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特開2022-149325情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149325
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220929BHJP
   G01S 19/38 20100101ALI20220929BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G01S19/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051417
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
【テーマコード(参考)】
2F129
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB02
2F129BB03
2F129BB21
2F129BB26
2F129BB33
2F129BB66
2F129BB70
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE50
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129FF02
2F129FF15
2F129FF19
2F129FF20
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5J062BB01
5J062CC07
5J062DD13
5J062DD22
(57)【要約】
【課題】測位情報を利用したよりユーザの利便性の高いサービスを提供可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、第1の測位結果及び第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得し、取得された測位結果を利用した情報を生成して、生成した情報を出力する第1の処理部を備える。第1の処理部は、第1の測位結果が取得されている場合に、第1の測位結果に基づいて、第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を生成し、第2の測位結果が取得されている場合に、取得された第2の測位結果に基づいて、第1の情報とは異なる、第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の測位結果及び前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得し、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する第1の処理部を備え、
前記第1の処理部は、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の測位結果は、第1の衛星信号を受信して行われる衛星測位により得られ、
前記第2の測位結果は、前記第1の衛星信号とは異なる第2の衛星信号を受信して行われる衛星測位によって得られる
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報は、自機の現在位置と目的地との間の経路を示すナビゲーション情報である請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果が得られた場合には、道路の左右を区別して前記ナビゲーション情報を生成する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
外部機器と通信を行う第1の通信部を備え、
前記第1の処理部は、前記外部機器から前記第1の通信部により前記目的地の測位結果をそれぞれ取得し、当該測位結果に基づいて前記ナビゲーション情報を生成する請求項3又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1の電波信号を受信して測位を行う第1測位部と、
第2の電波信号を受信して前記第1測位部よりも高い測位精度で測位を行う第2測位部と、
を備え、
前記第1の処理部は、
前記第1測位部の測位結果を前記第1の測位結果として取得し、
前記第2測位部の測位結果を前記第2の測位結果として取得し、
取得された測位結果が示す前記現在位置から前記目的地への前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果に基づいて道路の車線を判別し、進行方向に応じた車線を含む前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の処理部は、道路の車線ごとの混雑状況を取得し、前記混雑状況を考慮して前記ナビゲーション情報を生成する請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果が取得されていない場合に、当該第2の測位結果に応じて選択される複数の経路の分岐点がある場合には、当該分岐点を特定可能な前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果が取得されていない場合に、当該第2の測位結果に応じて選択される複数の経路をそれぞれ示す前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
電子機器と、
を含み、
前記電子機器は、
第3の電波信号を受信して測位を行う第3測位部と、
第4の電波信号を受信して前記第3測位部よりも高い測位精度で測位を行う第4測位部と、
前記情報処理装置との通信を行う第2の通信部と、
前記第3測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第1の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させ、前記第4測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第2の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させる第2の処理部と、
を備える
情報処理システム。
【請求項12】
第1の電波信号を受信して測位を行う第1測位部と、
第2の電波信号を受信して前記第1測位部よりも高い測位精度で測位を行う第2測位部と、
外部機器と通信を行う第1の通信部と、
前記第1測位部による測位結果を第1の測位結果として取得し、前記第2測位部による測位結果を第2の測位結果として取得し、前記外部機器から前記第1の通信部により第3の測位結果及び前記第3の測位結果よりも測位精度の高い第4の測位結果を取得し、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する第1の処理部と、
を備える情報処理装置と、
第3の電波信号を受信して測位を行う第3測位部と、
第4の電波信号を受信して前記第3測位部よりも高い測位精度で測位を行う第4測位部と、
前記情報処理装置との通信を行う第2の通信部と、
前記第3測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第3の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させ、前記第4測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第4の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させる第2の処理部と、
を備える電子機器と、
を含み、
前記情報処理装置の前記第1の処理部は、
前記第1の測位結果及び前記第3の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果及び前記第3の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度及び前記第3の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第3の情報を前記情報として生成し、
前記第2の測位結果及び前記第3の測位結果が取得されている場合に、前記第2の測位結果及び前記第3の測位結果に基づいて、前記第3の情報と異なる、前記第2の測位結果の測位精度及び前記第3の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第4の情報を前記情報として生成し、
前記第1の測位結果及び前記第4の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果及び前記第4の測位結果に基づいて、前記第3の情報及び前記第4の情報と異なる、前記第1の測位結果の測位精度及び前記第4の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第5の情報を前記情報として生成し、
前記第2の測位結果及び前記第4の測位結果が取得されている場合に、前記第2の測位結果及び前記第4の測位結果に基づいて、前記第3の情報、前記第4の情報及び前記第5の情報と異なる、前記第2の測位結果の測位精度及び前記第4の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第6の情報を前記情報として生成する
情報処理システム。
【請求項13】
第1の測位結果を取得する第1取得ステップ、
前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得する第2取得ステップ、
取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する出力ステップ、
を含み、
前記出力ステップでは、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを
第1の測位結果を取得する第1取得手段、
前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得する第2取得手段、
取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する出力手段、
として機能させ、
前記出力手段は、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、測位情報を利用する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の測位衛星からの電波を受信して、自身の現在位置の情報を取得する衛星測位に係る技術がある。衛星測位により得られた現在位置の情報は、行き先への経路を示すためのナビゲーションに用いられたり、現在位置の付近の情報を選択的に提示したりするというようなサービスにも用いられている。
【0003】
従来、民生用の衛星測位単独では、一般的に1メートル~数メートル程度の精度が得られる。また、近年、より精度よく現在位置を特定可能に信号の送信内容を改良した他の周波数帯での電波受信が広がってきている。米国のGPS(Global Positioning System)では、従来の民生用のL1帯(1.57542GHz)での送信電波に加え、より高精度なL5帯(1.17645GHz)での電波送信も可能な測位衛星に置き換わってきている。特許文献1には、L1帯の電波とL5帯の電波の両方を低消費電力で受信可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-92473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、L5帯の電波を受信して測位を開始する場合、L1帯の電波を受信して測位結果が得られるまでの時間に比して要する時間が長くなりやすく、測位情報に基づく処理が可能になるまでユーザを待たせる必要が生じ、ユーザの利便性が低下するという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、測位情報を利用したよりユーザの利便性の高いサービスを提供可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
第1の測位結果及び前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得し、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する第1の処理部を備え、
前記第1の処理部は、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
情報処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従うと、測位情報を利用したよりユーザの利便性の高いサービスを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子機器の機能構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態のナビゲーション表示の例を示す図である。
図3】第1実施形態のナビゲーション制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態の情報処理システムの機能構成について説明する図である。
図5】第2実施形態の電子機器における配車ナビゲーションの表示画面の例を示す図である。
図6】第2実施形態のナビゲーション制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態の配車要求制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態の情報処理システムの機能構成について説明する図である。
図9】第3実施形態のナビゲーション制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の情報処理装置(コンピュータ)である電子機器1の機能構成を示すブロック図である。
電子機器1は、例えば、スマートウォッチなどの腕装着型端末、又はスマートフォンなどの携帯型端末であり、ユーザの外出移動時にユーザとともに移動して、当該ユーザが報知内容を確認可能なものである。
【0011】
電子機器1は、CPU11(Central Processing Unit)と、記憶部12と、操作受付部13と、表示部14と、通信部15と、計時部16と、衛星電波受信処理部17などを備える。
【0012】
CPU11は、演算処理を行い、電子機器1の動作を統括制御するハードウェアプロセッサである。CPU11は、記憶部12からプログラム121を読み出して実行する。CPU11の制御内容には、ユーザの移動を補助するナビゲーション動作を含む。CPU11は、1つでも複数であってもよい。複数のCPU11を有する場合には、ある処理に対してこれらが並列に動作してもよいし、各々独立に別個の処理を行うものであってもよい。複数のCPU11は、それぞれ特定の用途に対して好適に設計されたものが含まれていてもよい。
【0013】
記憶部12は、揮発性メモリ(RAM)と不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリは、CPU11に作業用のメモリ空間を提供して一時データを記憶する。不揮発性メモリは、プログラム121、設定データ及びアプリケーションデータを記憶する。プログラム121は、CPU11により実行される制御処理のための制御プログラムである。制御プログラムには、上記ナビゲーション動作に係るナビゲーション制御プログラム(ナビアプリ)が含まれる。アプリケーションデータには、上記ナビアプリにより利用される地図データ122が含まれている。
【0014】
操作受付部13は、ユーザなどの外部からの入力操作を受け付けて、操作内容を入力信号に変換し、入力信号をCPU11に出力する。操作受付部13は、例えば、押しボタンスイッチとタッチパネルなどを有していてもよい。
【0015】
表示部14は、デジタル表示画面を有し、CPU11の制御に基づいてデジタル表示画面に表示を行う。デジタル表示画面は、例えば液晶表示画面(LCD)であるが、これに限られるものではない。デジタル表示画面は、上記のタッチパネルと重なって位置していてよい。
【0016】
通信部15は、インターネット回線などを介して行う外部機器との通信を制御する。制御可能な通信規格は、特には限られないが、例えば、無線LAN(Local Area Network)に係る各種規格を含む。
【0017】
計時部16は、図示略の発振回路から出力されるある周波数のクロック信号を計数することで、現在の日時を保持する。
【0018】
衛星電波受信処理部17は、GNSS(Global Navigation Satellite System)などに係る測位衛星からの電波を受信して測位演算を行い、自機の現在の位置を特定する衛星測位(測位)を行う。衛星電波受信処理部17は、第1測位部171と、第2測位部172とを有する。特には限られないが、第1測位部171は、GPS(Global Positioning System)におけるL1帯の電波(第1の衛星信号、第1の電波信号)を復調して信号(航法メッセージ)を解読、測位演算を行い、測位結果(第1の測位結果)をCPU11へ出力する。第2測位部172は、GPSにおけるL5帯の電波(第2の衛星信号、第2の電波信号)を復調して信号(航法メッセージ)を解読、測位演算を行い、測位結果(第2の測位結果)をCPU11へ出力する。第1測位部171及び第2測位部172は、特には限られないが、それぞれ又はまとめて単一のモジュールとして形成されていてもよく、アンテナと、信号を抽出する受信回路(RFブロック)と、復調、復号し、また測位演算などを行って現在位置を算出する専用の論理回路及びCPUなどを含む制御回路(ベースバンドブロック)と、を有する。
【0019】
GPSに係る測位衛星からL1帯の電波に乗せて送信されている航法メッセージと、L5帯の電波に乗せて送信されている航法メッセージとではフォーマットが異なり、後者は、測位衛星の位置の特定精度などの補正精度が改善されている。これらに伴い、L5帯の受信による測位(L5測位)の結果の測位精度(L5精度)は、L1帯の受信による測位(L1測位)の結果の測位精度(L1精度)よりも高いが、必要な航法メッセージを解読して最初の測位結果を得るまでの所要時間(コールドスタート時)は、L5帯の受信の場合の方がL1帯の受信よりも長くなる。
【0020】
衛星電波受信処理部17では、第1測位部171による測位と第2測位部172による測位とを並列に行うことができる。衛星電波受信処理部17は、第1測位部171が先に測位結果を得て、この測位結果をCPU11へ出力し、その後遅れて第2測位部172が測位結果を得ると、CPU11に出力される測位結果を、第2測位部172による測位結果へと変更する。衛星電波受信処理部17は、第1測位部171と第2測位部172のうちいずれの測位結果を出力しているのかを識別可能な情報を付して、測位結果をCPU11へ出力する。なお、衛星電波受信処理部17は、L5測位の結果が得られなかった(測位に失敗した)場合には、L1測位の結果の出力に戻してよい。あるいは、衛星電波受信処理部17は、L1測位の結果とL5測位の結果とをともにCPU11へ出力し続けてもよい。
【0021】
また、電子機器1は、その他図示略の計測センサや報知動作部などを備えていてもよい。計測センサには、例えば、移動速度や移動の向きを特定するための加速度センサや方位センサ(地磁場センサ)が含まれていてもよく、報知動作部には、例えば、自機がナビゲーション経路に従って正常に又は誤って進んでいることを報知するためにビープ音を発生したり振動を発生したりするものが含まれていてもよい。
【0022】
次に、本実施形態のナビゲーション動作について説明する。
電子機器1では、自機の現在位置と目的地の位置とが取得されると、ナビゲーション動作が行われ、ナビゲーション動作では、地図データ122を参照して現在位置から目的地への好適な経路が特定され、地図上に特定された経路を示すナビゲーション情報(測位結果を利用した情報)が生成され、出力される。本実施形態の電子機器1では、ナビゲーション情報の出力先は表示部14である。現在位置は、衛星電波受信処理部17による測位結果に基づいて得られる。目的地は、例えば、操作受付部13のタッチパネルへのユーザによる入力操作などにより、表示部14に表示された地図上の点を指定する、又は緯度経度情報などの数値を入力するなどにより定められる。
【0023】
図2は、ナビゲーション表示の例を示す図である。
目的地Gが設定され、衛星電波受信処理部17により、まず第1測位部171により現在位置Sが得られると、破線で示される経路が特定される。電子機器1では、この経路を表示するナビゲーション情報が生成されて、生成されたナビゲーション情報は、表示部14へ出力されて表示される。このとき、L1精度は、道路を特定するのには十分だが、道路の左右を有意に区別するのには不十分な場合があり、L1の測位結果に基づいて生成されるナビゲーション情報(第1の情報)は、測位結果の測位精度に応じた内容となって、経路に沿った道路の中央が示される。
【0024】
その後、現在位置Sからユーザが目的地Gへ移動している途中の地点PでL5測位の結果が得られ始めると、測位精度がL5精度に上昇して道路の左右を区別することが可能になり、ここでは、ユーザが道路の左側を歩いていることが特定され得る。その結果、電子機器1では、地点Pから目的地Gまでの経路を示すナビゲーション情報も、より正確なL5の測位結果に基づく当該測位結果の精度に応じた情報(第2の情報)に切り替えて生成されて、これを出力することができるようになる。
【0025】
ここでは、電子機器1を保持するユーザが歩道に沿って引き続き道路の左側を進んだのち、コンビニエンスストアのある信号付き交差点N1をまっすぐ渡ってから左折し、道路の右側を進むべきであることが示される。信号付き交差点N1で左折した後には、目的地Gまでの間に信号がないので、ユーザにこの信号付き交差点N1で道路を先に渡らせるように案内することで、ユーザが信号のない地点で車道を渡る危険を冒したり、目的地Gを通り越して先の信号まで行って戻ってきたりする必要がなくなる。
【0026】
すなわち、電子機器1では、第1測位部171から得られる第1の測位結果により早期からナビゲーションが可能になり、また、第2測位部172による測位結果が得られる地点Pが信号付き交差点N1の手前でさえあれば、途中からであっても測位精度が向上することで、より好ましいナビゲーション情報に更新して、これをユーザに対して提供することが可能になる。
【0027】
図3は、電子機器1で実行されるナビゲーション制御処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
このナビゲーション制御処理は、本発明の情報処理方法を含み、例えば、操作受付部13が受け付けたナビアプリの起動操作に係る入力信号をCPU11が取得することで開始される。
【0028】
ナビゲーション制御処理が開始されると、CPU11は、目的地を取得する(ステップS101)。例えば、CPU11は、表示部14によりデジタル表示画面に地図画像を表示させ、ユーザの設定入力操作により示された目的地の位置を特定して取得する。
【0029】
CPU11は、自機の衛星電波受信処理部(ここでは電子機器1の衛星電波受信処理部17)を起動させて測位動作を開始させる(ステップS102)。なお、この処理はステップS101の処理と並行して又はステップS101の処理よりも先になされてもよい。
【0030】
CPU11は、衛星電波受信処理部17からCPU11へ新しい現在位置の入力があったか否かを判別する(ステップS103)。ここでいう新しい現在位置とは、前回のステップS103の処理以降(初回のステップS103の処理の場合には、ナビゲーション制御処理の起動後)に入力される現在位置のことをいう。新しい現在位置は、L1測位の結果又はL5測位の結果を問わない。新しい現在位置がCPU11へ入力されていないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU11は、ステップS103の処理を繰り返す。
【0031】
新しい現在位置がCPU11へ入力されたと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU11は、入力された新しい現在位置を取得する(ステップS104;第1取得手段、第2取得手段、第1取得ステップ、第2取得ステップ)。CPU11は、第2測位部172によるL5測位の結果の取得開始前であり、取得されたのがL1測位の結果であるか否かを判別する(ステップS105)。L5測位の結果の取得開始前であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、CPU11は、L1測位の精度に基づいて経路を特定して、ナビゲーション情報を作成する(ステップS106)。それから、CPU11の処理は、ステップS108へ移行する。
【0032】
ステップS105の判別処理で、L5測位の結果の取得開始後であると判別されて、L5測位の結果が取得された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU11は、L5測位の精度に基づいて経路を特定して、ナビゲーション情報を作成する(ステップS107)。それから、CPU11の処理は、ステップS108へ移行する。
【0033】
ステップS106、ステップS107の処理からステップS108の処理へ移行すると、CPU11は、ナビゲーション情報に基づいて表示部14に表示させる内容を更新する(ステップS108)。CPU11は、ユーザが目的地に到着したか、すなわち、現在位置が目的地に一致したか(予め定められた距離以内となったか)を判別する(ステップS109)。目的地に到着していないと判別された場合には(ステップS109で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS103に戻る。目的地に到着したと判別された場合には(ステップS109で“YES”)、CPU11は、ナビゲーション制御処理を終了する。
以上の各処理のうち、ステップS106~S108の処理が本発明の出力手段(情報処理方法における出力ステップ)をなす。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態として、複数の電子機器を用いた情報処理システムにより運用する場合について説明する。
図4は、本実施形態の情報処理システム100の機能構成について説明する図である。
情報処理システム100は、外部機器としての上記の電子機器1と、本実施形態の情報処理装置(コンピュータ)である電子機器4とを含む。
【0035】
電子機器4は、携帯型のものに限られず、特定の移動体、ここではタクシーに取り付けられるナビゲーション装置などであってもよい。
電子機器1は、ここでは、タクシーの利用者又は利用者をタクシーの乗車位置まで送迎する者が有する携帯型の装置である。
【0036】
電子機器4は、CPU41(本実施形態の第1の処理部)と、記憶部42と、操作受付部43と、表示部44と、通信部45(本実施形態の第1の通信部)と、計時部46と、衛星電波受信処理部47などを備える。CPU41、プログラム421及び地図データ422を記憶する記憶部42、操作受付部43、表示部44、通信部45及び計時部46は、それぞれ、CPU11、記憶部12、操作受付部13、表示部14、通信部15及び計時部16と同一の機能構成であるので、詳しい説明を省略する。なお、ここでいう機能構成には、具体的な性能(例えば、CPU11、41の動作周波数、記憶部12、42の記憶種別や記憶容量、表示部14、44の画素数や輝度値、衛星電波受信処理部47の受信効率など)、及び動作種別(CPU41の処理に係るオペレーティングシステム(OS)や操作受付部43の受付デバイスなど)の違いは含まれない。
通信部45は、インターネットなどを介して電子機器1との間で通信が可能とされる。
【0037】
衛星電波受信処理部47は、L1帯の電波のみを受信して測位を行う点が衛星電波受信処理部17と異なる。本実施形態では、衛星電波受信処理部17の第1測位部171が本発明において第3の電波信号(L1帯の電波)を受信して測位を行う第3測位部に該当し、第2測位部172が本発明において第4の電波信号(L5帯の電波)を受信して測位を行う第4測位部に該当する。
【0038】
この情報処理システム100では、電子機器4が電子機器1から測位情報を取得して、この測位情報に応じて目的地を定めたナビゲーションを行う。例えば、電子機器4のプログラム421には、タクシードライバーが利用する配車プログラムが含まれ、電子機器1のプログラム121には、タクシーの利用者(乗客など)が利用するタクシーの配車依頼アプリが含まれる。
【0039】
電子機器1の配車依頼アプリがCPU11(本実施形態の第2の処理部)により実行されて、配車の依頼動作がなされると、当該電子機器1の衛星電波受信処理部17からは、まず第1測位部171によるL1測位に基づく現在位置の情報が通信部15(本実施形態の第2の通信部)により配車センターのサーバ又は電子機器4に直接送信出力され、その後、第2測位部172によるL5測位に基づく現在位置情報が通信部15により配車センターのサーバ又は電子機器4に送信出力される。電子機器1は、現在位置情報を送信する場合に、当該現在位置情報の取得時に受信した電波信号の種別の情報、又は少なくとも精度の情報を送信データに含める。
【0040】
現在位置の情報が配車センターのサーバに送信された場合には、リアルタイムで取得されている複数のタクシーの位置情報と、配車要求のあった電子機器1のL1精度での現在位置情報とに基づいて、電子機器1の位置に向かわせるタクシーを決定し、当該タクシーの電子機器4に配車の要求と電子機器1の位置とを送信する。電子機器4は、通信部45により配車センター又は電子機器1から配車の要求を取得すると、自身の現在位置と電子機器1の位置とに基づいて当該電子機器1の位置へ向かうための経路を特定し、ナビゲーション情報を生成して、このナビゲーション情報を表示部44に表示させる。このとき、電子機器1の位置として当初のL1精度での位置情報から遅れてL5精度での位置情報が取得されると、電子機器1が道路のどちら側にあるかといった位置情報なども特定可能になるので、タクシーがどちら向きの車線で現地に到着すればよいのかが特定される。
【0041】
図5は、電子機器4における配車ナビゲーション(カーナビゲーション)の表示画面の例を示す図である。
なお、タクシーの現在位置における進行方向(車体の向き)は、別途他の計測センサなどにより特定されていてもよい。また、ここでは、地図を、北を上向きに固定表示しているが、タクシーの進行方向が地図の上方向となるように回転表示させてもよい。
【0042】
タクシーの現在位置Sから目的地Gとなる電子機器1の位置へ向かう経路は、目的地Gの車線に応じて、実線で示される経路と点線で示される経路とに途中の分岐点N2で分岐する。L1精度での測位情報が取得されている間は、これらのうちいずれか一方の経路のみが示されてもよいし、両方の経路が示されていてもよいが、分岐点N2をタクシーの運転手が確実に知得可能に、表示がなされるとよい。
【0043】
分岐点N2に到達する前にL5精度での位置情報が取得されて、電子機器1の位置(目的地G)がより正確に特定された場合には、電子機器4では、その情報に従っていずれかの経路を選択して一方のみの表示に切り替えられる。分岐点N2に到達する前にL5精度での位置情報が取得されなそうな場合(取得されなかった場合)には、分岐点N2を知得しているタクシーの運転手は、分岐点N2の手前で待機が可能である。あるいは、タクシーの運転手は、分岐点N2の手前で待機せずにいずれかの経路を進んでもよく、その後L5精度での位置情報が取得された場合には、取得された情報に基づいてその時点で最適な経路を特定し、表示する。
【0044】
図6は、電子機器4で実行されるナビゲーション制御処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
このナビゲーション制御処理は、本発明の他の情報処理方法を含み、タクシー配車センター又は電子機器1から配車要求を受信した場合に開始される。この処理は、図3に示した上記第1実施形態のナビゲーション制御処理のうち、ステップS101、S106の処理がそれぞれステップS101a、S106aに変更され、また、ステップS111~S115の処理が追加されている。その他の処理は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0045】
ナビゲーション制御処理が開始されると、CPU41は、配車要求に係る機器からL1精度での目的地の位置情報を取得する(ステップS101a;第1取得手段)。それから、CPU41の処理は、ステップS102へ移行して自機の衛星電波受信処理部(ここでは電子機器4の衛星電波受信処理部47)を起動させて測位動作を開始させる(ステップS102)。
【0046】
ステップS103の判別処理で新しい現在位置が入力されたと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU41は、入力された現在位置を取得し(ステップS104)、取得した現在位置と取得されている目的地(電子機器1の位置)とに基づいて移動経路を特定して、ナビゲーション情報を生成する(ステップS106a)。目的地がL5精度で得られていない場合には、CPU41は、上記のように目的地の道路が複数車線である場合を考慮して(又は、地図データ122から判別して、必要に応じて)、両方の車線の向きについてそれぞれ移動経路を特定する。それから、CPU41の処理は、ステップS111へ移行する。新しい現在位置が入力されていないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS111へ移行する。
【0047】
ステップS111の処理に移行すると、CPU41は、L5精度での目的地情報が電子機器1から通信部45を介してCPU41へ入力されたか否かを判別する(ステップS111)。目的地情報がCPU41へ入力されたと判別された場合には(ステップS111で“YES”)、CPU41は、目的地のデータを取得して、取得されたデータによりL1精度であった目的地データをL5精度に更新する(ステップS112;第2取得手段)。CPU41は、現在位置が少なくとも一度取得済みであるか否かを判別する(ステップS113)。現在位置が取得済みではない(一度も取得されていない)と判別された場合には(ステップS113で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS103に戻る。
【0048】
現在位置が少なくとも一度取得済みであると判別された場合には(ステップS113で“YES”)、CPU41は、更新された目的地と現在位置とに基づいて目的地への経路を特定して、この経路を示すナビゲーション情報を生成する(ステップS114)。ステップS105aで生成されたナビゲーション情報が未表示の場合には、CPU41は、そのまま未表示のナビゲーション情報を上書き更新してよい。それから、CPU41の処理は、ステップS115へ移行する。
【0049】
ステップS111の判別処理で、L5精度での目的地情報が取得されていないと判別された場合には(ステップS111で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS115へ移行する。
【0050】
ステップS111、S114の処理からステップS115の処理に移行すると、CPU41は、ナビゲーション情報の更新があるか、すなわち、未表示のナビゲーション情報があるか否かを判別する(ステップS115)。ナビゲーション情報の更新があると判別された場合には(ステップS115で“YES”)、CPU41の処理は、ステップS107へ移行する。ナビゲーション情報の更新がないと判別された場合には(ステップS115で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS103に戻る。
本実施形態では、上記各処理のうちステップS106a、S114、S108の処理が本発明の出力手段を構成する。
【0051】
図7は、電子機器1で実行される配車要求制御処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。この配車要求制御処理は、例えば、タクシーの配車依頼アプリを起動した場合に開始される。
【0052】
CPU11は、衛星電波受信処理部17を起動して測位動作を開始させる(ステップS201)。CPU11は、操作受付部13への入力操作に基づいて配車要求情報を取得する(ステップS202)。配車要求情報には、例えば、依頼者名若しくは依頼者識別情報、車両のサイズや車種の要求情報若しくは乗車予定人数の情報、要求の送信から実際の配車までの指定時間若しくは配車要求日時の情報、及び/又は降車予定位置の情報などが含まれ得る。配車要求情報には、予め初期設定又はユーザにより予め設定されて記憶部12に記憶されている設定が含まれていてもよい。
【0053】
CPU11は、L1測位による現在位置情報が衛星電波受信処理部17からCPU11へ入力されたか否かを判別する(ステップS203)。L1測位による現在位置情報がCPU11へ入力されていないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、CPU11は、ステップS203の処理を繰り返す。L1測位による現在位置情報がCPU11へ入力されたと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、CPU11は、入力されたL1測位の現在位置情報を取得する(ステップS204)。
【0054】
CPU11は、現在位置(L1)を乗車位置として、この現在位置(L1)と配車要求情報とともに配車要求を通信部15により送信させる(ステップS205)。送信先は、上記のように配車センターのサーバや特定のタクシーのナビゲーション装置(電子機器4)などであり、このL1測位による現在位置は、電子機器4における第1の測位結果である。このとき、配車要求には固有の識別情報が付される。
【0055】
CPU11は、L5測位による現在位置情報が衛星電波受信処理部17からCPU11へ入力されたか否かを判別する(ステップS206)。L5測位による現在位置情報がCPU11へ入力されていないと判別された場合には(ステップS206で“NO”)、CPU11は、ステップS206の処理を繰り返す。
【0056】
L5測位による現在位置情報がCPU11へ入力されたと判別された場合には(ステップS206で“YES”)、CPU11は、入力されたL5測位による現在位置情報を取得する(ステップS207)。CPU11は、送信済みの配車要求の識別情報とともに、L5測位による現在位置情報を乗車位置の更新情報として通信部15により送信させる(ステップS208)。このL5測位による現在位置は、電子機器4における第2の測位結果である。そして、CPU11は、配車要求制御処理を終了する。
上記の各処理のうち、ステップS205、S208の処理が本発明の情報処理システムにおける制御手段を構成する。
【0057】
[第3実施形態]
第3実施形態である情報処理システム100aについて説明する。
図8は、第3実施形態の情報処理システム100aの機能構成について説明する図である。
情報処理システム100aは、電子機器1、4aを含む。電子機器4aは、第2実施形態における電子機器4と同様に、例えば、タクシーなどのナビゲーション装置であり、本実施形態の情報処理装置(コンピュータ)をなす。電子機器4aは、第2実施形態の電子機器4における衛星電波受信処理部47の代わりに衛星電波受信処理部47aを備える。衛星電波受信処理部47aは、L1帯の電波を受信する第1測位部471と、L5帯の電波を受信する第2測位部472と、を有する。その他の構成は電子機器4と電子機器4aとで同一であり、同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0058】
この情報処理システム100aでは、電子機器1の第1測位部171が第3測位部としてL1帯の電波(第3の電波信号)を受信し、第2測位部172が第4測位部としてL2帯の電波(第4の電波信号)を受信する。したがって、電子機器1、4aのそれぞれで、測位精度が途中でL1精度からL5精度に切り替わる。
電子機器4aでは、第1の処理部としてのCPU41は、第1測位部471の測位結果を第1の測位結果として取得し、第2測位部472の測位結果を第2の測位結果として取得する。また、CPU41は、電子機器1から通信部15により送信出力された第1測位部171の測位結果を第3の測位結果として通信部45を介して取得し、電子機器1から通信部15により送信出力された第2測位部172の測位結果を第4の測位結果として通信部45を介して取得する。
【0059】
また、電子機器4aは、道路の混雑状況を取得して、経路の特定に反映させることができる。この際に、L5精度で位置情報が得られている場合には、混雑情報に基づいて車線を考慮してもよい。ここでいう車線には、右折レーンや左折レーンなどの同方向への複数の車線を含み、例えば、各車線の混雑情報に応じて右折/左折する位置を変更した経路の設定などがなされてもよい。
【0060】
また、電子機器4におけるナビゲーション動作では、混雑状況を利用した右折/左折の判断に限らず、右折/左折時などに予め報知するとともに、実際に適切な車線に入っているか否かを実際の右折/左折前に判定して表示部44及び/又は報知動作部が警告報知することも可能であってよい。
【0061】
図9は、情報処理システム100aの電子機器4aで実行されるナビゲーション制御処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
本発明の他の情報処理方法を含むこの第3実施形態のナビゲーション制御処理では、図3に示した第1実施形態でのナビゲーション制御処理におけるステップS102~S109と、図6に示した第2実施形態のナビゲーション制御処理におけるステップS101a、S111~S114とを組み合わせたものに対して、更にステップS131の処理が追加されている。既に説明した処理と同一の処理については、詳しい説明を省略する。
【0062】
このナビゲーション制御処理では、ステップS103の判別処理で、新しい現在位置の入力がされたと判別されると(ステップS103で“YES”)、CPU41は、道路の混雑状況に係る情報を外部から取得する(ステップS131;道路状況取得手段)。道路の混雑状況に係る情報は、例えば、通信部45を介して外部の道路情報提供サーバなどから受信してもよい。それから、CPU41の処理は、ステップS104へ移行する。
【0063】
取得された道路の混雑状況に係る情報は、ステップS106、S107、S114における経路の特定及びナビゲーション情報の生成に係る処理で利用される。ステップS106(、S114)の処理では、L1精度での現在位置及び目的地の位置に応じて、経路の選択がなされてもよい。ステップS107、S114の処理では、L5精度の現在位置及び/又は目的地の位置に応じて、経路及び車線の選択がなされてもよい。
本実施形態の情報処理システム100aでは、S104が本発明の第1取得手段、第2取得手段を構成し、ステップS101aが本発明の第3取得手段を構成し、ステップS112が本発明の第4取得手段を構成する。また、ステップS106、S107、S114、S108の処理が本発明の出力手段を構成する。
ステップS106で、現在位置及び目的地がいずれもL1精度で得られている場合に生成される情報が第3の情報であり、現在位置がL1精度で得られ、かつ目的地がL5精度で得られている場合に生成される情報が第5の情報である。
ステップS107で、現在位置がL5精度で得られ、かつ目的地がL1精度で得られている場合に生成される情報が第4の情報であり、現在位置及び目的地がいずれもL5精度で得られている場合に生成される情報が第6の情報である。
ステップS114で、現在位置がL1精度で得られ、かつ目的地がL5精度で得られている場合に生成される情報が第5の情報であり、現在位置及び目的地がいずれもL5精度で得られている場合に生成される情報が第6の情報である。
上記第3の情報~第6の情報は、各々互いに異なる。
【0064】
以上のように、本実施形態の情報処理装置である電子機器1は、第1の処理部としてのCPU11を備える。CPU11は、第1の測位結果(ここでは、L1測位の結果)を取得し(図6でステップS101a、図3でS104)、第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果(ここでは、L5測位の結果)を取得し(図6でステップS112、図3でS104)、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する。第1の処理部としてのCPU11は、第1の測位結果が取得されている場合に、第1の測位結果に基づいて、当該第1の測位結果に応じた内容の第1の情報を生成し(ステップS106)、第2の測位結果が取得されている場合に、第2の測位結果に基づいて、第1の情報とは異なる、当該第2の測位結果に応じた内容の第2の情報を生成する(ステップS107)。
このように精度の異なる2種類の測位結果が取得可能な場合に、精度の低い第1の測位結果が先に得られれば、この第1の測位結果により可能な精度の内容でまず情報を生成し、出力することで、情報を欲するユーザに第2の測位結果が取得されるまで長時間待たせず、暫定的な判断や動作を行わせることができる。その後、第2の測位結果が得られ次第、より精度の高い情報に切り替えて出力するので、ユーザがより正確な位置に基づいてより判断を絞り込んだり、動作の精度を向上させたりすることができる。したがって、電子機器1は、測位情報を利用したよりユーザの利便性の高いサービスを提供することができる。
【0065】
また、第1の測位結果は、第1の衛星信号(GPSのL1帯の電波)を受信して行われる衛星測位により得られ、第2の測位結果は、第1の衛星信号とは異なる第2の衛星信号(GPSのL5帯の電波)を受信して行われる衛星測位によって得られる。
衛星(特に測位衛星)からの電波を利用した測位結果に基づく情報提供は、屋外で広く利用可能であるので、ユーザにとって利便性が高い。一方で、予め定められたフォーマットに従って送信されているデータから必要なパラメータを取得して測位結果を得るまでに時間を要するので、最終的に得られる精度より若干低くても情報が得られた段階で暫定的な情報を提供することで、ユーザが情報を取得できずに待機する時間を短縮することができる。
【0066】
また、出力する情報は、自機(例えば、電子機器1)の現在位置と目的地との間の経路を示すナビゲーション情報である。ナビゲーション情報では、情報が得られないまま待機する時間が無駄となる一方で、出発時点では必ずしも高精度の位置情報がなくても移動を開始することができるので、速やかに低精度の位置情報を提供したのちに高精度の情報を提供する2段階での情報提供は、ユーザにとって特に利便性が高い。
【0067】
また、第1の処理部としてのCPU11は、第2の測位結果が得られた場合には、道路の左右を区別してナビゲーション情報を生成する。街中などでのナビゲーションでは、道路を横断したり向きを反転したりするのが容易でないことも多いので、道路の左右を区別してより適切な移動経路を定めることで、ナビゲーションの有用性をより向上させることができる。
【0068】
また、第2実施形態の電子機器4は、外部機器と通信を行う通信部45を備える。第1の処理部としてのCPU41は、外部機器である電子機器1から通信部45により目的地の測位結果をそれぞれ取得し(図6でステップS101a、S112)、当該測位結果に基づいてナビゲーション情報を生成してもよい。すなわち、外部機器からの測位情報として、電波の受信開始から測位結果を取得するまでの所要時間が相対的に短い低精度の測位情報と、所要時間の長い高精度の測位情報とを順次取得して目的地を決定する場合でも、上記のように移動開始までの待機時間の短縮と、目的地への到着位置及び経路の精度向上を図ることができ、電子機器1は、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
あるいは、第1実施形態の電子機器1のように、第1の電波信号(L1帯の電波)を受信して測位を行う第1測位部171と、第2の電波信号(L5帯の電波)を受信して前記第1測位部171よりも高い測位精度で測位を行う第2測位部172と、を備えていてもよい。第1の処理部としてのCPU11は、第1測位部171の測位結果を第1の測位結果として取得し、第2測位部172の測位結果を第2の測位結果として取得し(以上、ステップS104)、取得された測位結果が示す現在位置から目的地へのナビゲーション情報を生成する(ステップS107)。
衛星測位を自機で行う場合には、測位結果とその精度を順次適切に反映した情報の生成と出力を容易に行うことができる。また、この場合には、外部機器との通信がなくても単独でナビゲーション動作が成立するので、情報提供に係る構成が大掛かりにならない。
【0070】
また、第1の処理部としてのCPU11は、取得された第2の測位結果に基づいて道路の車線を判別し、進行方向に応じた車線を含むナビゲーション情報を生成する。車両のナビゲーションなどの場合には、進行方向によって車線が異なる道路も多く、目的地と反対側の車線位置では到着位置として不十分な場合がある。したがって、高精度な現在位置及び目的地情報に基づいて最終的に適切な車線の位置へ到着させることができるように、情報の提供を可能とすることで、ユーザの利便性を高めることができる。
【0071】
また、第3実施形態の電子機器4aは、第1の処理部としてのCPU41が、道路の車線ごとの混雑状況を取得し、取得された混雑状況を考慮してナビゲーション情報を生成する。従来、通行止めや一部車線の封鎖などによる全体的な混雑に対しては対応可能であったが、車線ごとの判別を可能とすることで、例えば、右折/左折レーンなどの一部の混雑を選択的に判断可能として、よりユーザにとって利便性の高い情報を提供することができる。
【0072】
また、第1の処理部としてのCPU11は、第2の測位結果が取得されていない場合に、当該第2の測位結果に応じて選択される複数の経路の分岐点がある場合には、当該分岐点を特定可能なナビゲーション情報を生成する。すなわち、分岐点から先へ誤った方向へ進んでしまうと、高精度の情報が得られたときに、むしろ遠回りになったり時間を要したりすることが判明する場合もあり得るので、暫定的に問題ない地点までの移動を可能としてもよい。分岐点に到着する前に高精度の情報が得られれば問題は生じず、配車に要する時間が短縮され、分岐点に到着する前に高精度の情報が得られなかったとしても、その近傍で待機するなどにより、目的地点に到着するまでの時間を短縮することができる。
【0073】
また、第1の処理部としてのCPU11は、第2の測位結果が取得されていない場合に、当該第2の測位結果に応じて選択される複数の経路をそれぞれ示すナビゲーション情報を生成してもよい。上記にかかわらず、分岐点以降の両方の経路を並列に表示させてもよいし、混雑状況などに応じて変動し得る同様の到着時間の複数の経路を並列に表示させてもよい。高精度の位置情報を取得するまでもなく低精度の位置情報で十分な場合、例えば、目的地の車線が分離されておらず又は現地で容易に折り返しが可能で、実際にはどちら向きに到着してもよい場合などにも、両方向の経路を並列に表示させてもよい。また、地図データ122に基づいてより適切な経路をプログラム121が判断可能な場合には、並列表示する経路に優先順位が付されてもよい。
【0074】
また、本実施形態の情報処理システム100は、電子機器4と、外部機器としての電子機器1と、を含む。電子機器1は、第3の電波信号(L1帯の電波)を受信して測位を行う第1測位部171と、第4の電波信号(L5帯の電波)を受信して第1測位部171よりも高い測位精度で測位を行う第2測位部172と、通信部15と、第1測位部171により測位結果が得られた場合に(図7でステップS204)、当該測位結果を第1の測位結果として通信部15により電子機器4へ出力させ(図7でステップS205)、第2測位部172により測位結果が得られた場合に(図7でステップS207)、当該測位結果を通信部15により第2の測位結果として電子機器4へ出力させる(図7でステップS208)第2の処理部としてのCPU11と、を備える。このように外部機器から2種類の精度の測位データを順次取得することで、測位結果を用いた出力情報の精度を向上させる技術により、電子機器4のユーザに速やかに情報の提供を開始し、かつ可能となり次第より高精度な情報を提供することで、当該ユーザの利便性を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態の情報処理システム100aは、情報処理装置としての電子機器4aと、外部機器としての電子機器1とでいずれもL1帯の電波を受信する第1測位部171、471を備え、また、いずれもL5帯の電波を受信する第2測位部172、472を備える。また、電子機器4a、1は、それぞれ互いに通信を行うための通信部45、15を備え、電子機器1から通信部15により出力された第1測位部171の測位結果及び第2測位部172による測位結果を、電子機器4aでは通信部45により受信して取得する。電子機器4aでは、第1の測位結果及び第3の測位結果が取得されている場合に、第1の測位結果及び第3の測位結果に基づいて、第1の測位結果の測位精度及び第3の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第3の情報を生成し、第2の測位結果及び第3の測位結果が取得されている場合に、第2の測位結果及び第3の測位結果に基づいて、第2の測位結果の測位精度及び第3の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第4の情報を生成し、第1の測位結果及び第4の測位結果が取得されている場合に、第1の測位結果及び第4の測位結果に基づいて、第1の測位結果の測位精度及び第4の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第5の情報を生成し、第2の測位結果及び第4の測位結果が取得されている場合に、第2の測位結果及び第4の測位結果に基づいて、第2の測位結果の測位精度及び第4の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第6の情報を生成する。上記第3の情報~第6の情報は、互いに異なるものである。すなわち、電子機器4aでは、当初取得された第1測位部171、471の測位データに基づいて情報の出力を開始し(図9でステップS106)、第2測位部172、472の測位データのうち少なくとも一方が取得され次第、順次出力情報の精度を向上させていく(図9でステップS107、S114)ことができる。
このような場合でも、電子機器4aのユーザに速やかに情報の提供を開始し、かつ可能となり次第より高精度な情報を提供することで、当該ユーザの利便性を向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態の情報処理方法は、第1の測位結果を取得する第1取得ステップ、第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得する第2取得ステップ、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する出力ステップ、を含み、出力ステップでは、第1の測位結果が取得されている場合に、第1の測位結果に基づいて、第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を生成し、第2の測位結果が取得されている場合に、取得された第2の測位結果に基づいて、第1の情報とは異なる、第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報の生成に切り替える。
このように精度の異なる2種類の測位結果が取得可能な場合に、精度の低い第1の測位結果が先に得られれば、この第1の測位結果により可能な精度の範囲でまず情報を出力することで、情報を欲するユーザに第2の測位結果が取得されるまで長時間待たせず、ユーザ(情報の提供先)に暫定的な判断や動作を行わせることができる。その後、第2の測位結果が得られ次第より精度の高い情報に切り替えて出力するので、ユーザがより正確な位置に基づいてより判断を絞り込んだり、動作の精度を向上させたりすることができる。したがって、このような情報処理方法では、測位情報を利用したサービスに係るユーザの利便性を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態のプログラム121は、コンピュータ(電子機器1、4、4a)を、第1の測位結果を取得する第1取得手段、第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得する第2取得手段、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する出力手段、として機能させ、出力手段は、第1の測位結果が取得されている場合に、第1の測位結果に基づいて、第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を生成し、第2の測位結果が取得されている場合に、取得された第2の測位結果に基づいて、第1の情報とは異なる、第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を生成する。
このようなプログラム121をインストールして、2種類の精度の測位データを取得して情報出力を行う場合の処理を容易に行うことを可能とすることにより、汎用の電子機器などにおいて容易によりユーザの利便性を高めた測位情報を利用したサービスを提供することができる。
【0078】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、自機の測位により自機の現在位置が上記2段階で特定される場合に、外部機器からも目的地を取得する場合には、外部機器では測位結果が送信されるものに限られなくてもよく、ユーザが入力した情報などが送信されてもよい。この場合に、配車センターのオペレータの対応などにより追加情報が取得された場合により高精度な情報が取得されてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、ナビゲーション情報を生成し、出力する場合を例に挙げて説明したが、測位結果を利用した情報を提供するサービスであれば、これに限られない。例えば、測位結果が取得される現在位置又は目的地付近の店舗情報、交通情報や駐車場情報などを提供するサービスなどであってもよいし、単純に移動軌跡のログを取るものなどであってもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、GPSにおけるL1帯の電波とL5帯の電波とを受信して各々測位を実行する場合について説明したが、同じ条件を満たすもの、すなわち、2種類の測位のうち低精度な側の測位結果が先に得られることが多く、高精度な側の測位結果が遅れて得られるようなものであれば、これに限られない。他の衛星測位システム、例えば、GLONASSやGalileoなどの測位衛星からの送信電波が用いられてもよい。また、これは、同一の測位衛星からの複数の波長の電波に限られない。また、測位衛星以外の電波を用いた測位結果が得られてもよい。例えば、携帯電話のアンテナとの交信などにより概略位置が早期に取得されるものであってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、スマートフォン又はスマートウォッチによるナビゲーションが歩行者を対象とするものとして説明したが、自転車などを対象とすることが可能であってもよく、ユーザの入力操作などに応じて切り替えられ、又はその前の運動状態などをセンサなどで判別することで自動的に切り替えられてもよい。
【0082】
また、出力対象は、自機の表示画面に限られない。例えば、スマートフォンとスマートウォッチを併用するユーザがスマートフォンの出力画像をスマートウォッチの表示画面に表示させてもよいし、その反対であってもよい。
【0083】
また、例えば、ウォームスタートやホットスタートなどの場合を含め、第2(L5帯)の電波が第1(L1帯)の電波とほぼ同時又は先に取得された場合には、当初からL5測位に基づく情報の生成がなされるように処理が選択されてよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、第2の測位結果が取得されるまでは2種類の経路が特定されて、その分岐点が知得可能に示されてよいものとして説明したが、分岐点より手前に待機可能箇所がある場合には、当該待機可能箇所を併せて出力可能としてもよい。
【0085】
また、上記3種類の実施形態で示した構成、処理内容や手順は、相反し矛盾がない限り任意に組み合わせたり削除したりすることができる。
【0086】
また、以上の説明では、本発明のナビゲーション制御に係るプログラム121、421を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部12、42を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)、MRAMなどの他の不揮発性メモリや、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0088】
[付記]
<請求項1>
第1の測位結果及び前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得し、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する第1の処理部を備え、
前記第1の処理部は、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
情報処理装置。
<請求項2>
前記第1の測位結果は、第1の衛星信号を受信して行われる衛星測位により得られ、
前記第2の測位結果は、前記第1の衛星信号とは異なる第2の衛星信号を受信して行われる衛星測位によって得られる
請求項1記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記情報は、自機の現在位置と目的地との間の経路を示すナビゲーション情報である請求項1又は2記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果が得られた場合には、道路の左右を区別して前記ナビゲーション情報を生成する請求項3記載の情報処理装置。
<請求項5>
外部機器と通信を行う第1の通信部を備え、
前記第1の処理部は、前記外部機器から前記第1の通信部により前記目的地の測位結果をそれぞれ取得し、当該測位結果に基づいて前記ナビゲーション情報を生成する請求項3又は4記載の情報処理装置。
<請求項6>
第1の電波信号を受信して測位を行う第1測位部と、
第2の電波信号を受信して前記第1測位部よりも高い測位精度で測位を行う第2測位部と、
を備え、
前記第1の処理部は、
前記第1測位部の測位結果を前記第1の測位結果として取得し、
前記第2測位部の測位結果を前記第2の測位結果として取得し、
取得された測位結果が示す前記現在位置から前記目的地への前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果に基づいて道路の車線を判別し、進行方向に応じた車線を含む前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記第1の処理部は、道路の車線ごとの混雑状況を取得し、前記混雑状況を考慮して前記ナビゲーション情報を生成する請求項7記載の情報処理装置。
<請求項9>
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果が取得されていない場合に、当該第2の測位結果に応じて選択される複数の経路の分岐点がある場合には、当該分岐点を特定可能な前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項10>
前記第1の処理部は、前記第2の測位結果が取得されていない場合に、当該第2の測位結果に応じて選択される複数の経路をそれぞれ示す前記ナビゲーション情報を生成する請求項3~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項11>
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
電子機器と、
を含み、
前記電子機器は、
第3の電波信号を受信して測位を行う第3測位部と、
第4の電波信号を受信して前記第3測位部よりも高い測位精度で測位を行う第4測位部と、
前記情報処理装置との通信を行う第2の通信部と、
前記第3測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第1の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させ、前記第4測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第2の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させる第2の処理部と、
を備える
情報処理システム。
<請求項12>
第1の電波信号を受信して測位を行う第1測位部と、
第2の電波信号を受信して前記第1測位部よりも高い測位精度で測位を行う第2測位部と、
外部機器と通信を行う第1の通信部と、
前記第1測位部による測位結果を第1の測位結果として取得し、前記第2測位部による測位結果を第2の測位結果として取得し、前記外部機器から前記第1の通信部により第3の測位結果及び前記第3の測位結果よりも測位精度の高い第4の測位結果を取得し、取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出する第1の処理部と、
を備える情報処理装置と、
第3の電波信号を受信して測位を行う第3測位部と、
第4の電波信号を受信して前記第3測位部よりも高い測位精度で測位を行う第4測位部と、
前記情報処理装置との通信を行う第2の通信部と、
前記第3測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第3の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させ、前記第4測位部により測位結果が得られた場合に、当該測位結果を前記第4の測位結果として前記第2の通信部により前記情報処理装置へ出力させる第2の処理部と、
を備える電子機器と、
を含み、
前記情報処理装置の前記第1の処理部は、
前記第1の測位結果及び前記第3の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果及び前記第3の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度及び前記第3の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第3の情報を前記情報として生成し、
前記第2の測位結果及び前記第3の測位結果が取得されている場合に、前記第2の測位結果及び前記第3の測位結果に基づいて、前記第3の情報と異なる、前記第2の測位結果の測位精度及び前記第3の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第4の情報を前記情報として生成し、
前記第1の測位結果及び前記第4の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果及び前記第4の測位結果に基づいて、前記第3の情報及び前記第4の情報と異なる、前記第1の測位結果の測位精度及び前記第4の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第5の情報を前記情報として生成し、
前記第2の測位結果及び前記第4の測位結果が取得されている場合に、前記第2の測位結果及び前記第4の測位結果に基づいて、前記第3の情報、前記第4の情報及び前記第5の情報と異なる、前記第2の測位結果の測位精度及び前記第4の測位結果の測位精度の各々に応じた内容の第6の情報を前記情報として生成する
情報処理システム。
<請求項13>
第1の測位結果を取得する第1取得ステップ、
前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得する第2取得ステップ、
取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する出力ステップ、
を含み、
前記出力ステップでは、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
情報処理方法。
<請求項14>
コンピュータを
第1の測位結果を取得する第1取得手段、
前記第1の測位結果よりも測位精度の高い第2の測位結果を取得する第2取得手段、
取得された測位結果を利用した情報を生成して当該情報を出力する出力手段、
として機能させ、
前記出力手段は、前記第1の測位結果が取得されている場合に、前記第1の測位結果に基づいて、前記第1の測位結果の測位精度に応じた内容の第1の情報を前記情報として生成し、前記第2の測位結果が取得されている場合に、取得された前記第2の測位結果に基づいて、前記第1の情報とは異なる、前記第2の測位結果の測位精度に応じた内容の第2の情報を前記情報として生成する
プログラム。
【符号の説明】
【0089】
1、4、4a 電子機器
11、41 CPU
12、42 記憶部
121、421 プログラム
122、422 地図データ
13、43 操作受付部
14、44 表示部
15、45 通信部
16、46 計時部
17、47 衛星電波受信処理部
171、471 第1測位部
172、472 第2測位部
100、100a 情報処理システム
S 現在位置
G 目的地
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9