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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149683
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】事業継続計画支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051947
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大渕 正博
(72)【発明者】
【氏名】藤井 中
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 睦博
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA01
(57)【要約】
【課題】複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる事業継続計画支援装置を得る。
【解決手段】事業継続計画支援装置10は、対象とする建物に対する災害及びテロリズムの少なくとも一方に対する複数の実施対策が個別に評価されて実施対策毎に付与された個別スコアと、上記実施対策の組み合わせによって当該実施対策の相互間に与える影響が考慮されて増減された補正スコアと、を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された個別スコア及び補正スコアを用いて、上記実施対策の優先順位を、対応する個別スコアに補正スコアを反映させて得られたスコアが大きいものほど高くするように決定する決定部11Bと、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする建物に対する災害及びテロリズムの少なくとも一方に対する複数の実施対策が個別に評価されて実施対策毎に付与された個別スコアと、前記実施対策の組み合わせによって当該実施対策の相互間に与える影響が考慮されて増減された補正スコアと、を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記個別スコア及び前記補正スコアを用いて、前記実施対策の優先順位を、対応する前記個別スコアに前記補正スコアを反映させて得られたスコアが大きいものほど高くするように決定する決定部と、
を有する事業継続計画支援装置。
【請求項2】
前記個別スコアは、前記建物の立地条件及び前記建物の特性の少なくとも一方を用いて、前記実施対策を実施した場合の費用対効果を用いて導出され、
前記補正スコアは、複数の前記実施対策を実施した場合の複合効果、相乗効果、干渉効果、及び誘発効果の少なくとも1つを用いて導出される、
請求項1に記載の事業継続計画支援装置。
【請求項3】
前記実施対策は、前記立地条件及び対応する法令の少なくとも一方に応じて決定された対策を含む、
請求項2に記載の事業継続計画支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業継続計画支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事業継続計画(所謂BCP(Business Continuity Plan))の策定に関する技術として、次の技術があった。
【0003】
すなわち、特許文献1には、事業継続プランや対象企業について一般的な知識しか備えていない者でも、当該企業の業務実態に適合した事業継続プランの原案を容易に取得可能とすることを目的とした事業継続プラン策定支援システムが開示されている。
【0004】
この事業継続プラン策定支援システムは、企業の業種別及び執行業務の組合せパターン別に分類された事業継続プランの雛形ファイルを格納しておく雛形記憶手段と、各業種に含まれる複数の業務名を業種毎に格納しておく業務パターン記憶手段と、を備えている。
【0005】
また、この事業継続プラン策定支援システムは、特定の業種に含まれる複数の業務が列記された選択フォームをディスプレイに表示し、対象企業の執行業務を選択するようにユーザに促す手段と、ユーザが選択した業務の組み合わせに応じて、当該企業の属する業種内カテゴリを特定する手段と、を備えている。更に、この事業継続プラン策定支援システムは、特定されたカテゴリ及び執行業務に基づいて、当該企業の存続に不可欠な業務であるクリティカル・チョーク・ポイント( 以下「CCP」) を特定する手段と、当該CCPの組合せパターンに基づいて、上記雛形記憶手段から対象企業に適合した雛形ファイルを抽出する手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-288109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ある建物内で行われる事業の事業継続計画においては、災害や被害の状況を具体的に想定した上で、有効な対策が計画される必要がある。しかし、当該対策が複数有る場合に、対策を個別に実施した場合の効果の合計よりも大きな効果が得られることがある。一方、対策が複数有る場合に、一の対策の実施により、他の対策の効果に対して悪影響を及ぼすこともある。
【0008】
即ち、事業継続計画のために実施する対策には、ハードウェア面での対策、及びソフトウェア面での対策を含めた多種多様の対策がある。ソフトウェア面での対策については、災害時等に限られたマンパワーと時間で対応しなければならないため、対策に優先順位をつける必要がある。また、ハードウェア面での対策については費用の観点から実施できる対策が限られるため、やはり対策に優先順位をつける必要がある。
【0009】
対策に優先順位付けする際には、費用対効果、すなわちコストと性能とを比較することが一般的である。しかし、多種多様ある対策においては、対策同士の関係性を踏まえて優先順位付けする必要がある。
【0010】
例えば、テロリズムの対策としての手荷物検査と、感染症の対策としての検温と、の両方を同時に実施する場合を想定する。手荷物検査の実施と、検温の実施とは、ともに建物の入口、又はその付近で実施する必要があるため、同時に実施するためには場所を調整する必要がある。このように対策同士が互いに阻害する場合が想定される。
【0011】
また、その他の例として、地震への対策としての建物の免震化と、地震による停電対策としての非常用発電設備の設置と、の両方を実施する場合を想定する。非常用発電設備の設置だけでは地震の揺れによって設備が損傷し、停電時に発電できない恐れがあるが、建物を免震化することで当該恐れの可能性を大きく低減することができる。
【0012】
このように災害等の対策の間には、同時に実施することで相互に良い影響を及ぼす組み合わせがある。このような特徴を考慮することで、より効果的となる対策の組み合わせを踏まえながら対策の優先順位を判定することが可能となる。
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数の対策の相互の影響については考慮されていないため、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができない、という問題点があった。
【0014】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる事業継続計画支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の本発明に係る事業継続計画支援装置は、対象とする建物に対する災害及びテロリズムの少なくとも一方に対する複数の実施対策が個別に評価されて実施対策毎に付与された個別スコアと、前記実施対策の組み合わせによって当該実施対策の相互間に与える影響が考慮されて増減された補正スコアと、を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記個別スコア及び前記補正スコアを用いて、前記実施対策の優先順位を、対応する前記個別スコアに前記補正スコアを反映させて得られたスコアが大きいものほど高くするように決定する決定部と、を有する。
【0016】
請求項1に記載の本発明に係る事業継続計画支援装置によれば、対象とする建物に対する災害及びテロリズムの少なくとも一方に対する複数の実施対策が個別に評価されて実施対策毎に付与された個別スコアと、上記実施対策の組み合わせによって当該実施対策の相互間に与える影響が考慮されて増減された補正スコアと、を取得し、取得した個別スコア及び補正スコアを用いて、上記実施対策の優先順位を、対応する個別スコアに補正スコアを反映させて得られたスコアが大きいものほど高くするように決定することで、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明に係る事業継続計画支援装置は、請求項1に記載の事業継続計画支援装置であって、前記個別スコアは、前記建物の立地条件及び前記建物の特性の少なくとも一方を用いて、前記実施対策を実施した場合の費用対効果を用いて導出され、前記補正スコアは、複数の前記実施対策を実施した場合の複合効果、相乗効果、干渉効果、及び誘発効果の少なくとも1つを用いて導出されるものである。
【0018】
請求項2に記載の本発明に係る事業継続計画支援装置によれば、個別スコアを、建物の立地条件及び建物の特性の少なくとも一方を用いて、実施対策を実施した場合の費用対効果を用いて導出されるものとし、補正スコアを、複数の実施対策を実施した場合の複合効果、相乗効果、干渉効果、及び誘発効果の少なくとも1つを用いて導出されるものとすることで、個別スコア及び補正スコアを、より実態に即したスコアとすることができる結果、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる。
【0019】
請求項3に記載の本発明に係る事業継続計画支援装置は、請求項2に記載の事業継続計画支援装置であって、前記実施対策は、前記立地条件及び対応する法令の少なくとも一方に応じて決定された対策を含むものである。
【0020】
請求項3に記載の本発明に係る事業継続計画支援装置によれば、実施対策を、立地条件及び対応する法令の少なくとも一方に応じて決定された対策を含むものとすることで、より実態に即した対策を実施することができる結果、より効果的に対策を実施することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る事業継続計画支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る事業継続計画支援装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る対策情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図4】実施形態に係る第1補正スコア情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る第2補正スコア情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る事業継続計画支援処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る建物情報入力画面の構成の一例を示す正面図である。
図8】実施形態に係る対策状況入力画面の構成の一例を示す正面図である。
図9】実施形態に係る相乗効果及び干渉効果のみを考慮した場合の合計スコア等のテーブルの一例を示す模式図である。
図10】実施形態に係る優先順位画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0024】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。なお、事業継続計画支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0026】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、事業継続計画支援プログラム13Aが記憶されている。事業継続計画支援プログラム13Aは、事業継続計画支援プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの事業継続計画支援プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、事業継続計画支援プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、事業継続計画支援プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0027】
また、記憶部13には、対策情報データベース13B、第1補正スコア情報データベース13C、及び第2補正スコア情報データベース13D等の各種データベースが記憶される。対策情報データベース13B、第1補正スコア情報データベース13C、及び第2補正スコア情報データベース13Dについては、詳細を後述する。
【0028】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10の機能的な構成について説明する。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10は、取得部11A及び決定部11Bを含む。事業継続計画支援装置10のCPU11が事業継続計画支援プログラム13Aを実行することで、取得部11A及び決定部11Bとして機能する。
【0030】
本実施形態に係る取得部11Aは、対象とする建物(以下、単に「建物」という。)に対する地震、水害、感染症の発生等といった災害、及びテロリズムの双方に対する複数の実施対策が個別に評価されて実施対策毎に付与された個別スコアを取得する。このように、本実施形態では、災害及びテロリズムの双方を対象とした個別スコアを適用しているが、これに限るものではない。例えば、災害及びテロリズムの何れか一方のみを対象とした個別スコアを適用する形態としてもよい。
【0031】
また、本実施形態に係る取得部11Aは、上記実施対策の組み合わせによって当該実施対策の相互間に与える影響が考慮されて増減された補正スコアを取得する。そして、本実施形態に係る決定部11Bは、取得部11Aによって取得された個別スコア及び補正スコアを用いて、上記実施対策の優先順位を、対応する個別スコアに補正スコアを反映させて得られたスコアが大きいものほど高くするように決定する。以下、「実施対策」を単に「対策」ともいう。
【0032】
なお、本実施形態では、個別スコアが、建物を用いた事業に関する条件及び建物の特性の2種類を適用し、対策を実施した場合の費用対効果を用いて導出されたものとしているが、これに限るものではない。例えば、これらの2種類に加えて建物の立地条件を含めた3種類のうちの何れか1種類、又は2種類の組み合わせ、又は3種類全ての組み合わせを用いて、個別スコアを導出する形態としてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、補正スコアが、複数の対策を実施した場合の複合効果、相乗効果、干渉効果、及び誘発効果の4種類の効果を用いて導出されたものとしているが、これに限るものではない。例えば、当該4種類の効果のうちの何れか1種類や、2種類の組み合わせ、3種類の組み合わせを用いて補正スコアを導出する形態としてもよい。
【0034】
以下、本実施形態において適用している個別スコア及び補正スコアについて、詳細に説明する。まず、本実施形態に係る個別スコアについて説明する。
【0035】
本実施形態では、過去の実績等(被害、対策費用)に基づき、災害やテロリズムに対する対策を個別に実施した場合の効果と費用、及び災害等の対応に必要なマンパワーについて、それぞれ個別スコア(点数)を設定する。この時、建物を用いた事業に関する条件(建物間の距離等)及び建物の特性(延べ床面積等)に応じて個別スコアが増減するように、計算式により個別スコアを設定する。
【0036】
本実施形態に係る個別スコアSは、次の計算式によって算定される。
【0037】
【数1】
【0038】
ここで、ΔLは対策を実施した場合における平均予想損失額の低減額、Dは建物間の距離、fは建物の床面積である。また、Cs、Cd、及びCfは回帰係数である。Cdは建物間の距離Dに応じて設定される被害増加額を表す回帰係数であり、Cfは建物の床面積あたりの平均的な損失額を表す回帰係数である。また、Csは損失額をスコア化するための回帰係数である。
【0039】
次に、本実施形態に係る補正スコアについて説明する。
【0040】
本実施形態では、過去の実績等(被害額、対策費用)に基づき、災害やテロリズムに対する対策を同時に実施した場合に対する効果、費用、及びマンパワーに関する増減を点数により表す補正スコアを設定する。以下、補正スコアの導出で用いられる複合効果、相乗効果、干渉効果、及び誘発効果の4種類の効果について説明する。
【0041】
(複合効果)
本実施形態に係る複合効果は、ある対策が複数の災害やテロリズムに効果を発揮する場合の当該効果を意味する。例えば、非常用発電機の設置による、地震、台風等といった災害の種類に関わらない停電への効果を例示することができる。
【0042】
本実施形態では、ある災害やテロリズムに対する対策が、2種類以上の災害やテロリズムに効果があることを踏まえて正の補正スコアを設定する。この補正スコアにより、特に費用(コスト)の削減効果と災害時やテロリズムの発生時に必要なマンパワーの削減効果を考慮して事業継続計画を策定することが可能となる。複合効果による補正スコアScは次の式により算定される。
【0043】
【数2】
【0044】
ここで、Si(a)は対策Iの災害又はテロリズムAに対するスコア、Si(b)は対策Iの災害又はテロリズムBに対するスコアである。また、スコアSi(a)及びスコアSi(b)は過去の実績値のうち、該当するデータを上述した個別スコアSの計算式に代入することで算定される。
【0045】
(相乗効果)
本実施形態に係る相乗効果は、複数の対策を同時に実施した場合、対策を個別に実施した場合の効果の合計よりも大きな効果が得られる場合の当該効果を意味する。例えば、非常用発電機の設置と建物の免震化の組み合わせ等を例示することができる。
【0046】
本実施形態では、2種類以上の対策を同時に実施した場合に、対策の効果が大きく上がることを踏まえて正の補正スコアを設定する。この補正スコアにより、特に複数の対策のシナジーによる災害やテロリズムへの効果を考慮して事業継続計画を策定することが可能となる。相乗効果による補正スコアSsは次の式により算定される。
【0047】
【数3】
【0048】
ここで、Sは過去の被害額から換算されたスコアであり、Siは対策Iの単独でのスコア、Sjは対策Jの単独でのスコア、Ssijは対策Iと対策Jの相乗効果による補正スコアである。また、スコアSi及びスコアSjは過去の実績値のうち、該当するデータを上述した個別スコアSの計算式に代入することで算定される。
【0049】
(干渉効果)
本実施形態に係る干渉効果は、ある対策の実施により、他の対策の実施の可否や効果に関して悪影響を及ぼす場合の当該効果を意味する。例えば、感染症対策として建物の入口において検温を実施した場合、空間スペースの都合からテロリズムの対策のための手荷物検査の実施が困難になること等を例示することができる。
【0050】
本実施形態では、ある災害やテロリズムに対する対策の実施が、別の対策の効果に悪影響を及ぼすことに関する負の補正スコアを設定する。この補正スコアにより、同時に実施することが望ましくない対策の組み合わせを考慮して事業継続計画を策定することが可能となる。干渉効果による補正スコアSiは次の式により算定される。
【0051】
【数4】
【0052】
ここで、Si(j)は対策Jを実施したという条件下での対策Iのスコアであり、Si(j)は対策Jを実施しないという条件下での対策Iのスコアである。Sj(i)は対策Iを実施したという条件下での対策Jのスコアであり、Sj(i)は対策Iを実施しないという条件下での対策Jのスコアである。また、スコアSi(j)、スコアSi(j)、スコアSj(i)、及びスコアSj(i)は、過去の実績値のうち、該当するデータを上述した個別スコアSの計算式に代入することで算定される。なお、上記式及び下記式における添字の「c」は余事象を表す。
【0053】
(誘発効果)
本実施形態に係る誘発効果は、ある災害やテロリズムへの対策の実施により、他の災害やテロリズムの発生の可能性が増加する場合の当該効果を意味する。例えば、テロリズムの対策として手荷物検査を実施した場合、接触感染による感染症が発生する可能性が増加すること等を例示することができる。
【0054】
本実施形態では、ある災害やテロリズムに対する対策を実施した場合、別の災害やテロリズムの発生可能性が増加することに関する補正スコアを設定する。この補正スコアにより、想定される災害やテロリズムの組み合わせによっては実施しない方がよい対策を考慮して事業継続計画を策定することが可能となる。誘発効果による補正スコアSpは次の式により算定される。
【0055】
【数5】
【0056】
ここで、Si(b|a)は災害又はテロリズムAに対する対策Iを実施しないという条件下での、災害又はテロリズムBに対する対策Iのスコアであり、Si(b|a)は災害又はテロリズムAに対する対策Iを実施したという条件下での、災害又はテロリズムBに対する対策Iのスコアである。また、Si(b|a)及びSi(b|a)は、過去の実績値のうち、該当するデータを上述した個別スコアSの計算式に代入することで算定される。
【0057】
本実施形態では、上記実施対策を、建物の立地条件及び対応する法令の双方に応じて決定された対策としているが、これに限るものではない。例えば、建物の立地条件及び対応する法令の何れか一方のみに応じて、上記実施対策を決定する形態としてもよい。
【0058】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る対策情報データベース13Bについて説明する。図3は、本実施形態に係る対策情報データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。なお、対策情報データベース13Bは、災害及びテロリズムに対する各種対策に関する情報が記憶されたデータベースである。
【0059】
図3に示すように、本実施形態に係る対策情報データベース13Bは、対象及び対策の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0060】
上記対象は、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10が対象としている災害の種類や、テロリズムを示す情報である。
【0061】
また、上記対策は、対応する災害又はテロリズムに備えて実施し得る対策で、かつ、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10が対象としている対策に関する情報であり、内容、個別スコア、及びコストの各情報が含まれる。
【0062】
上記内容は、対応する対策の内容を示す情報であり、上記個別スコアは、対応する内容の対策を実施することによる評価の高さを示す点数であり、上述した個別スコアに相当する情報である。また、上記コストは、対応する内容の対策を実施するために要する費用を示す情報である。図3に示す例では、対象に、地震、水害、テロリズム(図3では、「テロ」と表記。)、及び感染症が含まれており、地震に関する対策の内容として「建物の免震化」を実施した場合、個別スコアが20点で、コストが7億5千万円かかることが記憶されている。
【0063】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る第1補正スコア情報データベース13Cについて説明する。図4は、本実施形態に係る第1補正スコア情報データベース13Cの構成の一例を示す模式図である。なお、第1補正スコア情報データベース13Cは、上述した相乗効果及び干渉効果に関する、上述した補正スコアを示す情報が記憶されたデータベースである。
【0064】
図4に示すように、本実施形態に係る第1補正スコア情報データベース13Cは、効果種別、組み合わせ対策、及び補正スコアの各情報が関連付けられて記憶されている。
【0065】
上記効果種別は、上述した効果(本実施形態では、複合効果、相乗効果、干渉効果、誘発効果の4種類の効果。)の種類の別を示す情報であり、上記組み合わせ対策は、複数(本実施形態では、2つ)の対策の組み合わせを示す情報である。また、上記補正スコアは、対応する組み合わせの対策を実施した場合に得られる効果の高さに応じた、上記個別スコアの補正値を示す情報であり、上述した補正スコアに相当する情報である。
【0066】
図4に示す例では、相乗効果を得ることができる対策の組み合わせとして「建物の免震化」及び「非常用発電機の設置」の組み合わせがあり、当該組み合わせによる補正スコアが+6点であることが記憶されている。なお、図4に示すように、相乗効果は、複数の対策の組み合わせによって効果が向上するものであるため、補正スコアはプラスの値となる一方、干渉効果は、複数の対策の組み合わせによって効果が低下するものであるため、補正スコアはマイナスの値となる。
【0067】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る第2補正スコア情報データベース13Dについて説明する。図5は、本実施形態に係る第2補正スコア情報データベース13Dの構成の一例を示す模式図である。なお、第2補正スコア情報データベース13Dは、上述した複合効果及び誘発効果に関する、上述した補正スコアを示す情報が記憶されたデータベースである。
【0068】
図5に示すように、本実施形態に係る第2補正スコア情報データベース13Dは、効果種別、内容、各対象への効果、合計スコア、及びコストの各情報が関連付けられて記憶されている。
【0069】
上記効果種別は、第1補正スコア情報データベース13Cの効果種別と同一の情報であり、上記内容は、上述した対策の内容を示す情報である。また、上記各対象への効果は、対応する内容の対策を実施した場合に、複数種類(本実施形態では、2種類)の災害又はテロリズムの各々に対する効果の高さに応じた、上記個別スコアの補正値を示す情報であり、上述した補正スコアに相当する情報である。更に、上記合計スコアは、対応する災害やテロリズムの組み合わせに対する補正スコアの合計値を示す情報であり、上記コストは、対応する内容の対策を実施するために要する費用を示す情報である。
【0070】
図5に示す例では、複合効果を得ることができる対策として「受水槽・高架水槽耐震補強」があることが記憶されている。また、図5に示す例では、当該対策による「地震」についての補正スコアが+3点で、「水害」についての補正スコアが+5点であり、それらの補正スコアの合計値が+8点であり、当該対策を実施するために要する費用が4500万円であることが記憶されている。なお、図5に示すように、複合効果は、複数の災害の組み合わせについて効果が向上するものであるため、補正スコアは何れの災害及びテロリズムについてもプラスの値となる。一方、誘発効果は、複数の災害及びテロリズムの組み合わせにおける、少なくとも1つの災害及びテロリズムについて効果が低下するものであるため、当該災害及びテロリズムの補正スコアはマイナスの値となる。
【0071】
次に、図6図10を参照して、本実施形態に係る事業継続計画支援装置10の作用を説明する。ユーザによって事業継続計画支援プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、事業継続計画支援装置10のCPU11が当該プログラム13Aを実行することにより、図6に示す事業継続計画支援処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、対策情報データベース13B、第1補正スコア情報データベース13C、及び第2補正スコア情報データベース13Dが構築済みである場合について説明する。
【0072】
図6のステップ100で、CPU11は、対策情報データベース13Bから全ての情報(以下、「対策情報」という。)を読み出し、第1補正スコア情報データベース13Cから全ての情報(以下、「第1補正スコア情報」という。)を読み出す。また、ステップ100で、CPU11は、第2補正スコア情報データベース13Dから全ての情報(以下、「第2補正スコア情報」という。)を読み出す。ステップ102で、CPU11は、予め定められた構成とされた建物情報入力画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ104で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0073】
図7には、本実施形態に係る建物情報入力画面の一例が示されている。図7に示すように、本実施形態に係る建物情報入力画面では、評価の対象とする建物に関する情報の入力を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る建物情報入力画面では、事業に関する条件を入力するための入力枠15A、建物の立地条件を入力するための入力枠15B、及び建物の特性を入力するための入力枠15Cが表示される。
【0074】
一例として図7に示す建物情報入力画面が表示部15に表示されると、ユーザは、入力部14を介して、対応する情報を、対応する入力枠に入力した後に、終了ボタン15Eを指定する。これに応じて、ステップ104が肯定判定となって、ステップ106に移行する。
【0075】
ステップ106で、CPU11は、建物情報入力画面において入力された立地条件に関する情報を用いて、建物の建設位置において想定すべき災害の種類や、テロリズムといった対象を特定する。なお、本実施形態では、当該対象の特定を以下に示すように行う。
【0076】
即ち、CPU11は、上記想定すべき対象を、国、又は都道府県の被害想定を示す情報(洪水ハザードマップ、津波ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ等)に基づいて特定する。例えば、立地地点が土砂災害ハザードマップにおいて土砂災害警戒区域に指定されている場合、土砂災害が想定すべき対象として特定される。なお、上記各ハザードマップは、対応する官公庁等のサーバに登録されているものを、通信I/F部18を介して参照することができる。
【0077】
ステップ108で、CPU11は、予め定められた構成とされた対策状況入力画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ110で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0078】
図8には、本実施形態に係る対策状況入力画面の一例が示されている。図8に示すように、本実施形態に係る対策状況入力画面では、評価の対象とする建物に対して既に実施されている、災害及びテロリズムに対する対策の状況の入力を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る対策状況入力画面では、対象及び対策の内容を入力するための入力枠15Dが表示される。
【0079】
一例として図8に示す対策状況入力画面が表示部15に表示されると、ユーザは、入力部14を介して、評価の対象とする建物に対して実施されている災害及びテロリズムに対する対策に関する情報を、対応する入力枠に入力した後に、終了ボタン15Eを指定する。これに応じて、ステップ110が肯定判定となって、ステップ112に移行する。
【0080】
なお、対策状況入力画面で入力する対策は、法令(例えば、建築基準法、消防法等)により必須となる対策が含まれると共に、当該法令とは無関係に既に実施している対策が含まれる。例えば、評価の対象とする建物が新築の建物である場合には、超高層ビルに設置が義務付けられている非常用エレベータの設置等が含まれ、当該建物が改修する建物である場合には、既に実施されているスプリンクラーの設置等といった防火対策等が含まれる。
【0081】
ステップ112で、CPU11は、ステップ106の処理によって特定した対象に対する対策から、対策状況入力画面を介して入力された対策を除くことにより、評価の対象とする建物に対して実施する対策の候補(以下、「実施対策候補」という。)を決定する。なお、上記対象に対する対策は、読み出した対策情報から得ることができる。
【0082】
ステップ114で、CPU11は、決定した実施対策候補に対して、以下に示すように優先順位を決定する。
【0083】
まず、CPU11は、実施対策候補の各々毎に、相互影響の全てを考慮して合計スコアを算出する。合計スコアSは次の式により算定される。
【0084】
【数6】
【0085】
ここで、Siは対策Iの単独でのスコア、Sjは対策Jの単独でのスコア、Scijは対策Iと対策Jの複合効果による補正スコア、Ssijは対策Iと対策Jの相乗効果による補正スコアである。また、Siijは対策Iと対策Jの干渉効果による補正スコア、Spijは対策Iと対策Jの誘発効果による補正スコアである。
【0086】
図9には、相乗効果及び干渉効果のみを考慮した場合の合計スコアS等のテーブルの一例が示されている。
【0087】
図9に示す例において、相互影響ありの欄の合計スコアから、相互影響なしの欄のスコアを引いたものが複合効果の補正スコアとなっている。例えば、建物の免震化(20点)と非常用発電機の設置(7点)は単純に合計すると相互影響なしのスコア27点となるが、相互影響ありのスコアは33点となっており、その差である+6点が補正スコアとなっている。
【0088】
そして、CPU11は、複数の実施対策候補の各々に対して、算出した合計スコアSが大きい順に優先順位を決定する。
【0089】
ステップ116で、CPU11は、以上の処理によって得られた各種情報を用いて、予め定められた構成とされた優先順位画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ118で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0090】
図10には、本実施形態に係る優先順位画面の一例が示されている。図10に示すように、本実施形態に係る優先順位画面では、実施対策候補の各々の組み合わせ毎に、スコア向上値、コスト、追加対策、相互影響がある既存の対策、効果のある災害、及び相互影響の種類の各情報の組み合わせが、優先順位順に表示される。従って、ユーザは、優先順位画面を参照することで、これらの情報を優先順位が高い順に把握することができる。
【0091】
一例として図10に示す優先順位画面が表示部15に表示されると、ユーザは、表示されている内容を把握した後、入力部14を介して終了ボタン15Eを指定する。これに応じて、ステップ118が肯定判定となって、本事業継続計画支援処理が終了する。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、対象とする建物に対する災害及びテロリズムの少なくとも一方に対する複数の実施対策が個別に評価されて実施対策毎に付与された個別スコアと、上記実施対策の組み合わせによって当該実施対策の相互間に与える影響が考慮されて増減された補正スコアと、を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された個別スコア及び補正スコアを用いて、上記実施対策の優先順位を、対応する個別スコアに補正スコアを反映させて得られたスコアが大きいものほど高くするように決定する決定部11Bと、を有する。従って、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、個別スコアを、建物の立地条件及び建物の特性の少なくとも一方を用いて、実施対策を実施した場合の費用対効果を用いて導出されるものとし、補正スコアを、複数の実施対策を実施した場合の複合効果、相乗効果、干渉効果、及び誘発効果の少なくとも1つを用いて導出されるものとしている。従って、個別スコア及び補正スコアを、より実態に即したスコアとすることができる結果、複数の対策に対する、より効果的な優先順位を決定することができる。
【0094】
更に、本実施形態によれば、実施対策を、立地条件及び対応する法令の少なくとも一方に応じて決定された対策を含むものとしている。従って、より実態に即した対策を実施することができる結果、より効果的に対策を実施することができる。
【0095】
なお、上記実施形態では、災害対策間の相互影響のうち、ネガティブな影響がある干渉効果及び誘発効果に対して何ら工夫を行わない場合について説明したが、これに限定されない。例えば、干渉効果及び誘発効果に対して、技術的な工夫を行うことにより補正スコアを緩和する形態としてもよい。
【0096】
例えば、手荷物検査を実施する場合にはヒト-ヒト間の接触が増え、感染リスクが増加するため、マイナスの補正スコアを考慮しなければならない。しかし、例えば、株式会社竹中工務店による防犯技術であるスルー&ガード(登録商標)を適用することで、接触することなく手荷物検査を実施することができ、補正スコアを±0とすることが可能である。
【0097】
また、上記実施形態で適用した各種データベースの構成は一例であり、例示したものに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0098】
また、上記実施形態で適用した各種演算式も一例であり、例示したものに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0099】
また、上記実施形態において、例えば、取得部11A及び決定部11Bの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0100】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0101】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0102】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0103】
10 事業継続計画支援装置
11 CPU
11A 取得部
11B 決定部
12 メモリ
13 記憶部
13A 事業継続計画支援プログラム
13B 対策情報データベース
13C 第1補正スコア情報データベース
13D 第2補正スコア情報データベース
14 入力部
15 表示部
15A 入力枠
15B 入力枠
15C 入力枠
15D 入力枠
15E 終了ボタン
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10