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特開2022-149648立体駐車装置およびそのコンピュータ用プログラム、ならびに立体駐車装置の改造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149648
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】立体駐車装置およびそのコンピュータ用プログラム、ならびに立体駐車装置の改造方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20220929BHJP
   E04H 6/06 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
E04H6/42 F
E04H6/06 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051896
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木田 慎一郎
(57)【要約】
【課題】立体駐車装置における誤入庫を適切に防止する。
【解決手段】立体駐車装置1は、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、複数の入出庫部10について同時に検知可能な第1検知部21と、複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定可能な判定部23と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入出庫部が車両の入出庫可能に乗入レベルに並列に配置される機械式の立体駐車装置であって、
入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えているか否かを、前記複数の入出庫部について同時に検知可能な第1検知部と、
前記複数の入出庫部において前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部を判定可能な判定部と、を備える、立体駐車装置。
【請求項2】
請求項1に記載の立体駐車装置において、
前記第1制限高さよりも高い位置に設定された第2制限高さに基づいて前記入庫動作中の車両の高さを、前記複数の入出庫部について同時に検知可能な第2検知部をさらに備える、立体駐車装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の立体駐車装置において、
前記複数の入出庫部は、前記立体駐車装置に設けられた複数の格納スペースの中で割り当てられた該格納スペースに応じて入庫可能な高さが異なり、
前記第1制限高さは、相対的に低い前記入庫可能な高さとなる前記入出庫部に対応して設定されている、立体駐車装置。
【請求項4】
請求項3に記載の立体駐車装置において、
前記第1検知部および前記判定部を制御するための制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記判定部により前記入庫動作中の車両が位置していると判定された前記入出庫部において、該入出庫部に割り当てられた前記格納スペースに対応する前記入庫可能な高さに基づいて、前記第1検知部による検知結果を制御に適用するか否かを選択する、立体駐車装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の立体駐車装置において、
前記第1検知部および前記判定部を制御するための制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1検知部による検知結果と前記判定部による判定結果とを互いに関連付けて制御するように構成されている、立体駐車装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の立体駐車装置において、
前記制御部により制御される報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記入出庫部に入庫動作中の車両の高さが前記第1制限高さを超えていることを前記第1検知部が検知し、かつ、前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部を前記判定部が判定したときであって、前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部の入庫可能な高さが前記第1制限高さよりも低いときに、前記報知部を作動させる、立体駐車装置。
【請求項7】
請求項4または5に記載の立体駐車装置において、
前記制御部により制御される禁止部をさらに備え、
前記制御部は、前記入出庫部に入庫動作中の車両の高さが前記第1制限高さを超えていることを前記第1検知部が検知し、かつ、前記判定部が前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部を判定したときであって、前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部の入庫可能な高さが前記第1制限高さよりも低いときに、前記禁止部が前記立体駐車装置の動作の全部または一部を禁止する、立体駐車装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の立体駐車装置において、
前記各入出庫部は、
前記各入出庫部に入庫した車両を載置可能なパレットと、
前記パレットの上面における前端部近傍に配置された識別部と、を有し、
前記判定部は、前記入庫動作中の車両により前記識別部が隠れた状態を画像認識することにより、前記複数の入出庫部において前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部を判定するように構成されている、立体駐車装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の立体駐車装置において、
前記判定部は、前記各入出庫部に入出庫する車両を撮影可能に構成されており、
前記判定部は、撮影範囲内に予め設定した複数の動体検知領域において前記入庫動作中の車両を動体として検知した少なくとも1つの前記動体検知領域を特定することにより、前記複数の入出庫部において前記入庫動作中の車両が位置している前記入出庫部を判定するように構成されている、立体駐車装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の立体駐車装置において、
前記第1検知部は、投光器および受光器からなり、
前記投光器および前記受光器は、前記投光器から出る光が水平方向に向かって前記複数の入出庫部を横切るように配置されている、立体駐車装置。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の立体駐車装置において、
前記第1検知部は、カメラ撮影による画像処理により、前記入庫動作中の車両の高さが前記第1制限高さを超えているか否かを、前記複数の入出庫部について同時に検知するように構成されている、立体駐車装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の立体駐車装置において、
前記判定部は、車両の進入方向に対し、前記立体駐車装置の前面から入庫定位置の前端に亘る範囲に設定された判定区間において車両の有無を判定するように構成されている、立体駐車装置。
【請求項13】
立体駐車装置を、請求項1~12のいずれか1項に記載の立体駐車装置として機能させるためのコンピュータ用プログラム。
【請求項14】
前記第1検知部および前記判定部を既設の立体駐車装置に設けて請求項1~12のいずれか1項に記載の立体駐車装置として機能させる、立体駐車装置の改造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、立体駐車装置およびそのコンピュータ用プログラム、ならびに立体駐車装置の改造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機械式の立体駐車装置として、例えば特許文献1のような立体駐車装置が提案されている。
【0003】
特許文献1には、普通車用パレットとハイルーフ車用パレットとが上下方向に昇降または循環可能に設けられ、乗入部前面にはフェンスが昇降可能に設けられ、入出庫時はフェンスを上昇させて乗入部を開放する一方、非入出庫時はフェンスを下降させて乗入部を閉鎖するようにした立体駐車装置が開示されている。乗入部上方には、ハイルーフ車の進入を規制する規制板が昇降可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-253904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、入庫可能な高さが格納スペース毎に異なる多段式に構成されかつ特許文献1の規制板を備えない従来型の立体駐車装置では、左右に並べられた複数のパレットにおいて、利用者が当該利用者自身の入庫すべきパレットを間違えてしまうことがある。例えば、利用者が契約しているハイルーフ用パレットの隣に位置する普通車用パレットにハイルーフ車を誤入庫してしまう場合がある。
【0006】
また、上記従来型の立体駐車装置において、仮にパレット毎に1枚のフェンスが設けられていたとしても、例えばハイルーフ車が入庫するときに、利用者が、入庫先のパレットの入庫可能な高さを見分けられずに、普通車用のパレットをハイルーフ車用のパレットと勘違いして、普通車用のパレットに当該ハイルーフ車を入庫させようとすることが起こりうる。
【0007】
一方、地下に設けられた下段の格納スペースと、地上に設けられた中段および上段の格納スペースとを有するような従来型の立体駐車装置では、普通車用のパレットのみを下段および上段の各格納スペースに格納可能な構成も多数存在している。このような従来型の立体駐車装置では、普通車用のパレットと、ハイルーフ車用のパレットとが入庫および出庫が行われる乗入レベル(中段の格納スペースを兼ねる)に混在している。しかしながら、上記従来型の構成では、仮に、左右に並べられた複数のパレットの各々に対応する複数の間口について入庫する車両が入庫可能な高さを超えていることを同時に検知可能な光電管(投光器および受光器)を、乗入レベル(中段の格納スペース)において投光器から出る光が水平方向に向かって複数の間口を横切るように配置したとしても、上記光が遮断された位置のパレットを特定することは容易ではなかった。
【0008】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械式の立体駐車装置において誤入庫を適切に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、第1の開示は、複数の入出庫部が車両の入出庫可能に乗入レベルに並列に配置される機械式の立体駐車装置であって、この立体駐車装置は、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えているか否かを、複数の入出庫部について同時に検知可能な第1検知部と、複数の入出庫部において入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定可能な判定部と、を備える。
【0010】
第1の開示では、乗入レベルに並列に配置される複数の入出庫部に車両が入出庫して、車両を駐車させることができる機械式駐車装置を対象とする。第1検知部が、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えているか否かを、乗入レベルに並列に配置された複数の入出庫部について同時に検知し、かつ、判定部が、乗入レベルに並列に配置された複数の入出庫部において入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定するように構成されている。かかる構成によれば、第1制限高さを、例えば普通車用の入出庫部に入庫可能な高さよりも高くかつハイルーフ車用の入出庫部に入庫可能な高さよりも低くなるような高さに設定すれば、第1検知部により、複数の入出庫部のいずれかに対するハイルーフ車の進入を適切に検知することができる。そして、判定部により、第1制限高さを超えた車両(上記ハイルーフ車)が入庫しようとしている入出庫部を判定することが可能となる。すなわち、第1検知部および判定部により、例えば複数の入出庫部の中で誤入庫の可能性がある車両が位置する入出庫部を特定することが容易となる。したがって、第1の開示では、誤入庫を適切に防止することができる。
【0011】
第2の開示は、第1の開示において、第1制限高さよりも高い位置に設定された第2制限高さに基づいて入庫動作中の車両の高さを、複数の入出庫部について同時に検知可能な第2検知部をさらに備える。
【0012】
この第2の開示では、第2制限高さを、例えばハイルーフ車用の入出庫部に入庫可能な高さよりも高くかつ各入出庫部の天井高さよりも低くなるように設定すれば、第2検知部により、入庫可能な高さを超える車両が入庫しようとしていることを検知することができる。
【0013】
第3の開示は、第1または第2の開示において、複数の入出庫部は、立体駐車装置に設けられた複数の格納スペースの中で割り当てられた格納スペースに応じて入庫可能な高さが異なり、第1制限高さは、相対的に低い入庫可能な高さとなる入出庫部に対応して設定されている。ここで、入出庫部と格納スペースとの間で行われる搬送は、略水平方向または略鉛直方向に行われる。
【0014】
この第3の開示では、例えば同じ間口でも利用者による呼出操作に基づいて乗入レベルに配置された入出庫部に対応する各格納スペースに応じて入出庫部の入庫可能な高さが異なるときに、第1制限高さを、例えば、普通車用の入出庫部に入庫可能な高さよりも高くかつハイルーフ車用の入出庫部に入庫可能な高さよりも低くなるように設定すれば、第1検知部が、複数の入出庫部のいずれかに対してハイルーフ車の進入が行われようとしているのを適切に検知することができる。
【0015】
第4の開示は、第3の開示において、第1検知部および判定部を制御するための制御部をさらに備え、制御部は、判定部により前記入庫動作中の車両が位置していると判定された入出庫部において、該入出庫部に割り当てられた格納スペースに対応する入庫可能な高さに基づいて、第1検知部による検知結果を制御に適用するか否かを選択する。
【0016】
この第4の開示では、制御部が、上記格納スペースに対応する入庫可能な高さに基づいて、第1検知部による検知結果を制御に適用するか否かを選択することにより、制御部による処理動作を適正化することができる。
【0017】
第5の開示は、第1~第3のいずれか1つの開示において、第1検知部および判定部を制御するための制御部をさらに備えている。制御部は、第1検知部による検知結果と判定部による判定結果とを互いに関連付けて制御するように構成されている。
【0018】
この第5の開示では、制御部が、第1検知部による検知結果と判定部による判定結果とを互いに関連付けて制御することから、複数の入出庫部において第1制限高さを超えた車両が位置する入出庫部を特定することができる。
【0019】
第6の開示は、第4または第5の開示において、制御部により制御される報知部をさらに備えている。そして、制御部は、入出庫部に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えていることを第1検知部が検知し、かつ、入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定部が判定したときであって、入庫動作中の車両が位置している入出庫部の入庫可能な高さが第1制限高さよりも低いときに、報知部を作動させる。
【0020】
この第6の開示では、制御部により、入出庫部に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えていることを第1検知部が検知し、かつ、入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定部が判定したときであって、入庫動作中の車両が位置している入出庫部の入庫可能な高さが第1制限高さよりも低いときに、報知部を作動させることから、誤入庫を未然に防止することができる。
【0021】
第7の開示は、第4または第5の開示において、制御部により制御される禁止部をさらに備えている。そして、制御部は、入出庫部に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えていることを第1検知部が検知し、かつ、入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定部が判定したときであって、入庫動作中の車両が位置している入出庫部の入庫可能な高さが第1制限高さよりも低いときに、禁止部が立体駐車装置の動作の全部または一部を禁止する。
【0022】
この第7の開示では、制御部により、入出庫部に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えていることを第1検知部が検知し、かつ、入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定部が判定したときであって、入庫動作中の車両が位置している入出庫部の入庫可能な高さが第1制限高さよりも低いときに、禁止部が立体駐車装置の動作の全部または一部を禁止することから、例えば、誤入庫された状態の入出庫部を所定の格納位置に搬送するという立体駐車装置の動作を未然に防止することができる。
【0023】
第8の開示は、第1~第7のいずれか1つの開示において、各入出庫部は、各入出庫部に入庫した車両を載置可能なパレットと、パレットの上面における前端部近傍に配置された識別部と、を有している。そして、判定部は、入庫動作中の車両により識別部が隠れた状態を画像認識することにより、複数の入出庫部において入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定するように構成されている。
【0024】
この第8の開示では、入庫動作中の車両によりパレット上面の前端部近傍に位置する識別部が隠れた状態を、判定部が画像認識することにより、入庫動作中の車両が位置する入出庫部を適切に特定することができる。
【0025】
第9の開示は、第1~第7のいずれか1つの開示において、判定部は、各入出庫部に入出庫する車両を撮影可能に構成されている。そして、判定部は、撮影範囲内に予め設定した複数の動体検知領域において入庫動作中の車両を動体として検知した少なくとも1つの動体検知領域を特定することにより、複数の入出庫部において入庫動作中の車両が位置している入出庫部を判定するように構成されている。
【0026】
この第9の開示では、判定部が、撮影範囲内に予め設定した複数の動体検知領域において入庫動作中の車両を撮影して動体として検知した少なくとも1つの動体検知領域を特定することにより、入庫動作中の車両が位置する入出庫部を適切に特定することができる。
【0027】
第10の開示は、第1~第9のいずれか1つの開示において、第1検知部は、投光器および受光器からなる。投光器および受光器は、投光器から出る光が水平方向に向かって複数の入出庫部を横切るように配置されている。
【0028】
この第10の開示では、投光器から出る光が水平方向に向かって複数の入出庫部を横切るように配置された投光器および受光器により、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えているか否かを、簡易な構成で適切に検知することができる。
【0029】
第11の開示は、第1~第9のいずれか1つの開示において、第1検知部は、カメラ撮影による画像処理により、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さを超えているか否かを、複数の入出庫部について同時に検知するように構成されている。
【0030】
この第11の開示では、第1検知部を、カメラ撮影による画像処理により対象となる車両の高さを検知するように構成していることから、入庫動作中の車両を適切に特定することができる。また、カメラ撮影による画像処理を適切に行うことによって種々の形状の車両に対応することができる。
【0031】
第12の開示は、第1~第11のいずれか1つの開示において、判定部は、車両の進入方向に対し、立体駐車装置の前面から入庫定位置の前端に亘る範囲に設定された判定区間において車両の有無を判定するように構成されている。
【0032】
この第12の開示では、入出庫部において既に入庫済みの、入庫定位置にある車両を除外して判定することが可能となる。これにより、入庫動作中の車両がいずれの入出庫部に入庫しようとしているか否かを、適切に判定することができる。
【0033】
第13の開示は、立体駐車装置を、第1~第12の開示のいずれか1つの開示における立体駐車装置として機能させるためのコンピュータ用プログラムである。
【0034】
第13の開示では、上記第1~第12の開示に示した作用効果を奏させるコンピュータ用プログラムを得ることができる。
【0035】
第14の開示は、第1検知部および判定部を既設の立体駐車装置に設けて上記第1~第12の開示のいずれか1つの開示における立体駐車装置として機能させる、立体駐車装置の改造方法である。
【0036】
この第14の開示では、既設の立体駐車装置を、上記第1~第12の開示と同様の作用効果を奏する立体駐車装置に容易に改造することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本開示によると、誤入庫を適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本開示の実施形態に係る立体駐車装置を概略的に示す正面図である。
図2図2は、立体駐車装置を側方から見て概略的に示す側面図である。
図3図3は、中段の格納スペースに位置する入出庫部に入庫動作中の車両を示した図2相当図である。
図4図4は、立体駐車装置の主な構成を概略的に示すブロック図である。
図5図5は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャート図である。
図6図6は、制御部の処理動作の他例を示すフローチャート図である。
図7図7は、変形例1の立体駐車装置の一部を拡大して示した部分拡大正面図である。
図8図8は、変形例2の立体駐車装置の一部を拡大して示した部分拡大正面図である。
図9図9は、変形例4の動体検知方式による設定画面の一例を示す概略図である。
図10図10は、変形例4の動体検知方式による設定画面の一例を示す概略図である。
図11図11は、変形例4の動体検知方式による動体検知領域を模式的に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0040】
図1に示すように、本開示の実施形態に係る機械式の立体駐車装置1は、複数列かつ多段式(図示例では上段、中段、および下段の三段式)の立体駐車装置1である。立体駐車装置1は、複数本の支柱2、前梁3、および横梁(図示せず)などにより枠組みされた枠組体を骨格として構成されている。
【0041】
ここで、以下の説明では、立体駐車装置1を正面側から見たときの左右方向に基づいて、立体駐車装置1を構成する各要素の位置関係を定めるものとする。すなわち、図1の紙面左側に位置する支柱2の側を「左側」とし、図1の紙面右側に位置する支柱2の側を「右側」とする。また、立体駐車装置1の前後方向に関しては、後述する乗り入れ部12側(図2の紙面左側)を「前側」とし、立体駐車装置1の奥側(図2の紙面右側)を「後側」として定めるものとする。
【0042】
(第1および第2格納領域)
立体駐車装置1は、図1の紙面左側に位置する第1の格納領域R1と、図1の紙面右側に位置する第2の格納領域R2とに区分けされている。第1および第2の格納領域R1,R2の各々には、各段において後述する複数の入出庫部10を配置するための格納スペース4~6が設けられている。なお、図1図3では、地面または路面の位置を「FL」にて図示している。この実施形態においては、FLに対応する高さに位置付けられた中段の格納スペース5における入出庫部10が、入出庫が行われる乗入レベルとなっている。
【0043】
中段の格納スペース5は、乗入レベルでもある地上に配置されている。下段の格納スペース4は、中段の格納スペース5の真下に位置する地下に配置されている。上段の格納スペース6は、中段の格納スペース5の真上に配置されている。この実施形態の立体駐車装置1において、下段および上段の格納スペース4,6には、普通車Xのみが格納可能となっている。中段の格納スペース5には、普通車Xおよびハイルーフ車Yの双方が格納可能となっている。
【0044】
(入出庫部)
図1に示すように、立体駐車装置1は、複数の入出庫部10を備えている。各入出庫部10は、格納スペース4~6の中で割り当てられた所定の格納スペースに応じて入庫可能な高さが異なるように構成されている。中段の格納スペース5に割り当てられた入出庫部10は、中段に格納されるとともに、乗入レベルである中段の格納スペース5で車両の入出庫を行うことができる。
【0045】
各入出庫部10は、各入出庫部10に入庫した車両を載置可能なパレット11を有している。また、図2に示すように、中段の格納スペース5の前側に位置する地面または路面には、車両が各入出庫部10に乗り入れるための乗り入れ部12が設けられている。
【0046】
図1に示した立体駐車装置1は、上段の格納スペース6に割り当てられたパレット11が5つと、中段の格納スペース5に割り当てられたパレット11が4つと、下段の格納スペース4に割り当てられたパレット11が5つで構成されている。図1に示す状態において、第1の格納領域R1における上段の格納スペース6には、2つの普通車X用のパレット11が左右に並んで配置されている。第1の格納領域R1における中段の格納スペース5には、3つのパレット11が左右に並んで配置されている。具体的に、中段の格納スペース5の左端には、上段の格納スペース6に割り当てられた普通車X用のパレット11が配置され、その右側には、中段の格納スペース6に割り当てられたハイルーフ車Y用のパレット11が2つ配置され、普通車X用のパレット11とハイルーフ車Y用のパレット11とが混在している。第1の格納領域R1における下段の格納スペース4には、3つの普通車X用のパレット11が左右に並んで配置されている。
【0047】
第2の格納領域R2における上段および下段の各格納スペース4,6には、それぞれ2つの普通車X用のパレット11が左右に並んで配置されている。第2の格納領域R2における中段の格納スペース5には、2つのパレット11が左右に並んで配置されている。具体的に、この状態の第2の格納領域R2において中段の格納スペース5には、2つのハイルーフ車Y用のパレット11が配置されている。
【0048】
第1および第2の格納領域R1,R2において、中段の格納スペース5に割り当てられた入出庫部10は、図示しない駆動部により隣り合う格納スペースの左右方向に移動可能になっている。また、上段および下段の格納スペース4,6に割り当てられた入出庫部10は、図示しない昇降駆動部および昇降用チェーン8(上段の場合)を駆動させることにより、乗入レベルである中段の格納スペース5との間で昇降可能となっている。すなわち、第1および第2の格納領域R1,R2を一体として、複数の入出庫部10を、下段と中段、上段と中段、および中段の格納スペース4,5,6の相互間で入出庫部10を移動させることが可能となっている。
【0049】
(フェンス)
図1図3に示すように、立体駐車装置1は、2つのフェンス9を備えている。各フェンス9は、第1および第2の格納領域R1,R2の各々に対応するように設けられている。各フェンス9は、乗り入れ部12の上側に配置されている。各フェンス9は、開閉駆動部7(図2参照)により上下方向に開閉可能に構成されている。
【0050】
図2に示すように、フェンス9を閉じた状態では、中段の格納スペース5(乗入レベル)に位置する複数の入出庫部10が道路等の外部と遮断される。一方、図3に示すように、フェンス9を開けた状態では、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10が道路等の外部と連通する。この開状態では、中段の格納スペース5に位置する各入出庫部10において車両を入出庫することが可能となる。
【0051】
(識別部)
図1図3に示すように、各パレット11の上面には、識別部13が設けられている。識別部13は、パレット11の前端部近傍に配置されている。識別部13は、入庫動作中の車両が無く、パレット11上に車両が載置されていないときおよびパレット11上の入庫定位置に車両が載置されているときに、後述する判定部23がパレット11の上方から認識できるように構成され、入庫動作中の車両があるときは、車両の進入過程においてその一部または全部を後述する判定部23がパレット11の上方から認識できないように構成されている。
【0052】
識別部13は、例えば文字、図形、記号、若しくは色彩またはそれらの組み合わせからなる。具体的に、識別部13は、例えばパレット11毎に付与される通し番号(パレット番号)により構成されていてもよい。また、識別部13は、車両の車高毎に定めたパレット11の用途(普通車X用のパレット11およびハイルーフ車Y用のパレット11)と連関していてもよい。上記パレット番号は、後述する判定部23により撮影された画像において、当該画像に現れた入出庫部10に対応する入庫可能な高さと照合できるように設定されていてもよい。
【0053】
(制御部)
図4に示すように、立体駐車装置1は、制御部20を備えている。制御部20は、立体駐車装置1に備えられる制御盤(図示せず)の内部に設置される。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を含む。制御部20は、例えば、図示しない記憶部に記憶されたコンピュータ用プログラムをRAMに読出し、該コンピュータ用プログラムをCPU上で実行するように構成されている。
【0054】
制御部20は、後述する第1検知部21、第2検知部22、判定部23、報知部24、および禁止部25の各々を制御するように構成されている。なお、制御部20による一連の処理動作については後述する。
【0055】
(第1検知部)
図1および図4に示すように、立体駐車装置1は、第1検知部21を備えている。第1検知部21は、第1および第2の格納領域R1,R2の各々に設けられている。第1検知部21は、乗入レベルである中段の格納スペース5に設けられている。第1の格納領域R1に設けられた第1検知部21は、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、中段の格納スペース5に位置する3つの入出庫部10の全てについて同時に検知するように構成されている。また、第2の格納領域R2に設けられた第1検知部21は、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、中段の格納スペース5に位置する2つの入出庫部10の全てについて同時に検知するように構成されている。第1制限高さH1は、相対的に低い入庫可能な高さとなる入出庫部10(この形態においては普通車X用の入出庫部10)に対応して設定されている。
【0056】
この実施形態の第1検知部21は、一対の光電管P1,P2により構成されている。一対の光電管P1,P2は、例えば投光器および受光器からなる。投光器および受光器の各々は、立体駐車装置1の左右方向に対向する支柱2,2の各々に取り付けられている。なお、第1検知部21は、投光器および受光器の両方を一体的に備える反射型の光電管を、一方の支柱2のみに設け、対向する支柱2に再帰反射板などの反射材を設けた構成としてもよい。
【0057】
第1検知部21を構成する投光器および受光器は、投光器から出る光L1が、水平方向に向かって中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10の前方を横切るように配置されている。また、第1検知部21は、投光器から出た光L1が、パレット11の上面から上記第1制限高さH1となる高さに配置されている。これにより、第1検知部21は、上記第1制限高さH1を超えているか否かを、第1および第2の格納領域R1,R2において、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10について同時に検知可能となっている。
【0058】
上記第1制限高さH1は、例えば、普通車X用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも高く、かつ、ハイルーフ車Y用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも低くなるように設定される。具体的に、第1制限高さH1は、普通車X用の入出庫部10に入庫可能な高さが例えば1550mmであるとき、入出庫時の車両の揺れや積載状態による車高変化の余裕を考慮し、且つ普通車X用格納スペースの天井高さより低くなるように、例えばパレット11の上面から上方に1600mmだけ離れた位置に設定される。
【0059】
上記設定により、入庫動作中の車両がハイルーフ車Yである場合には、投光器から出た光L1が当該車両により遮断されて、当該光が受光器に到達しない。その結果、第1検知部21は、当該車両(ハイルーフ車Y)の高さが第1制限高さH1を超えていることを検知する。
【0060】
一方、入庫動作中の車両が普通車Xである場合には、投光器から出た光L1が当該車両により遮断されず、当該光L1が受光器に到達する。すなわち、第1検知部21は、当該車両(普通車X)の高さが第1制限高さH1を超えていることを検知しない。
【0061】
(第2検知部)
図1および図4に示すように、立体駐車装置1は、第2検知部22を備えている。第2検知部22は、第1および第2の格納領域R1,R2の各々に設けられている。第2検知部22は、乗入レベルである中段の格納スペース5に設けられている。第1の格納領域R1に設けられた第2検知部22は、入庫動作中の車両の高さが第2制限高さH2を超えているか否かを、中段の格納スペース5に位置する3つの入出庫部10の全てについて同時に検知するように構成されている。また、第2の格納領域R2に設けられた第2検知部22は、入庫動作中の車両の高さが第2制限高さH2を超えているか否かを、中段の格納スペース5に位置する2つの入出庫部10の全てについて同時に検知するように構成されている。
【0062】
第2検知部22は、第1検知部21と同様に、一対の光電管P1,P2(投光器および受光器)により構成されている。第2検知部22は、投光器から出た光L2が、パレット11の上面から上記第2制限高さH2となる高さに配置されている。なお、第2検知部22の具体的構成は、第1検知部21と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0063】
上記第2制限高さH2は、第1制限高さH1よりも高い位置に設定されている。具体的に、第2制限高さH2は、例えば、ハイルーフ車Y用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも高く、かつ、それぞれの格納スペース5に実質的に入庫可能な高さ(例えば各入出庫部10の天井高さ)よりも低くなるように設定される。より具体的に、ハイルーフ車Y用の入出庫部10に入庫可能な高さが例えば2000mmであるとき、第2制限高さH2は、パレット11の上面から上方に例えば2050mmだけ離れた位置に設定される。
【0064】
上記設定により、入庫動作中の車両が一般的なハイルーフ車Yよりも車高が高い車両または車両の屋根上にルーフキャリア(図示せず)が取り付けられている場合(すなわち、車高オーバーの場合)には、投光器から出た光L2が当該車両により遮断されて、当該光L2が受光器に到達しない。その結果、第2検知部22は、当該車両の高さが第2制限高さH2を超えていることを検知する。
【0065】
(判定部)
図1および図4に示すように、立体駐車装置1は、判定部23を備えている。この実施形態に係る立体駐車装置1では、1つの判定部23が、第1および第2の格納領域R1,R2の各々に設けられている。判定部23は、乗入レベルである中段の格納スペース5に対応させて設けられている。そして、判定部23は、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定するように構成されている。
【0066】
判定部23は、例えばカメラのような撮影装置からなる。この形態では、判定部23は、立体駐車装置1を構成する前梁3の下側に取り付けられている。
【0067】
判定部23は、前梁3に取り付けられた状態で、中段の格納スペース5に位置する各パレット11上の識別部13を認識するように構成されている。そして、判定部23は、入庫動作中の車両により識別部13が隠れた状態を画像認識することにより、複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10がいずれであるかを判定可能となっている。
【0068】
図2および図3に示すように、判定部23は、車両の進入方向に対し、判定区間Jにおいて入庫動作中の車両の有無を判定するように構成されている。この明細書における「入庫動作中」には、車両が動いている状態と、入庫する過程において車両の一部が判定区間Jに一時的に停止している状態を含んでもよい。図2に示すように、上記判定区間Jは、立体駐車装置1の前面(例えば前方の支柱2の後端部)から入庫定位置の前端(例えば前方の支柱2の後端部から後方に100mm離れた位置)に亘る範囲に設定される区間を指す。ここで、上記入庫定位置は、車両全長に相当する範囲を指すものとする。なお、上記入庫定位置の前端は、識別部13の一部または全部が入庫済みの車両(XまたはY)に隠されて判定部23が入庫動作中の車両有りと判定しない位置であればよく、例えば図2および図3に示すように、側面視において識別部13の前後方向略中央に位置するようにしてもよい。
【0069】
(報知部および禁止部)
図4に示すように、立体駐車装置1は、報知部24および禁止部25を備えている。報知部24および禁止部25は、制御部20により制御される。具体的に、制御部20は、入出庫部10に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知し、かつ、判定部23が判定した入庫動作中の車両が位置している入出庫部10の入庫可能な高さが第1制限高さH1より低い(この形態においては普通車X用の入出庫部10)ときに、報知部24を作動させる。また、制御部20は、入出庫部10に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知し、かつ、判定部23が判定した入庫動作中の車両が位置している入出庫部10の入庫可能な高さが第1制限高さH1より低い(この形態においては普通車X用の入出庫部10)ときに、禁止部25が立体駐車装置1の動作の全部はまた一部を禁止する。
【0070】
ここで、上記「立体駐車装置1の動作の一部を禁止する」とは、例えば、利用者の操作によるフェンス9の閉鎖動作を禁止する一方、隣側の閉鎖されたフェンス9を開閉する動作、予約入力、管理者による立体駐車装置1の各種操作などは制限しない、という場合が想定される。なお、立体駐車装置1では、一般的に、フェンス9を閉鎖しないとパレット11が動作しないというインターロックが設けられている。
【0071】
また、報知部24としては、例えば、乗り入れ部12付近に位置する図示しない運転操作盤に備え付けられた警報装置(すなわち、視覚情報および/または聴覚情報を発出可能な装置)が適用可能である。なお、報知部24としては、上記警報装置に限られず、図示しない外部機器(例えば、利用者が所持する携帯端末、操作リモコン、車載機器など)を用いて、該外部機器が視覚情報および/または聴覚情報を発出するようにしてもよい。
【0072】
(制御部による処理動作)
以下に、入庫の場合の制御部20による一連の処理動作を、図5および図6を参照しながら説明する。図5および図6に例示する一連の処理動作において、制御部20は、第1検知部21による検知結果と判定部23とによる判定結果とを互いに関連付けて制御している。なお、制御部20による一連の処理動作としては、図5および図6に例示する処理動作の少なくともいずれか一方が適用されていればよい。
【0073】
ここで、図5および図6に例示する処理動作に先立ち、立体駐車装置1への車両の入庫を開始する際には、利用者により入出庫部10の呼出操作が行われる。具体的には、例えば利用者は運転操作盤に対して予め与えられた暗証番号やICカードなどの認証手段を用いて認証を行い、認証に成功すると、当該利用者が入庫できる入出庫部10(利用者契約に紐づけられた特定の入出庫部や、契約された車両が入庫可能な高さの空車状態の入出庫部など)が搬送され、乗入レベルへの配置が完了して入庫可能になるとフェンス9が開放されて車両の進入が可能な状態となる。そして、利用者は車両に乗り込み入出庫部10への進入を開始する。これ以降の制御部20による一連の処理動作は、図5および図6に示すとおりである。
【0074】
図5では、制御部20が、第1および第2検知部21,22による検知ステップを行った後に、判定部23による判定ステップを行う場合の処理動作を説明する。
【0075】
図5に示すように、ステップS101において、制御部20は、入庫が完了したか否かを判断する。例えば、利用者がフェンス9を閉じる操作を行った場合に、制御部20が、入庫が完了したことを判断する。また、公知の検知手段等により車両が入出庫部10の入庫定位置に停車し、格納領域R1,R2の乗入レベルに人や車両以外の異物が存在しないと判定した場合に、制御部20が、入庫が完了したことを判断してもよい。ステップS101で入庫が完了したYESの場合は、この一連の処理動作が終了する。一方、ステップS101で入庫が完了していないNoの場合は、ステップS102に進む。
【0076】
ステップS102において、入庫動作中の車両の高さが第2制限高さH2を超えているか否かを、第2検知部22が検知する。ステップS102で第2制限高さH2を超えていることを第2検知部22が検知したYESの場合は、ステップS107に進む。一方、ステップS102で第2制限高さH2を超えていることを第2検知部22が検知しなかったNoの場合は、ステップS103に進む。
【0077】
ステップS103において、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、第1検知部21が検知する。ステップS103で第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知したYESの場合は、ステップS104に進む。一方、ステップS103で第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知しなかったNoの場合は、ステップS101に戻る。
【0078】
ステップS104において、入庫動作中の車両によりパレット11上の識別部13が隠れた状態を、判定部23が画像認識したか否かを判定する。ステップS104で識別部13が隠れた状態を判定部23が画像認識したYESの場合は、ステップS105に進む。一方、ステップS104でNoの場合は、ステップS101に戻る。
【0079】
ステップS105において、判定部23は、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定する。その後、ステップS106に進む。
【0080】
ステップS106において、制御部20は、入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用であるか否かを判断する。すなわち、入庫動作中の車両が位置している入出庫部10の入庫可能な高さが第1制限高さH1よりも低いか否かを判断する。具体的に、制御部20が、各入出庫部10の入庫可能な高さを予め記憶しかつ各パレット11の現在位置を把握していれば、判定部23により判定された入庫動作中の入出庫部10が普通車X用であるか否かを判断することが可能である。また、識別部13が、例えばパレット11毎に付与される通し番号により構成されている場合や、車両の車高毎に定めたパレット11の用途(入庫可能な高さ)と連関付けられている場合は、この情報を用いて入庫動作中の入出庫部10が普通車X用であるか否かを判断することも可能である。ステップS106で入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用であるYESの場合は、ステップS107に進む。一方、ステップS106で入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用でないNoの場合は、ステップS101に戻る。
【0081】
ステップS107において、制御部20が報知部24および/または禁止部25を作動させる。以上により、図5に示した制御部20による一連の処理動作が終了する。
【0082】
なお、図5に示した制御部20による一連の処理動作において、利用者が誤入庫に気づいてエラー状態(ステップS107が実行される状態)を事前に解消した場合(例えば、第1検知部21が非検知および/または判定部23における判定内容を変更した場合)には、図5に示したスタートの位置に戻るようにしてもよい。
【0083】
また、図5に示した制御部20による一連の処理動作では、ステップS102でYESとなったときにステップS107に進む場合(すなわち、ステップS103~S106をスキップする場合)を例示したが、必要に応じてステップS103~S106を実行してもよい。例えば、判定部23が車両の通行と車両以外(例えば利用者)の通行とを区別する場合、あるいは報知部24による報知の際に該当する入出庫部10を表示するのに必要な場合には、判定部23の判定ステップ(ステップS104およびステップS105)を実行してもよい。
【0084】
また、図5に示したステップS103において第1検知部21が第1制限高さH1を超えていることを検知しても、ステップS104において判定部23がいずれの入出庫部10でも入庫動作中の車両を認識していなければ(Noの場合)ステップS101に戻るようにしているが、これは例えば人の通行を検知しただけの可能性があるため、エラー状態とみなさないようにしているもので、このステップ104を省略することもできる。
【0085】
次に、図6では、制御部20が、判定部23による判定ステップを行い、その後に判定部23の判定結果に基づいて、第1および第2検知部21,22による検知ステップを行う場合の処理動作を説明する。
【0086】
図6に示すように、ステップS201(図5のステップS101に相当)において、制御部20は、入庫が完了したか否かを判断する。ステップS201で入庫が完了したYESの場合は、この一連の処理動作が終了する。一方、ステップS201で入庫が完了していないNoの場合は、ステップS202に進む。
【0087】
ステップS202(図5のステップS104に相当)において、入庫動作中の車両によりパレット11上の識別部13が隠れた状態を、判定部23が画像認識したか否かを判定する。ステップS202で識別部13が隠れた状態を判定部23が画像認識したYESの場合は、ステップS203に進む。
【0088】
ステップS203(図5のステップS105に相当)において、判定部23は、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定する。その後、ステップS204に進む。一方、ステップS202でNoの場合は、ステップS201に戻る。
【0089】
ステップS204(図5のステップS102に相当)において、入庫動作中の車両の高さが第2制限高さH2を超えているか否かを、第2検知部22が検知する。ステップS204で第2制限高さH2を超えていることを第2検知部22が検知したYESの場合は、ステップS207に進む。一方、ステップS204で第2制限高さH2を超えていることを第2検知部22が検知しなかったNoの場合は、ステップS205に進む。
【0090】
ステップS205(図5のステップS106に相当)において、制御部20は、入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用であるか否かを判断する。ステップS106で入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用であるYESの場合は、ステップS206に進む。一方、ステップS205で入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用でないNoの場合は、ステップS201に戻る。
【0091】
ステップS206(図5のS103に相当)において、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、第1検知部21が検知する。ステップS206で第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知したYESの場合は、ステップS207に進む。一方、ステップS206で第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知しなかったNoの場合は、ステップS201に戻る。
【0092】
なお、ステップS205、S206では既にステップS203で入庫動作中の車両が位置している入出庫部10が普通車X用であるか否かが判断されているので、Noの場合にステップS204に戻るようにしてもよい。
【0093】
ステップS207(図5のステップS107に相当)において、制御部20が報知部24および/または禁止部25を作動させる。以上により、図6に示した制御部20による一連の処理動作が終了する。
【0094】
[実施形態の作用効果]
本開示の実施形態に係る立体駐車装置1では、第1検知部21が、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、複数の入出庫部10について同時に検知し、かつ、判定部23が、複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定するように構成されている。かかる構成によれば、第1制限高さH1を、例えば普通車X用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも高くかつハイルーフ車Y用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも低くなるような高さに設定すれば、第1検知部21により、複数の入出庫部10の中でいずれかの入出庫部10に対するハイルーフ車Yの進入を検知することができる。そして、判定部23により、第1制限高さH1を超えた車両(上記ハイルーフ車Y)が入庫しようとしている入出庫部10が普通車X用の入出庫部10であるか否かを適切に判定することが可能となる。すなわち、第1検知部21および判定部23により、複数の入出庫部10の中で入庫しようとしている車両が位置する入出庫部10を特定し、誤入庫の可能性が高いことを検知することが容易となる。したがって、立体駐車装置1では、誤入庫を適切に防止することができる。
【0095】
また、立体駐車装置1では、第2制限高さH2を、例えばハイルーフ車Y用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも高くかつ各入出庫部10の天井高さよりも低くなるように設定すれば、第2検知部22により、入庫可能な高さを超える車両が入庫しようとしていることを検知することができる。
【0096】
また、複数の入出庫部10は、複数の格納スペース4~6の中で割り当てられた格納スペースに応じて入庫可能な高さが異なり、第1制限高さH1は、相対的に低い入庫可能な高さとなる入出庫部10に対応して設定されている。このため、例えば、同じ間口(列)でも利用者による呼出操作に基づいて乗入レベルに配置された入出庫部10に対応する各格納スペースに応じて入出庫部10の入庫可能な高さが異なるときに、第1制限高さH1を、例えば普通車X用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも高くかつハイルーフ車Y用の入出庫部10に入庫可能な高さよりも低くなるように設定すれば、第1検知部21が、複数の入出庫部10のいずれかに対してハイルーフ車Yの進入が行われようとしていることが検知でき、判定部23の判定に基づいて普通車X用の入出庫部10に対するハイルーフ車Yの進入を適切に検知することができる。
【0097】
また、制御部20は、判定部23により入庫動作中の車両が位置していると判定された入出庫部10において、該入出庫部10に割り当てられた格納スペースに対応する入庫可能な高さに基づいて、第1検知部21による検知結果を制御に適用するか否かを選択する。具体的に、上記格納スペースに対応する入庫可能な高さが、例えば普通車Xが入庫可能な高さであれば、第1検知部21による検知結果を制御部20が制御に適用すればよい。一方、上記格納スペースに対応する入庫可能な高さが、例えばハイルーフ車Yが入庫可能な高さであれば、第1検知部21による検知結果を制御部20が制御に適用しないようにすればよい。その結果、制御部20による処理動作を適正化することができる。
【0098】
また、立体駐車装置1では、制御部20が、第1検知部21による検知結果と判定部23による判定結果とを互いに関連付けて制御することから、複数の入出庫部10において第1制限高さH1を超えた車両が位置する入出庫部10を特定することができる。
【0099】
また、立体駐車装置1では、制御部20により、入出庫部10に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知し、かつ、判定した入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定部23が判定したときであって、当該入出庫部10に入庫可能な高さが第1制限高さH1よりも低い場合(すなわち、図5で示したステップS106または図6に示したステップS205でYESの場合)に、報知部24を作動させることから、誤入庫を未然に防止することができる。
【0100】
また、立体駐車装置1では、制御部20により、入出庫部10に入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えていることを第1検知部21が検知し、かつ、判定した入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定部23が判定したときであって、当該入出庫部10に入庫可能な高さが第1制限高さH1よりも低い場合(すなわち、図5で示したステップS106または図6に示したステップS205でYESの場合)に、禁止部25が立体駐車装置1の動作の全部はまた一部を禁止することから、例えば、誤入庫された状態の入出庫部10を所定の格納位置に搬送するという立体駐車装置1の動作を未然に防止することができる。
【0101】
また、この実施形態に係る立体駐車装置1では、入庫動作中の車両によりパレット11上面の前端部近傍に位置する識別部13が隠れた状態を、判定部23が画像認識することにより、入庫動作中の車両が位置する入出庫部10を適切に特定することができる。また、識別部13を入庫動作中の車両により隠れた状態となる例えばパレット左右方向の中央部に設ければ、パレット間やパレット周縁部近傍を歩行する人は入庫動作中の車両とは判定されないので、入庫動作中の車両と車両以外(例えば利用者)の通行とを区別できる。
【0102】
また、この実施形態に係る立体駐車装置1において、投光器および受光器からなる第1検知部21は、投光器から出る光L1が、水平方向に向かって中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10を横切るように配置されている。これにより、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、簡易な構成で適切に検知することができる。
【0103】
また、判定部23は、車両の進入方向に対し判定区間Jにおいて車両の有無を判定するように構成されている。かかる構成によれば、入出庫部10において既に入庫済みの、入庫定位置にある車両を除外して判定することが可能となる。これにより、入庫動作中の車両がいずれの入出庫部10に入庫しようとしているかを、適切に判定することができる。
【0104】
[実施形態の変形例1]≪判定部は一対の光電管≫
上記実施形態では、判定部23としてカメラを用いた例を示し、かつ、1つの判定部23を第1および第2の格納領域R1,R2の各々に設けた形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図7に示すように、判定部23は、カメラのような撮影装置に代えて、一対の光電管P1,P2(投光器および受光器)により構成されていてもよい。また、判定部23は、第1および第2の格納領域R1,R2の各々において、中段の格納スペース5に位置する入出庫部10毎に設けられていてもよい。
【0105】
図7に示した変形例1では、一対の光電管P1(23),P2(23)の各々が、前梁3の下部と、各入出庫部10の下側(乗り入れ部12付近)とにそれぞれ取り付けられている。また、投光器から出た光L3は、垂直方向に延びている。このような変形例であっても、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を、投光器から出た光L3が当該車両により遮断されて、当該光が受光器に到達しないことで判定することが可能である。
【0106】
[実施形態の変形例2]≪判定部は対角に配置した光電管≫
また、上記変形例1では、投光器から出た光L3が垂直方向に延びるようになっているが、この形態に限られない。すなわち、図8に示した変形例2のように、一対の光電管P1(23),P2(23)の各々を各入出庫部10における前側の対角線上に配置して、投光器から出た光L3が当該対角線の方向に沿うように構成してもよい。
【0107】
この変形例で示した判定部23であっても、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を、投光器から出た光L3が当該車両により遮断されて、当該光が受光器に到達しないことで判定することが可能である。
【0108】
[実施形態の変形例3]≪判定部はパレット周縁部に光電管≫
上記変形例1,2では、判定部23を構成する一対の光電管P1,P2の各々を、前梁3の下部と、各入出庫部10の下側(乗り入れ部12付近)とにそれぞれ取り付けた形態を示したが、この形態に限られない。例えば、一対の光電管P1,P2の各々を、各パレット11の前方における左右の周縁部のそれぞれに取り付けた形態であってもよい(図示せず)。この変形例であっても、判定部23として機能させることができる。
【0109】
[実施形態の変形例4]≪判定部は動体検知≫
上記実施形態では、判定部23が、入庫動作中の車両によりパレット11上面の識別部13が隠れた状態を画像認識する形態を示したが、この形態に限られない。例えば、以下の変形例4に示すような動体検知方式からなる判定部23を用いてもよい。
【0110】
変形例4の判定部23は、各入出庫部10に入出庫する車両を撮影可能に構成されている。そして、判定部23は、撮影範囲内に予め設定した複数の動体検知領域Md(図11参照)において、入庫動作中の車両を撮影して動体として検知した少なくとも1つの動体検知領域Mdを特定することにより、複数の入出庫部10において入庫動作中の車両が位置している入出庫部10を判定するように構成されている。かかる構成により、入庫動作中の車両が位置する入出庫部10を適切に特定することができる。
【0111】
ここで、変形例4の判定部23は、例えば、入出庫部10の前方の進入路上方に設けられたカメラである。また、判定部23としては、上記カメラに限られず、立体駐車装置1の前側から入出庫部10の正面または斜め上方から撮影するものなど、複数の入出庫部10に入庫する車両を撮影可能な構成であればよい。また、動体検知領域Mdは上記実施形態における判定区間Jに設定してもよい。また、判定部23は入出庫部10の各列個別に複数のカメラで構成しても、一部または全部の列を一緒に撮影する複数または1つのカメラで構成してもよい。
【0112】
以下、図9図11を参照しながら、変形例4における動体検知方式の使用例を説明する。
【0113】
図9および図10に示した設定画面SS1,SS2は、主に動体検知領域を設定するための画面である。設定画面SS1,SS2は、例えばカメラに接続されるコンピュータ(図示せず)の画面に相当する。なお、設定画面SS1,SS2は、立体駐車装置1の図示しない運転操作盤をモード切替(例えば保守モードへの切替)した画面であってもよい。
【0114】
次に、図11を参照しながら、動体検知方式による動体検知領域Mdの設定について説明する。図11に示した全てのマス目を縦横に並べた全領域は、判定部23が撮影可能な範囲に相当する。各マス目は、動体検知領域Mdを個々に設定することが可能な単位領域である。図11では、図中にドットハッチングが付されたマス目が動体検知領域Mdに相当する。この実施例では、各入出庫部10の前方において、4つのマス目で構成した動体検知領域Mdが設定されている。一方、ドットハッチングが付されていない領域は、動体検知領域Mdの対象外として設定されている。
【0115】
このように、変形例4では、判定部23が、撮影範囲内に、各々の入出庫部10と関連付けて予め設定した複数の動体検知領域Mdにおいて、入庫動作中の車両を撮影して動体として検知した少なくとも1つの動体検知領域Mdを特定することが可能となっている。これにより、この変形例では、図11に示した3つの入出庫部10の中で、入庫動作中の車両が位置する入出庫部10(図11の紙面中央に位置する入出庫部10)を適切に特定することができる。また、動体検知領域Mdを例えば車両通行範囲のみに設定すれば、その範囲以外を歩行する人は入庫動作中の車両とは判定されないので、車両の通行と車両以外(例えば利用者)の通行とを区別できる。また、入出庫部10と関連付けて予め設定した動体検知領域Mdにおいて、複数同時に動体を検知したときだけ入出庫動作中の車両と判定すれば、一定の大きさの物体のみを車両と判定することができ、車両以外の通行を除外することができる。
【0116】
[実施形態の変形例5]≪第1検知部は画像処理≫
上記実施形態では、第1検知部21が一対の光電管P1,P2からなる形態を示したが、この形態に限られない。例えば、第1検知部21は、カメラ撮影による画像処理により、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、複数の入出庫部10について同時に検知するように構成されていてもよい。
【0117】
具体的には、図示しないカメラを例えば略水平(左右方向)に撮影するように立体駐車装置1の支柱2の第1制限高さH1近傍に取り付ける。そして、当該カメラが、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、画像処理により、中段の格納スペース5に位置する複数の入出庫部10について同時に検知する。これにより、入庫動作中の車両を適切に特定することができる。また、カメラ撮影による画像処理を適切に行うことによって種々の形状の車両に対応することができる。また、画像処理により、車両の通行と車両以外(例えば利用者)の通行とを区別できるようにしてもよい。
【0118】
[その他の実施形態]
上記実施形態では、パレット11上面の前端部付近に設けられた識別部13(パレット番号など)を用いた形態を説明したが、この形態に限られない。例えば、識別部13(パレット番号など)に代えて、各入出庫部10の乗り入れ部12に記された間口番号(図示せず)を適用してもよい。
【0119】
上記実施形態では、第1の格納領域R1に設けられた第1検知部21が、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、中段の格納スペース5に位置する3つの入出庫部10の全てについて同時に検知する一方、第2の格納領域R2に設けられた第1検知部21が、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、中段の格納スペース5に位置する2つの入出庫部10の全てについて同時に検知する形態を示したが、この形態に限られない。例えば、第1および第2の格納領域R1,R2を一つの格納領域とみなして、該一つの格納領域に設けた一つの第1検知部21が、入庫動作中の車両の高さが第1制限高さH1を超えているか否かを、図1に示した中段の格納スペース5に位置する5つの入出庫部10の全てについて同時に検知するように構成してもよい。例えば、一つの第1検知部21を構成する一対の光電管P1,P2の各々を、図1の紙面左側および右側に位置する各支柱2に取り付けて、該一対の光電管P1,P2が、図1に示した中段の格納スペース5に位置する5つの入出庫部10の全てについて同時に検知するように構成してもよい。第2検知部22についても、上述した第1検知部21における他の実施形態と同様に構成してもよい。
【0120】
上記実施形態およびその変形例1~5では、第1検知部21、第2検知部22、判定部23、制御部20、報知部24、および禁止部25を、立体駐車装置1を構成する要素に含めて説明した。しかしながら、例えば、図4に示した第1検知部21、第2検知部22、判定部23、制御部20、報知部24、および禁止部25を、1つの制御ユニットとして構成してもよい。そして、上記制御ユニットを、既設の立体駐車装置を改造するために、当該既設の立体駐車装置に設けてもよい。
【0121】
あるいは、少なくとも第1検知部21および判定部23を含む判定ユニットを構成し、当該判定ユニットを、既設の立体駐車装置に設けてもよい。さらに、例えば、上記実施形態で説明した識別部13と同様の構成を、既設の立体駐車装置に設置されたパレット上面に設けてもよい。このようにして既設の立体駐車装置を改良すれば、少なくとも、上記実施形態で説明した主な作用効果(すなわち、第1検知部21および判定部23により複数の入出庫部10の中で入庫動作中の車両が位置する入出庫部10を特定することが容易となるという作用効果)を得ることができる。その結果、改良した既設の立体駐車装置であっても、誤入庫を適切に防止することができる。
【0122】
さらに、上記実施形態で説明した制御部20による処理動作が、コンピュータ用プログラムにより制御されてもよい。また、当該コンピュータ用プログラムを、例えば既設の立体駐車装置に設置されているコンピュータに組み込んでもよい。そして、既設の立体駐車装置に設置された機器(光電管、カメラなど)を、上記コンピュータが上記コンピュータ用プログラムに従って制御することにより、既設の立体駐車装置においても上記実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0123】
以上、本開示についての実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態のみに限定されず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本開示は、複数の入出庫部が並列に配置された機械式の立体駐車装置として産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0125】
1:立体駐車装置
4:下段の格納スペース
5:中段の格納スペース
6:上段の格納スペース
9:フェンス
10:入出庫部
11:パレット
12:乗り入れ部
13:識別部
20:制御部
21:第1検知部
22:第2検知部
23:判定部
24:報知部
25:禁止部
R1:第1の格納領域
R2:第2の格納領域
H1:第1制限高さ
H2:第2制限高さ
J:判定区間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11