IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECソリューションイノベータ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-選択装置 図1
  • 特開-選択装置 図2
  • 特開-選択装置 図3
  • 特開-選択装置 図4
  • 特開-選択装置 図5
  • 特開-選択装置 図6
  • 特開-選択装置 図7
  • 特開-選択装置 図8
  • 特開-選択装置 図9
  • 特開-選択装置 図10
  • 特開-選択装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149238
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】選択装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20220929BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20220929BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20220929BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20220929BHJP
【FI】
G06T19/00 C
G06F3/0346 422
G06F3/0481 150
G06F3/0484 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051297
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 右貴
【テーマコード(参考)】
5B050
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA00
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA12
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA01
5B050EA07
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5B087AA02
5B087AA07
5B087BC32
5E555AA27
5E555AA54
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC17
5E555BE16
5E555CA42
5E555CB45
5E555CB46
5E555CB66
5E555CC03
5E555DA08
5E555DA11
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC43
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】選択したいオブジェクトを選択することが難しい場合がある。
【解決手段】
選択装置は、所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定する設定部と、指示体の角度を取得する取得部と、前記設定部による設定の結果と、前記取得部による取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する決定部と、を有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定する設定部と、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得する取得部と、
前記設定部による設定の結果と、前記取得部による取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する決定部と、
を有する
選択装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記設定部による設定処理において、前記取得部が取得した角度が設定されたオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する
請求項1に記載の選択装置。
【請求項3】
前記設定部は、選択候補となる各オブジェクトに対して予め定められた範囲の角度を割り当てることで各オブジェクトに対して角度の範囲を設定する
請求項1または請求項2に記載の選択装置。
【請求項4】
前記設定部は、選択候補となる各オブジェクトに対して予め定められた範囲の角度を均等に割り当てることで各オブジェクトに対して角度の範囲を設定する
請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載の選択装置。
【請求項5】
指示体に基づいてオブジェクトを選択する選択部を有し、
前記選択部は、選択したオブジェクトが所定の条件を満たす場合に複数のオブジェクトが選択候補になると判断する
請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載の選択装置。
【請求項6】
前記選択部は、オブジェクトの表示状況に基づいてオブジェクトの選択誤りが生じるおそれがあると想定される場合に、複数のオブジェクトが選択候補になると判断する
請求項5に記載の選択装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記指示体が指示する位置において複数のオブジェクトが重なっている場合に、複数のオブジェクトが選択候補になると判断する
請求項5または請求項6に記載の選択装置。
【請求項8】
前記取得部は、検知したデータに基づいて前記指示体の角度を算出することで、前記指示体の角度を取得する
請求項1から請求項7までのうちのいずれか1項に記載の選択装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、
設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する
選択方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、
設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する
処理を実現するためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択装置、選択方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
AR/MR(Augmented Reality / Mixed Reality)グラスなどの表示装置に表示されたオブジェクトを選択する際に用いられる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンピュータにおける、仮想空間内で操作オブジェクトが対象オブジェクトを選択するための情報処理方法が記載されている。特許文献1によると、情報処理方法は、コンピュータのプロセッサにおいて、操作オブジェクトの一部の異なる2点の仮想空間内の3次元座標を取得するステップと、異なる2点の仮想空間内座標の中点を算出するステップと、中点から最も近い対象オブジェクトを選択するステップと、を実行することを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-204873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、非常に近い位置に複数のオブジェクトが存在する場合、複数のオブジェクトが重なって表示されることがある。このような場合、選択したいオブジェクトを選択可能な個所が小さくなる、または、無いような事態が生じうる。その結果、特許文献1に記載されているような技術では、選択したいオブジェクトではないオブジェクトが選択されてしまうなど、選択したいオブジェクトの選択を行うことが難しいおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、選択したいオブジェクトを選択することが難しい場合がある、という課題を解決する選択装置、選択方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本開示の一形態である選択装置は、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定する設定部と、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得する取得部と、
前記設定部による設定の結果と、前記取得部による取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する決定部と、
を有する
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の他の形態である選択方法は、
情報処理装置が、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、
設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、
設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する
処理を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
上述したような各構成によると、オブジェクトが近い位置に配置されている場合などであっても選択したいオブジェクトを的確に選択することが可能な選択装置、選択方法、プログラムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1の実施形態における選択システムを説明するための図である。
図2】表示装置の構成例を示すブロック図である。
図3】設定角度情報の一例を説明するための図である。
図4】角度算出部の処理例を説明するための図である。
図5】角度算出部の処理例を説明するための図である。
図6】決定部の処理例を説明するための図である。
図7】決定部の処理例を説明するための図である。
図8】表示部による表示の一例を示す図である。
図9】表示装置の動作例を示すフローチャートである。
図10】本開示の第2の実施形態における選択装置のハードウェア構成例を示す図である。
図11】選択装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、図1から図9を参照して説明する。図1は、選択システムを説明するための図である。図2は、表示装置100の構成例を示すブロック図である。図3は、設定角度情報142の一例を説明するための図である。図4図5は、角度算出部154の処理例を説明するための図である。図6図7は、決定部155の処理例を説明するための図である。図8は、表示部156による表示の一例を示す図である。図9は、表示装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0013】
本開示の第1の実施形態においては、仮想空間に表示中のオブジェクトを選択する選択システムについて説明する。本実施形態において説明する選択システムの場合、図1で示すように、指示体である手を用いてオブジェクトを選択する。また、後述するように、選択システムは、指示体による選択の結果として複数のオブジェクトが選択候補であると判断される場合、選択候補である複数のオブジェクトに角度を割り当てることで、各オブジェクトに対応する角度を設定する。また、処理システムは、指示体である手の角度を算出する。そして、処理システムは、設定した結果と、算出した指示体の角度と、に基づいて、選択候補の中から選択するオブジェクトを決定する。
【0014】
なお、複数のオブジェクトが選択候補であると判断される場合とは、例えば、指示体が指示する位置において複数のオブジェクトが重なっている場合や指示体が選択したオブジェクト近傍(任意の範囲でよい)に他のオブジェクトが存在する場合など、オブジェクトの選択誤りが生じるおそれがあると想定される場合である。このような所定範囲内に複数のオブジェクトが存在している場合、オブジェクトが重なっていることなどにより、選択したいオブジェクトの選択を的確に行うことが出来ないことがある。そこで、選択システムは、選択候補を選ぶための処理を行う。
【0015】
本実施形態において説明する選択システムは、表示装置100を含んでいる。表示装置100は、予め記憶されたオブジェクトの表示を行うとともに、指示体である手を検出して表示中のオブジェクトの選択を行う選択装置である。例えば、表示装置100は、選択システムを利用する利用者の頭などに装着されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの情報処理装置である。表示装置100は、センサを有する検出・選択装置とAR/MR(Augmented Reality / Mixed Reality)グラスなどの画面表示装置など複数の装置から構成されてもよい。なお、表示装置100は、液晶ディスプレイなどの画面表示装置を有するなど、利用者の頭に装着されるもの以外であってもよい。
【0016】
図2は、表示装置100の構成例を示している。図2を参照すると、表示装置100は、主な構成要素として、例えば、検知部110と、画面表示部120と、通信I/F部130と、記憶部140と、演算処理部150と、を有している。
【0017】
検知部110は、指示体などを検知するセンサを含んでいる。例えば、検知部110は、深度センサやRGBカメラなどを含んでいる。また、検知部110は、表示装置100の向きや傾きなどを検知するためのセンサを含むことが出来る。例えば、検知部110は、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサなどのうちの少なくとも1つを含むことが出来る。また、検知部110は、表示装置100を装着した利用者の目の動きを検知するアイトラッキングセンサなどを含んでもよい。検知部110は、上記例示した以外のセンサを含んでもよい。
【0018】
画面表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの画面表示装置からなる。例えば、画面表示部120は、透過型のLCDディスプレイや透過型有機ELディスプレイなどである。画面表示部120は、演算処理部150からの指示に応じて、記憶部140に格納された各種情報などを画面表示することが出来る。
【0019】
通信I/F部130は、データ通信回路からなる。通信I/F部130は、通信回線を介して接続された外部装置との間でデータ通信を行う。
【0020】
記憶部140は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部140は、演算処理部150における各種処理に必要な処理情報やプログラム143を記憶する。プログラム143は、演算処理部150に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム143は、通信I/F部130などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部140に保存されている。記憶部140で記憶される主な情報としては、例えば、オブジェクト情報141や設定角度情報142などがある。
【0021】
オブジェクト情報141は、仮想空間上に表示するオブジェクトについての情報を含んでいる。例えば、オブジェクト情報141には、オブジェクトを識別するための識別情報、形状や色など仮想空間上に表示するオブジェクト自体についての情報である表示内容情報、オブジェクトを表示する仮想空間上の位置を示す位置情報、などが含まれうる。オブジェクト情報141には、上記例示した以外のオブジェクトが含まれてもよい。オブジェクト情報141は、通信I/F部130などを介して外部装置などから予め取得され、記憶部140に格納されている。
【0022】
設定角度情報142は、後述する角度設定部153により設定された、指示体である手の角度と選択候補になる各オブジェクトの関係を示している。例えば、設定角度情報142では、指示体の角度の範囲を示す情報と、当該範囲に割り当てられたオブジェクトを示す情報(例えば、識別情報など)と、が対応付けられている。設定角度情報142は、角度設定部153がオブジェクトを角度に割り当てることで生成・更新される。
【0023】
図3は、設定角度情報142が示す情報の一例を示している。例えば、図3で示す例の場合、0度以上45度未満に球形のオブジェクトが割り当てられ、45度以上90度未満に直方体のオブジェクトが割り当てられている。また、90度以上135度未満に円錐のオブジェクトが割り当てられ、135度以上180度未満に星形のオブジェクトが割り当てられている。このように、設定角度情報142には、選択候補となった各オブジェクトについて角度を割り当てた結果を示す情報が含まれている。
【0024】
なお、設定角度情報142で割り当てられるオブジェクトの数は、選択対象となるオブジェクトの数に応じたものとなる。そのため、設定角度情報142で割り当てられるオブジェクトの数は4つに限られない。また、設定角度情報142では、0度~180度以外の範囲の角度が割り当てられていてもよい。
【0025】
演算処理部150は、CPUなどの演算装置とその周辺回路を有する。演算処理部150は、記憶部140からプログラム143を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム143とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部150で実現される主な処理部としては、例えば、検出部151、選択部152、角度設定部153、角度算出部154、決定部155、表示部156などがある。
【0026】
検出部151は、検知部110が検知した結果に基づいて、手などの予め定められた指示体を検出する。
【0027】
例えば、検出部151は、RGBカメラが取得した画像データや深度センサが取得した深度情報などを用いて、指示体である手を検出する。検出部151は、パターンマッチングを用いる、予め機械学習することで取得したモデルを用いるなど、既知の技術を用いて指示体の検出を行ってよい。
【0028】
選択部152は、検出部151が検出した結果を用いて仮想空間上に表示されているオブジェクトを選択する。例えば、選択部152は、検出部151が検出した指示体である手と仮想空間上において重なる位置に存在するオブジェクトを選択する、仮想空間上において指示体である手から予め定められた条件に応じて伸びるレイが衝突するオブジェクトを選択するなど、既知の技術を用いてオブジェクトを選択することが出来る。選択部152は、検出部151が検出した手が所定の動作を行った際などにオブジェクトの選択を行ってもよい。
【0029】
また、選択部152は、上記処理により選択されるオブジェクトが所定の条件を満たす場合、複数のオブジェクトが選択候補であると判断する。例えば、選択部152は、指示体が指示する位置において複数のオブジェクトが重なっている場合や指示体が選択したオブジェクト近傍に他のオブジェクトが存在する場合など、予め定められた条件を満たす場合において、条件に応じた複数のオブジェクトが選択候補であると判断する。換言すると、選択部152は、オブジェクトの表示状況に基づいてオブジェクトの選択誤りが生じるおそれがあると想定される場合に、条件に応じた複数のオブジェクトが選択候補であると判断する。一方、上記のような条件を満たさない場合、選択部152は、選択候補のオブジェクトが1つであると判断する。選択候補のオブジェクトが1つである場合、選択部152は、当該オブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。
【0030】
角度設定部153は、選択部152が複数のオブジェクトを選択候補とした場合に、選択候補となる各オブジェクトに対して角度を割り当てることで、各オブジェクトに対応する角度の範囲を設定する。そして、角度設定部153は、設定した結果を設定角度情報142として記憶部140に格納する。
【0031】
例えば、角度設定部153は、選択部152が選択候補とした各オブジェクトに対して、予め定められた範囲の角度を均等に割り当てる。例えば、選択部152が選択候補としたオブジェクトの数が4つであった場合、角度設定部153は、図3示すように4つのオブジェクトそれぞれに対して45度ずつ割り当てる。例えば、図3の場合、角度設定部153は、0度以上45度未満に球形のオブジェクトを割り当て、45度以上90度未満に直方体のオブジェクトを割り当てる。また、90度以上135度未満に円錐のオブジェクトを割り当て、135度以上180度未満に星形のオブジェクトを割り当てる。
【0032】
なお、角度設定部153が割り当てる角度の範囲は0度から180度まで以外であってもよい。例えば、角度設定部153は、0度から90度までの範囲の角度を割り当ててもよいし、0度から360度までの範囲を割り当ててもよい。また、角度設定部153は、-90度から90度までなどの範囲を割り当ててもよい。また、角度設定部153が割り当てる角度の範囲は、例えば選択部152が選択対象として選択したオブジェクトの数などに応じて変動してもよい。例えば、角度設定部153は、選択部152が選択対象として選択したオブジェクトの数が多くなるほど割り当てる角度の範囲がより広くなるように構成してもよい。また、角度設定部153による角度の割り当ては、必ずしも各オブジェクトに対して均等でなくてもよい。
【0033】
角度算出部154は、検知部110が検出した手の形状や傾きなどに基づいて、検出部151が検出した指示体である手の角度を算出することで、指示体である手の角度を取得する。換言すると、例えば、角度算出部154は、検知部110が検知した結果や検出部141による検出結果など(例えば、カメラやセンサなどが取得したデータなど)に基づいて、指示体である手の角度を算出する。
【0034】
例えば、角度算出部154は、手のひらが上を向いて地面などの基準面と平行になっている状態を基準として、手の角度を算出する。例えば、図4で示すように、角度算出部154は、手のひらが上を向いて地面と平行になっている状態について0度を算出する。また、角度算出部154は、基準面に対する手のひら(と平行な面)の角度を手の角度として算出する。例えば、図5の場合。角度算出部154は、手の角度が80度である旨を算出する。また、角度算出部154は、手のひらが下を向いて地面と平行になっている状態について180度を算出する。例えば、このように、角度算出部154は、腕の長さ方向を軸にした腕の回転に応じた手の内転または外転に応じた角度を手の角度として算出する。
【0035】
なお、角度算出部154は、既知の手段を用いて、手の形状や傾きなどの判断を行ってよい。
【0036】
決定部155は、設定角度情報142と、角度算出部154による算出の結果と、に基づいて、選択候補となるオブジェクトの中から選択するオブジェクトを決定する。
【0037】
例えば、決定部155は、角度算出部154が算出した角度が設定角度情報142においてどのオブジェクトに対して割り当てられているか確認する。そして、決定部155は、設定角度情報142において角度算出部154が算出した角度が割り当てられているオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。
【0038】
例えば、図6は、角度算出部154が0度を算出した場合について例示している。この場合、角度算出部154による算出結果は、0度以上45度未満の範囲に入る。そこで、決定部155は、上記範囲に対応する球形のオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。
【0039】
また、例えば、図7は、角度算出部154が80度を算出した場合について例示している。この場合、角度算出部154による算出結果は、45度以上90度未満の範囲に入る。そこで、決定部155は、上記範囲に対応する直方体のオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。
【0040】
例えば、以上のように、決定部155は、角度設定部153による設定処理において、角度算出部154が算出した角度が割り当てられたオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。
【0041】
表示部156は、オブジェクト情報141に基づいて、オブジェクトの表示を行う。つまり、表示部156は、オブジェクト情報141が示す位置にオブジェクト情報141が示す形状のオブジェクトを表示する。また、表示部156は、決定部155による決定の結果に応じた表示を行うことが出来る。例えば、表示部156は、選択候補となったオブジェクトのうち決定部155が決定したオブジェクトのみを表示することが出来る。この際、表示部156は、決定部155が決定したオブジェクト以外の選択候補となったオブジェクトを表示しなくてもよいし、例えば透過的に表示するなどしてもよい。
【0042】
例えば、図8は、角度算出部154が0度を算出した場合の表示部156による表示例を示している。この場合、上述したように、決定部155は、例えば球形のオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。そのため、表示部156は、球形のオブジェクトを表示する。
【0043】
以上が、表示装置100の構成例である。続いて、図9を参照して表示装置100の動作例について説明する。
【0044】
図9は、表示装置100の動作例を示している。図9を参照すると、選択部152は、検出部151が検出した結果を用いて仮想空間上に表示されているオブジェクトを選択する(ステップS101)。
【0045】
また、選択部152は、選択されたオブジェクトが予め定められた条件を満たすか否か確認する(ステップS102)。選択されたオブジェクトが予め定められた条件を満たさない場合(ステップS102、No)、選択部152は、選択されたオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する。一方、選択されたオブジェクトが予め定められた条件を満たす場合(ステップS102、Yes)、選択部152は、満たす条件に応じた複数のオブジェクトが選択候補であると判断する。
【0046】
複数のオブジェクトが選択候補となった場合、角度設定部153は、選択候補となる各オブジェクトに対して角度を割り当てることで、各オブジェクトに対応する角度の範囲を設定する(ステップS103)。また、角度算出部154は、検知部110が検出した手の形状や傾きなどに基づいて、検出部151が検出した指示体である手の角度を算出する(ステップS104)。そして、決定部155は、角度設定部153が設定した結果と、角度算出部154による算出の結果と、に基づいて、選択候補となるオブジェクトの中から選択するオブジェクトを決定する(ステップS105)。
【0047】
表示部156は、決定部155による決定の結果に応じた表示を行う(ステップS106)。例えば、表示部156は、選択候補となる複数のオブジェクトのうち決定部155が決定したオブジェクトのみを表示する。
【0048】
このように、表示装置100は角度設定部153と角度算出部154と決定部155とを有している。このような構成によると、決定部155は、角度設定部153が設定した結果と、角度算出部154による算出の結果と、に基づいて、選択候補となるオブジェクトの中から選択するオブジェクトを決定することが出来る。これにより、例えば、オブジェクトが重複しているなど的確なオブジェクトの選択を行うことが難しい場合でも的確にオブジェクトの選択を行うことが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態においては、記憶部140がオブジェクト情報141を有する場合について例示した。しかしながら、オブジェクト情報141は、外部の記憶装置に格納されていてもよい。換言すると、表示装置100は、通信I/F部130を介して取得したオブジェクト情報141に基づく表示を行うよう構成してもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、指示体として手を検出する場合について例示した。しかしながら、指示体は手以外であってもよい。例えば、指示体は、コントローラなどの装置であってもよいし、目、頭、上腕部などの手以外の人体などであってもよい。例えば、指示体として手以外の人体を採用する場合、角度設定部153は、視点の向く方向、ひじを軸にした回転角、頭の傾き又は頭の回転角度、などを選択候補となるオブジェクトに割り当てることが出来る。また、指示体としてコントローラなどの装置を採用する場合、角度算出部154は、例えば、コントローラなどの装置が有する磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサなどのセンサが取得したデータに基づいて指示体の角度を算出してよい。
【0051】
また、本実施形態においては、選択部152が選択を行う際に用いる指示体と、角度算出部154が角度を算出する指示体(つまり、選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体)とが同一である場合について例示した。しかしながら、選択部152が選択を行う際に用いる指示体と、角度算出部154が角度を算出する指示体とは異なっていてもよい。例えば、表示装置100は、指示体であるコントローラに応じてオブジェクトの選択を行った後、選択候補となるオブジェクトの中からアイトラッキングの結果に応じて選択するオブジェクトを決定してもよい。このように、表示装置100は、複数の指示体を含んでいてもよい。
【0052】
また、本実施形態においては、検知部110が有するカメラやセンサなどが取得したデータに基づいて角度算出部154が手の角度を算出する場合について説明した。しかしながら、表示装置100は、利用者から指示体の角度を示す情報の入力を受け付けるなどの方法により、手などの指示体の角度を示す情報を取得してもよい。つまり、指示体の角度は、物理的に測定されたものであってもよいし、利用者の主観で推定されたものなどであってもよい。利用者から指示体の角度を示す情報の入力を受け付ける場合、表示装置100は角度算出部154を有さなくてもよい。
【0053】
[第2実施形態]
次に、図10図11を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。本開示の第2の実施形態では、情報処理装置である選択装置200の構成の概要について説明する。
【0054】
図10は、選択装置200のハードウェア構成例を示している。図10を参照すると、選択装置200は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)201(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)202(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)203(記憶装置)
・RAM203にロードされるプログラム群204
・プログラム群204を格納する記憶装置205
・情報処理装置外部の記録媒体210の読み書きを行うドライブ装置206
・情報処理装置外部の通信ネットワーク211と接続する通信インタフェース207
・データの入出力を行う入出力インタフェース208
・各構成要素を接続するバス209
【0055】
また、選択装置200は、プログラム群204をCPU201が取得して当該CPU201が実行することで、図11に示す設定部221、取得部222、決定部223としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群204は、例えば、予め記憶装置205やROM202に格納されており、必要に応じてCPU201がRAM203などにロードして実行する。また、プログラム群204は、通信ネットワーク211を介してCPU201に供給されてもよいし、予め記録媒体210に格納されており、ドライブ装置206が該プログラムを読み出してCPU201に供給してもよい。
【0056】
なお、図10は、選択装置200のハードウェア構成例を示している。選択装置200のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、選択装置200は、ドライブ装置206を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0057】
設定部221は、所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定する。
【0058】
取得部222は、選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得する。
【0059】
決定部223は、設定部221による設定の結果と、取得部222による取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する。
【0060】
このように、選択装置200は設定部221と取得部222と決定部223とを有している。このような構成によると、決定部223は、設定部221による設定の結果と、取得部222による取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定することが出来る。これにより、的確なオブジェクトの選択を行うことが難しい場合でも的確にオブジェクトの選択を行うことが可能となる。
【0061】
なお、上述した選択装置200などの情報処理装置は、当該情報処理装置に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、情報処理装置に、所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する、処理を実現するためのプログラムである。
【0062】
また、上述した情報処理装置により実行される選択方法は、情報処理装置が、所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する、というものである。
【0063】
上述した構成を有する、プログラム(又は記録媒体)、又は、選択方法などの発明であっても、上述した場合と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0064】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における選択装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0065】
(付記1)
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定する設定部と、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得する取得部と、
前記設定部による設定の結果と、前記取得部による取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する決定部と、
を有する
選択装置。
(付記2)
前記決定部は、前記設定部による設定処理において、前記取得部が取得した角度が設定されたオブジェクトを選択するオブジェクトとして決定する
付記1に記載の選択装置。
(付記3)
前記設定部は、選択候補となる各オブジェクトに対して予め定められた範囲の角度を割り当てることで各オブジェクトに対して角度の範囲を設定する
付記1または付記2に記載の選択装置。
(付記4)
前記設定部は、選択候補となる各オブジェクトに対して予め定められた範囲の角度を均等に割り当てることで各オブジェクトに対して角度の範囲を設定する
付記1から付記3までのうちのいずれか1項に記載の選択装置。
(付記5)
指示体に基づいてオブジェクトを選択する選択部を有し、
前記選択部は、選択したオブジェクトが所定の条件を満たす場合に複数のオブジェクトが選択候補になると判断する
付記1から付記4までのうちのいずれか1項に記載の選択装置。
(付記6)
前記選択部は、オブジェクトの表示状況に基づいてオブジェクトの選択誤りが生じるおそれがあると想定される場合に、複数のオブジェクトが選択候補になると判断する
付記5に記載の選択装置。
(付記7)
前記選択部は、前記指示体が指示する位置において複数のオブジェクトが重なっている場合に、複数のオブジェクトが選択候補になると判断する
付記5または付記6に記載の選択装置。
(付記8)
前記取得部は、検知したデータに基づいて前記指示体の角度を算出することで、前記指示体の角度を取得する
付記1から付記7までのうちのいずれか1項に記載の選択装置。
(付記9)
情報処理装置が、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、
設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する
選択方法。
(付記10)
情報処理装置に、
所定の選択処理の結果として選択候補となる複数のオブジェクトそれぞれに対して対応する角度の範囲を設定し、
選択候補となるオブジェクトの中からオブジェクトを選択する際に用いる指示体の角度を取得し、
設定の結果と、取得の結果と、に基づいて、選択するオブジェクトを決定する
処理を実現するためのプログラム。
【0066】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0067】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0068】
100 表示装置
110 検知部
120 画面表示部
130 通信I/F部
140 記憶部
141 オブジェクト情報
142 設定角度情報
143 プログラム
150 演算処理部
151 検出部
152 選択部
153 角度設定部
154 角度算出部
155 決定部
156 表示部
200 選択装置
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 プログラム群
205 記憶装置
206 ドライブ装置
207 通信インタフェース
208 入出力インタフェース
209 バス
210 記録媒体
211 通信ネットワーク
221 設定部
222 取得部
223 決定部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11