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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149105
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】巻き爪の矯正具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/11 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A61F5/11
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021051093
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】521126564
【氏名又は名称】イ,ソン ジェ
【氏名又は名称原語表記】SEON JAE, LEE
【住所又は居所原語表記】102-2602, 75, Seonsuchon-ro, Namdong-gu, Incheon, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】521126575
【氏名又は名称】ジャン,ヨン ソン
【氏名又は名称原語表記】YONG SUN, JANG
【住所又は居所原語表記】101-1501, 220, Beoman-ro, Bucheon-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】521126586
【氏名又は名称】キム,テクス
【氏名又は名称原語表記】TAEGSUE, KIM
【住所又は居所原語表記】55-304, 70, Apgujeong-ro 33-gil, Gangnam-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ヨン ソン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC46
4C098BC48
4C098DD12
4C098DD26
4C098DD27
(57)【要約】
【課題】巻き爪の矯正方法において、別途の矯正装備を必要としないことから不便が最小化され、矯正費用を節減させることができるものを提供する。
【解決手段】巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線・可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって巻き爪を撓むようにすることで、皮膚の内側に食い込んだ両側端部を外側へと突き出させて巻き爪を矯正するようにする巻き爪の矯正方法に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布するステップS10と、
前記接着性組成物塗布ステップS10で塗布された接着性組成物に紫外線及び可視光線を照射して、巻き爪における皮膚の内側に食い込んだ両側端部を外側へと突き出させるステップS20とを含むことを特徴とする、巻き爪の矯正方法。
【請求項2】
前記ステップS10を行う前に、巻き爪に保護用ベース組成物または保護用テープをあてがって付けるステップS5をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正方法。
【請求項3】
前記ステップS20を行った後、前記接着性組成物の上面側に保護用コーティング組成物またはコーティングテープをあてがって付けるステップS25をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正方法。
【請求項4】
前記ステップS10ないし前記ステップS20を1ないし5回繰り返して行うことを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正方法。
【請求項5】
前記ステップS10の接着性組成物は、紫外線並びに可視光線を照射すると表面が上面側へと撓んで硬化することを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き爪の矯正方法(ingrowing toenail corrective method)に関し、さらに詳しくは、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線及び可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって巻き爪を矯正するようにする巻き爪の矯正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
巻き爪は、主に母趾に発生し、爪が肉部内に食い込んで炎症や疼痛が発生する疾患を指す。
【0003】
前記巻き爪は、爪が外側の肉部を押し続けるすべての状況が、その要因となり得る。例えば、爪切りで爪の外側を深く切った場合に、切り残した爪の一部が肉部内に食い込みうるのであり、爪水虫を長く放置して足の爪の形が変形した場合、ぎゅっと締め付ける靴を長時間履いたとき、足趾骨が突出している場合に、内部圧力の増加に伴って発生し易いのであり、また、肥満や老化が進んで自然に爪の屈曲がひどくなる場合などに発生する。また、一部の家族構成員が巻き爪の場合、他の家族構成員も巻き爪である場合が多く、遺伝的な要因も関与すると考えられている。
【0004】
前記巻き爪は、母趾に最もよく発生し、特に、右母趾によく発生する。これは、右足趾が、歩いたり走ったりする際に、最も圧迫が大きい部位であるからである。前記巻き爪の初期は、手指または足趾の外側や内側が、若干赤みを帯びながら腫れて軽い疼痛が生じる。そして、摩擦が激しくなることで、さらに腫れ、膿が出て爪の周囲が化膿し始める。前記足の巻き爪が進行し続けると臭いも発生し、足の巻き爪の場合、疼痛が激しくなって正常な歩行が難しいという問題点がある。
【0005】
前記巻き爪の予防法としては、深爪を避けて、手や足に圧力が加わる行動を自制することである。しかし、すでに発生した巻き爪に対しては予防法だけでは無理があるため、これを矯正するための方法が提示されている。
【0006】
前記巻き爪を矯正するための方法として、韓国登録特許第10-1565692号に開示された足の巻き爪矯正器具のような装置を利用することができる。前記従来の足の巻き爪矯正器具は、弾性があるプレートスプリングを足趾爪に装着し、巻き爪を正常な足趾爪に正しく矯正する装置である。
【0007】
しかし、前記従来の足の巻き爪矯正器具を着用して巻き爪を矯正するためには、矯正装置を着用し続けなければならず、これは靴などを着用して外部活動をする使用者に不便を招くという問題点があった。また、足の巻き爪矯正器具の購入に伴う費用の問題も発生した。
【0008】
したがって、別途の矯正装置がなくても手軽に巻き爪を矯正できる方法に対する必要性が高まる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1565692号公報(2015.11.04.公告)、「足の巻き爪矯正器具」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような問題点を解決するために、本発明は、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線及び可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって、巻き爪の両側面が上面側へと撓むようにして、皮膚の内側へと食い込んだ両側端部を外側へと突き出させることで巻き爪を矯正するようにすることにより、別途の矯正装備を必要としないことから不便が最小化され、矯正費用を節減させることができる巻き爪の矯正方法を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を達成するために、本発明は、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布するステップS10と、前記接着性組成物塗布ステップS10にて塗布された接着性組成物に、紫外線・可視光線を照射することで、巻き爪における皮膚の内側に食い込んだ両側端部を外側へと突き出させるステップS20とを含むことを特徴とする、巻き爪の矯正方法を提供する。
【0012】
また、前記ステップS10を行う前に、巻き爪に保護用ベース組成物または保護用テープをあてがって付けるステップS5をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記ステップS20を行った後、前記接着性組成物の上面側に保護用コーティング組成物またはコーティングテープをあてがって付けるステップS25をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記ステップS10ないし前記ステップS20を1ないし5回繰り返して行うことを特徴とする。
【0015】
また、前記ステップS10の接着性組成物は、紫外線・可視光線を照射すると表面が上面側へと撓んで硬化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る巻き爪の矯正方法は、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線・可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって巻き爪の両側面が上面側へと撓むようにして、皮膚の内側へと食い込んだ両側端部を外側へと突き出させることで巻き爪を矯正するようにすることにより、別途の矯正装備を必要としないことから不便が最小化され、矯正費用を節減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一般的な巻き爪の様子を示す斜視図である。
図2】巻き爪に保護用ベース組成物があてがわれて付けられた様子を示す例示図である。
図3】巻き爪の上面側に接着性組成物が塗布された様子を示す例示図である。
図4】巻き爪の上面側にある接着性組成物に紫外線・可視光線を照射して、巻き爪が上面側へと撓むようにすることで、皮膚の内側に食い込んだ両側端部を外側へと突き出させた様子を示す例示図である。
図5】巻き爪に保護用コーティング組成物があてがわれて付けられた様子を示す例示図である。
図6】外側へと突き出した、巻き爪の両側端部が伸びて行く様子を示す例示図である。
図7】本発明の他の実施例に係る巻き爪の矯正方法を示す例示図(1)である。
図8】本発明の他の実施例に係る巻き爪の矯正方法を示す例示図(2)である。
図9】本発明の他の実施例に係る巻き爪の矯正方法を示す例示図(3)である。
図10】本発明の他の実施例に係る巻き爪の矯正方法を示す例示図(4)である。
図11】本発明に係る巻き爪の矯正方法を理解しやすく示す例示図である。
図12】本発明に係る巻き爪の矯正方法を理解しやすく示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施され得る実施例であり、当該実施例の例示として図示された添付の図面を参照する。これら実施例は、当業者が本発明を実施するに足りるように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は、互いに異なるが、相互に排他的である必要はないことを理解されたい。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施例に関連しているとともに、本発明の思想及び範囲を逸脱せずに他の実施例にて具現され得る。また、それぞれの、記載された実施例内における個別の構成要素についての位置または配置は、本発明の思想及び範囲を逸脱せずに変更され得ることを理解されたい。
【0019】
したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味をもって採用しようとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されるなら、その請求項が主張することと均等なすべての範囲と、添付された請求項とによってのみ限定される。図面にて、類似する参照符号は、いくつかの側面にわたって同一か類似する機能を指し示す。
【0020】
本発明で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによって変わりうる。また、特定の場合には出願人が任意に選定した用語もあり、この場合は該当する発明の説明部分において詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではなしに、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容を基に定義されなければならない。
【0021】
本発明で、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る巻き爪の矯正方法について詳しく説明する。
【0023】
本発明に係る巻き爪の矯正方法は、巻き爪Nの上面側に接着性組成物20を塗布するステップS10と、前記接着性組成物塗布ステップS10で塗布された接着性組成物20に紫外線・可視光線を照射することで、巻き爪Nにおける皮膚の内側へと食い込んだ両側端部O、Oを、外側へと突き出させるステップS20とを含む。
【0024】
図1は一般的な巻き爪Nの外観を示す斜視図である。以下の説明では、爪が上を向くようにして指先から見た際に、巻き爪Nが始まる左側開始点を左側開始部Iといい、巻き爪Nが始まる右側開始点を右側開始部Iという。また、爪が上を向くようにして指先から見た際に、巻き爪Nが終了する左側端部を左側端部Oといい、巻き爪Nが終了する右側端部を右側端部Oという。
【0025】
一般的な巻き爪Nは、図1に示されるように、左側端部O及び右側端部Oが皮膚の内側に食い込んだ状態で位置し、これにより、該当部位が化膿したり炎症が発生したりするという問題点が発生する。かかる理由により、巻き爪Nの両側端部O、Oを外側へと突き出させて固定することで、巻き爪Nを矯正するようになる。
【0026】
前記ステップS10では、図3に示されるように、巻き爪Nの上面側に接着性組成物20を塗布する。
【0027】
前記ステップS10にて、前記巻き爪Nの上面側とは、巻き爪Nの表面上を指す場合もあり、巻き爪Nに保護用ベース組成物や保護用テープなどが接着された後のその上面側を指す場合もありうる。これを整理すると、巻き爪Nの上面側とは、巻き爪Nの上側の空間全体をすべて含む。
【0028】
前記ステップS10の接着性組成物20は、好ましくはUV・可視光線硬化性樹脂を含む。前記接着性組成物20は、UV・可視光線硬化性樹脂以外に追加の組成物をさらに含んでもよい。
【0029】
一例として、前記ステップS10の接着性組成物20は、ウレタンアクリレート(Urethane Acrylates)、エポキシアクリレート(Epoxy Acrylates)、ポリエステルアクリレート(Polayester Acrylates)またはアクリルアクリレート(Acrylic Acrylates)から選択されるいずれか1以上を含む組成物でもよい。それ以外にも前記接着性組成物20は、UV並びに可視光線を通じて硬化する性質を有するものであれば、すべて本発明の接着性組成物に含まれうる。すなわち、前記接着性組成物20は、前記の構成成分以外にも追加の構成成分をさらに含んでもよい。
【0030】
前記ステップS10の接着性組成物20は、火気を避けて保管することが好ましく、乳児や小児の手の届かない所に保管することが好ましい。また、前記接着性組成物20は、爪専用として使用しなければならず、湿疹及び皮膚炎などの異常がある部位には使用しない方が良い。前記接着性組成物20は、石けん類または陰イオン系洗剤とともに使用してはならず、皮膚に異常症状がある場合、使用を中断して専門医と相談することが好ましい。
【0031】
前記ステップS20では、図4に示されるように、前記接着性組成物塗布ステップS10にて塗布された接着性組成物20に、紫外線並びに可視光線を照射することで、巻き爪Nの皮膚の内側に食い込んだ両側端部O、Oを外側へと突き出させる。
【0032】
前記ステップS20の接着性組成物20は、紫外線並びに可視光線を照射すると表面が上面側へと撓んで硬化する特性を有している。
【0033】
前記ステップS20で、接着性組成物20は、紫外線並びに可視光線ランプ50を使用して紫外線並びに可視光線を照射することが好ましい。前記紫外線並びに可視光線ランプ50は、製品の殺菌、消毒、硬化などのために使用する短波長、長波長並びに可視光線を有するランプであり、UVV~UVC、すなわち、UVV、UVA、UVB、UVCなどの、光の波長1~1,400nmの紫外線並びに可視光線を照射するランプを使用しうる。本発明の接着性組成物20は、紫外線並びに可視光線ランプ50から紫外線並びに可視光線が照射されると表面が上面側へと撓んで硬化する特性を有する。前記接着性組成物20が硬化する際に表面積が上面側へと撓んで硬化するに伴い、すなわち、爪表面の縁から中央に向かって上面側へと撓んで硬化することに伴い、前記巻き爪Nも、接着性組成物20が上面側へと撓んで硬化する力によって、両側面が上面側へと撓むことで、皮膚に食い込んでいた両側端部O、Oが外部に露出するようになる。
【0034】
この際、注意すべき点としては、巻き爪Nの周辺の皮膚に接着性組成物20が付かないようにしなければならず、個人差により前記ステップS20で紫外線並びに可視光線のランプ50によって多少熱く感じることがあるため、これに対する注意が必要である。このことに伴い、前記ステップS20にて紫外線並びに可視光線ランプ50もってで紫外線並びに可視光線を照射する時間は、1~90秒が好ましく、さらに好ましくは30~60秒間、紫外線並びに可視光線を照射することが好ましい。
【0035】
一方、図11は、本発明の矯正方法を理解しやすく示した例示図である。左側から1番目に位置したプレートは何も処理されていない硬質のプレートである。前記硬質のプレートに接着性組成物20を塗布して紫外線・可視光線を照射すると、左側から2番目に位置したプレートのように両側が上面側へと撓むことを確認することができる。また、左側から3番目に位置した爪は、ネイルアート用の爪である。前記ネイルアート用の爪に接着性組成物20を塗布して紫外線・可視光線を照射すると、左側から4番目に位置した爪のように両側が上面側へと撓むことで左右に広がったことを確認することができる。また、図12は、ネイルアート用の爪に、接着性組成物20を塗布して紫外線・可視光線を照射し、前記ネイルアート用の爪の両側が上面側へと撓む様子を示している。
【0036】
一方、本発明の実施例によれば、前記ステップS10ないし前記ステップS20は、1ないし5回繰り返して行ってもよい。個人によって偏差が存在し得るが、約1ないし5回ほど、接着性組成物20を重ね塗りするとともに紫外線・可視光線を通じて硬化させるという過程を繰り返すと、巻き爪Nの両側端部O、Oが外側へと露出する。最も好ましくは、3回繰り返して実施することが効果的である。
【0037】
前述のとおり、皮膚に食い込んでいた両側端部O、Oが、外側へと露出した巻き爪Nに、接着性組成物20をそのまま放置し、その状態にて図6に示されるように爪が伸びて行くようにするのであり、これを1ヶ月に1ないし5回繰り返し、約2ヶ月ほど実施すると、巻き爪Nが、それ以上皮膚に食い込まずに固定されうるであろう。
【0038】
一方、本発明の実施例によれば、前記ステップS10を行う前に、図2に示されるように、巻き爪Nに保護用ベース組成物10または保護用テープ10´をあてがって付けるステップS5をさらに含んでもよい。
【0039】
また、前記ステップS5は、保護用ベース組成物10または保護用テープ10´をあてがって付けた後、前記保護用ベース組成物10または保護用テープ10´に紫外線・可視光線を照射する過程を追加で含んでもよい。
【0040】
前記ステップS5にて、前記保護用ベース組成物10と保護用テープ10´は、巻き爪Nと接着性組成物20との間の密着力を高める役割をする。前記保護用ベース組成物10と保護用テープ10´は、巻き爪Nに対する接着力が高いものが好ましく、これと同時に接着性組成物20に対する接着力が高いものが好ましい。
【0041】
前記ステップS5での保護用ベース組成物10は、UV・可視光線硬化性樹脂を含んでもよい。また、前記保護用ベース組成物10は、UV・可視光線硬化性樹脂以外に自然硬化性及び溶剤硬化性樹脂成分を追加で含んでもよい。
【0042】
一例として、前記ステップS5での保護用ベース組成物10は、ウレタンアクリレート(Urethane Acrylates)、エポキシアクリレート(Epoxy Acrylates)、ポリエステルアクリレート(Polayester Acrylates)またはアクリルアクリレート(Acrylic Acrylates)から選択されるいずれか1つ以上を含む組成物でありうる。それ以外にも前記保護用ベース組成物10は、UV・可視光線を通じて硬化する性質を有するものであれば、いずれも本発明の接着性組成物に含まれうる。すなわち、前記保護用ベース組成物10は、前記の構成成分以外にも、追加の構成成分をさらに含んでもよい。
【0043】
また、本発明の実施例によれば、前記ステップS20を行った後、図5に示されるように、前記接着性組成物の上面側に、保護用コーティング組成物30またはコーティングテープ30´をあてがって付けるステップS25をさらに含んでもよい。
【0044】
また、前記ステップS25は、保護用コーティング組成物30またはコーティングテープ30´をあてがって付けた後、前記保護用コーティング組成物30またはコーティングテープ30´に紫外線並びに可視光線を照射する過程を追加で含んでもよい。
【0045】
前記ステップS25にて、前記保護用コーティング組成物30並びにコーティングテープ30´は、接着性組成物20にコーティングを施すことで、持続力を高める役割をする。前記保護用コーティング組成物30並びにコーティングテープ30´は、外部の水分または空気を遮断して接着性組成物20が腐食することを防ぐことができ、硬化した接着性組成物20にて亀裂が発生することを防ぐことができる。
【0046】
前記ステップS25の保護用コーティング組成物30は、UV・可視光線硬化性樹脂を含んでもよい。また、前記保護用コーティング組成物30は、UV・可視光線硬化性樹脂以外に、自己硬化性及び溶剤硬化性樹脂成分を追加で含んでもよい。
【0047】
一例として、前記ステップS25の保護用コーティング組成物30は、ウレタンアクリレート(Urethane Acrylates)、エポキシアクリレート(Epoxy Acrylates)、ポリエステルアクリレート(Polayester Acrylates)またはアクリルアクリレート(Acrylic Acrylates)から選択されるいずれか1つ以上を含む組成物でありうる。それ以外にも前記保護用コーティング組成物30は、UV・可視光線を通じて硬化する性質を有するものであれば、いずれも本発明の接着性組成物に含まれうる。すなわち、前記保護用コーティング組成物30は、前記の構成成分以外にも、追加の構成成分をさらに含んでもよい。
【0048】
以下、本発明の多様な実施例に係る接着性組成物20の塗布方法について説明する。
【0049】
図7ないし図10は本発明の他の実施例に係る巻き爪の矯正方法を示した例示図である。
【0050】
本発明に係る巻き爪の矯正方法において、前記ステップS10は、図7に示されるように、巻き爪Nの上面側に、接着性組成物20を対角線方向に交差して塗布してもよい。
【0051】
すなわち、接着性組成物20を巻き爪Nの左側開始部Iから塗布し始めて右側端部Oに向かって塗布するとともに、巻き爪Nの右側開始部Iから塗布し始めて左側端部Oに向かって塗布することができる。
【0052】
このように接着性組成物20を対角線方向に交差して塗布すると、両側端部O、Oが深く食い込んだ巻き爪Nに対して、効果的に矯正することができるであろう。
【0053】
また、本発明に係る巻き爪の矯正方法において、前記ステップS10は、図8に示されるように、巻き爪Nの上面側に接着性組成物20を、指の長手方向に直角に交差して互いに平行する多数の線状をなすように塗布することができる。
【0054】
すなわち、接着性組成物20を巻き爪Nの左側端部Oと右側端部Oを結ぶ線に沿って一列に塗布するとともに、これに対して平行をなす一列以上に塗布することができる。
【0055】
このように接着性組成物20を、指の長手方向に直角に交差して互いに平行する多数の線状に塗布するならば、巻き爪Nの両側面が、手指または足趾に深く食い込んだ場合に効果的であり得る。
【0056】
また、本発明に係る巻き爪の矯正方法において、前記ステップS10は、図9に示されるように、巻き爪Nの上面側に接着性組成物20を指の長手方向と一致して互いに平行する多数の線状に塗布することができる。
【0057】
すなわち、接着性組成物20を巻き爪Nの左側開始部Iから塗布し始めて左側端部Oに向かって塗布し、巻き爪Nの右側開始部Iから塗布し始めて右側端部Oに向かって塗布することができる。
【0058】
このように接着性組成物20を指の長手方向と一致して互いに平行する多数の線状に塗布するならば、巻き爪Nが前側に曲がって手指または足趾に食い込んだ場合に効果的であり得る。
【0059】
また、本発明に係る巻き爪の矯正方法において、前記ステップS10は、図10に示されるように、巻き爪Nの上面側に、接着性組成物20を隅角(すみかど)毎に塗布することができる。
【0060】
すなわち、巻き爪Nの左側開始部I、右側開始部I、左側端部O、右側端部Oの近傍領域のみに部分的に塗布することができる。
【0061】
このように接着性組成物20を隅角毎に塗布する場合は、巻き爪Nの症状がそれほどひどくないときに適用され得る。
【0062】
上述したように、本発明は、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線・可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって、巻き爪の両側面が上面側へと撓むようにすることで、皮膚の内側に食い込んだ両側端部を外部に突出させて巻き爪を矯正するようにすることにより、別途の矯正装備を必要としないことから不便が最小化され、矯正費用を節減できるようにした巻き爪の矯正方法を開発したことを明示する。
【0063】
本発明を添付の図面と共に説明したが、これは本発明の要旨を含む多様な実施形態のうちの一つの実施例に過ぎず、当業界における通常の知識を有する者が、容易に実施できるようにすることにその目的があり、本発明は、上記で説明された実施例のみに限定されるものではないことは明確である。したがって、本発明の保護範囲は下記の請求の範囲によって解釈されなければならず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更、置換、代替などによってそれと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利に含まれる。また、図面の一部の構成は、構成をより明確に説明するためのもので、実際よりも誇張あるいは縮小されて提供されるものであることは明確である。
【符号の説明】
【0064】
N 巻き爪
左側開始部
右側開始部
左側端部
右側端部
10 保護用ベース組成物
10´ 保護用テープ
20 接着性組成物
30 保護用コーティング組成物
30´ コーティングテープ
50 紫外線・可視光線ランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着性組成物を含み、
前記接着剤組成物は、巻き爪の上面側に塗布して、紫外線及び可視光線を照射することで前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって、巻き爪における皮膚の内側に食い込んだ両側端部を外側へと突き出させることを特徴とする、巻き爪の矯正
【請求項2】
前記接着性組成物を塗布する前に、巻き爪にあてがって付ける保護用ベース組成物または保護用テープさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正
【請求項3】
前記接着性組成物を塗布した後に、前記接着性組成物の上面側にあてがって付ける保護用コーティング組成物またはコーティングテープさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正
【請求項4】
前記接着性組成物は、紫外線並びに可視光線を照射すると表面が上面側へと撓んで硬化することを特徴とする、請求項1に記載の巻き爪の矯正
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、巻き爪の矯正(ingrowing toenail corrective device)に関し、さらに詳しくは、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線及び可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって巻き爪を矯正するようにする巻き爪の矯正に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記のような問題点を解決するために、本発明は、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線及び可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって、巻き爪の両側面が上面側へと撓むようにして、皮膚の内側へと食い込んだ両側端部を外側へと突き出させることで巻き爪を矯正するようにすることにより、別途の矯正装備を必要としないことから不便が最小化され、矯正費用を節減させることができる巻き爪の矯正を提供することに目的がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明に係る巻き爪の矯正は、巻き爪の上面側に接着性組成物を塗布し、紫外線・可視光線を照射して、前記接着性組成物が上面側へと撓んで硬化する力によって巻き爪の両側面が上面側へと撓むようにして、皮膚の内側へと食い込んだ両側端部を外側へと突き出させることで巻き爪を矯正するようにすることにより、別途の矯正装備を必要としないことから不便が最小化され、矯正費用を節減させることができる。
【外国語明細書】