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特開2022-149294水産動物用飼料、水産動物用飼料製造方法、及び、水産動物捕獲方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149294
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】水産動物用飼料、水産動物用飼料製造方法、及び、水産動物捕獲方法
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/80 20160101AFI20220929BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20220929BHJP
   A01M 23/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A23K50/80
A23K10/30
A01M23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051368
(22)【出願日】2021-03-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、農林水産省、異常発生したウニの効率的駆除及び有効利用に関する実証研究委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(71)【出願人】
【識別番号】591074736
【氏名又は名称】宮城県
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【弁理士】
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】吾妻 行雄
(72)【発明者】
【氏名】猪股 英里
(72)【発明者】
【氏名】前田 航平
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】垂水 裕樹
【テーマコード(参考)】
2B005
2B121
2B150
【Fターム(参考)】
2B005GA09
2B005HA02
2B005JA04
2B005LB01
2B005LB07
2B005MC01
2B005NA08
2B005NA20
2B121AA06
2B121BA36
2B121BA60
2B121CC12
2B121EA21
2B121FA20
2B150AA07
2B150AB20
2B150AE09
2B150AE35
2B150BA01
2B150BD02
2B150BD06
2B150BE01
2B150BE04
2B150CE12
2B150CE30
2B150DD48
(57)【要約】
【課題】可食部の量を十分に増やすことが可能な水産動物用飼料を提供すること。
【解決手段】水産動物用飼料は、粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる。これによれば、水産動物用飼料が浮遊することを抑制できる。更に、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。従って、水産動物が水産動物用飼料を容易に摂食できる。この結果、水産動物の可食部の量を十分に増やすことができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる、水産動物用飼料。
【請求項2】
請求項1に記載の水産動物用飼料であって、
タンパク質の含有量は、10質量%乃至30質量%である、水産動物用飼料。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の水産動物用飼料であって、
前記海藻は、前記米類に対する質量比が乾燥重量にて80%乃至120%である、水産動物用飼料。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水産動物用飼料であって、
前記米類は、もち米である、水産動物用飼料。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の水産動物用飼料であって、
前記海藻は、アマノリ類である、水産動物用飼料。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の水産動物用飼料であって、
前記水産動物は、ウニである、水産動物用飼料。
【請求項7】
水産動物用飼料を製造するための水産動物用飼料製造方法であって、
海藻を粉末にする粉末化工程と、
米類を糊化する糊化工程と、
前記糊化された米類に、前記粉末状の海藻を添加するとともに、前記海藻が添加された米類を混練する混練工程と、
前記混練された米類を乾燥させる乾燥工程と、
を含む、水産動物用飼料製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の水産動物用飼料製造方法であって、
前記添加される海藻は、前記米類に対する質量比が乾燥重量にて80%乃至120%である、水産動物用飼料。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の水産動物用飼料製造方法であって、
前記米類は、もち米であり、
前記糊化工程は、前記米類を水に浸漬し、その後、蒸気により加熱する工程を含む、水産動物用飼料製造方法。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の水産動物用飼料製造方法であって、
前記混練工程は、前記海藻の添加を複数回に分けて行うとともに、前記海藻の添加が行われる毎に前記混練を行う工程を含む、水産動物用飼料製造方法。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の水産動物用飼料製造方法であって、
前記乾燥工程は、前記混練された米類を押し出すことにより紐状の成形体を形成し、前記成形体の表面が乾燥するまで前記成形体を静置し、その後、前記成形体を切断するとともに、前記切断された成形体を乾燥させる工程を含む、水産動物用飼料製造方法。
【請求項12】
水産動物を捕獲するための水産動物捕獲方法であって、
粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる水産動物用飼料を篭に収納する収納工程と、
前記水産動物用飼料が収納された篭を海中に配置する配置工程と、
前記篭を海中から引き揚げる引揚工程と、
を含む、水産動物捕獲方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水産動物用飼料、水産動物用飼料製造方法、及び、水産動物捕獲方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磯焼け域において、ウニ(例えば、キタムラサキウニ)は、海藻の生育を阻害する。ところで、磯焼け域にて生息するウニは、ウニのうちの、人が摂食可能な部分である可食部の量が過度に少ない。そこで、磯焼け域にて生息するウニに飼料を給餌することにより、可食部の量を増やすことが知られている。この種のウニ用飼料として、非特許文献1に記載のウニ用飼料は、アマノリ類からなる。これによれば、ウニの可食部の量を増やすことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Inomata, E.、外3名、「Gonadal production and quality in the sea urchin Mesocentrotus nudus fed a high-protein concentrated red alga Pyropia yezoensis」、Aquaculture、Elsevier B.V.、2016年3月1日、第454巻、p.184-191
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アマノリ類は、薄いため浮遊しやすい。従って、ウニは、アマノリ類からなるウニ用飼料を摂食しにくい。この結果、上記ウニ用飼料によっても、可食部の量を十分に増やせない場合がある、という課題があった。なお、この種の課題は、ウニ以外の水産動物においても同様に生じ得る。また、この種の課題は、アマノリ類以外の海藻においても同様に生じ得る。
【0005】
本発明の目的の一つは、可食部の量を十分に増やすことが可能な水産動物用飼料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面では、水産動物用飼料は、粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる。
【0007】
他の側面では、水産動物用飼料製造方法は、水産動物用飼料を製造するための方法である。水産動物用飼料製造方法は、海藻を粉末にする粉末化工程と、米類を糊化する糊化工程と、糊化された米類に、粉末状の海藻を添加するとともに、海藻が添加された米類を混練する混練工程と、混練された米類を乾燥させる乾燥工程と、を含む。
【0008】
他の側面では、水産動物捕獲方法は、水産動物を捕獲するための方法である。水産動物捕獲方法は、粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる水産動物用飼料を篭に収納する収納工程と、水産動物用飼料が収納された篭を海中に配置する配置工程と、篭を海中から引き揚げる引揚工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
可食部の量を十分に増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の水産動物用飼料製造方法の概要を表すフローチャートである。
図2】第1実施形態の水産動物捕獲方法の概要を表すフローチャートである。
図3】第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料の一例を表す写真である。
図4】第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合における生殖巣指数の時間に対する変化の一例を表すグラフである。
図5】第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合における生殖巣の明度の時間に対する変化の一例を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の、水産動物用飼料、水産動物用飼料製造方法、及び、水産動物捕獲方法に関する各実施形態について図1乃至図5を参照しながら説明する。
【0012】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の水産動物用飼料は、粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる。
【0013】
これによれば、水産動物用飼料が浮遊することを抑制できる。更に、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。従って、水産動物が水産動物用飼料を容易に摂食できる。この結果、水産動物の可食部の量を十分に増やすことができる。更に、上記水産動物用飼料によれば、可食部に含まれる甘味成分の量を十分に増やすことができる。
【0014】
また、第1実施形態の水産動物用飼料製造方法は、水産動物用飼料を製造するための方法である。水産動物用飼料製造方法は、海藻を粉末にする粉末化工程と、米類を糊化する糊化工程と、糊化された米類に、粉末状の海藻を添加するとともに、海藻が添加された米類を混練する混練工程と、混練された米類を乾燥させる乾燥工程と、を含む。
【0015】
これによれば、水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる水産動物用飼料を容易に製造できる。更に、水産動物用飼料において粉末状の海藻が一様に分散する程度を高めることができる。換言すると、水産動物用飼料が均質である程度を高めることができる。
【0016】
また、第1実施形態の水産動物捕獲方法は、水産動物を捕獲するための方法である。水産動物捕獲方法は、粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる水産動物用飼料を篭に収納する収納工程と、水産動物用飼料が収納された篭を海中に配置する配置工程と、篭を海中から引き揚げる引揚工程と、を含む。
【0017】
これによれば、海中にて、水産動物用飼料の形状が十分に長い時間に亘って維持される。これにより、水産動物用飼料の近傍に集まる水産動物の数を増やすことができる。この結果、捕獲される水産動物の数を増やすことができる。
次に、第1実施形態の水産動物用飼料、水産動物用飼料製造方法、及び、水産動物捕獲方法について、より詳細に説明する。
【0018】
(水産動物用飼料製造方法)
第1実施形態の水産動物用飼料製造方法は、水産動物用飼料を製造するための方法である。
【0019】
本例では、水産動物(換言すると、水生生物)は、水底にて生活する底生生物である。本例では、底生生物は、ウニである。ウニは、棘皮動物門ウニ綱ホンウニ亜目、又は、棘皮動物門ウニ綱サンショウウニ亜目に属する。例えば、ウニは、キタムラサキウニ、バフンウニ、エゾバフンウニ、アカウニ、ムラサキウニ、又は、シラヒゲウニである。本例では、ウニは、キタムラサキウニである。
なお、底生生物は、エビ、カニ、軟体動物(例えば、巻貝(例えば、アワビ、サザエ、又は、バイガイ等)、タコ、又は、イカ等)、又は、ヒトデ類等であってもよい。
【0020】
図1に表されるように、水産動物用飼料製造方法は、ステップS101乃至ステップS112の工程を含む。
水産動物用飼料製造方法において、先ず、海藻を用意する。
本例では、海藻は、アマノリ類である。アマノリ類は、紅藻植物門ウシケノリ綱ウシケノリ目ウシケノリ科に属する。例えば、アマノリ類は、スサビノリ、アサクサノリ、ハイタンアマノリ、ウップルイノリ、又は、オニアマノリである。本例では、アマノリ類は、スサビノリである。
【0021】
次いで、海藻を乾燥させる(ステップS101)。例えば、海藻の乾燥は、乾燥機を用いて、50℃乃至80℃の温度にて1時間乃至3時間の時間に亘って行われる。
次いで、ステップS101にて乾燥した海藻を粉末にする(換言すると、粉末化する)(ステップS102)。例えば、海藻の粉末化は、粉砕機を用いて、1mm乃至8mmの最大長を有する粉末にすることである。本例では、ステップS102の工程は、粉末化工程に対応する。
【0022】
次いで、米類を用意する。
例えば、米類は、うるち米、低アミロース米、又は、もち米である。本例では、米類は、もち米である。なお、米類は、粉末状であってもよい。この場合、米類は、米粉と表されてもよい。
【0023】
次いで、米類を所定の浸漬時間に亘って水に浸漬させる(ステップS103)。例えば、浸漬時間は、6時間乃至18時間の時間である。
次いで、ステップS103にて水に浸漬された米類を所定の加熱時間に亘って蒸気により加熱する(ステップS104)。これにより、米類は、糊化される。例えば、加熱時間は、10分乃至50分の時間である。例えば、米類の加熱は、蒸し器を用いて行われる。
本例では、ステップS103及びステップS104の工程は、糊化工程に対応する。
【0024】
なお、ステップS103及びステップS104の工程は、ステップS101及びステップS102の工程の前に実行されてもよい。また、ステップS101及びステップS102の工程と、ステップS103及びステップS104の工程と、は、並行に実行されてもよい。
【0025】
次いで、所定の反復回数だけ、ステップS106及びステップS107の工程(換言すると、被反復工程)を反復する(ステップS105乃至ステップS108)。本例では、反復回数は、2回乃至20回の回数である。
【0026】
被反復工程において、先ず、ステップS104にて加熱された米類に、ステップS102にて粉末化された(換言すると、粉末状の)海藻を添加する(ステップS106)。本例では、海藻とともに、水又は湯が添加される。
被反復工程において、次いで、ステップS106にて海藻が添加された米類を混練する(ステップS107)。例えば、米類の混練は、餅つき機を用いて行われる。
【0027】
このようにして、ステップS105乃至ステップS108の工程においては、海藻の添加が複数回に分けて行われるとともに、海藻の添加が行われる毎に米類の混練が行われる。
例えば、ステップS105乃至ステップS108の工程は、1分乃至40分の時間に亘って行われる。
【0028】
例えば、ステップS105乃至ステップS108の工程において添加される海藻の総量は、米類に対する質量比が乾燥重量にて80%乃至120%である。換言すると、ステップS105乃至ステップS108の工程において添加される海藻の総量の乾燥重量の、混練の対象となる米類の総量の乾燥重量に対する比は、0.8乃至1.2の値を有する。
【0029】
なお、水産動物用飼料製造方法は、ステップS106及びステップS107の工程を1回だけ実行してもよい。また、ステップS106及びステップS107の工程において、米類の混練を継続しながら、海藻の添加が行われてもよい。
本例では、ステップS105乃至ステップS108の工程は、混練工程に対応する。
【0030】
次いで、ステップS105乃至ステップS108にて混練された米類を押し出すことにより紐状の成形体を形成する(ステップS109)。例えば、成形体は、1cm乃至4cmの直径を有する円柱状である。なお、成形体の断面は、円形状と異なる形状(例えば、楕円形状、又は、多角形状等)であってもよい。
【0031】
次いで、ステップS109にて形成された成形体を、当該成形体の表面が乾燥するまで静置する(ステップS110)。例えば、ステップS110における成形体の乾燥は、1日乃至5日の時間に亘って風乾(換言すると、自然乾燥)によって行われる。
【0032】
次いで、ステップS110にて表面が乾燥した成形体を切断する(ステップS111)。例えば、成形体は、所定の基準長毎に切断される。例えば、基準長は、1cm乃至50cmの長さである。
【0033】
次いで、ステップS111にて切断された成形体を乾燥させる(ステップS112)。例えば、ステップS112における成形体の乾燥は、3日乃至10日の時間に亘って風乾によって行われるとともに、風乾の後に、乾燥機を用いて、50℃乃至80℃の温度にて1時間乃至48時間の時間に亘って行われる。なお、ステップS112における成形体の乾燥は、風乾のみによって行われてもよい。また、ステップS112における成形体の乾燥は、風乾を行うことなく、乾燥機を用いて行なわれてもよい。
本例では、ステップS109乃至ステップS112の工程は、乾燥工程に対応する。
【0034】
ステップS112にて乾燥した成形体は、水産動物用飼料である。このようにして、第1実施形態の水産動物用飼料は、製造される。
【0035】
以上、説明したように、第1実施形態の水産動物用飼料製造方法は、水産動物用飼料を製造するための方法である。水産動物用飼料製造方法は、海藻を粉末にする粉末化工程と、米類を糊化する糊化工程と、糊化された米類に、粉末状の海藻を添加するとともに、海藻が添加された米類を混練する混練工程と、混練された米類を乾燥させる乾燥工程と、を含む。
【0036】
これによれば、水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる水産動物用飼料を容易に製造できる。更に、水産動物用飼料において粉末状の海藻が一様に分散する程度を高めることができる。換言すると、水産動物用飼料が均質である程度を高めることができる。
【0037】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料製造方法において、混練工程は、海藻の添加を複数回に分けて行うとともに、海藻の添加が行われる毎に米類の混練を行う工程を含む。
【0038】
これによれば、水産動物用飼料において粉末状の海藻が一様に分散する程度を高めることができる。換言すると、水産動物用飼料が均質である程度を高めることができる。
【0039】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料製造方法において、乾燥工程は、混練された米類を押し出すことにより紐状の成形体を形成し、成形体の表面が乾燥するまで成形体を静置し、その後、成形体を切断するとともに、切断された成形体を乾燥させる工程を含む。
【0040】
混練された米類を押し出すことにより紐状の成形体を形成し、続いて成形体を切断するとともに、切断された成形体を乾燥させた場合、切断された成形体は、比較的短い時間にてすべての表面が乾燥してしまう。このため、製造された水産動物用飼料は、内部に含有する空気の量が多くなりやすい。その結果、水産動物用飼料が水に浮遊しやすい。
【0041】
これに対し、第1実施形態の水産動物用飼料製造方法によれば、紐状の成形体が形成された後、成形体の表面が乾燥するまで成形体が静置される。その後、成形体が切断されることにより、未だ乾燥していない表面が新たに形成される。これにより、成形体の内部に含有される空気を成形体の外部へ抜くことができる。この結果、製造された水産動物用飼料は、内部に含有する空気の量を低減できる。従って、水産動物用飼料が水に浮遊することを抑制できる。
【0042】
(水産動物用飼料)
第1実施形態の水産動物用飼料は、粉末状の海藻が分散する、糊化された米類の乾燥物からなる。
【0043】
これによれば、第1実施形態の水産動物用飼料が浮遊することを抑制できる。更に、第1実施形態の水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。従って、水産動物が水産動物用飼料を容易に摂食できる。この結果、水産動物の可食部の量を十分に増やすことができる。更に、第1実施形態の水産動物用飼料によれば、可食部に含まれる甘味成分の量を十分に増やすことができる。
【0044】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料において、タンパク質の含有量は、10質量%乃至30質量%である。
【0045】
水産動物用飼料において、タンパク質の含有量が10質量%よりも小さい場合、水産動物の可食部の量が増えにくい。一方、水産動物用飼料において、タンパク質の含有量が30質量%よりも大きい場合、可食部に含まれる甘味成分の量が増えにくい。
これに対し、第1実施形態の水産動物用飼料によれば、水産動物の可食部の量、及び、可食部に含まれる甘味成分の量の両方を十分に増やすことができる。
【0046】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料において、海藻は、米類に対する質量比が乾燥重量にて80%乃至120%である。
【0047】
海藻の米類に対する質量比が乾燥重量にて80%よりも小さい場合、水産動物用飼料に含まれるタンパク質の量が過度に少なくなりやすい。一方、海藻の米類に対する質量比が乾燥重量にて120%よりも大きい場合、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間が過度に短くなりやすい。
【0048】
これに対し、第1実施形態の水産動物用飼料によれば、水産動物用飼料に含まれるタンパク質の量を十分に多くしながら、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。
【0049】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料において、米類は、もち米である。
【0050】
これによれば、第1実施形態の水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。また、例えば、もち米の破米又はくず米を用いることにより、水産動物用飼料を製造するコストを低減できる。
【0051】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料において、海藻は、アマノリ類である。
【0052】
例えば、スサビノリの食品の一般成分は、粗タンパク質含有率が36.7%であり、粗脂肪含有率が1.3%であり、灰分含有率が23.6%であり、且つ、炭水化物含有率が38.4%である。
粗タンパク質含有率、粗脂肪含有率、灰分含有率、及び、炭水化物含有率は、対象物の重量に対する、当該対象物に含まれる、粗タンパク質、粗脂肪、灰分、及び、炭水化物の重量の割合をそれぞれ表す。
また、例えば、リシリコンブの食品の一般成分は、粗タンパク質含有率が5.9%であり、粗脂肪含有率が1.4%であり、灰分含有率が44.5%であり、且つ、炭水化物含有率が48.2%である。
【0053】
アマノリ類は、タンパク質の含有量が相当に多い。従って、米類の海藻に対する質量比を比較的高くしながら、水産動物用飼料におけるタンパク質の含有量を多くすることができる。この結果、水産動物用飼料におけるタンパク質の含有量を十分に多くしながら、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。
また、例えば、海苔を製造する際に廃棄されるアマノリ類の残渣を用いることにより、水産動物用飼料を製造するコストを低減できる。
【0054】
更に、第1実施形態の水産動物用飼料において、水産動物は、ウニである。
【0055】
なお、海藻は、アマノリ類に加えて、アマノリ類と異なる海藻を含んでいてもよい。例えば、アマノリ類と異なる海藻は、不等毛植物門褐藻綱コンブ目に属する。例えば、アマノリ類と異なる海藻は、マコンブ、リシリコンブ、又は、ワカメ(例えば、ワカメの成実葉又は胞子葉)等である。
これによれば、水産動物の可食部に含まれる、苦味成分の量に対する甘味成分の量の割合を高めることができる。
【0056】
また、第1実施形態の変形例の水産動物用飼料は、米類及び海藻以外の添加物を含んでいてもよい。この場合、水産動物用飼料における添加物の含有率は、30重量%以下であってよい。
水産動物用飼料における添加物の含有率が30重量%よりも大きい場合、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間が過度に短くなりやすい。これに対し、第1実施形態の変形例の水産動物用飼料によれば、水産動物用飼料が水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。
【0057】
(水産動物捕獲方法)
第1実施形態の水産動物捕獲方法は、水産動物を捕獲するための方法である。
図2に表されるように、水産動物捕獲方法は、ステップS201乃至ステップS204の工程を含む。
水産動物捕獲方法において、先ず、第1実施形態の水産動物用飼料を用意する。
次いで、水産動物用飼料を篭に収納する(ステップS201)。本例では、ステップS201の工程は、収納工程に対応する。
【0058】
次いで、ステップS201にて水産動物用飼料が収納された篭を海中に配置する(ステップS202)。本例では、篭は、磯焼け域にて配置される。本例では、ステップS202の工程は、配置工程に対応する。
【0059】
次いで、所定の誘引時間だけ待機する(ステップS203)。例えば、誘引時間は、1時間乃至72時間の時間である。その後、ステップS202にて配置された篭を海中から引き揚げる(ステップS204)。本例では、ステップS204の工程は、引揚工程に対応する。
【0060】
以上、説明したように、第1実施形態の水産動物捕獲方法によれば、海中にて、水産動物用飼料の形状が十分に長い時間に亘って維持される。また、海中にて、水産動物用飼料が浮遊することを抑制できる。これにより、水産動物用飼料の近傍に集まる水産動物の数を増やすことができる。この結果、捕獲される水産動物の数を増やすことができる。
【0061】
<第1実施例>
以下、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料、水産動物用飼料製造方法、及び、水産動物捕獲方法について説明する。
【0062】
(水産動物用飼料製造方法)
第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料製造方法において、海藻は、養殖されたアマノリ類である。本例では、アマノリ類は、スサビノリである。
本例では、海藻は、海苔を製造する際に廃棄されるアマノリ類の残渣である。本例では、残渣は、異物を除去する際、又は、異物が除去された後に洗浄される際に生成される。
本例では、ステップS101の工程において、海藻の乾燥は、海藻を薄く広げるとともに、60℃乃至70℃の温度にて約2時間に亘って行われる。
【0063】
本例では、ステップS102の工程において、海藻は、粉砕機を用いて、約5mmの最大長を有するように粉末化される。
【0064】
本例では、米類は、もち米の破米である。本例では、ステップS103の工程において、米類を約12時間に亘って水に浸漬させる。
本例では、ステップS104の工程において、米類の蒸気による加熱は、蒸し器を用いて、約30分に亘って行われる。
【0065】
本例では、ステップS105乃至ステップS108の工程において、海藻の添加は、8回乃至12回の回数に分けて行なわれる。本例では、ステップS105乃至ステップS108の工程は、10分乃至20分の時間に亘って行われる。
本例では、ステップS105乃至ステップS108の工程において添加される海藻の総量は、米類に対する質量比が乾燥重量にて約100%である。
【0066】
本例では、ステップS109の工程において、紐状の成形体は、2.0cm乃至3cmの直径を有する円柱状となるように形成される。
本例では、ステップS110の工程において、成形体の乾燥は、約3日の時間に亘って風乾によって行われる。
【0067】
本例では、ステップS111の工程において、成形体は、2.5cm乃至5cmの長さ毎に切断される。
【0068】
本例では、ステップS112の工程において、成形体の乾燥は、約7日の時間に亘って風乾によって行われるとともに、その後、乾燥機を用いて、約80℃の温度にて約1日の時間に亘って行われる。
【0069】
このようにして、図3に表されるように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料は、製造される。
【0070】
(水産動物用飼料)
第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料の食品の一般成分は、粗タンパク質含有率が19.6%であり、粗脂肪含有率が0.4%であり、灰分含有率が8.8%であり、且つ、炭水化物含有率が71.1%であった。
このように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料において、タンパク質の含有量は、約20質量%である。
【0071】
(第1没入実験例)
第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料を海水に没入させる実験(第1没入実験例)が行われた。
第1没入実験例において、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料は、縦が2.0cmであり、横が2.0cmであり、高さが2.5cmである直方体状に成形された。
本例では、水産動物用飼料が海水に没入され、6日乃至8日の時間が経過した後、海水から引き揚げられる実験が10回行われた。
【0072】
水産動物用飼料の重量変化率の平均値は、52.8%であった。重量変化率は、海水に没入される前の水産動物用飼料の重量に対する、海水から引き揚げられた後の水産動物用飼料の重量の割合である。
【0073】
このように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料は、水中にて形状を維持できる時間を十分に長くすることができる。
【0074】
(第1給餌実験例)
第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料、及び、第1比較例の水産動物用飼料を、11月から2月までの3ヶ月に亘って、キタムラサキウニに給餌する実験が行われた。第1比較例の水産動物用飼料は、冷凍保存された後に解凍されたマコンブからなる。
【0075】
本例では、キタムラサキウニは、磯焼け域において採集された。本例では、キタムラサキウニの殻径は、40mm乃至45mmの長さであった。
本例では、水産動物用飼料は、1週間に2回、飽食量が給餌された。
【0076】
表1に表されるように、本実験の開始時におけるキタムラサキウニの生殖巣指数は、4.8であった。第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合、本実験の終了時におけるキタムラサキウニの生殖巣指数は、20.8であった。第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合、本実験の終了時におけるキタムラサキウニの生殖巣指数は、8.8であった。生殖巣指数は、キタムラサキウニの重量に対する、当該キタムラサキウニに含まれる生殖巣の重量の割合(本例では、百分率)を表す。本例では、キタムラサキウニの生殖巣は、可食部に対応する。
【表1】
【0077】
図4は、キタムラサキウニの生殖巣指数の時間に対する変化を表す。表1及び図4に表されるように、キタムラサキウニの生殖巣指数は、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合、第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合よりも大きく増加した。
【0078】
また、図5に表されるように、キタムラサキウニの生殖巣の明度は、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合、第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合よりも僅かに高い。本例では、明度は、L色空間におけるL値である。
【0079】
ところで、キタムラサキウニは、水温が低い冬季において、冬季以外の季節よりも摂食活動が低下することが知られている。
しかしながら、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料によれば、キタムラサキウニの可食部の量を十分に増やすことができる。
【0080】
また、表2は、本実験の開始時、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、及び、第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、における、キタムラサキウニの100gの生殖巣に含まれる遊離アミノ酸の重量(mg)を表す。
【表2】
【0081】
表3は、本実験の開始時、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、及び、第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、における、キタムラサキウニの100gの生殖巣に含まれる遊離アミノ酸のうちの甘味成分の重量(mg)を表す。本例では、甘味成分は、アラニン、グリシン、プロリン、セリン、及び、トレオニンからなる。
【表3】
【0082】
表3に表されるように、キタムラサキウニの可食部に含まれる甘味成分は、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合、第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合よりも大きく増加した。
このように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料によれば、キタムラサキウニの可食部に含まれる甘味成分の量を十分に増やすことができる。
【0083】
また、甘味成分のうちの、アラニンは、キタムラサキウニの食味に比較的大きな影響を及ぼすことが知られている。
表2に表されるように、キタムラサキウニの可食部に含まれるアラニンの量は、第1比較例の水産動物用飼料が給餌された場合には減少するのに対し、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が給餌された場合には、相当に大きく増加した。
このように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料によれば、キタムラサキウニの可食部に含まれるアラニンの量を十分に増やすことができる。
【0084】
(第2給餌実験例)
第2比較例の水産動物用飼料、及び、第3比較例の水産動物用飼料を、4月から6月までの2ヶ月に亘って、キタムラサキウニに給餌する実験が行われた。第2比較例の水産動物用飼料は、冷凍保存された後に解凍されたスサビノリからなる。第3比較例の水産動物用飼料は、冷凍保存された後に解凍されたリシリコンブからなる。
【0085】
本例では、キタムラサキウニの殻径は、約40mmの長さであった。本例では、水産動物用飼料は、1週間に1回、飽食量が給餌された。
【0086】
表4に表されるように、本実験の開始時におけるキタムラサキウニの生殖巣指数は、6.8であった。第2比較例の水産動物用飼料が給餌された場合、本実験の終了時におけるキタムラサキウニの生殖巣指数は、22であった。第3比較例の水産動物用飼料が給餌された場合、本実験の終了時におけるキタムラサキウニの生殖巣指数は、15.3であった。
【表4】
【0087】
表4に表されるように、キタムラサキウニの生殖巣指数は、第2比較例の水産動物用飼料が給餌された場合、第3比較例の水産動物用飼料が給餌された場合よりも大きく増加した。
【0088】
また、表5は、本実験の開始時、第2比較例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、及び、第3比較例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、における、キタムラサキウニの100gの生殖巣に含まれる遊離アミノ酸の重量(mg)を表す。
【表5】
【0089】
表6は、本実験の開始時、第2比較例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、及び、第3比較例の水産動物用飼料が給餌された場合における本実験の終了時、における、キタムラサキウニの100gの生殖巣に含まれる遊離アミノ酸のうちの甘味成分の重量(mg)を表す。
【表6】
【0090】
表6に表されるように、キタムラサキウニの甘味成分は、第2比較例及び第3比較例のいずれの水産動物用飼料が給餌された場合においても、減少した。キタムラサキウニの甘味成分の減少量は、第2比較例の水産動物用飼料が給餌された場合、第3比較例の水産動物用飼料が給餌された場合よりも小さかった。
【0091】
第1給餌実験例と第2給餌実験例とは、給餌された期間が互いに異なる。そこで、コンブ(本例では、マコンブ、又は、リシリコンブ)からなる水産動物用飼料(本例では、第1比較例、又は、第3比較例)が給餌された場合を基準として、第1実施例と第2比較例とを比較する。
【0092】
表7は、生殖巣指数の増加率、及び、生殖巣指数の増加率比を表す。生殖巣指数の増加率は、実験の開始時における生殖巣指数に対する実験の終了時における生殖巣指数の比を表す。第1給餌実験例における生殖巣指数の増加率比は、第1比較例の生殖巣指数の増加率に対する第1実施例の生殖巣指数の増加率の比を表す。第2給餌実験例における生殖巣指数の増加率比は、第2比較例の生殖巣指数の増加率に対する第3比較例の生殖巣指数の増加率の比を表す。
【表7】
【0093】
表7に表されるように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料によれば、キタムラサキウニの可食部の量を第2比較例の水産動物用飼料よりも大きく増やすことができる。
【0094】
表8は、甘味成分の増加率、及び、甘味成分の増加率比を表す。甘味成分の増加率は、実験の開始時における甘味成分に対する実験の終了時における甘味成分の比を表す。第1給餌実験例における甘味成分の増加率比は、第1比較例の甘味成分の増加率に対する第1実施例の甘味成分の増加率の比を表す。第2給餌実験例における甘味成分の増加率比は、第2比較例の甘味成分の増加率に対する第3比較例の甘味成分の増加率の比を表す。
【表8】
【0095】
表8に表されるように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料によれば、キタムラサキウニの可食部に含まれる甘味成分の量を第2比較例の水産動物用飼料よりも大きく増やすことができる。
【0096】
(第1捕集実験例)
第1実施形態の第1実施例の水産動物捕獲方法の一部を用いて、キタムラサキウニを捕集する実験(第1捕集実験例)が行われた。
本例では、ステップS201の工程において、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料が1kgずつ、4個の篭に収納される。本例では、水産動物用飼料は、縦が約30cmであり、横が約20cmであり、高さが約2.0cmである直方体状(換言すると、平板状)に成形された。
本例では、ステップS202の工程において、4個の篭は、磯焼け域において海中に配置される。
【0097】
籠が海中に配置されてから2時間後の時点にて、篭内に捕集されたキタムラサキウニの個体数の平均値は、6.5個であった。また、籠が海中に配置されてから24時間後の時点にて、篭内に捕集されたキタムラサキウニの個体数の平均値は、41.5個であった。また、籠が海中に配置されてから48時間後の時点にて、篭内に捕集されたキタムラサキウニの個体数の平均値は、26.3個であった。
このように、第1実施形態の第1実施例の水産動物用飼料によれば、捕集できるキタムラサキウニを十分に多くすることができる。また、少なくとも48時間以上の比較的長い時間に亘ってキタムラサキウニを捕集することができる。
【0098】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。

図1
図2
図3
図4
図5