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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149716
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】測量システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
G01C15/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021051990
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】江野 泰造
(57)【要約】      (修正有)
【課題】短時間で高精度に構造物を測定可能な測量システムを提供する。
【解決手段】遠隔操縦可能であり、飛行体と測定器が設けられた飛行装置2と、飛行装置2の位置測定が可能な位置測定装置3と、飛行装置2の飛行を制御し、飛行装置2及び位置測定装置3と無線通信可能な遠隔操縦機4とを有する測量システム1であって、遠隔操縦機4は飛行装置2を所望の構造物迄飛行させ、測定器により測定面を測定させ、位置測定装置3を基準とした測定結果へと変換する様構成された。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操縦可能であり、飛行体と測定器が設けられた飛行装置と、該飛行装置の位置測定が可能な位置測定装置と、前記飛行装置の飛行を制御し、該飛行装置及び前記位置測定装置と無線通信可能な遠隔操縦機とを有する測量システムであって、前記遠隔操縦機は前記飛行装置を所望の構造物迄飛行させ、前記測定器により測定面を測定させ、前記位置測定装置を基準とした測定結果へと変換する様構成された測量システム。
【請求項2】
前記飛行体は、該飛行体の基準点に対して既知の位置に設けられた少なくとも3つの反射部を有し、前記位置測定装置は、測距光を射出し、反射測距光を受光して前記反射部迄の距離を測定する測距部と、前記測距光が所定の範囲で走査される様該測距光を偏向する測距光偏向部と、前記測距部と前記測距光偏向部とを制御する演算制御部とを有し、該演算制御部は、前記測距光偏向部により前記測距光を前記反射部のうちの少なくとも1つを含む局所スキャンを各反射部に対して順次実行させ、各反射部を測定する様構成された請求項1に記載の測量システム。
【請求項3】
前記位置測定装置は、前記測距部と前記測距光偏向部と前記演算制御部とを有する測定装置本体と、該測定装置本体を水平方向及び鉛直方向に駆動させる本体駆動部とを更に具備し、前記演算制御部は、1回前に測定した前記反射部うちの1つの位置を中心とし、該反射部のうちの1つの現在位置を測定する為の局所スキャンを、各反射部に対して順次して前記飛行装置を追尾する様構成された請求項2に記載の測量システム。
【請求項4】
前記演算制御部は、待機位置で測定された各反射部の位置をそれぞれ初期位置として設定し、各初期位置の測定結果に基づき前記飛行装置の追尾を開始する様構成された請求項3に記載の測量システム。
【請求項5】
前記演算制御部は、各反射部の測定結果に基づき、各反射部の中心により形成される平面と、該平面の法線を演算し、前記平面及び前記法線に基づき前記飛行装置の姿勢及び方位を演算する様構成された請求項3又は請求項4に記載の測量システム。
【請求項6】
前記飛行装置は飛行制御装置を更に具備し、前記測定器は1軸のレーザスキャナであり、該レーザスキャナは走査鏡を介して前記位置測定装置とは異なる波長の測距光を1次元にスキャン可能に構成され、前記飛行制御装置は前記走査鏡の回転と、該走査鏡と直交する方向に回転する前記飛行体の回転との協動により、前記測距光を3次元に回転照射し、2次元のスキャンにより3次元点群データを取得する様構成された請求項1~請求項5のうちのいずれか1項に記載の測量システム。
【請求項7】
前記遠隔操縦機は、正常な構造物の表面形状を有する設計データが保存された端末記憶部と、端末演算処理部とを有し、該端末演算処理部は、前記レーザスキャナが取得した3次元点群データと前記設計データとを比較し、比較結果に基づき前記構造物の不具合位置を検出する様構成された請求項6に記載の測量システム。
【請求項8】
前記飛行装置は、前記飛行体の周面に設けられた飛行体カメラと赤外線カメラとを更に具備し、前記端末演算処理部は、前記不具合位置に前記飛行装置を移動させ、前記飛行体カメラと赤外線カメラにより前記不具合位置の画像を取得させる様構成された請求項7に記載の測量システム。
【請求項9】
前記飛行体カメラは複数設けられ、前記飛行制御装置は、前記飛行体カメラに動画像又は連続画像を取得させ、時間的に隣接する画像中でそれぞれ同一の特徴点を抽出し、該特徴点間の位置偏差を演算し、該位置偏差に基づき、先の画像取得時に対する後の画像取得時の前記飛行体の傾斜角、方位角、移動量を演算する様構成された請求項8に記載の測量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体を追尾しつつ、飛行体により測定対象物の測定を行う測量システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物や橋梁等の構造物は、経年により劣化し、外壁の剥離や不陸(凹凸)、落下等の不具合を生じる虞れがある。従って、構造物の不具合を防止する為、構造物に対して定期的な診断やメンテナンスが必要となる。
【0003】
従来の構造物診断方法として、構造物の周囲に足場を作るか、或は屋上からロープ等でゴンドラを吊下げ足場を確保する等により、作業者が外壁を所定の器具で叩き、反射音に基づき外壁の状態を判断する打音検査がある。又、遠隔操作可能なUAV等の移動体に赤外線カメラを搭載し、構造物の外壁を赤外線カメラで撮影し、得られた壁面の温度分布に基づき外壁の状態を判断する方法もある。更に、構造物の外壁を3次元レーザスキャナでスキャン、又はフラッシュライダーやTOFカメラで3次元画像を取得して、壁面の3次元形状を測定し、得られた壁面の不陸に基づき外壁の状態を判断する方法もある。
【0004】
打音検査では、構造物の周囲にスペースがない場合、或は構造物が高層である場合には、足場を作るのが困難であり、足場を作成できる場合でも作業に時間を要する。又、生身での高所作業であることから、作業に危険が伴う。又、赤外線カメラは分解能が低い為、高性能な診断を行うことが困難である。更に、レーザスキャナを用いる場合、レーザスキャナが設けられた三脚を設置する為の足場が必要になることから、又はフラッシュライダーやTOFカメラでの撮影に於いても構造物の周囲に足場のスペースを必要とし、又足場の作成にも時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-27908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、短時間で高精度に構造物を測定可能な測量システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遠隔操縦可能であり、飛行体と測定器が設けられた飛行装置と、該飛行装置の位置測定が可能な位置測定装置と、前記飛行装置の飛行を制御し、該飛行装置及び前記位置測定装置と無線通信可能な遠隔操縦機とを有する測量システムであって、前記遠隔操縦機は前記飛行装置を所望の構造物迄飛行させ、前記測定器により測定面を測定させ、前記位置測定装置を基準とした測定結果へと変換する様構成された測量システムに係るものである。
【0008】
又本発明は、前記飛行体は、該飛行体の基準点に対して既知の位置に設けられた少なくとも3つの反射部を有し、前記位置測定装置は、測距光を射出し、反射測距光を受光して前記反射部迄の距離を測定する測距部と、前記測距光が所定の範囲で走査される様該測距光を偏向する測距光偏向部と、前記測距部と前記測距光偏向部とを制御する演算制御部とを有し、該演算制御部は、前記測距光偏向部により前記測距光を前記反射部のうちの少なくとも1つを含む局所スキャンを各反射部に対して順次実行させ、各反射部を測定する様構成された測量システムに係るものである。
【0009】
又本発明は、前記位置測定装置は、前記測距部と前記測距光偏向部と前記演算制御部とを有する測定装置本体と、該測定装置本体を水平方向及び鉛直方向に駆動させる本体駆動部とを更に具備し、前記演算制御部は、1回前に測定した前記反射部うちの1つの位置を中心とし、該反射部のうちの1つの現在位置を測定する為の局所スキャンを、各反射部に対して順次して前記飛行装置を追尾する様構成された測量システムに係るものである。
【0010】
又本発明は、前記演算制御部は、待機位置で測定された各反射部の位置をそれぞれ初期位置として設定し、各初期位置の測定結果に基づき前記飛行装置の追尾を開始する様構成された測量システムに係るものである。
【0011】
又本発明は、前記演算制御部は、各反射部の測定結果に基づき、各反射部の中心により形成される平面と、該平面の法線を演算し、前記平面及び前記法線に基づき前記飛行装置の姿勢及び方位を演算する様構成された測量システムに係るものである。
【0012】
又本発明は、前記飛行装置は飛行制御装置を更に具備し、前記測定器は1軸のレーザスキャナであり、該レーザスキャナは走査鏡を介して前記位置測定装置とは異なる波長の測距光を1次元にスキャン可能に構成され、前記飛行制御装置は前記走査鏡の回転と、該走査鏡と直交する方向に回転する前記飛行体の回転との協動により、前記測距光を3次元に回転照射し、2次元のスキャンにより3次元点群データを取得する様構成された測量システムに係るものである。
【0013】
又本発明は、前記遠隔操縦機は、正常な構造物の表面形状を有する設計データが保存された端末記憶部と、端末演算処理部とを有し、該端末演算処理部は、前記レーザスキャナが取得した3次元点群データと前記設計データとを比較し、比較結果に基づき前記構造物の不具合位置を検出する様構成された測量システムに係るものである。
【0014】
又本発明は、前記飛行装置は、前記飛行体の周面に設けられた飛行体カメラと赤外線カメラとを更に具備し、前記端末演算処理部は、前記不具合位置に前記飛行装置を移動させ、前記飛行体カメラと赤外線カメラにより前記不具合位置の画像を取得させる様構成された測量システムに係るものである。
【0015】
更に又本発明は、前記飛行体カメラは複数設けられ、前記飛行制御装置は、前記飛行体カメラに動画像又は連続画像を取得させ、時間的に隣接する画像中でそれぞれ同一の特徴点を抽出し、該特徴点間の位置偏差を演算し、該位置偏差に基づき、先の画像取得時に対する後の画像取得時の前記飛行体の傾斜角、方位角、移動量を演算する様構成された測量システムに係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遠隔操縦可能であり、飛行体と測定器が設けられた飛行装置と、該飛行装置の位置測定が可能な位置測定装置と、前記飛行装置の飛行を制御し、該飛行装置及び前記位置測定装置と無線通信可能な遠隔操縦機とを有する測量システムであって、前記遠隔操縦機は前記飛行装置を所望の構造物迄飛行させ、前記測定器により測定面を測定させ、前記位置測定装置を基準とした測定結果へと変換する様構成されたので、作業者や前記測定器の為の足場を設ける必要がなく、作業時間の短縮が図れると共に、作業の安全性を向上させることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係る測量システムを説明する説明図である。
図2】測量システムに於ける飛行装置の各反射部間の関係について説明する説明図である。
図3】飛行体を示す平面図である。
図4】前記飛行装置の制御系を示すブロック図である。
図5】測量システムに於ける位置測定装置の制御系を示すブロック図である。
図6】測量システムに於ける遠隔操縦機の制御系を示すブロック図である。
図7】測定の際に設定される測定エリアを説明する説明図である。
図8】本発明の実施例に係る飛行装置の追尾を説明する説明図である。
図9】測量システムを用いた構造物の診断について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0019】
測量システム1は、主に飛行装置(UAV)2、レーザスキャナ等の位置測定装置3、遠隔操縦機4から構成される。
【0020】
前記飛行装置2は、主に飛行体5と、該飛行体5の下面に設けられ、測距光を回転照射する測定器としてのレーザスキャナ6と、前記飛行体5の所定の位置に少なくとも3個設けられた球状の反射部7(図1中では7a~7dの4個)と、前記飛行体5の周面に複数設けられた飛行体カメラ8(例えば4個)と、前記飛行体5の周面の所定位置に設けられた赤外線カメラ9と、前記遠隔操縦機4との間で通信を行う飛行体通信部11(後述)とを具備している。
【0021】
尚、前記飛行体5には基準点と基準方向が設定されている。該基準点は、例えば前記飛行体5の機械中心であり、該飛行体5の鉛直軸心上に位置する。又、前記基準方向は、任意の方向に設定可能であり、例えば前記赤外線カメラ9の撮像光軸と合致する。基準点及び基準方向と、前記レーザスキャナ6の光学中心(測距光の射出位置)と、各反射部7の中心と、各飛行体カメラ8の光学中心と、前記赤外線カメラ9の光学中心とは位置関係は、それぞれ既知となっている。
【0022】
前記レーザスキャナ6は、パルス発光又はバースト発光されたレーザ光線を測距光として射出し、走査鏡(後述)を介して所定の測定対象物に照射する。又、測定対象物で反射された測距光(反射測距光)が前記レーザスキャナ6で受光され、往復時間及び光速に基づき測定対象物迄の距離が測定される。又、前記走査鏡を回転させることで、測距光は、前記飛行体5の鉛直軸心を含む平面内で1次元に回転照射される。
【0023】
各反射部7は、それぞれ外周面の全面に亘って再帰反射性を有する反射シートが貼付けられた球状の反射部材となっている。前記反射部7は、それぞれ既知の径を有し、各反射部7の中心間の位置関係は既知となっている。図2に示される様に、各反射部7(図示では7a~7d)の中心を結んで形成される平面12は、前記飛行体5の基準点と既知の位置関係であり、前記平面12の中心を通る法線13が前記飛行体5の鉛直軸心と合致する様、各反射部7が設けられる。尚、各反射部7は、同径であってもよいし、異なる径となっていてもよい。
【0024】
各飛行体カメラ8は、隣接する飛行体カメラ8同士の画像が所定量オーバラップする様に、各飛行体カメラ8の画角、数、配置等が決定される。又、各飛行体カメラ8の撮像光軸は、例えば前記飛行体5の基準点と直交し、基準点で交差する様に設定される。更に、前記飛行体カメラ8の撮像中心と基準点との関係は既知となっている。
【0025】
前記赤外線カメラ9は、所定の画角で赤外画像を取得可能に構成されている。又、前記赤外線カメラ9の撮像光軸は、前記飛行体5の基準点及び前記飛行体カメラ8の撮像光軸と既知の位置関係にあり、前記赤外線カメラ9の撮像中心と基準点との位置関係は既知となっている。
【0026】
前記位置測定装置3は、既知の3次元座標を有する点に設けられている。該位置測定装置3は、追尾機能を有し、各反射部7を順次測定しつつ追尾する。各反射部7の3次元座標を測定することで、各反射部7の中心を結んで得られた平面と、該平面の中心を通る法線を演算することができる。法線の傾き(傾斜角、傾斜方向)に基づき前記飛行装置2の姿勢を演算することができる。又、前記位置測定装置3は、前記遠隔操縦機4と無線通信が可能であり、前記位置測定装置3が測定した前記反射部7の3次元座標及び前記飛行装置2の姿勢は、座標データ及び姿勢データとして前記遠隔操縦機4に入力される。
【0027】
前記遠隔操縦機4は、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末、或は該携帯端末に入力装置が接続又は一体化された装置となっている。前記遠隔操縦機4は、演算機能を有する演算装置、データやプログラムを格納する記憶部、更に端末通信部(後述)を有している。前記遠隔操縦機4は、前記端末通信部と前記飛行体通信部11との間で前記飛行装置2との無線通信が可能であり、又前記端末通信部と前記位置測定装置3の通信部との間で該位置測定装置3との無線通信が可能となっている。更に、前記遠隔操縦機4は、前記飛行装置2の飛行、前記レーザスキャナ6の測距作動を遠隔操作可能であり、前記位置測定装置3による測定も遠隔操作可能となっている。
【0028】
次に、図3図4に於いて、前記飛行装置2について説明する。
【0029】
前記飛行体5は、放射状に延出する複数で且つ偶数のプロペラフレーム14(図示では14a~14d)を有し、該プロペラフレーム14の中心は前記飛行装置2の中心となっている。各プロペラフレーム14の先端にそれぞれプロペラユニットが設けられる。該プロペラユニットは、前記プロペラフレーム14の先端に設けられたプロペラモータ15(図示では15a~15d)と、該プロペラモータ15の出力軸に取付けられたプロペラ16(図示では16a~16d)と、前記プロペラモータ15の所定位置、例えば下端部にそれぞれ設けられた前記反射部7とにより構成される。更に、前記飛行体5には、飛行制御装置17が内蔵されている。尚、前記反射部7は、既知の長さのシャフトを介して前記プロペラモータ15の下端部に設けられてもよい。
【0030】
該飛行制御装置17は、主に演算制御部18、記憶部19、飛行制御部21、プロペラモータドライバ部22、スキャナ制御部23、第1撮像制御部24、第2撮像制御部25、前記飛行体通信部11とを具備している。
【0031】
尚、本実施例では、前記スキャナ制御部23が前記飛行制御装置17に含まれているが、別構成としてもよい。例えば、前記レーザスキャナ6内に前記スキャナ制御部23を設け、前記飛行体通信部11を介して前記飛行体5を前記レーザスキャナ6との間で制御信号の授受を行ってもよい。
【0032】
前記記憶部19には、プログラム格納部とデータ格納部とが形成される。前記プログラム格納部には、前記飛行体カメラ8(図示では飛行体カメラ8a~8d)及び前記赤外線カメラ9の撮影を制御する為の撮影プログラム、画像データから特徴点を抽出する為の特徴点抽出プログラム、時間的に隣接する画像データに於いて同一の特徴点間の位置偏差を演算する位置偏差演算プログラム、前記プロペラモータ15を駆動制御する為の飛行制御プログラム、前記レーザスキャナ6による測距作動を制御する測距プログラム、取得したデータを前記遠隔操縦機4に送信し、又該遠隔操縦機4からの飛行指令や撮像指令を受信する為の通信プログラム等のプログラムが格納されている。
【0033】
前記データ格納部には、前記飛行体カメラ8で取得した静止画像データや動画像データ、前記遠隔操縦機4を介して受信した前記位置測定装置3で測定した位置データや姿勢データ、特徴点間の位置偏差に基づき演算した前記飛行装置の移動距離、移動方向データ、更に前記静止画像データ、前記動画像データを取得した時の時間、位置データ等が格納される。
【0034】
前記飛行制御部21は、飛行に関する制御信号に基づき、前記プロペラモータドライバ部22を介して前記プロペラモータ15を所要の状態に駆動し、制御する。
【0035】
前記スキャナ制御部23は、前記レーザスキャナ6の駆動を制御する。即ち、前記スキャナ制御部23は、測距光の発光間隔、走査鏡26(図1参照)の回転速度等を制御し、該走査鏡26を介して前記測距光を回転照射する。即ち、前記スキャナ制御部23は、前記レーザスキャナ6から照射される測距光の点群間隔、点群密度を制御する。又、反射測距光は、前記走査鏡26の回転角と関連づけられて前記演算制御部18に入力され、測距が実行される。
【0036】
前記第1撮像制御部24は、前記演算制御部18から発せられる制御信号に基づき、前記飛行体カメラ8の撮影を制御する。前記飛行体カメラ8としてはデジタルカメラが設けられ、静止画像が撮影できると共に、動画像、又は連続する画像を構成するフレーム画像を取得可能となっている。又、撮像素子として、画素の集合体であるCCD、CMOSセンサ等が設けられ、各画素は撮像素子内での位置が特定できる様になっている。例えば、前記飛行体カメラ8の光軸が撮像素子を通過する点を原点とする直交座標によって、各画素の位置が特定される。各画素は、受光信号と共に画素座標を前記第1撮像制御部24に出力する。
【0037】
前記第2撮像制御部25は、前記演算制御部18から発せられる制御信号に基づき、前記赤外線カメラ9の撮影を制御する。該赤外線カメラ9は撮像素子を有し、前記赤外線カメラ9の光軸が撮像素子を通過する点を原点とする直交座標によって、各画素の位置を特定可能となっている。各画素は、受光信号と共に画素座標を前記第2撮像制御部25に出力する。
【0038】
前記演算制御部18は、前記記憶部19に格納された各種プログラムに基づき、測定対象物を測距光で走査(測定)する為の各種制御を実行する。又、前記演算制御部18は、前記操縦信号や隣接する画像データ間の特徴点の位置偏差に基づき、飛行に関する制御信号を演算し、前記飛行制御部21に出力する。
【0039】
次に、図5を参照して、前記位置測定装置3について説明する。
【0040】
該位置測定装置3は、三脚27(図1参照)上に設けられた測定装置本体28を有し、該測定装置本体28は主に測定制御装置29、測距光偏向部としての走査ミラー31、測距部32、水平角検出器33、鉛直角検出器34、傾斜角検出器35、水平回転駆動部36、鉛直回転駆動部37、広角カメラ38、望遠カメラ39等を具備している。
【0041】
前記測定装置本体28は、前記水平回転駆動部36によって水平方向に回転可能であり、又前記鉛直回転駆動部37によって鉛直方向に回転可能となっている。
【0042】
前記走査ミラー31は、例えば直交する2軸(X軸及びY軸)方向に傾動自在なMEMSミラーである。MEMSミラーは、コイルに電流を流した際のローレンツ力により駆動されるミラーであり、駆動電流の正負及び大きさに基づき、所望の方向に所望の角度で2次元に往復傾動可能となっている。尚、前記走査ミラー31と傾斜可能な範囲は、例えば2軸方向に±30°となっている。
【0043】
前記測距部32は、前記走査ミラー31、前記望遠カメラ39の光学系を介して測距光41(図1参照)を射出し、更に該走査ミラー31、前記望遠カメラ39の光学系を介して前記測定対象物からの反射測距光を受光し、測距を行うものである。即ち、前記測距部32は光波距離計として機能する。前記測距光41は、パルス光又はパルス状の光であり、測距はパルス光毎に行われる。又、前記走査ミラー31は、測距光41の光軸を例えば±30°の範囲で偏向し、高応答性で前記測距光の局所スキャンが可能となっている。尚、前記測距光41としては、前記レーザスキャナ6で用いられる測距光とは異なる波長の光が用いられる。
【0044】
前記水平角検出器33は、前記広角カメラ38又は前記望遠カメラ39による視準方向のうち、水平角を検出する。尚、検出される水平角は予め設定された任意の基準方向に対する水平角となる。又、前記鉛直角検出器34は、前記広角カメラ38又は前記望遠カメラ39による視準方向のうち、鉛直角を検出する。更に、前記傾斜角検出器35は、前記走査ミラー31の2軸の各傾斜角及び合成傾斜角を検出する。前記水平角検出器33、前記鉛直角検出器34、前記傾斜角検出器35の検出結果は、前記測定制御装置29に入力される。
【0045】
前記広角カメラ38と前記望遠カメラ39は、前記位置測定装置3に内蔵されている。前記広角カメラ38は広画角、例えば30°を有し、前記望遠カメラ39は前記広角カメラ38よりも狭い画角、例えば5°を有している。尚、前記広角カメラ38の光軸と前記望遠カメラ39の光軸はそれぞれ平行であり、各光軸間の距離は既知となっている。従って、前記広角カメラ38で取得した画像と前記望遠カメラ39で取得した画像との対応付が可能となっている。前記広角カメラ38或は前記望遠カメラ39により、各反射部7を画角内に捉えることができる。尚、前記測距光41の光軸が前記広角カメラ38の光軸及び前記望遠カメラ39の光軸と平行又は合致する時の前記走査ミラー31の位置を、該走査ミラー31の基準位置としている。
【0046】
前記測定制御装置29は、主に測距演算部42、測定演算制御部43、測定記憶部44、測定通信部45、モータ駆動制御部46、ミラー駆動制御部47、撮像制御部48等を有する。
【0047】
前記測距演算部42は、前記測定演算制御部43からの制御信号に基づき、前記測距部32による各反射部7に対する測距動作を制御する。即ち、前記測距演算部42は、パルス光の往復時間、例えば前記測距部32から射出される前記測距光41の発光タイミングと、前記測距部32に受光される反射測距光の受光タイミングとの時間差と光速に基づき、前記測距光41の1パルス毎の測距を実行する(Time Of Flight)、又はレーザ光の周波数をチャープさせて戻り光の周波数差から距離を計測するFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)も適用可能である。
【0048】
又、前記測定記憶部44には、前記広角カメラ38又は前記望遠カメラ39の画像から前記反射部7を抽出し、該反射部7の位置を検出する画像処理プログラム、各反射部7に対して順次局所スキャンを実行し、各反射部7の測定(測距及び測角)を行いそれぞれの3次元座標をリアルタイムで演算する為の測定プログラム、各反射部7の測定結果に基づき、前記平面12の前記法線13を演算し、前記飛行体5の姿勢を演算する為の姿勢演算プログラム、前記飛行体5の方位を演算する方位演算プログラム、各反射部7の測定結果をそれぞれ時系列に取得し、次の前記反射部7の位置を予測する予測プログラム、各反射部7の追尾を行う為の追尾プログラム、前記広角カメラ38と前記望遠カメラ39の撮像を行う為の撮像プログラム、前記飛行装置2及び前記遠隔操縦機4との通信を行う為の通信プログラム等のプログラムが格納されている。又、前記測定記憶部44には、各反射部7の測定結果(測距結果、測角結果)が測定時間と関連づけられて時系列に格納される。
【0049】
前記測定通信部45は、前記反射部7を測定した結果(前記反射部7の射距離、水平角、鉛直角)をリアルタイムで前記遠隔操縦機4に送信する。
【0050】
前記モータ駆動制御部46は、前記反射部7を視準する為に、或は、該反射部7を追尾する為に、前記水平回転駆動部36、前記鉛直回転駆動部37を制御し、前記測定装置本体28を水平方向に、或は鉛直方向に回転させる。尚、前記水平回転駆動部36、前記鉛直回転駆動部37は、前記測定装置本体28を水平方向及び鉛直方向に回転させる為の本体駆動部を構成する。
【0051】
前記ミラー駆動制御部47は、前記走査ミラー31で反射される前記測距光41が所定のスキャン中心で所定の範囲を2次元に面スキャン(ラスタスキャン)する様、前記走査ミラー31を所定角度範囲で所定方向に往復傾動させる。又、前記ミラー駆動制御部47は、全スキャン範囲内の複数箇所で、部分的にスキャン(局所スキャン)する場合、スキャン中心を順次偏向しながら局所スキャンし、複数箇所で同時に局所スキャンされたのと同様の制御を行う。更に、前記撮像制御部48は、前記広角カメラ38と前記望遠カメラ39の撮像を制御する様構成されている。
【0052】
前記位置測定装置3は、各反射部7を順次追尾しつつ測距し、測距結果と前記水平角検出器33、前記鉛直角検出器34、前記傾斜角検出器35の検出結果に基づき、各反射部7の3次元座標をリアルタイムで測定する。又、各反射部7の測定結果に基づき前記平面12を演算し、該平面12の前記法線13を演算し、該法線13に基づき前記飛行装置2(飛行体5)の姿勢をリアルタイムで演算する。又、各反射部7を順次測定することで、前記平面12も順次演算される。従って、時間的に隣接する前記平面12間の回転変位を順次演算することで、初期位置に対する前記平面の相対回転角、即ち前記飛行装置2の基準方向に対する相対方位角を演算することができる。
【0053】
図6は、前記遠隔操縦機4の概略構成、及び前記飛行装置2と前記位置測定装置3と前記遠隔操縦機4の関連を示す図である。
【0054】
該遠隔操縦機4は、演算機能を有する端末演算処理部49、端末記憶部51、端末通信部52、操作部53、表示部54を有している。
【0055】
前記端末演算処理部49は、クロック信号発生部を有し、前記飛行装置2から受信した画像データ、測定データや、前記位置測定装置3から受信した画像データ、測定データ等をクロック信号に関連づける。又、前記端末演算処理部49は、受信した各種データを前記クロック信号に基づき時系列のデータとして処理し、前記端末記憶部51に保存する。
【0056】
該端末記憶部51には、前記飛行装置2や前記位置測定装置3と通信を行う為の通信プログラム、前記位置測定装置3の設置位置の3次元座標に基づき、各反射部7の3次元座標を演算する為のプログラム、各反射部7の測定結果、前記平面12の傾きと前記飛行体5の基準点迄の距離に基づき、前記レーザスキャナ6の測定した3次元座標を前記位置測定装置3の設置位置を基準とした3次元座標に変換する為のプログラム、走査画面や測定結果、各カメラで取得された画像等を前記表示部54に表示する為の表示プログラム、タッチパネル等を介して指示を入力する為の操作プログラム等のプログラムが格納されている。又、前記端末記憶部51には、後述する診断面に凹凸や剥離、落下等が存在しないデータ、例えば設計データが予め格納されている。
【0057】
前記端末通信部52は、前記飛行装置2との間、前記位置測定装置3との間で通信を行う。又、前記操作部53は、前記表示部54と一体に設けられたコントローラのボタン等を介して各種指示を入力し、前記飛行体5の操作を行う。
【0058】
前記表示部54は、前記飛行体カメラ8及び前記赤外線カメラ9で取得されたカメラ画像及び赤外画像、前記広角カメラ38で取得された広角画像、前記望遠カメラ39で取得された望遠画像、前記位置測定装置3や前記レーザスキャナ6で取得された測定結果を示す測定結果画面等が表示される。
【0059】
尚、前記表示部54の全てをタッチパネルとしてもよい。該表示部54の全てがタッチパネルである場合には、前記操作部53を省略してもよい。この場合、前記表示部54には前記飛行体5を操作する為の操作パネルが設けられる。
【0060】
次に、図7図8に於いて、前記飛行装置2の追尾について説明する。尚、以下の説明に於いては、前記反射部7は4箇所に設けられているものとする。
【0061】
先ず、前記飛行装置2を所定の待機位置に静止させた状態で、4つの前記反射部7の測定を順次行う。広角画像中又は望遠画像中に全ての前記反射部7が含まれる様に前記位置測定装置3の向きを調整し、広角画像中又は望遠画像中から各反射部7を抽出する。更に、広角画像中又は望遠画像中の各反射部7の位置に基づき、スキャン方向、スキャン範囲(測定エリア55)を設定する。尚、待機位置では、前記飛行装置2の基準方向の方位角が方位計等により既知となっている。
【0062】
前記位置測定装置3は、前記測距部32による前記測距光41の射出と、前記走査ミラー31の2軸方向への傾動との協動により、所定範囲の前記測定エリア55をラスタスキャン状に局所スキャンする。尚、該測定エリア55に於けるスキャン密度は、状況に応じて適宜設定される。又、前記測定エリア55の大きさは、少なくとも前記反射部7のうちのいずれか1つが含まれる大きさに設定する。
【0063】
前記位置測定装置3は、前記測定エリア55内を所定のスキャン密度で走査し、前記測距光41の軌跡56に沿った点群データを取得する。本実施例では、測定対象物である前記反射部7は、全面に再帰反射性を有する反射シートが貼付けられた球体となっている。
【0064】
従って、前記反射部7の中心が前記測距光41の光軸上に存在しない場合には、反射測距光57が前記測距部32に向って反射されず、測定不能となる。即ち、前記反射部7の中心が前記測距光41の光軸上に存在する場合のみ、測定結果が演算できる。
【0065】
従って、前記測定エリア55内を局所スキャンした際に、測定結果が得られた点の測定結果を前記反射部7の測定結果とすることができる。尚、前記反射部7の測定結果は、各反射部の中心の3次元座標であり、各反射部の中心の3次元座標は前記反射部7の測定結果及び前記反射部7の既知の径に基づき演算することができる。
【0066】
前記飛行装置2を追尾する際には、初期位置(待機位置)に静止状態で任意の姿勢で設置された前記飛行装置2に対して、前記水平回転駆動部36及び前記鉛直回転駆動部37を駆動させ、広角画像又は望遠画像中から各反射部7が抽出され、画像中から前記反射部7への方向(方向角)が求められる。
【0067】
先ず、所定の前記反射部7(反射部7a)を中心とする前記測定エリア55(第1測定エリア55a)が設定され、前記反射部7aに隣接する前記反射部7(反射部7b)を中心とする前記測定エリア55(第2測定エリア55b)が設定され、前記反射部7bに隣接する前記反射部7(反射部7c)を中心とする前記測定エリア55(第3測定エリア55c)が設定され、前記反射部7cに隣接する前記反射部7(反射部7d)を中心とする前記測定エリア(第4測定エリア55d)が設定される。
【0068】
各測定エリア55a~55dが設定されると、前記測定演算制御部43は、前記測距部32(図8中では発光素子58と受光素子59)と前記走査ミラー31との協動により、画像から抽出された前記反射部7aの中心をスキャン中心として前記第1測定エリア55a内を前記測距光41で局所スキャンさせ、前記反射部7aが測定される。
【0069】
同様に、前記測定演算制御部43は、抽出した前記反射部7bの中心をスキャン中心として前記第2測定エリア55b内を前記測距光41で局所スキャンさせ、前記反射部7bを測定させ、抽出した前記反射部7cの中心をスキャン中心として前記第3測定エリア55c内を前記測距光41で局所スキャンさせ、前記反射部7cを測定させ、抽出した前記反射部7dの中心をスキャン中心として前記第4測定エリア55d内を前記測距光41で局所スキャンさせ、前記反射部7dを測定させる。
【0070】
ここで測定された前記反射部7aの3次元座標を前記反射部7aの第1初期位置61として設定し、前記反射部7bの3次元座標を前記反射部7bの第2初期位置62として設定し、前記反射部7cの3次元座標を前記反射部7cの第3初期位置63として設定し、前記反射部7dの3次元座標を前記反射部7dの第4初期位置64として設定する。設定された各初期位置61~64は、前記測定記憶部44に格納される。
【0071】
各初期位置61~64の設定後、前記位置測定装置3による追尾を開始させると共に、前記飛行装置2を飛行させる。追尾中、前記測定演算制御部43は、前記第1初期位置61を中心とした局所スキャン(第1局所スキャン)と、前記第2初期位置62を中心として局所スキャン(第2局所スキャン)と、前記第3初期位置63を中心とした局所スキャン(第3局所スキャン)と、前記第4初期位置64を中心とした局所スキャン(第4局所スキャン)を順次繰返して実行し、前記反射部7a~7dとを略同時に、且つ略リアルタイムで測定する。前記飛行装置2の移動と共に前記反射部7a~7dの測定値も変化する。従って、前記反射部7a~7dの測定値の変化に追従して、前記測定装置本体28の視準方向も追従する。
【0072】
尚、前記走査ミラー31は高速で往復傾動可能であり、スキャン速度は前記飛行装置2の移動速度よりも充分に高速である。従って、スキャン中心を前記反射部7aから前記反射部7d迄順次移動させ、第1局所スキャンから第4局所スキャン迄を順次実行した後であっても、再び前記第1初期位置61を中心とした前記第1測定エリア55a内に前記反射部7aを捉えることができる。
【0073】
第1局所スキャンの実行により、前記第1初期位置61から所定の方向に所定距離移動した前記反射部7aの第1位置61aの3次元座標が測定され、該第1位置61aの測定結果が前記測定記憶部44に保存される。又、前記測定演算制御部43は、前記第1位置61aと前記反射部7aの1回前の測定位置である前記第1初期位置61とを結ぶ直線を演算し、該直線は前記反射部7aの軌跡65として前記測定記憶部44に保存される。更に、前記軌跡65に基づき、前記反射部7aの移動方向、移動速度が演算され、演算結果が前記測定記憶部44に保存される。
【0074】
前記第1位置61aの測定後、前記測定演算制御部43は、前記反射部7aと前記反射部7bの位置関係に基づき、局所スキャンのスキャン中心を前記第2初期位置62に変更する。この時、前記反射部7aの測定位置、移動方向、移動速度に基づき、前記反射部7bの位置が予測され予測結果もスキャン中心の変更に反映される。
【0075】
同様に、第2局所スキャンの実行により、前記第2初期位置62から所定の方向に所定距離移動した前記反射部7bの第2位置62aの3次元座標が測定され、第3局所スキャンの実行により、前記第3初期位置63から所定の方向に所定距離移動した前記反射部7cの第3位置63aの3次元座標が測定され、第4局所スキャンの実行により、前記第4初期位置64から所定の方向に所定距離移動した前記反射部7dの第4位置64aの3次元座標が測定される。第1位置61a~第4位置64aの3次元座標は、それぞれ前記測定記憶部44に保存される。
【0076】
又、前記測定演算制御部43は、前記第2位置62aと前記第2初期位置62とを結ぶ直線を前記反射部7bの軌跡66として演算し、第3位置63aと前記第3初期位置63とを結ぶ直線を前記反射部7cの軌跡67として演算し、第4位置64aと前記第4初期位置64とを結ぶ直線を前記反射部7dの軌跡68として演算し、各演算結果が前記測定記憶部44に保存される。更に、前記測定演算制御部43は、前記軌跡66に基づき前記反射部7bの移動速度、移動方向を演算し、前記軌跡67に基づき前記反射部7cの移動速度、移動方向を演算し、前記軌跡68に基づき前記反射部7dの移動速度、移動方向を演算し、各演算結果が前記測定記憶部44に保存される。
【0077】
局所スキャンのスキャン中心の位置を前記第2初期位置62~前記第4初期位置64に変更する場合も、前記反射部7b~前記反射部7dの測定結果、移動方向、移動速度に基づき、次の測定位置が予測され、予測結果がスキャン中心の変更に反映される。
【0078】
前記測定演算制御部43は、前記第1位置61a、前記第2位置62a、前記第3位置63a、前記第4位置64aの測定結果に基づき、前記平面12の前記法線13を演算する。即ち、前記測定演算制御部43は、前記飛行装置2の姿勢を演算する。更に、前記測定演算制御部43は、各初期位置61~64で形成される前記平面12に対する、各位置61a~64aで形成される前記平面12の相対回転角を演算し、該相対回転角に基づき前記飛行装置2の基準方向の方位角を演算する。
【0079】
前記第4位置64aの測定後、前記反射部7a~7dの測定が順次繰返され、第1位置61b,……,61n(図示せず)、第2位置62b,……,62n(図示せず)、第3位置63b,……,63n(図示せず)、第4位置64b,……,64n(図示せず)の3次元座標が演算され、各演算結果が前記測定記憶部44に保存される。又、各測定位置と1回前の測定位置とを結ぶ直線が前記反射部7a~7dの軌跡65~68としてそれぞれ前記測定記憶部44に保存される。
【0080】
前記反射部7a~7dの測定が順次繰返されることで、該反射部7a~7dの位置がリアルタイムで測定され、該反射部7a~7dの測定結果に基づき、前記位置測定装置3による前記飛行装置2の追尾が実行される。又、該飛行装置2の追尾と並行して、該飛行装置2の姿勢がリアルタイムで演算される。更に、前記反射部7aから前記反射部7d迄の測定を1周期とすると、各反射部7a~7dの測定結果に基づき、1周期前の前記平面12に対する該平面12の相対回転角が順次演算されるので、各相対回転角に基づき、前記飛行装置2の基準方向の方位角を演算することができる。
【0081】
尚、局所スキャンのスキャン中心の変更は、MEMSミラーによって高速で実行されるので、前記反射部7a~7dの測定は略同時に、且つ略リアルタイムで実行することができる。従って、各反射部7a~7dは常に同じ順番で測定されることとなるので、前記平面12間の回転変位を相対回転角とみなすことができ、各反射部7a~7dを区別する必要がない。更に、前記飛行装置2の追尾については、該飛行装置2の移動速度が高速ではないので、前記水平回転駆動部36と前記鉛直回転駆動部37による前記測定装置本体28の回転で充分追尾することが可能である。
【0082】
前記飛行装置2の追尾中、前記測距光41が前記飛行体5で遮られ、局所スキャンを実行しても前記反射部7a~7dの測定結果が得られない場合がある。この場合には、測定不能として局所スキャンの中心を次の測定位置へと移動させる。局所スキャンのスキャン中心の変更は、他の反射部7の測定結果に基づく予測結果が反映され、且つ変更速度が高速であるので、測定不能の前記反射部7が存在する場合でも、追尾の続行が可能となる。又、前記反射部7a~7dのうちの3つが測定できれば、前記平面12は作成可能であるので、前記反射部7a~7dのうちの1つが測定できなくてもリアルタイムでの姿勢検出及び方位角検出が可能である。
【0083】
次に図9を参照し、前記測量システム1を用いた測定について説明する。
【0084】
測定を開始する場合、前記遠隔操縦機4を介して前記飛行体5を待機位置から飛行させる。この時、前記遠隔操縦機4の操作パネルを介して前記飛行体5を手動で操作してもよいし、予め設定された飛行プログラムに基づき前記飛行体5を自動で飛行させてもよい。又、該飛行体5を手動で操作する場合、目視により操作してもよいし、前記飛行体カメラ8で取得された画像に基づき操作してもよい。
【0085】
尚、該飛行体5は、方位計を有していない為、飛行中の前記飛行体5の方位を直接検出することができない。本実施例では、前記測定演算制御部43又は前記端末演算処理部49は、時間的に隣接する前記平面12間の回転変位に基づき前記飛行体5の相対回転角を演算し、各相対回転角と待機位置で設定した基準方向の方位角に基づき、前記飛行体5の方位角を演算している。
【0086】
或は、前記飛行体5が飛行を開始した時点から、前記第1撮像制御部24は前記飛行体カメラ8a~8d毎に飛行体カメラ画像を連続して取得している。該飛行体カメラ8a~8dは、隣接する飛行体カメラにより取得された飛行体カメラ画像が所定量オーバラップする様配置されているので、360°全周の飛行体カメラ画像が取得される。
【0087】
前記演算制御部18は、建造物や鉄骨の角、或は特徴的な輝度等から前記飛行体カメラ画像毎に特徴点を抽出する。又、前記演算制御部18は、同一の前記飛行体カメラ8により取得された、時間的に隣接する前記飛行体カメラ画像を比較する。
【0088】
前記演算制御部18は、時間的に隣接する2枚の前記飛行体カメラ画像に基づき、同一の特徴点の前記飛行体カメラ画像中での位置偏差を演算する。又、前記演算制御部18は、同様に他の前記飛行体カメラ8で取得した前記飛行体カメラ画像についても、特徴点の前記飛行体カメラ画像中での位置偏差を演算する。
【0089】
各画素の撮像素子内の位置は特定可能である。従って、各飛行体カメラ8について、時間的に隣接する前記飛行体カメラ画像中の特徴点の位置を比較することで、先の前記飛行体カメラ画像を取得した時点に対する、後の前記飛行体カメラ画像を取得した時点の前記飛行体5の傾斜角、方位角、移動量を演算することができる。
【0090】
前記演算制御部18は、順次演算した前記飛行体5の傾斜角、方位角、移動量に基づき、前記飛行体5の姿勢や飛行状態を制御する(オプティカルフロー)。尚、飛行状態の制御については、前記位置測定装置3で演算された姿勢や方位角、移動量を用いてもよい。
【0091】
尚、本実施例では、前記飛行装置2と前記位置測定装置3の両方で、前記飛行体5の傾斜角、方位角、移動量が演算可能となっている。一方で、前記位置測定装置3は前記飛行装置2よりも高精度で演算可能であるので、傾斜角、方位角、移動量が共に演算可能である場合には前記位置測定装置3による演算が用いられる。又、前記飛行装置2でのみ演算できた場合には、該飛行装置2で演算された傾斜角、方位角、移動量が用いられる。
【0092】
前記飛行装置2を測定対象である構造物69の近傍まで移動させると、前記飛行装置2による前記構造物69の測定及び診断を開始する。尚、図9中では、前記構造物69は例えばビルであり、測定対象面である診断面71はビルの一面となっている。
【0093】
前記飛行装置2に対する追尾が継続された状態で、前記スキャナ制御部23は、測距光72を前記測距光41とは異なる波長で射出しつつ前記走査鏡26を回転させ、前記飛行体5の鉛直軸心を含む平面内で前記測距光72を1次元に回転照射させる。又、前記飛行制御部21は、前記測距光72の照射方向と直交する方向へ、前記飛行体5を飛行又は回転させる。前記走査鏡26の回転と前記飛行体5の飛行又は回転との協動により、前記測距光72が2次元に走査され、前記診断面71全面の3次元点群データが取得できる。
【0094】
前記飛行体5の基準点を基準とした3次元点群データの各点毎の3次元座標は、前記平面12又は前記飛行体カメラ画像73から求めた前記飛行体5の方位角と、前記飛行体5の位置(基準点の位置)及び姿勢と関連づけられて前記記憶部19に保存される。或は、前記遠隔操縦機4が、前記飛行装置2から受信した3次元点群データと、前記位置測定装置3から受信した前記飛行体5の位置及び姿勢及び方位とを関連づけて前記端末記憶部51に保存する。前記端末演算処理部49は、前記反射部7a~7dの測定結果に基づき前記飛行体5の基準点の位置(3次元座標)と前記飛行体5の姿勢及び方位を演算し、演算結果に基づき、前記レーザスキャナ6が取得した3次元点群データを前記位置測定装置3の設置位置を基準とした3次元点群データへと変換する。
【0095】
前記端末演算処理部49は、前記飛行装置2で取得された3次元点群データ、即ち前記診断面71の表面形状と前記端末記憶部51に格納された設計データとを比較し、比較結果に基づき、前記診断面71の不陸(凹凸)、タイル等の剥離や落下等の不具合を検出することができる。
【0096】
又、前記端末演算処理部49は、不具合が検出された前記診断面71上の位置、及び該位置への撮影指示を前記飛行装置2へと送信する。
【0097】
前記演算制御部18は、前記遠隔操縦機4から受信した不具合の位置に基づき、前記飛行装置2を不具合位置迄飛行させ、前記飛行体カメラ8のいずれかと前記赤外線カメラ9が不具合位置へと向く様前記飛行体5を回転させ、前記飛行体カメラ8による不具合位置の飛行体カメラ画像73及び前記赤外線カメラ9による不具合位置の赤外画像74とを取得する。取得された前記飛行体カメラ画像73と前記赤外画像74は、不具合位置及び方位角と関連づけられて前記記憶部19に保存される。或は、前記飛行体カメラ画像73と前記赤外画像74は、方位角と共に前記遠隔操縦機4へと送信され、前記位置測定装置3から受信した前記飛行体5の位置及び姿勢と関連づけられて前記端末記憶部51に保存される。
【0098】
取得された前記飛行体カメラ画像73に基づき、至近距離からの目視と同等の精度で前記診断面71の不陸や剥離、落下等の不具合の詳細を判断することができる。更に、前記赤外画像74に基づき、前記診断面71の温度分布が得られ、該温度分布に基づき前記診断面の状態を判断することができる。尚、前記飛行体カメラ画像73と前記赤外画像74に基づく不具合の詳細の判断は、作業者が目視により行ってもよいし、画像処理等により前記端末演算処理部49に自動で行わせてもよい。
【0099】
前記診断面71の全面の点群データの取得、前記飛行体カメラ画像73の取得、前記赤外画像74の取得が完了すると、前記遠隔操縦機4を介して前記飛行装置2を次の前記診断面71、或は次の前記構造物69の近傍へと移動させ、再度点群データの取得、前記飛行体カメラ画像73の取得、前記赤外画像74の取得を実行する。
【0100】
全ての前記診断面71、前記構造物69の測定及び画像取得が完了すると、前記飛行装置2を所定の待機位置へと着地させ、前記診断面71の測定を終了する。
【0101】
上述の様に、本実施例では、前記飛行装置2を遠隔操作し、該飛行装置2に設けられた前記レーザスキャナ6、前記飛行体カメラ8、前記赤外線カメラ9により、所望の前記診断面71の近傍から3次元点群データや画像を取得可能となっている。
【0102】
従って、作業者が作業する為の、或は3次元レーザスキャナが設けられた3脚を設置する為の足場が不要となるので、足場を作成する為の時間やスペースが不要となり、作業時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0103】
又、作業者が壁に取付き、直接前記診断面71を診断する必要がないので、作業者が高所での診断作業を行う必要がなく、安全性を向上させることができる。
【0104】
又、前記診断面71に対して、3次元点群データ、前記飛行体カメラ画像73、前記赤外画像74をそれぞれ取得する構成となっているので、複数の手段により不具合位置を診断することができ、高精度に前記診断面71を診断することができる。
【0105】
又、本実施例では、前記反射部7a~7dが球体であり、少なくとも該反射部7a~7dのいずれか1つを含む前記測定エリア55を局所スキャンすることで、前記反射部7a~7dを測定している。従って、前記反射部7a~7dの向きに拘らず、該反射部7a~7dの中心の3次元座標を演算することができる。
【0106】
又、前記飛行体5の所定位置に4つの反射部7a~7dが設けられ、該反射部7a~7dの測定結果に基づき前記平面12及び前記法線13を演算し、該法線13に基づき前記飛行体5の傾きを演算することができる。又、時間的に隣接する前記平面12の回転変位に基づき、前記飛行体5の相対回転角を演算することができる。従って、該飛行体5が傾斜していた場合であっても、或は前記飛行体5が回転していた場合であっても、演算された前記飛行体5の傾き及び方位に基づき前記レーザスキャナ6の測定結果を補正することができる。
【0107】
又、本実施例では、前記反射部7a~7dを順次局所スキャンし、測定することで、前記飛行装置2を追尾している。又、前記飛行装置2の追尾と並行して、該飛行装置2の姿勢及び方位をリアルタイムで演算している。
【0108】
従って、前記飛行装置2に傾斜センサや姿勢検出装置、或は方位計を設ける必要がないので、装置構成の簡略化が図れ、製作コストの低減を図れると共に、前記飛行装置2の重量を軽減することができる。
【0109】
又、前記プロペラモータ15を駆動させることで、前記飛行体5を前記測距光72の射出方向と直交する方向に飛行又は回転可能であるので、前記走査鏡26の回転方向と前記飛行体5の飛行又は回転との協動により、任意の方向に前記測距光72を照射することができる。従って、3次元の点群データを取得する場合であっても、前記飛行装置2に搭載するのは1軸のレーザスキャナでよいので、軽量化及び製作コストの低減を図ることができる。
【0110】
又、飛行中には、前記飛行体5に設けられた複数の前記飛行体カメラ8による前記飛行体カメラ画像73が連続して実行されているので、飛行中の姿勢の制御、障害物に対する衝突回避等を行うことができ、飛行安定性を向上させることができる。
【0111】
又、前記飛行装置2に位置情報発信器としてのBLEビーコンを設けてもよい。該BLEビーコンにより概略の位置情報信号が発せられることで、例えば障害物等により前記位置測定装置3による前記飛行装置2の追尾が途切れた場合であっても、BLEビーコンからの位置情報に基づき、容易に前記位置測定装置3を前記飛行装置2の追尾に復帰させることができる。
【0112】
尚、本実施例では、測定器として前記飛行体5に1軸の前記レーザスキャナ6を搭載し、該レーザスキャナ6により前記診断面71の3次元点群データを取得しているが、前記飛行装置2による測定方法はこれに限られるものではない。例えば、前記診断面71にラインレーザを照射し、光切断法により前記診断面71の表面形状を測定する測定器を前記飛行体5に設けてもよいし、前記診断面71にTHz(テラヘルツ)帯の電磁波を照射し、前記診断面71の表面状態を測定する測定器を前記飛行体5に設けてもよい。THz帯の電磁波を用いることで、前記診断面71の壁面内隙間検査等を実行することができる。
【0113】
又、測定器としてフラッシュライダーやTOFカメラを用いてもよい。フラッシュライダー及びTOFカメラは、所定の光源により測定範囲(撮像範囲)をパルス照射し、該測定範囲からの反射光をCMOSセンサ等の撮像素子で受光し、撮像素子の各ピクセル毎に測距を行う様構成されている。従って、フラッシュライダーやTOFカメラで前記診断面71を撮影することで、各ピクセル毎に距離情報を有する前記診断面71の画像を取得できるので、該画像に基づき前記診断面71の3次元形状を求めることができる。
【0114】
一方で、フラッシュライダーやTOFカメラの場合、パルス光の照射範囲やカメラの画角ににより測定範囲が限定されることから、前記診断面71全面の画像を取得する為には、前記飛行装置2を前記診断面71に沿って飛行させつつ、複数の画像を取得する必要がある。
【0115】
従って、測定器としてフラッシュライダーやTOFカメラを用いる場合には、前記診断面71全面の画像が取得できる様前記飛行装置2の飛行ルートを事前に設定し、該飛行ルートに基づき前記飛行装置2を自動で飛行させてもよいし、前記遠隔操縦機4を介して任意の範囲の測定エリアを設定し、測定エリア全域の画像を取得できる様、前記飛行装置2を自動で飛行させてもよい。
【0116】
又、前記診断面71の少なくとも一部を含む画像を取得する為の画像取得エリアを予め設定し、前記飛行装置2が画像取得エリアで画像を取得する様自動で飛行させ、取得した画像に基づき前記診断面71全面の画像を取得する迄順次画像を取得する様前記飛行装置2を自動で飛行させてもよい。例えば、画像中の稜線等に基づき飛行方向を決定すると共に、取得する画像同士が所定量オーバラップする様前記飛行装置2を飛行させる。更に、前記飛行体カメラ8a~8dの画像を参照しつつ、前記遠隔操縦機4を介して手動で前記飛行装置2の飛行及び測定を実行してもよい。
【0117】
又、本実施例では、前記測距光41を走査する為の測距光偏向部として、2軸のMEMSミラーと用いているが、該MEMSミラーに限られるものではない。例えば、モータにより回転する回転鏡やガルバノミラー、オプティカルフェースドアレイ、液晶ビームステアリング、レズレープリズム等、種々の偏向手段により測距光を走査する構成であってもよい。
【0118】
更に、本実施例では、前記反射部7a~7dとして、反射シートを全面に貼設した球体を用いているが、全周プリズムを用いてもよいのは言う迄もない。
【符号の説明】
【0119】
1 測量システム
2 飛行装置
3 位置測定装置
4 遠隔操縦機
5 飛行体
6 レーザスキャナ
7 反射部
8 飛行体カメラ
9 赤外線カメラ
17 飛行制御装置
31 走査ミラー
32 測距部
41 測距光
43 測定演算制御部
49 端末演算処理部
51 端末記憶部
69 構造物
71 診断面
72 測距光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9