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特開2022-149816情報処理方法、自動販売機及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149816
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報処理方法、自動販売機及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20220929BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20220929BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07F9/00 P
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052133
(22)【出願日】2021-03-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】518135467
【氏名又は名称】野田 大智
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】野田 大智
【テーマコード(参考)】
3E044
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DE10
3E127AA18
3E127BA01
3E127CA25
3E127CA35
3E127CA47
3E127CA54
3E127DA20
3E127DA33
3E127EA04
3E127EA47
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】駐車場の経営を開始する際の初期コストの削減が可能であり、支払方法の制限を緩和することが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】コンピュータは、駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報を取得する。そして、コンピュータは、支払情報を取得した後に、利用料金が支払われた自動販売機に対応する駐車場又は駐輪場に駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた前記駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報を取得し、
前記支払情報を取得した後に、前記駐車場又は駐輪場に駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
ユーザ端末から、前記駐車場又は駐輪場における駐車又は駐輪スペースに関するスペース情報と、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の精算指示とを取得し、
前記自動販売機を通じて支払われた利用料金に対応する支払情報を取得した後に、前記駐車又は駐輪スペースに対応する前記制限装置によるロックの解除指示を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記利用料金の精算指示を取得した場合に、前記スペース情報によって特定される前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の金額を前記ユーザ端末へ送信する
処理を前記コンピュータが実行する請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記利用料金の精算を、前記自動販売機を通じて行うか、又は、前記ユーザ端末を通じて行うかを示す選択情報を前記ユーザ端末から取得し、
前記自動販売機を通じて精算する選択情報を取得した場合、前記自動販売機を通じて支払われた利用料金に対応する支払情報を取得した後に、前記駐車又は駐輪スペースに対応する前記制限装置によるロックの解除指示を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項2又は3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記支払情報を取得した場合に、前記支払情報に係る支払金額が、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金に対して不足しているか否かを判断し、
不足していると判断した場合、不足金額を前記ユーザ端末へ送信する
処理を前記コンピュータが実行する請求項2から4までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記自動販売機は、販売対象の商品の価格に、前記駐車場又は駐輪場の利用料金が加算された金額で、前記商品を販売する販売機であり、
前記自動販売機で購入された商品に対応する前記支払情報を取得する
請求項1から5までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項7】
駐車場又は駐輪場に対応付けて設置されている自動販売機であって、
販売対象の商品の中から、購入する商品を選択するための購入用ボタンと、
前記駐車場又は駐輪場の利用料金を支払うための支払用ボタンと、
前記支払用ボタンに対する操作を通じて支払われた前記利用料金に対応する支払情報を情報処理装置へ送信する送信部と
を備える自動販売機。
【請求項8】
前記支払用ボタンに対する操作を通じて前記利用料金が支払われた場合に、前記支払用ボタンに対応付けられている商品を排出する排出部
を更に備える請求項7に記載の自動販売機。
【請求項9】
駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた前記駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報を取得し、
前記支払情報を取得した後に、前記駐車場又は駐輪場に駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
駐車場又は駐輪場における駐車又は駐輪スペースに関するスペース情報と、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の精算指示とを情報処理装置へ送信し、
前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の金額を前記情報処理装置から取得し、
取得した利用料金の金額を表示部に表示し、
前記利用料金の支払方法として、前記駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機を介した決済方法と、アプリケーションを用いた決済方法とのいずれかの選択を受け付け、
選択された決済方法を前記情報処理装置へ送信する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、自動販売機及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
用意された駐車スペースに車両を駐車し、駐車時間分の料金を支払う駐車場が設けられている。このような駐車場では、駐車した車両の出庫を制限するロック装置及び精算機が設置され、精算機で利用料金の精算が完了した後にロック装置のロックが解除され、車両の出庫が可能となるように構成されている場合が多い。また近年、例えばスマートフォンにインストールした決済用のアプリケーションを用いて精算するスマートフォン決済によって駐車料金の精算が可能なシステムが設けられた駐車場もある(例えば特許文献1参照)。このようなシステムは、自転車及び原動機付自転車等を駐輪する駐輪場の精算システムにも利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6401849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
精算機を用いた精算システムの場合、駐車場の経営(運営)を開始する際の初期投資として高額な精算機を購入する必要があるという問題を有する。また、スマートフォン決済を用いた精算システムでは、登録済みのクレジットカードから支払うクレジットカード決済を利用する構成、又はコンビニエンスストアで支払うコンビニ決済を利用する構成等がある。クレジットカード決済を利用する構成では、クレジットカードを所有しないユーザは利用できず、コンビニ決済を利用する構成では、精算が反映されるまでに時間を要するので駐車場からの出庫直前に精算する精算システムには適さないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駐車場の経営を開始する際の初期コストの削減が可能であり、支払方法の制限を緩和することが可能な情報処理方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた前記駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報を取得し、前記支払情報を取得した後に、前記駐車場又は駐輪場に駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様にあっては、駐車場の経営を開始する際の初期コストを削減できる。また、支払方法の制限を緩和できるので、駐車場の利用者の増加が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図2】管理サーバ及びフラップ装置の構成例を示すブロック図である。
図3】管理サーバが記憶するDBの構成例を示す模式図である。
図4】自販機サーバ及び自動販売機の構成例を示すブロック図である。
図5】自販機DBの構成例を示す模式図である。
図6】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図7】入庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】出庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】出庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】ユーザ端末の画面例を示す模式図である。
図11】自動販売機の商品陳列例を示す模式図である。
図12】実施形態2における出庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】実施形態3における出庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】実施形態4の情報処理システムの構成例を示す模式図である。
図15】実施形態4の管理サーバ及び前輪ロック装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の情報処理方法、自動販売機及びプログラムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
駐車場(駐車スペース)の利用料金(駐車料金)の精算に用いる精算システムに適用した情報処理システムについて説明する。図1は情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システムでは、駐車場に対応付けて自動販売機が設置されており、駐車場の利用料金の精算を、自動販売機で商品を購入する手順と同様の手順にて行うことができるように構成されている。駐車料金の精算に用いる自動販売機は、水、茶、清涼飲料等の飲料品、お菓子、パン、インスタント食品等の食料品等、いずれの商品を販売する販売機であってもよい。また、交通機関を利用するための乗車券、各種施設に入場するための入場券、食堂及びレストラン等で食事するための食券等を販売する券売機を用いてもよい。以下では、飲料品の自動販売機を駐車料金の精算に用いる情報処理システムについて説明する。
【0011】
本実施形態の情報処理システムは、駐車場の各駐車スペースに対する車両の入出庫状況を管理する管理サーバ10、各駐車スペース(車室)に設置されたフラップ装置20、ユーザ端末30、駐車場に対応付けて設置された自動販売機50、自動販売機50における販売状況を管理する自販機サーバ40等を含む。管理サーバ10、フラップ装置20、ユーザ端末30、自販機サーバ40及び自動販売機50は、インターネット、公衆回線網又は専用回線網等のネットワークNに接続され、ネットワークNを介して情報の送受信を行う。なお、複数の駐車スペースが設けられた駐車場では、ネットワークNに接続するための中継装置を設け、各駐車スペースに設けられたフラップ装置20が中継装置を介してネットワークNに接続するように構成されていてもよい。
【0012】
管理サーバ10及び自販機サーバ40は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータを用いて構成される。管理サーバ10及び自販機サーバ40はそれぞれ、複数台設けられて分散処理する構成でもよいし、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されていてもよい。ユーザ端末30は、駐車スペースを利用するユーザの端末であり、複数台設けられている。ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機等の情報処理装置を用いて構成される。
【0013】
フラップ装置20は、駐車スペースに車両が入庫(進入)した場合に、車両の出庫を制限するロック装置(制限装置)である。フラップ装置20は、例えば上昇又は下降するように設けられたフラップ板20a(ロック板)を有し、フラップ板20aを下降させた状態では車両が入出庫できるが、フラップ板20aを上昇させた状態では車両が入出庫できないように構成されている。よって、フラップ装置20は、車両の入庫前はフラップ板20aを下降させておき、車両の入庫後にフラップ板20aを上昇させることにより、入庫した車両の出庫(退出)を禁止し(ロック状態)、フラップ板20aを下降させた場合には車両の出庫が可能となる(アンロック状態)。フラップ装置20は、駐車スペースに車両が進入したか否かを検知する車両センサ24(図2参照)を備えており、車両センサ24の検知結果を管理サーバ10へ送信するように構成されている。よって、管理サーバ10は、フラップ装置20からの検知結果に基づいて、各駐車スペースに対する入出庫状況を把握し、フラップ装置20に対してフラップ板20aの上昇又は下降の指示を送信し、フラップ装置20は管理サーバ10からの指示に従ってフラップ板20aを上昇又は下降させる。
【0014】
自動販売機50は、筐体内部に商品が収納されており、商品選択ボタン54aを介して選択された商品を販売する。自動販売機50における決済方法(料金の支払方法)は、現金決済、電子マネー決済等を用いることができ、それぞれの自動販売機50は、採用する決済方法に応じた構成を備えている。例えば、現金決済が可能な自動販売機50は、現金投入口から投入された現金の金種(金額)を判別するコインメカニズム又はビルバリデータ(金種判別部)等を含む現金処理部57(図4参照)を備え、電子マネー決済が可能な自動販売機50は、電子マネーの読み取りが可能な電子マネーリーダライタ58(図4参照)を備える。自動販売機50は、販売した商品の情報等を含む販売情報を自販機サーバ40へ送信するように構成されており、自販機サーバ40は、自動販売機50からの販売情報に基づいて、各自動販売機50での販売状況を把握できる。
【0015】
上述した構成の情報処理システムにおいて、ユーザは、駐車スペースに車両(例えば自動車)を駐車させる場合、フラップ板20aが下降している駐車スペースに車両を進入させて駐車する。フラップ装置20は、車両センサ24によって車両の進入を検知し、検知結果を管理サーバ10へ送信する。これにより、車両の進入がフラップ装置20から管理サーバ10に通知される。管理サーバ10は、車両の進入を通知された場合、フラップ装置20に対してフラップ板20aの上昇を指示し、フラップ装置20は、管理サーバ10からの指示に従ってフラップ板20aを上昇させることにより車両の出庫を禁止する。駐車スペースから車両を出庫させる場合、ユーザは、自動販売機50を用いて駐車料金の精算を行い、精算が完了した場合、精算が完了したことを示す精算情報が自販機サーバ40から管理サーバ10へ送信される。管理サーバ10は、精算完了を通知された場合、フラップ装置20に対してフラップ板20aの下降を指示し、フラップ装置20は、管理サーバ10からの指示に従ってフラップ板20aを下降させることにより車両の出庫を可能にする。ユーザは、フラップ板20aが下降したことを確認した後、駐車スペースから車両を出庫(退出)させる。
【0016】
図2は管理サーバ10及びフラップ装置20の構成例を示すブロック図である。管理サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、管理サーバ10が行うべき種々の情報処理及び制御処理等を行う。記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、後述する会員DB(データベース)12a、駐車場DB12bを記憶している。会員DB12a及び駐車場DB12bは、管理サーバ10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、管理サーバ10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0017】
通信部13は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するための通信モジュールであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、管理サーバ10の操作者による操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部14及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0018】
読み取り部16は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0019】
フラップ装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、車両センサ24、フラップ板駆動部25等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。フラップ装置20の制御部21、記憶部22、通信部23のそれぞれは、管理サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。車両センサ24は、例えばループコイルセンサによって構成され、フラップ板20aの近傍の地中に埋設されている。車両センサ24は例えば、駐車スペース内に進入した車両を検知した場合に検知信号を制御部21へ送出し、駐車スペースから車両が退出し、車両を検知できなくなった場合に検知信号の制御部21への送出を終了する。これにより、制御部21は、各駐車スペースに車両が駐車中であるか否かを把握できる。なお、車両センサ24は、磁気センサ、光センサ、超音波センサ等によって構成されていてもよく、駐車スペースに対する車両の入出庫を検知できれば、どのようなセンサが用いられてもよく、どのような位置に設けられてもよい。
【0020】
フラップ板駆動部25は、制御部21からの指示に従ってフラップ板20aを上昇又は下降させる。フラップ板20aは例えば長細い平板状に構成され、一方の長端部が、他方の長端部を中心として回動するように設けられており、フラップ板駆動部25は、フラップ板20aの一方の長端部を上昇又は下降させることによってフラップ板20aの上げ下げを行う。なお、フラップ板20aは、一方の長端部が上げ下げされる構成に限定されず、駐車スペースに進入した車両の出庫を禁止(制限)できる構成であれば、どのような構成でもよい。フラップ装置20は、制御部21及び記憶部22を有しない構成でもよく、例えば通信部23、車両センサ24及びフラップ板駆動部25が、ネットワークN経由で管理サーバ10の制御部11によって制御される構成でもよい。
【0021】
図3は管理サーバ10が記憶するDB12a,12bの構成例を示す模式図である。図3Aは会員DB12aを、図3Bは駐車場DB12bをそれぞれ示す。会員DB12aは、本実施形態の情報処理システムが提供する精算システムを利用するために会員登録したユーザ(会員)の情報を記憶する。図3Aに示す会員DB12aは、会員ID列、氏名列、ユーザ情報列、利用履歴列等を含み、会員IDに対応付けて会員に関する情報を記憶する。会員ID列は、各会員を識別するための識別情報(会員ID)を記憶する。氏名列は会員の氏名を記憶し、ユーザ情報列はユーザ(会員)の連絡先等の個人情報、ユーザの年齢及び性別等の属性情報を含むユーザ情報を記憶する。なお、会員が駐車料金の精算方法としてスマートフォン決済(クレジットカード決済)等を登録している場合、決済処理に用いる決済情報(例えばクレジットカード番号及び認証用データ)をユーザ情報に含めて会員DB12aに記憶してもよい。利用履歴列は、会員が利用した駐車スペースの情報及び利用日時を含む利用情報を記憶する。例えば利用履歴列は、駐車場ID列、スペースID列、出庫日時列及び利用料金列を含む。駐車場ID列は、各駐車場を識別するための識別情報(駐車場ID)を記憶し、スペースID列は、駐車場内の各駐車スペースを識別するための識別情報(スペースID)を記憶する。出庫日時列は、駐車スペースから会員の車両が出庫した日時を記憶し、利用料金列は、会員が駐車スペースから出庫する際に支払った駐車料金を記憶する。会員DB12aに記憶される会員IDは、新たなユーザが会員登録された場合に、制御部11によって発行されて記憶される。会員DB12aに記憶される氏名及びユーザ情報は、制御部11が通信部13又は入力部14を介して各情報の追加指示又は修正指示を取得した場合に制御部11によって追加又は修正される。会員DB12aに記憶される利用履歴は、例えば会員が駐車料金の精算を行った場合に、制御部11によって各情報が記憶される。会員DB12aの記憶内容は図3Aに示す例に限定されない。例えば、駐車スペースに会員の車両が入庫した入庫日時が会員DB12aに記憶されてもよい。
【0022】
駐車場DB12bは、管理サーバ10が車両の入出庫を管理する駐車場の情報を記憶する。図3Bに示す駐車場DB12bは、駐車場ID列、位置情報列、オーナー情報列、料金単価列、自販機ID列、入出庫履歴列等を含み、駐車場IDに対応付けて駐車場に関する情報、及び駐車場に設けられた駐車スペースに関する情報を記憶する。駐車場ID列は、各駐車場を識別するための識別情報(駐車場ID)を記憶し、位置情報列は、駐車場の場所を示す位置情報を記憶する。位置情報は、例えば経度及び緯度の座標値、或いは住所であってもよく、駐車場の場所を特定できる情報であればどのような情報でもよい。オーナー情報列は、駐車場の所有者又は経営者等のオーナーの情報を記憶する。オーナーは個人であっても法人であってもよい。料金単価列は、駐車場内の駐車スペースを利用する際の単価を記憶する。利用単価は例えば20分単位、1時間単位等の所定時間単位の料金であり、駐車スペース毎に設定されていてもよい。自販機ID列は、駐車料金の精算に利用するために駐車場に設置された自動販売機50を識別するための識別情報(自販機ID)を記憶する。入出庫履歴列は、駐車場の各駐車スペースの利用状況を示す入出庫情報を記憶する。例えば入出庫履歴列は、スペースID列、入庫日時列、出庫日時列、利用料金列及び利用者情報列を含み、スペースIDに対応付けて駐車スペースの利用情報(入出庫情報)を記憶する。スペースID列は駐車場内の駐車スペースのスペースIDを記憶し、入庫日時列は駐車スペースに車両が入庫した日時を記憶し、出庫日時列は駐車スペースから車両が出庫した日時を記憶する。利用料金列は、入庫日時及び出庫日時から算出された駐車料金を記憶し、利用者情報列は、駐車スペースを利用したユーザ(会員)の会員IDを記憶する。駐車場DB12bに記憶される駐車場IDは、新たな駐車場が登録された場合に、制御部11によって発行されて記憶される。駐車場DB12bに記憶される位置情報、オーナー情報、料金単価及び自販機IDは、制御部11が通信部13又は入力部14を介して各情報の追加指示又は修正指示を取得した場合に制御部11によって追加又は修正される。駐車場DB12bに記憶される入出庫履歴は、フラップ装置20の車両センサ24によって駐車スペースへの車両の入庫が検知された場合に、制御部11によって入庫日時が記憶され、また、会員が駐車料金の精算を行った場合に、制御部11によって出庫日時、利用料金及び利用者情報が記憶される。駐車場DB12bの記憶内容は図3Bに示す例に限定されない。
【0023】
図4は自販機サーバ40及び自動販売機50の構成例を示すブロック図である。自販機サーバ40は、制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、表示部45等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。自販機サーバ40の制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、表示部45のそれぞれは、管理サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、自販機サーバ40の記憶部42は、制御部41が実行する制御プログラム42Pに加え、後述する自販機DB42aを記憶している。自販機DB42aは、自販機サーバ40に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、自販機サーバ40が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0024】
自動販売機50は、制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54、冷熱装置55、商品搬出装置56、現金処理部57、電子マネーリーダライタ58等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。自動販売機50の制御部51、記憶部52、通信部53のそれぞれは、管理サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。操作部54は、自動販売機50で商品を購入するユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部51へ送出する。操作部54は例えば、自動販売機50が販売する商品を選択するための商品選択ボタン54aを有する。なお、自動販売機50は、商品の値段、ユーザへのメッセージ等を表示するための表示部を備えていてもよく、操作部54及び表示部は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0025】
冷熱装置55は、自動販売機50の筐体内部に設けられた商品収納ラック(図示せず)の内部の温度を、設定された温度に制御する。具体的には、冷熱装置55は、冷却するように設定された商品収納ラックに対して冷却処理を行い、加熱するように設定された商品収納ラックに対して加熱処理を行う。設定温度は、それぞれの商品が収納される商品収納ラック毎に設定可能であってもよい。商品搬出装置56は、制御部51からの指示に従って、商品収納ラックに収納されている商品を商品取出口50a(図1参照)へ搬出する。
【0026】
現金処理部57は、コインメカニズム及びビルバリデータ等を含み、現金投入口から投入された現金(硬貨及び紙幣)の金種(金額)及び枚数を判別し、判別結果を制御部51へ送出する。また現金処理部57は、制御部51からの指示に従って、現金を払い出し、釣り銭を排出する。電子マネーリーダライタ58は、例えば電子マネーカードにチャージされた電子マネーを読み取ると共に、決済後の電子マネーを書き込む処理を行う。
【0027】
図5は自販機DB42aの構成例を示す模式図である。自販機DB42aは、自販機サーバ40が管理する自動販売機50の情報を記憶する。図5に示す自販機DB42aは、自販機ID列、位置情報列、管理者情報列、ラックID列、商品情報列、販売履歴列等を含み、自販機IDに対応付けて自動販売機50に関する情報を記憶する。自販機ID列は、各自動販売機50を識別するための識別情報(自販機ID)を記憶し、位置情報列は、自動販売機50の設置場所を示す位置情報を記憶する。位置情報は、例えば経度及び緯度の座標値、或いは住所であってもよく、自動販売機50が設置されている駐車場の位置情報であってもよい。管理者情報列は、自動販売機50の所有者、自動販売機50に対して商品の補充等を行う管理者等の情報を記憶する。所有者及び管理者は個人であっても法人であってもよい。ラックID列は、自動販売機50内に設けられている商品収納ラックを識別するための識別情報(ラックID)を記憶し、商品情報列は、商品収納ラックに収納されている商品の名称、メーカー、値段等の商品情報を記憶する。販売履歴列は、それぞれの商品収納ラックに収納されている商品の販売状況を示す販売情報を記憶する。販売情報は、販売日時及び決済方法(現金決済、電子マネー決済等)等を含んでもよい。自販機DB42aに記憶される自販機IDは、新たな自動販売機50が登録された場合に、制御部41によって発行されて記憶される。自販機DB42aに記憶される位置情報、管理者情報、ラックID及び商品情報は、制御部41が通信部43又は入力部44を介して各情報の追加指示又は修正指示を取得した場合に制御部41によって追加又は修正される。自販機DB42aに記憶される販売履歴は、自動販売機50が商品を販売した場合に、制御部41によって販売日時等が記憶される。自販機DB42aの記憶内容は図5に示す例に限定されない。
【0028】
図6はユーザ端末30の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、表示部35等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。ユーザ端末30の制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、表示部35のそれぞれは、管理サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、ユーザ端末30の記憶部32は、制御部31が実行する制御プログラム32Pに加え、駐車料金の精算を行うためのアプリケーションプログラム(以下では駐車場精算用アプリ32APという)を記憶している。
【0029】
以下に、本実施形態の情報処理システムにおいて、ユーザ(会員)が車両を駐車スペースに入庫した場合に各装置が行う処理について説明する。図7は入庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7では左側にフラップ装置20が行う処理を、右側に管理サーバ10が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、フラップ装置20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pに従って制御部21によって実行され、管理サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行される。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0030】
本実施形態の情報処理システムにおいて、車両を運転している会員は、フラップ板20aが下降している駐車スペースに車両を入庫させる。フラップ装置20の制御部21は、車両センサ24による検知結果に基づいて、空き状態の駐車スペースに車両が入庫したか否かを判断しており(S11)、入庫していないと判断した場合(S11:NO)、待機する。車両が入庫したと判断した場合(S11:YES)、制御部21は、ネットワークN経由で管理サーバ10に車両の入庫を通知する(S12)。具体的には、制御部21は、駐車場ID及び駐車スペースIDと、車両の入庫を示す入庫情報とを管理サーバ10へ送信する。なお、駐車場ID及び駐車スペースIDは例えば、予め記憶部22に記憶してある。
【0031】
管理サーバ10の制御部11は、フラップ装置20から車両の入庫を通知された場合、通知された駐車場及び駐車スペースに対する車両の入庫日時を駐車場DB12bに記憶する(S13)。具体的には、制御部11は、フラップ装置20から受信した駐車場ID及び駐車スペースIDに対応する入庫日時として現在日時を駐車場DB12bに記憶する。なお、フラップ装置20が、車両の入庫日時を含む入庫情報を管理サーバ10へ送信するように構成されている場合、制御部11は、フラップ装置20から受信した入庫日時を駐車場DB12bに記憶してもよい。
【0032】
その後、制御部11は、車両の入庫を通知してきたフラップ装置20に対して、フラップ板20aの上昇(フラップ板20aによるロック)を指示する(S14)。フラップ装置20の制御部21は、管理サーバ10からの指示に従ってロック処理を実行する(S15)。具体的には、制御部21は、フラップ板駆動部25を駆動させてフラップ板20aを上昇させ、車両が出庫できないようにロックする。上述した処理により、車両が駐車スペースに入庫した場合に、管理サーバ10は駐車スペースに対する入庫状況(入庫日時)を把握することができ、また、フラップ装置20によるロックによって駐車スペースからの車両の出庫を制限することができる。
【0033】
次に、ユーザ(会員)が車両を駐車スペースから出庫する際に各装置が行う処理について説明する。図8及び図9は出庫時の処理手順の一例を示すフローチャート、図10はユーザ端末30の画面例を示す模式図、図11は自動販売機50の商品陳列例を示す模式図である。図8では左から順にフラップ装置20、ユーザ端末30、管理サーバ10が行う処理を示し、図9では左から順にフラップ装置20、管理サーバ10、自販機サーバ40、自動販売機50が行う処理を示す。以下の処理は、フラップ装置20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pに従って制御部21によって実行され、ユーザ端末30の記憶部32に記憶してある制御プログラム32P及び駐車場精算用アプリ32APに従って制御部31によって実行され、管理サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行され、自販機サーバ40の記憶部42に記憶してある制御プログラム42Pに従って制御部41によって実行され、自動販売機50の記憶部52に記憶してある制御プログラム52Pに従って制御部51によって実行される。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0034】
駐車スペースから車両を出庫したい会員は、ユーザ端末30に駐車場精算用アプリ32APを起動させる。ユーザ端末30の制御部31は、入力部34を介して駐車場精算用アプリ32APの起動指示を受け付けた場合、駐車場精算用アプリ32APを起動させ、駐車料金を精算するための精算用画面を表示部35に表示する。精算用画面は、例えば図10Aに示すように、精算したい駐車スペースについて駐車場及び駐車スペースの情報を入力する入力欄を有する。図10Aに示す画面では、駐車場の入力欄に、選択可能な駐車場から任意の1つを選択できるプルダウンメニューが設けられており、駐車スペースの入力欄に、選択された駐車場に設けられている駐車スペースから任意の1つを選択できるプルダウンメニューが設けられている。なお、駐車場の入力欄のプルダウンメニューでは、例えば各駐車場の場所(位置情報)又は名称等、駐車場を特定できる情報が表示され、駐車スペースの入力欄のプルダウンメニューでは、例えば駐車スペースに割り当てられた駐車スペース番号等、駐車スペースを特定できる情報が表示される。ユーザが精算用画面を介して駐車場及び駐車スペースの情報を入力(選択)することにより、ユーザ端末30の制御部31は、入力部34を介して駐車場及び駐車スペースの情報(スペース情報)を取得する(S21)。
【0035】
駐車場の入力方法(選択方法)は、上述した方法に限定されない。例えば、ユーザ端末30が、現在地情報を取得し、現在地の近傍の所定数(例えば5つ)の駐車場を特定し、特定した駐車場を選択候補として表示し、ユーザが、選択候補から任意の1つを選択する構成でもよい。なお、このとき特定した選択候補を、図10Aにおける駐車場の入力欄のプルダウンメニューに表示させてもよい。また、ユーザ端末30が、現在地から所定範囲内(例えば1km圏内)の駐車場を特定し、現在地から所定範囲内の地図上に、特定した駐車場を選択候補としてプロットし、ユーザが、選択候補から任意の1つを選択する構成でもよい。更に、駐車場の情報をコード化したバーコード又はQRコード(登録商標)等のコードを駐車場内に掲示しておき、ユーザ端末30がコードを読み取ることによって駐車場の情報を取得する構成でもよい。なお、この構成の場合、駐車スペース毎に、駐車場及び駐車スペースの情報をコード化したコードを掲示しておくことにより、ユーザ端末30がコードを読み取ることにより駐車場の情報に加えて駐車スペースの情報も取得できる構成とすることができる。
【0036】
制御部31は、精算用画面を介して駐車場及び駐車スペースの情報を取得した後、精算用画面中のOKボタンが操作された場合、精算用画面を介して指定された駐車スペースに対する精算処理の実行(精算指示)を管理サーバ10に要求する(S22)。具体的には、制御部31は、精算用画面を介して指定された駐車スペースに対応する駐車場ID及び駐車スペースIDと、ユーザの会員IDと、精算処理の実行を要求する要求情報とを管理サーバ10へ送信する。なお、会員IDは例えば予め記憶部22に記憶してある。管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末30から精算処理の実行を要求された場合、精算対象の駐車スペースに対する車両の出庫日時と、駐車スペースを利用していた利用者の情報とを駐車場DB12bに記憶する(S23)。具体的には、制御部11は、ユーザ端末30から受信した駐車場ID及び駐車スペースIDに対応する出庫日時及び利用者情報として、現在日時及び受信した会員IDを駐車場DB12bに記憶する。なお、ユーザ端末30が、車両の出庫日時を含む精算要求情報を管理サーバ10へ送信するように構成されている場合、制御部11は、ユーザ端末30から受信した出庫日時を駐車場DB12bに記憶してもよい。
【0037】
制御部11は、精算対象の駐車スペースに対する車両の入庫日時及び出庫日時と、料金単価とに基づいて、この駐車スペースの利用料金(駐車料金)を算出する(S24)。例えば制御部11は、入庫日時から出庫日時までの駐車時間を算出し、駐車時間と料金単価とに基づいて利用料金を算出する。制御部11は、算出した利用料金を、駐車場ID及び駐車スペースIDに対応する利用料金として駐車場DB12bに記憶する。また制御部11は、算出した利用料金をユーザ端末30へ送信する(S25)。制御部11は例えば、図10Bに示すような料金表示画面を生成してユーザ端末30へ送信する。図10Bに示す料金表示画面は、駐車場及び駐車スペースの情報と、この駐車スペースに対する入庫日時及び出庫日時と、利用料金とを表示する。また図10Bに示す料金表示画面は、自動販売機50を用いた精算を指示するための「自動販売機で精算」ボタンと、ユーザ端末30(スマートフォン)を用いた精算を指示するための「スマートフォン決済」ボタンとを有する。
【0038】
ユーザ端末30の制御部31は、管理サーバ10が送信した料金表示画面を受信することにより、利用料金の金額を取得し、料金表示画面を表示部35に表示することにより、利用料金を表示する(S26)。料金表示画面において、ユーザは利用料金を確認し、自動販売機50で利用料金の精算を行いたい場合は「自動販売機で精算」ボタンを操作し、ユーザ端末30を用いたスマートフォン決済を行いたい場合は「スマートフォン決済」ボタンを操作する。ユーザ端末30の制御部31は、料金表示画面中の「自動販売機で精算」ボタンが操作されるか「スマートフォン決済」ボタンが操作されるかに応じて、各ボタンに対応する精算方法を受け付け(S27)、受け付けた精算方法(精算方法の選択情報)を管理サーバ10へ送信する(S28)。ここでは制御部31は、駐車場ID、駐車スペースID及び会員IDと、精算方法を示す情報とを管理サーバ10へ送信する。なお、制御部31は、料金表示画面中の「自動販売機で精算」ボタンが操作された場合、例えば「駐車場内の自動販売機で精算して下さい」のようなメッセージを表示部35に表示し、ユーザを自動販売機へ誘導してもよい。
【0039】
管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末30から精算方法を受信した場合、受信した精算方法がスマートフォン決済であるか否かを判断する(S29)。スマートフォン決済であると判断した場合(S29:YES)、制御部11は、会員DB12aに記憶してあるユーザ情報から、ここでのユーザ(会員)の決済情報(例えばクレジットカード番号及び認証用データ)を読み出し、読み出した決済情報に基づく決済処理を実行する(S30)。具体的には、制御部11は、決済情報と利用料金とをスマートフォン決済用サーバ(図示せず)へ送信して決済処理を要求する。スマートフォン決済用サーバは、管理サーバ10から決済処理を要求された場合、受信した決済情報に基づく決済処理を実行し、決済処理の完了又は失敗を示す決済結果情報を管理サーバ10へ送信する。管理サーバ10の制御部11は、スマートフォン決済用サーバから受信する決済結果情報に基づいて、決済処理の完了又は失敗を判断する。
【0040】
制御部11は、決済処理が完了したと判断した場合、駐車料金の精算完了をユーザ端末30に通知する(S31)。制御部11は例えば、図10Cに示すように、駐車料金の精算が完了したことを示すメッセージを表示する完了画面を生成してユーザ端末30へ送信する。ユーザ端末30の制御部31は、管理サーバ10から受信した完了画面を表示部35に表示することにより、駐車料金の精算完了を表示し(S32)、処理を終了する。なお、制御部11は、決済処理が失敗したと判断した場合、精算処理の失敗をユーザ端末30に通知して精算処理をやり直す。例えば制御部11は、異なるクレジットカード番号をユーザ端末30から取得し、異なるクレジットカード番号に基づく決済処理を再度実行する。
【0041】
管理サーバ10の制御部11は、例えばステップS31の処理後、ここでのユーザの会員ID、駐車場ID及び駐車スペースIDに対応付けて、出庫日時及び利用料金を会員DB12aに記憶しておく。これにより、会員DB12aに、会員が利用した駐車場及び駐車スペース、利用日時(出庫日時)、利用料金が利用履歴として記憶される。なお、制御部11は、入庫日時も会員DB12aに記憶してもよい。その後、制御部11は、精算が完了した駐車スペースに対応するフラップ装置20に対して、フラップ板20aの下降(フラップ板20aによるロックの解除)を指示する(S33)。即ち、制御部11は、フラップ板20aによるロックの解除指示をフラップ装置20へ送信(出力)する。フラップ装置20の制御部21は、管理サーバ10からの指示に従ってロック解除処理を実行する(S34)。具体的には、制御部21は、フラップ板駆動部25を駆動させてフラップ板20aを下降させ、車両が出庫できるようにする。上述した処理により、ユーザがユーザ端末30(駐車場精算用アプリ32AP)を介してスマートフォン決済での駐車料金の精算を指定した場合、予め管理サーバ10に登録してある決済情報に基づくスマートフォン決済による精算を実行できる。
【0042】
管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末30から受信した精算方法がスマートフォン決済でないと判断した場合(S29:NO)、即ち、自動販売機50での精算方法が指定された場合、ステップS48の処理に移行し、自販機サーバ40から精算情報を受信するまで待機する。一方、ユーザは、ユーザ端末30に表示された料金表示画面中の「自動販売機で精算」ボタンを操作した場合、駐車場内に設置された自動販売機50で利用料金(駐車料金)の支払いを行う。自動販売機50では、例えば図11に示すように、通常の商品と、駐車料金の精算用商品とが陳列されており、それぞれの商品に対応付けて値段が表示(掲示)されており、それぞれの商品を選択するための商品選択ボタン54aが設けられている。なお、本実施形態の自動販売機50では、商品選択ボタン54aは、販売対象の商品の中から購入する商品を選択するための購入用ボタン54ab(通常の商品に対応する商品選択ボタン54a)と、駐車料金を支払うための支払用ボタン54aa(駐車料金の精算用商品に対応する商品選択ボタン54a)とを有する。図11に示す例では、駐車料金の精算用商品として、500円の商品と1000円の商品とが販売されているが、駐車料金としてとり得る値段の商品が複数販売されていてもよい。駐車料金の精算用商品は、通常の商品と同じ商品であってもよく、この場合、商品の値段(価格)と駐車料金としてとり得る値段とを加算した合計金額が商品の値段として掲示される。なお、駐車料金の精算用商品として、空のペットボトル又は領収証が収納された容器が用いられてもよく、商品又は容器が割り当てられていなくてもよい。精算用商品に何らかの商品又は容器が割り当てられていない場合、自動販売機50は、駐車料金の支払いの受付のみを行うように構成されている。駐車料金の精算用商品及びその値段は適宜変更可能である。
【0043】
自動販売機50で利用料金の精算を行う場合、ユーザは、通常の商品を購入する場合と同様の手順で、自身の利用料金に応じた駐車料金の精算用商品を購入することによって利用料金の支払いを行う。例えば、現金で支払う場合、ユーザは、利用料金以上の現金を現金投入口57aから投入し、駐車料金の精算用商品のうちで、利用料金に対応する精算用商品の商品選択ボタン54a(支払用ボタン54aa)を操作する。この場合、自動販売機50は、釣り銭を算出して排出すると共に、操作された商品選択ボタン54aに対応する商品を搬出する。また、電子マネーで支払う場合、ユーザは、利用料金に対応する精算用商品の商品選択ボタン54a(支払用ボタン54aa)を操作した後、電子マネーカードを電子マネーリーダライタ58にかざす。この場合、自動販売機50は、電子マネーカードから電子マネーを読み取り、支払い後の電子マネーを電子マネーカードに書き込むと共に、操作された商品選択ボタン54aに対応する商品を搬出する。
【0044】
自動販売機50の制御部51は、商品選択ボタン54aを介して商品が選択されたか否かを判断しており(S41)、選択されていないと判断する場合(S41:NO)、待機する。商品が選択されたと判断した場合(S41:YES)、制御部51は、選択された商品に対する決済処理を実行する(S42)。ここでは、制御部51は、現金が投入された場合、選択された商品の値段と、投入された現金の金額とから釣り銭を算出し、算出した釣り銭を排出する。また、制御部51は、電子マネーリーダライタ58によって電子マネーを読み取った場合、選択された商品の値段を差し引いた支払い後の電子マネーを電子マネーカードに書き込む。そして制御部51は、商品搬出装置56(排出部)によって、選択された商品を商品取出口50aへ搬出する(S43)。制御部51は、商品を販売した後、販売した商品の情報を示す販売情報(支払情報)を自販機サーバ40へ送信し(S44)、処理を終了する。ここでは制御部51は、自動販売機50の自販機IDと販売情報とを自販機サーバ40へ送信する。なお、販売情報は決済方法、商品が収納されていた商品収納ラックのラックID等を含んでいてもよい。
【0045】
自販機サーバ40の制御部41は、自動販売機50から販売情報(支払情報)を受信した場合、受信した自販機ID及び商品情報(ラックID)に対応する販売履歴として、受信した販売情報(販売日時)を自販機DB42aに記憶する(S45)。これにより、自販機サーバ40は自動販売機50における販売状況を把握できる。制御部41は、自動販売機50から受信した販売情報が、駐車料金の精算用商品の販売情報であるか否かを判断し(S46)、精算用商品の販売情報でないと判断した場合(S46:NO)、即ち、通常の商品の販売情報であると判断した場合、処理を終了する。駐車料金の精算用商品の販売情報であると判断した場合(S46:YES)、制御部41(送信部)は、自動販売機50を用いて駐車料金の精算が行われたことを示す精算情報(支払情報)を管理サーバ10へ送信する(S47)。具体的には、制御部41は、販売情報を送信してきた自動販売機50の自販機IDと、精算された値段(販売された商品の値段)とを管理サーバ10へ送信する。
【0046】
管理サーバ10の制御部11は、自販機サーバ40から精算情報を受信したか否かを判断しており(S48)、受信していないと判断した場合(S48:NO)、受信するまで待機する。自販機サーバ40から精算情報を受信したと判断した場合(S48:YES)、制御部11は、自動販売機50を用いた精算が完了した駐車スペースに対応するフラップ装置20に対して、フラップ板20aによるロックの解除指示(フラップ板20aの下降指示)を送信する(S49)。フラップ装置20の制御部21は、管理サーバ10からの指示に従ってフラップ板駆動部25を駆動させてフラップ板20aを下降させ(ロック解除処理を実行)、車両が出庫できるようにする(S50)。なお、制御部11は、自販機サーバ40から精算情報を受信した場合に、ここでのユーザの会員ID、駐車場ID及び駐車スペースIDに対応付けて、出庫日時及び利用料金を会員DB12aに記憶しておいてもよい。これにより、自動販売機50を用いて精算した場合であっても、会員DB12aに、会員が利用した駐車場及び駐車スペース、利用日時(出庫日時)、利用料金が利用履歴として記憶される。また、管理サーバ10は、ステップS49の処理の前又は後で、駐車料金の精算完了及びフラップ装置20によるロックが解除されたことをユーザ端末30に通知してもよい。上述した処理により、ユーザがユーザ端末30(駐車場精算用アプリ32AP)を介して自動販売機50を用いた駐車料金の精算を指定した場合、自動販売機50で商品を購入する手順と同じ手順によって駐車料金の精算が可能となる。
【0047】
本実施形態では、駐車料金の精算をスマートフォン決済だけでなく、駐車場内に設置された自動販売機50を介して行うことができる。自動販売機50は現金決済及び電子マネー決済によって商品を購入できるように構成されているものがあり、このような自動販売機50を用いることにより、現金及び電子マネーによって駐車料金の精算を行うことが可能となり、支払方法の制限が緩和される。これにより、例えばクレジットカードを所有していないことによってスマートフォン決済を利用できないユーザであっても、現金又は電子マネーによる精算が可能となるので、駐車場の利用者の増加が期待できる。また、自動販売機50で商品(駐車料金の精算用商品)を購入することによって駐車料金の精算が完了するので、商品購入後すぐに出庫することが可能となる。
【0048】
本実施形態では、駐車料金を精算するための精算機の代わりに自動販売機50を用いるので、新たに駐車場を開設する際に高額な精算機を購入する必要がない。駐車場を開設する場合、駐車スペースにフラップ装置20を設置すればよいので、駐車場の開設を手軽に行うことが可能となる。なお、自動販売機50は既に多くの駐車場に設置されており、自動販売機50を設置した駐車場のオーナーは販売手数料を得られるので、駐車場内に自動販売機50を設置する際の障壁は低いと考えられる。また、駐車料金を精算する際に自動販売機50を使用するので、自動販売機50の使用頻度が増加し、それに伴って商品購入頻度も増加して売上が増加することが期待できる。
【0049】
本実施形態では、ユーザ端末30は、制御部31が駐車場精算用アプリ32APを実行することによって、駐車料金の精算に係る処理を行う構成であるが、このような構成に限定されない。例えば、管理サーバ10が駐車料金の精算処理のためのウェブサイトを提供し、ユーザ端末30は、管理サーバ10が提供するウェブサイトを介して駐車料金の精算に係る処理を行うように構成されていてもよい。この場合、管理サーバ10はウェブサーバの機能を有し、例えば図10に示すようなウェブサイトをネットワークN経由で提供する。ユーザ端末30はウェブブラウザを有し、ウェブブラウザによってネットワークN経由でウェブサイトを取得して表示部35に表示することにより、上述した本実施形態と同様の処理を行うことができる。このような構成においても、駐車料金を精算する際に、スマートフォン決済と自動販売機50を用いた決済とを選択して駐車料金を支払うことが可能である。
【0050】
本実施形態において、ユーザが駐車料金の精算を行う際に、自動販売機50の前でユーザ端末30を操作するように案内してもよい。例えば、ユーザ端末30が駐車場精算用アプリ32APを起動した場合に、「駐車場内の自動販売機の前でユーザ端末を操作して下さい」のような案内メッセージを表示部35に表示してもよい。このような構成とすることにより、ユーザがユーザ端末30を操作して駐車料金の精算処理を行っている途中で、他のユーザが自動販売機50で商品を購入することを回避できる。よって、ユーザ端末30を介して駐車料金の精算処理を開始したユーザと、自動販売機50で駐車料金の精算用商品を購入したユーザとを一致させることができ、駐車料金の精算を正確に行うことができる。
【0051】
(実施形態2)
自動販売機50で支払われた駐車料金の精算情報に基づいて、管理サーバ10が、料金が不足しているか否かを判断し、不足している場合にユーザ端末30に通知する処理を行う情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。また、本実施形態の情報処理システムにおいて、ユーザ(会員)が車両を駐車スペースに入庫した場合に各装置が行う処理は、図7に示す処理と同様であるので説明を省略する。
【0052】
図12は、実施形態2における出庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、図8及び図9に示す処理において、ステップS48のYESとステップS49との間にステップS61~S65を追加したものである。図8及び図9と同じステップについては説明を省略する。また、図12では、図9中のステップS48~S50以外のステップの図示を省略する。なお、図12では左から順にフラップ装置20、ユーザ端末30、管理サーバ10が行う処理を示す。
【0053】
本実施形態の情報処理システムにおいて、管理サーバ10の制御部11は、ステップS48で、自販機サーバ40から精算情報を受信したと判断した場合(S48:YES)、ステップS61以降の処理を実行する。具体的には、制御部11は、自販機サーバ40から受信した精算情報に基づいて、自動販売機50で支払われた駐車料金(精算された値段、支払金額)が、ステップS24で算出した利用料金に対して不足しているか否かを判断する(S61)。料金が不足していると判断した場合(S61:YES)、制御部11は、不足している金額を算出し、算出した不足金額をユーザ端末30へ送信する(S62)。図示は省略するが、制御部11は例えば、「駐車料金の精算完了まで500円不足しています」、「駐車料金の精算用商品をあと500円分購入して下さい」のようなメッセージを表示する通知画面を生成してユーザ端末30へ送信する。ユーザ端末30の制御部31は、管理サーバ10から通知画面を受信した場合、通知画面を表示部35に表示することにより不足金額を表示する(S63)。
【0054】
管理サーバ10の制御部11は、ステップS62の処理後、ステップS48の処理に戻り、自販機サーバ40から精算情報を受信したか否かの判断を再度行う。一方、ユーザ端末30によって不足金額を通知されたユーザは、自動販売機50で不足金額の支払いを行う。具体的には、ユーザは、不足金額に応じた駐車料金の精算用商品を自動販売機50で購入する。ユーザが自動販売機50で駐車料金の精算用商品を購入した場合、自動販売機50及び自販機サーバ40は、ステップS41~S47の処理を行い、管理サーバ10の制御部11は、ステップS48の処理を行う。そして、管理サーバ10の制御部11は、自販機サーバ40から受信した精算情報に基づいて、自動販売機50で支払われた駐車料金が、前回の精算処理における不足金額に対してまだ不足しているか否かを判断する(S61)。料金がまだ不足していると判断した場合(S61:YES)、制御部11は、再度ステップS62の処理を行い、料金が不足していないと判断するまで、ステップS48,S61~S62の処理を繰り返す。
【0055】
料金が不足していないと判断した場合(S61:NO)、制御部11は、駐車料金の精算完了をユーザ端末30に通知する(S64)。ここでは、制御部11は、ステップS31と同様に、図10Cに示すような完了画面を生成してユーザ端末30へ送信してもよい。ユーザ端末30の制御部31は、管理サーバ10から受信した完了画面を表示部35に表示することにより、駐車料金の精算完了を表示し(S65)、処理を終了する。なお、管理サーバ10の制御部11は、例えばステップS64の処理後、ここでのユーザの会員ID、駐車場ID及び駐車スペースIDに対応付けて、出庫日時及び利用料金(自動販売機50で支払われた合計金額)を会員DB12aに記憶しておく。これにより、自動販売機50を用いて駐車料金の精算を行った会員の駐車場の利用履歴が会員DB12aに記憶される。
【0056】
その後、制御部11は、ステップS49の処理に移行し、精算が完了した駐車スペースに対応するフラップ装置20に対して、フラップ板20aの下降(ロック解除)を指示する(S49)。フラップ装置20の制御部21は、管理サーバ10からの指示に従ってフラップ板駆動部25を駆動させてロック解除処理を実行する(S50)。ここでも、管理サーバ10は、ステップS49の処理の前又は後で、フラップ装置20によるロックが解除されたことをユーザ端末30に通知してもよい。上述した処理により、ユーザが自動販売機50を用いて駐車料金を精算する場合に、複数回に分けて駐車料金の支払いを行うことが可能となる。よって、自動販売機50において、駐車料金としてとり得る金額に応じた精算用商品を用意しておく必要がない。例えば、300円及び500円の精算用商品を用意しておいた場合、300円及び500円の精算用商品を購入することにより800円の駐車料金の精算が可能となり、500円の精算用商品を2つ購入することにより1000円の駐車料金の精算が可能となる。このような構成とすることにより、精算用商品の陳列数を削減することができ、通常の商品の陳列数を確保できる。また、精算用商品として同じ値段で異なる商品(飲料品)を陳列する場合、ユーザは、精算用商品のうちから所望の商品を購入することが可能となるので、駐車料金の精算のための商品購入に対するユーザの負担を軽減できる。
【0057】
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、自動販売機50で駐車料金を精算する際に複数の商品を購入することによって料金を支払うことが可能となる。これにより、自動販売機50に用意しておくべき精算用商品を削減することができるので、精算用商品の陳列数を削減できる。よって、駐車場の利用単価に関わらず、通常の商品の陳列数を確保できる。なお、精算用商品として通常の商品が用意されている場合、複数の精算用商品が購入されることにより、売上の増加が期待できる。また、本実施形態の情報処理システムにおいて、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0058】
(実施形態3)
自動販売機50を用いた精算処理の実行が指示された場合に、管理サーバ10が、自動販売機50を介して、自動販売機50でユーザが購入すべき商品(精算用商品)を案内する処理を行う情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。また、本実施形態の情報処理システムにおいて、会員が車両を駐車スペースに入庫した場合に各装置が行う処理は、図7に示す処理と同様であるので説明を省略する。なお、本実施形態の自動販売機50は、ユーザが購入すべき商品を案内(誘導)するための案内部(図示せず)を有する。案内部は例えば、それぞれの商品に対応付けて設けられたLED(Light Emitting Diode)であり、LEDを発光させることにより、発光したLEDに対応する商品の購入を誘導する。また、それぞれの商品を選択するための商品選択ボタン54aにLEDを設け、商品選択ボタン54aのLEDを発光させることにより、発光した商品選択ボタン54aに対応する商品の購入を誘導する構成でもよい。更に、自動販売機50が表示部を有する場合、表示部に、ユーザが購入すべき商品を表示することによって、ユーザが購入すべき商品を案内するように構成されていてもよい。以下では、商品選択ボタン54aにLEDを設け、LEDを発光させることによって商品選択ボタン54aを発光させる構成を例に説明する。
【0059】
図13は、実施形態3における出庫時の処理手順の一例を示すフローチャートである。図13に示す処理は、図8及び図9に示す処理において、ステップS41の代わりにステップS71~S74の処理を追加したものである。図8及び図9と同じステップについては説明を省略する。また、図13では、図9中のステップS42~S48以外のステップの図示を省略する。なお、図13では左から順に管理サーバ10、自販機サーバ40、自動販売機50が行う処理を示す。
【0060】
本実施形態の情報処理システムにおいて、管理サーバ10の制御部11は、ステップS29で、ユーザ端末30から受信した精算方法がスマートフォン決済でないと判断した場合(S29:NO)、ステップS71以降の処理を実行する。即ち、自動販売機50での精算方法が指定された場合、制御部11は、駐車場DB12bの記憶内容に基づいて、ユーザ端末30から受信した駐車場IDに対応する自販機IDを特定する。そして制御部11は、特定した自販機IDと、ステップS24で算出した利用料金とを自販機サーバ40へ送信する(S71)。自販機サーバ40の制御部41は、管理サーバ10から自販機ID及び利用料金を受信した場合、自販機DB42aの記憶内容に基づいて、受信した自販機IDの自動販売機50において、利用料金に対応する商品収納ラック(ラックID)を特定する。なお、自販機DB42aに記憶してある商品情報は、精算用商品又は通常の商品を示す情報、及び料金等を含んでおり、制御部41は、自販機DB42aに記憶してある商品情報に基づいて、利用料金に対応する商品収納ラックを特定する。そして、制御部41は、管理サーバ10から受信した自販機IDの自動販売機50に対して、特定した商品収納ラックに対応する商品選択ボタン54aの点灯を指示する(S72)。
【0061】
自動販売機50の制御部51は、自販機サーバ40からの指示に従って、対応する商品選択ボタン54aを点灯させ(S73)、点灯させた商品選択ボタン54aが操作されたか否かを判断し(S74)、操作されていないと判断する場合(S74:NO)、待機する。なお、制御部51は、いずれかの商品選択ボタン54aを点灯させた場合、点灯させた商品選択ボタン54a以外のボタンに対する操作(選択)を受け付けないように構成されていてもよい。この場合、自動販売機50で駐車料金の精算処理を実行中に他のユーザが自動販売機50で商品を購入することを回避できる。点灯させた商品選択ボタン54aが操作されたと判断した場合(S74:YES)、制御部51は、ステップS42以降の処理を行う。これにより、自動販売機50は、点灯させた商品選択ボタン54aに対応する精算用商品に対する決済処理を実行すると共に、精算用商品を搬出する。また自販機サーバ40は、自動販売機50で精算用商品が購入された場合、即ち、駐車料金が精算された場合、精算情報を管理サーバ10へ送信し、管理サーバ10は、精算が完了した駐車スペースに対応するフラップ装置20に対してロックを解除させる。上述した処理により、ユーザが自動販売機50を用いて駐車料金を精算する場合に、ユーザが購入すべき精算用商品を案内することができる。よって、ユーザは、案内された商品を購入することによって駐車料金の精算を行うことが可能となる。なお、商品選択ボタン54aを点灯させることによって購入すべき商品を案内する構成では、ユーザは点灯した商品選択ボタン54aに対応する商品を購入すればよく、簡単な手順によって駐車料金の精算を行うことが可能となる。
【0062】
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、自動販売機50を介して、ユーザが購入すべき商品を案内できるので、ユーザの操作負担を軽減できる。なお、本実施形態の構成は実施形態2の情報処理システムにも適用でき、実施形態2の情報処理システムに適用した場合であっても同様の効果が得られる。また、本実施形態の情報処理システムにおいて、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0063】
(実施形態4)
上述した実施形態1~3では、駐車場の駐車料金の精算に用いる精算システムに適用した情報処理システムについて説明した。本実施形態では、自転車及び原動機付自転車等を駐輪する駐輪場(駐輪スペース)の利用料金(駐輪料金)の精算に用いる精算システムに適用した情報処理システムについて説明する。以下では、自転車の駐輪スペースを例に説明する。
【0064】
図14は実施形態4の情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システムは、図1に示す実施形態1の情報処理システムにおいて、フラップ装置20の代わりに前輪ロック装置60を備える。即ち、本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ10、ユーザ端末30、自販機サーバ40、自動販売機50、前輪ロック装置60を含む。本実施形態の管理サーバ10、ユーザ端末30、自販機サーバ40、及び自動販売機50は、実施形態1の管理サーバ10、ユーザ端末30、自販機サーバ40、及び自動販売機50と同様であるので説明を省略する。前輪ロック装置60は、駐輪場の各駐輪スペースに設置され、駐輪スペースに自転車が進入した場合に、自転車の前輪をロックして駐輪スペースからの退出を制限するロック装置(制限装置)である。なお、前輪ロック装置60は、例えばワイヤ又はチェーンによって自転車又は原動機付自転車の前輪又は後輪をロックする構成でもよい。本実施形態のユーザ端末30は、駐輪場の駐輪スペース(前輪ロック装置60)を利用するユーザの端末であり、自動販売機50は駐輪場に対応付けて設置されている。
【0065】
図15は実施形態4の管理サーバ10及び前輪ロック装置60の構成例を示すブロック図である。本実施形態の管理サーバ10は、記憶部12に駐車場DB12bの代わりに駐輪場DB12cを記憶しており、駐輪場DB12cは、管理サーバ10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、管理サーバ10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。駐輪場DB12cは、管理サーバ10が自転車の入出庫を管理する駐輪場の情報を記憶する。具体的には、駐輪場DB12cは、図3Bに示す駐車場DB12bにおいて、駐車場IDの代わりに駐輪場に割り当てられた識別情報(駐輪場ID)を記憶し、スペースIDとして、駐輪スペースに割り当てられた識別情報を記憶する。管理サーバ10のその他の構成は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0066】
前輪ロック装置60は、制御部61、記憶部62、通信部63、車両センサ64、ロック部65等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。前輪ロック装置60の制御部61、記憶部62、通信部63、車両センサ64のそれぞれは、フラップ装置20の制御部21、記憶部22、通信部23、車両センサ24と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、車両センサ64は、駐輪スペース内に自転車が進入したことを検知した場合に検知信号を制御部61へ送出し、駐輪スペースから自転車が退出したことを検知した場合に検知信号の制御部61への送出を終了する。なお、車両センサ64も、駐輪スペースに対する自転車の入出庫を検知できれば、どのようなセンサが用いられてもよく、どのような位置に設けられてもよい。
【0067】
ロック部65は、制御部61からの指示に従って、前輪ロック装置60に挿入された自転車の前輪を固定し、駐輪スペースから自転車を出せないように制御する。なお、ロック部65は、駐輪スペースに進入した自転車の出庫を禁止(制限)できる構成であれば、どのような構成でもよい。また、前輪ロック装置60は、制御部61及び記憶部62を有しない構成でもよく、例えば通信部63、車両センサ64及びロック部65が、ネットワークN経由で管理サーバ10の制御部11によって制御される構成でもよい。
【0068】
上述した構成の本実施形態の情報処理システムにおいて、会員が自転車を駐輪スペースに進入させた場合に各装置が行う処理は、図7に示す処理と同様であるので説明を省略する。なお、図7に示す処理において、フラップ装置20が行う処理は、前輪ロック装置60が行うものとする。また、本実施形態では、前輪ロック装置60は、管理サーバ10からのロック指示を待たずに、車両センサ64によって自転車の進入を検知した時点でロック部65によるロックを行ってもよい。
【0069】
また、本実施形態の情報処理システムにおいて、会員が自転車を駐輪スペースから退出させる際に各装置が行う処理は、図8及び図9に示す処理と同様であるので説明を省略する。なお、図8及び図9に示す処理において、フラップ装置20が行う処理は、前輪ロック装置60が行うものとする。
【0070】
本実施形態では、駐輪場の精算システムにおいても、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。なお、本実施形態の構成は実施形態2~3の情報処理システムにも適用でき、実施形態2~3の情報処理システムに適用した場合であっても同様の効果が得られる。また、本実施形態の情報処理システムにおいて、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0071】
上述した各実施形態では、本開示の技術を、駐車場及び駐輪場の精算システムに適用した情報処理システムについて説明したが、これらに限定されない。本開示の技術は、例えば、会議、パーティー、イベント等に使用される貸しスペース(貸し会議室、イベントルーム)、貸し倉庫、トランクルーム等の各種のスペースの利用料金の精算システムに適用することができる。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
10 管理サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 フラップ装置
30 ユーザ端末
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
40 自販機サーバ
50 自動販売機
56 商品搬出装置
60 前輪ロック装置
54a 商品選択ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2021-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、駐車場又は駐輪場における駐車又は駐輪スペースに関するスペース情報と、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の精算指示とを含み、前記駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた前記駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報をユーザ端末から取得し、前記自動販売機を通じて支払われた利用料金に対応する前記支払情報を取得した後に、前記駐車場又は駐輪場における前記駐車又は駐輪スペースに駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する処理をコンピュータが実行する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場又は駐輪場における駐車又は駐輪スペースに関するスペース情報と、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の精算指示とを含み、前記駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた前記駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報をユーザ端末から取得し、
前記自動販売機を通じて支払われた利用料金に対応する前記支払情報を取得した後に、前記駐車場又は駐輪場における前記駐車又は駐輪スペースに駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記利用料金の精算指示を取得した場合に、前記スペース情報によって特定される前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の金額を前記ユーザ端末へ送信する
処理を前記コンピュータが実行する請求項に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記利用料金の精算を、前記自動販売機を通じて行うか、又は、前記ユーザ端末を通じて行うかを示す選択情報を前記ユーザ端末から取得し、
前記自動販売機を通じて精算する選択情報を取得した場合、前記自動販売機を通じて支払われた利用料金に対応する支払情報を取得した後に、前記駐車又は駐輪スペースに対応する前記制限装置によるロックの解除指示を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項又はに記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記支払情報を取得した場合に、前記支払情報に係る支払金額が、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金に対して不足しているか否かを判断し、
不足していると判断した場合、不足金額を前記ユーザ端末へ送信する
処理を前記コンピュータが実行する請求項からまでのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記自動販売機は、販売対象の商品の価格に、前記駐車場又は駐輪場の利用料金が加算された金額で、前記商品を販売する販売機であり、
前記自動販売機で購入された商品に対応する前記支払情報を取得する
請求項1からまでのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項6】
駐車場又は駐輪場に対応付けて設置されている自動販売機であって、
販売対象の商品の中から、購入する商品を選択するための購入用ボタンと、
前記駐車場又は駐輪場の利用料金の精算用の商品を選択し、前記精算用の商品の価格に前記利用料金が加算された金額を支払うための支払用ボタンと、
前記支払用ボタンに対する操作を通じて支払われた前記利用料金に対応する支払情報を情報処理装置へ送信する送信部と
を備える自動販売機。
【請求項7】
前記支払用ボタンに対する操作を通じて前記利用料金が支払われた場合に、前記支払用ボタンに対応付けられている商品を排出する排出部
を更に備える請求項に記載の自動販売機。
【請求項8】
駐車場又は駐輪場における駐車又は駐輪スペースに関するスペース情報と、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の精算指示とを含み、前記駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機で支払われた前記駐車場又は駐輪場の利用料金に対応する支払情報をユーザ端末から取得し、
前記自動販売機を通じて支払われた利用料金に対応する前記支払情報を取得した後に、前記駐車場又は駐輪場における前記駐車又は駐輪スペースに駐車又は駐輪している車両の出庫を制限する制限装置によるロックを解除する解除指示を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
駐車場又は駐輪場における駐車又は駐輪スペースに関するスペース情報と、前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の精算指示とを情報処理装置へ送信し、
前記駐車又は駐輪スペースの利用料金の金額を前記情報処理装置から取得し、
取得した利用料金の金額を表示部に表示し、
前記利用料金の支払方法として、前記駐車場又は駐輪場に対応付けられている自動販売機を介した決済方法と、アプリケーションを用いた決済方法とのいずれかの選択を受け付け、
選択された決済方法を前記情報処理装置へ送信する
処理をユーザ端末に実行させるプログラム。