。
【請求項6】
前記収容槽が円形の凹陥槽であり、前記ディスクが円形の盤体であり、前記ディスクと前記収容槽とが偏心し、かつ前記ディスクの周縁と前記収容槽の内側壁面とが接線方向に接触している、ことを特徴とする、請求項3に記載の回転式流体伝送装置。
【請求項7】
前記収容槽の前記第1座体と逆側の面に複数の円形の凹陥口が形成され、各前記凹陥口に合わせて前記ディスクに複数の円形の凸柱が設置され、前記凸柱の外径が前記凹陥口の内径より小さく、各前記凸柱が各前記凹陥口にそれぞれ挿入され、かつ各前記凸柱が各前記凹陥口とそれぞれ接触して、前記ディスクの旋回移動運動が規制される、ことを特徴とする、請求項6に記載の回転式流体伝送装置。
【請求項8】
前記収容槽の前記第1座体とは逆側の面にさらに複数の円形の凹陥口が形成され、各前記凹陥口に合わせて前記ディスクに複数の凹穴が形成され、複数のボールが各前記凹陥口と各前記凹穴が相対して形成する空間内にそれぞれ設置され、かつ各前記ボールが前記ディスク及び前記第2座体にそれぞれ接触して、前記ローターの動作の円滑性を向上させる、ことを特徴とする、請求項6に記載の回転式流体伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式流体伝送装置に関し、特に、運転の円滑性を改善することができる、回転式流体伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シリンダと、ピストンと、一対のブッシュとを備え、そのうち、該ピストンがC字形を呈し、環状に開設された溝部を備え、各該ブッシュが該溝部に対称に設けられ且つシリンダに一体形成されたブレードを両側から挟んで支持する、回転式圧縮機が開示されている。
上記特許文献1には、「以上の構成において、駆動軸が回転すると、外側シリンダ及び内側シリンダは、ブレードがブレード溝内を進退しながら、揺動ブッシュの中心点を揺動中心として揺動する。この揺動動作により、ピストンとシリンダとの接触点が図3において(A)から(D)へ順に移動する。このとき、上記外側シリンダ及び内側シリンダは駆動軸の周りを公転するが、自転はしない。」と記載されている。
このことから分かるように、上記特許文献1に記載のような回転式圧縮機では、駆動軸が回転すると、外側シリンダ及び内側シリンダ、ピストンがすべて揺動し、全体が不安定な状態になり、故障の機会が増加する。
【0003】
特許文献2には、シリンダと、ピストンと、一対のブッシュとを備え、そのうち、該ピストンがC字形を呈し、環状に開設された溝部を備え、各該ブッシュが該溝部に対称に設けられ且つシリンダに一体形成されたブレードを両側から挟んで支持し、各該ブッシュの少なくとも一方は、給油路と、ブレード側油溜まり部と、溝側油溜まり部とを備え、該給油路の一端が該ブレード側油溜まり部に連通され、該溝側油溜まり部が該ブッシュの湾曲側面上に形成され、該給油路の他端が該溝側油溜まり部に開通され、かつ該溝側油溜まり部の幅が該ブレード側油溜まり部の幅より広い、回転式圧縮機が開示されている。
【0004】
この回転式圧縮機は、溝側油溜まり部の幅が該ブレード側油溜まり部の幅より広いため、溝側油溜まり部の内面には、ブレード側油溜まり部の内面よりも大きな油圧荷重が作用する。これにより、前記ブッシュがブレード側へ押されて各該ブッシュと該溝部間に対して給油することができる。
このため、上記特許文献2に記載のものは、ブッシュの異常摩耗や焼き付きを防止することができるとしている。
【0005】
しかしながら、ピストンが回転運動するとき、該ピストンが溝部の両側部分でも該ピストンの作動に伴い回転運動を形成し、各ブッシュは油の溝側油溜まり部に対する作用力の影響を受け、各ブッシュの作動時に、各ブッシュがブレードに対する当接を維持しながら、該ブレードの軸方向に沿って直線の往復運動を行なう。
これにより、ピストンが溝部の両側と各ブッシュの間で互いに引っ掛かりやすくなり、かつ該ピストンの回転を駆動する駆動軸の軸心と該ピストンの中心間の偏心量が比較的大きい場合、ピストンがブッシュにぶつかりやすくなるため、上記特許文献2に記載の回転式圧縮機は小容量のコンプレッサにしか応用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7563080B2号明細書
【特許文献2】米国特許第9284958B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ブレードの往復移動と微量の揺動により、旋回移動(orbiting motion without rotating)するピストンとブレードの接触を保ちながら、引っ掛かる現象を発生させることなく、運転の円滑さを高め、かつより大容量の流体伝送装置として応用することができる、回転式流体伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の回転式流体伝送装置は、ローターと、駆動軸と、第1座体と、第2座体を含み、前記第1座体と前記第2座体が緊密に結合され、前記第1座体の内部に外周が円形のブッシュが設置され、前記第1座体には前記ブッシュの周囲に環状のチャンバが形成され、前記ローターが円弧状のピストンを備え、前記ピストンが前記チャンバに設置され、かつ前記ピストンと前記チャンバとが偏心し、前記駆動軸が前記ピストンを駆動して前記チャンバ内部で旋回移動させ、前記ピストンの外周面と前記チャンバの内壁が相互に接し、前記ピストンの内周面と前記ブッシュの外周が相互に接し、前記チャンバにおいて前記内周面と前記ブッシュの間に第1貯留部が形成され、前記外周面と前記内壁の間に第2貯留部が形成され、前記第1座体に往復旋回可能な円形座体が枢設され、前記円形座体の軸方向に沿って突出して延伸された2つのクランプアームが前記チャンバ内に進入し、前記2つのクランプアームの間にブレードがはめ込まれ、前記ピストンの円心と前記チャンバの円心を通過する仮想線が定義され、前記仮想線が延伸されて各前記クランプアームと前記ブレードを通過し、かつ前記チャンバの円心が前記ピストンの円心と前記ブレードの間に位置し、前記ブレードが2つの当接面を備え、前記当接面が前記仮想線とそれぞれ平行であり、かつ前記仮想線が前記2つの当接面の間を通過し、前記ピストンが2つの端面を備え、各前記端面が前記ピストンの円弧の延伸方向両端にそれぞれ位置し、各前記端面が各前記当接面にそれぞれ当接され、前記ピストンが旋回移動運動するとき、各前記端面が各前記当接面をそれぞれ往復摺動させ、かつ前記ブレードが前記仮想線に対して垂直の方向に沿って往復移動して、運転の円滑さと容量を向上し、前記第1座体に2つの第1流路と2つの第2流路が設けられ、前記第1流路が前記第1貯留部に連通され、かつ各前記第1流路が前記円形座体の両側にそれぞれ近接し、前記第2流路が前記第2貯留部に連通され、かつ各前記第2流路が前記円形座体の両側にそれぞれ近接し、流体を前記チャンバに流入及び前記チャンバから流出させるように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、往復移動するブレードと旋回するピストンが接触を保ちながら、引っ掛かる現象を発生させることなく、運転の円滑さを高め、かつより大容量の流体伝送装置として応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1を示す回転式流体伝送装置の分解斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る第1座体の底面図である。
図3】本発明の実施例1に係るローター及び第1座体部分の横断面図である。
図4】本発明の実施例1に係るローター及び第1座体部分の横断面図であり、円形座体とブレード、ブッシュとチャンバの比率関係を示す。
図5】本発明の実施例1に係るローターの回転作動状態を示す断面図である。
図6】本発明の実施例1に係るローターの斜視図である。
図7】本発明の実施例1に係る第2座体の横断面図である。
図8】本発明の実施例2を示す回転式流体伝送装置の要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0012】
[実施例1]
図1図7は、本発明の実施例1を示す。
図1から図4に示すように、実施例1では、回転式流体伝送装置は、ローター20と、駆動軸30と、第1座体60と、第2座体70とを含む。
第1座体60及び第2座体70は緊密に結合され、シーラントやガスケットを使用して密封するのが望ましい。
第1座体60の内部に外周が円形のブッシュ11が設置され、第1座体60のブッシュ11の周囲に環状のチャンバ12が形成される。
ローター20は円弧状のピストン21を備え、ピストン21がチャンバ12に設置され、かつピストン21とチャンバ12とは偏心している。
駆動軸30はピストン21を駆動してチャンバ12の内部で旋回移動運動をさせる。
ピストン21は外周面211と内周面212を備え、外周面211とチャンバ12の内壁121が相互に接し、内周面212とブッシュ11の外周が相互に接し、これによりチャンバ12において内周面212とブッシュ11の間に第1貯留部13が形成され、外周面211と内壁121の間に第2貯留部14が形成される。
【0013】
第1座体60に小さい角度の範囲で往復旋回可能な円形座体40が枢設され、円形座体40の軸方向に沿って突出して延伸された2つのクランプアーム41がチャンバ12内に進入し、2つのクランプアーム41の間にブレード50が嵌合される。
また、ピストン21の円心C1とチャンバ12の円心C2を通過する仮想線91が定義され、仮想線91は図面において破線で記載される。仮想線91は各クランプアーム41とブレード50を通過し、かつチャンバ12の円心C2がピストン21の円心C1とブレード50の間に位置している。
ブレード50は2つの当接面51を備え、各当接面51が仮想線91とそれぞれ平行であり、かつ仮想線91が2つの当接面51の間を通過する。
ピストン21は2つの端面213を備え、各端面213がピストン21の円弧の延伸方向両端にそれぞれ位置し、各端面213が各当接面51にそれぞれ当接される。これにより、ピストン21がチャンバ12の円心C2を中心として旋回移動運動するとき、各端面213が各当接面51に対してそれぞれ往復摺動し、かつブレード50が仮想線91に垂直の方向に沿って往復移動して、運転の円滑さと容量を向上する。
【0014】
第1座体60に2つの第1流路15と2つの第2流路16が設けられる。
第1流路15は第1貯留部13に連通され、かつ各第1流路15が円形座体40の両側にそれぞれ近接し、また、第2流路16は第2貯留部14に連通され、かつ各第2流路16が円形座体40の両側にそれぞれ近接する。これにより、流体は、チャンバ12に流入し、チャンバ12から流出する。
第1流路15及び第2流路16は、必要に応じてそれぞれ制御弁や単方向弁(図示しない)に連接し、流体の流動方向を制御することができる。
【0015】
図5に示すように、駆動軸30は駆動装置(図示しない)により駆動されて回転し、駆動軸30がローター20を旋回させ、ピストン21がチャンバ12内部で旋回移動運動し、これにより第1貯留部13と第2貯留部14の第1流路15及び第2流路16に対する位置を変化させる。これにより、流体は、第1流路15及び第2流路16を通過し、チャンバ12に流入し、チャンバ12から流出する。
【0016】
各端面213が各当接面51にそれぞれ当接されているため、ブレード50がピストン21の作用を受けて図5に示す両側方向に往復移動し、円形座体40がブレード50に微量の往復揺動が可能なメカニズムを提供し、ブレード50がピストン21に動かされるとき、ブレード50が適度に微小な幅で往復揺動することができる。
これにより、ブレード50とピストン21が接触を保ちながら、ブレード50とピストン21に引っ掛かる現象を発生させることなく、運転の円滑さを高め、かつより大容量の流体伝送装置として応用することができる。
【0017】
詳細に説明すると、ブレード50の各当接面51の間の長さをL1、クランプアーム41の各当接面51に近接する両側面の間の長さをL2、ピストン21の円心C1とチャンバ12の円心C2の間の偏心距離をL3と定義して、(L2+2×L3)≦L1とし、円形座体40の外径をD1、チャンバ12の半径をR1、ブッシュ11の半径をR2と定義して、(R1-R2)≦D1とする。
これにより、ピストン21が作動して回転するとき、ブレード50がピストン21に合わせて作動し、引っ掛かる現象が発生せず、信頼性が向上され、様々な粘性を備えた各種流体の伝送に応用することができる。
【0018】
第1座体60が第1表面61を備え、第2座体70が第2表面71を備え、第1表面61と第2表面71が相対しており、チャンバ12が第1表面61から第1座体60の内部に向かって凹陥して形成され、円形座体40が第1座体60に嵌め込まれる。第2表面71が第2座体70の内部に向かって凹陥されて収容槽72が設けられる。
ローター20がディスク22を備え、ディスク22がピストン21と同軸で連接され、ディスク22が収容槽72内部に収容して設置され、かつディスク22の一側が第1表面61に当接される。これによりチャンバ12の第2座体70に隣接する一端が封鎖される。
【0019】
駆動軸30は主に第1区間31と、第2区間32と、第3区間33が軸方向に相互に連接して構成され、かつ第2区間32が第1区間31と第3区間33の間に位置し、第1区間31と第3区間33が同軸で相対し、第2区間32が第1区間31及び第3区間33と軸方向上で偏心している。
第1区間31が第2座体70に枢着されて第2座体70から延伸され、第1区間31を該駆動装置に連接させるとともに、第2区間32がディスク22の中心に枢着され、第3区間33がブッシュ11に枢着される。これにより、該駆動装置が駆動軸30を介してローター20を回転させることができる。
該駆動装置はモーターまたはその他旋回動作を発生できる装置とすることができる。
第1区間31と第2座体70の間には選択的にオイルシールまたはOリング等を使用して密封効果を達成することができる。
【0020】
第1区間31と第2座体70の間に第1ブッシング34が設置され、第3区間33とブッシュ11の間に第2ブッシング35が設置される。第1ブッシング34及び第2ブッシング35はそれぞれ耐摩耗性の材料で構成される。これにより、駆動軸30の使用寿命が向上される。
必要に応じて第2区間32とディスク22の間に第3ブッシング(図示しない)を設置してもよい。
さらに、第1ブッシング34、第2ブッシング35及び第3ブッシングはそれぞれ必要に応じて軸受で置換してもよい。
【0021】
収容槽72は円形の凹陥槽であり、ディスク22は円形の盤体であり、ディスク22と収容槽72が偏心状態を形成し、かつディスク22の周縁と収容槽72の内側壁面に必要に応じて接線方向の接触を形成することができる。
【0022】
図6図7に示すように、収容槽72の第1座体60とは逆側にさらに複数の円形の凹陥口73を形成し、各凹陥口73に合わせてディスク22に複数の円形の凸柱23を設置する。凸柱23の外径は凹陥口73の内径より小さく、各凸柱23が各凹陥口73にそれぞれ挿入され、かつ各凸柱23が各凹陥口73とそれぞれ接触してディスク22の回転半径を規制し、かつローター20を制御して旋回移動運動を発生させる。
【0023】
[実施例2]
図8は、本発明の実施例2を示す。
実施例2は、実施例1を変化させたものであり、実施例2と実施例1の主な違いは、実施例2の回転式流体伝送装置には、凸柱23がなく、各凹陥口73に合わせてディスク22に複数の凹穴24が形成され、複数のボール25が各凹陥口73と各凹穴24が相対して形成する空間内にそれぞれ設置されており、各ボール25がディスク22及び第2座体70にそれぞれ接触し、これによりローター20の動作の円滑性を向上する点である。
【符号の説明】
【0024】
11 ブッシュ
12 チャンバ
121 内壁
13 第1貯留部
14 第2貯留部
15 第1流路
16 第2流路
20 ローター
21 ピストン
211 外周面
212 内周面
213 端面
22 ディスク
23 凸柱
24 凹穴
25 ボール
30 駆動軸
31 第1区間
32 第2区間
33 第3区間
34 第1ブッシング
35 第2ブッシング
40 円形座体
41 クランプアーム
50 ブレード
51 当接面
60 第1座体
61 第1表面
70 第2座体
71 第2表面
72 収容槽
73 凹陥口
91 仮想線
C1 円心
C2 円心
L1 長さ
L2 長さ
L3 偏心距離
D1 外径
R1 半径
R2 半径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8