(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149186
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】ゴム栓取付け具
(51)【国際特許分類】
A47K 1/14 20060101AFI20220929BHJP
E03C 1/22 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A47K1/14 E
E03C1/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051219
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 重倫
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA02
2D061DE11
2D061DE19
(57)【要約】
【課題】洗面台に固定された水栓に対して必要に応じて見栄えよく取付けることができるゴム栓取付け具を提供する。
【解決手段】ゴム栓取付け具10は、吐水パイプ3が台座部2に袋ナット6で連結される混合水栓1に取付けられる。ゴム栓取付け具10は、台座部2に対して袋ナット6の締付によって固定される環状部11aと、環状部11aから径方向に突出した突出部11bと、を有する。突出部11bには一端がゴム栓7に取付けられた鎖8の他端が取付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水管が袋ナットで連結される水栓本体に対して取付けられるゴム栓取付け具であって、
該ゴム栓取付け具は前記水栓本体に対して前記袋ナットの締付によって固定されるワッシャ部と、該ワッシャ部から径方向に突出した突出部と、を有し、
該突出部には一端がゴム栓に取付けられた鎖の他端が取付けられるゴム栓取付け具。
【請求項2】
請求項1において、前記突出部は前記ワッシャ部と一体に形成されているゴム栓取付け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台に固定された水栓にゴム栓を取付けるためのゴム栓取付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台に固定された水栓に洗面器の排水栓であるゴム栓を取付ける際、一端がゴム栓に取付けられた鎖の他端を取付け具であるギボシを介して水栓に取付けていた。特許文献1には、このようなゴム栓取付け具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された技術においては、洗面台の洗面器にゴム栓が必要であるものと必要のないものとがあった場合、いずれの場合も水栓にギボシを取付けることがある。このとき、ゴム栓が必要でないのにギボシを取付けるとコストが増すとともに外観の悪化を招くおそれがある。また、ゴム栓が必要でない場合にギボシの取付けを止めると、ギボシを取付けるためのねじ孔が外部に露出し外観の悪化を招くおそれがある。このように、ゴム栓が必要である場合も必要のない場合も外観の悪化を招くおそれを抑制したゴム栓取付け具の提供が望まれていた。
【0005】
このような要請に鑑み本発明の課題は、洗面台に固定された水栓に対して必要に応じて見栄えよく取付けることができるゴム栓取付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1発明は、吐水管が袋ナットで連結される水栓本体に対して取付けられるゴム栓取付け具であって、該ゴム栓取付け具は前記水栓本体に対して前記袋ナットの締付によって固定されるワッシャ部と、該ワッシャ部から径方向に突出した突出部と、を有し、該突出部には一端がゴム栓に取付けられた鎖の他端が取付けられることを特徴とする。
【0007】
第1発明によれば、ゴム栓が必要な場合だけゴム栓取付け具を袋ナットの締付によって水栓本体に対して取付けることができる。ゴム栓が不要な場合は、ゴム栓取付け具を介さずに吐水管を袋ナットで水栓本体に対して締付固定すればよい。これによって、ゴム栓が必要な場合はゴム栓取付け具を用いてゴム栓を見栄えよく取付けることができる。また、ゴム栓が必要でない場合は、水栓本体に不要な部品を取付ける必要がないので、コストの増加を抑制できるとともに水栓本体の外観悪化を抑制することができる。すなわち、ゴム栓の要不要にかかわらず水栓の外観の悪化を抑制できる。
【0008】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記突出部は前記ワッシャ部と一体に形成されていることを特徴とする。
【0009】
第2発明によれば、前記ゴム栓取付け具を簡潔な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態であるゴム栓取付け具が取付けられた水栓の斜視図である。
【
図2】本実施形態のゴム栓取付け具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係るゴム栓取付け具10について、
図1~
図3を用いて説明する。ゴム栓取付け具10は、2ハンドルで上方に向けて吐水口がある混合水栓1に対して取付けが可能であり、まず混合水栓1について説明する。
【0012】
図1に示すように、混合水栓1は、洗面台の上面に固定される台座部2と、吐水パイプ3と、湯量調整ハンドル4と、水量調整ハンドル5と、を備えている。使用者から見た上下左右前後の各方向を矢印で示している。台座部2は、洗面台(図示せず)における洗面器の前方周縁の天板上に固定されている。台座部2は、後方から見て台形状、上方から見て左右方向に長軸を有する長円状をしており、天板と略平行な上面部2aを有している。上面部2aには、中央に吐水パイプ3が取付けられ、左側に湯量調整ハンドル4が取付けられ、右側に水量調整ハンドル5が取付けられている。吐水パイプ3は、根元側3aから上方に向かって延びるとともに途中から水平に延びてさらに斜め下方に延びた先端部に吐出口3bが設けられている。台座部2に下方から供給された湯は湯量調整ハンドル4の回動操作によりその流量を調整されて吐水パイプ3に供給される。また、台座部2に下方から供給された水は水量調整ハンドル5の回動操作によりその流量を調整されて吐水パイプ3に供給される。吐水パイプ3の中で合流し温度及び流量の調整された調温水が吐出口3bから洗面器の中に吐出されるようになっている。吐水パイプ3の根元側3aには袋ナット6が通されており、袋ナット6を台座部2から上方に延びる円筒状の雄ねじ部(図示せず)に対して締結することによって吐水パイプ3が根元側3aを中心に左右方向に回動可能に台座部2に取付けられている。このとき、必要に応じて台座部2の上面部2aとの間にゴム栓取付け具10を介在させて袋ナット6を締結することによって吐水パイプ3とともにゴム栓取付け具10を取付けることが可能となっている。ここで、台座部2と吐水パイプ3が、それぞれ特許請求の範囲の「水栓本体」と「吐水管」に相当する。
【0013】
図1~
図3に示すように、ゴム栓取付け具10は金属製の部材であり上側の水平方向に延びる板状の板状部11と、板状部11の下側に配設されたスカート部12と、を有する。板状部11は、円環状の環状部11aと、環状部11aの一部から径方向に突出した上方から見て略三角形状の突出部11bと、を有する。環状部11aと突出部11bは、平板状に形成されている。また、環状部11aの外径及び内径は、袋ナット6の外径及び内径にほぼ等しく設定されている。突出部11bの先端部近傍には、厚み方向に貫通する小孔11b1が設けられている。環状部11aの中心11a1から小孔11b1の中心までの寸法は、環状部11aの内径における半径の約1.5倍程度とされている。スカート部12は、板状部11における環状部11aの下端部から径方向に拡がりながら下方に向かって延びるスカート状の部分である。スカート部12の下端部は板状部11の上面と平行に形成されている。ここで、環状部11aが、特許請求の範囲の「ワッシャ部」に相当する。
【0014】
図1に示すように、洗面器の排水口を閉鎖するゴム栓7は鎖8でゴム栓取付け具10に吊下げられている。具体的には、鎖8の先端部側に取付けられた先端連結リング8aがゴム栓7に取付けられ、鎖8の根元側に取付けられた根元連結リング8bがゴム栓取付け具10の小孔11b1に通されて取付けられることによって吊り下げ状態に連結されている。
【0015】
ゴム栓取付け具10を介さずに袋ナット6を台座部2に対して締結することによって吐水パイプ3を台座部2に取付けることができる。このとき、締結した袋ナット6の上面の高さは低くなるが吐水パイプ3の上下位置は変わらない。
【0016】
以上のように構成される本実施形態は、次のような作用効果を奏する。ゴム栓7が必要な場合だけゴム栓取付け具10を袋ナット6の締付によって台座部2に対して取付けることができる。ゴム栓7が不要な場合は、ゴム栓取付け具10を介さずに吐水パイプ3を袋ナット6で台座部2に対して締付固定すればよい。これによって、ゴム栓7が必要な場合はゴム栓取付け具10を用いてゴム栓7を見栄えよく取付けることができる。また、ゴム栓7が必要でない場合は、台座部2に不要な部品を取付ける必要がないので、コストの増加を抑制できるとともに混合水栓1の外観悪化を抑制することができる。すなわち、ゴム栓7の要不要にかかわらず混合水栓1の外観の悪化を抑制できる。また、突出部11bは環状部11aと平板状で一体に形成されているのでゴム栓取付け具10を簡潔な構造とすることができる。
【0017】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
【0018】
1.上記実施形態においては、混合水栓1の台座部2の上面にゴム栓取付け具10とともに吐水パイプ3を取付けるように構成した。しかし、これに限らず台座部2の側面等いずれの方向に延びる面であってもよい。
【0019】
2.上記実施形態においては、ゴム栓取付け具10にスカート部12を設けたが、スカート部12は必ずしも必要であるわけではなく、板状部11だけとしてもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 混合水栓
2 台座部(水栓本体)
3 吐水パイプ(吐水管)
6 袋ナット
7 ゴム栓
8 鎖
10 ゴム栓取付け具
11 板状部
11a 環状部(ワッシャ部)
11b 突出部