(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149137
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】羽根駆動装置及びこれを備えた撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 9/36 20210101AFI20220929BHJP
【FI】
G03B9/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051148
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】河上 健太
【テーマコード(参考)】
2H081
【Fターム(参考)】
2H081AA21
2H081AA29
2H081BB31
(57)【要約】
【課題】先羽根室と後羽根室とを仕切る仕切板が羽根に与える影響を低減しつつ高速動作が可能な羽根駆動装置を提供する。
【解決手段】羽根駆動装置1は、開口部Sが形成された1対の地板10,12と、開口部Sを塞ぐ第1の閉塞位置と開口部Sよりも-Y方向側にある第1の退避位置との間で移動可能な先羽根31~34と、開口部Sよりも+Y方向側にある第2の退避位置と開口部Sを塞ぐ第2の閉塞位置との間で移動可能な後羽根35~38と、地板10,12の間に形成される空間を、先羽根31~34を収容する先羽根室R1と後羽根35~38を収容する後羽根室R2とに区画する1対の仕切板51,52とを備える。1対の仕切板51,52は、開口部Sのうち-Y方向側に位置する第1の領域S1の周囲に延びる第1の仕切板51と、開口部Sのうち+Y方向側に位置する第2の領域S2の周囲に延びる第2の仕切板52とを含む。第1の仕切板51と第2の仕切板52の材質及び厚さの少なくとも一方が異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された1対の地板と、
前記開口部を塞ぐ第1の閉塞位置と前記開口部よりも羽根走行方向側にある第1の退避位置との間で移動可能な少なくとも1つの先羽根と、
前記開口部よりも前記羽根走行方向とは反対側にある第2の退避位置と前記開口部を塞ぐ第2の閉塞位置との間で移動可能な少なくとも1つの後羽根と、
前記1対の地板の間に形成される空間を、前記先羽根を収容する先羽根室と前記後羽根を収容する後羽根室とに区画する1対の仕切板と
を備え、
前記1対の仕切板は、
前記開口部のうち前記羽根走行方向側に位置する第1の領域の周囲に延びる第1の仕切板と、
前記開口部のうち前記羽根走行方向とは反対側に位置する第2の領域の周囲に延びる第2の仕切板と
を含む、
羽根駆動装置。
【請求項2】
前記第1の仕切板と前記第2の仕切板の材質及び厚さの少なくとも一方が異なる、請求項1に記載の羽根駆動装置。
【請求項3】
前記開口部の前記第1の領域は、前記開口部の全領域の半分よりも小さく、
前記開口部の前記第2の領域は、前記開口部の全領域の半分よりも大きい、
請求項1又は2に記載の羽根駆動装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの後羽根は、
前記第2の退避位置から前記第2の閉塞位置に移動する際に最初に前記開口部に進入する第1の後羽根と、
前記第2の退避位置から前記第2の閉塞位置に移動する際に前記第1の後羽根に続いて前記開口部に進入する第2の後羽根と
を含み、
前記第1の仕切板及び前記第2の仕切板は、前記第2の閉塞位置における前記第1の後羽根と前記第2の後羽根とが重なる領域の近傍で互いに前記羽根走行方向において対向するように配置される、
請求項3に記載の羽根駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の羽根駆動装置と、
前記羽根駆動装置の前記1対の地板の前記開口部を透過した光が結像する面に配置された撮像素子と
を備える、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根駆動装置及びこれを備えた撮像装置に係り、特にカメラなどの撮像装置におけるシャッタ羽根を駆動するための羽根駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラなどの撮像装置においては、シャッタ羽根を高速で移動させることによって露光開口を開閉し、撮像素子に対する露光を行っている。従来から、シャッタ羽根を高速で駆動する羽根駆動装置として、先羽根と後羽根とから構成されるシャッタ羽根をそれぞれアクチュエータによって同一方向に移動させるフォーカルプレーンシャッタが知られている。このようなフォーカルプレーンシャッタにおいては、2枚の地板の間に形成される空間を仕切板によって先羽根室と後羽根室とに分け、先羽根室に先羽根を収容し、後羽根室に後羽根を収容することが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような仕切板が変形したり破損したりすると、先羽根や後羽根の動作に悪影響を与えることが考えられるため、仕切板の剛性はなるべく高いことが好ましい。一方で、高速で移動してきた羽根が停止する際に、羽根が厚さ方向に揺れることがある。このため、仕切板の剛性を高くした場合には、揺れた羽根が仕切板に接触してダメージを受けることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、先羽根室と後羽根室とを仕切る仕切板が羽根に与える影響を低減しつつ高速動作が可能な羽根駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、先羽根室と後羽根室とを仕切る仕切板が羽根に与える影響を低減しつつ高速動作が可能な羽根駆動装置が提供される。この羽根駆動装置は、開口部が形成された1対の地板と、上記開口部を塞ぐ第1の閉塞位置と上記開口部よりも羽根走行方向側にある第1の退避位置との間で移動可能な少なくとも1つの先羽根と、上記開口部よりも上記羽根走行方向とは反対側にある第2の退避位置と上記開口部を塞ぐ第2の閉塞位置との間で移動可能な少なくとも1つの後羽根と、上記1対の地板の間に形成される空間を、上記先羽根を収容する先羽根室と上記後羽根を収容する後羽根室とに区画する1対の仕切板とを備える。上記1対の仕切板は、上記開口部のうち上記羽根走行方向側に位置する第1の領域の周囲に延びる第1の仕切板と、上記開口部のうち上記羽根走行方向とは反対側に位置する第2の領域の周囲に延びる第2の仕切板とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態における羽根駆動装置を示す正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す羽根駆動装置の一部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す羽根駆動装置が露光動作を完了したときの状態を示す正面図である。
【
図5】
図5は、
図2に示す羽根駆動装置における仕切板と地板との関係を示す正面図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す露光動作完了時における後羽根と仕切板との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る羽根駆動装置の実施形態について
図1から
図6を参照して詳細に説明する。
図1から
図6において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、
図1から
図6においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態における羽根駆動装置1を示す正面図である。本実施形態における羽根駆動装置1は、本実施形態における羽根駆動装置1は、カメラなどの光学機器に組み込まれるフォーカルプレーンシャッタであるものとして説明するが、これは例示に過ぎず、本発明に係る羽根駆動装置はこのようなシャッタの用途に限られるもいのではない。
図1は、カメラによるセット動作が完了したときの状態を示している。
【0010】
図1に示すように、本実施形態における羽根駆動装置1は、矩形状の開口が形成された第1の地板10と、第1の地板10の開口と略同一の形状の開口が形成された第2の地板12(カバー板)と、これら1対の地板10,12の間に形成される空間に収容される8枚の羽根31~38とを含んでいる。地板10,12の開口により露光開口部Sが形成されている。この羽根駆動装置1は、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子(図示せず)を備えた撮像装置に組み込まれるものである。
図1の羽根駆動装置1の紙面手前側に撮像素子が位置しており、被写体からの光は、地板10,12の露光開口部Sを通過して、撮像素子に入射するようになっている。
【0011】
図2は、羽根駆動装置1の一部を示す分解斜視図であり、
図3は、
図1のA-A線断面図である。
図3においては、理解を容易にするために、一部の要素の厚さを誇張して表示するとともに、第1の地板10の+Z方向側の要素の図示を省略するなど、全体を簡略化している。
図2に示すように、羽根31~38のそれぞれは、全体としてX方向に延びる薄板状の部材である。本実施形態では、羽根31~38のうち、順番に重ねられる羽根31~34が、フォーカルプレーンシャッタの先幕を構成する先羽根となり、順番に重ねられる羽根35~38が後幕を構成する後羽根となる。
【0012】
第1の地板10と第2の地板12(
図2においては図示せず)との間には、第1の仕切板51と第2の仕切板52とが配置されている。これらの仕切板51,52は、いずれも先羽根31~34と後羽根35~38との間に配置されており、
図3に示すように、仕切板51,52と第2の地板12との間には、先羽根31~34を収容する先羽根室R1が形成され、仕切板51,52と第1の地板10との間には、後羽根35~38を収容する後羽根室R2が形成されている。
【0013】
また、羽根駆動装置1は、先羽根31~34に連結される先羽根アーム41,42と、後羽根35~38に連結される後羽根アーム43,44とを含んでいる。先羽根31~34は、リベットなどによりそれぞれ先羽根アーム41,42と連結され、先羽根31~34と先羽根アーム41,42とが互いに回転可能となっている。したがって、それぞれの先羽根31~34と先羽根アーム41,42とによってリンク機構が構成される。また、後羽根35~38は、リベットなどによりそれぞれ後羽根アーム43,44と連結され、後羽根35~38と後羽根アーム43,44とが互いに回転可能となっている。したがって、それぞれの後羽根35~38と後羽根アーム43,44とによってリンク機構が構成される。
【0014】
先羽根アーム41は回転軸21を中心として回転可能に構成され、先羽根アーム42は回転軸22を中心として回転可能に構成される。
図2に示すように、第1の地板10の+Z方向側には先羽根駆動レバー61が配置されている。この先羽根駆動レバー61は、回転軸21を中心として回転可能に構成されており、先羽根駆動レバー61の先端には連結部45が設けられている。第1の地板10には、回転軸21を中心とする円弧に沿った円弧孔11が形成されており、先羽根駆動レバー61の連結部45はこの円弧孔11を通って先羽根アーム41の連結孔41Aに連結されている。
【0015】
また、後羽根アーム43は回転軸23を中心として回転可能に構成され、後羽根アーム44は回転軸24を中心として回転可能に構成される。
図2に示すように、第1の地板10の+Z方向側には後羽根駆動レバー62が配置されている。この後羽根駆動レバー62は、回転軸23を中心として回転可能に構成されており、後羽根駆動レバー62の先端には連結部46が設けられている。第1の地板10には、回転軸23を中心とする円弧に沿った円弧孔13が形成されており、後羽根駆動レバー62の連結部46はこの円弧孔13を通って後羽根アーム43の連結孔43Aに連結されている。
【0016】
このような構成において、図示しない駆動機構によって先羽根駆動レバー61を回転軸21周りに回転させると、先羽根駆動レバー61の連結部45が円弧孔11に沿って移動し、この連結部45に連結された先羽根アーム41が回転軸21を中心として回転する。先羽根アーム41が回転軸21を中心として回転すると、上述したリンク機構によって、先羽根アーム42も回転軸22を中心として回転し、先羽根31~34が互いに重なる領域を変化させつつ、XY平面(移動平面)上を主としてY方向に移動するようになっている。
【0017】
同様に、図示しない駆動機構によって後羽根駆動レバー62を回転軸23周りに回転させると、後羽根駆動レバー62の連結部46が円弧孔13に沿って移動し、この連結部46に連結された後羽根アーム43が回転軸23を中心として回転する。後羽根アーム43が回転軸23を中心として回転すると、上述したリンク機構によって、後羽根アーム44も回転軸24を中心として回転し、後羽根35~38が互いに重なる領域を変化させつつ、XY平面(移動平面)上を主としてY方向に移動するようになっている。
【0018】
図1に示すセット動作の完了状態では、先羽根31~34が開口部Sを塞いでおり、後羽根35~38は開口部Sから+Y方向側の位置に退避している。この状態から駆動機構によって先羽根駆動レバー61及び後羽根駆動レバー62を駆動させると、先羽根31~34及び後羽根35~38はXY平面上を主として-Y方向(羽根走行方向)に移動する。このとき、後羽根35は先羽根34からY方向に離れた状態で-Y方向に移動するようになっている。したがって、先羽根34と後羽根35との間には露光用のスリットが形成され。このスリットが先羽根31~34及び後羽根35~38の移動とともに-Y方向に移動し、撮像面に対する露光が行われる。
図4は、この露光動作が完了したときの状態を示している。
【0019】
図4に示す露光動作の完了状態では、後羽根35~38が開口部Sを塞いでおり、先羽根31~34が開口部Sから-Y方向側の位置に退避している。このように、先羽根31~34は、開口部Sを塞ぐ閉塞位置(第1の閉塞位置(
図1))と開口部Sよりも-Y方向(羽根走行方向)側にある退避位置(第1の退避位置(
図4))との間で移動可能となっており、後羽根35~38は、開口部Sよりも+Y方向側にある退避位置(第2の退避位置(
図1))と前記開口部を塞ぐ閉塞位置(第2の閉塞位置(
図4))との間で移動可能となっている。
【0020】
図5は、仕切板51,52と地板10,12との関係を示す正面図である。
図5に示すように、第1の仕切板51は、露光開口部Sのうち-Y方向(羽根走行方向)側に位置する第1の領域S1の周囲に延びており、X方向に延びる基部511と、基部511の両側から+Y方向に向かって延びる腕部512とを有している。また、第2の仕切板52は、露光開口部Sのうち+Y方向側に位置する第2の領域S2の周囲に延びており、X方向に延びる基部521と、基部521の両側から-Y方向に向かって延びる腕部522とを有している。第1の仕切板51の腕部512と第2の仕切板52の腕部522とは、わずかな隙間をもってY方向に対向するように配置されている。
【0021】
一般的に、高速で羽根を駆動するフォーカルプレーンシャッタにおいては、羽根が受ける揺れや衝撃は、露光動作が完了して羽根が停止したときに最も大きくなる。したがって、露光動作完了時には、羽根31~38が移動する-Y方向(羽根走行方向)側の羽根が大きく揺れることとなる。上述のように、大きく揺れる羽根の近傍に位置する仕切板の剛性が高い場合には、揺れた羽根が仕切板に接触してダメージを受ける可能性がある。一方、これとは反対側の+Y方向においては信頼性を高めるために仕切板の剛性を高めることが好ましい。
【0022】
このような観点から、本実施形態では、先羽根室R1と後羽根室R2とを仕切る仕切板を羽根走行方向で2つに分割することで、仕切板が羽根31~38に与える影響を低減するとともに羽根31~38の高速動作を可能にしている。すなわち、-Y方向側の領域に位置する第1の仕切板51と+Y方向側の領域に位置する第2の仕切板52の材質や厚さをその近傍を通過する羽根の特性に応じて変更できるようにしている。例えば、露出動作完了時に羽根が大きく揺れると考えられる-Y方向側の領域に位置する第1の仕切板51を樹脂により形成して、近傍の羽根が厚さ方向(Z方向)に揺れた場合に仕切板51をしならせて羽根へのダメージを低減する一方で、+Y方向側の領域に位置する第2の仕切板52を剛性の高い金属により形成することができる。
【0023】
このように、-Y方向側における羽根の揺れへの対応と+Y方向側における仕切板の剛性の確保を効果的に行うためには、第1の仕切板51が取り囲む第1の領域S1が開口部Sの全領域の半分より小さく、また、第2の仕切板52が取り囲む第2の領域S2が開口部Sの全領域の半分よりも大きいことが好ましい。
【0024】
また、本発明者は、本発明に至る過程で、露出動作完了時に厚さ方向に最も大きく揺れるのは2番目の後羽根(後羽根36)であることを発見し、
図6に示すように、露光動作完了時において後羽根35(第1の後羽根)と後羽根36(第2の後羽根)とが重なる領域W(網掛け領域)の近傍に仕切板51と仕切板52の分割位置Gを設定した場合に、羽根の揺れへの対応と仕切板の剛性の確保のバランスが良いことを見出した。したがって、第1の仕切板51及び第2の仕切板52は、後羽根35~38が開口部Sを塞ぐ位置(第2の閉塞位置)に移動したときに後羽根35と後羽根36とが重なる領域Wの近傍で互いにY方向において対向するように配置されることが好ましい。
【0025】
なお、本明細書において使用した用語「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、「底」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
【0026】
以上述べたように、本発明の第1の態様によれば、先羽根室と後羽根室とを仕切る仕切板が羽根に与える影響を低減しつつ高速動作が可能な羽根駆動装置が提供される。この羽根駆動装置は、開口部が形成された1対の地板と、上記開口部を塞ぐ第1の閉塞位置と上記開口部よりも羽根走行方向側にある第1の退避位置との間で移動可能な少なくとも1つの先羽根と、上記開口部よりも上記羽根走行方向とは反対側にある第2の退避位置と上記開口部を塞ぐ第2の閉塞位置との間で移動可能な少なくとも1つの後羽根と、上記1対の地板の間に形成される空間を、上記先羽根を収容する先羽根室と上記後羽根を収容する後羽根室とに区画する1対の仕切板とを備える。上記1対の仕切板は、上記開口部のうち上記羽根走行方向側に位置する第1の領域の周囲に延びる第1の仕切板と、上記開口部のうち上記羽根走行方向とは反対側に位置する第2の領域の周囲に延びる第2の仕切板とを含む。上記第1の仕切板と上記第2の仕切板の材質及び厚さの少なくとも一方が異なっていることが好ましい。
【0027】
このように、羽根走行方向に分割された2つの仕切板によって先羽根を収容する先羽根室と後羽根を収容する後羽根室とを仕切ることで、羽根に与える影響が少なくなるように仕切板の材質や厚さをその近傍を通過する羽根の特性に応じて変えることが可能になる。したがって、本発明に係る羽根駆動装置によれば、先羽根室と後羽根室とを仕切る仕切板が羽根に与える影響を低減しつつ、羽根を高速動作させることが可能となる。
【0028】
上記開口部の上記第1の領域は、上記開口部の全領域の半分よりも小さく、上記開口部の上記第2の領域は、上記開口部の全領域の半分よりも大きいことが好ましい。
【0029】
上記少なくとも1つの後羽根は、上記第2の退避位置から上記第2の閉塞位置に移動する際に最初に上記開口部に進入する第1の後羽根と、上記第2の退避位置から上記第2の閉塞位置に移動する際に上記第1の後羽根に続いて上記開口部に進入する第2の後羽根とを含んでいてもよい。この場合において、上記第1の仕切板及び上記第2の仕切板は、上記第2の閉塞位置における上記第1の後羽根と上記第2の後羽根とが重なる領域の近傍で互いに上記羽根走行方向において対向するように配置されることが好ましい。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、上述した羽根駆動装置と、上記羽根駆動装置の上記1対の地板の上記開口部を透過した光が結像する面に配置された撮像素子とを備える撮像装置が提供される。
【0031】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0032】
1 羽根駆動装置
10,12 地板
11,13 円弧孔
21~24 回転軸
31~34 先羽根
35~38 後羽根
41,42 先羽根アーム
43,44 後羽根アーム
45,46 連結部
51 第1の仕切板
52 第2の仕切板
61 先羽根駆動レバー
62 後羽根駆動レバー
511,521 枠部
512,522 腕部
G 分割位置
R1 先羽根室
R2 後羽根室
S 開口部
S1 第1の領域
S2 第2の領域