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特開2022-149515情報システム、情報処理方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149515
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報システム、情報処理方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051718
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】599136142
【氏名又は名称】三菱HCキャピタル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】藤井 進
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 克之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】提供者において必要となる情報をより容易に取得すること。
【解決手段】本発明の一態様は、享受者又は享受関係者によって操作される第1端末と、提供者又は提供関係者によって操作される第2端末と、を含む情報システムであって、第1端末は、メイン情報を生成する情報生成部と、メイン情報の一部又は全部と、第2端末を示すフロー情報の一部又は全部が、フロー情報において次に処理を行うと定義された第2端末へ届くように処理を行う第1情報受渡し部と、を備え、第2端末は、メイン情報の一部又は全部とフロー情報の一部又は全部を受信する受信部と、サブ情報を少なくとも取得する情報取得部と、フロー情報において次に処理を行うと定義された他の第2端末が存在する場合には、サブ情報の一部又は全部を他の第2端末へ届くように処理を行う第2情報受渡し部と、を備える、情報システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物又はサービスを享受し又は他者に作業を指示する享受者、又は前記享受者の関係者である享受関係者によって操作される第1端末と、前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供し又は前記享受者の指示に応じて前記作業を行う提供者、又は前記提供者の関係者である提供関係者によって操作される第2端末と、を含む情報システムであって、
前記第1端末は、
前記享受者の属性に関する享受者属性情報を含むメイン情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部によって生成された前記メイン情報の一部又は全部と、前記メイン情報に含まれる情報に基づいて処理を行う第2端末を示すフロー情報の一部又は全部が、前記フロー情報において次に処理を行うと定義された第2端末へ届くように処理を行う第1情報受渡し部と、を備え、
前記第2端末は、
前記メイン情報の一部又は全部と前記フロー情報の一部又は全部を受信する受信部と、
受信された前記メイン情報の一部又は全部に基づいて処理が行われることによって生成されるサブ情報を少なくとも取得する情報取得部と、
前記フロー情報において次に処理を行うと定義された他の第2端末が存在する場合には、前記情報取得部において取得されたサブ情報の一部又は全部を前記他の第2端末へ届くように処理を行う第2情報受渡し部と、を備える、情報システム。
【請求項2】
前記第2端末は、
前記メイン情報の一部又は全部を、前記提供者又は前記提供関係者に出力する出力部と、
前記提供者又は前記提供関係者から前記サブ情報に関する情報の入力を受け付ける入力部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記メイン情報と、前記サブ情報と、前記フロー情報と、を記憶する記憶部をさらに備える、請求項1又は2に記載の情報システム。
【請求項4】
前記メイン情報は、前記享受者が享受する物又はサービスに関する情報又は前記作業に関する情報である対象情報をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報システム。
【請求項5】
前記メイン情報に含まれる前記享受者属性情報と前記提供者に関する情報と前記対象情報とを、前記享受者又は前記享受関係者と前記提供者又は前記提供関係者との間で前記物又は前記サービスに関して交わされた契約を示す契約情報として記憶する契約情報記憶部をさらに備える、請求項4に記載の情報システム。
【請求項6】
前記契約情報は、前記提供者が前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供する意思表示と、前記享受者前記物又は前記サービスの提供を受ける意思表示と、が合致した契約であることを示す、請求項5に記載の情報システム。
【請求項7】
前記契約情報は、前記提供者が前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供する意思表示と、前記提供者が前記物又は前記サービスについて前記享受者へ支払を求める費用について前記享受者が支払う意思表示と、が合致した契約であることを示す、請求項5に記載の情報システム。
【請求項8】
物又はサービスを享受し又は他者に作業を指示する享受者、又は前記享受者の関係者である享受関係者によって操作される第1端末と、前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供し又は前記享受者の指示に応じて前記作業を行う提供者、又は前記提供者の関係者である提供関係者によって操作される第2端末と、を含む情報システムが実行する情報処理方法であって、
前記第1端末が、前記享受者の属性に関する享受者属性情報を含むメイン情報を生成する情報生成ステップと、
前記第1端末が、前記情報生成ステップにおいて生成された前記メイン情報の一部又は全部と、前記メイン情報に含まれる情報に基づいて処理を行う第2端末を示すフロー情報の一部又は全部が、前記フロー情報において次に処理を行うと定義された第2端末へ届くように処理を行う第1情報受渡しステップと、
前記第2端末が、前記メイン情報の一部又は全部と前記フロー情報の一部又は全部を受信する受信ステップと、
前記第2端末が、受信された前記メイン情報の一部又は全部に基づいて処理が行われることによって生成されるサブ情報を少なくとも取得する情報取得ステップと、
前記フロー情報において次に処理を行うと定義された他の第2端末が存在する場合には、前記情報取得ステップにおいて取得されたサブ情報の一部又は全部を前記他の第2端末へ届くように処理を行う第2情報受渡しステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物又はサービスの享受及び提供において用いられる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物やサービスの提供が様々な態様で行われている。例えば、物又はサービスを享受しようとする者(以下「享受者」という。)は、インターネット等のネットワークを介して情報をやりとりすることによって、希望する内容を相手に伝えることができる。一方で、物又はサービスを提供しようとする者(以下「提供者」という。)は、インターネット等のネットワークを介して情報を取得することができる。
また単一であったサービスは、複数のサービスが組み合わさり1つのサービスとなるようなエコシステムとそのサービス提供(異業種連携型サービス)の形が変化している。さらに個人情報保護の世界的な強化から、自分の情報の使い方において自らの判断でその扱い方が決められること(自身のアクセスコントロール)などが重要な要因となっている。
【0003】
このような情報のやりとりでは、一般的にサーバー&クライアント型のシステムが構築されることが多い。例えば、旅行の提供においては、サーバーを設けることによって情報をやりとりする仕組みが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2019-517188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サーバー&クライアント型で構築されたシステムでは、各享受者及び各提供者において入出力される情報を一元的にサーバーで管理する必要が生じる。そのため、より多くの者が関与するような異業種連携型サービスのような場合には、享受者から提供者へ必要な情報を渡すことや、提供者から享受者に対しより満足度の高い提供を行うことが難しい場合があった。
上記事情に鑑み、本発明は、提供者において必要となる情報をより容易に取得することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物又はサービスを享受し又は他者に作業を指示する享受者、又は前記享受者の関係者である享受関係者によって操作される第1端末と、前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供し又は前記享受者の指示に応じて前記作業を行う提供者、又は前記提供者の関係者である提供関係者によって操作される第2端末と、を含む情報システムであって、前記第1端末は、前記享受者の属性に関する享受者属性情報を含むメイン情報を生成する情報生成部と、前記情報生成部によって生成された前記メイン情報の一部又は全部と、前記メイン情報に含まれる情報に基づいて処理を行う第2端末を示すフロー情報の一部又は全部が、前記フロー情報において次に処理を行うと定義された第2端末へ届くように処理を行う第1情報受渡し部と、を備え、前記第2端末は、前記メイン情報の一部又は全部と前記フロー情報の一部又は全部を受信する受信部と、受信された前記メイン情報の一部又は全部に基づいて処理が行われることによって生成されるサブ情報を少なくとも取得する情報取得部と、前記フロー情報において次に処理を行うと定義された他の第2端末が存在する場合には、前記情報取得部において取得されたサブ情報の一部又は全部を前記他の第2端末へ届くように処理を行う第2情報受渡し部と、を備える、情報システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記第2端末は、前記メイン情報の一部又は全部を、前記提供者又は前記提供関係者に出力する出力部と、前記提供者又は前記提供関係者から前記サブ情報に関する情報の入力を受け付ける入力部と、をさらに備える。
【0008】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記メイン情報と、前記サブ情報と、前記フロー情報と、を記憶する記憶部をさらに備える。
【0009】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記メイン情報は、前記享受者が享受する物又はサービスに関する情報又は前記作業に関する情報である対象情報をさらに含む。
【0010】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記メイン情報に含まれる前記享受者属性情報と前記提供者に関する情報と前記対象情報とを、前記享受者又は前記享受関係者と前記提供者又は前記提供関係者との間で前記物又は前記サービスに関して交わされた契約又は自身のデータアクセスコントロールにおける意思を示す契約情報として記憶する契約情報記憶部をさらに備える。
【0011】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記契約情報は、前記提供者が前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供する意思表示と、前記享受者前記物又は前記サービスの提供を受ける意思表示と、が合致した契約であることを示す。
【0012】
本発明の一態様は、上記の情報システムであって、前記契約情報は、前記提供者が前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供する意思表示と、前記提供者が前記物又は前記サービスについて前記享受者へ支払を求める費用について前記享受者が支払う意思表示と、が合致した契約であることを示す。
【0013】
本発明の一態様は、物又はサービスを享受し又は他者に作業を指示する享受者、又は前記享受者の関係者である享受関係者によって操作される第1端末と、前記物又は前記サービスを前記享受者に対して提供し又は前記享受者の指示に応じて前記作業を行う提供者、又は前記提供者の関係者である提供関係者によって操作される第2端末と、を含む情報システムが実行する情報処理方法であって、前記第1端末が、前記享受者の属性に関する享受者属性情報を含むメイン情報を生成する情報生成ステップと、前記第1端末が、前記情報生成ステップにおいて生成された前記メイン情報の一部又は全部と、前記メイン情報に含まれる情報に基づいて処理を行う第2端末を示すフロー情報の一部又は全部が、前記フロー情報において次に処理を行うと定義された第2端末へ届くように処理を行う第1情報受渡しステップと、前記第2端末が、前記メイン情報の一部又は全部と前記フロー情報の一部又は全部を受信する受信ステップと、前記第2端末が、受信された前記メイン情報の一部又は全部に基づいて処理が行われることによって生成されるサブ情報を少なくとも取得する情報取得ステップと、前記フロー情報において次に処理を行うと定義された他の第2端末が存在する場合には、前記情報取得ステップにおいて取得されたサブ情報の一部又は全部を前記他の第2端末へ届くように処理を行う第2情報受渡しステップと、を有する、情報処理方法である。
【0014】
本発明の一態様は、上記の情報システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、提供者において必要となる情報をより容易に取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の情報システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】管理装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】情報システム100において使用される対象情報の具体例を示す図である。
図4】全体のフローを示すフロー情報の具体例を示す図である。
図5】履歴情報記録装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図6】端末装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図7】全体のフローのうち最初のノード80に相当する端末装置30である第1端末の処理を含む処理の流れを示すシーケンスチャートである。
図8】全体のフローのうち第1端末とは異なる端末装置30である第2端末の処理を含む処理の流れを示すシーケンスチャートである。
図9】全体のフローのうち第1端末とは異なる端末装置30である第2端末の処理を含む処理の流れを示すシーケンスチャートである。
図10】端末装置30において履歴情報記録装置20に記録されている情報の提供を受ける際の処理の流れを示すシーケンスチャートである。
図11】情報処理装置70のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
[概略]
まず、本発明の具体例(情報システム)の概略について説明する。本発明の情報システムでは、物又はサービスを享受する享受者と、物又はサービスを提供する提供者と、の間で必要となる情報が送受信される。情報が送受信される際には、提供者が享受者に対して物やサービスを提供するに当たって必要となる情報が含まれる情報(以下「対象情報」という。)が送受信される。
【0018】
対象情報には、例えば、享受者の属性に関する情報(以下「享受者属性情報」という。)が含まれる。対象情報は、享受者や、享受者の関係者である享受関係者(例えば享受者の親族や同じ法人に勤務する者や代理人(法定代理人を含む)など)によって操作される端末装置(第1端末)から送信される。
【0019】
送信された対象情報は、提供者や、提供者の関係者である提供関係者(例えば提供者から発注を受ける者や、提供者に代わって提供を行う者や、代理人(法定代理人を含む)など)によって操作される端末装置(第2端末)によって受信される。提供者及び提供関係者は、享受者の属性情報を取得することによって、より享受者の属性に応じた物を選択して提供したり、より享受者の属性に応じた内容のサービスを提供したりすることが可能となる。
【0020】
本発明の情報システムでは、このような対象情報が、サーバーやデータベースによって管理されるのではなく、予め構築されたフロー情報に応じて各端末装置から次の端末装置へ届くように処理が行われる。各端末装置には、その端末装置の操作者として想定されている者において必要となる情報が対象情報として受信される。また、各端末装置では、その端末装置の操作者として想定されている者によって行われた処理や作業の成果として、新たな対象情報が生成される。そして、新たな対象情報のうち必要な情報が、フロー情報に応じた次の端末装置へ送信される。このように、端末装置から端末装置へ必要な情報、例えば宛先や契約、意思表示(自身のアクセスコントロール)、値そのものが送受信されていく。そのため、各提供者において、必要となる情報をより容易に取得することが可能となる。
【0021】
本発明の情報システムでは、各端末装置において成果として生成された対象情報は、履歴情報記録装置において記録される。そのため、各端末装置の操作者として想定されている者において行われた処理や作業の成果を事後に確認することができる。また、対象情報には、享受者と提供者との間で行われた契約に関連する情報が含まれてもよい。このように構成されることで、例えば請求される費用に関する情報や、サービスが提供された日時と場所などを事後に確認することができる。
【0022】
例えば、情報システムを用いて享受者が旅行を申し込む場合、享受者は端末装置を操作することによって旅行の日時や訪問場所や宿泊先等の属性情報を入力することで初期の対象情報を生成する。初期の対象情報に基づいて、1又は複数の端末装置に、対象情報が送信される。例えば、自宅最寄りの駅から宿泊先最寄りの駅までの移動に用いられる鉄道会社の端末装置と、駅から宿泊先の旅館までの移動に用いられるタクシー会社の端末装置と、宿泊先の旅館の端末装置と、へ対象情報が送信される。鉄道会社では、対象情報に含まれる情報に基づいて電車の座席の予約が行われ、タクシー会社では、対象情報に含まれる情報に基づいてタクシーの予約が行われる。宿泊先の旅館の端末装置において、宿泊当日に用いられる食材が入力されると、入力された情報を含む対象情報が、食事のレシピのコンサルティング会社の端末装置へ送信される。コンサルティング会社の端末装置では、食材に基づいてレシピを考案し、考案されたレシピを示す情報が端末装置に入力され、レシピを示す情報を含む対象情報が旅館の端末装置へ送信される。このような処理が情報システムにおいて行われることによって、各提供者において必要となる情報がより容易に取得され、享受者に対してより好ましい態様で物やサービスの提供が行われる。
【0023】
[詳細]
次に、本発明の具体例の詳細について説明する。図1は、本発明の情報システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報システム100は、管理装置10、履歴情報記録装置20及び複数の端末装置30を備える。図1の例では、情報システム100はn台(nは1以上の整数)の端末装置30を備える。管理装置10、履歴情報記録装置20及び複数の端末装置30は、ネットワーク90を介して通信する。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0024】
図2は、管理装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。管理装置10は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。管理装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。
【0025】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部13の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0026】
記憶部12は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部12は、制御部13によって使用されるデータを記憶する。記憶部12は、例えばフォーマット情報記憶部121として機能してもよい。フォーマット情報記憶部121は、情報システム100において使用される対象情報の雛形となるフォーマット情報を記憶する。
【0027】
図3は、情報システム100において使用される対象情報の具体例を示す図である。対象情報は、少なくともメイン情報を有する。対象情報は、さらにサブ情報及びフロー情報を含んでもよい。
【0028】
メイン情報は、享受者の属性に関する享受者属性情報を含む。享受者属性情報は、例えば享受者の氏名、住所、性別、年齢(年齢層)、身長、体重、血液型、趣味趣向、好きなもの、嫌いなもの、アレルギーに関する情報、身体的又は精神的に有している障害に関する情報、罹患している病気に関する情報、通院履歴、通院で得られたカルテの情報などの情報を、形式(例えば平文や暗号形式)を問わず含んでもよい。
【0029】
メイン情報は、さらに提供者の属性に関する提供者属性情報、提供される対象の物やサービスに関する情報である提供対象情報を含んでもよい。提供者属性情報は、例えば提供者の名称、住所などの情報を含んでもよい。提供対象情報は、例えば提供される物の名前、識別情報、サイズ、色、形、費用、受け渡し場所、受け渡し日時などの情報を含んでもよい。提供対象情報は、例えば提供されるサービスの名前、識別情報、内容、オプション、費用、提供される場所、使用される座席、使用される部屋、使用される自動車の車種、乗車対象の列車名及び座席、提供される日時などの情報を、形式(例えば平文や暗号形式)を問わず含んでもよい。
【0030】
メイン情報の提供対象情報は、享受者と提供者との間で交わされる契約の事項を示す情報として用いられてもよい。提供対象情報は、例えば固定のフォーマットで表されてもよい。提供対象情報は、享受者属性情報及び提供者属性情報に含まれる情報の一部又は全部を含んでもよい。例えば、提供対象情報は、契約の主体を示す情報(享受者又は享受関係者と、提供者又は提供関係者と、を表す情報)を、形式(例えば平文や暗号形式)を問わず含んでもよい。
【0031】
サブ情報は、提供者又は提供関係者によって生成される情報であり、享受者に対して提供される物又はサービスに関する情報である。サブ情報は、例えば享受者又は享受関係者の依頼に応じて提供者又は提供関係者が行った作業に基づいて生成される情報であってもよい。例えば、サブ情報として、享受者に対して提供される料理のレシピを示す情報が用いられてもよいし、享受者に対して譲渡されるイラストの画像データが用いられてもよいし、享受者に対して提供されるツアーの行程表を示す情報が、形式(例えば平文や暗号形式)を問わず用いられてもよい。
【0032】
フロー情報は、対象情報の送受信の流れを示す情報である。対象情報は、フロー情報が示す順序及び宛先にしたがって、ある端末装置から他の端末装置に届くように処理される。フロー情報には、対象情報が送受信される全体のフローを示すものがある。フロー情報には、対象情報が送受信されるフローの一部分のみを示すものがあってもよい。対象情報に含まれるフロー情報は、少なくともその対象情報を送信する端末装置にとって送信先となる他の端末装置を示す情報(以下「次装置情報」という。)が含まれていればよい。その対象情報を送信する端末装置にとって送信先となる他の端末装置が無い場合には、対象情報はフロー情報を含まなくてもよい。
【0033】
図4は、全体のフローを示すフロー情報の具体例を示す図である。図4における各ノード80(80_1~80_8)は、対象情報を生成する各端末装置30を示す。矢印は、あるノード80の端末装置30から対象情報が送信される先となる端末装置30のノード80を示す。
【0034】
フォーマット情報は、上述したように対象情報の雛形である。フォーマット情報は、例えば全体のフローを示すフロー情報を含む。フォーマット情報は、フロー情報が示す各ノード80に該当する端末装置30において生成される対象情報の雛形(入力されるべき値の項目を示す情報)を含んでもよい。また、フォーマット情報は、フロー情報が示す各ノード80に該当する端末装置30に対して送信される対象情報の雛形(入力されるべき値の項目を示す情報)を含んでもよい。各端末装置30において取得される対象情報には、その端末装置30よりもフローにおいて下流に位置する各端末装置30(その後に対象情報を受信することとなる端末装置30)において生成される対象情報の雛形が含まれてもよい。
【0035】
なお、あるノード80において生成される対象情報と、そのノード80から次のノード80へ送信される対象情報とは必ずしも一致する必要は無く、例えば生成された対象情報に含まれる情報の一部のみが次のノード80へ対象情報として送信されてもよい。例えば、ノード80_1において、情報A、情報B、情報C及び情報Dを有する対象情報が生成された場合、情報Aのみを含む対象情報がノード80_2に送信され、情報B及びCを含む対象情報がノード80_3に送信され、情報C及び情報Dを含む対象情報がノード80_4に送信されてもよい。
【0036】
以上でフォーマット情報の説明を終えて、制御部13の説明に移る。制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部13は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報管理部131及び次処理制御部132として機能する。なお、制御部13の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0037】
情報管理部131は、フォーマット情報記憶部121に記憶されるフォーマット情報のデータの新規登録や更新や削除などの管理処理を行う。例えば、他の装置から新規のフォーマット情報のデータの登録要求が受信された場合には、情報管理部131は、受信されたフォーマット情報のデータをフォーマット情報記憶部121に登録する。例えば、端末装置30からフォーマット情報のデータの要求が受信された場合には、情報管理部131は、受信された要求にしたがって、要求対象のフォーマット情報のデータを要求元の端末装置30へ送信する。
【0038】
次処理制御部132は、端末装置30から対象情報を受信すると、受信された対象情報に含まれるフロー情報に基づいて、その対象情報の次の送信先となる端末装置30を判定する。次処理制御部132は、判定結果として得られた端末装置30に対して、受信された対象情報を送信する。次処理制御部132は、送信先となる端末装置30が無いと判定された場合には、他の端末装置30へは対象情報を送信しない。また、次処理制御部132は、送信先となる端末装置30の有無に関わらず、受信された対象情報を履歴情報記録装置20に送信する。
【0039】
図5は、履歴情報記録装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。履歴情報記録装置20は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。履歴情報記録装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0040】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0041】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えば履歴情報記憶部221として機能してもよい。履歴情報記憶部221は、情報システム100において生成された対象情報の履歴を記憶する。例えば、履歴情報記憶部221は、情報システム100に含まれる端末装置30において生成された全ての対象情報を記憶してもよい。
【0042】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、記録制御部231及び情報提供部232として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0043】
記録制御部231は、他の装置(例えば管理装置10)から対象情報を受信すると、受信された対象情報を履歴情報記憶部221に記録する。記録制御部231は、対象情報に対応付けて、その対応情報が受信された日時を記録してもよいし、その対象情報を生成した端末装置30に関する情報を記録してもよい。
【0044】
情報提供部232は、他の装置(例えば端末装置30)から履歴情報の提供を要求されると、要求元に対して要求された履歴情報に相当する対象情報を履歴情報記憶部221から読み出して送信する。情報提供部232は、要求元の装置について、予め定められた認証情報に基づいて認証を行った上で、履歴情報に相当する対象情報を送信してもよい。情報提供部232は、要求元の装置について、その装置に関連する対象情報のみを送信してもよい。
【0045】
図6は、端末装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。端末装置30は、例えばパーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルコンピュータ、テレビ受像器等の情報処理装置を用いて構成される。端末装置30は、通信部31、操作部32、出力部33、記憶部34及び制御部35を備える。
【0046】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部35の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0047】
操作部32は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部32は、端末装置30の操作者(例えば享受者、享受関係者、提供者又は提供関係者)の指示を端末装置30に入力する際に操作される。操作部32は、入力装置を端末装置30に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、操作部32は、入力装置において入力に応じ生成された入力信号を端末装置30に入力する。操作部32は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、操作部32は発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を端末装置30に入力する。操作部32は、操作者の指示を端末装置30に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0048】
出力部33は、端末装置30に接続された出力装置を介し、端末装置30のユーザーに対して情報の出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。
【0049】
記憶部34は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部34は、制御部35によって使用されるデータを記憶する。記憶部34は、例えば対象情報記憶部341として機能してもよい。対象情報記憶部341は、他の装置から受信された対象情報や、自装置(端末装置30)において生成された対象情報(以下「現処理情報」という。)や、自装置から他の装置へ送信される対象情報(以下「次処理情報」という。)を記憶する。
【0050】
制御部35は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部35は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部351、情報生成部352、次処理情報生成部353及び情報受渡し部354として機能する。なお、制御部35の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0051】
情報取得部351は、他の装置から対象情報を取得する。例えば、情報取得部351は、管理装置10からフォーマット情報を取得してもよい。例えば、情報取得部351は、他の端末装置30から次処理情報として送信された対象情報を取得してもよい。情報取得部351は、取得された対象情報を対象情報記憶部341に記録する。
【0052】
情報生成部352は、現処理情報を生成する。例えば、情報生成部352は、例えば他の端末装置30から受信された情報に含まれている雛形に基づいて、自装置において生成されるべき現処理情報に必要な項目を判定し、判定された項目を出力部33から操作者に対して出力する。情報生成部352は、操作者によって操作部32を介して入力された情報に基づいて現処理情報を生成する。情報生成部352は、生成された現処理情報を対象情報記憶部341に記録する。
【0053】
次処理情報生成部353は、現処理情報が有している情報に基づいて次処理情報を生成する。次処理情報生成部353は、例えば他の端末装置30から受信された情報に含まれている雛形に基づいて、自装置において生成されるべき次処理情報に必要な項目を判定し、判定された各項目の値を現処理情報から取得することによって次処理情報を生成してもよい。次処理情報生成部353は、生成された次処理情報を対象情報記憶部341に記録する。
【0054】
情報受渡し部354は、次処理情報生成部353において生成された次処理情報を、フロー情報が示す次処理装置に相当する端末装置30へ届くように処理を行う。情報受渡し部354は、例えば次処理情報が管理装置10を経由して次の端末装置30へ送信される場合には、次処理情報を管理装置10へ送信する。情報受渡し部354は、例えば次処理情報が他の端末装置30へ直接送信される場合には、次処理情報を宛先となる端末装置30へ送信する。情報受渡し部354は、次処理情報が次処理装置に相当する端末装置30へ届くような処理であれば、どのような処理を行ってもよい。
【0055】
図7は、全体のフローのうち最初のノード80に相当する端末装置30である第1端末の処理を含む処理の流れを示すシーケンスチャートである。まず、第1端末の情報取得部351は、フォーマット情報を取得する(ステップS101)。第1端末の情報生成部352は、取得されたフォーマット情報に基づいて、自装置において入力される必要のある値の項目(入力項目)を判定する。
【0056】
情報生成部352は、判定された入力項目の値の入力を促す情報を出力部33から出力する(ステップS103)。例えば、各値の入力欄が設けられた画面が画像表示装置(出力部33)に表示されることによって出力が行われてもよい。操作者は、第1端末の操作部32を操作することによって、各項目について値を入力する。操作部32は、操作者の入力を受け付ける(ステップS103)。情報生成部352は、入力された各値に基づいて、初期情報を生成する(ステップS104)。初期情報は、対象情報の一態様であり、第1端末によって生成される最初の対象情報を示す。初期情報には、フローにおいてその後の処理を行うことになっている端末装置30において必要となる情報が含まれる。情報生成部352は、生成された初期情報(対象情報)を対象情報記憶部341に記録する。
【0057】
次処理情報生成部353は、初期情報に基づいて得られる各値を、次処理情報の雛形において定義されている各項目の値に入力することによって、1又は複数の次処理情報を生成する(ステップS105)。次処理情報生成部353は、生成された次処理情報を対象情報記憶部341に記録する。情報受渡し部354は、生成された次処理情報を、各次処理情報に応じた宛先となる次処理装置(第2端末)へ届くように処理を行う。図7の例では、情報受渡し部354は、各次処理情報を管理装置10に送信する(ステップS106)。また、情報受渡し部354は、初期情報を管理装置10に送信する。
【0058】
管理装置10の次処理制御部132は、初期情報及び次処理情報を受信する(ステップS107)。次処理制御部132は、受信された初期情報を履歴情報記録装置20に送信する(ステップS108)。履歴情報記録装置20の記録制御部231は、初期情報を受信すると(ステップS109)、受信された初期情報を履歴情報記憶部221に記録する(ステップS110)。
【0059】
管理装置10の次処理制御部132は、次処理情報のフロー情報に基づいて次処理装置を判定する(ステップS111)。次処理制御部132は、判定された次処理装置に対して次処理情報を送信する(ステップS112)。次処理装置に相当する端末装置(第2端末)は、次処理情報を受信する(ステップS113)。このようにして、第1端末において生成された次処理情報が第2端末へ到達する。
【0060】
図8及び図9は、全体のフローのうち第1端末とは異なる端末装置30である第2端末の処理を含む処理の流れを示すシーケンスチャートである。まず、第2端末の情報取得部351は、次処理情報に相当する対象情報を受信する。この処理は、例えば図7のステップS113の処理に相当してもよいし、後述する図9のステップS219の処理に相当してもよい。情報取得部351は、受信された次処理情報の一部又は全部を出力する(ステップS201)。出力先は、例えば第2端末の出力部33であってもよいし、第2端末が接続された所定のシステムであってもよい。このような所定のシステムの具体例として、第2端末の操作者に相当する提供者又は提供関係者が業務において用いている業務システムがある。このような処理が行われることによって、次処理情報に含まれている享受者属性情報などの情報が、個々の提供者において従来から使用されている業務システム等に入力される。
【0061】
第2端末の情報生成部352は、次処理情報に含まれている雛形に基づいて、現処理情報の生成において必要となる値の項目(入力項目)を判定する。そして、情報生成部352は、判定された入力項目の値の入力を促す情報を出力部33から出力する(ステップS202)。例えば、各値の入力欄が設けられた画面が画像表示装置(出力部33)に表示されることによって出力が行われてもよい。操作者は、第2端末の操作部32を操作することによって、各項目について値を入力する。操作部32は、操作者の入力を受け付ける(ステップS203)。情報生成部352は、入力された各値に基づいて、現処理情報を生成する(ステップS204)。情報生成部352は、生成された現処理情報(対象情報)を対象情報記憶部341に記録する。
【0062】
次処理情報生成部353は、現処理情報のフロー情報に次装置情報が含まれているか否か判定する(ステップS205)。現処理情報のフロー情報に次装置情報が含まれていない場合(ステップS205-NO)、情報受渡し部354は、現処理情報を管理装置10に送信する(ステップS206)。管理装置10の次処理制御部132は、現処理情報を受信する(ステップS207)。次処理制御部132は、受信された現処理情報を履歴情報記録装置20に送信する(ステップS208)。履歴情報記録装置20の記録制御部231は、現処理情報を受信すると(ステップS209)、受信された現処理情報を履歴情報記憶部221に記録する(ステップS210)。
【0063】
現処理情報のフロー情報に次装置情報が含まれている場合(ステップS205-YES)、次処理情報生成部353は、現処理情報に基づいて得られる各値を、次処理情報の雛形において定義されている各項目の値に入力することによって、1又は複数の次処理情報を生成する(ステップS211)。次処理情報生成部353は、生成された次処理情報を対象情報記憶部341に記録する。情報受渡し部354は、生成された次処理情報を、各次処理情報に応じた宛先となる次処理装置(第2端末)へ届くように処理を行う。図9の例では、情報受渡し部354は、各次処理情報を管理装置10に送信する(ステップS212)。また、情報受渡し部354は、現処理情報を管理装置10に送信する。
【0064】
管理装置10の次処理制御部132は、現処理情報及び次処理情報を受信する(ステップS213)。次処理制御部132は、受信された現処理情報を履歴情報記録装置20に送信する(ステップS214)。履歴情報記録装置20の記録制御部231は、現処理情報を受信すると(ステップS215)、受信された現処理情報を履歴情報記憶部221に記録する(ステップS216)。
【0065】
管理装置10の次処理制御部132は、次処理情報のフロー情報に基づいて次処理装置を判定する(ステップS217)。次処理制御部132は、判定された次処理装置に対して次処理情報を送信する(ステップS218)。次処理装置に相当する他の端末装置(第2端末)は、次処理情報を受信する(ステップS219)。このようにして、第2端末において生成された次処理情報が他の第2端末へ到達する。
【0066】
図10は、端末装置30において履歴情報記録装置20に記録されている情報の提供を受ける際の処理の流れを示すシーケンスチャートである。まず、端末装置30の操作者が操作部32を操作することによって取得条件を端末装置30に入力する。操作部32は、操作者の入力を受け付ける(ステップS301)。情報取得部351は、入力された取得条件を含む要求情報を生成する(ステップS302)。要求情報は、取得条件を満たす情報の提供を要求することを示す情報である。情報取得部351は、生成された要求情報を履歴情報記録装置20に送信する(ステップS303)。
【0067】
履歴情報記録装置20の情報提供部232は、要求情報を受信すると(ステップS304)、受信された要求情報に含まれる取得条件に応じた情報を履歴情報記憶部221から読み出して取得する(ステップS305)。情報提供部232は、取得された情報を含む応答情報を生成する(ステップS306)。そして、情報提供部232は、生成された応答情報を、要求元である端末装置30に送信する(ステップS307)。端末装置30の情報取得部351は、応答情報を受信すると(ステップS308)、受信された応答情報を、出力部33を介して出力する(ステップS309)。
【0068】
図11は、情報処理装置70のハードウェア構成の具体例を示す図である。情報処理装置70は、例えば管理装置10、履歴情報記録装置20及び端末装置30として機能する情報処理装置の具体例である。情報処理装置70は、例えば図11に示されるように入出力装置1、補助記憶装置2、メモリー3及びプロセッサー4を備える。入出力装置1は、外部(操作者を含む)との間で情報(データを含む)の入出力を行う。入出力装置1は、例えば端末装置30の操作部32や出力部33として機能する。補助記憶装置2は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置を用いて構成される。補助記憶装置2は、例えば各装置の記憶部(記憶部12、記憶部22及び記憶部34)として機能する。メモリー3及びプロセッサー4は、例えば各装置の制御部(制御部13、制御部23及び制御部35)として機能する。
【0069】
このように構成された情報システム100では、対象情報が、予め構築されたフロー情報に応じて端末装置30から次の端末装置30へ届くように処理が行われる。各端末装置30には、フロー情報において一つ前の段の装置として定義されている端末装置30から対象情報(次処理情報)が届く。次処理情報には、その端末装置30において物やサービスを提供するに当たって必要となる情報が含まれている。そのため、各提供者において、必要となる情報をより容易に取得することが可能となる。
【0070】
また、各端末装置30では、その端末装置30の操作者として想定されている者によって行われた処理や作業の成果として、新たな対象情報(現処理情報)が生成される。新たな現処理情報を生成するために必要となる値の項目は、受信される次処理情報において定義されている。そのため、各端末装置30において、必要となる情報がどのような項目の情報であるかについて検討する必要が無く、より容易に高い質の物やサービスを提供することが可能となる。
【0071】
また、各端末装置30において生成された対象情報(現処理情報)は、履歴情報記録装置20において記録される。そのため、各端末装置30の操作者として想定されている者において行われた処理や作業の成果を事後に確認することができる。事後の確認において、操作者は端末装置30において取得条件を指定することができる。取得条件が指定された場合には、取得条件を満たす情報が履歴情報記録装置20から取得されて出力される。そのため、各端末装置30の操作者は、より容易に自信が欲する情報を取得することが可能となる。
【0072】
例えば、情報システム100を用いて通院履歴を記録することが出来る。その具体例について説明する。診察を希望する者(享受者)は、端末装置30を操作して管理装置10によって提供されているWEBサイトにアクセスする。端末装置30の出力部33に相当する表示装置には、受診可能な日付がカレンダー形式で表示される。享受者が受診を希望する日付を操作すると、その日付が入力されたフォーマット情報が管理装置10から端末装置30に送信される。端末装置30は、取得されたフォーマット情報における初期情報の雛形に応じて、診察の申し込みに必要な値の入力画面を出力部33に表示する。享受者は、操作部32を操作することによって、入力画面において入力が求められている各値を入力する。このような値の具体例として、例えば保険証の情報や氏名、年齢、性別、血液型などの属性情報がある。情報生成部352は、入力された値を含む初期情報を生成する。生成された初期情報は、履歴情報記録装置20において記録される。
【0073】
生成された初期情報に含まれる各値に基づいて、次処理情報が生成される。例えば、入力された各値のうち、実際の受診に必要な情報のみが次処理情報に含まれてもよい。次処理情報は、診察を行う医師(提供者)が操作する端末装置30に対して送信される。診察の当日、医師(提供者)は診察を行った結果を入力(もしくは他のシステムから送信されたデータを受信)する。端末装置30は、入力された値を含む現処理情報を生成する。このような現処理情報には、例えばその診察において行われた検査の結果や、診察の結果などの情報がサブ情報として含まれてもよい。現処理情報は履歴情報記録装置20に記録される。
【0074】
次の診察が予約された場合には、次の診察で必要となる情報を含む次処理情報が生成される。このような次処理情報には、例えばその診察において行われた検査の結果や、診察の結果などの情報がサブ情報として含まれてもよい。生成された次処理情報は、次の診察を行う医師の端末装置30に対して送信される。
【0075】
享受者や医師(提供者)は、後に過去の診察の履歴を閲覧することを希望する場合には、必要となる情報を示す取得条件を端末装置30に入力して履歴情報記録装置20にアクセスすることによって、膨大に蓄積された情報の中から必要な情報を容易に取得することが可能となる。
【0076】
(変形例)
上述した実施形態では、各装置はネットワーク90を介して通信することでデータを授受している。しかし、各装置がデータを授受するための手段はネットワーク90を介したデータ通信に限定される必要は無い。例えば、ある装置から他の装置に受け渡されるデータを二次元コード等の符号化された情報として媒体に表示し、他の装置において符号化された情報を読取装置(例えば撮像装置やスキャナー)で取得することでデータの授受が行われてもよい。例えば、ある装置から他の装置に受け渡されるデータをUSB(Universal Serial Bus)メモリー等の記録媒体に記録し、他の装置において記録媒体からデータを読み出すことでデータの授受が行われてもよい。
【0077】
本実施形態において、提供者又は提供関係者には、享受者又は享受関係者からの指示にしたがって作業や業務を行う者も含まれてもよい。享受者又は享受関係者には、提供者又は提供関係者に対して指示を行う者も含まれてもよい。その場合、対象情報には、指示の内容や作業に関する情報が含まれる。例えば、病院において、受付事務から担当医師へ診察の依頼を行う場合には、受付事務の担当者が享受者となり、医師が提供者となりうる。この場合、患者の識別情報や通院履歴などを示す情報や、その日の通院理由などの情報が対象情報となりうる。また、医師が看護師に対して患者に薬剤を注射する旨の指示を行った場合には、医師が享受者となり看護師が提供者となりうる。この場合、注射に用いられる薬剤の名称(識別情報)や量を示す情報が対象情報となりうる。一方で、患者と医師との関係では、患者が享受者となり、医師が提供者となりうる。この場合には、患者の識別情報や通院履歴などを示す情報や、その日の通院理由などの情報が対象情報となりうる。また、患者が小児の場合には、患者(小児)の親が享受関係者となりうる。また、患者が認知症患者である場合には、患者の親族の者が享受関係者となりうる。
【0078】
また、ある人物が複数の種別の者に該当してもよい。例えば、ある人物が、享受者及び享受関係者に該当する者として振る舞ってもよい。例えば、認知症の患者が意思能力や意思決定能力を有している場合には、その患者は享受者及び享受関係者に該当してもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0079】
100…情報システム, 10…管理装置, 11…通信部, 12…記憶部, 121…フォーマット情報記憶部, 13…制御部, 131…情報管理部, 132…次処理制御部, 20…履歴情報記録装置, 21…通信部, 22…記憶部, 221…履歴情報記憶部, 23…制御部, 231…記録制御部, 232…情報提供部, 30…端末装置, 31…通信部, 32…操作部, 33…出力部, 34…記憶部, 341…対象情報記憶部, 35…制御部, 351…情報取得部, 352…情報生成部, 353…次処理情報生成部, 354…情報受渡し部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11