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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149237
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】通信端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20220929BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20220929BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H04M1/00 S
H04M3/42 103
H04N1/32 609
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051296
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】小川 公昭
【テーマコード(参考)】
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K127AA05
5K127BA13
5K127DA02
5K127EA22
5K127GD03
5K127JA06
5K127MA15
5K127MA34
5K127NA03
5K201AA02
5K201CD03
5K201DC02
5K201EB02
5K201ED03
5K201EF09
5K201FA03
5K201FB08
(57)【要約】
【課題】回線からの過大電流によって、外付電話又は通信端末装置が故障してしまうことを防止すること。
【解決手段】通信端末装置は、通信を行う回線104に接続される回線端子111と、外付電話103に接続される電話端子112と、回線端子111及び電話端子112の間に接続され、外付電話103と、回線104との間の接続及び切断を切り替えるリレー124と、回線104から過大電流が到来した場合に、リレー124に、外付電話103と、回線104との間を切断させるホスト部160とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を行う回線に接続される回線端子と、
外付電話に接続される電話端子と、
前記回線端子及び前記電話端子の間に接続され、前記外付電話と、前記回線との間の接続及び切断を切り替える切替部と、
前記回線から過大電流が到来した場合に、前記切替部に、前記外付電話と、前記回線との間を切断させる制御部と、を備えること
を特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記回線端子及び前記切替部の間に配置され、前記回線からの電流が予め定められた閾値以上であるか否かを検出する過大電流検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記過大電流検出部が前記回線からの電流が前記予め定められた閾値以上である場合の検出結果に基づき、前記切替部に、前記外付電話と、前記回線との間を切断させること
を特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記過大電流検出部は、フォトカプラであること
を特徴とする請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記フォトカプラの発光側と並列に接続された抵抗をさらに備えること
を特徴とする請求項3に記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記電話端子と、前記切替部との間に配置され、前記外付電話に前記回線からの電流が流れていない場合に、前記外付電話の非導通状態を検出し、前記外付電話に前記回線からの電流が流れている場合に、前記外付電話の導通状態を検出する外付電話導通検出部と、
前記回線との間で、直流ループの形成及び解消を行う直流ループ形成部と、
前記外付電話導通検出部が前記非導通状態を検出し、前記切替部が前記外付電話と、前記回線との間を接続し、かつ、前記直流ループ形成部が前記直流ループを解消している場合に、前記回線の電圧である第1の電圧を取得し、前記切替部が前記外付電話と、前記回線との間を切断し、かつ、前記直流ループ形成部が前記直流ループを形成している場合に、前記回線の電圧である回線抵抗電圧を取得し、及び、前記外付電話導通検出部が前記導通状態を検出し、前記切替部が前記外付電話と、前記回線との間を接続し、かつ、前記直流ループ形成部が前記直流ループを形成している場合に、前記回線の電圧である第2の電圧を取得する回線電圧取得部と、
前記切替部が前記外付電話と、前記回線との間を切断し、かつ、前記直流ループ形成部が前記直流ループを形成している場合に、前記回線からの電流である第1の電流を取得し、及び、前記外付電話導通検出部が前記導通状態を検出し、前記切替部が前記外付電話と、前記回線との間を接続し、かつ、前記直流ループ形成部が前記直流ループを形成している場合に、前記回線からの電流である第2の電流を取得する回線電流取得部と、
前記第1の電圧と、前記回線抵抗電圧と、前記第1の電流と、から前記回線に含まれている交換機側の抵抗値である交換機側抵抗値を計算する交換機側抵抗値計算部と、
前記第1の電圧と、前記第2の電圧と、前記回線抵抗電圧と、前記第1の電流と、前記第2の電流と、前記交換機側抵抗値と、から、前記外付電話が前記導通状態であり、前記切替部が前記外付電話と、前記回線との間を接続し、かつ、前記直流ループ形成部が前記直流ループを形成している場合に、前記回線から前記外付電話に流れる電流である外付電話電流を計算する外付電話電流計算部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記外付電話電流が予め定められた閾値以上である場合に、前記過大電流が到来したと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信端末装置は、シリコンDAAで回線を捕捉する際に、電流又は電圧と、閾値とを比較することで、回線からの過大電流の検出を行っている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-211791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検出方法では、外付電話で回線を捕捉した際に、回線からの過大電流により、外付電話、外付電話のフックアップを検出する回路、又は、回線との接続状態を切り替えるリレー等が故障する可能性があった。
【0005】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、回線からの過大電流によって、外付電話又は通信端末装置が故障してしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る通信端末装置は、通信を行う回線に接続される回線端子と、外付電話に接続される電話端子と、前記回線端子及び前記電話端子の間に接続され、前記外付電話と、前記回線との間の接続及び切断を切り替える切替部と、前記回線から過大電流が到来した場合に、前記切替部に、前記外付電話と、前記回線との間を切断させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一又は複数の態様によれば、回線からの過大電流によって、外付電話又は通信端末装置が故障してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1及び2に係る通信端末装置を備える通信システムを示すブロック図である。
図2】実施の形態1における回線制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】従来の回線制御部での動作を説明する概略的な第一の回路図である。
図4】従来の回線制御部での動作を説明する概略的な第二の回路図である。
図5】実施の形態1における回線制御部での動作を説明する概略的な第一の回路図である。
図6】実施の形態1における回線制御部での動作を説明する概略的な第二の回路図である。
図7】実施の形態1における回線制御部での動作を説明する概略的な第三の回路図である。
図8】回線からの電流を分流することで、部品の耐性をアップさせることを説明するための概略的な回路図である。
図9】実施の形態2における回線制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
図10】回路内を流れる電流を説明するための概略的な回路図である。
図11】通信端末装置のモードが、ファックス待機、電話待機又はDRDモードで、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第一の回路図である。
図12】通信端末装置のモードが、ファックス待機、電話待機又はDRDモードで、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第二の回路図である。
図13】通信端末装置のモードが、ファックス待機、電話待機又はDRDモードで、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第三の回路図である。
図14】通信端末装置のモードが、ファックス待機、電話待機又はDRDモードで、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第四の回路図である。
図15】通信端末装置のモードが、ファックス待機、電話待機又はDRDモードで、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第五の回路図である。
図16】通信端末装置のモードが、ファックス待機、電話待機又はDRDモードで、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第六の回路図である。
図17】交換機の電圧、回線電圧、交換機側抵抗値、回線電流、シリコンDAA電流、外付電話電流及び外付電話の抵抗値の関係を説明するための概略的な回路図である。
図18】交換機の抵抗値を計算する方法を説明するための第一の概略図である。
図19】交換機の抵抗値を計算する方法を説明するための第二の概略図である。
図20】交換機の抵抗値を計算する方法を説明するための第三の概略図である。
図21】通信端末装置のモードが、電話又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第一の回路図である。
図22】通信端末装置のモードが、電話又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第二の回路図である。
図23】通信端末装置のモードが、電話又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第三の回路図である。
図24】通信端末装置のモードが、電話又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第四の回路図である。
図25】通信端末装置のモードが、電話又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第五の回路図である。
図26】通信端末装置のモードが、電話又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第六の回路図である。
図27】通信端末装置のモードが、留守又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第一の回路図である。
図28】通信端末装置のモードが、留守又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第二の回路図である。
図29】通信端末装置のモードが、留守又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第三の回路図である。
図30】通信端末装置のモードが、留守又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第四の回路図である。
図31】通信端末装置のモードが、留守又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第五の回路図である。
図32】通信端末装置のモードが、留守又はファックス待機で、外付電話がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な第六の回路図である。
図33】ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る通信端末装置110を備える通信システム100を示すブロック図である。
通信システム100は、外付電話103と、通信端末装置110とを備える。
外付電話103は、通信端末装置110の外部から通信端末装置110に接続される電話機である。
【0010】
通信端末装置110は、回線端子111と、電話端子112と、スキャナ部113と、印刷部114と、回線制御部120とを備える。
【0011】
回線端子111は、交換機101を介して、回線網102と接続するための端子である。回線端子111は、回線制御部120に接続されている。
【0012】
電話端子112は、通信端末装置110の外付電話103を接続するための端子である。電話端子112は、回線制御部120に接続されており、電話端子112に接続された外付電話103は、回線制御部120及び回線端子111を介して、交換機101及び回線網102にアクセスすることができる。
【0013】
スキャナ部113は、原稿から画像を読み取り、読み取られた画像を示す画像データを生成する。スキャナ部113は、回線制御部120及び印刷部114に接続されている。
例えば、通信端末装置110で、複写が行われる場合には、スキャナ部113で生成された画像データが印刷部114に与えられ、印刷部114は、その画像データに基づいて画像を媒体に印刷する。
また、通信端末装置110でファクシミリ通信が行われる場合には、スキャナ部113で生成された画像データが回線制御部120に与えられ、回線制御部120は、回線端子111を介して、その画像データを交換機101及び回線網102に送信する。
【0014】
印刷部114は、画像データに基づいて、画像を媒体に印刷する。
例えば、画像データがファクシミリ通信で送られてきた場合、回線端子111及び回線制御部120を介して、その画像データが印刷部114に与えられ、印刷部114は、その画像データに基づいて、媒体に画像を印刷する。
【0015】
回線制御部120は、回線網102を介した通信を制御する回線制御回路である。
【0016】
図2は、実施の形態1における回線制御部120の構成を概略的に示すブロック図である。
回線制御部120は、通信制御部130と、モデム140と、絶縁受渡部121と、シリコンDAA150と、直流ループ形成部122と、ダイオードブリッジ123と、リレー124と、リレー駆動回路125と、過大電流検出部126と、外付電話フックアップ検出部127と、ホスト部160とを備える。
【0017】
通信制御部130は、回線104との間の通信を制御する。
通信制御部130は、リング検出判断部131と、直流ループ形成指示部132と、直流ループ形成判断部133と、回線電圧取得部134と、回線電流取得部135と、疑似RBT(Ring Back Tone)生成部136と、FAX通信処理部137とを備える。
【0018】
リング検出判断部131は、回線104から到来するリング信号を検出する。例えば、リング検出判断部131は、モデム140と接続され、回線104から到来するリング信号のON時間及びOFF時間を判定して、リング信号が到来したか否かを判断する。ここで、回線104は、回線端子111の外側の回線であり、図1における交換機101及び回線網102を含む。回線104では、通信が行われる。
【0019】
直流ループ形成指示部132は、モデム140と接続され、直流ループ形成部122に回線104との直流ループの形成を指示し、又は、回線104との間の直流ループの解消を指示する。
【0020】
直流ループ形成判断部133は、モデム140と接続され、直流ループ形成部122が回線104の直流を保持したか否かを判断する。直流ループ形成部122により直流ループが形成された場合には、回線104が捕捉されたこととなるため、直流ループ形成判断部133は、回線捕捉検出部として機能する。
【0021】
回線電圧取得部134は、モデム140と接続され、シリコンDAA150で検出された、回線104の電圧である回線電圧を取得する。
回線電流取得部135は、モデム140と接続され、回線104に流れる電流である回線電流として、直流ループ形成部122に流れる電流を取得する。
【0022】
疑似RBT生成部136は、モデム140と接続され、RBTに似せたトーンである疑似RBTを生成する。疑似RBTは、電話をかけてきたユーザに出力することで、そのユーザに呼び出しているように感じさせる音である。
【0023】
FAX通信処理部137は、モデム140と接続され、回線104との間でFAX信号をやりとりすることで、ファクシミリ通信を行う。
【0024】
モデム140は、回線104からの信号を通信制御部130で処理可能な信号に変換し、通信制御部130からの信号を回線104に送出可能な信号に変換する。例えば、モデム140は、通信制御部130で扱うデジタル信号と、回線104で送受信されるアナログ信号との間の変換を行う。
モデム140は、制御I/F(InterFace)141と、I/F142とを有する。
【0025】
制御I/F141は、通信制御部130のリング検出判断部131、直流ループ形成指示部132、直流ループ形成判断部133、回線電圧取得部134、回線電流取得部135、疑似RBT生成部136及びFAX通信処理部137と、I/F142とに接続され、通信制御部130と、モデム140との間の信号のやり取りのためのインターフェースである。
【0026】
I/F142は、制御I/F141と、絶縁受渡部121とに接続され、モデム140と、シリコンDAA150との間の信号のやり取りのためのインターフェースである。
【0027】
絶縁受渡部121は、モデム140のI/F142と、シリコンDAA150とに接続され、回線104の1次側と、2次側とを直流的に分離する。
【0028】
シリコンDAA150は、回線104と、モデム140との間に入り、信号の送信又は受信を行う送受信部である。シリコンDAA150は、回線104に接続することで、回線104を捕捉する。具体的には、直流ループ形成部122が回線104との間の直流ループを形成することで、シリコンDAA150は、回線104を捕捉し、直流ループ形成部122が回線104との直流ループを解消することで、シリコンDAA150は、回線104を解放する。
シリコンDAA150は、I/F151と、リング検出部152と、回線電圧検出部153とを有する。
【0029】
I/F151は、絶縁受渡部121と、リング検出部152と、回線電圧検出部153と、直流ループ形成部122とに接続される。
I/F151は、回線104からの信号をモデム140へ送信し、モデム140からの信号を回線104へ送信するインターフェースである。
【0030】
リング検出部152は、I/F151と、ダイオードブリッジ123の交流入力側A及び交流入力側Bと、回線端子111と、リレー124と、回線電圧検出部153と、過大電流検出部126とに接続される。
リング検出部152は、回線104から到来するリング信号を検出して、そのリング信号をリング検出判断部131に提供するためのインターフェースである。
【0031】
回線電圧検出部153は、回線104の電圧である回線電圧を検出するために、回線端子111の電圧を検出する。
【0032】
直流ループ形成部122は、回線104との間で直流ループの形成及び解消を行う。直流ループが解消された状態は、直流ループが形成されていない状態である。
例えば、直流ループ形成部122は、シリコンDAA150のI/F151と、ダイオードブリッジ123の+側と、ダイオードブリッジ123の-側と、シリコンDAA150のグランドとに接続され、回線104の直流を保持することで、回線104との間で直流ループを形成する。
【0033】
ダイオードブリッジ123は、回線104の直流の極性を直流ループ形成部122に合わせるもので、回線104の極性が反転した場合であっても、直流ループ形成部122に一方方向の直流を供給する。
【0034】
リレー124は、回線端子111と、電話端子112と、外付電話フックアップ検出部127とに接続される。
リレー124は、回線端子111と、電話端子112との間に配置され、回線104と、外付電話103との間で、接続及び切断を切り替える切替部である。通信端末装置110が待機状態の場合、リレー124は、電話端子112と、回線104とを接続し、ユーザが外付電話103を使用して通話を行うことができるようにする。また、通信端末装置110がファクシミリ通信を行う場合、リレー124は、電話端子112と、回線104との接続を切断して、外付電話103の送話機からのノイズ等がシリコンDAA150を通じて、モデム140に入らないようにする。
また、リレー124には、リレー124を動作させるコイル124aが備えられ、コイル124aは、電源115と、リレー124を駆動させるリレー駆動回路125とに接続される。
【0035】
リレー駆動回路125は、ホスト部160から指示に応じて、リレー124をオン又はオフにする。
【0036】
回線端子111は、回線104と、過大電流検出部126とに接続される。回線端子111は、通信ケーブルの差込口である。
電話端子112は、外付電話103と、外付電話フックアップ検出部127とに接続される。電話端子112は、ケーブルの差込口である。
【0037】
過大電流検出部126は、回線端子111と、リレー124との間に配置され、回線104から予め定められた閾値以上の電流である過大電流が到来したことを検出する。過大電流検出部126は、その検出結果を、ホスト部160に通知する。
【0038】
外付電話フックアップ検出部127は、電話端子112と、リレー124との間に配置され、外付電話103に回線104からの電流が流れていない場合に、外付電話103の非導通状態を検出し、外付電話103に回線104からの電流が流れている場合に、外付電話103の導通状態を検出する外付電話導通検出部として機能する。ここでは、導通状態は、外付電話103がオフフックされた状態であり、非導通状態は、外付電話103がオンフックされた状態であるものとする。なお、外付電話103がオンフックされた状態であっても、外付電話103が、留守番電話機能等により回線104からの着信に応答している場合には、導通状態となる。
【0039】
実施の形態1では、外付電話フックアップ検出部127は、外付電話103がフックアップされた場合に、回線104の直流にて動作する。これにより、外付電話フックアップ検出部127は、外付電話103のオフフックを検出する。外付電話フックアップ検出部127は、その検出結果を、ホスト部160に通知する。
【0040】
ホスト部160は、リレー124を制御する制御部である。例えば、ホスト部160は、過大電流検出部126での検出結果又は外付電話フックアップ検出部127での検出結果に応じて、リレー124を制御する制御部である。具体的には、ホスト部160は、回線104から過大電流が到来した場合に、リレー124に、外付電話103と、回線104との間を切断させる。ここで、ホスト部160は、過大電流検出部126が回線104からの電流が予め定められた閾値以上である場合の検出結果に基づき、過大電流が到来したと判断する。具体的には、ホスト部160は、過大電流検出部126が回線104からの電流が予め定められた閾値以上であることを検出した場合に、過大電流が到来したと判断する。
ホスト部160は、外付電話フックアップ判断部161と、回線過大電流判断部162と、リレー制御部163とを備える。
【0041】
外付電話フックアップ判断部161は、外付電話フックアップ検出部127と接続され、外付電話フックアップ検出部127の出力を所定の時間監視し、外付電話103がフックアップされたか否かを判断する。
【0042】
回線過大電流判断部162は、過大電流検出部126と接続され、過大電流検出部126の出力を監視し、回線104に過大電流が流れたか否か、言い換えると、回線104からの電流が過大であるか否かを判断する。
【0043】
リレー制御部163は、リレー駆動回路125と接続され、回線過大電流判断部162の判断結果又は外付電話フックアップ検出部127での検出結果に応じて、リレー124をオン又はオフにする。
【0044】
次に、実施の形態1において、回線104からの過大電流に対策した動作について説明する。
まず、図3及び図4は、従来の回線制御部での動作を説明する概略的な回路図である。
従来の回線制御部では、図2に示されている過大電流検出部126が設けられておらず、ホスト部160#には回線過大電流判断部162が設けられていない。
【0045】
図3は、従来における回線制御部の待機状態を示している。
ここでは、リレー124がオフにされており、外付電話103と、回線104とが接続されている。
【0046】
そして、図4に示されているようにユーザが外付電話103をフックアップすると、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラに回線104からの直流が流れて、外付電話フックアップ判断部161は、外付電話103がオフフックされたと判断する。
【0047】
図4に示されている状態で、回線104から過大電流が到来すると、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラ、リレー124又は外付電話103が故障する可能性がある。
【0048】
図5図7は、実施の形態1における回線制御部120での動作を説明する概略的な回路図である。
実施の形態1では、過大電流検出部126として機能するフォトカプラが追加されている。
まず、図5に示されているように、回線制御部120が待機状態では、リレー124がオフにされており、外付電話103と、回線104とが接続されている。
【0049】
次に、図6に示されているように、ユーザが外付電話103をフックアップすると、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラに回線104からの電流が流れて、外付電話103がフックアップされたと外付電話フックアップ判断部161が判断する。また、過大電流検出部126として機能するフォトカプラの発光側にも回線104からの電流が流れる。
これにより、過大電流検出部126として機能するフォトカプラの受光側に電流が流れるが、回線電流が予め定められた閾値、例えば、200mA以上で、そのフォトカプラの受光側がオンするようにする。
そして、回線104からの電流が、過大電流と判断される閾値(ここでは、200mA)以上となると、L3における電圧が0Vとなり、回線過大電流判断部162は、過大電流が到来したと判断する。
【0050】
そして、過大電流が到来したと回線過大電流判断部162が判断すると、図7に示されているように、リレー制御部163は、リレー駆動回路125として機能するトランジスタのベースに電流を流すことで、リレー124をオンにする。これにより、回線104との間の接続が切断され、過大電流から、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラ、リレー124及び外付電話103を保護することができる。
【0051】
なお、過大電流検出部126として機能するフォトカプラの発光側には、回線104の過大電流が流れるので、図8に示されているように、そのフォトカプラに並列に抵抗128を設けて、回線電流Iを、抵抗側の電流I1と、発光側の電流I2とに分流することで、部品の耐性をアップさせることができる。
【0052】
なお、過大電流検出部126として機能するフォトカプラが追加されることによって、ファクシミリ通信の品質は、下記の理由により低下しない。
そのフォトカプラに並列にコンデンサ(図示せず)を設けることにより、交流信号への影響をほとんどなくすことができる。
また、直流抵抗は、若干上がるが、微々たるものであり、且つ、回線規格は満足できると考えられる。
【0053】
以上のように、実施の形態1によれば、回線104からの過大電流を検出するための過大電流検出部126を設けたことにより、過大電流が到来した場合に、外付電話103、外付電話フックアップ検出部127及びリレー124を回線104から切断することで、これらの故障を防ぐことができる。
【0054】
実施の形態2.
図1に示されているように、実施の形態2における通信システム200は、外付電話103と、通信端末装置210とを備える。
実施の形態2における外付電話103は、実施の形態1における外付電話103と同様である。
【0055】
図1に示されているように、実施の形態2に係る通信端末装置210は、回線端子111と、電話端子112と、スキャナ部113と、印刷部114と、回線制御部220とを備える。
実施の形態2に係る通信端末装置210の回線端子111、電話端子112、スキャナ部113及び印刷部114は、実施の形態1に係る通信端末装置110の回線端子111、電話端子112、スキャナ部113及び印刷部114と同様である。
【0056】
図9は、実施の形態2における回線制御部220の構成を概略的に示すブロック図である。
回線制御部220は、通信制御部230と、モデム140と、絶縁受渡部121と、シリコンDAA150と、直流ループ形成部122と、ダイオードブリッジ123と、リレー124と、リレー駆動回路125と、外付電話フックアップ検出部127と、ホスト部260とを備える。
【0057】
実施の形態2における回線制御部220のモデム140、絶縁受渡部121、シリコンDAA150、直流ループ形成部122、ダイオードブリッジ123、リレー124、リレー駆動回路125及び外付電話フックアップ検出部127は、実施の形態1における回線制御部120のモデム140、絶縁受渡部121、シリコンDAA150、直流ループ形成部122、ダイオードブリッジ123、リレー124、リレー駆動回路125及び外付電話フックアップ検出部127と同様である。
なお、実施の形態2における回線制御部220は、実施の形態1における過大電流検出部126を備えていない。
【0058】
通信制御部230は、回線104との間の通信を制御する。
通信制御部230は、リング検出判断部131と、直流ループ形成指示部132と、直流ループ形成判断部133と、回線電圧取得部234と、回線電流取得部235と、疑似RBT生成部136と、FAX通信処理部137と、交換機側抵抗値計算部238と、外付電話電流計算部239とを有する。
実施の形態2における通信制御部230のリング検出判断部131、直流ループ形成指示部132、直流ループ形成判断部133、疑似RBT生成部136及びFAX通信処理部137は、実施の形態1における通信制御部130のリング検出判断部131、直流ループ形成指示部132、直流ループ形成判断部133、疑似RBT生成部136及びFAX通信処理部137と同様である。
【0059】
回線電圧取得部234は、モデム140と接続され、シリコンDAA150で検出された、回線104の電圧である回線電圧を取得する。回線電圧取得部234は、取得された電圧を交換機側抵抗値計算部238及び外付電話電流計算部239に与える。なお、回線端子111には、交換機101が接続されているため、ここで取得される電圧は、交換機101側の電圧であるともいえる。
【0060】
実施の形態2では、回線電圧取得部234は、外付電話フックアップ検出部127が外付電話103の非導通状態を検出し、リレー124が外付電話103と、回線104との間を接続し、かつ、直流ループ形成部122が回線104との間の直流ループを解消している場合に、回線104の電圧である第1の電圧を取得する。また、リレー124が外付電話103と、回線104との間を切断し、かつ、直流ループ形成部122が回線104との間で直流ループを形成している場合に、回線104の電圧である回線抵抗電圧を取得する。さらに、回線電圧取得部234は、外付電話フックアップ検出部127が外付電話103の導通状態を検出し、リレー124が外付電話103と、回線104との間を接続し、かつ、直流ループ形成部122が回線104との間で直流ループを形成している場合に、回線104の電圧である第2の電圧を取得する。
【0061】
回線電流取得部235は、モデム140と接続され、回線104に流れる電流である回線電流として、直流ループ形成部122に流れる電流を取得する。回線電流取得部235は、取得された回線電流を交換機側抵抗値計算部238及び外付電話電流計算部239に与える。
【0062】
実施の形態2では、回線電流取得部235は、リレー124が外付電話103と、回線104との間を切断し、かつ、直流ループ形成部122が回線104との間の直流ループを形成している場合に、回線104からの電流である第1の電流を取得する。また、回線電流取得部235は、外付電話フックアップ検出部127が外付電話103の導通状態を検出し、リレー124が外付電話103と、回線104との間を接続し、かつ、直流ループ形成部122が回線104との間で直流ループを形成している場合に、回線104からの電流である第2の電流を取得する。
【0063】
交換機側抵抗値計算部238は、回線電圧取得部234からの回線電圧及び回線電流取得部235からの回線電流を用いて、交換機101側の抵抗である交換機側抵抗値を計算する。
具体的には、交換機側抵抗値計算部238は、第1の電圧と、回線抵抗電圧と、第1の電流とから交換機101側の抵抗値である交換機側抵抗値を計算する。
【0064】
外付電話電流計算部239は、回線電圧取得部234からの回線電圧及び回線電流取得部235からの回線電流を用いて、外付電話103の電流である外付電話電流を計算する。なお、外付電話電流計算部239は、計算された外付電話電流をホスト部260に与える。
具体的には、外付電話電流計算部239は、第1の電圧と、第2の電圧と、回線抵抗電圧と、第1の電流と、第2の電流と、交換機側抵抗値とから、外付電話103が導通状態であり、リレー124が外付電話103と、回線104との間を接続し、かつ、直流ループ形成部122が回線104との直流ループを形成している場合に、回線104から外付電話103に流れる電流である外付電話電流を計算する。
【0065】
ホスト部260は、外付電話電流計算部239で計算された外付電話電流を用いて、回線104からの過大電流の到来を判断して、その判断結果に応じて、リレー124を制御する制御部である。例えば、ホスト部260は、外付電話電流が予め定められた閾値以上である場合に、回線104から過大電流が到来したと判断する。
ホスト部260は、外付電話フックアップ判断部161と、回線過大電流判断部262と、リレー制御部163とを備える。
実施の形態2におけるホスト部260の外付電話フックアップ判断部161及びリレー制御部163は、実施の形態1におけるホスト部160の外付電話フックアップ判断部161及びリレー制御部163と同様である。
【0066】
回線過大電流判断部262は、外付電話電流計算部239で計算された外付電話電流が予め定められた閾値(例えば、150mA)以上となった場合に、回線104から過大電流が到来したと判断する。
【0067】
以下、実施の形態2における過大電流の判断動作について説明する。
以下の説明で、図10に示すように各電流を、下記の(1)式~(4)式で定義する。
回線電流=IA (1)
シリコンDAA150に流れる回線電流であるシリコンDAA電流=IB (2)
外付電話電流=IC (3)
回線電流IA=シリコンDAA電流IB+外付電話電流IC (4)
【0068】
図11図16は、通信端末装置210のモードが、ファックス待機(自動受信モード)、電話待機(TELモード)又はDRD(Distinctive Ring Detection)モードで、外付電話103がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な回路図である。
図11に示されているように、外付電話103がオンフックにされており、リレー124がオフにされ、回線104と、外付電話103とが接続されている状態において、シリコンDAA150の回線電圧検出部153は、交換機101側の電圧V1を検出する。これにより、通信制御部230の回線電圧取得部234は、交換機101側の電圧V1を取得する。ここでは、シリコンDAA150側は、回線104を捕捉していない。電圧V1を第1の電圧ともいう。
【0069】
次に、図12に示されているように、ユーザが外付電話103をフックアップする。この場合、回線104からの電流がリレー124を介して、外付電話103に流れる。
【0070】
この場合、図13に示されているように、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラに回線電流IAが流れて、外付電話フックアップ判断部161は、外付電話103がオフフックされたと判断する。また、シリコンDAA150側でも、回線104を捕捉する。
【0071】
次に、図14に示されているように、外付電話フックアップ判断部161において、外付電話103がオフフックされたと判断されると、リレー制御部163は、リレー駆動回路125を動作させて、リレー124をオンにすることで、外付電話103を回線104から切断させる。
この状態において、回線電圧取得部234は、回線電圧を取得し、回線電流取得部235は、回線電流IAを取得する。なお、シリコンDAA150における回線電流の検出は、公知の方法が用いられればよい。ここで取得される回線電圧を回線抵抗電圧ともいい、ここで取得される回線電流IAを、第1の電流ともいう。
ここで、交換機側抵抗値計算部238は、図11で示した状態で取得された電圧V1と、図14の状態で取得された回線電圧及び回線電流とを用いて、交換機側抵抗値Rを計算することができる。ここでの計算方法については、後述する。
【0072】
次に、図15に示されているように、リレー制御部163は、リレー駆動回路125の動作を停止させて、リレー124をオフにすることで、外付電話103を回線104に接続する。
この状態において、シリコンDAA150の回線電圧検出部153は、回線電圧V2を検出し、通信制御部230の回線電圧取得部234は、その回線電圧V2を取得する。また、通信制御部230の回線電流取得部235は、シリコンDAAを流れる電流を、回線電流IBとして取得する。ここで取得される回線電圧V2を第2の電圧ともいい、ここで取得される回線電流IBを第2の電流ともいう。
【0073】
そして、外付電話電流計算部239は、以下のようにして、外付電話電流ICを計算する。
まず、下記の(5)式が成立する。
V1-V2=IA×R (5)
ここで、Rは、回線104の抵抗である。
このため、(5)式を変形して(6)式となる
IA=(V1-V2)÷R (6)
【0074】
ここで、下記の(7)式が成立する。
IA=IB+IC (7)
これを変形して、下記の(8)式となる。
IC=IA-IB (8)
これにより、外付電話103に流れる電流である外付電話電流ICを計算することができる。
【0075】
また、外付電話電流計算部239は、下記の(9)式で、外付電話103の抵抗値RTを求めることができる。
RT=V2÷IC (9)
【0076】
以上により、交換機101の電圧V1、交換機側抵抗値R、及び、外付電話103の抵抗値RTが求まるので、図12における状態での外付電話103に流れる外付電話電流ICが求まる。
【0077】
これにより、回線過大電流判断部262は、外付電話電流ICが閾値以上である場合に、回線104から過大電流が到来したと判断する。そして、図16に示されているように、直流ループ形成指示部132は、直流ループ形成部122に指示することで、シリコンDAA150による回線104の捕捉を解放させ、リレー制御部163は、リレー駆動回路125を動作させることで、リレー124をオンにして、回線104を切断する。
このような動作を行うことで、回線104から到来する過大電流から、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラ、リレー124及び外付電話103を保護することができる。
【0078】
以上のような、交換機101の電圧V1、回線電圧V2、交換機側抵抗値R、回線電流IA、シリコンDAA電流IB、外付電話電流IC及び外付電話103の抵抗値RTの関係を、図17に示す。
【0079】
図18図20は、交換機101の抵抗値Rを計算する方法を説明するための概略図である。
図18に示されているように、交換機101側の電圧V1、交換機側抵抗値R、シリコンDAA150が直流を保持した際の抵抗RDAA、シリコンDAA150が直流を保持した際の電圧VDAA、及び、回線電流IDAAとする。
【0080】
図19に示されているように、外付電話103がオンフックされた場合には、回線電流IDAA=0Aとなる。
この際、電圧VDAA、は、VDAA=V1となる。この電圧は、シリコンDAA150の回線電圧検出部153で検出されて、通信制御部230の回線電圧取得部234で取得することができる。
【0081】
図20に示されているように、外付電話103がオフフックされた場合には、回線電流IDAAが流れる。この回線電流IDAAは、シリコンDAA150を介して、通信制御部230の回線電流取得部235で取得することができ、その電圧VDAAも、シリコンDAA150の回線電圧検出部153で検出されて、通信制御部230の回線電圧取得部234で取得することができる。
【0082】
そして、図20に示されているように、下記の(10)式となる。
V1-VDAA=IDAA×R (10)
交換機側抵抗値Rは、下記の(11)式のようになる。
R=(V1-VDAA)÷IDAA (11)
以上により、通信制御部230の交換機側抵抗値計算部238は、交換機側抵抗値Rを計算することができる。
【0083】
図21図26は、通信端末装置210のモードが、電話又はファックス待機(電話及びファックスの自動切替モード)で、外付電話103がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な回路図である。
図21に示されているように、外付電話103がオンフックにされており、リレー124がオフにされ、回線104と、外付電話103とが接続されている状態において、シリコンDAA150の回線電圧検出部153は、交換機101側の電圧V1を検出する。これにより、通信制御部230の回線電圧取得部234は、交換機101側の電圧V1を取得する。ここで取得される電圧V1を第1の電圧ともいう。
このような状態において、回線104の交換機101からリング信号が到来する。
【0084】
このような場合、図22に示されているように、シリコンDAA150側で、回線104を補足して、回線104の電圧と電流とを検出する。そして、回線電圧取得部234は、検出された電圧を回線電圧として取得し、回線電流取得部235は、検出された電流を回線電流IAとして取得する。ここで取得される回線電圧を回線抵抗電圧ともいい、ここで取得される回線電流IAを第1の電流ともいう。
【0085】
そして、図23に示されているように、通信端末装置210は、ユーザに外付電話103のフックアップを促すために、図示しないスピーカーを鳴動させる。
また、通信制御部230の疑似RBT生成部136は、疑似RBTを生成し、モデム140及びシリコンDAA150を介して、回線104の相手方に送信し、その相手方に呼び出し中であることを通知する。
ここで、相手方がファクシミリ通信を望んでいる場合、回線104からCNG(Calling)信号が到来する。
【0086】
次に、図24に示されているように、ユーザが外付電話103をフックアップする。この場合、回線104からの電流がリレー124を介して、外付電話103に流れる。
この状態において、シリコンDAA150の回線電圧検出部153は、回線電圧V2を検出し、通信制御部230の回線電圧取得部234は、その回線電圧V2を取得する。また、通信制御部230の回線電流取得部235は、シリコンDAAを流れる電流を、回線電流IBとして取得する。ここで取得される回線電圧V2を第2の電圧ともいい、ここで取得される回線電流IBを第2の電流ともいう。
【0087】
そして、図25に示されているように、シリコンDAA150側で補足していた回線104を解放する。
ここで、図21において取得された、交換機101の電圧V1と、図22において検出された回線104の電圧と、電流とにより、交換機101側の抵抗値Rが計算可能となる。
【0088】
そして、外付電話電流計算部239は、上述のように、外付電話電流IC及び外付電話103の抵抗値RTを計算する。
【0089】
これにより、回線過大電流判断部262は、外付電話電流ICが閾値以上である場合に、回線104から過大電流が到来したと判断する。そして、図26に示されているように、直流ループ形成指示部132は、直流ループ形成部122に指示することで、シリコンDAA150による回線104の捕捉を解放させ、リレー制御部163は、リレー駆動回路125を動作させることで、リレー124をオンにして、回線104を切断する。
このような動作を行うことで、回線104から到来する過大電流から、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラ、リレー124及び外付電話103を保護することができる。
【0090】
図27図32は、通信端末装置210のモードが、留守又はファックス待機(TADモード)で、外付電話103がオンフックからオフフックされた場合の動作例を示す概略的な回路図である。
図27に示されているように、外付電話103がオンフックにされており、リレー124がオフにされ、回線104と、外付電話103とが接続されている状態において、シリコンDAA150の回線電圧検出部153は、交換機101側の電圧V1を検出する。これにより、通信制御部230の回線電圧取得部234は、交換機101側の電圧V1を取得する。ここで取得される電圧V1を第1の電圧ともいう。
このような状態において、回線104の交換機101からリング信号が到来する。
【0091】
このような場合、外付電話103は、留守番機能を有するので、図28に示されているように、外付電話103が回線104からのリング信号に応答し、回線104を補足する。さらに、図29に示されているように、シリコンDAA150側でも回線104を補足する。
【0092】
次に、図30に示されているように、リレー制御部163は、リレー駆動回路125を動作させて、リレー124をオンにすることで、外付電話103を回線104から切断させる。
この状態において、回線電圧取得部234は、回線電圧を取得し、回線電流取得部235は、回線電流を取得する。ここで取得される回線電圧を回線抵抗電圧ともいい、ここで取得される回線電流IAを第1の電流ともいう。
そして、交換機側抵抗値計算部238は、図27で示した状態で取得された電圧V1と、図30の状態で取得された回線電圧及び回線電流とを用いて、上記のように、交換機側抵抗値Rを計算することができる。
【0093】
また、図31に示されているように、リレー制御部163は、リレー駆動回路125を動作させて、リレー124をオフにすることで、外付電話103を回線104に接続させる。
この状態において、回線電圧取得部234は、回線電圧V2を取得し、回線電流取得部235は、シリコンDAA150に流れる回線電流IBを取得する。ここで取得される回線電圧V2を第2の電圧ともいい、ここで取得される回線電流IBを第2の電流ともいう。
【0094】
そして、外付電話電流計算部239は、上述のように、外付電話電流IC及び外付電話103の抵抗値RTを計算する。
【0095】
これにより、回線過大電流判断部262は、外付電話電流ICが閾値以上である場合に、回線104から過大電流が到来したと判断する。そして、図32に示されているように、直流ループ形成指示部132は、直流ループ形成部122に指示することで、シリコンDAA150による回線104の捕捉を解放させ、リレー制御部163は、リレー駆動回路125を動作させることで、リレー124をオンにして、回線104を切断する。
このような動作を行うことで、回線104から到来する過大電流から、外付電話フックアップ検出部127として機能するフォトカプラ、リレー124及び外付電話103を保護することができる。
【0096】
ここで、以上に記載した通信端末装置110のモードについて説明する。
ファクス待機(自動受信モード)は、回線104からのリング信号を検出して自動的にFAX受信へと移行するモードである。
電話又はファックス待機(TEL又はFAX自動切替モード)は、外付電話103を通信端末装置110に付けて、送信機側がFAX目的である、電話目的であるかを自動的に切り分けるモードである。
留守又はファックス待機(TADモード)は、留守番電話機能を有する外付電話103を通信端末装置110に付けて、その留守番電話機能が送信機側とのやりとりを行うモードである。
電話待機(TELモード)は、外付電話103を通信端末装置110に付けて、回線104からのリング信号を検出することなく、外付電話103を電話機として使用するモードである。
DRDモードは、回線104からのリング信号のオン又はオフのパターンで、FAX受信に移行したり、外付電話103を電話機として使用したりするモードである。
【0097】
以上に記載された通信制御部130、230及びホスト部160、260の一部又は全部は、例えば、図33(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0098】
また、通信制御部130、230及びホスト部160、260の一部又は全部は、例えば、図33(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、通信制御部130、230及びホスト部160、260は、処理回路網により実現することができる。
【0099】
以上に記載された実施の形態1又は2では、通信端末装置110、210として、例えば、MFP又はファクシミリ等があるが、スキャナと、プリンタとをネットワークを介して接続された複合システムであってもよい。
【符号の説明】
【0100】
110,210 通信端末装置、 111 回線端子、 112 電話端子、 113 スキャナ部、 114 印刷部、 120,220 回線制御部、 121 絶縁受渡部、 122 直流ループ形成部、 123 ダイオードブリッジ、 124 リレー、 125 リレー駆動回路、 126 過大電流検出部、 127 外付電話フックアップ検出部、 130,230 通信制御部、 131 リング検出判断部、 132 直流ループ形成指示部、 133 直流ループ形成判断部、 134,234 回線電圧取得部、 135,235 回線電流取得部、 136 疑似RBT生成部、 137 FAX通信処理部、 238 交換機側抵抗値計算部、 239 外付電話電流計算部、 140 モデム、 150 シリコンDAA、 160 ホスト部、 161 外付電話フックアップ判断部、 162,262 回線過大電流判断部、 163 リレー制御部。
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