(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149351
(43)【公開日】2022-10-06
(54)【発明の名称】画像出力装置、電力異常報知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03B 21/00 20060101AFI20220929BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20220929BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G03B21/00 D
G03B21/14 C
G08B21/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051460
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 淳
【テーマコード(参考)】
2K203
5C086
【Fターム(参考)】
2K203GB36
2K203KA24
2K203KA32
2K203KA49
2K203MA23
5C086AA31
5C086BA13
5C086CA02
5C086CA03
5C086DA03
5C086FA12
5C086FA15
5C086FA17
(57)【要約】
【課題】よりユーザに分かりやすく不適切な電力供給を報知することのできる画像出力装置、電力異常報知方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像出力装置は、画像出力部と、外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、制御部とを備える。制御部は、入力されている電力が正常な第1の基準範囲内になく、かつ第1の基準範囲よりも広く、画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、調整部に画像出力部へ電力供給を行わせて、入力されている電力が不適切であることを画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を出力する画像出力部と、
外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる
画像出力装置。
【請求項2】
報知動作を行う報知動作部を備え、
前記制御部は、前記入力されている電力が前記第2の基準範囲外である場合には、前記画像出力部による画像の出力を禁止して、前記入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作を前記報知動作部により行わせる請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記入力される電力の入力電圧を低下させる変圧部を有し、
前記制御部は、前記入力電圧が前記第1の基準範囲の第1の上限電圧よりも高く、かつ前記第2の基準範囲内である場合には、前記変圧部を介して低下させた電圧を前記画像出力部に供給する
請求項1又は2記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記第2の基準範囲の第2の上限電圧は、当該第2の上限電圧が前記変圧部により低下された場合に前記第1の上限電圧以下である請求項3記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記調整部は、前記画像出力部を含む一部に電力供給を行う第1供給部と、当該一部以外に対して電力供給を行う第2供給部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1供給部及び前記第2供給部のいずれもが前記電力供給を行う場合に、前記入力される電力の入力電圧が前記第1の基準範囲の第1の下限電圧よりも低くなる場合には、前記第2供給部による前記電力供給を停止させ、
当該停止により前記入力電圧が前記第1の下限電圧以上となる場合には、前記第1の報知動作を行わせる
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記画像出力部は、複数色の発光部を有し、
前記制御部は、前記第2供給部による電力供給を停止させて前記第1の報知動作を行わせる場合には、前記複数色の発光部のうち一部により前記第1の報知動作を行わせる
請求項5記載の画像出力装置。
【請求項7】
報知動作を行う報知動作部を備え、
前記制御部は、
前記入力されている電力が前記第2の基準範囲外である場合には、前記画像出力部による画像の出力を禁止して、前記入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作を前記報知動作部により行わせ、
前記第1供給部及び前記第2供給部のいずれもが前記電力供給を行う場合に、前記入力電圧が前記第1の下限電圧よりも低い第2の下限電圧よりも低くなる場合には、前記第1供給部及び前記第2供給部による前記電力供給をいずれも停止させて、前記第2の報知動作を行わせる
請求項5又は6記載の画像出力装置。
【請求項8】
報知動作を行う報知動作部を備え、
前記制御部は、前記第1の報知動作を行わせる場合に、前記入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作を前記報知動作部により併せて行わせる請求項1~7のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記報知動作部は、LEDランプを有し、前記LEDランプを予め定められたパターンで点灯させることで前記第2の報知動作を行う
請求項2、7、8のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項10】
前記画像出力部は、投影光を出射する投影部である請求項1~9のいずれか一項に記載の画像出力装置。
【請求項11】
画像を出力する画像出力部と、外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、を備える画像出力装置へ入力される電力の異常を報知する電力異常報知方法であって、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる第1報知ステップ
を含む電力異常報知方法。
【請求項12】
画像を出力する画像出力部と、外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、を備える画像出力装置のコンピュータを、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる第1報知手段
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像出力装置、電力異常報知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像を拡大投射して出力するプロジェクタ(投影装置)といった、外部から画像データを受けて表示出力する画像出力装置がある。プロジェクタは、持ち運びされて多様な場所で使われている。電力供給は、着脱可能なアダプタを介して商用電源を適宜な電力に変換して行われるものが多い(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような画像出力装置では、類似する不適合なアダプタなどから不適切な電力が入力される場合がある。このような場合には、正常に投影ができないばかりか、故障の原因にもなる一方で、電力の入力が不適切であることをユーザが認識していない場合もあり、分かりやすく報知する必要があるという課題がある。
【0005】
この発明の目的は、よりユーザに分かりやすく不適切な電力供給を報知することのできる画像出力装置、電力異常報知方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、
画像を出力する画像出力部と、
外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる
画像出力装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従うと、画像出力装置においてよりユーザに分かりやすく不適切な電力供給を報知することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】画像出力装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】画像出力装置の電力供給部の構成を示す図である。
【
図4】入力電圧と基準電圧について説明する図である。
【
図5】正常な電力供給時における画像出力装置の起動動作について説明する図である。
【
図6】電力供給異常がある場合の画像出力装置の起動動作について説明する図である。
【
図7】電力供給異常がある場合の画像出力装置の起動動作について説明する図である。
【
図8】電力供給異常がある場合の画像出力装置の起動動作について説明する図である。
【
図9】電力供給異常がある場合の画像出力装置の起動動作について説明する図である。
【
図10】過電圧警告画面及び低電力警告画面の例を示す図である。
【
図11】画像出力装置の起動制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図12】電力監視制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の画像出力装置1の外観を示す斜視図である。
画像出力装置1は、筐体前面に光の出射口16aを有し、画像を出射口16aから出力してスクリーンや壁面などに投影する投影装置(プロジェクタ)である。筐体の上面には、操作パネル15aが位置しており、押しボタンスイッチやLEDランプ(Light Emitting Diode)などが並んでいる。スイッチの種類は、押しボタンスイッチに限られず、例えば、ロッカースイッチやスライドスイッチなどが含まれていてもよい。LEDランプには、後述の過電圧報知LED1921及び低電力報知LED1922が含まれる。
【0010】
画像出力装置1は、ケーブル82を介してアダプタ92から電力が供給される。アダプタ92は、ケーブル81を介して商用電源91の端子(コンセント)などから電力の供給を受けていてもよい。
【0011】
図2は、本実施形態の画像出力装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
画像出力装置1は、CPU111(Central Processing Unit)と、メディアプロセッサ112と、HDMI制御回路113(HDMIは登録商標)と、記憶部12と、RAM13(Random Access Memory)と、入力部14と、操作受付部15と、投影部16(画像出力部)と、表示駆動部17と、冷却部18と、出力部19と、電力供給部20などを備える。
【0013】
CPU111は、投影部16による投影用画像データの加工処理や画像出力装置1の統括制御などを行うハードウェアプロセッサである。
【0014】
メディアプロセッサ112は、通信入力端子142を介して入力されたデータに基づいて表示出力用の画像データを生成するハードウェアプロセッサである。
【0015】
HDMI制御回路113は、HDMI端子141を介して入力されたデータをデコードして映像データと音声データとを分離し、メディアプロセッサ112から入力された画像データと同経路で出力する。
【0016】
記憶部12は、不揮発性メモリであり、表示制御プログラム121と、表示設定122などを記憶する。不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリであるが、HDD(Hard Disk Drive)なども不揮発性メモリに含まれてもよい。表示制御プログラム121は、入力された画像データ(映像データを含む)に基づいて画像を投影部16により投影させる動作に係る統括制御プログラムである。表示設定122には、予め定められた定型表示、例えば、起動時の表示、後述する入力電圧の異常を検出した場合における表示、出射光量の変化時などに表示される設定メニューなどのデータが含まれている。
【0017】
RAM13は、CPU111やメディアプロセッサ112などに作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAMは、例えば、DRAMなどである。RAM13は、画像処理用の部分と画像外の処理用の部分とが分離されていてもよい。
【0018】
入力部14は、外部機器と接続されて当該外部機器から入力されるデータを受信する。入力部14は、HDMI端子141と、通信入力端子142と、通信制御部143などを有する。HDMI端子141は、HDMI信号を受信するための端子である。通信入力端子142は、特には限られないが、例えば、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)などによりデータを受信する端子である。通信入力端子142は、有線接続に限られず、例えば、無線LANの通信アダプタなどを有していてもよい。
【0019】
通信制御部143は、上記の各端子からのそれぞれ通信規格に従ったデータの受信を制御して、受信データをRAM13に一時記憶させ、また、当該受信データをメディアプロセッサ112やHDMI制御回路113へ処理のために送る。通信制御部143は、各通信規格に係るドライバなどを有していてよい。
【0020】
操作受付部15は、ユーザなどの外部からの入力操作を受け付けて入力信号に変換し、当該入力信号をCPU111などに出力する。操作受付部15は、操作パネル15aに含まれる押しボタンスイッチなどが含まれていてよい。
【0021】
投影部16は、発光部161と、光学系162と、回転駆動部163と、回転モータ164などを備え、画像データに応じた光(投影光)を出射口16aから出射して画像を出力する。特に限られるものではないが、ここでは、発光部161は、赤色(R)LEDと、青色(B)LD(レーザーダイオード)とを有する(複数色の発光部)。青色LDの光は、回転駆動部163に駆動されて動作する回転モータ164により回転される散乱フィルタにより回転角度に応じてその一部が散乱され、緑色(G)に変換される。これにより得られたRGB3色の光は、光学系162で適宜な焦点位置となるように集光された後、デジタルミラーデバイス(DMD)によって画素単位で反射角度が制御されて出射口16aからの出射有無が切り替えられることにより、画像データに応じた光が出射される。
【0022】
表示駆動部17は、画像データに基づいて上記DMDの動作を制御する。
【0023】
冷却部18は、送風駆動部181と、送風モータ182とを備える。送風モータ182は、送風駆動部181に駆動されて動作して、送風用のファンを回転させる。ファンの回転により生じた風が、主に投影部16に生じる熱を筐体の送風孔などから排出させることで画像出力装置1を冷却する。
【0024】
出力部19は、投影部16による表示出力とは異なる報知動作を行う。出力部19は、音声出力部191と、LED動作部192(報知動作部)を有する。音声出力部191は、スピーカを有して種々の音声を出力可能であってもよいし、単純にビープ音などを出力するものであってもよい。LED動作部192は、操作パネル15aのLEDランプなどを点灯動作させる。ここでいう点灯動作には、予め定められたパターンでの断続的な点灯、すなわち、点滅動作も含まれていてよい。LEDランプは、上記の過電圧報知LED1921と、低電力報知LED1922とを含む。
【0025】
電力供給部20は、外部から入力される電力(入力電圧)を監視しながら、画像出力装置1(自機)の動作に係る各部にそれぞれ予め定められた電圧の電力を供給して、各々動作を可能とする。電力供給部20からの電力供給は、画像出力に係る画像系電力供給系統(投影部16を含む一部)と、画像出力外に係る画像外電力供給系統(一部以外)とに分けられる。画像系電力供給系統には、CPU111と、RAM13と、投影部16と、表示駆動部17と、冷却部18と、LED動作部192などが含まれる。画像外電力供給系統には、メディアプロセッサ112と、HDMI制御回路113と、入力部14と、音声出力部191などが含まれる。
【0026】
図3は、画像出力装置1の電力供給部20の構成を示す図である。
電力供給部20は、保護回路21と、遮断回路22と、電圧検出回路23と、分圧回路24(変圧部)と、セレクタ25と、定電圧生成回路26(第1供給部)、27(第2供給部)などを有する。
【0027】
保護回路21は、外部から過大な電流などが流入した場合に内部の構成を保護するための回路であり、例えば、過電流で切断されるヒューズや、サージなどを吸収する大型のキャパシタなどを有している。
【0028】
遮断回路22は、外部からの入力電圧が高すぎる場合に電圧検出回路23のCPU232の制御により供給を遮断する。遮断回路22は、アナログスイッチなどであってもよい。
【0029】
電圧検出回路23は、電力供給部20に入力された電力の電圧を複数の基準電圧とそれぞれ比較して各々比較結果を出力する監視回路231と、CPU232(制御部、コンピュータ)と、プログラム233などを有する。ここでは、基準電圧には、後述の基準電圧VtL1、VtL2、VtH1、VtH2、VtH3の5種類が含まれる。また、電圧検出回路23は、ハードウェアプロセッサであるCPU232(Central Processing Unit)を有する。CPU232は、監視回路231による比較結果に応じてアダプタ92(外部)から入力される電力が適切か否かを判定し、判定結果に応じて遮断回路22、セレクタ25、定電圧生成回路26、27の動作を定める。CPU232は、例えば、電圧検出制御に特化したマイコン(マイクロコンピュータ)などであってよく、あるいは、より汎用性の高いCPUを有していてもよいし、FPC(Flexible Printed Circuit)などであってもよい。
【0030】
分圧回路24は、電力供給部20に入力された電力の電圧を分圧して入力電圧をある割合(例えば、2/3)で低下させた電圧を出力する。分圧回路24の出力電圧は、電力供給部20への入力電圧が正規の電圧範囲よりも多少高くても正規の電圧範囲に変換することのできるものである。なお、分圧回路24は、後述のようにセレクタ25により選択されていない場合には、電圧低下動作を行わない(動作を停止する)構成を有するものであってもよい。
【0031】
セレクタ25は、電力供給部20に入力された電力、又は分圧回路24により分圧された電力を選択的に定電圧生成回路26へ出力する。セレクタ25の切り替えは、電圧検出回路23の制御によりおこなわれる。
【0032】
定電圧生成回路26、27は、入力された電力を予め定められた電圧に変換して出力し、各部へ供給する回路である。定電圧生成回路26には、アダプタ92から入力された電力又は上記セレクタ―25が出力する電力が選択的に入力されて、上述の画像系電力供給系統へ画像出力用の電圧(例えば、回転モータ164、送風モータ182などへの12V、及び発光部161、CPU111などへの5V又は3.3V)を供給する。定電圧生成回路27は、上述の画像外電力供給系統へ画像出力外の周辺の構成に動作電圧(例えば、3.3Vなど)を出力する。これら定電圧生成回路26、27は、各々独立に電力供給に係る動作が制御される。なお、本実施形態の画像出力装置1では、電力供給の有無とその電力の異常を示すLED(LED動作部192の少なくとも一部)には、これらとは更に別個に電力が供給可能とされる。
分圧回路24、セレクタ25、及び定電圧生成回路26、27が本発明の調整部を構成する。
【0033】
次に、画像出力装置1における入力電圧の監視動作について説明する。
画像出力装置1では、予め定められている適切な電力供給(電圧)がなされない場合(第1の基準範囲外)には、異常な電力供給であるものとして報知動作を行い、以降の通常動作を中止する。このとき、単純にLEDランプによる異常報知のみでは、ユーザが異常の理由を理解するのに時間を要したり理解しようとしなかったりする場合がある。画像出力装置1では、この報知動作として、可能な範囲(正常な第1の基準範囲外かつ投影部16の動作可能な第2の基準範囲)で投影部16により文字などによる表示を行うことで、ユーザが異常の理由を理解しやすくする。
図4は、入力電圧と基準電圧について説明する図である。
画像出力装置1では、アダプタ92から入力される電圧が基準電圧VtH1(第1の上限電圧)と基準電圧VtL1(第1の下限電圧)との間であれば、正常な電圧範囲RN(第1の基準範囲。定格電圧)である。正常な電圧範囲RNよりも高くなる側に順番に基準電圧VtH1、VtH2(第2の上限電圧)、VtH3が設定され、正常な電圧範囲よりも低くなる側に順番に基準電圧VtL1、VtL2(第2の下限電圧)が設定されている。
【0034】
基準電圧VtL2は、画像出力装置1が安定動作するのに必要な電圧であり、例えば、起動時に基準電圧VtL2以上の電圧が入力されないと、動作が開始されない。
【0035】
基準電圧VtH3は、画像出力装置1の故障防止に係る保証範囲の上限電圧であり、基準電圧VtH3以上の電圧が入力された場合には、遮断回路22により即座に電力供給が遮断される。
【0036】
基準電圧VtH2は、入力電圧が分圧回路24に入力された場合にその出力電圧が基準電圧VtH1と等しくなる電圧である。すなわち、基準電圧VtH1より大きく基準電圧VtH2以下の入力電圧の場合には、分圧回路24からの電力の入力に応じて定電圧生成回路26から投影部16などに電力が供給されることで、投影部16の動作が可能である(第2の基準範囲の上限側)。入力電圧が基準電圧VtH2より大きいと、分圧回路24を使用しても正常な範囲の電圧が定電圧生成回路26へ入力されない。
【0037】
基準電圧VtL1は、投影部16を正常かつ安定して動作させるために設定されている下限電圧である。基準電圧VtH1の分圧回路24からの出力電圧は、この基準電圧VtL1以上である。画像出力装置1では、基準電圧VtL1よりも低い電圧が入力されている場合には、投影部16による画像出力を行わない。また、無負荷でアダプタ92から出力される電圧自体は基準電圧VtL1以上であるが、各部の動作を開始すると、当該各部へ供給可能な電流が不足して入力電圧の低下が生じる場合がある。このような電力不足の場合には、画像出力装置1の動作を低減させることで入力電圧が基準電圧VtL1以上に復帰し得る。定電圧生成回路27からの電力供給を遮断して定電圧生成回路26からのみ電力を出力した場合に入力電圧が基準電圧VtL1以上を保つことができる場合(第2の基準範囲の下限側)には、定電圧生成回路27から電力が供給される各部の動作を停止させることで、投影部16を動作させることができる。
【0038】
基準電圧VtL1、VtL2の間の低電圧部分RL及び基準電圧VtH1~VtH3の間の高電圧部分RHでは、画像出力装置1が起動されるが、入力電圧が不適切であることを示す報知動作を行う。高電圧部分RHは、更に、基準電圧VtH1、VtH2間(投影部16の動作が可)の第1高電圧部分RH1と、基準電圧VtH2、VtH3間(投影部16の動作不可)の第2高電圧部分RH2とに分けられて、各々報知の態様が変化する。
低電圧部分RLは、定電圧生成回路27からの電力供給の遮断に応じて電圧が基準電圧VtH1以上となるか否かに応じて、基準電圧VtH1以上となる第1低電力部分RL1(投影部16の動作が可)と、基準電圧VtH1以上とならない第2低電力部分RL2(投影部16の動作が不可)とに分けられる。すなわち、第1高電圧部分RH1、正常な電圧範囲RN、及び第1低電力部分RL1が第2の基準範囲に含まれる。
【0039】
上記の各部の動作に応じて、例えば、基準電圧VtL1が14Vとされる。分圧回路24が電圧を2/3に低下させるものとして、基準電圧VtH1が21V、基準電圧VtH2は30Vとされ得る。LEDの点灯可能電圧などに基づいて、基準電圧VtH3は、例えば39Vであり、基準電圧VtL2は、10Vである。これらに応じて純正品のアダプタ92が出力する定格電圧は、例えば、19Vであってもよい。
【0040】
図5は、正常な電力供給時における画像出力装置1の起動動作について説明する図である。この
図5及び以下の
図6~
図9において、それぞれ最上段は、アダプタ92からの入力電圧を示す。2段目から6段目は、監視回路231において5つの基準電圧の入力が検出されたか否かをそれぞれ示す。Hはハイレベルであり、基準電圧の入力が検出されたことを示し、Lはローレベルであり、基準電圧の入力が検出されていないことを示す。すなわち、基準電圧が検出されたとは、入力電圧が当該基準電圧以上であることを意味する。7段目は、定電圧生成回路26から画像系電力供給系統への電力供給の有無をоn、оff及び「分圧」で示す。「分圧」とは、分圧回路24から出力された電力に基づいて画像系電力供給系統に電力を供給する場合である。8段目は、定電圧生成回路27から画像外電力供給系統への電力供給の有無を示す。最下段は、LED動作部192におけるLEDの点灯有無を示す。「過電圧」は過電圧報知LED1921の点灯を示し、「低電力」は低電力報知LED1922の点灯を示す。
【0041】
アダプタ92が画像出力装置1に接続されて、電源スイッチなどがオンされると、保護回路21のキャパシタ容量を含む各部の寄生容量などに応じた時間変化を伴って入力電圧が上昇する。ここでは、説明のために直線で入力電圧が上昇しているが、これに限るものではない。
【0042】
供給電力が上昇すると、順次基準電圧VtL2、VtL1より大きくなって、これらの基準電圧との比較結果がハイレベル「H」に変化する。入力電圧が正常な場合には、基準電圧VtH1よりも低い電圧で入力電圧の上昇が停止するので、監視回路231は、基準電圧VtH1、VtH2、VtH3との比較結果がローレベル「L」のままとなっている。
【0043】
アダプタ92からの入力電圧が基準電圧VtH3よりも大きい場合に、入力電圧が基準電圧VtH3に到達すると想定される時間より長い待機時間Twを設定し、基準電圧VtL2が検出されてからの経過時間が待機時間Twとなった時点で、上記5つの基準電圧との比較結果に基づいてセレクタ25、画像系電力出力に係る定電圧生成回路26、及び画像外電力の出力に係る定電圧生成回路27の動作が定められる。
【0044】
ここでは、経過時間が待機時間Twとなった時点で、基準電圧VtL1が検出されており、基準電圧VtH1が検出されていないので、正常な電圧範囲であることが分かる。したがって、過電圧報知LED1921及び低電力報知LED1922は点灯されない。また、これにより、セレクタ25が通常のまま定電圧生成回路26の出力がオンされて画像系電力出力が開始され、また、定電圧生成回路27の出力がオンされて画像外電力出力が開始される。
【0045】
図6は、基準電圧VtH3以上の電力供給における画像出力装置1の起動動作について説明する図である。
基準電圧VtH3以上の入力電圧があると、入力電圧の上昇に従って、基準電圧VtL2、VtL1、VtH1、VtH2、VtH3が順番に検出される。この場合、基準電圧VtH1の入力電圧が検出された時点で、入力電圧が過電圧であると定まるので、過電圧報知LED1921の点灯動作が開始される。そして、基準電圧VtH3が検出されると、故障や危険の抑制のために、経過時間が待機時間Twとなるまで待たずに即座に遮断回路22を動作させて、入力電圧が遮断される。遮断回路22が動作すると、過電圧報知LED1921や監視回路231にも電力が供給されずに、全てオフとなる。
【0046】
図7は、入力電圧が第2高電圧部分RH2の場合と、第2低電力部分RL2の場合における画像出力装置1の起動動作について説明する図である。
【0047】
入力電圧が第2高電圧部分RH2の場合には、
図7に直線で示しているように、基準電圧VtL2の検出から待機時間Twの間に、順番に基準電圧VtL1、VtH1、VtH2が検出される。基準電圧VtH1が検出されたタイミングで過電圧(不適切な電力)が入力されていることを意味する過電圧報知LED1921が点灯される(第2の報知動作)。待機時間Twが経過した後、入力電圧が第2高電圧部分RH2にあることが特定される。これにより、画像系電力出力及び画像外電力出力はいずれもなされない。
【0048】
入力電圧が第2低電力部分RL2の場合には、
図7に破線で示しているように、基準電圧がVtL2を検出してから待機時間Twの間に、基準電圧VtL1以上の各基準電圧がいずれも検出されない。待機時間Twが経過した後に、入力電圧が基準電圧VtL1未満であることが特定されて、第2低電力部分RL2となり、低電力(不適切な電力)が入力されていることを意味する低電力報知LED1922が点灯動作を開始する(第2の報知動作)。この場合にも、画像系電力出力及び画像外電力出力はいずれもなされない。
【0049】
図8は、入力電圧が第1高電圧部分RH1の場合における画像出力装置1の起動動作について説明する図である。
【0050】
基準電圧VtL2が検出されてから待機時間Twの間に、順番に基準電圧VtL1、VtH1が検出される。基準電圧VtH1が検出された時点で、過電圧報知LED1921の点灯動作が開始される。
【0051】
待機時間Twの経過後に、入力電圧が基準電圧VtH1、VtH2間であって第1高電圧部分RH1にあると分かる。この場合には、画像外電力出力が禁止され、また、セレクタ25が分圧回路24の出力電圧を出力するように切り替えられる。これにより、上記のように、分圧回路24の出力電圧は、基準電圧VtH1以下となる。この分圧回路24の出力電圧に基づいて画像系電力出力のみが定電圧生成回路26から出力される。入力部14が動作しないので、ユーザが所望の画像を出力することはできず、予め定められた過電圧警告画面AHが表示出力される(第1の報知動作)。この過電圧警告画面AHが表示出力されている間には、上記のように過電圧報知LED1921の点灯動作も併せて行われる。ここでいう「併せて」には、同時に開始される意味を有しない。
【0052】
図9は、入力される電力が不足している場合における画像出力装置1の起動動作について説明する図である。
無負荷でのアダプタ92の出力電圧は正常な範囲内であるが、画像出力装置1の各部(上記一部と一部以外の両方)に電力を供給すると供給可能な電流(電力)が不足して入力電圧の低下を生じる場合がある。
図9の実線及び破線でそれぞれ示すように、当初、正常な範囲の入力電圧であると判断されて、画像系電力出力と画像外電力出力がオンされた結果、電力不足で入力電圧が低下し、基準電圧VtL1を下回ると、即座に低電力報知LED1922が点灯される。また、一度オンされた画像外電力出力がオフ(一部以外への電力供給が停止)される。
【0053】
更に入力電圧が低下して基準電圧VtL2を下回る場合には、画像出力も困難であり、破線で示すように、画像系電力出力もオフされる。また、画像外電力出力がオフされても、入力電圧が基準電圧VtL1以上とならない場合にも、画像系電力出力がオフされる。これらの場合には、低電力報知LED1922の点灯動作(第2の報知動作)のみとなる。
【0054】
画像外電力出力がオフされて負荷が減少した結果、画像系電力出力がオンされてから復帰時間TRの間に入力電圧が基準電圧VtL1以上に復帰した場合には、この状態で画像系出力は可能なまま維持されて、低電力警告画面ALを表示出力させる(第1の報知動作)。この場合には、画像系電力出力先についても一部動作させなくてもよい。例えば、低電力警告画面ALの表示をRGBのうち一部の色の光(赤色など)でのみ行わせてもよい。上記のように、青色光の散乱で緑色波長の光を生成するのであれば、青色光を発光させない状態では、散乱用のフィルタを回転させるモータなども停止させてもよい。
【0055】
図10は、過電圧警告画面AH及び低電力警告画面ALの例を示す図である。
図10(a)に示すように、過電圧警告画面AHでは、使用されているアダプタ92が正常な電力範囲より高い電圧を供給している旨(入力されている電力が不適切である)を明示的に表示する。この画面には、また、正常な電力範囲が併せて示されていてもよい。
【0056】
図10(b)に示すように、低電力警告画面ALでは、使用されているアダプタ92の供給電力(電圧又は電流。ここでは電流)が不足している旨を明示的に表示する。この画面にも、正常な電力範囲が併せて示されていてもよい。
【0057】
これらのように、可能な範囲では、単にLED動作部192によるLEDの点灯だけではなく、文字で不適合の内容を明示することで、ユーザがマニュアルなどを確認しなくても容易に報知内容を知得することができる。供給電力が正常な範囲から大きく逸脱して、表示が可能な範囲ではない場合には、LED動作部192のみの動作で異常であることを報知し、問題が生じていることをユーザに知得させる。
【0058】
図11は、電圧検出回路23のCPU232が実行する画像出力装置1の起動制御処理の制御手順を示すフローチャートである。本実施形態の電力異常報知方法の含まれるこの起動制御処理は、CPU232の動作に必要な最低限の電力が供給されて起動されることで開始される。
【0059】
起動制御処理が開始されると、CPU232は、基準電圧VtL2が検出されたか否かを判別する(ステップS101)。基準電圧VtL2が検出されていないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、CPU232は、ステップS101の処理を繰り返す。
【0060】
基準電圧VtL2が検出されたと判別された場合には(ステップS101で“YES”)、CPU232は、待機時間Twの計数を開始する(ステップS102)。CPU232は、基準電圧VtH3が検出されたか否かを判別する(ステップS103)。基準電圧VtH3が検出されたと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU232は、遮断回路22を動作させてアダプタ92からの電力入力を遮断させる(ステップS151)。これにより、CPU232の動作が停止して、起動制御処理が終了する。
【0061】
基準電圧VtH3が検出されていないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU232は、基準電圧VtH1が検出されたか否かを判別する(ステップS104)。基準電圧VtH1が検出されたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU232は、過電圧報知LED1921をオンさせて点灯させる。また、CPU232は、セレクタ25に分圧回路24からの入力を選択させる(ステップS105)。それから、CPU232の処理は、ステップS106に移行する。
【0062】
基準電圧VtH1が検出されていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS106へ移行する。
【0063】
ステップS106の処理へ移行すると、CPU232は、計数時間が待機時間Tw以上となって、基準電圧VtL2の検出から待機時間Twが経過したか否かを判別する(ステップS106)。待機時間Twが経過していないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS103に戻る。
【0064】
待機時間Twが経過したと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU232は、基準電圧VtL1が検出されているか否かを判別する(ステップS107)。基準電圧VtL1が検出されていないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU232は、低電力報知LED1922をオンさせて点灯させる。また、CPU232は、セレクタ25に通常の入力を選択させる(ステップS141)。CPU232は、定電圧生成回路26、27からの電力出力をNG(不可)に定める(ステップS142)。そして、CPU232は、起動制御処理を終了する。なお、ステップS141の処理では、セレクタ25の選択は省略されてもよい。
【0065】
ステップS107の判別処理で、基準電圧VtL1が検出されていると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU232は、基準電圧VtH1が検出されているか否かを判別する(ステップS108)。基準電圧VtH1が検出されていると判別された場合には(ステップS108で“YES”)、CPU232は、基準電圧VtH2が検出されているか否かを判別する(ステップS111)。基準電圧VtH2が検出されていると判別された場合には(ステップS111で“YES”)、CPU232は、定電圧生成回路26、27からの電力出力をNG(不可)に定める(ステップS112)。そして、CPU232は、起動制御処理を終了する。
【0066】
基準電圧VtH2が検出されていないと判別された場合には(ステップS111で“NO”)、CPU232は、画像系出力に係る定電圧生成回路26による電力の出力を可能として、画像外出力に係る定電圧生成回路27による電力の出力を不可とする(ステップS121)。CPU232は、定電圧生成回路26からの電力供給に基づいて、過電圧警告画面AHを表示出力させる(ステップS122)。
【0067】
CPU232は、基準電圧VtH1を検出したか否かを判別する(ステップS123)。基準電圧VtH1を検出したと判別された場合には(ステップS123で“YES”)、CPU232は、起動制御処理を終了する。基準電圧VtH1を検出していないと判別された場合には(ステップS123で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS141へ移行する。すなわち、この場合には、定電圧生成回路26からの出力によって無視できない程度の電圧低下が生じたものであって、供給電力が過電圧であると同時に容量不足でもあり、過電圧報知LED1921と低電力報知LED1922とが同時に点灯する。ステップS122の処理で表示出された過電圧警告画面AHの表示は、ステップS142の処理で定電圧生成回路26からの電力の出力が不可とされることで消去される。
【0068】
ステップS108の判別処理で、基準電圧VtH1が検出されていないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU232は、セレクタ25に通常の入力電圧の入力を選択させる。また、CPU232は、定電圧生成回路26、27の電力出力を可能に定める(ステップS109)。
【0069】
CPU232は、各部への電力供給の開始に伴って、基準電圧VtL1が検出されたか否かを判別する(ステップS110)。検出されたと判別された場合には(ステップS110で“YES”)、CPU232は、起動制御処理を終了する。この場合には、引き続き通常の表示動作に移行する。
【0070】
基準電圧VtL1が検出されていないと判別された場合には(ステップS110で“NO”)、CPU232は、低電力報知LED1922をオンさせて点灯させる(ステップS131)。CPU232は、基準電圧VtL2が検出されているか否かを判別する(ステップS132)。基準電圧VtL2が検出されていないと判別された場合には(ステップS132で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS142へ移行する。
【0071】
基準電圧VtL2が検出されていると判別された場合には(ステップS132で“YES”)、CPU232は、一度可能にした画像外出力に係る定電圧生成回路27の出力をNG(不可)に切り替える(ステップS133)。CPU232は、基準電圧VtL1が検出されたか否かを判別する(ステップS134)。検出されていないと判別された場合には(ステップS134で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS142へ移行する。
【0072】
基準電圧VtL1が検出されたと判別された場合には(ステップS134で“YES”)、CPU232は、低電力警告画面ALを表示出力させる(ステップS135)。そして、CPU232は、起動制御処理を終了する。
以上の各処理のうち、ステップS122、S135が本発明の電力異常報知方法における第1報知ステップ(プログラム233の第1報知手段)を構成し、ステップS105、S131、S141が本発明の電力異常報知方法における第2報知ステップ(プログラム233の第2報知手段)を構成する。
【0073】
なお、正常に起動せずに起動制御処理が終了した場合には、ユーザが一度電力供給をオフしたうえで適切なアダプタ92に交換して、再度、起動させればよい。
【0074】
図12は、正常に起動した後に実行される電力監視制御処理のCPU232による制御手順を示すフローチャートである。この電力監視制御処理も本発明の電力異常報知方法に含まれてよい。電力監視制御処理は、正常起動後に表示制御動作と並列に起動されて、異常が検出されない限り継続的に実行される。
【0075】
電力監視制御処理が開始されると、CPU232は、基準電圧VtH3が検出されたか否かを判別する(ステップS201)。基準電圧VtH3が検出されたと判別された場合には(ステップS201で“YES”)、CPU232は、遮断回路22を動作させて電力の入力を遮断させる(ステップS251)。これにより、電力の入力がなくなって、CPU232の動作が終了し、電力監視制御処理も終了する。
【0076】
基準電圧VtH3が検出されていないと判別された場合には(ステップS201で“NO”)、CPU232は、基準電圧VtL1が検出されたか否かを判別する(ステップS202)。基準電圧VtL1が検出されていないと判別された場合には(ステップS202で“NO”)、CPU232は、低電力報知LED1922をオンさせて点灯させる(ステップS231)。
【0077】
CPU232は、基準電圧VtL2が検出されたか否かを判別する(ステップS232)。基準電圧VtL2が検出されていないと判別された場合には(ステップS232で“NO”)、CPU232は、定電圧生成回路26、27の電力出力をNG(不可)に切り替える(ステップS242)。そして、CPU232は、電力監視制御処理を終了する。
【0078】
基準電圧VtL2が検出されたと判別された場合には(ステップS232で“YES”)、CPU232は、画像外出力に係る定電圧生成回路27の電力出力をNG(不可)に切り替える(ステップS233)。CPU232は、基準電圧VtL1が検出されたか否かを判別する(ステップS234)。基準電圧VtL1が検出されたと判別された場合には(ステップS234で“YES”)、CPU232は、低電力警告画面ALを表示出力させる(ステップS235)。そして、CPU232は、電力監視制御処理を終了する。基準電圧VtL1が検出されていないと判別された場合には(ステップS234で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS242に移行する。
【0079】
ステップS202の判別処理で、基準電圧VtL1が検出されたと判別された場合には(ステップS202で“YES”)、CPU232は、基準電圧VtH1が検出されたか否かを判別する(ステップS203)。基準電圧VtH1が検出されていないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、CPU232の処理は、ステップS201に戻る。この場合には、入力電圧に異常がないと判別されていることになる。
【0080】
基準電圧VtH1が検出されたと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、CPU232は、過電圧報知LED1921をオンさせて点灯させる。CPU232は、セレクタ25に分圧回路24からの入力を選択設定させる(ステップS204)。
【0081】
CPU232は、基準電圧VtH2が検出されたか否かを判別する(ステップS205)。基準電圧VtH2が検出されたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU232は、定電圧生成回路26、27による電力の出力をいずれもNG(不可)に切り替える(ステップS211)。そして、CPU232は、電力監視制御処理を終了する。
【0082】
基準電圧VtH2が検出されていないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、CPU232は、画像外出力に係る定電圧生成回路27の電力出力をNG(不可)に切り替える(ステップS221)。CPU232は、過電圧警告画面AHを表示出力させる(ステップS222)。CPU232は、基準電圧VtH1を検出したか否かを判別する(ステップS223)。基準電圧VtH1を検出したと判別された場合には(ステップS223で“YES”)、CPU232は、電力監視制御処理を終了する。基準電圧VtH1を検出していないと判別された場合には(ステップS223で“NO”)、CPU232は、低電力報知LED1922をオンさせて点灯させる(ステップS241)。それから、CPU232の処理は、ステップS242へ移行する。
【0083】
以上のように、本実施形態の画像出力装置1は、画像を出力する投影部16と、報知動作を行うLED動作部192と、外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部(分圧回路24、セレクタ25及び定電圧生成回路26、27)と、電圧検出回路23のCPU232と、を備える。CPU232は、入力されている電力が正常な電圧範囲RN内になく、かつ当該正常な電圧範囲RNよりも広く、前記投影部16の動作可否に係る第2の基準範囲(正常な電圧範囲RN、第1高電圧部分RH1、及び第1低電力部分RL1)内である場合には、調整部に投影部16へ電力供給を行わせて、入力されている電力が不適切であることを投影部16により表示させる第1の報知動作を行わせる。このように、アダプタ92が適切ではなく、入力される電力に異常がある場合、即座に入力を遮断したり、投影部16の動作を中止させたりするのではなく、可能な範囲で投影部16によりアダプタ92が不適合であることを文字などで表示させることで、ユーザがアダプタ92の不適合を容易に知得することができる。したがって、ユーザが原因に気づかないまま使い続けようとしたり、マニュアルなどを調べて原因を知得する時間と手間をかけたりする必要がなくなる。したがって、この画像出力装置1では、よりユーザに分かりやすく不適切な電力供給を報知することができ、よって、ユーザが速やかにアダプタ92を適切なものに交換して安全確実に画像を出力させることが可能になる。
【0084】
また、CPU232は、入力されている電力が第2の基準範囲外である場合には、投影部16による画像の出力を禁止して、入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作をLED動作部192により行わせる。
このように、投影部16による投影が困難な場合には、LED動作部192により低消費電力で報知動作を行わせることで、全く報知ができない状態を避けることができる。
【0085】
また、調整部は、入力される電力の入力電圧を低下させる分圧回路24を有し、CPU232は、入力電圧が正常な電圧範囲RNの上限である基準電圧VtH1よりも高く、かつ第2の基準範囲の上限である基準電圧VtH2以下である場合には、分圧回路24を介して低下させた電圧を投影部16に供給する。入力電圧が正常の電圧範囲RNよりやや高い場合には、このように電圧を低下させてから入力させることで、定電圧生成回路26を正常に動作させ、これにより適切な電力を投影部16に供給することができ、投影部16などの劣化や故障を誘発するのを避けることができる。これにより、アダプタ92の不適合を速やかにユーザに知得させることができ、分圧回路24の動作などに余計な電力消費なども抑制することができる。
【0086】
また、第2の基準範囲の上限電圧である基準電圧VtH2は、当該基準電圧VtH2が分圧回路24により低下された場合に基準電圧VtH1以下である。これにより、画像出力装置1では、投影部16により正常に異常の報知を行うことができる。特に、基準電圧VtH2のを低下させた電圧が基準電圧VtH1と等しく定められることで、可能な限り広い電圧幅で投影部16により異常を報知することが可能になって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0087】
また、調整部は、投影部16を含む一部に電力供給を行う定電圧生成回路26と、当該一部以外に対して電力供給を行う定電圧生成回路27と、を有する。CPU232は、定電圧生成回路26、27のいずれもが電力供給を行う場合に、入力される電力の入力電圧が正常な電圧範囲RNの下限である基準電圧VtL1よりも低くなる場合には、定電圧生成回路27による電力供給を停止させ、当該停止により入力電圧が基準電圧VtL1以上となる場合には、投影部16により第1の報知動作を行わせる。
このように、不適合なアダプタ92からの電流不足により電圧低下が生じたとき、画像出力装置1の一部の動作を停止させて負荷を低減させることで、投影部16の動作が可能に入力電圧を上昇させることが可能な場合がある。このような場合には、定電圧生成回路27からの電力供給を遮断して、定電圧生成回路26から投影部16の動作を可能にしてアダプタ92の不適合を表示出力させることで、ユーザに容易にアダプタ92の不適合を知得させることができる。
【0088】
また、投影部16は、複数色の発光部161を有し、CPU232(CPU111)は、定電圧生成回路27による電力供給を停止させて第1の報知動作を行わせる場合には、複数色の発光部161のうち一部(例えば、赤色Rのみ)により第1の報知動作を行わせる。これにより、定電圧生成回路26の側の負荷も低下するので、投影部16により第1の報知動作を行わせることのできる可能性がより高くなり、アダプタ92の不適合をよりユーザに知得させやすくすることができる。
【0089】
また、定電圧生成回路26、27のいずれもが電力供給を行う場合に、入力電圧が基準電圧VtL1よりも低い基準電圧VtL2よりも低くなる場合には、定電圧生成回路26、27による電力供給をいずれも停止させて、LED動作部192による第2の報知動作を行わせる。このように負荷により入力電圧が著しく低下する場合には、投影部16による第1の報知動作は困難と判断として低電力報知LED1922による報知動作だけに留める。すなわち、アダプタ92の容量不足で動作が不安定な場合に無理して投影部16を動作させないこととして、投影部16や各部に不具合が生じるのを抑制することができる。
【0090】
また、CPU232は、投影部16による第1の報知動作を行わせる場合に、LED動作部192による第2の報知動作を併せて行わせる。LEDランプなどの負荷の小さい報知動作は、投影部16よりも速やかに動作可能になるので、知識のあるユーザが画像出力装置1を見ている場合には、速やかにアダプタ92の不適合を知得させて、早期に電力供給を遮断させることができる。また、特にアダプタ92の電力容量不足の場合には、投影部16を点灯させてから入力電圧が基準電圧VtL1を下回る場合もある。このような場合、予め異常状態であることを報知し始めておくことで、なるべくユーザに異常の報知ができない状態で時間を経過させない。
【0091】
また、報知動作を行うLED動作部192は、過電圧報知LED1921と低電力報知LED1922とを有し、これらを予め定められたパターンで点灯させることで第2の報知動作を行う。LEDは、最低限の電流で点灯するので、投影部16を動作させられない場合でも広い不適合の範囲にわたってユーザに異常の報知を行うことができる。また、LEDでの報知動作では、点灯色だけでは情報が少ないので、点灯パターンを定めておくことで、情報量を増加させることができる。
【0092】
また、画像の出力は、投影光を出射する投影部16により行われる。投影部16を有する投影装置(プロジェクタ)は、会議室、教室や講堂などに持ち運ばれて多様な場所で利用され得るので、異常が発生したときに手元にマニュアルがない場合も多いにあり得る。この画像出力装置1のように、可能な限り投影部16によりアダプタ92の不適合を明示させることで、ユーザにより確実かつ速やかにアダプタ92の不適合を知得させることができる。
【0093】
また、本実施形態の電力異常報知方法は、入力されている電力が正常な電圧範囲RN内になく、かつこの正常な電圧範囲RNよりも広く、投影部16の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、調整部に投影部16へ電力供給を行わせて、入力されている電力が不適切であることを投影部16により表示させる第1の報知動作を行わせる第1報知ステップを含む。このように、可能な限りアダプタ92の不適合を投影部16により明示させることで、この電力異常報知方法では、よりユーザに分かりやすく不適切な電力供給を報知することができる。
【0094】
また、本実施形態のプログラム233は、上記電力異常報知方法に係る制御動作をCPU232に実行させることができる。よって、このようなユーザに分かりやすい報知動作を専用のハードウェア構成を介さずに汎用のプロセッサ(CPU)により容易に実行させることができる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1高電圧部分RH1と第1低電力部分RL1のいずれの場合でも第1の報知動作が可能な構成を有するものとして説明したが、これに限られない。例えば、画像出力装置1が分圧回路24を有さず、第1高電圧部分RH1がなくてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、基準電圧VtH1より大きい電圧が入力された場合に分圧回路24を介して供給電圧を低下させるものとして説明したが、定電圧生成回路26が直接降圧可能であってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、基準電圧VtH1が分圧回路24で低下された場合に基準電圧VtL1と等しくなり、基準電圧VtH2が分圧回路24で低下された場合に基準電圧VtH1と等しくなるものとして説明したが、これに限られない。第1高電圧部分RH1の電圧が低下されて正常な電圧範囲RNに収まるように定められてさえいればよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、電力供給部20が2つの定電圧生成回路26、27を有するものとして説明したが、単一の定電圧生成回路であってもよいし、3つ以上の定電圧生成回路を有していてもよい。また、画像出力装置1の動作負荷の低減は、定電圧生成回路27からの電力供給の有無の切替によりなされなくてもよい。個々の負荷(構成)の動作有無が個別に切り替えられてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態では、発光部161が赤色を発光するLEDと、青色を発光するLDとを有するものとして説明したが、これに限られるものではない。RGB3色を各々発光するものであってもよい。また、白色光を出力可能であってもよい。また、電力容量不足で第1の報知動作を行う場合でも、発光動作させる色数を減少させなくてもよい。反対に、過電圧で第1の報知動作を行う場合にも、一部の色の発光動作のみが行われてもよい。
【0100】
また、アダプタ92の容量不足や出力電圧不足で入力電圧が基準電圧VtL1に達しない場合であっても、発光強度(輝度)を低下させれば表示が可能な場合などには、投影部16を動作させて第1の報知動作が行われてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、投影部16による第1の報知動作の有無によらずLED動作部192による第2の報知動作がなされることとして説明したが、これらの動作は排他的であってもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、別個の過電圧報知LED1921と低電力報知LED1922とを有するLED動作部192について説明したが、共通のLEDが異なる発光パターンで報知動作を行うものであってもよい。また、単一のLEDではなく、複数のLEDの点灯動作の組合せであってもよい。
【0103】
また、第2の報知動作は、LEDにより行われる場合に限られない。低消費電力で動作するものであればよく、例えば、小さい液晶表示画面、例えば、セグメント方式の液晶表示画面に異常の種別を示す数字などが表示可能であってもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、画像出力装置1として、投影部16を備える投影装置(プロジェクタ)であるものとして説明したが、これに限られない。外部から画像データと電力の供給を受けて画像を表示する装置であれば、表示画面を有するディスプレイ装置などであってもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、アダプタ92から電力が供給されるものとして説明したが、適宜な直流電力を供給可能な構成から入力される電力であれば、上記実施の形態で示した内容と同一の処理がなされ得る。また、アダプタ92は、商用電源91から電力供給されている必要もない。
【0106】
また、以上の説明では、本発明の供給電力の異常監視制御に係るプログラム233を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリ、HDDなどの不揮発性メモリなどを例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、MRAMなどの他の不揮発性メモリや、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0108】
[付記]
<請求項1>
画像を出力する画像出力部と、
外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる
画像出力装置。
<請求項2>
報知動作を行う報知動作部を備え、
前記制御部は、前記入力されている電力が前記第2の基準範囲外である場合には、前記画像出力部による画像の出力を禁止して、前記入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作を前記報知動作部により行わせる請求項1記載の画像出力装置。
<請求項3>
前記調整部は、前記入力される電力の入力電圧を低下させる変圧部を有し、
前記制御部は、前記入力電圧が前記第1の基準範囲の第1の上限電圧よりも高く、かつ前記第2の基準範囲内である場合には、前記変圧部を介して低下させた電圧を前記画像出力部に供給する
請求項1又は2記載の画像出力装置。
<請求項4>
前記第2の基準範囲の第2の上限電圧は、当該第2の上限電圧が前記変圧部により低下された場合に前記第1の上限電圧以下である請求項3記載の画像出力装置。
<請求項5>
前記調整部は、前記画像出力部を含む一部に電力供給を行う第1供給部と、当該一部以外に対して電力供給を行う第2供給部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1供給部及び前記第2供給部のいずれもが前記電力供給を行う場合に、前記入力される電力の入力電圧が前記第1の基準範囲の第1の下限電圧よりも低くなる場合には、前記第2供給部による前記電力供給を停止させ、
当該停止により前記入力電圧が前記第1の下限電圧以上となる場合には、前記第1の報知動作を行わせる
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像出力装置。
<請求項6>
前記画像出力部は、複数色の発光部を有し、
前記制御部は、前記第2供給部による電力供給を停止させて前記第1の報知動作を行わせる場合には、前記複数色の発光部のうち一部により前記第1の報知動作を行わせる
請求項5記載の画像出力装置。
<請求項7>
報知動作を行う報知動作部を備え、
前記制御部は、
前記入力されている電力が前記第2の基準範囲外である場合には、前記画像出力部による画像の出力を禁止して、前記入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作を前記報知動作部により行わせ、
前記第1供給部及び前記第2供給部のいずれもが前記電力供給を行う場合に、前記入力電圧が前記第1の下限電圧よりも低い第2の下限電圧よりも低くなる場合には、前記第1供給部及び前記第2供給部による前記電力供給をいずれも停止させて、前記第2の報知動作を行わせる
請求項5又は6記載の画像出力装置。
<請求項8>
報知動作を行う報知動作部を備え、
前記制御部は、前記第1の報知動作を行わせる場合に、前記入力されている電力が不適切であることを意味する第2の報知動作を前記報知動作部により併せて行わせる請求項1~7のいずれか一項に記載の画像出力装置。
<請求項9>
前記報知動作部は、LEDランプを有し、前記LEDランプを予め定められたパターンで点灯させることで前記第2の報知動作を行う
請求項2、7、8のいずれか一項に記載の画像出力装置。
<請求項10>
前記画像出力部は、投影光を出射する投影部である請求項1~9のいずれか一項に記載の画像出力装置。
<請求項11>
画像を出力する画像出力部と、外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、を備える画像出力装置へ入力される電力の異常を報知する電力異常報知方法であって、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる第1報知ステップ
を含む電力異常報知方法。
<請求項12>
画像を出力する画像出力部と、外部から入力される電力に基づいて各部への電力供給を行う調整部と、を備える画像出力装置のコンピュータを、
入力されている電力が正常な範囲を示す第1の基準範囲内になく、かつ当該第1の基準範囲よりも広く、前記画像出力部の動作可否に係る第2の基準範囲内である場合には、前記調整部に前記画像出力部へ電力供給を行わせて、前記入力されている電力が不適切であることを前記画像出力部により表示させる第1の報知動作を行わせる第1報知手段
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0109】
1 画像出力装置
111 CPU
112 メディアプロセッサ
113 HDMI制御回路
12 記憶部
121 表示制御プログラム
122 表示設定
13 RAM
14 入力部
141 HDMI端子
142 通信入力端子
143 通信制御部
15 操作受付部
15a 操作パネル
16 投影部
16a 出射口
161 発光部
162 光学系
163 回転駆動部
164 回転モータ
17 表示駆動部
18 冷却部
181 送風駆動部
182 送風モータ
19 出力部
191 音声出力部
192 LED動作部
1921 過電圧報知LED
1922 低電力報知LED
20 電力供給部
21 保護回路
22 遮断回路
23 電圧検出回路
231 監視回路
232 CPU
233 プログラム
24 分圧回路
25 セレクタ
26、27 定電圧生成回路
81、82 ケーブル
92 アダプタ
AH 過電圧警告画面
AL 低電力警告画面
TR 復帰時間
Tw 待機時間
VtH1~VtH3、VtL1、VtL2 基準電圧