(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149765
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220929BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220929BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20220929BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220929BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06Q30/06 300
G07G1/01 301D
G07G1/12 321Z
G07G1/12 341A
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052065
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小口 健太郎
【テーマコード(参考)】
3E142
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA04
3E142EA13
3E142EA21
3E142EA23
3E142EA26
3E142FA31
3E142FA33
3E142GA16
3E142JA03
3F522BB01
3F522CC09
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD26
3F522DD32
3F522EE19
3F522GG17
3F522GG37
3F522HH02
3F522HH12
3F522HH22
3F522LL04
3F522LL36
5L049BB63
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品ごとの期限情報に基づいて商品在庫を効率的に管理する。
【解決手段】一実施形態の情報処理システムは、利用者が所持する利用者端末と、利用者端末と通信可能な情報処理装置と、を含む。利用者端末は、商品に関する商品情報及び商品の有効期限に関する期限情報を取得する第1取得部と、情報処理装置から取得する利用者の商品在庫情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有する。情報処理装置は、商品が前記利用者により決済済みである場合に、利用者端末により取得された商品情報及び期限情報を利用者の商品在庫情報として取得する第2取得部と、利用者の要求に基づいて、第2取得部により得られた利用者の商品在庫情報を利用者端末に提供する提供部と、を有する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記利用者端末は、
商品に関する商品情報及び前記商品の有効期限に関する期限情報を取得する第1取得部と、
前記情報処理装置から取得する前記利用者の商品在庫情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記商品が前記利用者により決済済みである場合に、前記利用者端末により取得された前記商品情報及び前記期限情報を前記利用者の商品在庫情報として取得する第2取得部と、
前記利用者の要求に基づいて、前記第2取得部により得られた前記利用者の商品在庫情報を前記利用者端末に提供する提供部と、を有する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
1又は複数の利用者を1つのグループに登録する登録部を備え、
前記登録部は、前記第2取得部により前記グループ内の各利用者から取得された商品情報及び期限情報を、前記グループの商品在庫情報として登録し、
前記提供部は、前記グループ内のいずれかの利用者の要求に基づいて、当該利用者の利用者端末に対して前記グループの商品在庫情報を提供する、
請求項1に記載された情報処理システム。
【請求項3】
前記登録部によって登録された複数のグループを関連付ける関連付け部を備え、
前記提供部は、前記関連付け部により第1グループと第2グループとが関連付けられた場合に、前記第1グループのいずれかの利用者に対して、前記第2グループの商品在庫情報を提供する、
請求項2に記載された情報処理システム。
【請求項4】
前記利用者端末は、前記商品在庫情報に含まれる各商品の消費量に関する消費情報を取得する第3取得部を備え、
前記情報処理装置は、
前記利用者端末から取得する前記消費情報に基づいて前記商品在庫情報を更新する更新部と、
前記商品在庫情報を基に前記利用者の消費状況を分析する分析部と、を備えた、
請求項1に記載された情報処理システム。
【請求項5】
前記利用者端末は、前記商品在庫情報に含まれる各商品の消費量に関する消費情報を取得する第3取得部を備え、
前記情報処理装置は、
前記利用者端末から取得する前記消費情報に基づいて、前記利用者端末を所持する利用者が含まれるグループの商品在庫情報を更新する更新部と、
グループの商品在庫情報を基に、当該グループの消費状況を分析する分析部と、を備えた、
請求項3又は4に記載された情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記分析部の分析結果が所定の条件を満たす場合に、前記利用者端末に対して通知を行う通知部を備えた、
請求項4又は5に記載された情報処理システム。
【請求項7】
前記商品の重量を検出し、前記利用者端末と通信を行う通信デバイスを含み、
前記第3取得部は、前記通信デバイスによって検出された重量の値に基づいて前記消費情報を取得する、
請求項4から6のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項8】
利用者が所持する利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、
商品が前記利用者により決済済みである場合に、前記利用者端末により取得された前記商品に関する商品情報及び期限情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記商品情報及び前記期限情報を、前記利用者の商品在庫情報として記憶する記憶部と、
前記利用者の要求に基づいて、前記記憶部に記憶された前記利用者の商品在庫情報を前記利用者端末に提供する提供部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項9】
利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、の間で行われる情報処理方法であって、
前記利用者端末が、商品に関する商品情報及び前記商品の有効期限に関する期限情報を取得し、
前記情報処理装置が、前記商品が前記利用者により決済済みである場合に、前記利用者端末により取得された前記商品情報及び前記期限情報を前記利用者の商品在庫情報として取得し、
前記情報処理装置が、前記利用者の要求に基づいて、前記取得した前記利用者の前記商品在庫情報を前記利用者端末に提供し、
前記利用者端末が、前記情報処理装置から取得する前記利用者の商品在庫情報を表示部に表示させる、
情報処理方法。
【請求項10】
利用者が所持する利用者端末と通信可能な情報処理装置において、コンピュータに所定の方法を実行させるプログラムであって、
前記方法は、
商品が前記利用者により決済済みである場合に、前記利用者端末により取得された前記商品に関する商品情報及び期限情報を取得すること、
前記取得された前記商品情報及び前記期限情報を、前記利用者の商品在庫情報として記憶部に記憶させること、及び、
前記利用者の要求に基づいて、前記記憶部に記憶された前記利用者の商品在庫情報を前記利用者端末に提供すること、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、賞味期限を過ぎた生鮮食品等の食品を破棄する食品ロスを抑制するため、家庭内の食品在庫を管理するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、顧客別の買い上げ商品情報を通信網経由で送信するPOSシステムと、外部から家庭端末を操作して食品在庫管理情報等の必要情報を入手する外部端末と、POSシステムから送られた商品情報を受信し、かつ外部端末操作と連携してその外部端末に要求情報を送信する家庭端末と、を含む食品管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された食品管理システムでは、賞味期限によって食品を効率的に管理できず、食品ロス抑制の実効性を担保できないという課題がある。この食品管理システムでは、例えば、賞味期限が食品の購入日を基に画一的に決定されるため、食品毎の実際の賞味期限がシステムに反映されず、食品を効率的に管理することができない。
【0005】
そこで、本発明は、商品ごとの期限情報に基づいて商品在庫を効率的に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、前記利用者端末は、商品に関する商品情報及び前記商品の有効期限に関する期限情報を取得する第1取得部と、前記情報処理装置から取得する前記利用者の商品在庫情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有し、前記情報処理装置は、前記商品が前記利用者により決済済みである場合に、前記利用者端末により取得された前記商品情報及び前記期限情報を前記利用者の商品在庫情報として取得する第2取得部と、前記利用者の要求に基づいて、前記第2取得部により得られた前記利用者の商品在庫情報を前記利用者端末に提供する提供部と、を有する、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、商品ごとの期限情報に基づいて商品在庫を効率的に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の商品在庫管理システムのシステム構成を概略的に示す図である。
【
図2】店舗利用者データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図3】利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図4】一実施形態の商品在庫管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図5】利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図6】一実施形態の商品在庫管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図7】購入実績データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図8】利用者在庫データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図9】一実施形態の商品在庫管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図10】利用者端末の在庫管理アプリケーションの画面例を示す図である。
【
図11】一実施形態の商品在庫管理システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図12】在庫アプリ利用者データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図13】一実施形態の商品在庫管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図14】利用者による消費情報を取得する方法を例示する図である。
【
図15】利用者による消費情報を取得する方法を例示する図である。
【
図16】利用者端末の在庫管理アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図17】一実施形態の商品在庫管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図18】利用者端末の在庫管理アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図19】一実施形態の商品在庫管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図20】利用者端末の在庫管理アプリケーションの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において、商品の「商品情報」とは、商品を特定する情報である。例えば、商品名称、商品コード、商品ID、商品型式等は、商品情報の一例である。商品IDは、商品を特定する識別情報である。
本開示において、商品の「期限情報」とは、利用者が当該商品を使用可能、賞味可能、又は、消費可能であるか否かの指標を示す有効期限に関する情報である。有効期限の例としては、使用期限、賞味期限、消費期限、品質保証期限等が挙げられる。
【0010】
本開示において、商品から商品情報及び期限情報を取得する方法を限定せず、様々な方法を採ることができる。
例えば、商品情報及び期限情報に対応するコード情報が商品や、棚札、電子棚札等に表示されている場合には、当該コード情報を読み取ることで商品情報及び期限情報を取得することができる。また、商品情報及び期限情報に対応する文字情報(ヒューマンリーダブル文字)が商品や、棚札、電子棚札等に表示されている場合には、当該文字情報を含む画像を撮像し、当該画像から画像認識技術によって文字情報を取得することもできる。ここで、商品にコード情報又は文字情報が表示されている態様として、コード情報又は文字情報が商品の外装品に印刷されている態様や、コード情報又は文字情報が印字されているラベル等の印字媒体が商品自体、若しくは商品の外装品に貼付されている態様等が含まれる。コード情報は、1次元コード(バーコード)でも2次元コードでもよい。
なお、以下では、商品に表示されているコード情報を読み取ることにより商品情報及び期限情報を取得する場合を例として説明する。
【0011】
実施形態の商品在庫管理システムでは、例えば利用者が所持する利用者端末等によって、利用者が家庭で在庫として保有する商品の在庫管理が行われる。
商品は限定しないが、上記期限情報と関連付けられたものであって、利用者が在庫として家庭内で保持する商品であれば如何なるものでもよい。代表的な商品は、小売り店舗で利用者によって購入される食品や調味料等である。
例えば利用者端末は、店舗等において商品に表示されているコード情報を読み取ることにより商品情報及び期限情報を取得する。例えば、利用者端末がレジレス機能を備えている場合、利用者端末によって取得された商品情報に対応する商品の決済が、利用者端末と通信可能な店舗サーバにおいて行われる。一実施形態の商品在庫管理システムでは、在庫管理サーバは、決済済みの商品に対応する商品情報及び期限情報を店舗サーバから利用者の商品在庫情報として取得し、例えば利用者端末等に商品在庫情報を提供するように構成される。すなわち、このシステムによれば、商品が決済済みである場合、利用者端末等によって購入時に取得された当該商品に対応する商品情報及び期限情報が商品在庫情報として利用されるため、利用者は、商品に表示されているコード情報に含まれる商品情報及び期限情報を基に、自身が購入した商品の在庫管理が可能となる。その際、利用者は、商品の購入後に当該商品の管理を行う際、商品の消費情報や期限情報を入力する必要がない。
【0012】
(1)第1の実施形態
図1を参照して、本実施形態の商品在庫管理システム1のシステム構成を説明する。
商品在庫管理システム1では、利用者は、例えば店舗等で購入して自宅で保持している商品の在庫を管理できるように構成されている。商品の例として食品を挙げるが、その限りではなく、調味料等、賞味期限(期限情報の一例)がある商品であれば如何なる商品であってもよい。本実施形態の例では、店舗は、商品として賞味期限を有する食品等を扱うスーパーマーケット等の小売業である。利用者が各店舗においてレジレスで決済が完了できる仕組みとなっている。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の商品在庫管理システム1は、店舗で買い物を行う利用者CTが所持する利用者端末3と、店舗サーバ5-1,5-2,5-3,…と、決済代行サーバ7と、在庫管理サーバ8とを含み、利用者CTが、店舗で購入した商品の在庫を家庭内で管理可能となるように構成される。商品在庫管理システム1では、利用者端末3及びサーバ群がネットワークNWを介して通信可能となるように構成される。ネットワークNWは限定しないが、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。
【0014】
店舗サーバ5-1,5-2,5-3,…は、利用者が利用する複数の店舗の各々がレジレスを実現するために設けられている。以下では、各店舗サーバに対して共通する事項について言及するときには、適宜単に「店舗サーバ5」と表記する。店舗サーバ5は、決済代行サーバ7と通信可能であり、レジレスによる利用者の商品決済を支援する。
利用者CTが所持する利用者端末3には、各店舗に対応した店舗アプリケーションがインストールされている。店舗アプリケーションは、対応する店舗においてレジレスによる決済を行うために、店舗に対応する店舗サーバ5と通信を行うように構成されている。
利用者端末3には、利用者の商品在庫を管理するための在庫管理アプリケーションがインストールされている。在庫管理アプリケーションは、利用者の在庫を管理するために在庫管理サーバ8と通信を行う。在庫管理サーバ8は、店舗サーバ5-1,5-2,5-3,…の各々から、利用者による決済済みの商品に関する情報を取得するとともに、在庫管理アプリケーションからの要求に応じて利用者の在庫データ(後述する)を提供可能となるように構成されている。
以下の説明及び図面では、店舗アプリケーション及び在庫管理アプリケーションをそれぞれ、「店舗アプリ」、「在庫アプリ」と適宜略記することがある。
【0015】
店舗サーバ5には、
図2に例示する店舗利用者データベースが格納される。
図2に例示する利用者データベースの各レコードは、「利用者ID」、「利用者名称」、「決済手段」の各フィールドの値を含む。ここで、「利用者ID」フィールドの値は、店舗の利用者に割り当てられる識別情報である。「利用者名称」フィールドの値は、利用者が店舗アプリケーションを利用者端末3にインストールするタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録される。「決済手段」フィールドの値は、利用者が店舗アプリケーションを利用者端末3にインストールするタイミング、又は、インストール後の任意のタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録あるいは更新される。
「決済手段」フィールドの値は、利用者に対して商品の決済を行うのに必要なデータであり、例えば、クレジットカード番号の情報、及び/又は、電子マネーに関連する情報(プリペイド番号等)である。「決済手段」フィールドの値は、利用者IDに対応する利用者が決済を行うときに決済代行サーバ7に提供される。
【0016】
次に、
図3及び
図4を参照して、利用者端末3の店舗アプリケーションの利用方法について説明する。
図3は、利用者端末3の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
図4は、利用者端末3の店舗アプリケーションの処理を示すシーケンスチャートである。
店舗アプリケーションを実行することで利用者は、店舗内の各商品の提供価格を確認でき、自身が選択した商品の決済を行うことができる。
図2の画面G1~G3は、利用者が商品の価格を確認し、購入予定リスト(カゴ)に商品を追加する場合の店舗アプリケーションの利用方法を示している。
【0017】
利用者が利用者端末3において店舗アプリケーションを起動すると、
図3の画面G1に示すように、利用者端末3に備わる撮像機能が連動し、撮像された画像がウィンドウw1に表示される。画面G1では、利用者が商品Pを店舗の棚から手に取り、商品Pに表示されているコード情報C1が見えるようにした商品Pの画像がウィンドウw1に含まれる。商品Pのコード情報C1をウィンドウw1に表示させる(つまり、利用者がスキャン操作を行う)ことで、店舗アプリケーションは、コード情報C1の読み取り(スキャン)を行う(
図4のステップS2)。ウィンドウw1内に複数のコード情報が表示される場合に、目的とするコード情報を確実に読み取らせることができるように、利用者端末3の撮像機能は、ウィンドウw1内にスキャン領域100を表示させる機能を含むことが好ましい。その場合、ウィンドウw1内の複数のコード情報のうちスキャン領域100内に表示されたコード情報C1のみが読み取られる。
【0018】
例えばコード情報C1には、対応する商品Pの商品ID(商品情報の一例)と賞味期限の情報(賞味期限情報;期限情報の一例)が含まれる。商品IDと賞味期限情報が含まれる限り、コード情報C1のコード形式は問わないが、バーコード(1次元コード)とする場合には、例えばGS1-128等のCODE128を採用することができる。CODE128は、アスキーコード128文字を全てバーコード化できるため、商品IDと賞味期限情報を含むように構成することができる。
【0019】
なお、GS1-128を含むラベルを店舗内の各商品に貼付するために、物流センターで貼付ロボット等を利用したラベルの一括自動貼り付けを行ってもよく、また、店舗での総菜等の製造時においてGS1-128を含む計量ラベルの貼り付けを行ってもよい。それによって、賞味期限情報が含まれないコード(例えば、JAN13等)が商品自体に印刷されている商品についても、賞味期限情報を含むGS1-128が印字されたラベルを貼り付けることができる。
【0020】
店舗アプリケーションは、コード情報C1が読み取られると、コード情報C1に含まれる商品IDおよび賞味期限情報を含む、利用者への商品Pの提供価格の問合せを店舗サーバ5に送信する(
図4のステップS4)。次いで、店舗アプリケーションは、店舗サーバ5から商品Pの通常価格と提供価格の情報を含む価格データを受信し(ステップS10)、表示する(ステップS12)。
【0021】
例えば、
図3を参照すると、ステップS12において表示される画面G2のウィンドウw2には、商品IDに対応する商品名称(「ヨーグルトB 500ml」)と、通常価格(「300円」)、提供価格(「250円」)、および、賞味期限(「2021年9月13日」)の情報が含まれる。
画面G2において利用者は、ウィンドウw2に含まれる情報を見て、購入予定リスト(カゴ)に商品Pを追加するか否かの選択を行うことができる。商品Pを購入予定リストに追加する場合には、利用者が画面G2に表示されているボタンb1(「カゴに入れる」)を操作すると(
図4のステップS14:YES)、画面G3が表示され、商品Pが購入予定リストに追加されたことが利用者に通知される(ウィンドウw3)。その場合、利用者は、手に取った商品Pを店舗の実際のカゴ又は買い物カートの中に入れる。
利用者端末3は、ボタンb1の操作に応じて、対象となる商品の情報を購入予定リストに追加するようにして購入予定リストを更新する(ステップS16)。
【0022】
次に、
図5及び
図6を参照して、利用者端末3の店舗アプリケーションによって商品の決済を行う際の店舗アプリケーションの利用方法について説明する。
図5は、利用者端末3の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
図6は、利用者端末3の店舗アプリケーションの処理を示すシーケンスチャートである。
【0023】
利用者は、商品の提供価格を確認して購入予定リストに追加した後(つまり、
図3の画面G1~G3を繰り返し表示させた後)、決済を行う場合には、画面G4においてボタンb2(「カゴの中を見る」)を操作し、購入予定リストBLを含む画面G5を表示させる。購入予定リストBLには、それまでに追加された商品の一覧(各商品の商品名称、数量、価格)と価格の合計金額とが含まれる。
図示しないが、利用者は、例えば予算オーバーのため購入予定リストBLから特定の商品の購入を中止する場合には、当該商品を購入予定リストBLから削除する操作を行うことができる。その場合、利用者は、店舗のカゴ又は買い物カートの中から購入を中止する商品を店舗の棚に戻す。
【0024】
画面G5において、購入予定リストBLが確定した場合、利用者がボタンb3(決済ボタン)を操作することで(
図6のステップS20)、店舗アプリケーションは、店舗サーバ5に対して、購入予定リストを含む決済要求を行う(ステップS22)。
店舗サーバ5は、店舗アプリケーションから決済要求を受信すると、利用者名称および決済手段のデータを利用者データベースから読み出し、読み出した利用者名称および決済手段のデータと、決済額(購入予定リストの合計金額)のデータとを含む決済要求を決済代行サーバ7に送信する(ステップS24)。決済代行サーバ7は、店舗サーバ5から提供されたデータを基に決済処理を行い(ステップS26)、決済処理が完了すると、店舗サーバ5に決済完了通知を送信する(ステップS28)。
【0025】
決済が完了すると、店舗サーバ5は、新たな決済IDを発行するとともに(ステップS30)、購入実績データベース(後述する)に新たなレコードを作成することで購入実績データベースを更新する(ステップS32)。
【0026】
図7に購入実績データベースの構成例を示す。
図7に例示する購入実績データベースの各レコードは、「利用者ID」、「決済ID」、「決済発生日時」、および、「購入内容」の各フィールドの値を含む。ここで、「決済ID」フィールドの値は、対応する利用者の個々の決済ごとに一意に割り当てられるデータである。「決済発生日時」フィールドの値は、決済IDによって特定される決済が発生した日時を示す。
「購入内容」フィールドは、「商品ID」、「商品名称」、「価格」、「個数/数量」、及び、「賞味期限」の各サブフィールドを含む。各サブフィールドの値は、決済IDによって特定される決済の対象となる購入内容の詳細のデータを示す。
【0027】
再度
図6を参照すると、店舗サーバ5は、ステップS22の決済要求に対応する決済完了通知を店舗アプリケーションに送信する(ステップS34)。この決済完了通知には、ステップS30で発行された決済IDが含まれる。店舗アプリケーションは、受信した決済完了通知に含まれる決済IDを含む2次元コードである決済済コードを作成し(ステップS36)、利用者端末3に表示する(ステップS38)。例えば、
図5に示すように、決済済コードとしてコード情報C2を含む画面G6が表示される。決済済コードは、商品の決済が完了したことを示しており、決済を特定する決済ID(後述する)を含む。ここでは、決済済コードとして2次元コードの例を示しているが、バーコード等であってもよい。
【0028】
画面G6に示す決済済コードは、例えばカゴの中の商品の決済が完了したことを店舗又は店舗スタッフに対して通知するために利用される。
例えば、決済済コードを店舗スタッフに見せることで利用者が店舗を退出ことができるように構成してもよいし、決済済コードを店舗内の所定の装置に読み取らせることで店舗を退出できるようにゲートが開くように構成してもよい。その場合、利用者はレジ待ちの列に並ぶ必要がなく、店舗のレジスタッフが商品の決済を行う必要がないため、利用者と店舗の双方に利点がある。
【0029】
店舗サーバ5は、購入実績データベースを更新した後、購入データを在庫管理サーバ8に送信する(ステップS35)。購入データは、ステップS32の購入実績データベースの更新内容を示すデータであり、利用者による決済が完了した商品に関する情報が含まれる。在庫管理サーバ8は、購入データを受信すると、購入データを基に利用者在庫データベース(後述する)を更新する(ステップS40)。
【0030】
図8に、利用者在庫データベースの構成例を示す。
利用者在庫データベースは、在庫管理サーバ8に格納され、利用者IDごとに管理されている。利用者在庫データベースの各レコードは、例えば「商品ID」、「商品名称」、「個数/量」、「賞味期限」の各フィールドの値を含む。各フィールドの値は、購入実績データベースに含まれる対応するフィールドの値と同種のデータである。特定の利用者に対して商品の購入時に購入実績データベースに追加されたデータが利用者在庫データベースにも反映されるように構成される。
以下では、利用者在庫データベースにおいて利用者IDごとのデータを「在庫データ」という。
【0031】
次に、
図9及び
図10を参照して、在庫管理アプリケーションの利用方法について説明する。
図9は、利用者端末3の在庫管理アプリケーションによって利用者の家庭内の商品在庫を表示させる場合の処理を示すシーケンスチャートである。
図10は、在庫管理アプリケーションによって表示される画面例を示す。
【0032】
図9を参照すると、店舗サーバ5-1,5-2,5-3の各々は、決済処理を行う度に(ステップS42a,42b,42c)、購入データを在庫管理サーバ8に送信する(ステップS44a,44b,44c)。なお、ステップS42a,42b,42cにおける決済処理は、
図6のステップS20~S32の一連の処理を含む。在庫管理サーバ8は、店舗サーバ5-1,5-2,5-3から購入データを受信する度に、受信した購入データを用いて利用者在庫データベースを更新する(ステップS46a,46b,46c)。したがって、在庫管理サーバ8の利用者在庫データベースにおいて、複数の店舗サーバ5において同一の利用者が決済した商品が一元的に管理される。
なお、在庫管理サーバ8が受信する購入データには、購入実績データベースの利用者IDと、利用者による決済が完了した商品に関する情報と、が含まれている。この購入データを用いて利用者在庫データベースを更新するため、後述するように、店舗利用者データベースの利用者IDと、店舗アプリ利用者データベースの利用者IDとは、予め対応付けられているか、あるいは、例えば利用者名称等を基に対応付けることが可能となっている。
【0033】
在庫管理アプリケーションは、例えば利用者による所定の操作に基づいて在庫表示要求を送信する(ステップS48)。在庫表示要求を受信すると在庫管理サーバ8は、要求元の利用者IDに対応する在庫データを読み出して、在庫管理アプリケーションに返す(ステップS50)。在庫管理アプリケーションは、受信した在庫データを表示する(ステップS52)。
ステップS52で表示される画面例が、
図10の画面G7である。画面G7は、各商品について、商品ID、商品名称、個数/量、賞味期限の情報からなる在庫リストILを含む。
【0034】
次に、
図11の機能ブロック図を参照して、本実施形態の商品在庫管理システム1内の各装置の構成について説明する。
【0035】
図11に示すように、利用者端末3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、撮像部35、コードリーダ36、および、通信部37を備える。
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、利用者端末3全体を制御する。例えば、制御部31に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ32に記録されている店舗アプリケーション及び在庫管理アプリケーションのプログラムをロードして実行し、その実行結果を表示部34に表示する。
ストレージ32は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)であってもよい。ストレージ32は、店舗アプリケーション及び在庫管理アプリケーションのプログラムのほか、店舗アプリケーション及び在庫管理アプリケーションを実行することで作成されたデータ、ファイル等を記憶する。
【0036】
店舗アプリケーションを実行することで、制御部31は、以下の機能を実現する。
(1-i)商品に表示されているコード情報から当該商品の商品情報や賞味期限情報等を取得する機能
(1-ii)利用者に対する商品の提供価格の情報に対する価格問合せを店舗サーバ5に送信する(つまり、商品の提供価格の情報を要求する)機能
(1-iii)商品の提供価格の情報を店舗サーバ5から受信(取得)し、取得した商品の提供価格の情報を表示部34に表示させる機能
(1-iv)購入予定リストに含まれる各商品の決済を店舗サーバ5に要求する機能
【0037】
在庫管理アプリケーションを実行することで、制御部31は、以下の機能を実現する。
(2-i)コードリーダ36を介して商品に取り付けられているコード情報C1から商品ID(商品情報の一例)及び賞味期限情報(商品の有効期限に関する期限情報の一例)を取得する第1取得部としての機能
(2-ii)在庫管理サーバ8から利用者の在庫データを取得し、商品在庫情報を表示部34に表示させる表示制御部としての機能
【0038】
操作入力部33は、例えば、利用者端末3の表示パネルに設けられたタッチパネル型入力デバイスである。
表示部34は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルを含み、店舗アプリケーション及び在庫管理アプリケーションの実行結果を表示する。また、表示部34は、撮像部35によって生成されるデジタル画像信号を表示する。
撮像部35は、例えば、光学レンズと、光学レンズからの入射光を電気信号に変換する撮像素子(イメージセンサ)と、を有し、デジタル画像を逐次生成し、表示部34に出力する。
【0039】
コードリーダ36は、撮像部35によって生成される画像信号に含まれるコード情報を解析して、コード情報からデータ(つまり、商品ID等の商品情報や賞味期限情報)を抽出(取得)する。
通信部37は、店舗サーバ5及び在庫管理サーバ8との間で通信を行うための通信インタフェースである。通信プロトコルは限定しないが、例えばHTTPやHTTPS等である。
【0040】
図11に示すように、店舗サーバ5は、制御部51、ストレージ52、および、通信部53を備える。
制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、店舗サーバ5全体を制御する。例えば、制御部51に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ52に記録されているサーバプログラムをロードして実行する。
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、サーバプログラムのほか、店舗利用者データベース(店舗利用者DB;
図2参照)および購入実績データベース(購入実績DB;
図7参照)を記憶する。店舗利用者データベースおよび購入実績データベースは、サーバプログラムを実行するときに、適宜、制御部51からアクセスされる。
図示しないが、ストレージ52は、店舗で販売される各商品の提供価格のデータを記憶している。提供価格のデータは、利用者の店舗アプリケーションから価格問合せを受けたときに制御部51によって参照される。
通信部53は、利用者端末3、決済代行サーバ7、及び、在庫管理サーバ8との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0041】
サーバプログラムを実行することで、制御部51は、価格情報提供部511および決済処理部512の機能を実現する。
価格情報提供部511は、問合せを受けた商品の提供価格を含む情報を利用者端末3の店舗アプリケーションに提供する機能である。例えば
図3の画面G2,G3に含まれる情報が価格情報提供部511によって提供される。
決済処理部512は、利用者端末3から得られる決済ボタンの操作指示(つまり、決済要求)に応じて、購入予定リストに含まれる商品の決済処理を、決済代行サーバ7と協働して行う機能である。決済処理部512は、利用者名称および決済手段のデータを店舗利用者データベースから読み出して、決済代行サーバ7に提供する。決済処理部512はまた、店舗アプリケーションから決済要求を受信したときに、購入実績データベースに新たなレコードを作成する。
【0042】
図11に示すように、在庫管理サーバ8は、制御部81、ストレージ82、および、通信部83を備える。
制御部81は、マイクロプロセッサを主体として構成され、在庫管理サーバ8全体を制御する。例えば、制御部81に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ82に記録されているサーバプログラムをロードして実行する。
ストレージ82は、例えばHDD等の大容量記憶装置であり、サーバプログラムのほか、店舗アプリ利用者データベース(店舗アプリ利用者DB;後述する)および利用者在庫データベース(利用者在庫DB;
図8参照)を記憶する。店舗アプリ利用者データベースおよび利用者在庫データベースは、サーバプログラムを実行するときに、適宜、制御部81からアクセスされる。
通信部83は、利用者端末3及び店舗サーバ5との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0043】
図12に、店舗アプリ利用者データベースの構成例を示す。
図12に例示する店舗アプリ利用者データベースの各レコードは、「利用者ID」、「利用者名称」、「グループID」、「閲覧許可」の各フィールドの値を含む。
利用者IDは、店舗サーバ5に格納される店舗利用者データベースの利用者IDとは異なり、在庫管理アプリケーションにおいて割り当てられる。
なお、
図6に示したように、在庫管理サーバ8は、店舗アプリケーションから店舗利用者データベースの利用者IDに関連付けられた購入データを取得し、利用者在庫データベースにおける特定の利用者IDの在庫データを更新する。このとき、店舗利用者データベースの利用者IDと、店舗アプリ利用者データベースの利用者IDとは、予め対応付けられているか、あるいは、例えば利用者名称等を基に対応付けることが可能である。
【0044】
グループIDは、複数の利用者に対して共通に割り当てられるIDである。典型的な一例では、家族等、生計を共にする複数の利用者の間で単一のグループIDが、例えば利用者から申請により割り当てられる。
閲覧許可は、ある利用者に対して他の利用者の在庫データの閲覧を許可することを意味する。在庫アプリ利用者データベースにおいて「閲覧許可」フィールドの値は、対象となる利用者IDの利用者に対して、閲覧許可を受けている利用者の利用者ID、及び/又は、グループのグループIDの値である。例えば、
図12に示す例では、利用者ID:Z001の利用者に対して、グループID:G008のグループの在庫データに対する閲覧許可が付与されていることを意味する。
グループID及び閲覧許可については、後の実施形態に関連付けてさらに説明する。
【0045】
図11を再度参照すると、在庫管理サーバ8は、マイクロプロセッサがサーバプログラムを実行することで、制御部81は、情報管理部811、情報提供部812、登録部813、及び、分析部814として機能する。
【0046】
情報管理部811(第2取得部の一例)は、商品が利用者により決済済みである場合に、利用者端末3により取得された商品ID及び賞味期限情報を利用者の在庫データ(商品在庫情報の一例)として取得する機能である。
図6のステップS35に示したように、情報管理部811は、店舗サーバ5を介して、商品の決済後に、利用者端末3により取得された商品ID及び賞味期限情報を含む購入データを取得する。
情報提供部812は、
図9のステップS50に示したように、利用者の在庫表示要求に基づいて、情報管理部811により得られた利用者の在庫データを利用者端末3の在庫管理アプリケーションに提供する機能である。
登録部813は、1又は複数の利用者を1つのグループに登録する機能である。
分析部814は、在庫データを基に利用者又はグループの消費状況を分析する機能である。
登録部813及び分析部814については、後に説明する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の商品在庫管理システム1によれば、利用者端末3が、店舗において商品の商品ID及び賞味期限情報を取得し、決済のために店舗サーバ5に送信する。在庫管理サーバ8は、商品が利用者により決済済みである場合に店舗サーバ5から、利用者端末3により取得された商品ID及び賞味期限情報を利用者の在庫データとして取得する。在庫管理サーバ8は、利用者の在庫管理アプリケーションからの在庫表示要求に基づいて、利用者IDに対応する在庫データを利用者端末3に提供すると、利用者端末3が、取得した利用者の在庫データを表示部34に表示させる。
【0048】
商品在庫管理システム1では、利用者が店舗において利用者端末3により読み取って取得した商品ID及び賞味期限情報が、商品の決済後に店舗サーバ5から在庫管理サーバ8に転送されることになる。そのため、利用者は、購入した商品の商品IDや賞味期限情報を在庫管理アプリケーションに手入力する手間が省け、賞味期限情報を基に効率的に在庫管理ができる利点がある。
なお、利用者が店舗でのレジレスによる決済をするために商品から商品ID及び賞味期限情報を取得する場合について説明したが、その限りではない。利用者が通常のレジによる決済を行う場合に利用者端末3により商品ID及び賞味期限情報を取得してもよい。
【0049】
商品在庫管理システム1では、複数の店舗に対応する店舗サーバ5-1,5-2,5-3,…から利用者IDを含む購入データが在庫管理サーバ8に送信され、利用者の在庫データとして利用者在庫データベースの中に一元的に管理される。そのため、利用者は、いずれの店舗で購入した商品についても1つの在庫データを閲覧すれば自宅の商品在庫が確認できる。すなわち、このシステムでは、特定の店舗に在庫情報を依存しない構成となっており、利用者が複数の店舗を利用する場合の商品在庫の管理において利便性に優れる。
【0050】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態の商品在庫管理システムについて、
図13~
図15を参照して説明する。
本実施形態では、利用者が自宅で食品(商品)を消費した場合に、利用者自身の操作に基づいて、利用者在庫データベースが更新される。
例えば
図13のシーケンスチャートを参照すると、利用者による所定の操作入力に応じて(ステップS54)、利用者端末3の在庫管理アプリケーションは、消費情報を取得して在庫管理サーバ8に送信する(ステップS56)。在庫管理サーバ8は、受信した消費情報に基づいて利用者在庫データベースを更新する(ステップS58)。
ここで、消費情報とは、商品IDと、商品の消費量、消費後の商品の量(数や重量)等を含む。
【0051】
利用者端末3の在庫管理アプリケーションによる消費情報は、図示しないが、例えば利用者が在庫管理アプリケーション上で在庫データに含まれる商品を選択し、選択した商品の消費量を入力することで得られる。商品の選択は、在庫データに基づく商品の一覧の中からいずれかの商品を選択操作すること行われてもよいし、商品にバーコード等のコード情報が付されている場合にはそのコード情報を読み取ることで行われてもよい。
消費情報の取得方法はその限りではなく、様々な実施形態が考えられる。例えば、他の消費情報の取得方法について、
図14及び
図15に例示している。
【0052】
図14Aに示す例では、在庫管理アプリケーションが利用者端末3の撮像機能と連動して商品Pの画像を取得し、取得した画像に基づいて商品Pの商品情報、及び商品Pの重量を推定することで消費情報を取得する。商品Pの重量の推定に際しては、AI技術を利用することもできる。ウィンドウw5に示すように、推定した商品P及び商品Pの重量を表示してもよい。
図14Bに示す例では、商品Pの底面近傍に重量センサ付きの無線タグT(通信デバイスの一例)が組み込まれている。この例では、在庫管理アプリケーションが無線タグTとの無線通信により商品Pの商品情報、及び商品Pの重量のデータを受信することで消費情報を取得する。ウィンドウw6に示すように、受信した重量のデータを表示してもよい。なお、無線タグTの種別は限定しないが、例えば広範囲の複数の異なる周波数帯の電波をエネルギーに変換する環境発電型のタグであることが好ましい。
【0053】
一実施形態では、無線タグTは、周囲に含まれる1又は複数の特定周波数の電波からエネルギーを得て動作する。特定周波数は、無線タグTにおいてエネルギーに変換可能な如何なる周波数の電波をも含む。特定周波数は、1又は複数の周波数帯を含んでもよいし、周波数帯の中から割り当てられた特定の周波数であってもよい。
一実施形態では、特定周波数は、例えば無線通信規格等で規格された特定の周波数又は周波数帯でも良く、本実施形態に係る在庫管理アプリケーションを提供する事業者によって指定される特定の周波数又は周波数帯である。
環境発電に使用する電波の限定しない例として、いわゆる3G~5G等の移動体通信システムで採用されている周波数帯の無線通信による電波、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格で採用されている周波数帯の無線通信による電波、ZigBee(登録商標)やThread等の通信プロトコルに代表される2.4GHz帯の無線通信による電波、RFIDで採用されている周波数帯(例えば、900MHz帯、13.56MHz帯)の無線通信による電波等が挙げられる。
また、一実施形態では、在庫管理アプリケーションが利用者端末3の撮像機能と連動して、
図14Bに示す商品Pのパッケージ等に記載されているバーコード情報や文字情報を読み取り、取得した画像に基づいて商品Pの商品情報、及び商品Pの重量を推定して消費情報を取得して、推定した商品P及び商品Pの重量を表示してもよい。
【0054】
図15に示す例では、商品P1~P4が醤油や胡椒、塩等の調味料である場合が想定される。商品P1~P4は、シート型重量センサ装置9の1番目から4番目の各スロットにそれぞれ配置される。各スロットには、重量センサW1~W4が設けられている。シート型重量センサ装置9のアンテナ91は、各スロットの重量のデータを利用者端末3の在庫管理アプリケーションに送信する。
在庫管理アプリケーションでは、シート型重量センサ装置9の1番目から4番目の各スロットに配置される商品が登録可能となっている。
図15に示す構成例では、在庫管理アプリケーションは、アンテナ91から逐次、商品P1~P4の消費情報を取得する。
【0055】
なお、図示しないが、商品が利用者の自宅の冷蔵庫にある場合、冷蔵庫内の各商品に重量センサ付きの無線タグTを取り付けてもよい。その場合、利用者が冷蔵庫を開ける度に利用者の利用者端末3が冷蔵庫内の各商品の無線タグTから商品IDと重量のデータを受信することで、利用者端末3の在庫管理アプリケーションは、冷蔵庫内の各商品の消費情報を一括して取得する。利用者端末3の在庫管理アプリケーションは取得した消費情報を在庫管理サーバ8に送信し、在庫管理サーバ8は、受信した消費情報を基に利用者在庫データベースを更新する。
また、無線タグTを検出できなくなった場合には、当該無線タグTが取り付けられていた商品が破棄されたことがわかるため、その商品を利用者在庫データベースから削除してもよい。
なお、無線タグTとして重量センサ付きのRFIDタグを利用する場合には、冷蔵庫にRFIDリーダを設置して、リーダ経由で消費情報を取得してもよい。
【0056】
本実施形態では、利用者端末3の制御部31は、在庫データに含まれる各商品の消費量に関する消費情報を取得する取得部(第3取得部の一例)として機能する。
また、在庫管理サーバ8の制御部81は、利用者端末3の在庫管理アプリケーションから取得する消費情報に基づいて利用者在庫データベースの対応する利用者の在庫データを更新する更新部として機能する。
【0057】
本実施形態の商品在庫管理システムによれば、利用者の操作に応じて在庫管理サーバ8に格納されている利用者在庫データベースが更新されるため、在庫管理アプリケーション上で日々の消費実態が反映された在庫データが可視化することができる。その際、在庫管理アプリケーションにおいて商品ごとに賞味期限と商品の残量とを表示させることができるため、利用者は、商品を効率良く、あるいは計画的に消費することができる。
【0058】
(3)第3の実施形態
次に、第3の実施形態の商品在庫管理システムについて、
図16~
図18を参照して説明する。
本実施形態の商品在庫管理システムでは、利用者が、自身が属するグループや他の利用者、他のグループの在庫データを閲覧できるように構成されている。
例えば、同居する家族を構成する複数の利用者が、各々が家族全体の在庫データを閲覧できるようにすることで、例えば生計を共にする利用者間で在庫データを可視化できる。例えば、家族内で同一の商品を重複して購入するといった無駄や買い忘れが発生する状況を避けることができる利点がある。
また、利用者が同居しない他の利用者や他のグループ(例えば、高齢の親やその家族)の在庫データを閲覧できるようにすることで、同居しない家族がいつも通り食事をして過ごしているか確認できる利点がある。
【0059】
図16に、本実施形態の商品在庫管理システムにおいて、利用者端末3の在庫管理アプリケーションの画面遷移例を示す。
図16では一例として、利用者であるT.K.がK家の家族の一員であり、別居している親のC家の在庫データの閲覧許可を得ている場合を想定している。
この場合、利用者T.K.の在庫管理アプリケーションの画面G10では、自宅の在庫を閲覧するためのボタンb11と、別居しているC家の在庫を閲覧するためのボタンb12とが表示される。ここで、ボタンb11を操作すると、画面G11に示すように、K家の在庫データを閲覧することができる。この閲覧データは、例えば、利用者T.K.との間で予め同居家族として関連付けられている複数の利用者の在庫データをマージすることで作成される。
【0060】
図17のシーケンスチャートは、特定の利用者が他の利用者から在庫データの閲覧許可を得るためのフローを示している。
図17では、他の利用者の在庫データの閲覧を希望する利用者が利用者端末3-1を所持し、当該他の利用者が利用者端末3-2を所持している場合が想定される。
【0061】
先ず、利用者の操作に基づいて、利用者端末3-1の在庫管理アプリケーションが閲覧要求を在庫管理サーバ8に送信する(ステップS60)。閲覧要求には、在庫データを閲覧したい他の利用者の利用者ID又は他のグループのグループIDが含まれる。
在庫管理サーバ8は、閲覧要求を受信すると、閲覧要求に含まれる利用者ID又はグループIDの代表者として予め登録されている利用者IDの在庫管理アプリケーションに対して、在庫データの閲覧を許可してよいかどうかの問合せを行う(ステップS62)。この問合せが利用者端末3-2の在庫管理アプリケーション上で表示される(ステップS64)。
【0062】
利用者端末3-2の利用者が在庫管理アプリケーション上で応答操作を行うと(ステップS66:YES)、応答が在庫管理サーバ8に返される(ステップS68)。この応答には、閲覧を許可するか否かの情報が含まれる。在庫管理サーバ8は、ステップS68の応答が閲覧許可である場合には(ステップS70:YES)、在庫アプリ利用者データベース(
図6参照)の「閲覧許可」フィールドに閲覧要求元の利用者IDを書き込むことで在庫アプリ利用者データベースを更新する(ステップS72)。ステップS68の応答が不許可である場合には(ステップS70:NO)、在庫アプリ利用者データベースの更新は行われない。
在庫管理サーバ8が、閲覧要求元の利用者端末3-1の在庫管理アプリケーションに対して、閲覧許可の許否応答を返すと(ステップS74)、その許否応答結果が利用者端末3-1の表示部34に表示される(ステップS76)。
【0063】
図12の在庫アプリ利用者データベースに示すように、ある利用者IDの利用者(閲覧者)が他の利用者IDの利用者(被閲覧者)に対応する在庫データの閲覧許可が得られた場合、当該他の利用者IDが関連付けて記録される。被閲覧者は、例えば、閲覧者の高齢の親や一人暮らしの子供等である。その場合、閲覧者は、被閲覧者の在庫データを閲覧することで、被閲覧者が通常通り生活できているか間接的に見守ることができる。
家族等の複数の利用者をグループ化する流れについては省略するが、概ね
図17のシーケンスチャートと同様の流れとすることができる。あるいは、家族で在庫管理アプリケーションの利用を開始するときに、家族に含まれる複数の利用者をグループ化して在庫アプリ利用者データベースに記録してもよい。同じグループとされた複数の利用者IDの各々に対しては、在庫アプリ利用者データベースにおいて共通のグループIDに対応付けられる。グループ化された場合、グループ単位で在庫データを閲覧することができるため、例えば家族内で同一の商品を重複して購入してしまうこと等が避けられ、同じグループ内で効率的な商品在庫状態とすることができる。
【0064】
図18は、C家の在庫データの閲覧許可が与えられている利用者T.K.がC家の在庫データを閲覧する場合の在庫管理アプリケーション上での画面遷移を示している。
図18の画面G15は、
図16の画面G10と同じである。ここで、ボタンb16を選択操作すると画面G16に切り替わり、例えば同居していないC家の在庫データを閲覧することができる。そのため、同居していない家族の健康状態を間接的にモニタすることができる。また、定期的にモニタしていれば同居していない家族等が日々何を食べているのかもわかる。
【0065】
本実施形態の在庫管理サーバ8では、同居している家族等の1つのグループに属する利用者に対して、グループの在庫データを提供するために以下のように構成される。
制御部81の登録部813は、情報提供部812によりグループ内の各利用者から取得された商品ID及び在庫データを、グループの在庫データとして登録する。これは、在庫アプリ利用者データベースにおいていずれかの「グループID」フィールドに値を書き込み、利用者IDとグループIDとを対応付けることに相当する。
情報提供部812は、グループ内のいずれかの利用者の要求に基づいて、当該利用者の利用者端末3の在庫管理アプリケーションに対してグループの在庫データを提供する。
【0066】
本実施形態の在庫管理サーバ8では、利用者に対して、別居している家族等、他の利用者又は他のグループの在庫データを提供するために以下のように構成される。
制御部81は、登録部813によって登録された複数のグループを関連付ける関連付け部を備える。ここで、関連付けられる各グループには、単一の利用者のみが含まれる場合もある。関連付けは、
図17に示したように、在庫アプリ利用者データベースにおいて「閲覧許可」フィールドに値が書き込まれることによって行われる。
情報提供部812は、関連付け部により第1グループと第2グループとが関連付けられた場合に、第1グループのいずれかの利用者の在庫管理アプリケーションに対して、第2グループの在庫データを提供する。
【0067】
(4)第4の実施形態
次に、第4の実施形態の商品在庫管理システムについて、
図19及び
図20を参照して説明する。
この実施形態では、在庫管理サーバ8が利用者の商品の消費状況を分析する点に特徴がある。利用者が商品を購入する度に利用者在庫データベースが更新され、利用者が商品を消費する度に利用者在庫データベースが更新される。利用者の在庫データに対する増減をモニタすることで、利用者の健康維持に関連する分析を行うことができる。
【0068】
本実施形態の商品在庫管理システムの動作の一例を
図19に示す。
図19のシーケンスチャートは、例えば定期的に分析処理を実行することが想定される。分析タイミングになると(ステップS80:YES)、在庫管理サーバ8は、分析処理を実行する(ステップS82)。分析処理は限定しないが、例えば以下である。なお、例えば消費カロリーや塩分の摂取量が適切であるか否かの判断は、利用者と同年令における平均的な消費量又は摂取量を基準とすることが好ましい。
・偏食であるか否か
・消費(摂取)カロリーが適切か否か
・塩分の摂取量が過大か否か
・賞味期限が過ぎたものがあるか
【0069】
なお、消費カロリーのデータは、例えば商品ごとの単位重量当たりのカロリーの値を含むデータベースにアクセスすることで取得可能である。また、塩分の摂取量は、商品ごとの単位重量当たりに含まれる塩分量を含むデータベースにアクセスすることや、
図15に例示したように塩を含む瓶の重量変化に対応する消費情報を取得することで算出できる。
【0070】
在庫管理サーバ8は、ステップS82の分析結果が利用者に対して通知を行う通知条件を満たすか否か判断し、通知条件を満たす場合には(ステップS84:YES)、分析結果を利用者端末3の在庫管理アプリケーションに送信する(ステップS86)。利用者端末3は、分析結果を受信すると表示部34に表示させる(ステップS88)。
ステップS84の通知条件は限定しないが、例えば、特定の商品の在庫量が少なくなっていること、在庫量に変化がないこと、賞味期限が過ぎた商品の種別が所定数以上あること、平均的な消費カロリーや塩分の摂取量が適正範囲を外れていることや、野菜類の消費量が所定値以下であること等の通常と異なる傾向がある場合等である。このように、特定の利用者に対する在庫量、消費量が通常と異なる場合に通知することで、例えば同居しない遠隔の利用者(例えば、高齢の親や一人暮らしの子供)の健康状態を間接的に見守ることができる。
【0071】
図20A,
図20Bにそれぞれ、
図19のステップS88において表示される画面例を示す。
図20Aの画面G20aは、分析内容C1aを含む。この分析内容C1aは、「卵の在庫が少なくなっています」等の特定の商品の在庫量が少なくなっている場合や、「醤油の減る量が通常より多いです」等の塩分の摂取量が通常より平均的な摂取量よりも多い場合に通知される内容である。
図20Bの画面G20bでは、分析内容C1bを含む。この分析内容C1bは、「先週よりも摂取カロリーが8%減っています」等のカロリーの摂取量が以前よりも大きく変動した場合に通知される内容である。
【0072】
本実施形態の商品在庫管理システムでは、在庫管理サーバ8の制御部81は、利用者端末3から取得する消費情報に基づいて利用者在庫データベースの特定の利用者の在庫データを更新する更新部として機能する。制御部81の分析部814は、在庫データを基に利用者の消費状況を分析する。それによって、個々の利用者の在庫データに対する増減から利用者の消費状況を分析することができる。利用者は分析結果を取得することで、自身の日々の食事を改善させる契機とすることができる。
【0073】
また、本実施形態の商品在庫管理システムでは、在庫管理サーバ8の制御部81は、利用者端末3から取得する消費情報に基づいて、利用者端末3を所持する利用者が含まれるグループの在庫データを更新する更新部として機能する。制御部81の分析部814は、グループの在庫データを基に、当該グループの消費状況を分析する。それによって、グループ単位での在庫データに対する増減からグループ単位での消費状況を分析することができる。利用者は、例えば家族単位での消費状況の分析結果を取得し、例えば家族の日々の食事を改善させる契機とすることができる。
【0074】
図19のステップS84,S86に示すように、在庫管理サーバ8の制御部81は、分析部814の分析結果が所定の条件を満たす場合に、利用者端末3に対して通知を行う通知部として機能してもよい。通知対象となる分析結果を利用者の健康維持に必要となるような所定の条件を満たすものに限定することで、分析結果の通知が煩雑になることを防止できる。
【0075】
(5)実施形態の変形例
次に、実施形態の変形例に係る商品在庫管理システムについて説明する。
【0076】
(5-1)第1変形例
利用者在庫データベースには、利用者が保有する各商品の賞味期限情報が含まれているため、在庫管理サーバ8は、賞味期限が近い1以上の商品によって調理可能な料理のメニューの提案を行ってもよい。例えば、在庫管理サーバ8は、1以上の商品と、当該1以上の商品を具材とした料理メニューとの対応関係を示す料理データベースを記憶する。在庫管理サーバ8の制御部81は、処理対象の利用者の在庫データを参照して賞味期限が近い1以上の商品を特定し、特定した1以上の商品の一部又はすべての商品によって調理可能な料理メニューを料理データベースを参照して決定して、処理対象の利用者の在庫管理アプリケーションに通知する。
在庫管理アプリケーションは、決定された料理メニューに必要な1以上の商品のうち利用者が保有していない商品がある場合には、当該商品を店舗に対して注文できるように構成してもよい。
【0077】
(5-2)第2変形例
在庫管理アプリケーションは、利用者が所持するスマートウォッチ等のウェアラブル端末と連携して利用者の健康維持のための提案を行うように構成することができる。
ウェアラブル端末は、利用者の運動に伴う消費カロリーに関するデータを逐次取得して、ウェアラブル端末用のサーバに送信する。ウェアラブル端末用のサーバは、利用者に対応付けて記録している消費カロリーに関するデータを在庫管理サーバ8に提供する。
在庫管理サーバ8は、利用者の消費情報(取得カロリーに関する情報)と、当該利用者の消費カロリーに関する情報とに基づいて分析した結果(例えば、取得カロリー過多、運動不足等)を利用者の在庫管理アプリケーションに通知する。その際、在庫管理サーバ8は、分析した結果に基づいて、必要な運動量等の健康維持のための提案メッセージを利用者の在庫管理アプリケーションに送信するとよい。
【0078】
(5-3)第3変形例
次に、第3変形例について説明する。
上述した各実施形態では、商品から商品IDや賞味期限情報を取得する方法として、商品のコード情報を読み取る場合について説明したが、その限りではない。
商品から商品IDや賞味期限情報を取得する他の方法として、商品や棚札、若しくは商品の外装品に取り付けられている無線タグ、又は、商品の近傍に配置されている無線タグ等から商品IDや賞味期限情報を受信する方法を採ることができる。この場合、情報を受信するときの通信方法(例えば、通信プロトコルや使用周波数等)は問わない。通信方法の例として、例えばNFC(Near field communication)等のRFID(Radio Frequency Identification)やBluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)等が挙げられる。
例えば商品や棚札等に、当該商品の商品IDや賞味期限情報が記録されたNFCタグが取り付けられ、利用者端末3にNFCリーダが搭載されている場合を想定する。その場合、利用者が商品に自身の利用者端末3を近付けることで、利用者端末3のNFCリーダが商品のNFCタグから商品の商品IDや賞味期限情報を受信する。利用者端末3の店舗アプリケーションは、受信した商品の商品IDや賞味期限情報を含む価格問合せを店舗サーバ5に送信する。価格問合せを受信した店舗サーバ5は、上述した実施形態と同様に、商品の提供価格を決定し、提供価格を示す情報を店舗アプリケーションに返す。
【0079】
商品の外観の画像から当該商品の商品IDを特定することもできる。例えば、利用者端末3が撮像部を有する場合、撮像部によって取得した商品の画像を店舗アプリケーションが店舗サーバ5に送信する。店舗サーバ5は、取得した商品の画像から当該商品の商品IDを特定する。商品IDの特定に際しては、学習済みモデルを用いた人工知能を利用することができる。この場合、商品の画像は、商品情報の一例である。このとき、店舗サーバ5は、商品IDと商品の賞味期限情報とが対応付けられたデータベースにアクセスして、特定した商品IDに対応する賞味期限情報を取得できるように構成することができる。
商品から取得できる複数の情報を組み合わせて、当該商品の商品IDや賞味期限情報を取得してもよい。例えば、商品や棚札等から取得するコード情報、文字情報、無線タグから得られる情報、商品の外観の画像、商品の個体を識別する識別情報(例えばシリアル番号)等のうち少なくとも2以上の情報を組み合わせて、商品の商品IDや賞味期限情報を取得することができる。
【0080】
以上、本発明の情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述した各実施形態および各変形例に記載した個々の技術的特徴は、技術的矛盾がない限り、適宜組み合わせることが可能である。
【0081】
上述した実施形態及び変形例において、店舗サーバ5や在庫管理サーバ8による機能の少なくとも一部を利用者端末3のソフトウェアにより実現してもよいし、利用者端末3による機能の少なくとも一部を店舗サーバ5や在庫管理サーバ8のソフトウェアにより実現してもよい。また、利用者端末3の機能、及び、店舗サーバ5や在庫管理サーバ8の機能の各々を、必要に応じて、利用者端末3及び、店舗サーバ5や在庫管理サーバ8の間で分散させて実現してもよい。店舗サーバ5や在庫管理サーバ8で実行される機能を複数の装置で分散させて実行されてもよい。
【0082】
なお、本発明の情報処理システムは、例えば、商品情報と期限情報とに基づきオンライン販売の仕組みで購入した場合や、量り売りの仕組みで購入した場合にも適用できる。例えば、利用者がオンライン販売で購入した場合、在庫管理サーバは、オンライン販売サービスを提供するサーバから利用者に対する購入データを取得して利用者在庫データベースを更新する。また、利用者が店舗で量り売りの仕組みで商品を購入した場合についても、量り売りの際に商品に貼付されるコード情報を基に店舗アプリケーションを利用することで決済することが可能であり、
図6に示した場合と同様に在庫管理サーバが利用者在庫データベースを更新する仕組みを構築することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…商品在庫管理システム
3…利用者端末
31…制御部
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
35…撮像部
36…コードリーダ
37…通信部
5…店舗サーバ
51…制御部
511…価格情報提供部
512…決済処理部
52…ストレージ
53…通信部
7…決済代行サーバ
8…在庫管理サーバ
81…制御部
811…情報管理部
812…情報提供部
813…登録部
814…分析部
82…ストレージ
83…通信部
9…シート型重量センサ装置
91…アンテナ
100…スキャン領域
C1a,C1b…分析内容
C2…コード情報
CT…利用者
NW…ネットワーク
P…商品