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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149533
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ノズル
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/00 20060101AFI20220929BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B05B1/00 Z
B05C5/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051739
(22)【出願日】2021-03-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】長尾 武
【テーマコード(参考)】
4F033
4F041
【Fターム(参考)】
4F033AA04
4F033BA03
4F033BA04
4F033DA01
4F033EA01
4F033NA01
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA12
(57)【要約】
【課題】ノズルの装着穴に対して正確な方向に液体を噴射できるノズルを提供する。
【解決手段】ノズル(10)は、直円筒のノズル装着穴(93)と、ノズル装着穴(93)に接続する吐出口(97)と、装着雌ねじ(96)と、を有するノズルホルダ(91)に装着され、一端部に配置され、前記装着雌ねじ(96)にはまりあう平行ねじである装着雄ねじ(15)と、前記ノズル装着穴(93)とはめ合う円柱部(13)と、前記円柱部(13)と同軸に配置された第1導入路(72)と、前記円柱部(13)と同軸に配置された円筒チョーク部(43)と、前記第1導入路(72)と前記円筒チョーク部(43)を接続する円錐部(41)と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直円筒のノズル装着穴と、前記ノズル装着穴に接続する吐出口と、前記吐出口に配置された装着雌ねじと、を有するノズルホルダに装着されるノズルであって、
一端部に配置され、前記装着雌ねじにはまりあう平行ねじである装着雄ねじと、
前記ノズル装着穴とはめ合う円柱部と、
前記円柱部と同軸に配置された第1導入路と、
前記円柱部と同軸に配置され、前記第1導入路よりも小さい径を持つ円筒チョーク部と、
前記第1導入路と前記円筒チョーク部とを接続する円錐部と、を備える、
ノズル。
【請求項2】
前記ノズル装着穴は、第1拘束平面を有し、
前記ノズルは、前記第1拘束平面と接触する第1突き当て面を有する、
請求項1のノズル。
【請求項3】
前記第1突き当て面は、第1拘束平面と面接触して、第1拘束平面との間を液封する、
請求項2のノズル。
【請求項4】
直円筒のノズル装着穴と、前記ノズル装着穴に接続する吐出口と、前記吐出口に配置された装着雌ねじと、を有するノズルホルダに装着されるノズルであって、
ボディであって、
一端部に配置され、前記装着雌ねじにはまりあう平行ねじである装着雄ねじと、
前記ノズル装着穴とはめ合う円柱部と、
前記円柱部と同軸に配置されたチップ装着穴と、
前記チップ装着穴と接続し、前記円柱部と同軸に配置された第2導入路と、
前記一端部と反対側の他端部に配置されたキャップ雄ねじと
を有するボディと、
前記チップ装着穴に挿入されるノズルチップであって、
前記チップ装着穴とはめ合う外筒面と、
前記第2導入路と接続し、前記外筒面と同軸に配置され、前記第2導入路と同径の第3導入路と、
前記外筒面と同軸に配置され、前記第3導入路よりも小さい径を持つ円筒チョーク部と、
前記第3導入路と前記円筒チョーク部とを接続する円錐部と、
を有するノズルチップと、
ジェット通過穴と、前記キャップ雄ねじとはまりあうキャップ雌ねじと、を有するキャップと、を備える、
ノズル。
【請求項5】
前記ノズル装着穴は、第1拘束平面を有し、
前記ボディは、前記第1拘束平面と接触する第1突き当て面を有する、
請求項4のノズル。
【請求項6】
前記第1突き当て面は、第1拘束平面と面接触して、第1拘束平面との間を液封する、
請求項5のノズル。
【請求項7】
前記チップ装着穴は、第2拘束平面を有し、
前記ノズルチップは、前記第2拘束平面と接触する前記第2突き当て面を有する、
請求項4~6のいずれかのノズル。
【請求項8】
前記第2突き当て面は、第2拘束平面と面接触して、第2拘束平面との間を液封する、
請求項7のノズル。
【請求項9】
前記ノズルチップは、前記ボディから突出し、
前記キャップは、前記外筒面とはめ合うチップ支持穴を有する、
請求項4~8のいずれかのノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴射するノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルチップがノズルケース内に押圧固定されたノズルが提案されている(例えば、実公昭48-13186号公報)。ノズルは、テーパねじを有する(例えば、スプレーイングシステムスジャパン合同会社製セラマックススプレーノズルカタログ、ブリテンNo.J983D)。先に列挙した先行技術のノズルにおいて、ノズルの装着穴に対して、噴流が傾斜する場合があった。また、先行技術のノズルにおいては、ノズルチップを交換できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ノズルの装着穴に対して正確な方向に液体を噴射できるノズルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の側面は、直円筒のノズル装着穴と、前記ノズル装着穴に接続する吐出口と、前記吐出口に配置された装着雌ねじと、を有するノズルホルダに装着されるノズルであって、
一端部に配置され、前記装着雌ねじにはまりあう平行ねじである装着雄ねじと、
前記ノズル装着穴とはめ合う円柱部と、
前記円柱部と同軸に配置された第1導入路と、
前記円柱部と同軸に配置され、前記第1導入路よりも小さい径を持つ円筒チョーク部と、
前記第1導入路と前記円筒チョーク部とを接続する円錐部と、を備える。
【0005】
本発明の第2の側面は、直円筒のノズル装着穴と、前記ノズル装着穴に接続する吐出口と、前記吐出口に配置された装着雌ねじと、を有するノズルホルダに装着されるノズルであって、
ボディであって、
一端部に配置され、前記装着雌ねじにはまりあう平行ねじである装着雄ねじと、
前記ノズル装着穴とはめ合う円柱部と、
前記円柱部と同軸に配置されたチップ装着穴と、
前記チップ装着穴と接続し、前記円柱部と同軸に配置された第2導入路と、
前記一端部と反対側の他端部に配置されたキャップ雄ねじと
を有するボディと、
前記チップ装着穴に挿入されるノズルチップであって、
前記チップ装着穴とはめ合う外筒面と、
前記第2導入路と接続し、前記外筒面と同軸に配置され、前記第2導入路と同径の第3導入路と、
前記外筒面と同軸に配置され、前記第3導入路よりも小さい径を持つ円筒チョーク部と、
前記第3導入路と前記円筒チョーク部とを接続する円錐部と、
を有するノズルチップと、
ジェット通過穴と、前記キャップ雄ねじとはまりあうキャップ雌ねじと、を有するキャップと、を備える。
【0006】
第1導入路は、ノズルの一端から延びる。円筒チョーク部はノズルの一端の反対側である他端から延びる。円柱部は、ノズルの中央部に配置される。円錐部は円錐台であり、一端部の底面が第1導入路と同径であり、他端部の底面が円筒チョーク部と同径である。円錐部は、第1導入路と円筒チョーク部を滑らかに接続する。円錐部は円柱部と同軸である。
第1拘束平面は、ノズル装着穴の端面に配置される。第1突き当て面は、円柱部の一端面に配置される。第1突き当て面と第1拘束平面の間を封止する第1パッキンを配置しても良い。
【0007】
装着雄ねじは、ボディの一方端部に配置される。キャップ雄ねじはボディの一方端の反対側である他方端部に配置される。円柱部は、ボディの中央部の一方端寄りに配置される。チップ装着穴は、ボディの他端部から延びる。第2導入路は、ボディの一端部から延びる。第3導入路は、ノズルチップの一方端部に配置される。円筒チョーク部は、ノズルチップの他方端部から中央部にかけて配置される。
円錐部は円錐台であり、一端部の底面が第3導入路と同径であり、他端部の底面が円筒チョーク部と同径である。円錐部は、第3導入路と円筒チョーク部を滑らかに接続する。円錐部は外筒面と同軸である。
第1突き当て面は、円柱部の一端面に配置される。第1突き当て面と第1拘束平面の間を封止する第1パッキンを配置しても良い。
第2拘束平面は、チップ装着穴の一端面に配置される。第2突き当て面は、ノズルチップの一端面に配置される。第2突き当て面と第2拘束平面の間を封止する第2パッキンを配置しても良い。
キャップはノズルチップと共にボディに締結される。キャップはノズルチップをボディに押圧する。
第2導入路の径はチップ装着穴の径よりも小さい。円筒チョーク部の径は、ノズル穴径である。第2導入路と第3導入路は、一つの円筒穴である導入路を構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のノズルによれば、ノズルの装着穴に対して正確な方向に液体を噴射できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1のノズルの縦断面図
図2】実施形態2のノズルの斜視図
図3】実施形態2のノズルの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
図1に示すように、ノズル10は、ノズルホルダ91に装着される。例えば、ノズルホルダ91は金属部材である。ノズルホルダ91は、吐出口97と、装着雌ねじ96と、ノズル装着穴93と、を有する。ノズルホルダ91は、第1拘束平面95を有しても良い。
【0011】
ノズル装着穴93は、直円筒であり、その円筒表面が滑らかに仕上げられる。ノズル装着穴93の径は吐出口97の径よりも大きい。
【0012】
吐出口97は、円筒穴であり、液体の流路である。吐出口97は、ノズル装着穴93の底面に接続する。好ましくは、ノズル装着穴93と同心に配置される。
【0013】
装着雌ねじ96は、平行ねじである。好ましくは、装着雌ねじ96の山の径は、吐出口97と実質的に同一である。第1拘束平面95は、ノズル装着穴93の端面である。第1拘束平面95は平面であり、平滑に仕上げられる。
【0014】
ノズル10は、装着雄ねじ15と、円柱部13と、スパナ掛け部19と、導入路(第1導入路)72と、円筒チョーク部43と、円錐部41と、を有する。ノズル10は、第1突き当て面12と、導入口24と、を有しても良い。図1は円柱部13の中心軸1で切断した断面図を示す。
【0015】
装着雄ねじ15は、ノズル10の基端(一端)部に配置される。装着雄ねじ15は、平行ねじであり、装着雌ねじ96にはまりあう。
【0016】
円柱部13は、ノズル10の中央部の基端寄りに配置される。円柱部13は、直円柱であり、ノズル装着穴93に挿入される。円柱部13の径は装着雄ねじ15の径よりも大きい。円柱部13は、ノズル装着穴93にはまり合う。第1突き当て面12は、円柱部13の端面に配置され、平滑に仕上げられる。
【0017】
第1突き当て面12は、第1拘束平面95に密着して液封する。第1突き当て面12と第1拘束平面95は面同士が接触し、わずかに第1拘束平面95が押しつぶされて密着することによって、第1突き当て面12と第1拘束平面95との隙間が液封される。
【0018】
スパナ掛け部19は、ノズル10の中央部に、円柱部13の先端側に配置される。例えば、スパナ掛け部19は平行な二面である。スパナ掛け部19は例えば6角柱であっても良い。
【0019】
なお、第1突き当て面12を省いても良い。第1突き当て面12と第1拘束平面95を直接接触させて液封せずに、パッキンを配置しても良い。パッキンは例えばOリングや液体シールである。第1突き当て面にパッキン溝を配置して、パッキン溝内にパッキンを配置しても良い。
【0020】
導入路72は、ノズル10の内部に、円柱部13と同軸に配置される。導入路72は、ノズル10の基端から中央部にかけて配置される。導入路72の内径が導入路径79である。
【0021】
導入口24は、導入路72の基端部に配置される。好ましくは、導入口24は、断面が1/4円の丸みであり、ノズル10の基端面から導入路72に滑らかに接続する。
なお、導入路72の径が装着雄ねじ15の径に比べて比較的小さいときは、導入口24は、先端方向に進むにつれて径が縮小する円錐部を有しても良い。
【0022】
円筒チョーク部43は、円筒穴であり、ノズル10の先端(他端)部に配置される。円筒チョーク部43は、円柱部13と同軸に配置される。円筒チョーク部43の内径がノズル穴径71であり、円筒チョーク部43の長さがチョーク長73である。
【0023】
円錐部41は、導入路72と円筒チョーク部43とを接続する空洞部である。円錐部41は、直円錐面を有し、外筒面33と同軸に配置される。
【0024】
本実施形態のノズル10は、例えば数値制御される洗浄機に適用される。洗浄機は、例えば、特許第6147623号や特許第6227496号に開示される。ノズル10は、例えば、水、水系洗浄液を噴出する。噴射圧力は、例えば、1.5MPa~50MPaである。
【0025】
本実施形態によれば、ノズル10は、全体が直円筒状であり、その内部形状は円柱部13に同軸に配置される回転形状のため、ノズル10は製造しやすく、かつ、正確な形状に仕上げやすい。そのため、ノズル10から噴出する噴流の収束性、かい食性や傾きが改善する。ここで、収束性は、液体噴流の広がり具合をいい、収束性が高ければ噴流が直線的であることを示す。かい食性は、物体(個体)に噴流が衝突したときの物体へのダメージ及び破壊する威力を表す。傾きは、ノズル10からの噴流の中心の傾きをいう。
【0026】
ノズル10は、平行ねじである装着雄ねじ15によってノズルホルダ91に装着され、円柱部13がノズル装着穴93にはめ合う。そのため、ノズル10とノズルホルダ91は、互いに同軸に組立てられる。そして、円筒チョーク部43、円錐部41及び導入路72はノズル装着穴93に対して正確に位置決めされる。そのため、ノズル10がノズルホルダ91にねじ込まれたときに、ノズル10のノズルホルダ91に対する傾斜が抑制される。
また、円柱部13がノズル装着穴93に同軸に配置されるため、第1突き当て面12が均等に第1拘束平面95を押圧できるため、第1突き当て面12と第1拘束平面95の密封性が高まる。
【0027】
第1突き当て面12は第1拘束平面95と当接して、装着雄ねじ15に加わる軸力によって第1拘束平面95に対して押し付けられる。第1突き当て面12が第1拘束平面95に押し付けられるため、ノズル10は円筒面及び平面の2面で拘束されるため、ノズル10のノズルホルダ91に対する傾斜がより抑制される。ノズル10のノズルホルダ91からの高さが正確に位置決めされる。そのため、ノズルホルダ91に対するノズル10全体の寸法と位置が正確に決められる。
【0028】
円柱部13がノズル装着穴93とのはめ合うことや第1突き当て面12と第1拘束平面95が接触することにより、ノズル10が例えば数値制御の洗浄機に装着されたときにおいて、ノズル10が交換されたときに、ノズル10が再現性良くノズルホルダ91に装着される。ノズル10が交換された前後において、噴流が洗浄対象物に衝突する位置及び角度の変化が抑制される。したがって、洗浄対象物の洗浄度合いを一定に保ちやすい。
【0029】
第1突き当て面12が第1拘束平面95と面接触して液体を封止するため、組付け性が向上する。そして、シールテープやシール材などを介在させずにノズル10がノズルホルダ91に組付けられるため、ノズル10がノズルホルダ91に組付けられるときに、ノズル10の傾きが更に抑制される。また、シール材などがノズル10や吐出口97の内部にはみ出すことがない。そのため、ノズル10から噴出する噴流の収束性、かい食性や傾きの悪化が抑制される。
【0030】
ノズル10がノズル装着穴93に対して正確に位置決めされるため、円筒チョーク部43から噴出する液体噴流は、ノズル装着穴93に沿ってより正確に噴射される。
【0031】
なお、導入路72の内部には、整流器が配置されても良い。整流器は、例えば特許6417158の整流器である。
【0032】
例えば、ノズル穴径71は、0.8mm~2.3mmである。好ましくは、チョーク長73は、ノズル穴径71の3~6倍である。好ましくは、導入路径79は、ノズル穴径71の2~7倍である。望ましくは、導入路72の長さ77は、ノズル穴径71の4~8倍である。好ましくは、円錐部41の頂角75は、60度~90度である。
【0033】
(実施形態2)
図2及び図3に示すように、本実施形態のノズル100は、ボディ111と、ノズルチップ31と、キャップ51と、を含む。ボディ111は円柱部13を有する。図3は、円柱部13の中心軸1を通過する平面で切断した断面図である。
【0034】
ボディ111は、装着雄ねじ15と、円柱部13と、キャップ雄ねじ21と、チップ装着穴25と、第2導入路23と、を有する。ボディ111は、第1突き当て面12と、第2拘束平面27と、スパナ掛け部19と、導入口24と、先端面26と、を有して良い。
【0035】
装着雄ねじ15、円柱部13と、スパナ掛け部19と、キャップ雄ねじ21とは、ボディ111の外面に基端から順に並んで配置される。円柱部13は、ボディ111の中央部の基端寄りに配置される。
【0036】
キャップ雄ねじ21は、平行ねじであり、ボディ111の先端部に配置される。
先端面37は、ボディ111の先端面であり、例えば平面である。
【0037】
チップ装着穴25は、有底円筒穴であり、ボディ111の先端から中央部にかけて配置される。チップ装着穴25は、円柱部13と同軸に配置される。チップ装着穴25は平滑な内面を有する。第2拘束平面27は、チップ装着穴25の底面である。
【0038】
第2導入路23は、ボディ111の基端から、チップ装着穴25に貫通して円柱部13と同軸に配置される。第2導入路23の導入路径79は、チップ装着穴25よりも小さい。導入口24は、第2導入路23の基端部に配置される。
【0039】
ノズルチップ31は、外筒面33と、第3導入路39と、円筒チョーク部43と、円錐部41と、を有する。ノズルチップ31は、第2突き当て面35と先端面37と、を有しても良い。ノズルチップ31は、金属やセラミックスの部材である。
【0040】
ノズルチップ31は、直円柱の外形を持つ。外筒面33は、円筒面であり、チップ装着穴25とはめ合う。先端面37は、例えば平面である。第2突き当て面35はノズルチップ31の基端に配置される。第2突き当て面35は、例えば平面である。
【0041】
第2突き当て面35は、第2拘束平面27に密着して液封する。第2突き当て面35と第2拘束平面27は面同士が接触し、わずかに第2拘束平面27が押しつぶされて密着することによって、第2突き当て面35と第2拘束平面27との隙間が液封される。外筒面33がチップ装着穴25に接触することにより、ボディ111とノズルチップ31とが同軸に組立てられる。また、第2拘束平面27と第2突き当て面35が接触することにより、ノズルチップ31がボディ111に対して軸方向に正確に組付けられる。
【0042】
なお、第2突き当て面35と第2拘束平面27を直接接触させて液封せずに、パッキンを配置しても良い。パッキンは例えばOリングや液体シールである。第2突き当て面にパッキン溝を配置して、パッキン溝内にパッキンを配置しても良い。
【0043】
第3導入路39は、ノズルチップ31の基端部に配置される。第3導入路39は、導入路径79を持つ円筒穴である。第3導入路39は、外筒面33と同軸に配置される。
円筒チョーク部43は、ノズルチップ31の先端部に、外筒面33と同軸に配置される。円錐部41は、第3導入路39と円筒チョーク部43とを接続する。円錐部41は、外筒面33と同軸に配置される。
【0044】
キャップ51は、ジェット通過穴61と、キャップ雌ねじ55と、を有する。キャップ51は、チップ支持穴57と、スパナ掛け部53と、を有して良い。キャップ51は、円柱状又は六角柱状であり、基端部から大きくくり抜かれている。キャップの内面にキャップ雌ねじ55が配置される。キャップ雌ねじ55はキャップ雄ねじ21とはまりあう。
【0045】
ジェット通過穴61は、キャップ51の中央を貫通する。ジェット通過穴61は、キャップ雌ねじ55と実質的に同軸である。ジェット通過穴61の径は、ノズル穴径71よりも少し大きく、外筒面33より大幅に小さい。
【0046】
スパナ掛け部53は、キャップ51の外面に配置される。キャップ51が六角柱状であるときは、その外面がスパナ掛け部53である。スパナ掛け部53は平行な二面でも良い。
【0047】
チップ支持穴57は、キャップ雌ねじ55の底面に配置される。チップ支持穴57は底面59を有する。チップ支持穴57は、キャップ雌ねじ55と実質的に同軸である。チップ支持穴57の径は外筒面33の径と実質的に同一である。チップ支持穴57は、外筒面33とはめ合いでも良い。
【0048】
キャップ51は、ノズルチップ31をはさんで、ボディ111にノズルチップ31と共に締結される。先端面37は、底面59と接触する。キャップ51は、ノズルチップ31をボディ111に押圧する。そして、第2突き当て面35が第2拘束平面27と密着する。
【0049】
望ましくは、ノズルチップ31は、先端面26より突出する。このとき、外筒面33はチップ支持穴57とはまりあう。そして、外筒面33がチップ支持穴57とはまりあうため、キャップ51が円柱部13に同軸に配置される。先端面37は、底面59と接触するため、キャップ51のノズルホルダ91からの高さが正確に位置決めされる。そのため、ノズルホルダ91に対するノズル10全体の寸法と位置が正確に決められる。
また、キャップ51が中心軸1に同軸に配置されるため、キャップ51によってノズルチップ31をボディ111に対して均等に押圧できる。第2突き当て面35が第2拘束平面27を均等に押圧できるため、第2突き当て面35と第2拘束平面27の密封性が高まる。
【0050】
ノズルチップ31は、チップ装着穴25に挿入され、キャップ51によって固定される。ノズルチップ31がボディ111に装着されたときに、第2導入路23と第3導入路39は、導入路72を形成する。ノズルチップ31とボディ111が同軸に組立てられるため、導入路72は、一つの円筒穴を形成する。
【0051】
本実施形態によれば、ノズルチップ31とボディ111、及びボディ111とノズルホルダ91は、互いに同軸に組立てられるため、円筒チョーク部43、円錐部41及び導入路72はノズル装着穴93に対して正確に位置決めされる。そのため、円筒チョーク部43から噴出する液体噴流は、ノズル装着穴93に沿ってより正確に噴射される。
【0052】
ノズルチップ31は、全体が直円筒であり、その内部形状は外筒面33に同軸に配置される回転形状のため、ノズルチップ31は製造しやすく、かつ、正確な形状に仕上げやすい。そのため、ノズル10から噴出する噴流の収束性、かい食性や傾きが改善する。
【0053】
ノズルチップ31は、取り外し可能であるため、ノズルチップ31やボディ111をそれぞれ交換可能である。ノズルチップ31はボディ111に対して摩耗しやすいところ、それぞれの部材の摩耗量に応じて交換できるため、ノズル10は経済的である。
【0054】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10、100 ノズル
13 円柱部
21 キャップ雄ねじ
23 第2導入路
25 チップ装着穴
31 ノズルチップ
33 外筒面
39 第3導入路
41 円錐部
43 円筒チョーク部
51 キャップ
55 キャップ雄ねじ
61 ジェット通過穴
72 第1導入路
91 ノズルホルダ
111 ボディ
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直円筒のノズル装着穴と、前記ノズル装着穴の底面に接続する吐出口と、前記吐出口に配置された装着雌ねじと、を有するノズルホルダに装着されるノズルであって、
一端部に配置され、前記装着雌ねじにはまりあう平行ねじである装着雄ねじと、
前記ノズル装着穴の底面及び側面とはめ合う円柱部と、
前記円柱部と同軸に配置された第1導入路と、
前記円柱部と同軸に配置され、前記第1導入路よりも小さい径を持つ円筒チョーク部と、
前記第1導入路と前記円筒チョーク部とを接続する円錐部と、を備える、
ノズル。
【請求項2】
前記ノズル装着穴は、第1拘束平面を有し、
前記ノズルは、前記第1拘束平面と接触する第1突き当て面を有する、
請求項1のノズル。
【請求項3】
前記第1突き当て面は、第1拘束平面と面接触して、第1拘束平面との間を液封する、
請求項2のノズル。
【請求項4】
直円筒のノズル装着穴と、前記ノズル装着穴に接続する吐出口と、前記吐出口に配置された装着雌ねじと、を有するノズルホルダに装着されるノズルであって、
ボディであって、
一端部に配置され、前記装着雌ねじにはまりあう平行ねじである装着雄ねじと、
前記ノズル装着穴とはめ合う円柱部と、
前記円柱部と同軸に配置されたチップ装着穴と、
前記チップ装着穴と接続し、前記円柱部と同軸に配置された第2導入路と、
前記一端部と反対側の他端部に配置されたキャップ雄ねじと
を有するボディと、
前記チップ装着穴に挿入されるノズルチップであって、
前記チップ装着穴とはめ合う外筒面と、
前記第2導入路と接続し、前記外筒面と同軸に配置され、前記第2導入路と同径の第3導入路と、
前記外筒面と同軸に配置され、前記第3導入路よりも小さい径を持つ円筒チョーク部と、
前記第3導入路と前記円筒チョーク部とを接続する円錐部と、
を有するノズルチップと、
ジェット通過穴と、前記キャップ雄ねじとはまりあうキャップ雌ねじと、を有するキャップと、を備える、
ノズル。
【請求項5】
前記ノズル装着穴は、第1拘束平面を有し、
前記ボディは、前記第1拘束平面と接触する第1突き当て面を有する、
請求項4のノズル。
【請求項6】
前記第1突き当て面は、第1拘束平面と面接触して、第1拘束平面との間を液封する、
請求項5のノズル。
【請求項7】
前記チップ装着穴は、第2拘束平面を有し、
前記ノズルチップは、前記第2拘束平面と接触する前記第2突き当て面を有する、
請求項4~6のいずれかのノズル。
【請求項8】
前記第2突き当て面は、第2拘束平面と面接触して、第2拘束平面との間を液封する、
請求項7のノズル。
【請求項9】
前記ノズルチップは、前記ボディから突出し、
前記キャップは、前記外筒面とはめ合うチップ支持穴を有する、
請求項4~8のいずれかのノズル。