(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014932
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】エスカレーターの足場装置
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20220114BHJP
E04G 1/24 20060101ALI20220114BHJP
E04G 1/36 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
B66B31/00 Z
E04G1/24 302F
E04G1/36 301B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117450
(22)【出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】大冨 雄一
【テーマコード(参考)】
2E003
3F321
【Fターム(参考)】
2E003CA01
2E003DA01
3F321HA00
(57)【要約】
【課題】エスカレーターの足場装置をより確実にエスカレーターに設置することができるエスカレーターの足場装置を得る。
【解決手段】エスカレーターの足場装置は、第1のエスカレーター1と、第1のエスカレーター1に隣り合って設けられた第2のエスカレーター2とに渡って設けられるエスカレーターの足場装置であって、第1のエスカレーター1における互いに離れて設けられた複数の踏段11のそれぞれと、第2のエスカレーター2における互いに離れて設けられた複数の踏段21のそれぞれとに渡って設けられた足場支持部材5と、足場支持部材5に支持された足場部材6と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエスカレーターと、前記第1のエスカレーターに隣り合って設けられた第2のエスカレーターとに渡って設けられるエスカレーターの足場装置であって、
前記第1のエスカレーターにおける互いに離れて設けられた複数の踏段のそれぞれと、前記第2のエスカレーターにおける互いに離れて設けられた複数の踏段のそれぞれとに渡って設けられた足場支持部材と、
前記足場支持部材に支持された足場部材と、
を備えているエスカレーターの足場装置。
【請求項2】
前記足場支持部材は、
前記第1のエスカレーターの踏段である第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う踏段の上面に設けられた第1の段差埋め部材と、
前記第1の基準踏段の上面と前記第1の段差埋め部材の上面とに渡って設けられた第1の脚部材と、
前記第2のエスカレーターの踏段である第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う踏段の上面に設けられた第2の段差埋め部材と、
前記第2の基準踏段の上面と前記第2の段差埋め部材の上面とに渡って設けられた第2の脚部材と、
を有している請求項1に記載のエスカレーターの足場装置。
【請求項3】
前記第1の基準踏段の上面と前記第1の段差埋め部材の上面とが互いに同一平面上に配置され、
前記第2の基準踏段の上面と前記第2の段差埋め部材の上面とが互いに同一平面上に配置されている請求項2に記載のエスカレーターの足場装置。
【請求項4】
前記足場支持部材は、上階側階床に支持される補助支持部材を有している請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のエスカレーターの足場装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エスカレーターに設置されるエスカレーターの足場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1の踏段に載せられた足場支持部材と、第1の踏段よりも上階側に配置された第2の踏段に一端部が載せられ、他端部が足場支持部材に載せられた足場部材と、を備えたエスカレーターの足場装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、足場支持部材および足場部材は、第1の踏段および第2の踏段のみに支持される。したがって、足場支持部材の重量および足場部材の重量による荷重が第1の踏段および第2の踏段のそれぞれに作用する。第1の踏段および第2の踏段のそれぞれに作用する荷重が、第1の踏段および第2の踏段のそれぞれが耐えられる荷重を超える場合には、エスカレーターの足場装置をエスカレーターに設置することができないという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エスカレーターの足場装置をより確実にエスカレーターに設置することができるエスカレーターの足場装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエスカレーターの足場装置は、第1のエスカレーターと、第1のエスカレーターに隣り合って設けられた第2のエスカレーターとに渡って設けられるエスカレーターの足場装置であって、第1のエスカレーターにおける互いに離れて設けられた複数の踏段のそれぞれと、第2のエスカレーターにおける互いに離れて設けられた複数の踏段のそれぞれとに渡って設けられる足場支持部材と、足場支持部材に支持される足場部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るエスカレーターの足場装置によれば、エスカレーターの足場装置をより確実にエスカレーターに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置を示す正面図である。
【
図2】
図1のエスカレーターの足場装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置を示す正面図である。
図2は、
図1のエスカレーターの足場装置を示す側面図である。実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置は、第1のエスカレーター1と、第1のエスカレーター1に隣り合って設けられた第2のエスカレーター2とに渡って設けられている。第1のエスカレーター1および第2のエスカレーター2のそれぞれは、下階側階床3と上階側階床4とに渡って設けられている。この例では、下階側とは、上方から見た場合に下階側乗降口に近い側とし、上階側とは、上方から見た場合に上階側乗降口に近い側とする。
【0010】
第1のエスカレーター1および第2のエスカレーター2は、互いに平行となるように配置されている。したがって、第1のエスカレーター1の下階側乗降口と第2のエスカレーター2の下階側乗降口は、互いに隣り合っており、第1のエスカレーター1の上階側乗降口と第2のエスカレーター2の上階側乗降口は、互いに隣り合っている。
【0011】
第1のエスカレーター1は、複数の踏段11を有している。複数の踏段11は、踏段11の移動方向に並べて配置されている。踏段11は、踏段11に載せることができるものの重量が制限されている。この例では、踏段11に載せることができるものの重量制限は、120(kg)となっている。複数の踏段11のうちの任意の1個の踏段11を第1の基準踏段とした場合に、第1の基準踏段に隣り合う踏段11を第1の隣接踏段とする。
【0012】
第2のエスカレーター2は、複数の踏段21を有している。複数の踏段21は、踏段21の移動方向に並べて配置されている。踏段21は、踏段21に載せることができるものの重量が制限されている。この例では、踏段21に載せることができるものの重量制限は、120(kg)となっている。複数の踏段21のうちの任意の1個の踏段21を第2の基準踏段とした場合に、第2の基準踏段に隣り合う踏段21を第2の隣接踏段とする。
【0013】
実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置は、足場支持部材5と、足場支持部材5に支持された足場部材6と、足場支持部材5に支持された手摺部材7と、を備えている。この例では、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置は、2個の足場支持部材5と、2個の足場部材6と、2個の手摺部材7と、を備えている。1個の足場支持部材5には、1個の足場部材6および1個の手摺部材7が支持されている。
【0014】
実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置のうちで、下階側の部分を下階側足場装置部材8Aとし、上階側の部分を上階側足場装置部材8Bとする。下階側足場装置部材8Aには、2個の足場支持部材5、2個の足場部材6および2個の手摺部材7のうちの、下階側の1個の足場支持部材5、下階側の1個の足場部材6および下階側の1個の手摺部材7が含まれている。上階側足場装置部材8Bには、2個の足場支持部材5、2個の足場部材6および2個の手摺部材7のうちの、上階側の1個の足場支持部材5、上階側の1個の足場部材6および上階側の1個の手摺部材7が含まれている。
【0015】
足場支持部材5は、複数の段差埋め部材51と、複数の脚部材52と、複数の脚部材52を互いに連結する連結部材53と、を有している。複数の段差埋め部材51のうちの、第1のエスカレーター1に設けられた段差埋め部材51を第1の段差埋め部材51Aとし、第2のエスカレーター2に設けられた段差埋め部材51を第2の段差埋め部材51Bとする。複数の脚部材52のうちの、第1のエスカレーター1に設けられた脚部材52を第1の脚部材52Aとし、第2のエスカレーター2に設けられた脚部材52を第2の脚部材52Bとする。
【0016】
複数の第1の段差埋め部材51Aは、互いに離れて設けられた複数の踏段11のそれぞれの上面に1個ずつ設けられている。第1の段差埋め部材51Aは、角材から構成されている。なお、第1の段差埋め部材51Aは、角材に限らず、その他の部材から構成されてもよい。第1のエスカレーター1では、踏段11の移動方向に並べられた複数の踏段11のうちの、3個または4個の踏段11の間隔の踏段11の上面に、第1の段差埋め部材51Aが設けられている。
【0017】
第1の段差埋め部材51Aの上面と、第1の段差埋め部材51Aが設けられた踏段11に対して上階側に隣り合う第1の隣接踏段の上面とは、互いに同一平面上に配置され、かつ、水平面に沿って配置されている。第1の段差埋め部材51Aが設けられた踏段11に対して上階側に隣り合う踏段11を第1の基準踏段とし、第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う踏段11を第1の隣接踏段とする。この場合には、第1の基準踏段の上面と、第1の隣接踏段の上面に設けられた第1の段差埋め部材51Aの上面とは、互いに同一平面上に配置され、かつ、水平面に沿って配置されている。図示されていないが、第1の基準踏段の上面と、第1の段差埋め部材51Aの上面とに渡って、ベニヤ板が設けられている。
【0018】
複数の第2の段差埋め部材51Bは、互いに離れて設けられた複数の踏段21のそれぞれの上面に1個ずつ設けられている。第2の段差埋め部材51Bは、角材から構成されている。なお、第2の段差埋め部材51Bは、角材に限らず、その他の部材から構成されてもよい。第2のエスカレーター2では、踏段21の移動方向に並べられた複数の踏段21のうちの、3個または4個の踏段21の間隔の踏段21の上面に、第2の段差埋め部材51Bが設けられている。
【0019】
第2の段差埋め部材51Bの上面と、第2の段差埋め部材51Bが設けられた踏段21に対して上階側に隣り合う第2の隣接踏段の上面とは、互いに同一平面上に配置され、かつ、水平面に沿って配置されている。第2の段差埋め部材51Bが設けられた踏段21に対して上階側に隣り合う踏段21を第2の基準踏段とし、第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う踏段21を第2の隣接踏段とする。この場合には、第2の基準踏段の上面と、第2の隣接踏段の上面に設けられた第2の段差埋め部材51Bの上面とは、互いに同一平面上に配置され、かつ、水平面に沿って配置されている。図示されていないが、第2の基準踏段の上面と、第2の段差埋め部材51Bの上面とに渡って、ベニヤ板が設けられている。
【0020】
複数の第1の脚部材52Aは、ベニヤ板を介して、複数の第1の段差埋め部材51Aのそれぞれの上面に1個ずつ設けられている。第1の脚部材52Aは、第1の段差埋め部材51Aと、第1の段差埋め部材51Aが設けられた踏段11に対して上階側に隣り合う第1の隣接踏段とに渡って設けられている。言い換えれば、第1の脚部材52Aは、第1の基準踏段と、第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う第1の隣接踏段に設けられた第1の段差埋め部材51Aとに渡って設けられている。
【0021】
複数の第1の脚部材52Aのうちの下階側に配置された複数の第1の脚部材52Aは、脚部材主部521と、脚部材枝部522と、を有している。複数の第1の脚部材52Aのうちの上階側に配置された複数の第1の脚部材52Aは、脚部材本体523を有している。
【0022】
脚部材主部521は、ベニヤ板を介して、第1の段差埋め部材51Aの上面に立てられている。図示していないが、脚部材主部521は、ベニヤ板に重ねられたアンダーベースと、アンダーベースに立てられたジャッキベースと、ジャッキベースに支持された支柱と、を含んでいる。ジャッキベースの高さ方向の寸法が調節されることによって、支柱の高さ方向の位置が調節される。
【0023】
脚部材枝部522は、脚部材主部521に接続されている。また、脚部材枝部522は、第1の段差埋め部材51Aが設けられた踏段11に対して上階側に隣り合う第1の隣接踏段の上面にベニヤ板を介して立てられている。言い換えれば、脚部材枝部522は、第1の基準踏段の上面に立てられ、脚部材主部521は、第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う第1の隣接踏段の上面に設けられた第1の段差埋め部材51Aの上面に立てられている。
【0024】
図示していないが、脚部材枝部522は、脚部材主部521と同様に、ベニヤ板に重ねられたアンダーベースと、アンダーベースに立てられたジャッキベースと、ジャッキベースに支持された支柱と、を含んでいる。
【0025】
下階側足場装置部材8Aに含まれる複数の第1の脚部材52Aの全ては、脚部材主部521および脚部材枝部522を有している。
【0026】
脚部材本体523は、ベニヤ板を介して、第1の段差埋め部材51Aの上面と、第1の段差埋め部材51Aが設けられた踏段11に対して上階側に隣り合う第1の隣接踏段の上面とに渡って立てられている。言い換えれば、脚部材本体523は、第1の基準踏段の上面と、第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う第1の隣接踏段の上面に設けられた第1の段差埋め部材51Aの上面とに渡って立てられている。
【0027】
図示していないが、脚部材本体523は、脚部材主部521と同様に、ベニヤ板に重ねられたアンダーベースと、アンダーベースに立てられたジャッキベースと、ジャッキベースに支持された支柱と、を含んでいる。
【0028】
上階側足場装置部材8Bに含まれる複数の第1の脚部材52Aのうちの下階側に配置された複数の第1の脚部材52Aは、脚部材主部521および脚部材枝部522を有している。上階側足場装置部材8Bに含まれる複数の第1の脚部材52Aのうちの上階側に配置された複数の第1の脚部材52Aは、脚部材本体523を有している。
【0029】
複数の第2の脚部材52Bは、ベニヤ板を介して、複数の第2の段差埋め部材51Bのそれぞれの上面に1個ずつ設けられている。第2の脚部材52Bは、第2の段差埋め部材51Bと、第2の段差埋め部材51Bが設けられた踏段21に対して上階側に隣り合う第2の隣接踏段とに渡って設けられている。言い換えれば、第2の脚部材52Bは、第2の基準踏段と、第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う第2の隣接踏段に設けられた第2の段差埋め部材51Bとに渡って設けられている。
【0030】
複数の第2の脚部材52Bのうちの下階側に配置された複数の第2の脚部材52Bは、複数の第1の脚部材52Aのうちの下階側に配置された複数の第1の脚部材52Aと同様に、脚部材主部と、脚部材枝部と、を有している。複数の第2の脚部材52Bのうちの上階側に配置された複数の第2の脚部材52Bは、複数の第1の脚部材52Aのうちの上階側に配置された複数の第1の脚部材52Aと同様に、脚部材本体を有している。
【0031】
脚部材主部は、ベニヤ板を介して、第2の段差埋め部材51Bの上面に立てられている。図示していないが、脚部材主部は、脚部材主部521と同様に、ベニヤ板に重ねられたアンダーベースと、アンダーベースに立てられたジャッキベースと、ジャッキベースに支持された支柱と、を含んでいる。ジャッキベースの高さ方向の寸法が調節されることによって、支柱の高さ方向の位置が調節される。
【0032】
脚部材枝部は、脚部材主部に接続されている。また、脚部材枝部は、第2の段差埋め部材51Bが設けられた踏段21に対して上階側に隣り合う第2の隣接踏段の上面にベニヤ板を介して立てられている。言い換えれば、脚部材枝部は、第2の基準踏段の上面に立てられ、脚部材主部は、第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う第2の隣接踏段の上面に設けられた第2の段差埋め部材51Bの上面に立てられている。
【0033】
図示していないが、脚部材枝部は、脚部材枝部522と同様に、ベニヤ板に重ねられたアンダーベースと、アンダーベースに立てられたジャッキベースと、ジャッキベースに支持された支柱と、を含んでいる。
【0034】
下階側足場装置部材8Aに含まれる複数の第2の脚部材52Bの全ては、下階側足場装置部材8Aに含まれる複数の第1の脚部材52Aと同様に、脚部材主部および脚部材枝部を有している。
【0035】
脚部材本体は、ベニヤ板を介して、第2の段差埋め部材51Bの上面と、第2の段差埋め部材51Bが設けられた踏段21に対して上階側に隣り合う第2の隣接踏段の上面とに渡って立てられている。言い換えれば、脚部材本体は、第2の基準踏段の上面と、第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う第2の隣接踏段の上面に設けられた第2の段差埋め部材51Bの上面とに渡って立てられている。
【0036】
図示していないが、脚部材本体は、脚部材本体523と同様に、ベニヤ板に重ねられたアンダーベースと、アンダーベースに立てられたジャッキベースと、ジャッキベースに支持された支柱と、を含んでいる。
【0037】
上階側足場装置部材8Bに含まれる複数の第2の脚部材52Bのうちの下階側に配置された複数の第2の脚部材52Bは、脚部材主部および脚部材枝部を有している。上階側足場装置部材8Bに含まれる複数の第2の脚部材52Bのうちの上階側に配置された複数の第2の脚部材52Bは、脚部材本体を有している。
【0038】
第1の脚部材52Aの高さ方向の長さおよび第2の脚部材52Bの高さ方向の長さのそれぞれは、第1の脚部材52Aが立てられる踏段11の高さ方向の位置と第2の脚部材52Bが立てられる踏段21の高さ方向の位置とに合わせて調節される。
【0039】
連結部材53は、複数の第1の脚部材52Aに含まれる互いに異なる第1の脚部材52Aと第1の脚部材52Aとを互いに連結している。また、連結部材53は、複数の第2の脚部材52Bに含まれる互いに異なる第2の脚部材52Bと第2の脚部材52Bとを互いに連結している。また、連結部材53は、第1の脚部材52Aと第2の脚部材52Bとを互いに連結している。
【0040】
足場部材6は、複数の第1の脚部材52Aおよび複数の第2の脚部材52Bのそれぞれに接続されている。足場部材6は、足場支持部材5を介して、踏段11および踏段21に支持されている。足場部材6は、水平面に沿って配置されている。足場部材6の高さ方向の位置は、足場部材6に立った作業者が天井9に取り付けられた保守点検対象物の保守点検が可能となる位置となっている。保守点検対象物としては、例えば、照明機器が挙げられる。
【0041】
手摺部材7は、複数の第1の脚部材52Aおよび複数の第2の脚部材52Bのそれぞれに接続されている。手摺部材7は、足場支持部材5を介して、踏段11および踏段21に支持されている。手摺部材7は、足場部材6に立った作業者の周囲を囲むように配置されている。
【0042】
足場支持部材5は、複数の補助支持部材54をさらに有している。複数の補助支持部材54のそれぞれは、脚部材52に設けられている。また、複数の補助支持部材54のそれぞれは、上階側階床4に支持されている。
【0043】
実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置は、梯子10をさらに備えている。梯子10は、足場支持部材5に設けられている。梯子10を介して、作業者は、上階側階床4と足場部材6との間を移動することができる。なお、エスカレーターの足場装置は、梯子10に限らず、例えば、階段を備えてもよい。
図2では、下階側足場装置部材8Aに設けられた梯子10が示されているが、上階側足場装置部材8Bにも、梯子が設けられている。
【0044】
以上説明したように、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置では、第1のエスカレーター1と、第1のエスカレーター1に隣り合って設けられた第2のエスカレーター2とに渡って設けられている。実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置は、互いに離れて設けられた複数の踏段11のそれぞれと、互いに離れて設けられた複数の踏段21のそれぞれとに渡って設けられた足場支持部材5と、足場支持部材5に支持された足場部材6と、を備えている。この構成によれば、エスカレーターの足場装置の重量により踏段11および踏段21に作用する荷重は、より多くの踏段11および踏段21に分散されて作用する。その結果、エスカレーターの足場装置をより確実にエスカレーターに設置することができる。
【0045】
また、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置では、足場支持部材5は、第1の段差埋め部材51Aと、第1の脚部材52Aと、を有している。第1の段差埋め部材51Aは、踏段11である第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う第1の隣接踏段の上面に設けられている。第1の脚部材52Aは、第1の基準踏段の上面と第1の段差埋め部材51Aの上面とに渡って設けられている。この構成によれば、第1の脚部材52Aから踏段11に作用する荷重を、互いに隣り合う踏段11に分散させて作用させることができる。その結果、1個の踏段11に作用する荷重をより減少させることができる。
【0046】
また、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置では、足場支持部材5は、第2の段差埋め部材51Bと、第2の脚部材52Bと、を有している。第2の段差埋め部材51Bは、踏段21である第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う第2の隣接踏段の上面に設けられている。第2の脚部材52Bは、第2の基準踏段の上面と第2の段差埋め部材51Bの上面とに渡って設けられている。この構成によれば、第2の脚部材52Bから踏段21に作用する荷重を、互いに隣り合う踏段21に分散させて作用させることができる。その結果、1個の踏段21に作用する荷重をより減少させることができる。
【0047】
また、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置では、踏段11である第1の基準踏段の上面と、第1の段差埋め部材51Aの上面とが、互いに同一平面上に配置されている。この構成によれば、第1の脚部材52Aを、踏段11である第1の基準踏段の上面と、第1の段差埋め部材51Aの上面とに容易に支持させることができる。
【0048】
また、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置では、踏段21である第2の基準踏段の上面と、第2の段差埋め部材51Bの上面とが、互いに同一平面上に配置されている。この構成によれば、第2の脚部材52Bを、踏段21である第2の基準踏段の上面と、第2の段差埋め部材51Bの上面とに容易に支持させることができる。
【0049】
また、実施の形態1に係るエスカレーターの足場装置では、足場支持部材5は、上階側階床4に設けられた補助支持部材54を有している。この構成によれば、エスカレーターの足場装置から踏段11および踏段21に作用する荷重をより減少させることができる。
【0050】
なお、実施の形態1では、第1の基準踏段に対して下階側に隣り合う第1の隣接踏段に第1の段差埋め部材51Aが設けられた構成について説明した。第1の段差埋め部材51Aは、第1の基準踏段に対して下階側に並べられた複数の踏段11に渡って設けられた構成であってもよい。この場合、踏段11の移動方向に並べられた3個以上の踏段11のそれぞれに第1の脚部材52Aが設けられる。これにより、1個の踏段11に作用する荷重をより減少させることができる。
【0051】
また、実施の形態1では、第2の基準踏段に対して下階側に隣り合う第2の隣接踏段に第2の段差埋め部材51Bが設けられた構成について説明した。第2の段差埋め部材51Bは、第2の基準踏段に対して下階側に並べられた複数の踏段11に渡って設けられた構成であってもよい。この場合、踏段21の移動方向に並べられた3個以上の踏段21のそれぞれに第2の脚部材52Bが設けられる。これにより、1個の踏段21に作用する荷重をより減少させることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 第1のエスカレーター、2 第2のエスカレーター、3 下階側階床、4 上階側階床、5 足場支持部材、6 足場部材、7 手摺部材、8A 下階側足場装置部材、8B 上階側足場装置部材、9 天井、10 梯子、11 踏段、21 踏段、51 段差埋め部材、51A 第1の段差埋め部材、51B 第2の段差埋め部材、52 脚部材、52A 第1の脚部材、52B 第2の脚部材、53 連結部材、54 補助支持部材、521 脚部材主部、522 脚部材枝部、523 脚部材本体。