(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149664
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20220929BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220929BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20220929BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 621E
G09G3/20 621M
G09G3/20 612R
G09G3/20 611A
G09G3/20 680G
G09G3/20 621A
G09G3/20 622K
G09G3/20 622D
G09G3/20 622E
G11C19/28 230
G02F1/133 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051923
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小倉 潤
【テーマコード(参考)】
2H193
5B074
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZA07
2H193ZA19
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2H193ZA34
2H193ZC25
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2H193ZC32
2H193ZC35
2H193ZF22
2H193ZF23
2H193ZF43
2H193ZF44
2H193ZF46
5B074AA05
5B074CA01
5B074DA01
5C006AC22
5C006AF72
5C006BB14
5C006BB16
5C006BC02
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC20
5C006BF03
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5C006BF41
5C006FA05
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5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
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5C080FF11
5C080FF12
5C080FF13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
(57)【要約】
【課題】 消費電力を低減することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、行列状に配置された複数の分割領域を有する表示領域4と、複数の分割領域にそれぞれ配置された複数のサブアレイを有し、複数のサブアレイの各々は、複数の画素を有する、画素アレイ10と、複数のサブアレイの各々に設けられ、第1方向に延びる複数の走査線と、各列のサブアレイ群に共通接続されるようにして画素アレイ10に設けられ、第2方向に延びる複数の信号線と、複数の分割領域にそれぞれ配置され、各々が複数の走査線に接続された複数のゲートドライバGDと、複数の信号線に接続されたソースドライバ12と、複数のゲートドライバGD及びソースドライバ12を制御し、複数のサブアレイを個別に駆動することが可能な制御回路15とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置された複数の分割領域を有する表示領域と、
前記複数の分割領域にそれぞれ配置された複数のサブアレイを有し、前記複数のサブアレイの各々は、複数の画素を有する、画素アレイと、
前記複数のサブアレイの各々に設けられ、第1方向に延びる複数の走査線と、
各列のサブアレイ群に共通接続されるようにして前記画素アレイに設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の信号線と、
前記複数の分割領域にそれぞれ配置され、各々が前記複数の走査線に接続された複数のゲートドライバと、
前記複数の信号線に接続されたソースドライバと、
前記複数のゲートドライバ及び前記ソースドライバを制御し、前記複数のサブアレイを個別に駆動することが可能な制御回路と、
を具備する表示装置。
【請求項2】
行列状に配置された複数の分割領域を有する表示領域と、
前記複数の分割領域のうち少なくとも1つの分割領域に設けられ、画素が配置されない非表示領域と、
残りの分割領域にそれぞれ配置された複数のサブアレイを有し、前記複数のサブアレイの各々は、複数の画素を有する、画素アレイと、
前記複数のサブアレイの各々に設けられ、第1方向に延びる複数の走査線と、
各列のサブアレイ群に共通接続されるようにして前記画素アレイに設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の信号線と、
前記残りの分割領域にそれぞれ配置され、各々が前記複数の走査線に接続された複数のゲートドライバと、
前記複数の信号線に接続されたソースドライバと、
前記複数のゲートドライバ及び前記ソースドライバを制御し、前記複数のサブアレイを個別に駆動することが可能な制御回路と、
を具備する表示装置。
【請求項3】
前記制御回路は、列方向に配置されたサブアレイ群を順に駆動する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御回路は、行方向に配置されたサブアレイ群を同時に駆動する
請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
走査を開始するためのスタート信号は、各行のゲートドライバ群に共通に入力される
請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
クロック信号は、各行のゲートドライバ群に共通に入力される
請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
クロック信号は、各列のゲートドライバ群に共通に入力される
請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
走査を停止するためのクリア信号は、前記複数のゲートドライバごとに入力される
請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御回路は、第1ゲートドライバに前記スタート信号を入力した直後に前記クリア信号を入力し、前記第1ゲートドライバに接続されたサブアレイへのデータの書き換えを停止する
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数のゲートドライバの各々は、縦続接続された複数のコア回路を有するシフトレジスタを含み、
前記複数のコア回路の各々は、
前段のコア回路の出力信号に対応する入力信号を第1ノードに転送する入力部と、
第1フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第2ノードで保持する第1インバータ回路と、
前記第1フレーム信号と相補である第2フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第3ノードで保持する第2インバータ回路とを含む
請求項1乃至9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記コア回路は、出力部を含み、
前記出力部は、出力トランジスタと、キャパシタとを含み、
前記出力トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、クロック信号を受ける第1端子と、走査線に接続された第2端子とを有し、
前記キャパシタは、前記第1ノードに接続された第1電極と、前記走査線に接続された第2電極とを有する
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
奇数番目のコア回路は、第1クロック信号を受け、
偶数番目のコア回路は、前記第1クロック信号と相補である第2クロック信号を受ける
請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)をアクティブ素子として使用するアクティブマトリクス型の液晶表示装置、或いは有機EL(electroluminescence)表示装置は、TFTをマトリクス状に配置した基板(TFT基板と呼ぶ)を備えている。TFT基板は、カラム方向にそれぞれが延びかつ画像信号が入力される複数の信号線と、ロウ方向にそれぞれが延びる複数の走査線とを有している。
【0003】
近年、走査線を駆動するゲートドライバをTFT基板上に形成し、ドライバICのコスト削減および表示パネルの狭額縁化が図られている。また、TFT基板上にゲートドライバを形成することで、走査線の引き回し配線の制約がなくなるため、車載向けなどで要求が高い異形表示パネルに対しても有用な技術となってきている。このような技術は、GIP(Gate driver in panel)、或いはGOA(Gate driver on array)と呼ばれる。
【0004】
GIP或いはGOAは、狭額縁及び自由形状の表示パネルを低コストで実現するうえで極めて重要な技術である。しかし、額縁に回路配置する構成では、回路の配置領域が必要であるため狭額縁化にも限界がある。また、信頼性の問題(特に光リーク)を考慮すると、ある程度の額縁を許容せざるを得ない。
【0005】
このような状況下で、ゲートドライバを表示領域内に搭載する技術が提案されている。この技術は、狭額縁化によってマルチパネルでパネルをつなぐ目的や、Foldable(折りたためる)ディスプレイ構造を形成するための技術として開発されている。当該技術は、狭額縁(Narrow Bezel)やそれに伴う異形ディスプレイに適用する技術として注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6077704号公報
【特許文献2】特開2019-91516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、消費電力を低減することが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によると、行列状に配置された複数の分割領域を有する表示領域と、前記複数の分割領域にそれぞれ配置された複数のサブアレイを有し、前記複数のサブアレイの各々は、複数の画素を有する、画素アレイと、前記複数のサブアレイの各々に設けられ、第1方向に延びる複数の走査線と、各列のサブアレイ群に共通接続されるようにして前記画素アレイに設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の信号線と、前記複数の分割領域にそれぞれ配置され、各々が前記複数の走査線に接続された複数のゲートドライバと、前記複数の信号線に接続されたソースドライバと、前記複数のゲートドライバ及び前記ソースドライバを制御し、前記複数のサブアレイを個別に駆動することが可能な制御回路とを具備する表示装置が提供される。
【0009】
本発明の第2態様によると、行列状に配置された複数の分割領域を有する表示領域と、前記複数の分割領域のうち少なくとも1つの分割領域に設けられ、画素が配置されない非表示領域と、残りの分割領域にそれぞれ配置された複数のサブアレイを有し、前記複数のサブアレイの各々は、複数の画素を有する、画素アレイと、前記複数のサブアレイの各々に設けられ、第1方向に延びる複数の走査線と、各列のサブアレイ群に共通接続されるようにして前記画素アレイに設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の信号線と、前記残りの分割領域にそれぞれ配置され、各々が前記複数の走査線に接続された複数のゲートドライバと、前記複数の信号線に接続されたソースドライバと、前記複数のゲートドライバ及び前記ソースドライバを制御し、前記複数のサブアレイを個別に駆動することが可能な制御回路とを具備する表示装置が提供される。
【0010】
本発明の第3態様によると、前記制御回路は、列方向に配置されたサブアレイ群を順に駆動する、第1又は2態様に係る表示装置が提供される。
【0011】
本発明の第4態様によると、前記制御回路は、行方向に配置されたサブアレイ群を同時に駆動する、第1乃至3態様の何れかに係る表示装置が提供される。
【0012】
本発明の第5態様によると、走査を開始するためのスタート信号は、各行のゲートドライバ群に共通に入力される、第1乃至4態様の何れかに係る表示装置が提供される。
【0013】
本発明の第6態様によると、クロック信号は、各行のゲートドライバ群に共通に入力される、第1乃至5態様の何れかに係る表示装置が提供される。
【0014】
本発明の第7態様によると、クロック信号は、各列のゲートドライバ群に共通に入力される、第1乃至5態様の何れかに係る表示装置が提供される。
【0015】
本発明の第8態様によると、走査を停止するためのクリア信号は、前記複数のゲートドライバごとに入力される、第5態様に係る表示装置が提供される。
【0016】
本発明の第9態様によると、前記制御回路は、第1ゲートドライバに前記スタート信号を入力した直後に前記クリア信号を入力し、前記第1ゲートドライバに接続されたサブアレイへのデータの書き換えを停止する、第8態様に係る表示装置が提供される。
【0017】
本発明の第10態様によると、前記複数のゲートドライバの各々は、縦続接続された複数のコア回路を有するシフトレジスタを含み、前記複数のコア回路の各々は、前段のコア回路の出力信号に対応する入力信号を第1ノードに転送する入力部と、第1フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第2ノードで保持する第1インバータ回路と、前記第1フレーム信号と相補である第2フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第3ノードで保持する第2インバータ回路とを含む、第1乃至9態様の何れかに係る表示装置が提供される。
【0018】
本発明の第11態様によると、前記コア回路は、出力部を含み、前記出力部は、出力トランジスタと、キャパシタとを含み、前記出力トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、クロック信号を受ける第1端子と、走査線に接続された第2端子とを有し、
前記キャパシタは、前記第1ノードに接続された第1電極と、前記走査線に接続された第2電極とを有する、第10態様に係る表示装置が提供される。
【0019】
本発明の第12態様によると、奇数番目のコア回路は、第1クロック信号を受け、偶数番目のコア回路は、前記第1クロック信号と相補である第2クロック信号を受ける、第11態様に係る表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、消費電力を低減することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の模式的なレイアウト図である。
【
図5】
図5は、
図2に示したゲートドライバ群の模式図である。
【
図7】
図7は、ゲートドライバに含まれるシフトレジスタのブロック図である。
【
図9】
図9は、ゲートドライバの配置領域を説明する模式図である。
【
図11】
図11は、出力部及びクリア部のレイアウト図である。
【
図14】
図14は、複数の分割領域の配線を説明する図である。
【
図15】
図15は、表示領域の実施例を説明する模式図である。
【
図16】
図16は、分割領域の走査動作を説明するタイミング図である。
【
図17】
図17は、分割領域の走査停止動作を説明するタイミング図である。
【
図18】
図18は、液晶表示装置の駆動パターン1を説明する模式図である。
【
図19】
図19は、液晶表示装置の駆動パターン2を説明する模式図である。
【
図20】
図20は、シフトレジスタの動作を説明するタイミング図である。
【
図21】
図21は、選択期間におけるコア回路のインバータ動作を説明する模式図である。
【
図22】
図22は、第2実施形態に係る複数の分割領域の配線を説明する図である。
【
図23】
図23は、分割領域の走査動作を説明するタイミング図である。
【
図24】
図24は、分割領域の走査停止動作を説明するタイミング図である。
【
図25】
図25は、第3実施形態に係る表示領域の模式図である。
【
図26】
図26は、液晶表示装置の駆動パターン1を説明する模式図である。
【
図27】
図27は、液晶表示装置の駆動パターン2を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
本実施形態では、表示装置として、液晶表示装置を例に挙げて説明する。本実施形態の液晶表示装置は、表示領域内にゲートドライバを配置する構成を有する。
【0024】
[1] 第1実施形態
[1-1] 液晶表示装置1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の模式的なレイアウト図である。
図1において、X方向は、走査線GLが延びるロウ方向であり、Y方向は、信号線SLが延びるカラム方向である。液晶表示装置1は、TFT基板2、集積回路(IC:integrated circuit)3、画素アレイ10、及びゲートドライバ群11を備える。
【0025】
TFT基板2は、透明な絶縁基板で構成され、例えば、ガラス基板又はプラスチック基板などで構成される。TFT基板2上には、画素アレイ10、ゲートドライバ群11、及び集積回路3が設けられる。TFT基板2の上方には対向基板(図示せず)が配置され、TFT基板2及び対向基板間には液晶層(図示せず)が配置される。
【0026】
画素アレイ10には、それぞれがX方向に延びる複数の走査線GLと、それぞれがY方向に延びる複数の信号線SLとが配設される。画素アレイ10が配置される領域は、表示領域に対応する。
【0027】
ゲートドライバ群11は、表示領域内に配置される。なお、ゲートドライバ群11の一部は、表示領域の周辺の周辺領域に配置される。周辺領域は、額縁に対応する。ゲートドライバ群11は、複数の走査線GLに接続される。
【0028】
集積回路3は、複数の信号線SLに接続される。また、集積回路3は、ゲートドライバ群11に接続される。集積回路3は、ICチップで構成される。
【0029】
図2は、液晶表示装置1のブロック図である。液晶表示装置1は、画素アレイ10、ゲートドライバ群11、ソースドライバ12、共通電極ドライバ13、電圧発生回路14、及び制御回路15を備える。
図1に示した集積回路3は、
図2に示したソースドライバ12、共通電極ドライバ13、電圧発生回路14、及び制御回路15を含む。
【0030】
画素アレイ10は、マトリクス状に配置された複数の画素を備える。画素アレイ10は、マトリクス状に配置された複数のサブアレイを備える。サブアレイの具体的な構成については後述する。画素アレイ10には、それぞれがX方向に延びる複数の走査線GLと、それぞれがY方向に延びる複数の信号線SLとが配設される。走査線GLと信号線SLとの交差領域には、画素が配置される。
【0031】
ゲートドライバ群11は、複数の走査線GLに電気的に接続される。ゲートドライバ群11は、前述した複数のサブアレイに対応して設けられた複数のゲートドライバを備える。ゲートドライバの具体的な構成については後述する。ゲートドライバ群11は、制御回路15から送られる制御信号に基づいて、画素に含まれるスイッチング素子をオン/オフするための走査信号を画素アレイ10に送る。
【0032】
ソースドライバ12は、複数の信号線SLに電気的に接続される。ソースドライバ12は、制御回路15から制御信号、及び表示データを受ける。ソースドライバ12は、制御信号に基づいて、表示データに対応する階調信号(駆動電圧)を画素アレイ10に送る。
【0033】
共通電極ドライバ13は、共通電圧Vcomを生成し、この共通電圧Vcomを画素アレイ10内の共通電極に供給する。共通電極は、複数の画素ごとに設けられた複数の画素電極に液晶層を介して対向するように設けられる電極である。
【0034】
電圧発生回路14は、液晶表示装置1の動作に必要な各種電圧を生成し、これら電圧を対応する回路に供給する。
【0035】
制御回路15は、液晶表示装置1の動作を統括的に制御する。制御回路15は、外部から画像データDT及び制御信号CNTを受ける。制御回路15は、画像データDTに基づいて、各種制御信号を生成し、これら制御信号を、対応する回路に送る。
【0036】
[1-1-1] 表示領域4の構成
TFT基板2のうち画素アレイ10が設けられる領域は、表示領域4を構成する。
図3は、表示領域4の模式図である。
【0037】
表示領域4は、マトリクス状(m行×n列)の配置された複数の分割領域DI_(1,1)~DI_(m,n)を備える。“m”及び“n”はそれぞれ、2以上の整数である。表示領域4が備える分割領域DIの数は任意に設定可能である。本実施形態では、添え字(m,n)を省略した参照符号DIの説明は、複数の分割領域に共通に適用される。他の添え字付きの参照符号についても同様である。
【0038】
各分割領域DIには、サブアレイSA、及びゲートドライバGDが設けられる。
【0039】
図4は、
図2に示した画素アレイ10の模式図である。画素アレイ10は、マトリクス状(m行×n列)の配置された複数のサブアレイSA_(1,1)~SA_(m,n)を備える。複数のサブアレイSA_(1,1)~SA_(m,n)はそれぞれ、分割領域DI_(1,1)~DI_(m,n)に設けられる。
【0040】
各サブアレイSAは、マトリクス状に配置された複数の画素PXを備える。1個のサブアレイSAには、複数の走査線GLが配設される。すなわち、複数のサブアレイSAは、個別に走査が可能である。各列に含まれる複数のサブアレイSA(すなわち、列方向に並んだ複数のサブアレイSA)は、共通の信号線SLに接続される。
【0041】
図5は、
図2に示したゲートドライバ群11の模式図である。ゲートドライバ群11は、マトリクス状(m行×n列)の配置された複数のゲートドライバGD_(1,1)~GD_(m,n)を備える。ゲートドライバGD_(1,1)~GD_(m,n)はそれぞれ、分割領域DI_(1,1)~DI_(m,n)に設けられる。各ゲートドライバGDは、対応するサブアレイSAに配設された複数の走査線GLに接続され、この複数の走査線GLを走査する。
図5では、ゲートドライバGDを構成する複数の回路素子が分割領域DI内に分散して配置される様子を模式的に示している。
【0042】
図6は、
図4に示したサブアレイSAの回路図である。サブアレイSAには、複数の走査線GL1~GLi、及び複数の信号線SL1~SLjが配設される。“i”及び“j”はそれぞれ、2以上の整数である。
【0043】
画素PXは、スイッチング素子(アクティブ素子)16、液晶容量(液晶素子)Clc、及び蓄積容量Csを備える。スイッチング素子16としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が用いられ、またnチャネルTFTが用いられる。なお、トランジスタのソース及びドレインは、トランジスタに流れる電流の向きによって変化するが、以下の説明では、トランジスタの接続状態の一例を説明する。しかし、ソース及びドレインが名称通りに固定されるものでないことは勿論である。
【0044】
TFT16のソースは、信号線SLに接続され、そのゲートは、走査線GLに接続され、そのドレインは、液晶容量Clcの一方の電極に接続される。液晶素子としての液晶容量Clcは、画素電極と、共通電極と、これらに挟まれた液晶層とにより構成される。液晶容量Clcの他方の電極には、共通電極ドライバ13により共通電圧Vcomが印加される。
【0045】
蓄積容量Csの一方の電極は、液晶容量Clcの一方の電極に接続される。蓄積容量Csの他方の電極は、蓄積容量線(蓄積電極ともいう)CsLに接続される。蓄積容量Csは、画素電極に生じる電位変動を抑制するとともに、画素電極に印加された駆動電圧を次の信号に対応する駆動電圧が印加されるまでの間保持する機能を有する。蓄積容量Csは、画素電極と、蓄積容量線CsLと、これらに挟まれた絶縁膜とにより構成される。蓄積容量線CsLには、電圧発生回路14により蓄積容量電圧Vcsが印加される。蓄積容量電圧Vcsは、例えば共通電圧Vcomと同じ電圧に設定される。
【0046】
[1-1-2] ゲートドライバGDの構成
次に、ゲートドライバGDの構成について説明する。ゲートドライバGDは、シフトレジスタSRを備える。
図7は、ゲートドライバGDに含まれるシフトレジスタSRのブロック図である。
【0047】
シフトレジスタSRは、複数のコア回路RG1~RGiを備える。コア回路RG1~RGiはそれぞれ、走査線GL1~GLiに対応して設けられる。
【0048】
複数のコア回路RG1~RGiは、縦続接続される。各コア回路RGは、入力データを一時的に記憶するレジスタとして機能する。シフトレジスタSRは、クロック信号に同期して動作し、入力データ(パルス信号)を順次シフトするように動作する。
【0049】
各コア回路RGは、自身に入力される複数の信号の条件に応じて、パルス信号を出力するように構成される。各コア回路RGは、入力端子V_IN、出力端子OUT、フレーム端子Fr_o、フレーム端子Fr_e、クロック端子CLK、クリア端子CR、及びリセット端子RST_INを備える。
【0050】
複数のコア回路RG1~RGiは、任意のコア回路RGの出力端子OUTが、後段のコア回路RGの入力端子V_INに接続されるようにして、縦続接続される。なお、1段目のコア回路RG1の入力端子V_INには、スタート信号STが入力される。
【0051】
コア回路RG1~RGiのフレーム端子Fr_oには、フレーム信号Frame_oが入力される。コア回路RG1~RGiのフレーム端子Fr_eには、フレーム信号Frame_eが入力される。コア回路RG1~RGiのクリア端子CRには、クリア信号CLRが入力される。
【0052】
奇数番目のコア回路RG1、RG3、・・・のクロック端子CLKには、クロック信号ClkAが入力される。偶数番目のコア回路RG2、RG4、・・・のクロック端子CLKには、クロック信号ClkBが入力される。クロック信号ClkAとクロック信号ClkBとは、相補的な位相関係を有する。
【0053】
任意のコア回路RGの出力端子OUTは、前段のコア回路RGのリセット端子RST_INに接続される。最終段のコア回路RGiのリセット端子RST_INには、クリア信号CLRが入力される。
【0054】
複数のコア回路RG1~RGiの出力端子OUTはそれぞれ、走査線GL1~GLiに接続される。
図7の各走査線GLに接続されたキャパシタは、走査線に接続された画素の容量を簡略化して表している。
【0055】
制御回路15は、前述したフレーム信号Frame_o、フレーム信号Frame_e、クロック信号ClkA、クロック信号ClkB、及びクリア信号CLRを生成し、これらの信号をシフトレジスタSRに供給する。
【0056】
[1-1-3] コア回路RGの具体的な構成
次に、コア回路RGの具体的な構成について説明する。
図8は、
図7に示したコア回路RGの回路図である。コア回路RGは、入力部20、レジスタ部21、出力部22、プルダウン部23、及びクリア部24を備える。コア回路RGは、NチャネルTFTで構成される。以下、TFTを単にトランジスタと呼ぶ場合もある。本明細書では、トランジスタのソース及びドレインの一方を第1端子、他方を第2端子と呼ぶ場合もある。
【0057】
入力部20は、入力信号VINを受けるための回路である。入力部20は、2個のトランジスタM2、M5を備える。トランジスタM2のゲートには、入力端子V_INを介して、入力信号VINが入力される。入力信号VINは、前段のコア回路RGの出力信号に対応する。トランジスタM2のドレインは、自身のゲートに接続される。すなわち、トランジスタM2は、ダイオード接続される。トランジスタM2のソースは、ノードAnに接続される。トランジスタM2は、入力信号VINがハイレベルの場合に、入力信号VINをノードAnに転送し、入力信号VINがローレベルの場合にオフする。
【0058】
トランジスタ(リセットトランジスタともいう)M5のゲートには、リセット端子RST_INを介して、リセット信号RSTが入力される。リセット信号RSTは、後段のコア回路RGの出力信号に対応する。トランジスタM5のドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM5のソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。電圧Vglは、信号をローレベルに設定するための基準電圧であり、信号のハイレベル電圧より低い電圧である。電圧Vglは、例えば、接地電圧GNDより低い負電圧であり、-10V~-20Vの範囲に設定される。
【0059】
レジスタ部21は、選択状態および非選択状態においてキャパシタCbにかかる電圧を保持するための回路である。レジスタ部21は、2個のインバータ回路21o、21eと、トランジスタM1bとを備える。
【0060】
インバータ回路21oは、3個のトランジスタM1o、M6o、M7oを備える。トランジスタM1oのゲートには、フレーム端子Fr_oを介して、フレーム信号Frame_oが入力される。トランジスタM1oのドレインは、自身のゲートに接続される。トランジスタM1oのソースは、ノードBnoに接続される。トランジスタM1oは、フレーム信号Frame_oがハイレベルの場合に、フレーム信号Frame_oをノードBnoに転送し、フレーム信号Frame_oがローレベルの場合にオフする。すなわち、インバータ回路21oは、フレーム信号Frame_oがハイレベルの場合に有効化される。
【0061】
トランジスタM6oのゲートは、ノードBnoに接続される。トランジスタM6oのドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM6oのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM6oは、ノードAnの電位をプルダウンする機能を有する。
【0062】
トランジスタM7oのゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM7oのドレインは、ノードBnoに接続される。トランジスタM7oのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM7oは、ノードBnoの電位をプルダウンする機能を有する。
【0063】
インバータ回路21eは、3個のトランジスタM1e、M6e、M7eを備える。トランジスタM1eのゲートには、フレーム端子Fr_eを介して、フレーム信号Frame_eが入力される。トランジスタM1eのドレインは、自身のゲートに接続される。トランジスタM1eのソースは、ノードBneに接続される。トランジスタM1eは、フレーム信号Frame_eがハイレベルの場合に、フレーム信号Frame_eをノードBneに転送し、フレーム信号Frame_eがローレベルの場合にオフする。すなわち、インバータ回路21eは、フレーム信号Frame_eがハイレベルの場合に有効化される。
【0064】
トランジスタM6eのゲートは、ノードBneに接続される。トランジスタM6eのドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM6eのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM6eは、ノードAnの電位をプルダウンする機能を有する。
【0065】
トランジスタM7eのゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM7eのドレインは、ノードBneに接続される。トランジスタM7eのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM7eは、ノードBneの電位をプルダウンする機能を有する。
【0066】
トランジスタM1bのゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM1bの電流経路の一端は、ノードBnoに接続される。トランジスタM1bの電流経路の他端は、ノードBneに接続される。トランジスタM1bは、ノードAnがハイレベルの場合に、ノードBnoとノードBneとを接続する。
【0067】
出力部22は、出力信号を走査線GLに出力するための回路である。出力部22は、トランジスタ(出力トランジスタともいう)M3と、キャパシタCbとを備える。トランジスタM3のゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM3のドレインには、クロック信号Clkが入力される。クロック信号Clkは、クロック信号ClkA、ClkBのいずれかであり、奇数番目のコア回路RGの場合はクロック信号ClkAであり、偶数番目のコア回路RGの場合はクロック信号ClkBである。トランジスタM3のソースは、ノードQnに接続される。
【0068】
キャパシタCbの一方の電極は、ノードAnに接続され、キャパシタCbの他方の電極は、ノードQnに接続される。ノードQnは、対応する走査線GLに接続される。
【0069】
プルダウン部23は、ノードQnの電位をプルダウンするための回路である。プルダウン部23は、2個のトランジスタ(プルダウントランジスタともいう)M4o、M4eを備える。トランジスタM4oのゲートは、ノードBnoに接続される。トランジスタM4oのドレインは、ノードQnに接続される。トランジスタM4oのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0070】
トランジスタM4eのゲートは、ノードBneに接続される。トランジスタM4eのドレインは、ノードQnに接続される。トランジスタM4eのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0071】
クリア部24は、ノードAn、及びノードQnをクリアするための回路である。クリア部24は、2個のトランジスタM8、M9を備える。トランジスタM8のゲートには、クリア端子CRを介して、クリア信号CLRが入力される。トランジスタM8のドレインは、ノードQnに接続される。トランジスタM8のソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0072】
トランジスタM9のゲートには、クリア端子CRを介してクリア信号CLRが入力される。トランジスタM9のドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM9のソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0073】
[1-2] ゲートドライバGDの配置
次に、ゲートドライバGDの配置について説明する。
図9は、ゲートドライバGDの配置領域GAを説明する模式図である。
【0074】
X方向に隣接する画素PXの間の領域、及びY方向に隣接する画素PXの間の領域は、ゲートドライバ配置領域GAとして用いられる。
【0075】
ゲートドライバGDは、複数の回路素子(アクティブ素子)AEを備える。回路素子AEは、トランジスタ(TFT)及びキャパシタで構成される。回路素子AEは、ゲートドライバ配置領域GAに配置される。
【0076】
図9の例では、ゲートドライバ配置領域GAには、ノードAnを構成する配線(An線という)、及び電圧Vglを供給するための電源線(Vgl線という)が配設されている。
【0077】
以下に、コア回路RGに含まれるレジスタ部21、出力部22、クリア部24、入力部20、プルダウン部23の配置についてこの順に説明する。
【0078】
[1-2-1] レジスタ部21の配置
図10は、レジスタ部21のレイアウト図である。
図10には、1本の走査線GLに接続された7個の画素PXと、1行分のゲートドライバ配置領域GAとを示している。
【0079】
ゲートドライバ配置領域GAには、レジスタ部21を構成するトランジスタM1b、M1e、M1o、M6e、M6o、M7e、M7oが配置される。また、ゲートドライバ配置領域GAには、An線、Vgl線、ノードBneを構成する配線(Bne線という)、ノードBnoを構成する配線(Bno線という)、フレーム信号Frame_eを供給する配線(Frame_e線という)、及びフレーム信号Frame_oを供給する配線(Frame_o線という)が配設される。レジスタ部21を構成する複数のトランジスタの接続関係は、
図8と同じである。
【0080】
なお、ゲートドライバ配置領域GAの幅には限りがある。よって、1つの機能を有するトランジスタを、複数のトランジスタを並列接続させて構成する。このようにして、個々のトランジスタがゲートドライバ配置領域GAに収まるように、トランジスタのサイズが設計される。
【0081】
[1-2-2] 出力部22及びクリア部24の配置
図11は、出力部22及びクリア部24のレイアウト図である。
図11には、2本の走査線GLに接続された10個の画素PXと、2行分のゲートドライバ配置領域GAとを示している。
【0082】
ゲートドライバ配置領域GAには、出力部22を構成するトランジスタM3、及びキャパシタCbと、クリア部24を構成するトランジスタM8、M9とが配置される。また、ゲートドライバ配置領域GAには、An線、Vgl線、クロックClkAを供給する配線(ClkA線という)、クロックClkBを供給する配線(ClkB線という)、及びクリア信号CLRを供給する配線(CLR線という)が配設される。出力部22及びクリア部24を構成する複数の素子の接続関係は、
図8と同じである。
【0083】
キャパシタCbは、サイズが大きいため、複数のキャパシタを並列接続させて構成する。図示は省略するが、出力用のトランジスタM3もサイズが大きいため、複数のトランジスタを並列接続させて構成する。
【0084】
クロックClkAとクロックClkBとは、複数のコア回路RGに交互に供給される。
図11では、クロックClkAが供給される出力部22と、クロックClkBが供給される出力部22とを示している。
【0085】
[1-2-3] 入力部20の配置
図12は、入力部20のレイアウト図である。
図12には、2本の走査線GLに接続された6個の画素PXと、2行分のゲートドライバ配置領域GAとを示している。
【0086】
ゲートドライバ配置領域GAには、入力部20を構成するトランジスタM2、M5が配置される。また、ゲートドライバ配置領域GAには、An線、Vgl線、入力信号VINを供給するための配線(VIN線という)、及びリセット信号RSTを供給するための配線(RST線という)が配設される。入力部20を構成する複数のトランジスタの接続関係は、
図8と同じである。
【0087】
任意の走査線GLは、後段の入力部20に含まれるトランジスタM2にVIN線を用いて接続される。任意の走査線GLは、前段の入力部20に含まれるトランジスタM5にRST線を用いて接続される。
【0088】
[1-2-4] プルダウン部23の配置
図13は、プルダウン部23のレイアウト図である。
図13には、1本の走査線GLに接続された3個の画素PXと、1行分のゲートドライバ配置領域GAとを示している。
【0089】
ゲートドライバ配置領域GAには、プルダウン部23を構成するトランジスタM4eが配置される。また、ゲートドライバ配置領域GAには、An線、及びVgl線が配設される。プルダウン部23を構成するトランジスタM4oについても、トランジスタM4eと同様に、ゲートドライバ配置領域GAに配置される。プルダウン部23を構成する複数のトランジスタの接続関係は、
図8と同じである。
【0090】
[1-3] 複数の分割領域DIの配線
次に、複数の分割領域DIの配線について説明する。
【0091】
図14は、複数の分割領域DIの配線を説明する図である。以下では、表示領域4が9(=3×3)個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)で構成される場合を例に挙げて説明する。
【0092】
複数の分割領域DIへの配線は、以下のように行う。
・ゲートドライバGDは、分割領域DIごとに配置する。
・電源配線は、Vgl線のみ配線する。
・Frame_e線、及びFrame_o線は、全画面共通信号として配線する。
・CLR線は、分割領域DIごとに配線する。
・ST線(スタート信号STを供給するための配線)、ClkA線、及びClkB線は、走査線方向(X方向)の分割領域DI毎に配線する。
【0093】
スタート信号STは、3個のスタート信号ST1~ST3で構成される。スタート信号ST1~ST3はそれぞれ、3本のST1線~ST3線を用いて供給される。
【0094】
クロック信号ClkAは、3個のクロック信号ClkA1~ClkA3で構成される。クロック信号ClkA1~ClkA3はそれぞれ、3本のClkA1線~ClkA3線を用いて供給される。
【0095】
クロック信号ClkBは、3個のクロック信号ClkB1~ClkB3で構成される。クロック信号ClkB1~ClkB3はそれぞれ、3本のClkB1線~ClkB3線を用いて供給される。
【0096】
クリア信号CLRは、9個のクリア信号CLR11~CLR33で構成される。クリア信号CLR11~CLR33は、9本のCLR11線~CLR33線を用いて供給される。
【0097】
スタート信号ST1は、1行目の分割領域DI_(1,1)、DI_(1,2)、DI_(1,3)に入力される。スタート信号ST2は、2行目の分割領域DI_(2,1)、DI_(2,2)、DI_(2,3)に入力される。スタート信号ST3は、3行目の分割領域DI_(3,1)、DI_(3,2)、DI_(3,3)に入力される。9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)は、行単位で、スタート制御を行うことが可能である。
【0098】
クロック信号ClkA1、ClkB1は、1行目の分割領域DI_(1,1)、DI_(1,2)、DI_(1,3)に入力される。クロック信号ClkA2、ClkB2は、2行目の分割領域DI_(2,1)、DI_(2,2)、DI_(2,3)に入力される。クロック信号ClkA3、ClkB3は、3行目の分割領域DI_(3,1)、DI_(3,2)、DI_(3,3)に入力される。9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)は、行単位で、クロック制御を行うことが可能である。
【0099】
9個のクリア信号CLR11~CLR33はそれぞれ、9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)に入力される。9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)は、9個のクリア信号CLR11~CLR33を用いて、個別に走査を停止し、データの書き換えを行わないようにする(表示を保持する)ことが可能である。
【0100】
フレーム信号Frame_eは、全ての分割領域DIに入力される。フレーム信号Frame_oは、全ての分割領域DIに入力される。Vgl線は、全ての分割領域DIに配線される。
【0101】
[1-4] 表示領域4の実施例
次に、表示領域4の実施例について説明する。
図15は、表示領域4の実施例を説明する模式図である。分割領域DIの行番号m、分割領域DIの列番号n、分割領域DI内の走査線番号iとする。
【0102】
表示領域4は、例えば、(480×640)ピクセルを有する。表示領域4は、9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)を有する。
【0103】
各分割領域DIの走査線の数は、160本である。1列目の分割領域DIの列数は、213である。2列目の分割領域DIの列数は、214である。3列目の分割領域DIの列数は、213である。分割領域DIの列数は、ソース線SLの数に対応する。
【0104】
[1-5] 動作
上記のように構成された液晶表示装置1の動作について説明する。
【0105】
[1-5-1] 表示領域4の走査動作
まず、1個の分割領域DIの走査動作について説明する。
図16は、分割領域DIの走査動作を説明するタイミング図である。
【0106】
制御回路15は、外部から信号Vsyncを受ける。信号Vsyncが一旦ローレベルになってから、再度ローレベルになるまでの期間(又は、信号Vsyncがハイレベルの期間)が1フレームである。1フレームとは、サブアレイSAに含まれる全ての走査線を1回走査する期間であり、また、分割領域DIに1つの画像を表示する期間である。
【0107】
任意の分割領域DI_(m,n)には、クロック信号ClkAm、ClkBm、スタート信号STm、及びクリア信号CLRmnが入力される。
【0108】
信号Vsyncのローレベルに応答して、制御回路15は、分割領域DI_(m,n)に、スタート信号STmを入力する。スタート信号STmに応答して、ゲートドライバGD_(m,n)は、スキャン動作を開始する。
【0109】
制御回路15は、分割領域DI_(m,n)に、クロック信号ClkAm、ClkBmを入力する。クロック信号ClkAmとクロック信号ClkBmとは、相補的な位相関係を有する。クロック信号ClkAm、ClkBmに応答して、ゲートドライバGD_(m,n)は、スキャン動作を実行、すなわち複数の走査線GLを順にハイレベルにする。
【0110】
最後の走査線GLiがハイレベルになった後、制御回路15は、クリア信号CLRmnをハイレベルにする。これにより、ゲートドライバGD_(m,n)のシフトレジスタSRがクリア、すなわちシフトレジスタSRの出力がローレベルになる。このようにして、分割領域DI_(m,n)のデータが書き換えられる。
【0111】
次に、1個の分割領域DIの走査停止動作について説明する。
図17は、分割領域DIの走査停止動作を説明するタイミング図である。
図17は、スタート信号STmが入力された同一行の分割領域のうちデータの書き換えを行わない分割領域の動作である。
【0112】
信号Vsyncのローレベルに応答して、制御回路15は、分割領域DI_(m,n)に、スタート信号STmを入力する。続いて、制御回路15は、スタート信号STmの直後に、分割領域DI_(m,n)にクリア信号CLRmnを入力する。これにより、実質的にスタート信号STmを無効化できる。その後、走査線GLにパルスが入力されない。この場合、分割領域DI_(m,n)は、走査が実行されず、表示が保持される。
【0113】
[1-5-2] 駆動パターン
次に、液晶表示装置1の駆動パターンについて説明する。以下では、一例として、m=3、n=3、すなわち、9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)の動作について説明する。
【0114】
図18は、液晶表示装置1の駆動パターン1を説明する模式図である。制御回路15は、第1フレームにおいて、スタート信号ST1を有効化(ハイレベル)する。制御回路15は、第1フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR11、CLR12、CLR13を有効化(ハイレベル)する。これにより、1行目の分割領域DI_(1,1)~DI_(1,3)の走査動作が実行される。
【0115】
制御回路15は、第1フレームに続く第2フレームにおいて、スタート信号ST2を有効化する。制御回路15は、第2フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR21、CLR22、CLR23を有効化する。これにより、2行目の分割領域DI_(2,1)~DI_(2,3)の走査動作が実行される。
【0116】
制御回路15は、第2フレームに続く第3フレームにおいて、スタート信号ST3を有効化する。制御回路15は、第3フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR31、CLR32、CLR33を有効化する。これにより、3行目の分割領域DI_(3,1)~DI_(3,3)の走査動作が実行される。
【0117】
図19は、液晶表示装置1の駆動パターン2を説明する模式図である。制御回路15は、第1フレームにおいて、スタート信号ST1を有効化する。制御回路15は、スタート信号ST1の直後に、クリア信号CLR12、CLR13を有効化する。これにより、分割領域DI_(1,2)、DI_(1,3)の走査が停止される。制御回路15は、第1フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR11を有効化する。このようにして、分割領域DI_(1,1)の走査動作が実行され、分割領域DI_(1,1)のデータが書き換えられる。また、分割領域DI_(1,2)、DI_(1,3)は、表示を保持する。
【0118】
制御回路15は、第1フレームに続く第2フレームにおいて、スタート信号ST2を有効化する。制御回路15は、スタート信号ST2の直後に、クリア信号CLR22、CLR23を有効化する。これにより、分割領域DI_(2,2)、DI_(2,3)の走査が停止される。制御回路15は、第2フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR21を有効化する。このようにして、分割領域DI_(2,1)の走査動作が実行され、分割領域DI_(2,1)のデータが書き換えられる。また、分割領域DI_(2,2)、DI_(2,3)は、表示を保持する。
【0119】
以下同様に、スタート信号STmが有効化され、m行に含まれる任意の分割領域DIが走査動作を実行する。また、m行に含まれる残りの分割領域DIに対応するクリア信号CLRが有効化され、当該残りの分割領域DIの走査が停止される。
【0120】
これにより、第1乃至第9フレームが順に駆動され、分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)のデータが書き換えられる。
【0121】
なお、
図18及び
図19では、全ての分割領域DIのデータを書き換える例を示している。スタート信号ST及びクリア信号CLRを制御することにより、任意の分割領域DIの走査を飛ばすようにして、表示領域4に画像を表示することも可能である。
【0122】
[1-5-3] シフトレジスタSRの動作
次に、シフトレジスタSRの動作について説明する。
図20は、シフトレジスタSRの動作を説明するタイミング図である。
図7に示すように、シフトレジスタSRには、フレーム信号Frame_o、Frame_eが入力される。
【0123】
フレーム信号Frame_o、Frame_eは、最少単位を1フレームとして、任意のフレームごとに交互に有効化(ハイレベル)される。フレーム信号Frame_o、Frame_eに応じて、2個のインバータ回路21o、21eは、交互に動作する。制御回路15は、信号Vsyncがローレベルの期間に、フレーム信号Frame_o、Frame_eの状態を切り替える。
【0124】
一例として、フレーム信号Frame_oが有効化(ハイレベル)されるものとする。フレーム信号Frame_eは、ローレベルである。フレーム信号Frame_oがハイレベルになると、インバータ回路21oのトランジスタM1oがオンし、インバータ回路21oが有効化される。インバータ回路21eのトランジスタM1eはオフし、インバータ回路21oは無効化される。
【0125】
フレーム信号Frame_oがハイレベルになった後、スタート信号STがハイレベルにされる。これにより、1段目のコア回路RG1の入力信号VINがハイレベルになる。すると、入力部20のトランジスタM2がオンし、ノードAnがハイレベルになる。
【0126】
ノードAnがハイレベルになると、インバータ回路21oのトランジスタM7oがオンし、ノードBnoがローレベルになる。すなわち、インバータ回路21oは、ノードBnoにおいてノードAnの反転データを保持する。これにより、プルダウン部23のトランジスタM4oがオフし、ノードQnのプルダウン動作が停止する。
【0127】
また、ノードAnがハイレベルになると、出力部22のトランジスタM3がオンする。続いて、クロック信号ClkAがハイレベルになる。すると、走査線GL1がハイレベルになる。
【0128】
2段目のコア回路RG2は、入力信号VINとして前段のコア回路RG1から出力信号を受ける。続いて、クロック信号ClkBがハイレベルになる。すると、コア回路RG2は、走査線GL2をハイレベルにする。
【0129】
1段目のコア回路RG1は、2段目のコア回路RG2の出力信号をリセット信号RSTとして受ける。リセット信号RSTは、入力部20のトランジスタM5のゲートに入力される。すると、トランジスタM5がオンし、ノードAnがローレベルになる。
【0130】
ノードAnがローレベルになると、インバータ回路21oのトランジスタM7oがオフし、ノードBnoがハイレベルになる。すなわち、インバータ回路21oは、ノードBnoにおいてノードAnの反転データを保持する。ノードBnoがハイレベルになると、トランジスタM6oがオンし、ノードAnは、ローレベルに保持される。これにより、プルダウン部23のトランジスタM4oがオンし、ノードQnがローレベルになる。
【0131】
また、ノードAnがローレベルになると、出力部22のトランジスタM3がオフする。これにより、走査線GL1がローレベルになる。
【0132】
なお、詳細な設計として、隣接するコア回路RGが同時に動作しないようにする。このため、クロック信号ClkAのパルスとクロック信号ClkBのパルスとが重ならないように、互いのエッジに間隔を空けている。
【0133】
以下同様に、コア回路RG3~RGiは、順にパルス信号を出力する。
【0134】
最終段のコア回路RGiがパルス信号を出力した後、クリア信号CLRがハイレベルにされる。クリア信号CLRがハイレベルになると、クリア部24のトランジスタM8、M9がオンする。すると、ノードQn、及びノードAnがローレベルになる。これにより、コア回路RGiは、走査線GLiをローレベルにする。
【0135】
その後、フレーム信号Frame_eがハイレベル、フレーム信号Frame_oがローレベルにされる。すると、コア回路RGのインバータ回路21eが有効化される。その後、シフトレジスタSRによる走査動作が繰り返される。
【0136】
このような動作により、コア回路RGにおいて、正バイアスが印加され続けるトランジスタをなくすことができる。これにより、コア回路RGを構成するトランジスタの特性が劣化するのを抑制できる。特に、トランジスタとしてTFTを用いた場合、正バイアスが印加され続けると、閾値電圧Vthがシフトしてしまう。しかし、本実施形態では、TFTの特性が劣化するのを抑制できる。
【0137】
[1-5-4] コア回路RGの動作
次に、シフトレジスタSRに含まれるコア回路RGの動作について説明する。選択期間は、走査線が選択された期間であり、走査線がパルス信号を出力する期間である。非選択期間は、選択期間以外の期間であり、走査線がパルス信号を出力しない期間である。
【0138】
図21は、選択期間におけるコア回路RGのインバータ動作を説明する模式図である。一例として、フレーム信号Frame_oが有効化(ハイレベル(
図21の“Hi”))され、インバータ回路21oがインバータ動作を行うものとする。フレーム信号Frame_eは、ローレベル(
図21の“Lo”)である。
【0139】
トランジスタM2のゲートには、前段のコア回路RGからハイレベル(
図21の“ON”)の入力信号VINが入力される。よって、トランジスタM2がオンし、ノードAnがハイレベル(
図21の“Hi”)になる。
【0140】
トランジスタM1oのゲートには、ハイレベルのフレーム信号Frame_oが入力される。よって、トランジスタM1oがオンし、インバータ回路21oは、有効化される。
【0141】
ノードAnがハイレベルであるため、トランジスタM7oがオンし、ノードBnoは、プルダウンされる。
図21の矢印が電流を意味している。
【0142】
さらに、選択期間におけるインバータ動作には、インバータ回路21eのトランジスタM7eも動作させることができる。すなわち、ノードAnがハイレベルであるため、トランジスタM1b、M7eがオンしている。よって、ノードBnoは、トランジスタM1b、ノードBne、及びトランジスタM7eの経路でもプルダウンされる。これにより、ノードBnoを確実にローレベルに設定できる。
【0143】
トランジスタM6oの駆動能力は、トランジスタM7oの駆動能力より大きく設定される。非選択期間では、トランジスタM6oによりノードAnがプルダウンされ、ノードAnを確実にローレベルに設定できる。
【0144】
上記インバータ動作を実現するための条件として、トランジスタM6、M7は、以下の条件を満たすように設定される。トランジスタM6は、トランジスタM6o、M6eそれぞれを意味し、トランジスタM7は、トランジスタM7o、M7eそれぞれを意味する。トランジスタM6、M7のチャネル幅をそれぞれW6、W7と表記する。チャネル幅は、ゲート幅とも呼ばれる。
【0145】
W7≦W6≦2×W7
“W6≦2×W7”とすることで、トランジスタM7o、M7eを合わせた駆動能力がトランジスタM6o(又はトランジスタM6e)の駆動能力より大きくなる。これにより、選択期間において、ノードBnoを確実にローレベルに設定できる。
【0146】
“W7≦W6”とすることで、トランジスタM6の駆動能力がトランジスタM7の駆動能力より大きくなる。これにより、非選択期間において、ノードAnを確実にローレベルに設定できる。
【0147】
最終段に近いコア回路RGに含まれるインバータ回路に着目する。インバータ回路21o、21eのうち無効化されたインバータ回路(例えば、インバータ回路21eとする)のノードBneの電位は、トランジスタM1eのリーク電流により低下していく。そのため、最終段に近いコア回路RGでは、選択期間においてトランジスタM1bがオンすることで、有効化された側のノードBnoが、ノードBneと導通することで、より着実にローレベルに設定できる仕組みになっている。
【0148】
[1-6] 第1実施形態の効果
第1実施形態では、表示領域4を、マトリクス状に配置された複数の分割領域DIに分割して構成する。複数の分割領域DIの各々には、サブアレイSA及びゲートドライバGDが配置される。これにより、狭額縁化が可能な液晶表示装置1を実現できる。また、表示領域4を分割領域DIごとに分割駆動させることができる。また、分割領域DIごとに自由に走査を行うことができる。
【0149】
また、分割領域DIごとに走査することで、全画面を1フレームとして走査する場合に比べて、フレーム周波数を下げることができる。これにより、クロック信号による充放電による消費電力が下がる。さらに、画素にデータ(駆動電圧)を書き込む書き込み時間を延ばすことができるので、画素に含まれるTFTを駆動する電流を小さくすることができ、またTFTのサイズを小さくすることもできる。この結果として、走査線GL及び信号線SLに供給する電流を小さくすることもできるため、消費電力を低減することができる。
【0150】
また、クロック信号ClkA、ClkBを分割領域DIごとに時間分割による駆動が可能になる。これにより、全画面にクロック信号を供給する場合に比べて、消費電力を低減することができる。
【0151】
また、各コア回路RGが2個のインバータ回路21o、21eを備え、フレーム信号Frame_o、Frame_eに応じて、インバータ回路21o、21eが交互に有効化される。よって、シフトレジスタSRを構成するトランジスタ(例えばTFT)に電圧が印加され続けるのを防ぐことができる。これにより、高耐圧なゲートドライバGDを実現できる。
【0152】
[2] 第2実施形態
第2実施形態は、表示領域4の配線に関する他の実施例である。第2実施形態は、複数の分割領域DIの列ごとに異なるクロック信号を配線するようにしている。
【0153】
[2-1] 複数の分割領域DIの配線
図22は、第2実施形態に係る複数の分割領域DIの配線を説明する図である。以下では、表示領域4が9(=3×3)個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)で構成される場合を例に挙げて説明する。
【0154】
複数の分割領域DIへの配線は、以下のように行う。
・ゲートドライバGDは、分割領域DIごとに配置する。
・電源配線は、Vgl線のみ配線する。
・Frame_e線、及びFrame_o線は、全画面共通信号として配線する。
・CLR線は、分割領域DIごとに配線する。
・ST線は、走査線方向(X方向)の分割領域DI毎に配線する。
・ClkA線、及びClkB線は、信号線方向(Y方向)の分割領域DI毎に配線する。
【0155】
スタート信号STは、3個のスタート信号ST1~ST3で構成される。スタート信号ST1~ST3はそれぞれ、3本のST1線~ST3線を用いて供給される。
【0156】
クロック信号ClkAは、3個のクロック信号ClkA1~ClkA3で構成される。クロック信号ClkA1~ClkA3はそれぞれ、3本のClkA1線~ClkA3線を用いて供給される。
【0157】
クロック信号ClkBは、3個のクロック信号ClkB1~ClkB3で構成される。クロック信号ClkB1~ClkB3はそれぞれ、3本のClkB1線~ClkB3線を用いて供給される。
【0158】
クリア信号CLRは、9個のクリア信号CLR11~CLR33で構成される。クリア信号CLR11~CLR33は、9本のCLR11線~CLR33線を用いて供給される。
【0159】
スタート信号ST1は、1行目の分割領域DI_(1,1)、DI_(1,2)、DI_(1,3)に入力される。スタート信号ST2は、2行目の分割領域DI_(2,1)、DI_(2,2)、DI_(2,3)に入力される。スタート信号ST3は、3行目の分割領域DI_(3,1)、DI_(3,2)、DI_(3,3)に入力される。9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)は、行単位で、スタート制御を行うことが可能である。
【0160】
クロック信号ClkA1、ClkB1は、1列目の分割領域DI_(1,1)、DI_(2,1)、DI_(3,1)に入力される。クロック信号ClkA2、ClkB2は、2列目の分割領域DI_(1,2)、DI_(2,2)、DI_(3,2)に入力される。クロック信号ClkA3、ClkB3は、3列目の分割領域DI_(1,3)、DI_(2,3)、DI_(3,3)に入力される。9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)は、列単位で、クロック制御を行うことが可能である。
【0161】
9個のクリア信号CLR11~CLR33はそれぞれ、9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)に入力される。9個の分割領域DI_(1,1)~DI_(3,3)は、9個のクリア信号CLR11~CLR33を用いて、個別に走査を停止し、データの書き換えを行わないようにする(表示を保持する)ことが可能である。
【0162】
フレーム信号Frame_eは、全ての分割領域DIに入力される。フレーム信号Frame_oは、全ての分割領域DIに入力される。Vgl線は、全ての分割領域DIに配線される。
【0163】
[2-2] 表示領域4の走査動作
次に、1個の分割領域DIの走査動作について説明する。
図23は、分割領域DIの走査動作を説明するタイミング図である。
【0164】
制御回路15は、外部から信号Vsyncを受ける。任意の分割領域DI_(m,n)には、クロック信号ClkAm、ClkBm、スタート信号STm、クリア信号CLRmnが入力される。分割領域DIの走査動作は、第1実施形態の
図16と同じである。
【0165】
次に、1個の分割領域DIの走査停止動作について説明する。
図24は、分割領域DIの走査停止動作を説明するタイミング図である。
図24は、スタート信号STmが入力された同一行の分割領域のうちデータの書き換えを行わない分割領域の動作である。
【0166】
信号Vsyncのローレベルに応答して、制御回路15は、分割領域DI_(m,n)に、スタート信号STmを入力する。続いて、制御回路15は、スタート信号STmの直後に、分割領域DI_(m,n)にクリア信号CLRmnを入力する。これにより、実質的にスタート信号STmを無効化できる。その後、走査線GLにパルスが入力されない。この場合、分割領域DI_(m,n)は、走査が実行されず、表示が保持される。
【0167】
行方向に隣接する分割領域DIは、異なるクロック信号ClkA(及び異なるクロック信号ClkB)で動作する。
図24に示すように、行方向に隣接する分割領域のうちデータの書き換えを行わない分割領域では、クロック信号が入力されない。
【0168】
第2実施形態に係る液晶表示装置1においても、第1実施形態で説明した駆動パターンを実行できる。第2実施形態の効果も第1実施形態と同じである。
【0169】
[3] 第3実施形態
第3実施形態は、表示領域4を分割した複数の分割領域のうち一部の分割領域を、画像を表示しない非表示領域で構成するようにしている。
【0170】
図25は、第3実施形態に係る表示領域4の模式図である。
図25では、表示領域4が9個の分割領域を備える場合を一例として示している。
【0171】
表示領域4は、1個又は複数の非表示領域NDを備える。
図25では、表示領域4が3個の非表示領域NDを備える場合を一例として示している。非表示領域NDには、画素、及びゲートドライバが設けられない。
【0172】
表示領域4は、6個の分割領域DI_(2,1)、DI_(3,1)、DI_(1,2)、DI_(3,2)、DI_(1,3)、DI_(2,3)を備える。分割領域DIには、サブアレイSA及びゲートドライバGDが配置される。
【0173】
図26は、液晶表示装置1の駆動パターン1を説明する模式図である。
図26では、例えば第1実施形態における表示領域4の配線を有しているものとする。非表示領域NDには、信号線は配線されていない。
【0174】
制御回路15は、第1フレームにおいて、スタート信号ST1を有効化(ハイレベル)する。制御回路15は、第1フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR12、CLR13を有効化(ハイレベル)する。これにより、1行目の分割領域DI_(1,2)、DI_(1,3)の走査動作が実行される。
【0175】
制御回路15は、第1フレームに続く第2フレームにおいて、スタート信号ST2を有効化する。制御回路15は、第2フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR21、CLR23を有効化する。これにより、2行目の分割領域DI_(2,1)、DI_(2,3)の走査動作が実行される。
【0176】
制御回路15は、第2フレームに続く第3フレームにおいて、スタート信号ST3を有効化する。制御回路15は、第3フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR31、CLR32を有効化する。これにより、3行目の分割領域DI_(3,1)、DI_(3,2)の走査動作が実行される。
【0177】
図27は、液晶表示装置1の駆動パターン2を説明する模式図である。
図27では、例えば第2実施形態における表示領域4の配線を有しているものとする。非表示領域NDには、信号線は配線されていない。
【0178】
制御回路15は、第1フレームにおいて、スタート信号ST2を有効化する。制御回路15は、スタート信号ST2の直後に、クリア信号CLR23を有効化する。これにより、分割領域DI_(2,3)の走査が停止される。制御回路15は、第1フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR21を有効化する。このようにして、分割領域DI_(2,1)の走査動作が実行され、分割領域DI_(2,1)のデータが書き換えられる。また、分割領域DI_(2,3)は、表示を保持する。
【0179】
制御回路15は、第1フレームに続く第2フレームにおいて、スタート信号ST3を有効化する。制御回路15は、スタート信号ST3の直後に、クリア信号CLR32を有効化する。これにより、分割領域DI_(3,2)の走査が停止される。制御回路15は、第2フレームが終了する時刻において、クリア信号CLR31を有効化する。このようにして、分割領域DI_(3,1)の走査動作が実行され、分割領域DI_(3,1)のデータが書き換えられる。また、分割領域DI_(3,2)は、表示を保持する。
【0180】
以下同様に、スタート信号STmが有効化され、m行に含まれる任意の分割領域DIが走査動作を実行する。また、m行に含まれる残りの分割領域DIに対応するクリア信号CLRが有効化され、当該残りの分割領域DIの走査が停止される。
【0181】
これにより、6個の分割領域DI_(2,1)、DI_(3,1)、DI_(1,2)、DI_(3,2)、DI_(1,3)、DI_(2,3)が順に駆動され、分割領域DI_(2,1)、DI_(3,1)、DI_(1,2)、DI_(3,2)、DI_(1,3)、DI_(2,3)のデータが書き換えられる。
【0182】
非表示領域NDは、例えば常時黒表示である。また、非表示領域NDに所望の色のカラーフィルタを配置することで、非表示領域NDを黒以外のカラーで表示させてもよい。
【0183】
第3実施形態では、分割領域DIごとにゲートドライバGDが配置される。よって、列方向において、分割領域DI間に非表示領域NDが設けられた場合でも、全ての分割領域DIを、ゲートドライバGDを用いて走査することができる。
【0184】
また、第3実施形態では、四角形ではない異形ディスプレイを実現できる。また、異形ディスプレイを最適に駆動することができる。
【0185】
なお、上記各実施形態では、トランジスタを全てN型トランジスタで構成する場合について説明している。しかし、これに限定されず、電源電圧、及びクロック信号の極性を反転させることで、全てのトランジスタをP型トランジスタで構成することも可能である。
【0186】
また、ゲートドライバGDに含まれるシフトレジスタSRは、上記各実施形態で説明した構成に限定されるものではない。複数の走査線GLに順にパルスを出力することが可能な他の種類のシフトレジスタを用いることも可能である。
【0187】
また、上記各実施形態では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明している。しかし、これに限定されず、有機EL表示装置などの他の表示装置に適用することも可能である。
【0188】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0189】
1…液晶表示装置、2…TFT基板、3…集積回路、4…表示領域、10…画素アレイ、11…ゲートドライバ群、12…ソースドライバ、13…共通電極ドライバ、14…電圧発生回路、15…制御回路、16…スイッチング素子、20…入力部、21…レジスタ部、21e,21o…インバータ回路、22…出力部、23…プルダウン部、24…クリア部、SR…シフトレジスタ、RG…コア回路。