(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149056
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】電話システム、電話制御装置及び録音装置
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20220929BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H04M3/42 Z
H04Q3/58 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021050996
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】平田 章紘
(72)【発明者】
【氏名】大北 規道
(72)【発明者】
【氏名】川島 隆行
(72)【発明者】
【氏名】安藤 嵩
(72)【発明者】
【氏名】辻 真彦
(72)【発明者】
【氏名】茶木 修一
(72)【発明者】
【氏名】堀井 邦稔
(72)【発明者】
【氏名】吉川 稔
(72)【発明者】
【氏名】小林 大樹
【テーマコード(参考)】
5K049
5K201
【Fターム(参考)】
5K049BB05
5K049BB12
5K049FF01
5K201BC19
5K201CB01
5K201CB02
5K201CB05
5K201CB16
5K201CD09
5K201EC03
5K201ED02
5K201EF09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電話制御装置に接続されている電話機側で通話路接続操作がなされたときでも電話機と相手方との間の通話音声を録音保持する電話システムを提供する。
【解決手段】電話システムは、電話機と相手方との間の通話を制御管理する電話制御装置の制御指示に基づいて、電話機と相手方との間の通話音声を録音する録音装置を備える。録音装置は、通話開始から通話終了までの通話音声を録音データファイルとして一時保存すると共に、電話制御装置から、電話機側での通話路切断操作に基づく切断メッセージを受信したときには、一時保存した録音データファイルと、通話を行った前記電話機とに紐付けられている識別情報を電話制御装置に通知する。電話制御装置は、識別情報に紐付けられている電話機を制御して、録音データファイルを実効保存させるか否かを報知させるように制御し、実効保存する旨の通知を受けたときには、録音装置に対して、その旨の通知を送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の電話機と、前記電話機と相手方との間の通話を制御管理する電話制御装置と、前記電話制御装置の制御に基づいて、前記電話機と相手方との間の通話音声を録音する録音装置とからなる電話システムであって、
前記録音装置は、前記電話制御装置から前記電話機側での通話の切断操作に基づく通知を受信したときに、前記電話機と相手方との間の通話の開始から終了までの間の通話音声を録音データファイルとして一時保存すると共に、前記一時保存した前記録音データファイルと、通話を行った前記電話機とに紐付けられている識別情報を前記電話制御装置に通知し、
前記電話制御装置は、前記識別情報に紐付けられている前記電話機を、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存するか否かを報知するように制御し、前記電話機から前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知を受けたときには、前記録音装置に対して、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知をする
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記録音装置は、前記電話制御装置により前記電話機と同様に通話呼で管理されるものであり、
前記電話制御装置は、前記電話機と相手方との間に通話路を生成する際には、前記電話制御装置と前記録音装置との間にも通話路を生成することで、前記録音装置は、前記通話音声の録音を行い、
前記録音装置が前記電話制御装置から受信する前記電話機側での通話路切断操作に基づく前記通知は、解放要求メッセージであり、
前記識別情報は、前記解放要求メッセージに対する応答のメッセージに含められて前記録音装置から前記電話制御装置に通知される
ことを特徴とする請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記電話制御装置は、前記電話機側での通話路切断操作がなされる前に前記通話の相手方の切断操作による切断メッセージを受信したときには、前記相手方と前記電話制御装置との間の通話路を切断するも、前記電話制御装置と前記電話機及び前記録音装置との通話路を保持すると共に、前記録音装置における録音動作を一時停止し、
前記電話機側での通話路切断操作がなされる前に、前記電話機から前記一時停止している通話音声の保存の指示を受信した前記電話制御装置は、前記録音装置に対して前記一時停止している通話音声の保存を実行し、
前記電話制御装置は、前記電話機から前記一時停止している通話音声の保存の指示を受信する前に前記電話機側での通話路切断操作を検知したときには、前記録音装置に前記電話機側での通話路切断操作に基づく前記通知を送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記電話制御装置と前記録音装置とは、一つの装置に組み込まれて構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電話システム。
【請求項5】
少なくとも1台の電話機と、前記電話機と相手方との間の通話を制御管理する電話制御装置と、前記電話制御装置の制御に基づいて、前記電話機と相手方との間の通話音声を録音する録音装置とからなり、前記録音装置は、前記電話制御装置から前記電話機側での通話の切断操作に基づく通知を受信したときに、前記電話機と相手方との間の通話の開始から終了までの間の通話音声を録音データファイルとして一時保存すると共に、前記一時保存した前記録音データファイルと、通話を行った前記電話機及び前記録音データファイルとに紐付けられている識別情報を前記電話制御装置に通知するようにする電話システムにおける前記電話制御装置であって、
前記録音装置から前記識別情報を受け取ったときに、前記識別情報に紐付けられている前記電話機を、前記一時保存されている前記録音データファイルを実効保存するか否かを報知するように制御し、前記電話機から前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知を受けたときには、前記録音装置に対して、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知をする
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項6】
少なくとも1台の電話機と、前記電話機と相手方との間の通話を制御管理する電話制御装置と、前記電話制御装置の制御に基づいて、前記電話機と相手方との間の通話音声を録音する録音装置とからなる電話システムにおける前記録音装置であって、
前記電話機での通話開始から通話終了までの間の通話音声を前記録音データファイルとして一時保存すると共に、前記電話制御装置から、前記電話機側での通話の切断操作に基づく通知を受信したときには、前記一時保存した前記録音データファイルと、通話を行った前記電話機とに紐付けられている前記識別情報を付与して前記電話制御装置に通知し、
前記電話制御装置は、前記識別情報に紐付けられている前記電話機を、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存するか否かを報知するように制御し、前記電話機から前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知を受けたときには、前記録音装置に対して、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知を送信する
ことを特徴とする録音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通話音声の自動録音が可能である電話システムに関する。また、この発明は、この電話システムを構成する電話制御装置及び録音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通話音声を後で再生して確認することができるように録音することが従来から行われている。例えば特許文献1(特開2015-23424号公報)には、電話制御装置としての主装置と1~複数の電話機とからなるビジネスホンと呼ばれる電話システムにおいて、主装置の制御の下に、通話音声の録音を行うことが開示されている。
【0003】
この特許文献1の電話システムにおいては、主装置に対して、1つの端末として動作し、主装置により電話機と同様に通話呼で管理される録音装置(録音サーバ)が設けられ、当該録音装置が主装置の制御の下に、通話音声の録音を実行するように構成されている。
【0004】
すなわち、特許文献1の電話システムにおいては、電話機と相手方との間の通話路が生成された後、電話機の使用者により通話録音開始ボタンが押されたときには、主装置は、電話機及び相手方と録音装置との間にも通話路を接続して、いわゆる3者通話ができるように構成して、録音装置にも、電話機と相手方との間の通話音声が供給されるようにし、録音装置により、通話音声の録音を開始するようにする。
【0005】
そして、電話機の使用者により通話録音終了ボタンが押されたときには、主装置は、電話機から受けた録音終了指示を録音装置に送り、録音装置における通話音声の録音を終了させるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、HDDやSDDなどの情報蓄積デバイスの蓄積容量が大きくなったことから、通話相手や通話内容の重要性などに関係なく、全ての通話音声を録音することも可能になっている。このことを考慮すると、使用者の録音指示操作が無くても、全ての通話音声を自動的に録音するように構成することができる。このような自動録音によれば、通話の途中から通話内容が重要なものになった場合に録音しておけば良かったというようなことを回避できる。
【0008】
しかしながら、全ての通話音声を録音して保存することは無駄が多い。このため、使用者が、自動録音した通話音声を保存するか否かを設定することができるように電話システムを構成することが要望される。
【0009】
例えば上述の特許文献1の電話システムにおいて、主装置(電話制御装置)が、電話機と相手方との間の通話路が生成されたときに、自動的に主装置と録音装置との間に通話路を生成するようにすれば、録音装置で通話音声の自動録音の開始をさせることができる。そして、主装置により管理されている電話機側から通話の切断操作がなされる前であれば、もしも、相手方が切断操作をしたことにより相手方と電話機との間の通話路は切断しても、相手方と録音装置との間の通話路及び電話機と録音装置との間の通話路を維持しておき、この維持している通話路を通じて、自動録音した通話音声を保存するか否かを電話機の使用者に問い合わせて、使用者からの選択設定を受け付けて、必要な通話音声のみを保存することができるように構成することができる。
【0010】
しかしながら、このように構成したときには、主装置により管理されている電話機側から通話の切断操作がなされたときには、主装置により、録音装置と相手方との通話路及び録音装置と電話機との間の通話路を含めて通話路が切断されてしまうため、使用者による保存するか否かの設定要求を受け付けることができなくなってしまう。
【0011】
電話システムにおいて、このように使用者による保存するか否かの選択指示を受けなかったときには、常に保存するように構成してもよいが、そのように構成した場合には、保存要求をしない無駄な通話音声を録音保存してしまう問題があることから、一般的には、常に自動録音を保存しないように構成するようにする。そのため、主装置により管理されている電話機側から通話の切断操作をした場合には、もはや通話音声を保存することができなくなってしまうという問題がある。
【0012】
これを回避するには、主装置により管理されている電話機側からの切断操作を行う前に、常に、相手方により切断操作をしてもらい、通話音声の録音データを残す(保存する)か否かの設定を終了した後に、電話機側からの切断操作を行うようにすればよい。
【0013】
しかしながら、「発信側が先に通話の切断をする」という電話のマナーを考慮すると、相手方に先に切断してもらうことがマナー違反となり、主装置により管理されている電話機の使用者の思惑通りに行かないことが多々ある。さらに、相手が切断した後、通話音声の保存のための処理をする前に、主装置により管理されている電話機の使用者の側が誤って切断してしまうこともあり、その場合には、前述したように、もはや通話音声を保存することができない。
【0014】
この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした電話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
少なくとも1台の電話機と、前記電話機と相手方との間の通話を制御管理する電話制御装置と、前記電話制御装置の制御に基づいて、前記電話機と相手方との間の通話音声を録音する録音装置とからなる電話システムであって、
前記録音装置は、前記電話制御装置から前記電話機側での通話の切断操作に基づく通知を受信したときに、前記電話機と相手方との間の通話の開始から終了までの間の通話音声を録音データファイルとして一時保存すると共に、前記一時保存した前記録音データファイルと、通話を行った前記電話機とに紐付けられている識別情報を前記電話制御装置に通知し、
前記電話制御装置は、前記識別情報に紐付けられている前記電話機を、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存するか否かを報知するように制御し、前記電話機から前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知を受けたときには、前記録音装置に対して、前記一時保存した前記録音データファイルを実効保存する旨の通知をする
ことを特徴とする電話システムを提供する。
【0016】
上述の構成の請求項1の発明によれば、電話機の使用者により通話の切断操作がなされたとしても、電話制御装置から当該電話機側での通話の切断操作に基づく通知が録音装置に送られる。録音装置は、この通知を受信したときには、電話機と相手方との間の通話の開始から終了までの間の通話音声を録音データファイルとして一時保存すると共に、その一時保存した録音データファイルと、通話を行った電話機とに紐付けられている識別情報を電話制御装置に通知する。
【0017】
そして、電話制御装置は、識別情報を受信すると、その識別情報に紐付けられている電話機を、一時保存した録音データファイルを実効保存するか否かを報知するように制御する。この報知を受けた電話機の使用者は、一時保存した録音データファイルを実効保存する場合には、電話機にその旨の指示をする。この指示を受けると、電話機は、一時保存した録音データファイルを実効保存する旨の通知を電話制御部に送る。この指示を受けた電話制御部は、録音装置に、一時保存した録音データファイルを実効保存する旨の通知をする。この通知を受けた録音装置は、一時保存した通話音声の実行保存を実行する。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、電話制御装置により管理されている電話機の使用者が、通話の切断操作をしても、遡って、通話音声の録音音声の保存が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明による電話システムの実施形態の構成例を示す図である。
【
図2】この発明による電話システムの実施形態を構成する電話制御装置の例としての主装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】この発明による電話システムの実施形態を構成する録音装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】この発明による電話システムの実施形態における通話処理シーケンスの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】この発明による電話システムの実施形態における通話処理シーケンスの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】この発明による電話システムの実施形態における通話処理シーケンスの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】この発明による電話システムの実施形態における通話処理シーケンスの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】この発明による電話システムの実施形態における通話処理シーケンスの例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明による電話システムの一実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施形態の電話システムの構成例を示す図である。この
図1の例の電話システムは、電話制御装置の例としての主装置1と、複数台の電話機21,22,・・・,2n(nは1以上の整数)と、録音装置3とからなる。
【0021】
主装置1と、複数台の電話機21~2n及び録音装置3とは、LAN(Local Area Network)4を通じて接続されている。そして、この例では、録音装置3は、内線電話機2と同様に、通話呼により主装置1により管理され、一つの端末として動作するように構成されている。なお、電話機21~2nは、同様の構成とされており、複数台ではなく1台でもよい。以下の説明においては、電話機21~2nのそれぞれを区別する必要がないときには、電話機(以下、内線電話機と記す)2と記載する。
【0022】
主装置1は、また、通信ネットワーク5に接続されており、相手電話機(外線電話機)6と内線電話機2との通話を制御及び管理するように構成されている。通信ネットワーク5は、IP(Internet Protocol)網を含むと共に、公衆電話網(PSTN(Public Switched Telephone Network))や携帯電話網などを含むものである。主装置1は、SIP(Session1 Initiation1 Protocol)サーバにより構成してもよい。
【0023】
[主装置1の構成例]
主装置1は、
図2に示すような構成を備える。すなわち、主装置1は、コンピュータにより構成される制御部11に対して、システムバス10を介して、外線用インタフェース12、内線用インタフェース13、呼制御部14、通信管理部15、通話音声録音制御部16、電話機制御部17、監視タイマー部18、のそれぞれが接続されて構成されている。
【0024】
外線用インタフェース12は、通信ネットワーク5に接続されており、また、内線用インタフェース13は、LAN4に接続されている。
【0025】
呼制御部14は、通信ネットワーク5を通じた外線の発呼及び着呼、また、LAN4を通じた内線電話機2同士の発呼及び着呼についての呼制御を行う。この実施形態の電話システムの主装置1は、通話音声の自動録音を行うように構成されているので、呼制御部14は、その呼制御により、外線通話の場合には、内線電話機2と相手電話機6との間の通話路だけでなく、内線電話機2と録音装置3との間、及び相手電話機6と録音装置3との間にも通話路を生成するように制御する。また、内線電話機2同士の内線通話の場合には、内線電話機2同士の間の通話路だけでなく、それぞれの内線電話機と録音装置3との間にも通話路を生成するようにする。
【0026】
これにより、いわゆる3者通話が可能な状態とされることで、録音装置3において、通話音声の録音が可能となる。
【0027】
通信管理部15は、呼制御部14により呼制御がなされて生成された外線通話及び内線通話のそれぞれを管理するもので、通話中である端末(発呼側端末、着信側端末及び録音装置3)の情報も管理する。
【0028】
通話音声録音制御部16は、録音装置3の録音動作の制御を行うための制御信号を生成して録音装置3に供給する。後述するように、この通話音声録音制御部16からの制御信号により、録音装置3は、通話音声の録音を開始、終了、一時停止(ポーズ)、一時保存、実効保存などの動作を実行する。なお、ここで、実効保存とは、一時停止状態(ポーズ状態)を解除して、録音データファイルを正式に保存する処理動作、あるいは一時保存していた録音データファイルを、正式に保存する処理動作、を意味している。
【0029】
なお、この実施形態では、予め、内線電話機2のそれぞれについて、通話終了時に、自動録音を開始した通話音声の録音データファイルを、
(1)必ず保存する。
(2)保存する/保存しないを選択する。
の2つの保存モードのいずれかに設定することが可能とされており、その保存モードの設定情報が、内線電話機2のそれぞれに対応付けられて、通話音声録音制御部16に記憶及び管理されている。通話音声録音制御部16は、この記憶及び管理されている保存モードの設定情報に基づいて、内線電話機2のそれぞれについての通話音声の録音保存制御を行う。
【0030】
電話機制御部17は、内線電話機2が後述のように備えるキーに内蔵されているLED(Light Emitting Diode)の点灯、点滅、消灯などを制御するための制御信号を生成し、必要な内線電話機2に送信する機能を備える。
【0031】
監視タイマー部18は、保存モードが、「(2)保存する/保存しないを選択する。」に設定されている内線電話機2の通話の終了時に、後述するように、その内線電話機2の使用者に対して、キーに内蔵されているLEDを点滅するなどして、保存する/保存しないの選択を促したときに、内線電話機2から、その回答を待つ際のタイムアウト時間を計測するためのものである。この監視タイマーのタイムアウト時間は、この例では、例えば10秒~30秒の間の時間の指定設定が可能とされている。
【0032】
なお、
図2に示した主装置1における呼制御部14、通信管理部15、通話音声録音制御部16、電話機制御部17のそれぞれの機能処理は、制御部11を構成するコンピュータが、プログラムにより実行するソフトウェア機能として構成することができるものである。
【0033】
[内線電話機2の構成例]
内線電話機2は、
図1の電話機2nに参照符号を付して示すように、ハンドセットHSと、電話番号等入力のためのテンキー201と、それぞれ種々の機能が割り付けられる複数個の機能キー202と、通話音声の録音関係キー203と、LCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示用ディスプレイ204とを備えている。
【0034】
通話音声の録音関係キー203は、この例では、後述する遡り通話録音キーや内線番号に対応するボックスキーなどのキーからなる。遡り通話録音キーは、通話音声の保存指示用であり、ボックスキーは保存されている通話録音の再生指示用である。
【0035】
そして、機能キー202や通話音声の録音関係キー203は、内部にLEDを備えていて、主装置1からの制御信号により、そのLEDの点滅、点灯、消灯が制御可能に構成されている。
【0036】
[録音装置3の構成例]
録音装置3は、この実施形態では、
図3に示すような構成を備える。すなわち、録音装置3は、コンピュータにより構成される制御部31に対して、システムバス30を介して、LANインタフェース32、通話音声録音開始制御部33、通話音声保存制御部34、録音データファイル生成保持部35、通話音声ファイル格納部36、のそれぞれが接続されて構成されている。
【0037】
LANインタフェース32は、LAN4に接続されている。
【0038】
録音データファイル生成保持部35は、LANインタフェース32を通じて受信した通話音声情報、この例では通話音声パケットを分解して、音声信号を取得し、その音声信号から録音データを生成して、録音データファイルを生成する機能を備える。図示は省略するが、録音データファイル生成保持部35は、各内線電話機2用のバッファメモリを備える。録音データファイル生成保持部35の各バッファメモリには、対応する内線電話機2での通話音声が、通話開始から通話終了までを1つの録音データファイルとして格納される。
【0039】
通話音声ファイル格納部36は、内線電話機21,22,・・・,2nのそれぞれに対応して、通話音声の録音データファイルを格納する格納エリア(ボックスと称する)B1,B2,・・・,Bnを備え、実効保存するとして指示された録音データファイルを、指定された内線電話機2のボックスに格納する。前述した録音データファイル生成保持部35のバッファメモリは、実効保存する前の録音データファイルを、それぞれの内線電話機2のボックスに対応して一時的に保持するものである。
【0040】
通話音声録音開始制御部33は、内線電話機2と相手電話機6との間で通話路が生成されるとき、あるいは、内線電話機2同士の間で通話路が生成されるときに、主装置1から送られてくる呼設定メッセージに対応して、録音装置3と相手電話機6との間、また、録音装置3と内線電話機2との間に通話路を生成する。このとき、主装置1から録音装置3に送られてくる呼設定メッセージには、通話録音の指示(通話録音開始指示)と、通話路が生成される内線電話機2に対応するボックスの番号(ボックス番号)と、前述した保存モードの設定情報(上記の(1)か(2)のいずれかの設定情報)が含まれる。
【0041】
主装置1の通話音声録音制御部16は、内線電話機2の内線番号と、通話音声ファイル格納部36のボックス番号との対応情報を保持しており、この保持している対応情報から、通話路を生成した内線電話機2に対応するボックス番号を特定し、録音装置3に送る呼設定メッセージに含める。
【0042】
なお、録音装置3に内線番号とボックス番号の対応情報を保持するようにして、主装置1からの呼設定メッセージには、ボックス番号に代えて内線番号を含めるようにしてもよい。
【0043】
通話音声録音開始制御部33は、この呼設定メッセージに含まれるボックス番号を受けたことに基づいて、録音データファイル生成保持部35に録音開始指示を送出する。この録音開始指示を受けて、録音データファイル生成保持部35は、生成された通話路を通じて受け取った通話音声を録音データに変換し、その録音データを指定されたボックス番号のバッファメモリに蓄積して、通話音声の録音データの録音を開始する。
【0044】
通話音声保存制御部34は、通話が終了した後における、録音データファイル生成保持部35のバッファメモリに保持されている録音データファイルの実効保存を、呼設定メッセージに含まれる保存モードの設定情報に応じて制御する。
【0045】
通話音声保存制御部34は、保存モードの設定情報が、上記(1)の設定情報である場合には、主装置から通話路の切断メッセージを受け取ると、録音データファイル生成保持部35のバッファメモリへの録音データの録音を停止し、そのバッファメモリに保持されている録音データを録音データファイルとして、通話音声ファイル格納部36の対応するボックス番号のボックスに転送して保存する。
【0046】
保存された録音データファイルには、通話をしていた内線電話機の内線番号と、相手方の電話番号等(電話帳から電話番号に対応する氏名が判明しているときには、その氏名を含んでもよい)と、通話をしていた時間(年月日及び通話開始時刻と通話時間あるいは通話終了時刻)が、併せて記憶保持される。
【0047】
そして、通話音声保存制御部34は、通話音声の録音データファイルの保存が終了すると、当該保存したボックス番号と、そのボックスに保存されているファイル数と、未再生のファイル数を、主装置1に通知するようにする。主装置1は、未再生のファイルが存在するときには、対応する内線電話機2のボックスキーのLEDを点灯して、その旨を報知する。
【0048】
また、通話音声保存制御部34は、保存モードの設定情報が、上記(2)の設定情報である場合には、通話の切断操作が、内線電話機2側でなされたか、相手電話機6の外線電話機側でなされたかにより、異なる通話音声保存制御処理を行う。この上記(2)の設定情報である場合における通話の切断操作に基づく制御処理については、通話の開始から終了までの動作と合わせて以下に詳述する。
【0049】
また、通話音声保存制御部34は、後述するように、内線電話機2の内線ユーザに対して通話音声の録音データファイルを保存するか否かを問い合わせるガイダンスメッセージを記憶しており、主装置1からの送出要求に応じて当該ガイダンスメッセージを送出する機能も備えている。
【0050】
なお、
図3に示した録音装置3における通話音声録音開始制御部33、通話音声保存制御部34、録音データファイル生成保持部35のそれぞれの機能処理は、制御部31を構成するコンピュータが、プログラムにより実行するソフトウェア機能として構成することができるものである。
【0051】
<「保存モード(2)保存する/保存しないを選択する。」の場合のシーケンス例>
<<内線電話機2側で通話の切断操作をした場合のシーケンス例>>
図4~
図6のシーケンス図を参照しながら、内線電話機2側で通話の切断操作がなされる場合におけるシーケンス例を示す。
【0052】
図4に示すように、相手電話機6からの発信(発呼)を受けた主装置1は、その着信先の内線電話機2に着信通知を送る。すると、内線電話機2は、その着信通知に含まれる主装置1の制御信号によりリンガを鳴動させると共に、回線ボタンのLEDを点滅させて、着信表示する。
【0053】
この着信表示に応答して、内線電話機2の使用者(以下、内線ユーザという)がハンドセットHSを取り上げるなどしてオフフック操作をすると、内線電話機2は、着信応答を主装置1に返す。主装置1は、この着信応答を相手電話機6に送り、これにより、主装置1は、主装置1と内線電話機2との間の通話路1及び主装置1と相手電話機6との間の通話路2(
図4の点線参照)を生成する。
【0054】
次いで、主装置1は、通話録音のための呼設定メッセージを録音装置3に送る。この通話録音のための呼設定メッセージには、パラメータとして、サービス種別:通話録音と、通話路1を生成した内線電話機2に対応するボックス番号と、前述した「(1)必ず保存する」又は「(2)保存する/保存しないを選択する。」の保存モードの設定情報が含まれる。
【0055】
この呼設定メッセージに対して録音装置3が応答を主装置1に返すと、主装置1は、主装置1と録音装置3との間に通話路3を生成し、いわゆる3者通話の状態とする。そして、録音装置3では、この生成された通話路1、通話路2及び通話路3を通じて送られる通話音声の録音を開始する。録音装置3では、以上の処理が通話音声録音開始制御部33でなされる。そして、以下のシーケンス処理における録音装置3の処理は、通話音声保存制御部34が行う。
【0056】
通話路1、通話路2及び通話路3が生成されて、録音装置3で通話音声の録音が実行されている状態で、内線電話機2で、内線ユーザが終話のためのオンフック操作をすると、内線電話機2は、そのオンフックを主装置1に通知する。このオンフックの通知を受けた主装置1は、切断メッセージを相手電話機6に送り、通話路1及び通話路2を切断する。そして、主装置1は、さらに、録音装置3に対して、内線電話機2の切断操作に基づく通知である解放要求メッセージDISC(ディスコネクト)を送り、通話路3の切断要求をする。
【0057】
この主装置1からの解放要求メッセージDISC(ディスコネクト)を受けると、録音装置3は、通話音声保存制御部34の機能として、以下のような処理を実行する。すなわち、主装置1からの解放要求メッセージを受けた録音装置3は、録音データファイル生成保持部35で、通話開始から通話終了までの通話音声の録音データを含む録音データファイルを生成して、一時保存するように制御する。そして、録音装置3は、主装置1に、解放要求メッセージに対する応答の解放メッセージREL(リリース)を送るが、その場合に、その解放メッセージRELに、一時保存した録音データファイルのID(Identification;識別情報)を含む遡り録音ID通知を含めて主装置1に送る。
【0058】
この遡り録音ID通知に含められるIDには、この実施形態では、それまで通話中であった内線電話機2の内線番号と、通話時間の情報と、録音データファイルに順次に付与されるシリアル番号とが含まれる。
【0059】
主装置1は、録音装置3から遡り録音ID通知を含む解放メッセージRELを受け取ると、録音装置3に切断メッセージを送り、主装置1と録音装置3との間の通話路3を切断する。この通話路3の切断後、主装置1は、録音装置3に解放完了メッセージRELCOMPを送る。
【0060】
次いで、主装置1は、
図4のシーケンスの続きである
図5に示すように、内線電話機2に、遡り通話録音キーのLEDを点滅表示させるように制御する制御情報を含む遡り通話録音通知を送ると共に、監視タイマーをスタートさせる。前述したように、監視タイマーにより監視されるタイマー時間は、前述したように10秒~30秒の間で設定された時間である。
【0061】
内線電話機2では、この遡り通話録音通知により、遡り通話録音キーのLEDが点滅表示するように制御される。この遡り通話録音キーのLEDの点滅表示により、ユーザに、一時保存した遡り通話録音の録音データファイルが存在している旨が通知されることで、通話録音データを保存するか否かの応答をするように報知される。
【0062】
この遡り通話録音キーのLEDの点滅表示による報知を受けたユーザが、監視タイマーのタイムアウトとなる前に、遡り通話録音キーを押下操作すると、内線電話機2は、当該遡り通話録音キーが押下操作されたことを示すキー情報が主装置1に送られる。
【0063】
主装置1は、内線電話機2から、遡り通話録音キーが押下操作されたことを示すキー情報を受け取ると、監視タイマーを停止し、遡り通話録音保存通知を録音装置3に送る。この主装置1からの遡り通話録音保存通知には、録音装置3からの解放メッセージに含まれていた遡り録音ID通知に含まれていた遡り録音IDと、保存する旨の指示情報が含まれている。
【0064】
この遡り通話録音保存通知を受け取った録音装置3は、一時保存した録音データファイルを、遡り録音保存通知に含まれている遡り録音IDに基づいて、通話音声ファイル格納部36のボックスの内、通話中であった内線電話機2に対応するボックスに格納することで、実効保存する。そして、録音装置3は、保存完了通知を主装置1に送る。この保存完了通知には、内線電話機2に対応するボックス番号と、保存されている通話音声の録音データファイル数と、未再生の通話音声の録音データファイル数が含まれている。
【0065】
主装置1は、この保存完了通知を受けると、内線電話機2に遡り通話録音終了通知を送る。このときの遡り通話録音終了通知には、点滅していた遡り通話録音キーのLEDを消灯させる制御信号と、ボックスキーのLEDを点灯させる制御信号を含む。
【0066】
内線電話機2は、この遡り通話録音終了通知を受けて、点滅していた遡り通話録音キーのLEDを消灯させると共に、ボックスキーのLEDを点灯させる。内線ユーザは、遡り通話録音キーのLEDの消灯により、遡り通話録音が完了したことを検知すると共に、ボックスキーのLED点灯により、未再生の通話音声の録音データファイルが存在することを検知する。
【0067】
なお、詳細な説明は省略するが、ボックスキーが押下操作されると、内線電話機2は、自身の内線番号を含む通話音声の録音データファイルの再生要求を主装置1に送って、録音装置3のボックスに保存されている通話音声の録音データファイルを取得して、再生することができる。
【0068】
以上の説明は、監視タイマーのタイムアウト前に、内線ユーザが遡り通話録音キーを押下操作した場合であるが、この実施形態では、内線ユーザが遡り通話録音キーを押下操作せずに監視タイマーがタイムアウトとなった場合には、それを「遡り通話録音を保存しない」旨の意思表示として扱うようにする。監視タイマーがタイムアウトとなる場合のシーケンス例を
図6に示す。この
図6のシーケンス例は、
図4のシーケンスに続くシーケンスである。なお、監視タイマーがタイムアウトとなる前に、「遡り通話録音を保存しない」旨を、特定の操作キーの操作などにより、主装置1に通知するように構成してもよい。
【0069】
図6に示すように、監視タイマーがスタートした後、遡り通話録音キーのLEDの点滅表示による報知を受けたユーザが遡り通話録音キーを操作することなく、監視タイマーがタイムアウトとなると、主装置1は、内線電話機2に遡り通話録音終了通知を送る。このときの遡り通話録音終了通知には、点滅していた遡り通話録音キーのLEDを消灯させる制御信号を含む。内線電話機2は、この遡り通話録音終了通知を受けて、点滅していた遡り通話録音キーのLEDを消灯させる。
【0070】
その後、主装置1は、遡り録音非保存通知を録音装置3に送る。この主装置1からの遡り通話録音非保存通知には、録音装置3からの解放メッセージに含まれていた遡り録音ID通知に含まれていた遡り録音IDと、保存しない旨の指示情報が含まれている。
【0071】
この遡り通話録音非保存通知を受け取った録音装置3は、一時保存した録音データファイルを消去する。
【0072】
なお、録音装置3が主装置1からの解放要求メッセージDISCに対する解放メッセージRELを遡り録音IDを含めて主装置1に送ったときに、主装置1から解放完了メッセージRELCOPは送られてきたが、その後の指示信号が主装置1から送られてこなかった場合には、この実施形態では、録音装置3は、一時保存している録音データファイルを、通話音声ファイル格納部36に実効保存するようにする。これは、内線ユーザが意図せずに、通話音声の録音データファイルがなくなることを防止するためである。
【0073】
<<相手電話機6側で通話の切断操作をした場合のシーケンス例>>
図7及びその続きである
図8のシーケンス図を参照しながら、相手電話機6側で通話の切断操作がなされる場合におけるシーケンス例を示す。
【0074】
図7に示すように、相手電話機6からの発信(発呼)に基づいて、通話路1、通話路2及び通話路3が生成されて、録音装置3が通話音声を録音中の状態となるまでのシーケンスは、
図4に示したものと同様である。
【0075】
この状態において、通話の切断操作が相手電話機6側でなされると、この実施形態では、主装置1は、通話路2は切断するが、主装置1と内線電話機2との間の通話路1及び主装置1と録音装置3との間の通話路3は維持する。そして、主装置1は、録音装置3に対して、通話音声の録音動作を一時停止状態(ポーズ状態)とさせるポーズ要求を送る。
【0076】
録音装置3は、主装置1からのポーズ要求に対して主装置1にポーズ応答を返して、録音データファイル生成保持部35において、録音開始からそのときまで行っていた通話音声の録音動作を一時停止状態(ポーズ状態)とする。そして、録音装置3は、主装置1にポーズ通知を送って、通話音声の録音動作をポーズ状態にしたことを通知する。
【0077】
このポーズ通知を録音装置3から受け取ると、主装置1は、
図8に示すように、録音装置3に、内線電話機2の内線ユーザに対する通話音声を保存するか否かを問い合わせるガイダンスメッセージを送出させるように要求するガイダンス送出要求を送る。
【0078】
このガイダンス送出要求を受け取った録音装置3は、主装置1にガイダンス送出応答を返すと共に、上記のガイダンスメッセージを、主装置1を介して保持されている通話路3及び通話路1を通じて内線電話機2に送り、そのハンドセットHSの受話器から通話音声を保存するか否かの問い合わせのガイダンスメッセージを放音させる。
【0079】
このガイダンスメッセージをハンドセットHSの受話器を通じて聴取した内線ユーザは、通話音声の録音データファイルを保存する場合には、遡り通話録音キーを押下操作する。これに応じて、内線電話機2は、押下操作された遡り通話録音キーのキー情報を主装置1に送る。
【0080】
主装置1は、内線電話機2から、遡り通話録音キーが押下操作されたことを示すキー情報を受け取ると、遡り通話録音保存通知を録音装置3に送る。この主装置1からの遡り通話録音保存通知には、内線電話機2に対応するボックス番号と、保存する旨の指示情報が含まれている。
【0081】
この遡り通話録音保存通知を受け取った録音装置3は、ポーズ状態を解除して、録音を停止し、録音データファイルを、通話音声ファイル格納部36の通話中であった内線電話機2に対応するボックスに格納することで、実効保存する。そして、録音装置3は、保存完了通知を主装置1に送る。この保存完了通知には、内線電話機2に対応するボックス番号と、保存されている通話音声の録音データファイル数と、未再生の通話音声の録音データファイル数が含まれている。
【0082】
主装置1は、この保存完了通知を受けると、内線電話機2に遡り通話録音終了通知を送る。このときの遡り通話録音終了通知には、ボックスキーのLEDを点灯させる制御指示信号を含む。
【0083】
内線電話機2は、この遡り通話録音終了通知を受けて、ボックスキーのLEDを点灯させる。内線ユーザは、ボックスキーのLED点灯により、未再生の通話音声の録音データファイルが存在することを検知することができる。
【0084】
そして、内線ユーザがオンフック操作をすると、内線電話機2は、そのオンフックを主装置1に通知する。このオンフックの通知を受けた主装置1は、切断メッセージを内線電話機2に送り、通話路1を切断する。
【0085】
その後、主装置1は、録音装置3に解放要求メッセージDISCを送り、通話路3の切断要求をする。この主装置1からの解放要求メッセージDISCを受けると、録音装置3は、主装置1に、解放要求メッセージDISCに対する応答の解放メッセージRELを送る。
【0086】
主装置1は、録音装置3から解放メッセージRELを受け取ると、録音装置3に切断メッセージを送り、通話路3を切断する。この通話路3の切断後、主装置1は、録音装置3に解放完了メッセージRELCOMPを送る。
【0087】
なお、ガイダンスメッセージを聴取した内線ユーザは、通話音声の録音データファイルの保存をしない場合には、遡り通話録音キーではなく、非保存指示が対応付けられている他のキーを押下操作する。内線電話機2は、その非保存指示キーのキー情報を主装置1に送る。
【0088】
この非保存指示のキーのキー情報を受け取ると、主装置1は、遡り通話録音データを保存しない旨の通知を録音装置3に送る。録音装置3は、主装置1から遡り通話録音データを保存しない旨の通知を受けたときには、一時停止(ポーズ状態)を解除して、バッファメモリに保持されている録音データを消去する。
【0089】
そして、主装置1は、録音装置3に解放要求メッセージDISCを送って、通話路2及び通話路3を切断するためのシーケンスを行う。
【0090】
なお、上述の
図7及び
図8のシーケンス例において、相手電話機6側での切断操作に基づいて、内線電話機2にガイダンスメッセージが送られてくる前に、内線電話機2側において、切断操作がなされる場合がある。その場合には、この実施形態では、
図4~
図6を用いて説明した、内線ユーザがオンフック操作をした後のシーケンスが実行されて、内線ユーザによる遡り通話録音の処理を実行されるように構成されている。
【0091】
したがって、内線ユーザが、相手電話機6側での切断操作に引き続いて切断操作をしたとしても、内線ユーザは、遡って通話音声の録音データファイルの保存を行うことができる。
【0092】
なお、上述の
図4~
図6及び
図7、
図8を用いて説明したシーケンス例は、発信(発呼)が相手電話機6側からの場合であるが、発信(発呼)が内線電話機2側からであってもよい。
【0093】
[実施形態の効果]
以上説明したようにして、上述した実施形態の電話システムにおいては、内線電話機側で通話の切断操作をした場合にも、通話音声の開始から終了までの録音データを、遡って保存することができる。
【0094】
また、上述の実施形態によれば、相手電話機側で通話の切断操作をしたのに引き続いて、内線電話機側で通話の切断操作をしたとしても、通話音声の開始から終了までの録音データを、遡って保存することができる。
【0095】
[他の実施形態又は変形例]
なお、上述の実施形態においては、電話制御装置としての主装置と、録音装置とは、それぞれ独立の筐体を備える装置の構成として示したが、一つの筐体に、主装置を構成するボード基板と、録音装置を構成するボード基板とを組み込むように構成してもよい。
【0096】
また、LAN4は、有線LANの構成として説明したが、無線LANであってもよいし、有線LANに代えて、モジュラーケーブルで接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…主装置、2,21,22.・・・,2n…電話機、3…録音装置、4…LAN、5…通信ネットワーク、6…相手電話機