(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149074
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】ニードル弁を備えたシャットオフノズル、射出装置、および射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/23 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
B29C45/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051027
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】堀本 優也
(72)【発明者】
【氏名】西部 隆文
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206JA07
4F206JQ51
4F206JQ62
4F206JQ63
(57)【要約】
【課題】製造コストが低くニードル弁の撓みの虞がないシャットオフノズルを提供する。
【解決手段】射出ノズル(25)の流路(37)内に、射出ノズル(25)と同軸にニードル弁(27)が設けられているシャットオフノズル(22)を対象とする。シャットオフノズル(22)において、射出ノズル(25)の流路(37)内にガイドリング(32)を設ける。ニードル弁(27)は円柱状の軸部(40)を備えている。ガイドリング(32)はこの軸部(40)においてニードル弁(27)をガイドするように構成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流路が形成されている射出ノズルと、
前記流路内に前記射出ノズルと同軸に設けられて軸方向に前後進されるニードル弁と、
前記流路内に設けられているガイドリングと、を備え、
前記ニードル弁は円柱状の軸部を備え、前記ガイドリングは前記軸部において前記ニードル弁の前後進をガイドするようになっている、シャットオフノズル。
【請求項2】
前記射出ノズルはノズルアダプタと該ノズルアダプタの先端に設けられるノズルチップとから構成され、前記ガイドリングは前記ノズルアダプタと前記ノズルチップに挟持されている、請求項1に記載のシャットオフノズル。
【請求項3】
前記ガイドリングには、射出材料が通る複数個の孔が空けられている、請求項1または2に記載のシャットオフノズル。
【請求項4】
前記複数個の孔は、それらの中心が、前記ガイドリングの軸心を中心とする径の異なる複数の仮想円のいずれかの円周上に配置されている、請求項1~3のいずれかに記載のシャットオフノズル。
【請求項5】
前記ガイドリングは前記ニードル弁の前記軸部において固定され、前記ニードル弁が前後進するとき一体的に前後進し、前記ガイドリングの外周部が前記流路のボアに対して摺動するようになっている、請求項1に記載のシャットオフノズル。
【請求項6】
加熱シリンダと、
前記加熱シリンダ内に設けられているスクリュと、
前記加熱シリンダに設けられているシャットオフノズルと、を備え、
前記シャットオフノズルは、
内部に流路が形成されている射出ノズルと、
前記流路内に前記射出ノズルと同軸に設けられて軸方向に前後進されるニードル弁と、
前記流路内に設けられているガイドリングと、を備え、
前記ニードル弁は円柱状の軸部を備え、前記ガイドリングは前記軸部において前記ニードル弁の前後進をガイドするようになっている、射出装置。
【請求項7】
前記射出ノズルはノズルアダプタと該ノズルアダプタの先端に設けられるノズルチップとから構成され、前記ガイドリングは前記ノズルアダプタと前記ノズルチップに挟持されている、請求項6に記載の射出装置。
【請求項8】
前記ガイドリングは、射出材料が通る複数個の孔が空けられている、請求項6または7に記載の射出装置。
【請求項9】
前記複数個の孔は、それらの中心が、前記ガイドリングの軸心を中心とする径の異なる複数の仮想円のいずれかの円周上に配置されている、請求項6~8のいずれかに記載の射出装置。
【請求項10】
前記ガイドリングは前記ニードル弁の前記軸部において固定され、前記ニードル弁が前後進するとき一体的に前後進し、前記ガイドリングの外周部が前記流路のボアに対して摺動するようになっている、請求項6に記載の射出装置。
【請求項11】
樹脂を射出する射出装置と、
金型を型締めする型締装置と、を備えた射出成形機であって、
前記射出装置は、
加熱シリンダと、
前記加熱シリンダ内に設けられているスクリュと、
前記加熱シリンダに設けられているシャットオフノズルと、を備え、
前記シャットオフノズルは、
内部に流路が形成されている射出ノズルと、
前記流路内に前記射出ノズルと同軸に設けられて軸方向に前後進されるニードル弁と、
前記流路内に設けられているガイドリングと、を備え、
前記ニードル弁は円柱状の軸部を備え、前記ガイドリングは前記軸部において前記ニードル弁の前後進をガイドするようになっている、射出成形機。
【請求項12】
前記射出ノズルはノズルアダプタと該ノズルアダプタの先端に設けられるノズルチップとから構成され、前記ガイドリングは前記ノズルアダプタと前記ノズルチップに挟持されている、請求項11に記載の射出成形機。
【請求項13】
前記ガイドリングは、射出材料が通る複数個の孔が空けられている、請求項11または12に記載の射出成形機。
【請求項14】
前記複数個の孔は、それらの中心が、前記ガイドリングの軸心を中心とする径の異なる複数の仮想円のいずれかの円周上に配置されている、請求項11~13のいずれかに記載の射出成形機。
【請求項15】
前記ガイドリングは前記ニードル弁の前記軸部において固定され、前記ニードル弁が前後進するとき一体的に前後進し、前記ガイドリングの外周部が前記流路のボアに対して摺動するようになっている、請求項11に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出ノズルの流路内に射出ノズルと同軸に設けられているニードル弁が前後進して射出口を開閉するシャットオフノズル、そのようなシャットオフノズルを備えた射出装置、および射出成形機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出装置に設けられるシャットオフノズルとして、ニードル弁を備えたシャットオフノズルが周知である。このようなシャットオフノズルには、射出ノズルに対してニードル弁が斜めに駆動されるものもあるし、同軸に駆動されるものもある。後者のタイプのシャットオフノズルは次のように構成されている。射出ノズルには射出材料が流れる流路が射出ノズルと同軸に設けられている。この流路内にニードル弁が設けられている。すなわちニードル弁が射出ノズルと同軸に設けられている。ニードル弁は、その後端部において設けられている所定の駆動機構によって前後進するようになっている。ニードル弁が前方に駆動されると、その先端によって射出ノズルの先端が閉鎖される。
【0003】
ところで射出装置によっては長い射出ノズルを備えたシャットオフノズルを採用する必要があり、その場合には必然的にニードル弁が長くなる。そうするとニードル弁は自身の重量によって撓み易くなり、ニードル弁を駆動するときに射出口を精度良く開閉しにくくなる。
【0004】
特許文献1には、ニードル弁の撓みの問題を解決したシャットオフノズルが提案されている。この文献に記載のシャットオフノズルは、射出ノズルの射出口近傍にガイド機構が設けられている。具体的には、射出ノズルの射出口近傍において流路の内周面から中心に向かう複数の突起、つまり支持羽根が形成されている。ニードル弁は、その先端部が複数の支持羽根にガイドされて、前後進するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のシャットオフノズルは、ニードル弁がその先端部においてガイドされるようになっているので、撓みが防止されて、ニードル弁によって射出口が精度良く開閉されることになる。しかしながら、支持羽を形成するために射出材料の流路を複雑な形状に機械加工しなければならない。すなわち、射出ノズルの製造コストが高くシャットオフノズルが高価になるという課題がある。
【0007】
本開示において、機械加工に要するコストの増加を抑えつつ、ニードル弁の撓みを抑制することができるシャットオフノズル、そのようなシャットオフノズルを備えた射出装置、および射出成形機を提供する。
【0008】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
射出ノズルの流路内に、射出ノズルと同軸にニードル弁が設けられているシャットオフノズルを対象とし、射出ノズルの流路内にガイドリングを設ける。ニードル弁は円柱状の軸部を備えている。ガイドリングはこの軸部においてニードル弁の前後進をガイドするように構成する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、シャットオフノズルの機械加工に要するコストの増加を抑えつつ、ニードル弁の撓みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係る射出成形機を示す正面図である。
【
図2】本実施の形態に係るシャットオフノズルと射出装置の一部を示す正面断面図である。
【
図3】本実施の第1の形態に係るガイドリングを示す正面図である。
【
図4】本実施の第1の形態に係るガイドリングを備えたシャットオフノズルの一部を示す正面断面図である。
【
図5】従来のシャットオフノズルの一部を示す正面断面図である。
【
図6A】本実施の第2の形態に係るガイドリングを示す正面図である。
【
図6B】本実施の第3の形態に係るガイドリングを示す正面図である。
【
図6C】本実施の第4の形態に係るガイドリングを示す正面図である。
【
図6D】本実施の第5の形態に係るガイドリングを示す正面図である。
【
図7】本実施の異なる形態に係るシャットオフノズルの一部を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0013】
本実施の形態を説明する。
<射出成形機>
本実施の形態に係る射出成形機1は、
図1に示されているように構成されている。すなわち金型を型締めする型締装置2と、射出材料を溶融して射出する射出装置3とから概略構成されている。
【0014】
<型締装置>
本実施の形態において、型締装置2はベッドB上に固定されている固定盤5と、ベッドB上をスライドする型締ハウジング6と、ベッドB上を同様にスライドする可動盤7とを備えている。固定盤5と型締ハウジング6は複数本、例えば4本のタイバー9、9、…によって連結されている。可動盤7は、固定盤5と型締ハウジング6の間でスライド自在になっている。型締ハウジング6と可動盤7の間には型締機構11が設けられている。型締機構11は直圧式の型締機構、つまり型締シリンダから構成してもよい。しかしながら本実施の形態においてはトグル機構から構成されている。固定盤5と可動盤7にはそれぞれ金型13、14が設けられ、型締機構11を駆動すると金型13、14が型開閉されるようになっている。
【0015】
<射出装置>
射出装置3は基台15上に設けられており、加熱シリンダ16と、この加熱シリンダ16に入れられているスクリュ17と、スクリュ17を駆動するスクリュ駆動装置18とから構成されている。加熱シリンダ16はその後端部近傍にホッパ20が設けられ、射出材料が供給されるようになっている。加熱シリンダ16の先端には、次に説明する本実施の形態に係るシャットオフノズル22が設けられている。
【0016】
<シャットオフノズル>
本実施の形態に係るシャットオフノズル22は、
図2に示されているように、加熱シリンダ16に設けられている。より詳しく説明すると、加熱シリンダ16にはその先端にアダプタ16aが設けられており、このアダプタ16aにシャットオフノズル22が設けられている。シャットオフノズル22は、アダプタ16aに設けられているノズルベース24と、このノズルベース24の先端に設けられている射出ノズル25と、射出ノズル25内に設けられているニードル弁27と、を備えている。
【0017】
射出ノズル25は、ノズルベース24に設けられているノズルアダプタ29と、このノズルアダプタ29の先端に設けられているノズルチップ30とから構成されている。本実施の形態において、ノズルアダプタ29はその先端部において軸方向に取付穴29aが開けられ、雌ねじが形成されている。一方、ノズルチップ30はその外周面30aに雄ねじが形成され、取付穴29aに螺合している。ノズルアダプタ29の取付穴29aには後で詳しく説明する本実施の形態に係るガイドリング32が設けられており、ガイドリング32はノズルチップ30によって締め付けられている。つまりガイドリング32はノズルアダプタ29とノズルチップ30とによって挟持されている。
【0018】
射出材料が流れる流路は次のように構成されている。まず、ノズルベース24内には加熱シリンダ16のボアに連通するノズルベース内流路34が形成されている。ノズルベース24には下流部においてニードル弁27を支持する支持部35が形成されている。支持部35はいわゆるトーピードのような形状を呈しており、ノズルベース内流路34内においてその下流部に形成されている。従って、ノズルベース内流路34は支持部35の近傍においては支持部35の外周面を取り囲むように形成されている。
【0019】
射出ノズル25には、ノズルベース内流路34に連通する流路、つまり射出ノズル内流路37が形成されている。射出ノズル内流路37はノズルアダプタ29とノズルチップ30とにおいて同一径に形成されているが、ノズルチップ30の先端において縮径され、射出口38なっている。
【0020】
ニードル弁27は、射出ノズル内流路37内に射出ノズル25と同軸に設けられ、その後端部が支持部35内に設けられている。ニードル弁27は円柱状の軸部40を備えており、この軸部40においてニードル弁27はガイドリング32に支持されるようになっている。
【0021】
本実施の形態に係るシャットオフノズル22には、ニードル弁27を駆動する駆動機構として、ピストンシリンダユニット42と、レバー機構43とが設けられている。ニードル弁27の後端部はレバー機構43に接続されている。ピストンシリンダユニット42を駆動するとレバー機構43が回転し、ニードル弁27が前後進するようになっている。
【0022】
<ガイドリング>
本実施の第1の形態に係るガイドリング32Aを説明する。ガイドリング32Aは、その正面図が
図3に示されているように、円盤状の金属板からなる。ガイドリング32Aの軸心にはニードル弁27(
図2参照)が挿入されるガイド穴45が開けられている。ガイド穴45の径はニードル弁27の軸部40の外径よりわずかに大きい。従ってニードル弁27は軸部40においてガイド穴45に対して滑らかにスライドされるようになっている。
【0023】
ガイドリング32Aには、このガイド穴45の周囲に複数の孔46、46、…が開けられている。これらの複数の孔46、46、…は、ガイドリング32Aの軸心を中心とする仮想円C上に互いに等間隔に配置されている。これらの複数の孔46、46、…は射出材料を流すためのものである。なお、複数の孔46、46、…は、仮想円C上において、等間隔に配置されるのが好ましいが、必ずしも等間隔に配置されなくてもよい。
【0024】
本実施の形態に係るガイドリング32Aは、このように円盤状の金属板に対してガイド穴45と複数個の孔46、46、…を開けるだけで製造することができる。つまり金属板に穴開け加工を施すことによって製造できる。従って、製造コストが増加するのを抑制できるという特徴がある。
【0025】
図4には、このような本実施の第1の形態に係るガイドリング32Aが設けられた、シャットオフノズル22の一部が示されている。ニードル弁27はその軸部40がガイドリング32Aのガイド穴45に挿入されている。ニードル弁27が前後進されるとき、その軸部40においてガイドリング32Aによってガイドされることになる。従って、ニードル弁27はその長さが長い場合であっても撓みにくい。撓みにくいので、ニードル弁27はその先端部によって射出口38を精度良く開閉することができる。
【0026】
<従来のシャットオフノズル>
従来のシャットオフノズルと比較する。
図5には従来のシャットオフノズル70の一部が示されている。このシャットオフノズル70においては、ニードル弁71は特殊な形状に加工されている。つまり、その軸部73の所定の位置に羽根部74が形成されている。この羽根部74は、射出ノズル75の流路76に対して滑らかにスライドするようになっている。従って、ニードル弁71が長くてもニードル弁71は撓むこと無く前後進することになる。しかしながらニードル弁71に羽根部74を設けるには、複雑な加工を要し、製造コストは高い。本実施の形態に係るガイドリング32A(
図3参照)は、前記したように低コストで製造できるので優れている。
【0027】
<第2の実施の形態に係るガイドリング>
ガイドリング32は色々な変形が可能である。
図6Aには第2の実施の形態に係るガイドリング32Bが示されている。ガイドリング32Bには、複数の小径の孔46‘、46’、…が開けられている。これらの複数の小径の孔46‘、46’、…は、ガイドリング32Bの軸心を中心とする径の異なる3個の仮想円C1、C2、C3上に互いに等間隔に配置されている。つまり複数個の孔46‘、46’、…の一部はガイド穴45の近傍である最小の径の仮想円C1上に、そして他の一部はこの仮想円より径が大きい仮想円C2上に、そして残りは最大径の仮想円C3上に、それぞれ円周方向に均等に配置されている。これらの複数の小径の孔46、46、…は射出材料を流すためのものであると共に、固形状の射出材料の流出を防止するフィルタ機能を備えている。
【0028】
なお、複数の小径の孔46‘、46’、…は、3個の仮想円C1、C2,C3上において、等間隔に配置されるのが好ましいが、必ずしも等間隔に配置されなくてもよい。また、この実施の形態においては複数の小径の孔46‘、46’、…は径の異なる3個の仮想円C1、C2、C3上に配置されているが、2個、あるいは4個以上の仮想円上に配置するようにしてもよい。
【0029】
<第3の実施の形態に係るガイドリング>
図6Bには第3の実施の形態に係るガイドリング32Cが示されている。第3の実施の形態に係るガイドリング32Cに形成された孔46‘’の形状は、軸方向の断面視において、湾曲した長孔状で、その4隅が丸みを帯びた形状をしている。なお、孔46‘’の数は4つに限るものではない。
【0030】
<第4の実施の形態に係るガイドリング>
図6Cには第4の実施の形態に係るガイドリング32Dが示されている。第4の実施の形態に係るガイドリング32Dに形成された孔46’‘は、軸方向の断面視において、ドーナツ形状を所定の数に分割した形状をしている。なお、
図6Cでは、孔46’‘における、ドーナツ形状の分割数は4であるが、分割数は4つに限るものではない。
【0031】
<第5の実施の形態に係るガイドリング>
図6Dには、第5の実施の形態に係るガイドリング32Eが示されている。この実施の形態に係るガイドリング32Eは、リング状部分の内周面の一部から径方向の中心に向かってガイド部48が突出している。ガイド部48は、軸方向に垂直な断面視において、略三角形の形状であり、その先端部分49は円弧状に形成されている。
図6Dにおいて二点鎖線で示されているニードル弁27は、この先端部分49によって支持され、撓むこと無く滑らかにガイドされることになる。この実施の形態においてはくり抜きの部分の面積は大きいので射出材料は滑らかに流れる。
【0032】
<他の実施の形態に係るシャットオフノズル>
以上において説明してきた複数の実施の形態においては、いずれもガイドリング32A、32B、…が射出ノズル25(
図2、
図4参照)に固定され、ニードル弁27はその軸部40においてガイドリング32A、32B、…に対してスライドするようになっている。
【0033】
図7にはこれらの実施の形態と異なるシャットオフノズル22‘が示されている。すなわち、この実施の形態において、ガイドリング32Fは、ガイド穴45’の径がニードル弁27の軸部40の径と等しい、あるいはわずかに小さい。そしてガイドリング32Eはニードル弁27の軸部40に固嵌めされている。従って、ニードル弁27を前後進させるとき、ガイドリング32Fもニードル弁27と一体的に前後進し、ガイドリング32Fは射出ノズル25の射出ノズル内流路37に対してスライドすることになる。この実施の形態に係るシャットオフノズル22‘もニードル弁27の撓みが防止されている。
【0034】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 5 固定盤
6 型締ハウジング 7 可動盤
9 タイバー 11 型締機構
13 金型 14 金型
15 基台 16 加熱シリンダ
17 スクリュ 18 スクリュ駆動装置
20 ホッパ 22 シャットオフノズル
24 ノズルベース 25 射出ノズル
27 ニードル弁 29 ノズルアダプタ
29a 取付穴 30 ノズルチップ
30a 外周面 32 ガイドリング
34 ノズルベース内流路 35 支持部
37 射出ノズル内流路 38 射出口
40 軸部 42 ピストンシリンダユニット
43 レバー機構 45 ガイド穴
46 孔 48 ガイド部
49 先端部分