(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014944
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】男性用パンツ
(51)【国際特許分類】
A41B 9/02 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A41B9/02 C
A41B9/02 G
A41B9/02 Q
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117470
(22)【出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】520250718
【氏名又は名称】嶋田 弘久
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 弘久
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA02
3B128EB09
3B128EB31
3B128EC08
3B128EC12
(57)【要約】
【課題】お年寄りであっても前開き部より容易に陰茎を取り出すことのできる男性用パンツの提供。
【解決手段】男性用パンツ1は、パンツ本体2の前面部にそれぞれ異なる側の側部に前開き用切り欠き部10を有する一対の腹当て布部3,3を備え、両腹当て布部3,3が重ね合わされ、両前開き用切り欠き部間10,10に開閉自在な前開き部11が形成され、少なくとも一方の前開き用切り欠き部10の縁部に変形可能且つ保形性を有する保形用ワイヤ12が一体化されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンツ本体の前面部にそれぞれ異なる側の側部に前開き用切り欠き部を有する一対の腹当て布部を備え、該両腹当て布部が重ね合わされ、前記両前開き用切り欠き部間に開閉自在な前開き部が形成されている男性用パンツにおいて、
少なくとも一方の前記前開き用切り欠き部の縁部に変形可能且つ保形性を有する保形用ワイヤが一体化されていることを特徴とする男性用パンツ。
【請求項2】
前記腹当て布部は、伸縮性を有する布材によって形成されている請求項1に記載の男性用パンツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にブリーフ等の前開き部を有する男性用パンツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、男性用パンツは、前面に前開き部を備え、小便の際にこの前開き部より陰茎を取り出し、用を足すことができるようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種の男性用パンツは、化学繊維からなる伸縮性を有する布地を持って構成され、パンツ本体の前面部中央にそれぞれ側部に前開き用切り欠き部を有する一対の腹当て布部が重ね合わされ、両前開き用切り欠き部間に前開き部が形成されている。
【0004】
この前開き部は、各前開き用切り欠き部の縁部を掴み、両前開き用切り欠き部の縁部を広げることによって開くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、伸縮性を有する布地によって形成されたブリーフ等の場合、開いた前開き部が布地の伸縮性によって元の状態に復帰して閉じてしまうため、お年寄りが陰茎を前開き部より取り出す際に手間取り、失禁してしまう場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、お年寄りであっても前開き部より容易に陰茎を取り出すことのできる男性用パンツの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、パンツ本体の前面部にそれぞれ異なる側の側部に前開き用切り欠き部を有する一対の腹当て布部を備え、該両腹当て布部が重ね合わされ、前記両前開き用切り欠き部間に開閉自在な前開き部が形成されている男性用パンツにおいて、少なくとも一方の前記前開き用切り欠き部の縁部に変形可能且つ保形性を有する保形用ワイヤが一体化されていることにある。
【0009】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記腹当て布部は、伸縮性を有する布材によって形成されていることにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る男性用パンツは、請求項1の構成を具備することによって、用を足す際に前開き部を開いた状態で維持することができ、お年寄りが慌てずに陰茎を前開き部より取り出すことができる。
【0011】
また、本発明において、請求項2の構成を具備することによって、伸縮性を有する布材で構成されていても意に反して前開き部が閉じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る男性用パンツの一例を示す正面図である。
【
図5】同上の男性用パンツの前開き部を開いた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る男性用パンツの実施態様を
図1~
図5に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中1は男性用パンツである。
【0014】
男性用パンツ1は、
図1に示すように、化学繊維等からなる伸縮性を有する布材によって構成され、下腹部に装着されるパンツ本体2の前面中央に互いに重ねられた一対の腹当て布部3,3を備えている。
【0015】
パンツ本体2は、下腹部の臀部側を覆う後面布部4と、下腹部の前面側を覆う前面布部5とを備え、前面布部5と後面布部4との側部及び下端部が逢着等によって一体化され、上端部に穿き口6が形成されるとともに、下部両側にそれぞれ裾口7,7が形成されている。
【0016】
穿き口6には、伸縮自在な腰ゴム8が逢着され、下腹部に装着した際に腰ゴム8によって腰部に密着するようになっている。
【0017】
前面布部5は、両側に配置された左右の前側部布部5a,5bと、左右の両前側部布部5a,5b間にステッチ9,9を介して一対の腹当て布部3,3が逢着されている。
【0018】
各腹当て布部3,3は、
図3に示すように、化学繊維等からなる伸縮性を有する布材によって構成され、互いに異なる側の側部に前開き用切り欠き部10が形成され、この前開き用切り欠き部10を除く側縁部がステッチ9,9を介して左右の前側部布部5a,5bの縁部及び裾口7,7にそれぞれ逢着され、互いに重ね合わされ、両前開き用切り欠き部10,10間に前開き部11が形成される。
【0019】
前開き用切り欠き部10は、
図4に示すように、縁部が筒状のワイヤ保持部10aを備え、ワイヤ保持部10aの内部に沿って保形用ワイヤ12が挿入され、保形用ワイヤ12が前開き用切り欠き部10の縁部と一体化されている。
【0020】
保形用ワイヤ12は、ステンレスワイヤ等の変形可能(可塑性)且つ保形性を有する線材によって構成され、前開き用切り欠き部10の縁部に追従して変形し、且つ、前開き用切り欠き部10の形状を一定に保つことができるようになっている。
【0021】
尚、保形用ワイヤ12の態様は、上述のステンレスワイヤに限定されず、変形可能且つ保形成を有するものであればよく、例えば、合成樹脂製のものであってもよく、ワイヤを合成樹脂材によって挟んだ所謂ビニタイのようなものであってもよい。
【0022】
また、保形用ワイヤ12の形状は、線状のものに限定されず、例えば、薄板帯状であってもよい。
【0023】
このように構成された男性用パンツ1は、
図5に示すように、用を足す際、前開き用切り欠き部10の縁部を掴んで前開き部11を押し開くと、前開き用切り欠き部10の縁部に一体化された保形用ワイヤ12の保形性によって、前開き部11が閉じることなく、開いた状態で維持されるので、容易に陰茎を取り出すことができる。
【0024】
よって、お年寄りが用を足す際、慌てることなく陰茎を取り出すことができ、失禁等を防止することができる。
【0025】
また、用を足し終わったら、前開き用切り欠き部10の縁部を掴んで基に位置に戻すことによって、
図1に示す状態に復帰し、前開き部11が閉じるようになっている。
【0026】
尚、上述の実施例では、ブリーフ型のパンツについて説明したが、男性用パンツ1の形状はこれに限定されず、例えば、トランクス型やボクサーパンツ型のものにも適用することができる。
【0027】
また、上述の実施例では、主な使用者としてお年寄りを挙げて説明したが、使用者はお年寄りに限定されるものではなく、例えば、障害者にも有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 男性用パンツ
2 パンツ本体
3 腹当て布部
4 後面布部
5 前面布部
6 穿き口
7 裾口
8 腰ゴム
9 ステッチ
10 前開き用切り欠き部
11 前開き部
12 保形用ワイヤ
【手続補正書】
【提出日】2021-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンツ本体の前面部にそれぞれ異なる側の側部に前開き用切り欠き部を有する一対の腹当て布部を備え、該両腹当て布部が重ね合わされ、前記両前開き用切り欠き部間に開閉自在な前開き部が形成されている男性用パンツにおいて、
少なくとも一方の前記前開き用切り欠き部の縁部に可塑性を有し変形可能且つ保形性を有する保形用ワイヤが一体化されていることを特徴とする男性用パンツ。
【請求項2】
前記腹当て布部は、伸縮性を有する布材によって形成されている請求項1に記載の男性用パンツ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にブリーフ等の前開き部を有する男性用パンツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、男性用パンツは、前面に前開き部を備え、小便の際にこの前開き部より陰茎を取り出し、用を足すことができるようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種の男性用パンツは、化学繊維からなる伸縮性を有する布地を持って構成され、パンツ本体の前面部中央にそれぞれ側部に前開き用切り欠き部を有する一対の腹当て布部が重ね合わされ、両前開き用切り欠き部間に前開き部が形成されている。
【0004】
この前開き部は、各前開き用切り欠き部の縁部を掴み、両前開き用切り欠き部の縁部を広げることによって開くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、伸縮性を有する布地によって形成されたブリーフ等の場合、開いた前開き部が布地の伸縮性によって元の状態に復帰して閉じてしまうため、お年寄りが陰茎を前開き部より取り出す際に手間取り、失禁してしまう場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、お年寄りであっても前開き部より容易に陰茎を取り出すことのできる男性用パンツの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、パンツ本体の前面部にそれぞれ異なる側の側部に前開き用切り欠き部を有する一対の腹当て布部を備え、該両腹当て布部が重ね合わされ、前記両前開き用切り欠き部間に開閉自在な前開き部が形成されている男性用パンツにおいて、少なくとも一方の前記前開き用切り欠き部の縁部に可塑性を有し変形可能且つ保形性を有する保形用ワイヤが一体化されていることにある。
【0009】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記腹当て布部は、伸縮性を有する布材によって形成されていることにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る男性用パンツは、請求項1の構成を具備することによって、用を足す際に前開き部を開いた状態で維持することができ、お年寄りが慌てずに陰茎を前開き部より取り出すことができる。
【0011】
また、本発明において、請求項2の構成を具備することによって、伸縮性を有する布材で構成されていても意に反して前開き部が閉じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る男性用パンツの一例を示す正面図である。
【
図5】同上の男性用パンツの前開き部を開いた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る男性用パンツの実施態様を
図1~
図5に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中1は男性用パンツである。
【0014】
男性用パンツ1は、
図1に示すように、化学繊維等からなる伸縮性を有する布材によって構成され、下腹部に装着されるパンツ本体2の前面中央に互いに重ねられた一対の腹当て布部3,3を備えている。
【0015】
パンツ本体2は、下腹部の臀部側を覆う後面布部4と、下腹部の前面側を覆う前面布部5とを備え、前面布部5と後面布部4との側部及び下端部が逢着等によって一体化され、上端部に穿き口6が形成されるとともに、下部両側にそれぞれ裾口7,7が形成されている。
【0016】
穿き口6には、伸縮自在な腰ゴム8が逢着され、下腹部に装着した際に腰ゴム8によって腰部に密着するようになっている。
【0017】
前面布部5は、両側に配置された左右の前側部布部5a,5bと、左右の両前側部布部5a,5b間にステッチ9,9を介して一対の腹当て布部3,3が逢着されている。
【0018】
各腹当て布部3,3は、
図3に示すように、化学繊維等からなる伸縮性を有する布材によって構成され、互いに異なる側の側部に前開き用切り欠き部10が形成され、この前開き用切り欠き部10を除く側縁部がステッチ9,9を介して左右の前側部布部5a,5bの縁部及び裾口7,7にそれぞれ逢着され、互いに重ね合わされ、両前開き用切り欠き部10,10間に前開き部11が形成される。
【0019】
前開き用切り欠き部10は、
図4に示すように、縁部が筒状のワイヤ保持部10aを備え、ワイヤ保持部10aの内部に沿って保形用ワイヤ12が挿入され、保形用ワイヤ12が前開き用切り欠き部10の縁部と一体化されている。
【0020】
保形用ワイヤ12は、ステンレスワイヤ等の変形可能(可塑性)且つ保形性を有する線材によって構成され、前開き用切り欠き部10の縁部に追従して変形し、且つ、前開き用切り欠き部10の形状を一定に保つことができるようになっている。
【0021】
尚、保形用ワイヤ12の態様は、上述のステンレスワイヤに限定されず、変形可能且つ保形成を有するものであればよく、例えば、合成樹脂製のものであってもよく、ワイヤを合成樹脂材によって挟んだ所謂ビニタイのようなものであってもよい。
【0022】
また、保形用ワイヤ12の形状は、線状のものに限定されず、例えば、薄板帯状であってもよい。
【0023】
このように構成された男性用パンツ1は、
図5に示すように、用を足す際、前開き用切り欠き部10の縁部を掴んで前開き部11を押し開くと、前開き用切り欠き部10の縁部に一体化された保形用ワイヤ12の保形性によって、前開き部11が閉じることなく、開いた状態で維持されるので、容易に陰茎を取り出すことができる。
【0024】
よって、お年寄りが用を足す際、慌てることなく陰茎を取り出すことができ、失禁等を防止することができる。
【0025】
また、用を足し終わったら、前開き用切り欠き部10の縁部を掴んで基に位置に戻すことによって、
図1に示す状態に復帰し、前開き部11が閉じるようになっている。
【0026】
尚、上述の実施例では、ブリーフ型のパンツについて説明したが、男性用パンツ1の形状はこれに限定されず、例えば、トランクス型やボクサーパンツ型のものにも適用することができる。
【0027】
また、上述の実施例では、主な使用者としてお年寄りを挙げて説明したが、使用者はお年寄りに限定されるものではなく、例えば、障害者にも有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 男性用パンツ
2 パンツ本体
3 腹当て布部
4 後面布部
5 前面布部
6 穿き口
7 裾口
8 腰ゴム
9 ステッチ
10 前開き用切り欠き部
11 前開き部
12 保形用ワイヤ