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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149232
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】車両用シート及びロアシールド
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/18 20060101AFI20220929BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20220929BHJP
【FI】
B60N2/18
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051289
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】516303716
【氏名又は名称】アディエント・エンジニアリング・アンド・アイピー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】尾野寺 晃秀
(72)【発明者】
【氏名】尾原 慧
(72)【発明者】
【氏名】中原 弘人
(72)【発明者】
【氏名】小川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BB25
3B087DE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設計自由度が高い車両用シートを提供する。
【解決手段】車両用シートは、レールに係合するスライダと昇降するリアフレーム75とに跨って取り付けられたロアシールド1を備える。ロアシールド1は、スライダ72に取り付けられたベース部と、ベース部に取り付けられた第1基部12と、前記第1基部12に接続した第1ヒンジ13と、第1ヒンジ13に接続した第2基部14と、第2基部14に接続した第2ヒンジ15と、前記第2ヒンジ15に接続しリアフレーム75に取り付けられたリアフレーム取付部16とを有する。第1基部12は後方に突出する第1突出部121を有し第2基部14は後方に突出する第2突出部141を有し、第1ヒンジ13が後方に突出した屈曲姿勢から前方へ向かう外力F1を受け第1ヒンジ13が前方移動する途中で、第1突出部121と第2突出部141とが当接し第1ヒンジ13の前方移動が規制される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に敷設された前後方向に延びるレールに係合するスライダと、
前記スライダに対し所定の高さ範囲で昇降するリアフレームと、
前記スライダと前記リアフレームとに跨って取り付けられたロアシールドと、を備え、
前記ロアシールドは、
前記スライダに取り付けられたベース部と、
一端部が前記ベース部に対し回動可能な第1基部と、
前記第1基部の他端部に接続した第1ヒンジと、
一端部が前記第1ヒンジに接続した第2基部と、
前記第2基部の他端部に接続した第2ヒンジと、
一端部が前記第2ヒンジに接続して前記リアフレームに取り付けられたリアフレーム取付部と、
を有し、
前記第1基部は、前記他端部において、前記第1ヒンジに対し後方に突出する第1突出部を有し、
前記第2基部は、前記一端部において、前記第1ヒンジに対し後方に突出する第2突出部を有し、
前記所定の高さ範囲において前記第1ヒンジが後方に突出した屈曲姿勢となり、後方から前方へ向かう外力を受けて前記第1ヒンジが前方へ移動する途中で、前記第1突出部と前記第2突出部とが当接して前記第1ヒンジの前方への移動が規制される車両用シート。
【請求項2】
前記リアフレームと共に昇降するクッションと、前記リアフレーム取付部に形成され径方向外方に突出する第3突出部とを備え、
前記第1突出部と前記第2突出部とが当接した状態で、前記第3突出部は、前記クッションを押し込んで前記クッションから前記第1ヒンジを後方へ移動させる反力を受けることを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
【請求項3】
前記リアフレームは管状又は棒状であって、
前記リアフレーム取付部は、前記第3突出部が形成されると共に前記リアフレームの外周面に嵌め込まれて取り付けられた弧状部を有し、
前記第1ヒンジの前方への移動に伴い、前記弧状部が前記外周面に沿って周方向に移動して前記第3突出部が前記クッションを押し付けることを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
【請求項4】
前記第1ヒンジは、インテグラルヒンジであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用シート。
【請求項5】
昇降する車両用シートに備えられたリアフレームと、車両に敷設されたレールに係合するスライダとの間に跨って取り付けられ、
前記スライダに取り付けられるベース部と、
前記ベース部に接続した第1基部と、
前記リアフレームに取り付けられるリアフレーム取付部と、
前記リアフレーム取付部に接続した第2基部と、
前記第1基部と前記第2基部とを屈曲可能に連結するヒンジと、
を備え、
前記第1基部及び前記第2基部は、それぞれ同じ第1の側に突出する第1突出部及び第2突出部を有し、
前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記第1基部と前記第2基部との前記ヒンジまわりの前記第1の側とは反対側の第2の側の角度が所定値で当接し、前記第1基部と前記第2基部との前記角度が前記所定値を超える屈曲姿勢になることを規制するロアシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シート及びロアシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、リフタ機構を備えて昇降可能な車両用シートに備えられたロアシールドが記載されている。
特許文献1に記載されたロアシールドは、車両用シートの後方下部を、昇降動作に追従して隠蔽する。このロアシールドは、車両側に敷設されたレールに嵌合装着されたシールド本体と、車両シート側の部材であるリヤロッドに連結した連結板とを有する。シールド本体と連結板とは、ヒンジにより屈曲可能に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4315382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両用シートが前席の場合に、特許文献1に記載されたロアシールドは、後席の乗員の足でヒンジが前方に押し込まれると、ヒンジが車両用シートの内側に入り込み、縦断面形状が前方側に凸の「く」の字状に屈曲した姿勢となってしまう。
車両用シートは、ロアシールドがこのような前方側に突出した屈曲姿勢になっても、車両シート側の部材と干渉しないように車両用シートの下部内側に十分な空きスペースを設ける必要があり、車両用シートの設計上の制約になっている。
そのため、設計自由度が高い車両用シート及びロアシールドが望まれている。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、設計自由度が高い車両用シート及びロアシールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) 車両に敷設された前後方向に延びるレールに係合するスライダと、
前記スライダに対し所定の高さ範囲で昇降するリアフレームと、
前記スライダと前記リアフレームとに跨って取り付けられたロアシールドと、を備え、
前記ロアシールドは、
前記スライダに取り付けられたベース部と、
一端部が前記ベース部に対し回動可能な第1基部と、
前記第1基部の他端部に接続した第1ヒンジと、
一端部が前記第1ヒンジに接続した第2基部と、
前記第2基部の他端部に接続した第2ヒンジと、
一端部が前記第2ヒンジに接続して前記リアフレームに取り付けられたリアフレーム取付部と、
を有し、
前記第1基部は、前記他端部において、前記第1ヒンジに対し後方に突出する第1突出部を有し、
前記第2基部は、前記一端部において、前記第1ヒンジに対し後方に突出する第2突出部を有し、
前記所定の高さ範囲において前記第1ヒンジが後方に突出した屈曲姿勢となり、後方から前方へ向かう外力を受けて前記第1ヒンジが前方へ移動する途中で、前記第1突出部と前記第2突出部とが当接して前記第1ヒンジの前方への移動が規制される車両用シートである。
2) 前記リアフレームと共に昇降するクッションと、前記リアフレーム取付部に形成され径方向外方に突出する第3突出部とを備え、
前記第1突出部と前記第2突出部とが当接した状態で、前記第3突出部は、前記クッションを押し込んで前記クッションから前記第1ヒンジを後方へ移動させる反力を受けることを特徴とする1)に記載の車両用シートである。
3) 前記リアフレームは管状又は棒状であって、
前記リアフレーム取付部は、前記第3突出部が形成されると共に前記リアフレームの外周面に嵌め込まれて取り付けられた弧状部を有し、
前記第1ヒンジの前方への移動に伴い、前記弧状部が前記外周面に沿って周方向に移動して前記第3突出部が前記クッションを押し付けることを特徴とする2)に記載の車両用シートである。
4) 前記第1ヒンジは、インテグラルヒンジであることを特徴とする1)~3)のいずれか一つに記載の車両用シートである。
5) 昇降する車両用シートに備えられたリアフレームと、車両に敷設されたレールに係合するスライダとの間に跨って取り付けられ、
前記スライダに取り付けられるベース部と、
前記ベース部に接続した第1基部と、
前記リアフレームに取り付けられるリアフレーム取付部と、
前記リアフレーム取付部に接続した第2基部と、
前記第1基部と前記第2基部とを屈曲可能に連結するヒンジと、
を備え、
前記第1基部及び前記第2基部は、それぞれ同じ第1の側に突出する第1突出部及び第2突出部を有し、
前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記第1基部と前記第2基部との前記ヒンジまわりの前記第1の側とは反対側の第2の側の角度が所定値で当接し、前記第1基部と前記第2基部との前記角度が前記所定値を超える屈曲姿勢になることを規制するロアシールドである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両用シートの設計自由度が高いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る車両用シートの実施例であるシート91の構成を示す概略側面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るロアシールドの実施例1であるロアシールド1の斜視図である。
図3図3は、ロアシールド1のシート91への取付状態を示す斜視図である。
図4図4は、シート91が第1の高さ位置にあるときのロアシールド1の姿勢を示す模式的側面図である。
図5図5は、シート91が第2の高さ位置にあるときのロアシールド1の姿勢を示す模式的側面図である。
図6図6は、シート91が第2の高さ位置にあるときに、ロアシールド1が前方に押し込まれた状態を示す模式的側面図である。
図7図7は、シート91が第2の高さ位置にあるときの実施例2のロアシールド2の姿勢を示す模式的側面図である。
図8図8は、シート91が第2の高さ位置にあるときに、ロアシールド2が前方に押しこまれた状態を示す第1の模式的側面図である。
図9図9は、シート91が第2の高さ位置にあるときに、ロアシールド2が前方に押しこまれた状態を示す第2の模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る車両用シートのロアシールドと車両用シートとを、実施例1のロアシールド1と実施例のシート91により説明する。まず、シート91の概略構成を図1を主に参照して説明する。図1はシート91の構成を示す概略側面図である。説明の便宜上、上下前後の各方向を図1に矢印で示された方向に規定する。左右方向は図1の紙面に直交する方向であり、左方向は紙面手前方向、右方向は紙面奥方向である。
【0010】
図1に示されるように、シート91は、シートクッション92,シートバック93,及びヘッドレスト94を有する。
【0011】
シートクッション92は、シートクッションフレーム921,リアフレーム75,クッション部922,前リンク73,前スライダ71,後リンク74,後スライダ72,リフタ部77,及びロアシールド1を有する。
【0012】
シートクッションフレーム921は、シートクッション92の骨格としてシートクッション92の左右の縁部に配置され、前後方向に延びる一対の金属フレームである。
リアフレーム75は、左右方向に延びる姿勢で左右一対のシートクッションフレーム921を後部で連結する金属製の管部材である。リアフレーム75の軸線を軸線CL75とする(図3参照)。
【0013】
二点鎖線で示されるクッション部922は、内部にスポンジなどで形成されたクッション76を収容して柔軟性を有しており、左右一対のシートクッションフレーム921の間に懸架された不図示のサスペンションユニットの上に載せられて設置されている。
クッション76の後端部は、リアフレーム75に近接した位置まで延在している(図3参照)。
【0014】
前リンク73は、リンク部材であって、上端側がシートクッションフレーム921の前部の軸部73bにおいて左右に延びる軸線まわりに回動自在に支持されている。前リンク73の下端側は、前スライダ71の軸部73aにおいて左右に延びる軸線まわりに回動自在に支持されている。
後リンク74は、リンク部材であって、上端側がシートクッションフレーム921の後部の軸部74bにおいて左右に延びる軸線まわりに回動自在に支持されている。後リンク74の下端側は、後スライダ72の軸部74aに係合して左右に延びる軸線まわりに回動自在に支持されている。
前リンク73,後リンク74,前スライダ71,及び後スライダ72は、左右一対のシートクッションフレーム921それぞれに対応して設けられている。
【0015】
車両98の床FLには、一対のレール8が、前後方向に延びる姿勢で左右方向に平行に離隔して敷設されている。レール8は、横断面形状が略コ字状の押出材であって、上方が開放部位となるよう敷設されている。
前スライダ71及び後スライダ72は、レール8に係合するインナーレールであって、それぞれのレール8に対し、その内部に収まるように係合支持され、前後方向に移動可能となっている。
【0016】
これにより、シートクッション92は、前スライダ71及び後スライダ72を介してレール8上を前後方向に移動可能となっている。また、シートクッション92は、不図示のロック機構によってレール8上の所望の位置でロックされる。
【0017】
後スライダ72の後端部は、横断面形状がコ字状又はロ字状とされ、図3に示されるように、ロアシールド1のベース部1Aにおける進入部114が、後方側から進入嵌合するようになっている。
【0018】
リフタ部77は、乗員の操作によって後リンク74を軸部74bのまわりに回動させ、所定の回動位置でロックする。
後リンク74の回動に伴いシートクッション92は昇降し、所定の高さ位置で固定される。
【0019】
ロアシールド1は、後スライダ72の後端部とリアフレーム75との間に取り付けられている。
図2はロアシールド1の外観を示す斜視図であり、図3はロアシールド1を後スライダ72とリアフレーム75との間に取り付けた状態を示す斜視図である。図2及び図3に矢印で示される前後左右上下の各方向は、図1に示される各方向と対応している。
【0020】
図2に示されるように、ロアシールド1は、ベース部1Aと連結部1Bとが組み合わされて構成されている。ベース部1A及び連結部1Bは、いわゆるインテグラルヒンジを成形可能な樹脂により形成されている。樹脂例はPP(ポリプロピレン樹脂)である。
【0021】
ベース部1Aは、後スライダ72の後端部に進入係合する部分として前方に突出した進入部114を有するベース11と、ベース11から左方及び右方に突出して左右方向の可撓性を有する一対の弾性腕部111とを有する。図2及び図3では、左方の弾性腕部111のみが示されている。
弾性腕部111は、ベース部1Aを後スライダ72の後端部に取り付けた状態で、後スライダ72が係合したレール8の内面に弾性的に接触可能であって、左右方向の遊びを無くすための部位である。
進入部114の左側面には、左方に突出した突起部112aを有し右方に弾性的に撓むことができる係合片112が形成されている。
【0022】
ベース11は、後方上部に、左右に平行に離隔して上方に向け突出した一対の壁部113を有する。一対の壁部113は、左右方向に延びる軸線CL12を同芯とする貫通孔113aがそれぞれ形成されている。
【0023】
連結部1Bは、第1基部12,第1ヒンジ13,第2基部14,第2ヒンジ15,及びリアフレーム取付部16を有し、樹脂により一体的に成形されている。
第1基部12は、図2の矢印DR1の方向を長手とする概ね板状に形成され、下端(一端部)である第1端部P1側の部位に、左右方向に延びる軸線CL12を同芯として左方向及び右方向にそれぞれに突出した一対の突起部12aを有する。図2及び図3では、左側の突起部12aのみ示されている。
【0024】
第1基部12は、ベース11における一対の壁部113の間隔を広げて間に挿入し、突起部12aを貫通孔113aに係合させることでベース11に連結される。突起部12aと貫通孔113aとが係合する部位を軸支持部12jと称する。
すなわち、第1基部12は、ベース11に対し、軸支持部12jにおいて、左右に延びる軸線CL12のまわりに回動可能に連結されている。
【0025】
第1基部12は、上端(他端部)である第2端部P2で第1ヒンジ13に連結し、第1端部P1側から第2端部P2に向かうに従って徐々に後方側に隆起する第1突出部121を有する。第1突出部121の第2端部P2における端面121aは、第1基部12の延在方向である矢印DR1の方向に対し概ね直交する面になっている。
【0026】
第1ヒンジ13は、薄肉で繰り返し屈曲可能なヒンジであるいわゆるインテグラルヒンジとして形成されている。第1ヒンジ13は、第1基部12と第2基部14とを一体的に連結しており、第1基部12と第2基部14とは、第1ヒンジ13において左右方向に延びる軸線CL13まわりに相対的に回動可能となっている。
【0027】
第2基部14は、図2の矢印DR2の方向を長手とする概ね板状を呈し、長手方向の長さが第1基部12よりも短く形成されている。第2基部14は、下端となる第3端部P3が第1ヒンジ13に接続し、上端となる第4端部P4において第2ヒンジ15に接続している。
第2基部14は、第4端部P4側から第3端部P3に向かうに従って徐々に後方側に隆起する第2突出部141を有する。第2突出部141の第3端部P3における端面141aは、第2基部14の延在方向である矢印DR2の方向に対し概ね直交する面になっている。
【0028】
第2ヒンジ15は、第1ヒンジ13と同様にインテグラルヒンジとして形成されている。第2ヒンジ15は、第2基部14とリアフレーム取付部16とを連結しており、第2基部14とリアフレーム取付部16とは、第2ヒンジ15において左右方向に延びる軸線CL15まわりに相対的に回動可能となっている。
【0029】
リアフレーム取付部16は、左右方向に延びる中心線CL16を中心とする概ね円弧状に形成された弧状部161と、弧状部161の先端部位において、径方向外方に突出した第3突出部162とを有する。弧状部161は、周方向の延在角度が180°を超えるように形成されており、具体例は約300°である。
【0030】
弧状部161は、内径が、自然状態でリアフレーム75の外径よりもわずかに小さく形成されている。弧状部161は、手の力によって径を広げるように弾性変形可能であり、手で広げてリアフレーム75の外側に嵌めつけるように取り付け可能である。弧状部161は、リアフレーム75への取付後、自然状態でリアフレーム75を若干の力で絞めつけるので取付位置が維持される。弧状部161は、中心線CL16まわりに回動させようとする所定値を超える外力が付与されると、リアフレーム75の外周面を摺動して周方向に移動する。
【0031】
リアフレーム75の前方には、近接してクッション76が配置されている。リアフレーム取付部16の第3突出部162は、リアフレーム75に対する周方向の取付位置に応じて、クッション76との干渉の有無、及び干渉する場合の干渉度合が決まる。この干渉有無及び干渉度合については、後述する。
【0032】
ロアシールド1は、軸線CL12,軸線CL13,軸線CL15,及び中心線CL16が、互いに平行である。これにより、ロアシールド1は、ベース11とリアフレーム取付部16とが離接するよう相対移動したときに、第1基部12と第2基部14との成す前側の角度θaが、0°から概ね180°までの角度範囲で任意の屈曲姿勢になる。
【0033】
ロアシールド1は、図3に示されるように後スライダ72とリアフレーム75とに跨って取り付けられる。
詳しくは、後スライダ72の後端部に対して、ベース11の進入部114を係合片112を内側に撓ませた状態で後方側から挿入し、係合片112の突起部112aを後スライダ72の側面に形成された係合孔72aに対し係合復帰させる、といういわゆるスナップフィット構造で取り付けられる。
リアフレーム取付部16に対しては、弧状部161を弾性拡張させてリアフレーム75の外周面に被せるように嵌め込んで取り付ける。
【0034】
次に、シートクッション92の昇降動作に伴うロアシールド1の姿勢の変化について、図3を参照して説明する。
図3に示されるロアシールド1の姿勢は、リアフレーム75及びリアフレームと共に昇降するクッション76の高さ位置が、リフタ部77の動作によるシートクッション92の昇降ストロークの概ね中央にある場合の姿勢である。
【0035】
リフタ部77の動作によるシートクッション92の昇降動作に伴い、リアフレーム75及びクッション76は矢印DR3のように上下移動し、ロアシールド1の姿勢はこの上下移動に追従して変化する。図3に示されるロアシールド1の姿勢を便宜的に基準姿勢と称する。
【0036】
基準姿勢となっているロアシールド1は、リアフレーム75が下降すると、第2基部14が第2ヒンジ15を支点として矢印DR41のように反時計回りに回動し、第1基部12は軸支持部12jを支点として矢印DR42のように時計回りに回動する。
これにより、ロアシールド1は、基準姿勢に対し、第1ヒンジ13が矢印DR4で示されるように後方に移動して、第1基部12と第2基部14との成す角度θaが基準姿勢のときよりも小さい角度で屈曲した姿勢となる。
【0037】
逆にリアフレーム75が上昇すると、第2基部14は第2ヒンジ15を支点として矢印DR51のように時計回りに回動し、第1基部12は軸支持部12jを支点として矢印DR52のように反時計回りに回動する。
これにより、ロアシールド1は、基準姿勢に対し、第1ヒンジ13が矢印DR5に示されるように前方に移動して第1基部12と第2基部14との成す角度θaが基準姿勢のときよりも大きい角度で屈曲した姿勢となる。
【0038】
ロアシールド1は、シートクッション92の昇降動作に伴い、角度θaが、例えば、シートクッション92の最下位置で60°、最上位置で160°、中央位置で110°程度となるように形成する。
【0039】
リアフレーム75の上下動に伴い、第2基部14は第2ヒンジ15を支点にして回動する。そのため、リアフレーム75に対するリアフレーム取付部16の取付位置は、基準姿勢の位置で維持されて変わらない。
基準姿勢において、リアフレーム取付部16の第3突出部162は、リアフレーム75の前方に近接して配置されているクッション76に対し、接触していない状態、又は実質的に押し込むことなく接触した状態となっている。従って、この第3突出部162がクッション76を押し込んでいない状態は、リアフレーム75の上下方向の位置によらず維持される。
【0040】
このように、シートクッション92の上下動に伴い、ロアシールド1は、第1基部12及び第2基部14が、第1ヒンジ13における屈曲度合を変えながら連結した状態を維持する。そのため、ロアシールド1は、シートクッション92の高さ位置によらず、レール8とシートクッション92との間の後方側からの目隠しとなり、かつレール8とシートクッション92との間に異物が進入することを防止する。
【0041】
次に、模式的側面図である図4図6を参照して、ロアシールド1が後席の乗員の足で前方に押し込まれるなどした場合のロアシールド1のふるまいについて説明する。
図4は、シートクッション92が、昇降範囲の最下端に近い第1の高さ位置にあるときのロアシールド1の姿勢を示す模式的側面図である。
図5は、シートクッション92が、昇降範囲の最上端に近い第2の高さ位置にあるときのロアシールド1の姿勢を示す模式的側面図である。
図6は、シートクッション92が第2の高さ位置にあるときに、ロアシールド1が前方に押し込まれた状態を示す模式的側面図である。
図4図6において、ロアシールド1の形状はモデル化してある。
【0042】
図4に示されるように、シートクッション92が第1の高さ位置にあるとき、ロアシールド1は、第1ヒンジ13が後方側に大きく突出して、第1基部12と第2基部14との成す前方側の角度θaが基準姿勢のときよりも小さい角度で屈曲した第1の姿勢になっている。
この場合は、後方側に大きく突出した第1ヒンジ13近傍を、前方に押しこもうとしても、後スライダとリアフレーム75との上下方向の距離が短く、第1ヒンジ13が前方側に凸となるよう屈曲方向が前後に反転できない。
【0043】
一方、図5に示されるように、シートクッション92が第2の高さ位置にあるとき、ロアシールド1は、第1ヒンジ13の後方側への突出量は小さく、第1基部12と第2基部14との成す角度θaが基準姿勢のときよりも大きい角度で屈曲した第2の姿勢となっている。
この場合、第1ヒンジ13近傍が前方に押し込まれると、押し込み力の大きさによっては、図6に示される状態となる。
【0044】
図6は、ロアシールド1における第1ヒンジ13の近傍部位に、外力として後方側から前方に向かう強い押し込み力F1が付与された状態を示している。
詳しくは、第1ヒンジ13に前方への押し込み力F1が付与されることで、まず、第2基部14及び第2ヒンジ15が前方に移動しようとする。
【0045】
このとき、押し込み力F1に起因し第2ヒンジ15を前方に移動させようとする力の大きさが、リアフレーム取付部16における弧状部161とリアフレーム75の表面との間の摩擦力に勝ると、弧状部161はリアフレーム75の表面を摺動する。そして、リアフレーム取付部16は、図6の矢印DR61に示されるように時計回り方向にリアフレーム75の外周面に沿って移動する。
【0046】
リアフレーム75に対するリアフレーム取付部16の時計回り方向の摺動が生じると、第2ヒンジ15及び第2基部14は、矢印DR62に示されるように第2基部14が第2ヒンジ15を支点として時計回り方向に回動しながら、矢印DR63に示されるように左方に移動し、上下方向にほぼ起立した姿勢となる。
また、第1ヒンジ13の左方への移動に伴い、第1基部12は、移動しない軸支持部12jを支点として矢印DR64で示される反時計回り方向に回動してほぼ起立した姿勢となる。
【0047】
さらに、押し込み力F1によって、第1基部12は、起立した姿勢からさらに回動を継続しようとし、第2基部14も起立した姿勢からさらに回動を継続しようとするが、回動の途中の角度θaが所定値の角度θa1になったときに、第1基部12における第1突出部121の端面121aと、第2基部14における第2突出部141の端面141aとが当接する。
そのため、起立した姿勢となった後の、第1基部12の反時計回り方向の回動及び第2基部14の時計回り方向の回動は規制され、第1ヒンジ13の左方への突出が規制される。換言するならば、ロアシールド1は、第1基部12と第2基部14の、角度θaが所定値の角度θa1以上となる回動が規制される。
所定値の角度θa1は、概ね180°であって、例えば188°である。
【0048】
一方、リアフレーム75に取り付けられたリアフレーム取付部16の、軸線CL75を中心とする矢印DR61の時計回り方向の移動により、弧状部161の第3突出部162は、図6の矢印DR65で示されるように円弧軌道で移動してクッション76に対し圧縮するように食い込む。
そのため、第3突出部162は、クッション76から弾性反発力として、破線矢印DR66に示される、軸線CL75の反時計回り方向に移動させる反力F2を受ける(破線矢印DR66参照)。
すなわち、リアフレーム取付部16は、クッション76からの反力F2によって、リアフレーム75の外周面に沿って、軸線CL75を中心とする反時計回り方向に移動するよう付勢される(破線矢印DR67参照)。
【0049】
これにより、ロアシールド1に対する押し込み力F1が解除さると、リアフレーム取付部16は、反力F2によって軸線CL75を中心とする反時計回り方向に移動し、第1ヒンジ13は、破線矢印DR68に示されるように後方側へ押し出されて、図5に示される第2の姿勢に復帰する。
【0050】
ロアシールド1は、シートクッション92が昇降範囲のいずれの高さ位置にあっても、第1基部12及び第2基部14が、それらを連結する第1ヒンジ13が後方に突出するよう屈曲した姿勢になる。
そして、第1基部12,第1ヒンジ13,及び第2基部14のいずれかの部分に、後方側から、第1ヒンジ13をシートクッション92の内側に突出させるような押し込み力F1が付与されたときに次のようになる。すなわち、第1ヒンジ13の内側(前方)への移動の途中で第1基部12の第1ヒンジ13側の端部に形成され後方側に突出する第1突出部121と、第2基部14の第1ヒンジ13側の端部に形成され後方側に突出する第2突出部141とが当接し、第1ヒンジ13のそれ以上の内側(前方)への移動が規制される。
そのため、ロアシールド1は、シートクッション92の内側に屈曲した姿勢になり得ない。
これにより、シートクッション92の下部内側に空きスペースを設ける必要はなく、ロアシールド1を有する車両用シート91は設計自由度が高い。
【0051】
また、ロアシールド1は、第1突出部121と第2突出部141とが当接する姿勢において、リアフレーム取付部16の第3突出部162は、クッション76を押し込んでクッション76から弾性反発力の反力F2を受ける位置にある。
そのため、押し込み力F1が解除されると、ロアシールド1は、反力F2によって元の第1ヒンジ13が後方側に突出した姿勢に復帰する。
これにより、ロアシールド1は、第1ヒンジ13が前方側に突出した屈曲姿勢になることがより確実に阻止され、後方側に突出した屈曲姿勢がより安定して維持される。
【0052】
(実施例2のロアシールド2)
次に実施例2のロアシールド2について、図7図9を参照して説明する。
ロアシールド2は、ロアシールド1と同じ構成を有する。すなわち、ロアシールド2は、ロアシールド1における、ベース11,第1基部12,第1ヒンジ13,第2基部14,第2ヒンジ15,及びリアフレーム取付部16それぞれに対応するベース21,第1基部22,第1ヒンジ23,第2基部24,第2ヒンジ25,及びリアフレーム取付部26と有する。
【0053】
ロアシールド2の構成は、ロアシールド1に対し、第1基部22及び第2基部24のうちの少なくとも一方が長く、シート91が同じ高さ位置の場合の、ロアシールド1の角度θaに対応する角度θbが小さく、より屈曲した姿勢(第3の姿勢)となる点で異なる。
これにより、ロアシールド2は、第1ヒンジ23をシート91の内側に押し込む力が付与されたときのふるまいが、ロアシールド1とは異なる。
【0054】
図7は、シート91が第2の高さ位置にあるときの姿勢を示す模式的側面図であり、ロアシールド1の図5に対応する図である。
図7に示されるように、シート91及びシートクッション92が第2の高さ位置にあるとき、ロアシールド2は、第1ヒンジ23の後方側への突出量がロアシールド1よりも大きく、第1突出部221の端面221aと第2突出部241の端面241aとの上下方向の隙間がロアシールド1よりも小さい第3の姿勢となる。
【0055】
図8は、ロアシールド2における第1ヒンジ23の近傍部位に、外力として後方側から前方に向かう所定値以下の比較的弱い押し込み力F3が付与された状態を示している。所定値は、例えば、10Nである。
ロアシールド2は、押し込み力F3が付与されると、第2ヒンジ25が第2基部24によって上方に押され、リアフレーム取付部26が図8の矢印DR83に示されるように、リアフレーム75の周囲を反時計回り方向に移動する。
【0056】
これにより、第1ヒンジ23が変形して角度θbは広がるが、ロアシールド2は、180°未満の所定値の角度θb1で第1突出部221の端面221aと第2突出部241の端面241aとが当接するようになっている。所定値は、例えば160°である。
端面221aと端面241aとが当接すると、第1ヒンジ23の変形が規制されてその姿勢が維持される。角度θb1は180°未満であるから、ロアシールド2は後方側に凸の屈曲姿勢となる。
このように、押し込み力F3の付与によって、リアフレーム取付部26は反時計まわり方向に移動する。そのため、第3突出部262は、クッション76に対し、周方向により離隔した位置に移動する。
【0057】
押し込み力F3の付与が解除されると、ロアシールド2は、第1ヒンジ23の自然状態である図7に示される第3の姿勢に復帰する。
【0058】
押し込み力F3が所定値(例えば10N)を超える大きな力の場合、図8に示される姿勢から、さらに図9に示される姿勢に移行する。
図9は、図8に示される状態から、ロアシールド2における第1ヒンジ23の近傍部位に、外力として後方側から前方に向かう所定値を超える大きい押し込み力F4が付与された状態を示している。
【0059】
図8に示される状態において、第1ヒンジ23に前方へ向かう所定値を超える押し込み力F4が付与されると、第2基部24及び第2ヒンジ25が前方に移動しようとする。
【0060】
この押し込み力F4によって、当接している第1突出部221及び第2突出部241が弾性圧縮変形しつつ角度θbが180°となるまでリアフレーム取付部26が反時計回り方向に移動する。
さらに押し込み力F4によって、第1ヒンジ23が前方に移動して角度θbが180°を超えると、リアフレーム取付部26は、図9の矢印DR93に示されるように、リアフレーム75の周囲を時計回り方向に移動して第1ヒンジ23の前方移動を許容する。
【0061】
リアフレーム取付部26が時計回り方向に移動すると、第3突出部262は、図9の矢印DR94に示されるように円弧軌道で移動してクッション76に対し圧縮させるように食い込む。
そのため、第3突出部262は、クッション76から弾性反発力として、破線矢印DR95に示される、軸線CL75の反時計回り方向に移動させる反力F5を受ける。
すなわち、リアフレーム取付部26は、角度θbが180°を超えると、直ちにクッション76からの反力F5によって、リアフレーム75の外周面に沿って、軸線CL75を中心とする反時計回り方向に移動するよう付勢される(破線矢印DR96参照)。
【0062】
これにより、第1ヒンジ23の前方移動が規制され、ロアシールド2は、押し込み力F4に抗して図9に示される姿勢で維持する。このときの角度θbは180°をわずかに超える所定値の角度θb2である。所定値の角度θb2は、例えば205°程度とされる。
【0063】
ロアシールド2に対する押し込み力F4が解除されると、リアフレーム取付部26は、反力F5によって軸線CL75を中心とする反時計回り方向に移動する。これに伴い、第1ヒンジ23は、破線矢印DR98に示されるように後方側へ押し出され、第1突出部221及び第2突出部241の当接圧縮に対する弾性反発力及び第1ヒンジ23の自然状態への復帰力も加わって図7に示される第3の姿勢に自然に復帰する。
【0064】
このように、ロアシールド2は、シートクッション92が昇降範囲のいずれの高さ位置にあっても、第1基部22及び第2基部24が、それらを連結する第1ヒンジ23が後方に突出するよう屈曲した姿勢になる。
そして、第1基部22,第1ヒンジ23,及び第2基部24のいずれかに、後方側から、第1ヒンジ23を前方に移動させようとする所定値以下の押し込み力F3が付与されたとき、第1ヒンジ23が後方に突出した姿勢で第1突出部221と第2突出部241とが当接し、第1ヒンジ23のそれ以上の前方への移動が規制される。所定値は例えば10Nである。
【0065】
また、押し込み力F3の所定値を超えるさらに大きな押し込み力F4が加わった場合、第1基部22と第2基部24との前方側で成す角度が180°を超えるも、第3突出部262がクッション76を押し込んでクッション76から反力F5を受ける。
この反力F5などにより、第1ヒンジ23のそれ以上の前方への移動が規制され、第1基部22と第2基部24との前方側の成す角度θb2は、180°をわずかに超えた角度で維持される。
【0066】
そのため、ロアシールド2は、後方から加わる押し込み力が、所定値以下の押し込み力F3ではシートクッション92の内側に屈曲した姿勢になり得ず、所定値を超える押し込み力F4であっても、前方側に大きく屈曲した姿勢にはなり得ない。
【0067】
また、ロアシールド2は、所定値を超える押し込み力F4が加わった場合に、リアフレーム取付部26の第3突出部262が、クッション76を押し込んでクッション76から弾性反発力の反力F5を受ける位置にある。
そのため、押し込み力F4が解除されると、ロアシールド2は、反力F5によって元の第1ヒンジ23が後方側に突出した姿勢に自動的に復帰する。
すなわち、ロアシールド2は、押し込み力F3及び押し込み力F4が一時的に付与されても、それらの力が解除された後に第1ヒンジ23が前方側に突出した姿勢になることはない。そのため、シートクッション92の下部内側に空きスペースを設ける必要はなく、ロアシールド2を有する車両用シート91は設計自由度が高い。
【0068】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
【0069】
ロアシールド1において、第1突出部121及び第2突出部141の側面視形状は、上述のように第1ヒンジ13に向かうに従って徐々に隆起する形状に限定されない。第1ヒンジ13における軸線CL13と平行な面を有する壁状であってもよい。これはロアシールド2においても同様である。
【0070】
ロアシールド1,2を後スライダ72に取り付ける構造は限定されない。
ロアシールド1において、軸支持部12jは、第1ヒンジ13及び第2ヒンジ15と同様にインテグラルヒンジとしてもよい。一方、第1ヒンジ13及び第2ヒンジ15は、インテグラルヒンジであることに限定されず、第1基部12と第2基部14とを別部材として、軸支持部12jと同様に、回動可能な軸と孔との係合構造で連結してもよい。これはロアシールド2においても同様である。
【0071】
リアフレーム75は、管状に限定されるものではなく、例えば棒状であってもよい。
ベース11と第1基部12,22とは、別体ではなく、軸支持部12j,22jをインテグラルヒンジとした同一部材で形成されていてもよい。
第1基部12,22と第2基部14,24とは、第1ヒンジ13,23をインテグラルヒンジではない例えば軸係合のヒンジとして別部材にしてもよい。
リアフレーム取付部16,26と第2基部14,24とは、第2ヒンジ15,25をインテグラルヒンジではない例えば軸係合のヒンジとして別部材にしてもよい。
ロアシールド1,2は、シート91の後方下部に左右それぞれに備えられた後スライダ72の、すくなくとも一方に取り付けられていればよい。
【符号の説明】
【0072】
1,2 ロアシールド
1A ベース部
1B 連結部
11,21 ベース
111 弾性腕部
112 係合片
112a 突起部
113 壁部
113a 貫通孔
114 進入部
12,22 第1基部
12a 突起部
12j 軸支持部
121,221 第1突出部
121a,221a 端面
13,23 第1ヒンジ
14,24 第2基部
141,241 第2突出部
141a,241a 端面
15,25 第2ヒンジ
16,26 リアフレーム取付部
161 弧状部
162,262 第3突出部
71 前スライダ
72 後スライダ
73 前リンク
73a,73b 軸部
74 後リンク
74a,74b 軸部
75 リアフレーム
76 クッション
77 リフタ部
8 レール
91 シート(車両用シート)
92 シートクッション
921 シートクッションフレーム
922 クッション部
93 シートバック
94 ヘッドレスト
98 車両
CL12,CL13,CL15,CL75 軸線
CL16 中心線
FL 床
F1,F3,F4 押し込み力
F2,F5 反力
P1 第1端部
P2 第2端部
P3 第3端部
θa,θb,θb1,θb2 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9