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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149490
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】点検管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220929BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051684
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 剛
(72)【発明者】
【氏名】江川 栄治
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】点検項目の漏れを防止することができる点検管理システムを提供する。
【解決手段】点検管理システム1は、建設機械等10の点検項目を作成する点検項目作成部53を有する施工管理サーバ50と、点検項目作成部53で作成した点検項目を施工管理サーバ50から受信し、点検結果を施工管理サーバ50に送信する携帯端末20と、建設機械等10の稼働情報を含む管理情報を管理し、施工管理サーバ50の要求に応じて管理情報を施工管理サーバ50に送信する情報管理サーバ60とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械と建設機材との点検情報を管理する点検管理システムであって、
前記建設機械と前記建設機材との稼働情報を含む管理情報に基づき、前記建設機械と前記建設機材との点検項目を作成する点検項目作成部を有する施工管理サーバと、
前記点検項目作成部で作成した点検項目を前記施工管理サーバから受信し、点検結果を前記施工管理サーバに送信する携帯端末と、
を備えることを特徴とする点検管理システム。
【請求項2】
前記管理情報を管理し、前記施工管理サーバの要求に応じて前記管理情報を前記施工管理サーバに送信する情報管理サーバを更に備え、
前記点検項目作成部は、前記情報管理サーバから受信した前記管理情報の有無を判断し、前記管理情報があると判断した場合、前記情報管理サーバから受信した前記管理情報を前記建設機械と前記建設機材との点検項目の作成に用い、前記管理情報がないと判断した場合には、入力された点検項目を前記点検項目の作成に用いる請求項1に記載の点検管理システム。
【請求項3】
前記点検項目作成部は、点検項目のうち重要項目の有無を判断し、重要項目があると判断した場合にその重要項目に他の点検項目と区別するための識別情報を付加する請求項1又は2に記載の点検管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械と建設機材との点検情報を管理する点検管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の点検管理システムとして、例えば下記特許文献1に記載されるものが知られている。特許文献1に記載の点検管理システムは、建設機械の点検結果を入力して送信可能な携帯情報送受信機と、建設機械に対して遠隔地に設けられて携帯情報送受信機からの情報を受信する受信装置とを備えている。そして、建設機械を点検する際に、点検者が携帯情報送受信機を使ってメーカーのセンタサーバから点検表を取得した上で、点検作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-325060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の点検管理システムでは、メーカーのセンタサーバに格納された点検表を使うため、施工現場の作業状況に対応し難く、点検項目の漏れが生じやすい問題がある。すなわち、施工現場では油圧ショベル、ダンプトラック、クレーン等多種類の建設機械を用いる場合が多く、これら全種類の建設機械の点検表が全てメーカーのセンタサーバに格納されるとは限らない。
【0005】
また、施工現場では建設機械のほか、空気圧縮機やポンプ等の建設機材を用いる場合も多いが、上記メーカーのセンタサーバには建設機材の点検表が格納されていない。このため、点検者がセンタサーバに格納されていない建設機械と建設機材との点検表を改めて作成する必要があり、人為ミス等による点検項目の漏れが発生する可能性がある。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明は、点検項目の漏れを防止することができる点検管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る点検管理システムは、建設機械と建設機材との点検情報を管理する点検管理システムであって、前記建設機械と前記建設機材との稼働情報を含む管理情報に基づき、前記建設機械と前記建設機材との点検項目を作成する点検項目作成部を有する施工管理サーバと、前記点検項目作成部で作成した点検項目を前記施工管理サーバから受信し、点検結果を前記施工管理サーバに送信する携帯端末と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る点検管理システムでは、施工管理サーバの点検項目作成部は、建設機械と建設機材との稼働情報を含む管理情報に基づいて建設機械と建設機材との点検項目を作成するので、従来のように建設機械と建設機材との点検表を改めて作成する必要がなくなり、人為ミス等による点検項目の漏れを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、点検項目の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る点検管理システムを示す概略構成図である。
図2】携帯端末を示す概略構成図である。
図3】情報管理サーバから管理情報を取得する制御処理を示すフローチャートである。
図4】点検項目を作成する制御処理を示すフローチャートである。
図5】点検項目作成画面の一例を示す図である。
図6】携帯端末において点検作業を実施する制御処理を示すフローチャートである。
図7】点検作業入力画面の一例を示す図である。
図8】点検作業の結果を示す画面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明に係る点検管理システムの実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。
【0012】
図1は実施形態に係る点検管理システムを示す概略構成図である。本実施形態の点検管理システム1は、建設機械と建設機材等(以下、建設機械等という)10の点検情報、より具体的には建設機械等10の点検項目及び点検結果等を管理するためのシステムであって、点検者が持つ携帯端末20と、モバイルネットワーク30及びインターネット40を介して携帯端末20と接続される施工管理サーバ50と、インターネット40を介して施工管理サーバ50と接続される情報管理サーバ60とを備えている。
【0013】
建設機械等10のうち、建設機械としては、例えば掘削機械、積込機、運搬機械、クレーン、荷役機械、基礎工事用機械、せん孔機械、トンネル工事用機械、モータグレーダ、路盤用機械、締固め機械、コンクリート機械、舗装機械、道路維持用機械等が挙げられる。一方、建設機材としては、例えば空気圧縮機、ポンプ、電気機器、変圧器(トランス)、発動発電機、ウインチ等が挙げられる。
【0014】
図2は携帯端末を示す概略構成図である。携帯端末20は、CPU(Central Processing Unit)21と、CPU21とそれぞれ電気的に接続される送信部22、受信部23、ディスプレイ24及びメモリ25とを備えている。ディスプレイ24は、点検者の入力や選択等の操作を受ける操作機能と、情報を表示する表示機能とを有する。従って、点検者は、ディスプレイ24に表示された操作キーを操作することで情報等を要求したり点検結果を入力したりできるとともに、ディスプレイ24に表示された情報を確認することができる。
【0015】
携帯端末20として、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)などが挙げられる。携帯端末20は、点検者に携帯され、建設機械等10の点検等の際に使用されている。本実施形態において、携帯端末20は、上述のようにモバイルネットワーク30及びインターネット40を介して施工管理サーバ50と接続されているが、インターネット40を介して施工管理サーバ50と直接接続されても良い。そして、点検者は、携帯端末20を介して施工管理サーバ50から建設機械等10の点検項目を取得できるとともに、取得した点検項目毎に点検結果を入力し、入力した点検結果を施工管理サーバ50に送信することができる。
【0016】
施工管理サーバ50は、点検管理システム1を構成するメインのコンピュータであり、施工現場作業状況の管理を始め、施工現場に用いられる建設機械等10の点検項目及び点検結果等を集中管理している。施工現場作業状況には、例えば施工現場の地形状況、施工計画の状況、作業の進捗状況、作業員の配置状況等が含まれている。
【0017】
この施工管理サーバ50は、例えば演算を実行するCPUと、演算のためのプログラムを記憶した二次記憶装置としてのROM(Read Only Memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によって算出や判断などの処理を行う。具体的には、施工管理サーバ50は、サーバアプリケーション51とデータベース(DB)52とを有する。
【0018】
また、この施工管理サーバ50は、インターネット40を介して情報管理サーバ60と接続されており、情報管理サーバ60に格納された管理情報を取得できるように構成されている。
【0019】
情報管理サーバ60は、建設機械等10の稼働情報を含む管理情報を管理するものである。例えば、この情報管理サーバ60は、いわゆる施工現場データ交換規格に基づくデータ辞書を有するものであり、API(Application Programming Interface)61とデータベース(DB)62とを有する。データベース62には、建設機械等10の管理情報を含むデータ辞書が格納されている。管理情報として、建設機械の場合は建設機械に備え付けられたアワーメータ、建設機械の稼働時間及び燃料残量、車体アラーム等の稼働情報が挙げられており、建設機材の場合はそれらの機器の稼働時間及び燃料残量等の情報が挙げられる。
【0020】
また、この情報管理サーバ60は、施工管理サーバ50からの要求に応じて、データベース62に記憶された管理情報を施工管理サーバ50に送信できるように構成されている。
【0021】
以下、図3を参照して施工管理サーバ50が情報管理サーバ60から建設機械等10の管理情報を取得する制御処理を説明する。図3に示す制御処理は、所定の周期(例えば1日1回)で繰り返し自動的に行われている。
【0022】
まず、ステップS101では、施工管理サーバ50はインターネット40を介して情報管理サーバ60に接続される。本実施形態では、施工管理サーバ50がデータ取得の際に情報管理サーバ60に接続されるが、これに限らず、施工管理サーバ50が情報管理サーバ60と常に接続されている状態であっても良い。
【0023】
ステップS101に続くステップS102では、管理情報に関する最新データがあるか否かが判断される。このとき、施工管理サーバ50は、管理情報について自分のデータベース52に格納されたデータを基に、情報管理サーバ60に格納されたデータと比較することにより、最新データがあるか否かを判断する。
【0024】
より具体的には、例えば施工管理サーバ50は、掘削機械について自分のデータベース52に格納された管理情報のデータが情報管理サーバ60に格納されて対応したデータと異なるか否かを判断する。異なった場合、情報管理サーバ60に最新データがあると判断し、同じであった場合、情報管理サーバ60に最新データがないと判断する。
【0025】
そして、最新データがないと判断された場合、制御処理は終了する。一方、最新データがあると判断された場合、制御処理はステップS103に進み、最新データの取得及び格納が行われる。このとき、施工管理サーバ50は、情報管理サーバ60から最新データを取得し、取得した最新データをデータベース52に格納させる。ステップS103が終わると、一連の制御処理は終了する。
【0026】
図1に示すように、サーバアプリケーション51は、点検項目作成部53を有する。点検項目作成部53は、建設機械等10の稼働情報を含む管理情報に基づいて、建設機械等10の点検項目を作成する。また、点検項目作成部53は、施工管理サーバ50に格納された管理情報の有無を判断し、管理情報があると判断した場合、その管理情報を取得して建設機械等10の点検項目の作成に用いる。更に、点検項目作成部53は、作成した点検項目のうち重要項目の有無を判断し、重要項目があると判断した場合にその重要項目に他の点検項目と区別するための識別情報を付加する。
【0027】
ここで、図4を参照して点検項目作成部53が点検項目を作成する制御処理を説明する。
【0028】
まず、ステップS201では、点検対象の入力が行われる。このとき、例えば現場監督者や管理者が、工事現場に用いられる建設機械等10のうち、特定の掘削機械を点検対象として選択して点検項目作成部53に入力する。点検項目作成部53への入力は、例えば点検項目作成部53に表示された操作キー等を介して行われる。
【0029】
ステップS201に続くステップS202では、ステップS201で選択した掘削機械について管理情報があるか否かが判断される。このとき、点検項目作成部53は、ステップS201で入力された点検対象(ここでは、掘削機械)の識別番号や型番等に基づき、該点検対象に関する管理情報がデータベース52にあるか否かを判断する。
【0030】
管理情報があると判断された場合、制御処理はステップS203に進む。ステップS203では、点検項目作成部53は、データベース52に格納された管理情報のデータを読み込む。
【0031】
ステップS203に続くステップS204では、点検項目の入力が行われる。このとき、点検項目作成部53は、ステップS203で読み込んだ管理情報のデータを点検項目の作成に用いる。すなわち、ステップS203で読み込んだ管理情報のデータが自動的に点検項目として入力される。一方、管理情報以外の点検項目については、現場監督者や管理者によって点検項目作成部53に入力される。
【0032】
一方、ステップS202で管理情報がないと判断された場合、制御処理はステップS204に進む。このとき、現場監督者や管理者に対して点検対象に関する点検項目の入力を要求し、現場監督者や管理者はその要求に応じて点検項目作成部53に入力する。
【0033】
ステップS204に続くステップS205では、入力された点検項目について重要項目があるか否かが判断される。このとき、点検項目作成部53は、例えば予めインストールされた重要項目基準に基づいて、ステップS204で入力された点検項目の中に重要項目があるか否かを判断する。重要項目は、作業現場の状況や作業内容によって予め定められるものであり、例えば、作業現場が市街地から離れた場所で燃料補給に時間を要する場合には、燃料残量を重要項目に設定し、高温の場所で作業を行う場合には、ラジエータ液を重要項目に設定する。また作業負荷が高い作業では、エンジンオイルの劣化が激しいため、エンジンオイルを重要項目に設定する等である。
【0034】
ステップS205で重要項目があると判断された場合、制御処理はステップS206に進む。ステップS206では、点検項目作成部53は、その重要項目に他の点検項目と区別するための識別情報を付加する。本実施形態では、点検項目作成部53は、重要項目に重要フラグを付与することで他の点検項目と区別する。なお、区別するための識別情報を付加する手法として、重要フラグ付与の他に、目印の付加や色付けを用いても良い。
【0035】
ステップS206に続くステップS207では、点検項目の保存が行われる。このとき、点検項目作成部53は、点検対象の点検項目を点検表等の形でデータベース52に格納させる。
【0036】
一方、ステップS205で重要項目がないと判断された場合、制御処理はステップS207に進み、点検項目の保存が行われる。このとき、点検項目作成部53は、ステップS204で入力された点検項目を点検表等の形でデータベース52に格納させる。
【0037】
ステップS207が終わると、点検項目作成に関する一連の制御処理は終了する。
【0038】
点検項目作成部53によって作成された点検項目の例として、例えば図5に示すものがある。図5に示すように、点検項目は点検表の形で表示されている。上述したように点検対象が掘削機械であるため、「分類」の欄には掘削機械が記載されている。また、点検表には、掘削機械の「登録番号」、「対象機械」及び「担当者」の欄も設けられている。ここでの「担当者」は、すなわち点検項目を作成した監督者又は管理者である。
【0039】
また、点検表では、点検対象の「カテゴリ」として車体、エンジン、フロント等に分けられており、それぞれに対応する「点検項目」、「管理情報」、重要項目を示す「重要」の欄も設けられている。
【0040】
車体の点検項目として、アワーメータ、稼働時間、燃料残量、及び車体アラームが記載されている。これらの車体の点検項目は、管理情報として上記ステップS203で読み込まれてステップS204で自動的に入力されたものである。そして、対応する「管理情報」の欄にチェックが入れられている。
【0041】
また、エンジンの点検項目として、エンジンオイル、ラジエータ液、ファンベルト、及び油圧オイルが記載されている。フロントの点検項目として、アーム外観が記載されている。エンジンの点検項目及びフロントの点検項目は、管理情報ではないので、上記ステップS204で現場監督者や管理者によって入力されたものである。
【0042】
更に、図5に示すように、点検項目のうち、車体に関する燃料残量及び車体アラームと、エンジンに関するエンジンオイル、ラジエータ液、ファンベルト及び油圧オイルは、重要項目として上記ステップS206で重要フラグが付与されたため、対応する「重要」の欄にそれぞれチェックが入れられている。
【0043】
次に、図6を参照して携帯端末における点検作業を実施する制御処理を説明する。図6に示す制御処理は、例えば点検者が携帯端末20への入力操作によって開始される。
【0044】
まず、ステップS301では、施工管理サーバ50への接続が行われる。このとき、携帯端末20は、モバイルネットワーク30及びインターネット40を介して施工管理サーバ50に接続される。本実施形態では、携帯端末20が例えば建設機械等10を点検する際に施工管理サーバ50に接続されるが、これに限らず、携帯端末20が施工管理サーバ50と常に接続されている状態であっても良い。
【0045】
ステップS301に続くステップS302では、点検対象の選択が行われる。このとき、点検者が例えばディスプレイ24に表示された建設機械等10の識別番号をタップすることにより点検対象(ここでは、掘削機械)を選択する。すると、携帯端末20のCPU21は、送信部22を介して選択された点検対象の点検項目を施工管理サーバ50に要求する。
【0046】
ステップS302に続くステップS303では、点検項目の取得が行われる。このとき、携帯端末20は、施工管理サーバ50から送信された点検項目(例えば、図5に示すもの)を取得する。更に、CPU21は、取得された点検項目に基づいて点検作業入力画面を作成し、作成した点検作業入力画面をディスプレイ24に表示させる。
【0047】
図7は携帯端末20のディスプレイ24に表示される点検作業入力画面の一例を示す図である。図7に示すように、点検作業入力画面では、図5と同様な「カテゴリ」、「点検項目」、「管理情報」及び「重要」の欄に加えて、「点検結果」及び「備考」の欄が更に設けられている。そして、「点検結果」としては、「異常なし」と「修繕要」を選択できるようになっている。
【0048】
ステップS303に続くステップS304では、点検結果の入力が行われる。このとき、点検者は、図7に示す点検作業入力画面に記載された掘削機械の点検項目に沿って順番に点検作業を行いながら、その点検結果を点検項目毎に入力する。
【0049】
ステップS304に続くステップS305では、点検結果の送信が行われる。具体的には、点検作業が終了した後、CPU21が図8に示す点検作業の結果(すなわち、点検結果)を送信部22を介して施工管理サーバ50に送信する。これによって、点検作業に関する一連の制御処理が終了する。なお、携帯端末20から点検結果が送信されると、施工管理サーバ50は、その点検結果をデータベース52に格納させて管理する。
【0050】
図8は点検作業の結果を示す画面である。図7と比べて、図8では点検項目一部のしか表示されていないが、実際の点検作業においては図7に示す全ての点検項目が表示される。そして、各点検項目に対応した点検結果がそれぞれ入力される。図8の「点検結果」の欄に記載された「異常無し」又は「修繕要」は、点検者の選択によって入力された結果である。
【0051】
一方、「点検結果」の欄に記載された「未点検」は、「異常なし」及び「修繕要」ともに選択されなかった場合の結果である。この場合、点検者が対応する「備考」欄にその詳細内容を入力することが好ましい。このようにすれば、未点検の原因等を容易に把握できるので、点検項目の漏れを確実に防止することができる。
【0052】
本実施形態に係る点検管理システム1では、施工管理サーバ50の点検項目作成部53は、建設機械等10の稼働情報を含む管理情報に基づいて建設機械等10の点検項目を作成するので、従来のように建設機械等の点検表を改めて作成する必要がなくなり、人為ミス等による点検項目の漏れを防止することができる。その結果、建設機械等10が不健全や不安全な状態のまま稼働することを防止できるので、事故の発生による施工作業の遅延や費用損失を防ぐことができる。
【0053】
また、点検項目作成部53は、施工管理サーバ50に格納された管理情報の有無を判断し、管理情報があると判断した場合、その管理情報を取得して建設機械等10の点検項目の作成に用いる。この場合、建設機械等10の管理情報が点検項目として自動的に入力されるので、点検項目の漏れを確実に防止できるとともに、点検項目入力の手間を削減することができる。
【0054】
更に、点検項目作成部53は、点検項目のうち重要項目の有無を判断し、重要項目があると判断した場合にその重要項目に他の点検項目と区別するための識別情報を付加する。このようにすれば、該点検項目が重要であることを点検者に気付かせて、点検項目の漏れと点検作業の不備を確実に防止することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0056】
1 点検管理システム
10 建設機械等
20 携帯端末
30 モバイルネットワーク
40 インターネット
50 施工管理サーバ
51 サーバアプリケーション
52 データベース
53 点検項目作成部
60 情報管理サーバ
61 API
62 データベース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8