(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149849
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】電源システム、充放電装置、発電装置、及び、信号発生装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20220929BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20220929BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/35 K
H02J3/38 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052173
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 敏成
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】山本 明日香
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA11
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA02
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA05
(57)【要約】
【課題】充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システムを提供する。
【解決手段】電源システムであって、接続切替部12は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、充放電装置20と発電装置30との間での接続経路を連系接続経路に切り替え、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、充放電装置20と発電装置30との間での接続経路を自立接続経路に切り替えるように構成され、異常状態の場合に、自立接続経路を構成する電圧線に自立信号を出力し、正常状態の場合に、自立信号を出力しない信号発生部24を備え、発電装置30は、少なくとも異常状態の場合に自立接続経路を構成する電圧線に接続される信号検出部35を備え、信号検出部35が自立信号を検出しているか否かを判定するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電装置、発電装置、及び、前記充放電装置と前記発電装置との間の接続経路を、前記充放電装置及び前記発電装置が互いに接続され且つ電力系統に対して接続された状態の連系接続経路と、前記充放電装置及び前記発電装置が互いに接続され且つ前記電力系統から電気的に切り離された状態の自立接続経路との何れか一方に切り替える接続切替部を備える電源システムであって、
前記接続切替部は、前記電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、前記充放電装置と前記発電装置との間での接続経路を前記連系接続経路に切り替え、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、前記充放電装置と前記発電装置との間での接続経路を前記自立接続経路に切り替えるように構成され、
前記異常状態の場合に、前記自立接続経路を構成する電圧線に自立信号を出力し、前記正常状態の場合に、前記自立信号を出力しない信号発生部を備え、
前記発電装置は、少なくとも前記異常状態の場合に前記自立接続経路を構成する前記電圧線に接続される信号検出部を備え、前記信号検出部が前記自立信号を検出しているか否かを判定するように構成されている電源システム。
【請求項2】
前記接続切替部は、前記正常状態の場合、一以上の電力負荷装置を含む第1負荷装置群と、前記第1負荷装置群には含まれない一以上の電力負荷装置を含む第2負荷装置群とを前記連系接続経路に接続し、前記異常状態の場合、前記第2負荷装置群を前記自立接続経路に接続するように、前記充放電装置と前記発電装置との間の接続経路を切り替える請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記接続切替部は、前記正常状態の場合、一以上の電力負荷装置を含む負荷装置群を前記連系接続経路に接続し、前記異常状態の場合、前記負荷装置群を前記自立接続経路に接続するように、前記充放電装置と前記発電装置との間の接続経路を切り替える請求項1に記載の電源システム。
【請求項4】
前記発電装置は、前記信号検出部が前記自立信号を検出している場合には、前記発電装置の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節するように構成されている請求項1~3の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項5】
前記信号発生部は、前記充放電装置の蓄電残量が所定の閾値以上の場合と前記閾値未満の場合とで、前記自立信号の波形を異ならせ、
前記発電装置は、
前記信号検出部が検出した前記自立信号が、前記充放電装置の蓄電残量が前記閾値以上であることを示す場合には、前記発電装置の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節し、
前記信号検出部が検出した前記自立信号が、前記充放電装置の蓄電残量が前記閾値未満であることを示す場合には、前記発電装置の出力電力を前記供給電力決定ルールで定まる値以上の値に調節するように構成されている請求項1~3の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項6】
前記自立信号は、前記発電装置と前記充放電装置との間で供給される交流電力の波形とは区別できる波形である請求項1~5の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項7】
前記自立信号は、特定の周波数の信号である請求項1~6の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項8】
前記自立信号は、振幅の大小変化及び周波数の高低変化の少なくとも一方を含む信号である請求項1~7の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項9】
前記信号発生部及び前記信号検出部はPLC機器を備える請求項1~8の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載の電源システムで用いられる前記充放電装置の機能を備える充放電装置。
【請求項11】
請求項1~9の何れか一項に記載の電源システムで用いられる前記発電装置の機能を備える発電装置。
【請求項12】
請求項1~9の何れか一項に記載の電源システムで用いられる前記信号発生部の機能を有する信号発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電装置、発電装置、及び、充放電装置と発電装置との間の電力供給経路を切り替える接続切替部を備える電源システム、充放電装置、発電装置、並びに、信号発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2015-35893号公報)には、蓄電池(23)、燃料電池(24)、及び、蓄電池(23)と燃料電池(24)との間の電力供給経路を切り替える接続切替部(切替器34、スイッチ55、スイッチ56)を備える電源システムが記載されている。この電源システムでは、電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、接続切替部の動作により、蓄電池(23)及び燃料電池(24)は互いに接続され且つ電力系統に対して接続された状態になる。それに対して、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、接続切替部の動作により、蓄電池(23)及び燃料電池(24)は互いに接続され且つ電力系統に対して電気的に切り離された状態になる。
【0003】
また、特許文献1に記載の電源システムでは、燃料電池(24)及び負荷(60)が接続される分岐ブレーカ(32)の上流側には電流センサ(37)が設けられている。そして、燃料電池(24)は、電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、電流センサ(37)の測定結果に基づいて、燃料電池(24)から出力された電力がすべて負荷(60)で消費されているか否か、即ち、電力系統への逆潮流を行われているか否かを判定し、電力系統への逆潮流が行われないように出力電力を制御している。
【0004】
尚、特許文献1には、電流センサ(37)の出力を無効にして、燃料電池(24)から蓄電池(23)に電力を供給することを許容することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電源システムでは、電流センサ(37)の出力を無効にして、燃料電池(24)から蓄電池(23)に電力を供給するような動作が記載されているが、蓄電池(23)と燃料電池(24)との間の電力供給経路を切り替える接続切替部(切替器34、スイッチ55、スイッチ56)が正常に動作していない場合、蓄電池(23)と燃料電池(24)とが互いに接続されていないこともあり得る。その場合、燃料電池(24)の発電電力が、電力系統側に流れる可能性がある。
【0007】
充放電装置、発電装置、及び、充放電装置と発電装置との間の電力供給経路を切り替える接続切替部を備える電源システムの構成としては、
図1~
図4に示したようなものがある。
【0008】
例えば、
図1及び
図2に示した電源システムの場合、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態では、
図1に示すように、第1切替部13は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わり、且つ、第2切替部14のスイッチ14aは接点aと接点bとが接続される状態に切り替わり、且つ、第2切替部14のスイッチ14bは接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の電力供給経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1に対して接続された状態に切り替わる。この場合、一般電力負荷装置4及び重要電力負荷装置5は電力線2に接続されており、それぞれに電力が供給される。そして、発電装置30は、電流測定部11の測定結果を参照しながら、発電電力が電力系統1に逆潮流しないように、発電電力を制御する。
【0009】
また、
図1及び
図2に示した電源システムの場合、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態では、
図2に示すように、第1切替部13は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わり、且つ、第2切替部14のスイッチ14aは接点aと接点cとが接続される状態に切り替わり、且つ、第2切替部14のスイッチ14bは接点aと接点bとが接続される状態に切り替わる。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の電力供給経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1から電気的に切り離された状態の自立接続経路に切り替わる。この場合、重要電力負荷装置5には電力が供給されるが、一般電力負荷装置4には電力が供給されない。
【0010】
このように、
図1及び
図2に示した電源システムでは、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態であったとしても発電装置30には充放電装置20から供給される電圧が加わっているため、発電装置30から見ると、電力系統1に連系されている場合との違いは無い。但し、
図2に示すように、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、電流測定部11が設けられている部位には電流が流れないため、発電装置30は、電流測定部11の測定結果を参照できないという問題がある。そして、発電装置30は、電流測定部11の測定結果を参照できない状況下で発電電力を供給することが禁止されている場合もある。
【0011】
尚、電流測定部11の測定結果を参照できない状況下であっても、
図2に示したように、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態で且つ充放電装置20と発電装置30とが互いに接続されていることが確認できれば、即ち、発電装置30の発電電力が電力系統1へと供給されないことが確認できれば、発電装置30の発電電力を供給しても構わないと言える。
【0012】
同様に、
図3及び
図4に示した電源システムの場合、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態では、
図3に示すように、第3切替部15は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わり、且つ、第4切替部16は接点aと接点bとが接続される状態に切り替わる。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の電力供給経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1に対して接続された状態に切り替わる。そして、発電装置30は、電流測定部11の測定結果を参照しながら、発電電力が電力系統1に逆潮流しないように、発電電力を制御する。
【0013】
また、
図3及び
図4に示した電源システムの場合、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態では、
図4に示すように、第3切替部15は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わり、且つ、第4切替部16は接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の電力供給経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1から電気的に切り離された状態の自立接続経路に切り替わる。
【0014】
このように、
図3及び
図4に示した電源システムでは、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態であったとしても発電装置30には充放電装置20から供給される電圧が加わっているため、発電装置30から見ると、電力系統1に連系されている場合との違いは無い。但し、
図4に示すように、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、発電装置30が、電流測定部11の測定結果を参照しながら、発電電力が逆潮流しないように(この場合は充放電装置20に発電電力が供給されないように)、発電電力を制御する。この場合、充放電装置20には電力が供給されなくなるため、充放電装置20の蓄電残量がゼロになる恐れがある。
【0015】
尚、
図4に示したように、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態で且つ充放電装置20と発電装置30とが互いに接続されていることが確認できれば、即ち、発電装置30の発電電力が電力系統1へと供給されないことが確認できれば、電流測定部11の測定結果に関わらず、発電装置30の発電電力を充放電装置20に供給しても構わないと言える。特許文献1に記載されている、電流センサ(37)の出力を無効にして燃料電池(24)から蓄電池(23)に電力を供給するような動作は、このような考えと同様であると思われる。
【0016】
以上のように、どのような構成の電源システムであるかに関わらず、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態で且つ充放電装置20と発電装置30とが互いに接続されていることが確認できれば、即ち、発電装置30の発電電力が電力系統1へと供給されないことが確認できれば、発電装置30の発電電力を充放電装置20に供給しても構わないと言える。
【0017】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システム、充放電装置、発電装置、及び、信号発生装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係る電源システムの特徴構成は、充放電装置、発電装置、及び、前記充放電装置と前記発電装置との間の接続経路を、前記充放電装置及び前記発電装置が互いに接続され且つ電力系統に対して接続された状態の連系接続経路と、前記充放電装置及び前記発電装置が互いに接続され且つ前記電力系統から電気的に切り離された状態の自立接続経路との何れか一方に切り替える接続切替部を備える電源システムであって、
前記接続切替部は、前記電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、前記充放電装置と前記発電装置との間での接続経路を前記連系接続経路に切り替え、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、前記充放電装置と前記発電装置との間での接続経路を前記自立接続経路に切り替えるように構成され、
前記異常状態の場合に、前記自立接続経路を構成する電圧線に自立信号を出力し、前記正常状態の場合に、前記自立信号を出力しない信号発生部を備え、
前記発電装置は、少なくとも前記異常状態の場合に前記自立接続経路を構成する前記電圧線に接続される信号検出部を備え、前記信号検出部が前記自立信号を検出しているか否かを判定するように構成されている点にある。
ここで、前記自立信号は、前記発電装置と前記充放電装置との間で供給される交流電力の波形とは区別できる波形であってもよい。
また、前記自立信号は、特定の周波数の信号であってもよい。
更に、前記自立信号は、振幅の大小変化及び周波数の高低変化の少なくとも一方を含む信号であってもよい。
また更に、前記信号発生部及び前記信号検出部はPLC機器を備えてもよい。
【0019】
上記特徴構成によれば、充放電装置の信号発生部は、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、自立接続経路を構成する電圧線に自立信号を出力し、電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、そのような自立信号を出力しない。また、発電装置は、自立接続経路を構成する電圧線に接続される信号検出部を備える。そして、発電装置は、信号検出部が自立信号を検出しているか否かを判定する。このように、発電装置は、信号検出部が自立信号を検出している場合、発電装置と充放電装置とが電力系統から電気的に切り離された状態の自立接続経路を介して電力供給を行うことができることを認識した上で動作できる。
従って、充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システムを提供できる。
【0020】
本発明に係る電源システムの別の特徴構成は、前記接続切替部は、前記正常状態の場合、一以上の電力負荷装置を含む第1負荷装置群と、前記第1負荷装置群には含まれない一以上の電力負荷装置を含む第2負荷装置群とを前記連系接続経路に接続し、前記異常状態の場合、前記第2負荷装置群を前記自立接続経路に接続するように、前記充放電装置と前記発電装置との間の接続経路を切り替える点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、接続切替部が、第1負荷装置群と第2負荷装置群とを連系接続経路に接続することで、第1負荷装置群及び第2負荷装置群への電力供給を行うことができる。また、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、接続切替部が、第2負荷装置群を自立接続経路に接続することで、第2負荷装置群への電力供給を行うことができる。
【0022】
本発明に係る電源システムの更に別の特徴構成は、前記接続切替部は、前記正常状態の場合、一以上の電力負荷装置を含む負荷装置群を前記連系接続経路に接続し、前記異常状態の場合、前記負荷装置群を前記自立接続経路に接続するように、前記充放電装置と前記発電装置との間の接続経路を切り替える点にある。
【0023】
上記特徴構成によれば、電力系統からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、接続切替部が、負荷装置群を連系接続経路に接続することで、負荷装置群への電力供給を行うことができる。また、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、接続切替部が、負荷装置群を自立接続経路に接続することで、負荷装置群への電力供給を行うことができる。
【0024】
本発明に係る電源システムの更に別の特徴構成は、前記発電装置は、前記信号検出部が前記自立信号を検出している場合には、前記発電装置の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節するように構成されている点にある。
【0025】
上記特徴構成によれば、発電装置は、信号検出部が自立信号を検出している場合、即ち、充放電装置と発電装置とが自立接続経路を介して互いに接続され且つ電力系統には接続されていないことが確認できた場合には、発電装置の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節する。つまり、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態であっても、発電装置の出力電力を、自立接続経路を介して第2負荷装置群及び充放電装置に供給できる。
【0026】
本発明に係る電源システムの更に別の特徴構成は、前記信号発生部は、前記充放電装置の蓄電残量が所定の閾値以上の場合と前記閾値未満の場合とで、前記自立信号の波形を異ならせ、
前記発電装置は、
前記信号検出部が検出した前記自立信号が、前記充放電装置の蓄電残量が前記閾値以上であることを示す場合には、前記発電装置の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節し、
前記信号検出部が検出した前記自立信号が、前記充放電装置の蓄電残量が前記閾値未満であることを示す場合には、前記発電装置の出力電力を前記供給電力決定ルールで定まる値以上の値に調節するように構成されている点にある。
【0027】
上記特徴構成によれば、発電装置は、信号検出部が検出した自立信号が、蓄電部の蓄電残量が閾値以上であることを示す場合、即ち、充放電装置と発電装置とが自立接続経路を介して互いに接続され且つ電力系統には接続されておらず且つ蓄電部の蓄電残量が閾値以上であることが確認できた場合には、発電装置の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節する。つまり、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態であっても、発電装置の出力電力を、自立接続経路を介して第2負荷装置群及び充放電装置に供給できる。
また、発電装置は、信号検出部が検出した自立信号が、蓄電部の蓄電残量が閾値未満であることを示す場合、即ち、充放電装置と発電装置とが自立接続経路を介して互いに接続され且つ電力系統には接続されておらず且つ蓄電部の蓄電残量が閾値未満であることが確認できた場合には、発電装置の出力電力を上記供給電力決定ルールで定まる値以上の値に調節する。つまり、電力系統からの電力供給が正常に行われていない異常状態であっても、発電装置の出力電力を、充放電装置の蓄電部の蓄電残量の増加が促進される或いは蓄電残量の低下が抑制されるように、自立接続経路を介して第2負荷装置群及び充放電装置に供給できる。
【0028】
上記目的を達成するための本発明に係る充放電装置の特徴構成は、電源システムで用いられる前記充放電装置の機能を備える点にある。
【0029】
上記特徴構成によれば、充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システムで用いられる充放電装置を提供できる。
【0030】
上記目的を達成するための本発明に係る発電装置の特徴構成は、電源システムで用いられる前記発電装置の機能を備える点にある。
【0031】
上記特徴構成によれば、充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システムで用いられる発電装置を提供できる。
【0032】
上記目的を達成するための本発明に係る信号発生装置の特徴構成は、電源システムで用いられる前記信号発生部の機能を有する点にある。
【0033】
上記特徴構成によれば、充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システムで用いられる信号発生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図5】第1実施形態の充放電装置の動作制御を説明するフローチャートである。
【
図6】第1実施形態の発電装置の動作制御を説明するフローチャートである。
【
図7】第2実施形態の充放電装置の動作制御を説明するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態の発電装置の動作制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態に係る電源システムについて説明する。
本実施形態では、第1の電源システム及び第2の電源システムの構成について各別に説明する。図中では、電力が供給される箇所を太線で描いている。
【0036】
〔第1の電源システム〕
図1は、第1の電源システムの構成を示す図である。図示するように、第1の電源システムは、充放電装置20と発電装置30と接続切替部12とを備える。具体的には、電力線2が電力系統1に接続される。電力線2の第1接続箇所P1には、発電装置30が第1切替部13を介して接続される。電力線2の第2接続箇所P2には、充放電装置20が第2切替部14を介して接続される。
【0037】
充放電装置20は、蓄電部21と電力変換部22と充放電制御部23とを備える。加えて、充放電装置20は、後述する信号発生部24を備える。そして、信号発生部24の機能を備える信号発生装置が実現される。蓄電部21は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池などを用いて構成できる。電力変換部22は、蓄電部21に蓄えられている電力を、所望の電圧、周波数、位相の電力に変換して出力できる。充放電制御部23は、電力変換部22の動作を制御して、蓄電部21からの出力電力(放電電力)の制御と、蓄電部21への入力電力(充電電力)の制御とを行う。また、電力変換部22は、充放電装置20が接続されている線路の電圧及び電流を検出できる。
【0038】
充放電装置20には、第1接続箇所P1よりも上流側、即ち、電力系統1側で電力線2の電力の電圧を測定する電圧測定部9の測定結果と、第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間で電力線2の電力の電流を測定する電流測定部10の測定結果とが伝達される。
【0039】
電圧測定部9は、例えば電力の電圧値を測定するために用いられる計器用変圧器などを用いて構成される。そして、充放電装置20の充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態であるか、又は、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態であるかを判定する。充放電制御部23は、電圧測定部9から伝達される電力の電圧値及び電力の周波数等に基づいて、電力系統1からの電力供給が正常に行われているか否かを判定できる。例えば、充放電制御部23は、電圧測定部9から伝達される電圧値が所定値以上であれば、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態であると判定し、電圧測定部9から伝達される電圧値が所定値未満であれば、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態であると判定できる。
【0040】
電流測定部10は、例えば電力の電流値を検出するために用いられるカレントトランス(計器用変流器)を用いて構成される。そして、充放電装置20の充放電制御部23は、電流測定部10の測定結果を参照して、第1接続箇所P1から第2接続箇所P2に向かう電力を測定する。充放電制御部23は、電流測定部10から伝達される電流値と、電圧測定部9の測定結果又は所定の電圧値(例えば100V、200V等)との積から、電力値を導出できる。そして、充放電制御部23は、電流測定部10の測定結果を参照して、充放電装置20による充電電力又は放電電力を制御する。
【0041】
充放電装置20は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態である場合には連系運転モードで動作し、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態である場合には自立運転モードで動作する。連系運転モードの場合、充放電装置20は、例えば、電流測定部10の測定結果を参照して、第1接続箇所P1から第2接続箇所P2に向かう電力が発電装置30の定格発電電力と等しくなるように、充電電力又は放電電力を制御する。また、自立運転モードの場合、充放電装置20は、例えば、後述する自立接続経路での電力の電圧及び周波数を所定の値に維持するように、充電電力又は放電電力を制御する。
【0042】
発電装置30は、発電部31と電力変換部32と電力消費部33と発電制御部34とを備える。加えて、発電装置30は、後述する信号検出部35を備える。発電部31は、例えば燃料電池を備える装置や、エンジンとそのエンジンによって駆動される発電機とを備える装置などを用いて構成される。電力変換部32は、発電装置30が発生した電力を、所望の電圧、周波数、位相の電力に変換した発電電力として供給できる。また、電力変換部32は、発電装置30が接続されている線路の電圧及び電流を検出できる。
【0043】
発電装置30には、第1接続箇所P1よりも上流側、即ち、電力系統1側で電力線2の電力の電流を測定する電流測定部11の測定結果とが伝達される。
【0044】
電流測定部11は、例えば電力の電流値を検出するために用いられるカレントトランス(計器用変流器)を用いて構成される。そして、発電装置30の発電制御部34は、電流測定部11の測定結果を参照して、電力系統1から第1接続箇所P1に向かう電力を測定する。例えば、発電制御部34は、電流測定部11から伝達される電流値と、所定の電圧値(例えば100V、200V等)との積から、電力値を導出できる。そして、発電制御部34は、電流測定部11の測定結果を参照して、発電装置30から供給する発電電力を制御する。
【0045】
発電装置30は、発電装置30が接続されている線路への電圧入力がある場合には連系運転モード又は非連系状態モードで動作し、その電圧入力がない場合には自立運転モードで動作する。連系運転モードの場合、発電装置30は、例えば、電流測定部11の測定結果を参照して、第1接続箇所P1から電力系統1に向かう電力がゼロとなる(即ち、逆潮流しない)ように、供給する発電電力を制御する。また、自立運転モードの場合、発電装置30は、例えば、後述する自立接続経路での負荷電力に等しい発電電力を供給する。非連系状態モードについては後述する。
【0046】
接続切替部12は、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路を、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1に対して接続された状態の連系接続経路と、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1から電気的に切り離された状態の自立接続経路との何れか一方に切り替える。更に、接続切替部12は、正常状態の場合、一般電力負荷装置4と重要電力負荷装置5とを上記連系接続経路に接続し、異常状態の場合、重要電力負荷装置5を上記自立接続経路に接続するように、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路を切り替えている。
【0047】
電力線2の第2接続箇所P2には、一以上の電力負荷装置を含む第1負荷装置群(一般電力負荷装置4)が接続される。
電源システムは、第1負荷装置群には含まれない一以上の電力負荷装置を含む第2負荷装置群(重要電力負荷装置5)が接続される第1接続線17を備える。また、電源システムは、第2接続線7を備える。
一般電力負荷装置4は本発明の「一以上の電力負荷装置を含む第1負荷装置群」に対応し、重要電力負荷装置5は本発明の「第1負荷装置群には含まれない一以上の電力負荷装置を含む第2負荷装置群」に対応する。
【0048】
本実施形態の接続切替部12は、第1切替部13と第2切替部14とを備える。第1切替部13は、発電装置30と電力線2の第1接続箇所P1との間に設けられる。第2切替部14は、第2接続箇所P2と充放電装置20と重要電力負荷装置5との間に設けられる。
【0049】
第1切替部13は、発電装置30に接続される接点aと、電力線2の第1接続箇所P1に接続される接点bと、第2接続線7を介して第1接続線17に接続される接点cとを有する。第1切替部13の接点aは、発電装置30の電力変換部32と電力消費部33と信号検出部35とに接続される。そして、第1切替部13は、接点aと接点bとが接続される状態、及び、接点aと接点cとが接続される状態の何れか一方に切り替えられる。
【0050】
第2切替部14は、スイッチ14aとスイッチ14bとを有する。スイッチ14aは、接点aと接点bとが接続される状態と、接点aと接点cとが接続される状態とに切り替わる。スイッチ14bは、接点aと接点bとが接続される状態と、接点aと接点cとが接続される状態とに切り替わる。
【0051】
スイッチ14aの接点aは充放電装置20に接続され、スイッチ14aの接点bは電力線2の第2接続箇所P2及びスイッチ14bの接点cに接続され、スイッチ14aの接点cはスイッチ14bの接点bに接続される。
スイッチ14bの接点aは第1接続線17を介して重要電力負荷装置5及び第2接続線7に接続され、スイッチ14bの接点bはスイッチ14aの接点cに接続され、スイッチ14bの接点cは電力線2の第2接続箇所P2及びスイッチ14aの接点bに接続される。
【0052】
接続切替部12の動作は充放電装置20の充放電制御部23が制御する。
具体的には、充放電制御部23は、接続切替部12によって、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路を連系接続経路に切り替え、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、充放電装置20と発電装置30との接続経路を自立接続経路に切り替えるように構成される。
【0053】
信号発生部24及び信号検出部35は、例えば、PLC(Power Line Communication)機器を用いて実現される。そして、このPLC機器としての信号発生部24及び信号検出部35が、上述した連系接続経路及び自立接続経路を構成する電圧線に接続されて、後述する自立信号の送受信が可能になる。信号発生部24は、異常状態の場合に、自立接続経路を構成する電圧線に自立信号を出力し、正常状態の場合に、自立信号を出力しない。信号検出部35は、少なくとも異常状態の場合に自立接続経路を構成する電圧線に接続される。
【0054】
図1は、電源システムにおいて電力系統1が正常状態である場合の例を示す図である。図示するように、充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して、電力系統1が正常状態であると判断している場合、第1切替部13を接点aと接点bとが接続される状態に切り替え、且つ、第2切替部14のスイッチ14aの接点aと接点bとが接続される状態に切り替え、且つ、第2切替部14のスイッチ14bの接点aと接点cとが接続される状態に切り替える。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1に対して接続された状態の連系接続経路に切り替わる。つまり、
図1に示す電源システムにおいて、連系接続経路は、発電装置30と第1切替部13と第1接続箇所P1と第2接続箇所P2と第2切替部14と充放電装置20とを接続する経路に設定される。この場合、一般電力負荷装置4及び重要電力負荷装置5もその連系接続経路に接続されて電力が供給される。
【0055】
図2は、電源システムにおいて電力系統1が異常状態である場合の例を示す図である。図示するように、充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して、電力系統1が異常状態であると判断している場合、第1切替部13を接点aと接点cとが接続される状態に切り替え、且つ、第2切替部14のスイッチ14aの接点aと接点cとが接続される状態に切り替え、且つ、第2切替部14のスイッチ14bの接点aと接点bとが接続される状態に切り替える。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1から電気的に切り離された状態の自立接続経路に切り替わる。つまり、
図2に示す電源システムにおいて、自立接続経路は、発電装置30と第1切替部13と第2接続線7と第1接続線17と第2切替部14と充放電装置20とを接続する経路に設定される。この場合、重要電力負荷装置5はその自立接続経路に接続されて電力が供給されるが、一般電力負荷装置4は自立接続経路から電気的に切り離されて電力が供給されない。また、自立接続経路を構成する電圧線には、信号発生部24及び信号検出部35も接続される。
【0056】
尚、接続切替部12が正常に動作しない場合もあり得る。図示は省略するが、異常状態の場合、第1切替部13が、本来は接点aと接点cとが接続されるべきところを、接点aと接点bとが接続される可能性がある。この場合、発電装置30と充放電装置20が接続されないため、発電装置30が発電電力を供給すると、その電力が電力系統1側に供給される可能性がある。
【0057】
〔第2の電源システム〕
図3及び
図4は、第2の電源システムの構成を示す図である。図示するように、第2の電源システムは、充放電装置20と発電装置30と接続切替部12とを備える。具体的には、電力線2が電力系統1に接続される。電力線2の第1接続箇所P1には、充放電装置20が第3切替部15を介して接続される。電力線2の第2接続箇所P2には、発電装置30及び電力負荷装置3が接続される。
電力負荷装置3は、本発明の「一以上の電力負荷装置を含む負荷装置群」に対応する。
【0058】
充放電装置20は、上記第1の電源システムと同様であり、蓄電部21と電力変換部22と充放電制御部23と信号発生部24とを備える。充放電装置20には、第1接続箇所P1よりも上流側、即ち、電力系統1側で、電力線2の電力の電圧を測定する電圧測定部9の測定結果と、第1接続箇所P1よりも上流側で、電力線2の電力の電流を測定する電流測定部10の測定結果とが伝達される。また、後述するように、充放電装置20は、第3切替部15を備える。第3切替部15と信号発生部24との間には、ノイズ防止用トランス部25が設けられている。
【0059】
充放電装置20の充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態であるか、又は、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態であるかを判定する。
【0060】
充放電装置20の充放電制御部23は、電流測定部10の測定結果を参照して、電力系統1から第1接続箇所P1に向かう電力を測定する。充放電装置20は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態である場合には連系運転モードで動作し、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態である場合には自立運転モードで動作する。連系運転モードの場合、充放電装置20は、例えば、電流測定部10の測定結果を参照して、電力系統1から第1接続箇所P1に向かう電力がゼロになるように、充電電力又は放電電力を制御する。また、自立運転モードの場合、充放電装置20は、例えば、後述する自立接続経路での電力の電圧及び周波数を所定の値に維持するように、充電電力又は放電電力を制御する。
【0061】
発電装置30は、上記第1の電源システムと同様であり、発電部31と電力変換部32と電力消費部33と発電制御部34と信号検出部35とを備える。発電装置30には、第4切替部16と第2接続箇所P2との間で、電力線2の電力の電流を測定する電流測定部11の測定結果とが伝達される。
【0062】
発電装置30の発電制御部34は、電流測定部11の測定結果を参照して、第4切替部16から第2接続箇所P2に向かう電力を測定する。例えば、発電制御部34は、電流測定部11から伝達される電流値と、所定の電圧値(例えば100V、200V等)との積から、電力値を導出できる。そして、発電制御部34は、電流測定部11の測定結果を参照して、発電装置30から供給する発電電力を制御する。
【0063】
発電装置30は、発電装置30が接続されている線路への電圧入力がある場合には連系運転モード又は非連系状態モードで動作し、その電圧入力がない場合には自立運転モードで動作する。連系運転モードの場合、発電装置30は、例えば、電流測定部11の測定結果を参照して、電力系統1から第1接続箇所P1に向かう電力がゼロとなる(即ち、逆潮流しない)ように、供給する発電電力を制御する。また、自立運転モードの場合、発電装置30は、例えば、後述する自立接続経路での負荷電力に等しい発電電力を供給する。非連系状態モードについては後述する。
【0064】
接続切替部12は、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路を、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1に対して接続された状態の連系接続経路と、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1から電気的に切り離された状態の自立接続経路との何れか一方に切り替える。更に、接続切替部12は、正常状態の場合、電力負荷装置3を上記連系接続経路に接続し、異常状態の場合、電力負荷装置3を上記自立接続経路に接続するように、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路を切り替える。
【0065】
本実施形態の接続切替部12は、第3切替部15と第4切替部16とを備える。第3切替部15は、充放電装置20と電力線2の第1接続箇所P1との間に設けられる。第4切替部16は、電力線2の途中の、第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間に設けられる。
【0066】
第3切替部15は、充放電装置20の電力変換部22に接続される接点aと、電力線2の第1接続箇所P1に接続される接点bと、ノイズ防止用トランス部25及び接続線6を介して第4切替部16に接続される接点cとを有する。そして、第3切替部15は、接点aと接点bとが接続される状態、及び、接点aと接点cとが接続される状態の何れか一方に切り替えられる。
【0067】
第4切替部16は、電力線2の第2接続箇所P2に接続される、即ち、電力負荷装置3及び発電装置30に接続される接点aと、接続線6及びノイズ防止用トランス部25を介して第3切替部15に接続される接点bと、電力線2の第1接続箇所P1に接続される接点cとを有する。そして、第4切替部16は、接点aと接点bとが接続される状態、及び、接点aと接点cとが接続される状態の何れか一方に切り替えられる。
【0068】
接続切替部12の動作は充放電装置20の充放電制御部23が制御する。
具体的には、充放電制御部23は、接続切替部12によって、電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態の場合、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路を連系接続経路に切り替え、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態の場合、充放電装置20と発電装置30との接続経路を自立接続経路に切り替えるように構成される。
【0069】
図3は、第2の電源システムにおいて電力系統1が正常状態である場合の例を示す図である。図示するように、充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して、電力系統1が正常状態であると判断している場合、第3切替部15を接点aと接点bとが接続される状態に切り替え、且つ、第4切替部16を接点aと接点bとが接続される状態に切り替える。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1に対して接続された状態の連系接続経路に切り替わる。つまり、
図3に示す電源システムにおいて、連系接続経路は、充放電装置20と第3切替部15と第1接続箇所P1と第4切替部16と第2接続箇所P2と発電装置30とを接続する経路に設定される。
【0070】
図4は、第2の電源システムにおいて電力系統1が異常状態である場合の例を示す図である。図示するように、充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して、電力系統1が異常状態であると判断している場合、第3切替部15を接点aと接点cとが接続される状態に切り替え、且つ、第4切替部16を接点aと接点cとが接続される状態に切り替える。その結果、充放電装置20と発電装置30との間の接続経路が、充放電装置20及び発電装置30が互いに接続され且つ電力系統1から電気的に切り離された状態の自立接続経路に切り替わる。つまり、
図4に示す電源システムにおいて、自立接続経路は、充放電装置20と第3切替部15とノイズ防止用トランス部25と接続線6と第4切替部16と第2接続箇所P2と発電装置30とを接続する経路に設定される。また、自立接続経路を構成する電圧線には、信号発生部24及び信号検出部35も接続される。
【0071】
尚、接続切替部12が正常に動作しない場合もあり得る。図示は省略するが、異常状態の場合、第4切替部16が、本来は接点aと接点cとが接続されるべきところを、接点aと接点bとが接続される可能性がある。この場合、発電装置30と充放電装置20が接続されないため、発電装置30が発電電力を供給すると、その電力が電力系統1側に供給される可能性がある。
【0072】
図5は、充放電装置20の動作制御を説明するフローチャートである。
工程#10において充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して電力系統1が正常状態であるか否かを判定する。そして、充放電制御部23は、電力系統1が正常状態である場合には工程#13に移行して充放電装置20を連系運転モードで動作させ、電力系統1が異常状態である場合には工程#11に移行して充放電装置20を自立運転モードで動作させる。
【0073】
第1の電源システムの場合、充放電制御部23は、充放電装置20を連系運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図1に示したような状態に切り替え、充放電装置20を自立運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図2に示したような状態に切り替える。
【0074】
第2の電源システムの場合、充放電制御部23は、充放電装置20を連系運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図3に示したような状態に切り替え、充放電装置20を自立運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図4に示したような状態に切り替える。
【0075】
工程#12において充放電制御部23は、信号発生部24から自立接続経路へ、予め定められた自立信号を、電力系統1が異常状態であると判定している間、連続して或いは設定タイミング毎に送信する。信号発生部24が出力する自立信号は、充放電装置20の記憶部(図示せず)に予め記憶されている。本実施形態において、自立信号は、例えば、充放電装置20が自立運転モードで動作していることを示すための信号である。
【0076】
充放電装置20の信号発生部24が出力する自立信号は、発電装置30と充放電装置20との間で供給される交流電力の波形とは区別できる信号、例えば、特定の周波数の信号であればよい。言い換えると、自立信号は、振幅の大小変化及び周波数の高低変化の少なくとも一方を含む信号などである。一例を挙げると、信号発生部24は、振幅が12Vで周波数が80Hzの正弦波などの電圧信号や、+5Vの状態と-5Vの状態とを例えば1秒毎に切り替え続ける方形波などの電圧信号などを、連続して或いは設定タイミング毎に出力する。或いは、信号発生部24は、モールス信号で特定の1文字又は複数文字(例えば、a,b,c,dの組み合わせ等)を表す信号パターンを自立信号として、連続して或いは設定タイミング毎に出力する。
【0077】
充放電装置20の信号発生部24が出力する予定の自立信号は、発電装置30の記憶部(図示せず)に予め記憶されている。その結果、発電制御部34は、信号検出部35が上記自立信号等の所定の信号を検出しているか否かを判定できる。尚、発電装置30に自立信号が予め記憶されていない場合であってもよい。その場合、発電装置30の発電制御部34は、交流電力の波形と異なる波形或いは周波数の信号を検出した場合に、それが自立信号であると判定してもよい。
【0078】
図6は、発電装置30の動作制御を説明するフローチャートである。
工程#20において、発電制御部34は、発電装置30に電圧入力があるか否かを判定する。例えば、発電制御部34は、電力変換部32で検出される電圧を参照して、発電装置30に電圧入力があるか否かを判定できる。発電装置30に電圧入力がない場合というのは、電力系統1及び充放電装置20の何れからも電力が供給されていない場合を意味し、その場合には発電制御部34は工程#28に移行して自立運転モードで動作する。例えば、
図2に示す状態において充放電装置20の蓄電残量(SOC:state of charge)がゼロの場合、発電装置30には電力系統1及び充放電装置20の何れからも電力が供給されないが、自立運転モードで動作している発電装置30の発電電力は重要電力負荷装置5に供給される。
【0079】
それに対して、発電装置30に電圧入力がある場合、即ち、電力系統1及び充放電装置20の少なくとも一方から電力が供給されている場合、発電制御部34は工程#21に移行して、電力消費部33での消費電力を変更し、工程#22において電流測定部11に流れる電流が変化するか否かを判定する。
【0080】
例えば、
図1及び
図2に示す第1の電源システムの場合、電力系統1が正常状態であれば、電力消費部33での消費電力を変更すると、電流測定部11で測定される電流が変化するはずである。それに対して、電力系統1が異常状態であれば、電力消費部33での消費電力を変更しても、電流測定部11で測定される電流は変化しないはずである。
【0081】
図3及び
図4に示す第2の電源システムの場合、電力系統1が正常状態であれば、電力消費部33での消費電力を変更すると、電流測定部11で測定される電流が変化するはずである。また、電力系統1が異常状態であっても、充放電装置20から電力供給は行われているので、電力消費部33での消費電力を変更すると、電流測定部11で測定される電流は変化するはずである。
【0082】
そして、発電制御部34は、電流測定部11に流れる電流が変化しない場合、工程#23に移行する。それに対して、発電制御部34は、電流測定部10に流れる電流が変化する場合、工程#30に移行する。
【0083】
工程#23において発電制御部34は、発電電力の供給を停止する。つまり、電力消費部33での消費電力を変化させても、電流測定部11で測定される電流が変化しない場合、即ち、正常状態の電力系統1に対して発電装置30が接続されているとは言えない場合、このフローチャートでは発電装置30からの発電電力の供給を停止させている。
【0084】
次に、工程#24において発電制御部34は、信号検出部35が所定の自立信号を受信したか否かを判定する。そして、発電制御部34は、信号検出部35が自立信号を受信した場合には工程#25に移行し、信号検出部35が自立信号を受信していない場合には、発電電力の供給を停止したままの状態で、即ち、出力電力をゼロに調節して(工程#26)このフローチャートの最初にリターンする。
【0085】
工程#25は、第1の電源システムが
図2に示した状態になっている場合を想定している。工程#25において発電制御部34は、信号検出部35が自立信号を検出している場合には、発電装置30の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節する非連系状態モードで動作する。例えば、発電制御部34は、
図2に示した第1の電源システムにおいて、電流測定部11の測定結果を無視し、定格発電電力の例えば75%又は50%などの所定の電力を出力することを供給電力決定ルールとする非連系状態モードで動作する。その結果、発電制御部34は、充放電装置20と発電装置30とが自立接続経路を介して互いに接続されている状態にあることを確認した上で、発電電力を重要電力負荷装置5へ供給できる。
【0086】
工程#30において発電制御部34は、信号検出部35が所定の自立信号を受信したか否かを判定する。そして、発電制御部34は、信号検出部35が自立信号を受信した場合には工程#31に移行し、発電装置30の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節する非連系状態モードで動作する。工程#31は、第2の電源システムが
図4に示した状態になっている場合を想定している。例えば、発電制御部34は、
図4に示した第2の電源システムにおいて、電流測定部11の測定結果を無視し、定格発電電力の例えば75%又は50%などの所定の電力を出力することを供給電力決定ルールとする非連系状態モードで動作する。或いは、発電制御部34は、
図4に示した第2の電源システムにおいて、電流測定部11の測定結果を参照して、第2接続箇所P2から第4切替部16に向かう電力をゼロとするように発電電力を供給することを供給電力決定ルールとする非連系状態モードで動作する。
【0087】
それに対して、工程#32において発電制御部34は、信号検出部35が自立信号を受信していない場合、即ち、第2の電源システムが
図3に示す状態になっている場合には、連系運転モードで動作させる。
【0088】
<第2実施形態>
第2実施形態の電源システムは、複数種の自立信号が用いられる点で上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の電源システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0089】
本実施形態において、充放電装置20の記憶部(図示せず)には、互いに区別できる複数の自立信号が予め記憶されている。例えば、蓄電部21の蓄電残量が所定の閾値以上の場合に信号発生部24が出力するための自立信号と、蓄電部21の蓄電残量が上記閾値未満の場合に信号発生部24が出力するための自立信号とが記憶されている。また、発電装置30の記憶部(図示せず)にも、充放電装置20の信号発生部24が出力する予定の複数の自立信号が予め記憶されている。その結果、発電制御部34は、信号検出部35が検出した信号が、蓄電部21の蓄電残量が所定の閾値以上の状態で出力された自立信号であるのか、或いは、蓄電部21の蓄電残量が上記閾値未満の状態で出力された自立信号であるのかを判定できる。
【0090】
そして、発電装置30は、信号検出部35が検出した自立信号が、充放電装置20の蓄電残量が上記閾値以上であることを示す場合には、発電装置30の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節し、信号検出部35が検出した自立信号が、充放電装置20の蓄電残量が上記閾値未満であることを示す場合には、発電装置30の出力電力を上記供給電力決定ルールで定まる値以上の値に調節するように構成されている。
【0091】
図7は、充放電装置20の動作制御を説明するフローチャートである。
工程#40において充放電制御部23は、電圧測定部9の測定結果を参照して電力系統1が正常状態であるか否かを判定する。そして、充放電制御部23は、電力系統1が正常状態である場合には工程#45に移行して充放電装置20を連系運転モードで動作させ、電力系統1が異常状態である場合には工程#41に移行して充放電装置20を自立運転モードで動作させる。
【0092】
第1の電源システムの場合、充放電制御部23は、充放電装置20を連系運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図1に示したような状態に切り替え、充放電装置20を自立運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図2に示したような状態に切り替える。
【0093】
第2の電源システムの場合、充放電制御部23は、充放電装置20を連系運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図3に示したような状態に切り替え、充放電装置20を自立運転モードで動作させる場合には接続切替部12を
図4に示したような状態に切り替える。
【0094】
次に、工程#42において充放電制御部23は、蓄電部21の蓄電残量が予め記憶してある所定の閾値(例えば、SOC=80%など)以上であるか否かを判定する。そして、充放電制御部23は、蓄電残量が上記閾値以上である場合には工程#43に移行し、蓄電残量が上記閾値未満である場合には工程#44に移行する。
【0095】
工程#43において充放電制御部23は、信号発生部24から、蓄電部21の蓄電残量が上記閾値以上の場合のために予め定められた自立信号を、電力系統1が異常状態であると判定している間、連続して或いは設定タイミング毎に送信する。それに対して、工程#44において充放電制御部23は、信号発生部24から、蓄電部21の蓄電残量が上記閾値未満の場合のために予め定められた自立信号を、電力系統1が異常状態であると判定している間、連続して或いは設定タイミング毎に送信する。
【0096】
つまり、信号発生部24は、蓄電部21の蓄電残量が所定の閾値以上の場合と閾値未満の場合とで、自立信号の波形を異ならせている。例えば、蓄電部21の蓄電残量が上記閾値以上の場合のために予め定められた自立信号の例として、+5Vの状態と0Vの状態とを例えば1秒毎に切り替え続ける波形の電圧信号を採用し、蓄電部21の蓄電残量が上記閾値未満の場合のために予め定められた自立信号として、-5Vの状態と0Vの状態とを例えば1秒毎に切り替え続ける波形の電圧信号を採用できる。
【0097】
図8は、発電装置30の動作制御を説明するフローチャートである。
工程#50において、発電制御部34は、発電装置30に電圧入力があるか否かを判定する。例えば、発電制御部34は、電力変換部32で検出される電圧を参照して、発電装置30に電圧入力があるか否かを判定できる。発電装置30に電圧入力がない場合というのは、電力系統1及び充放電装置20の何れからも電力が供給されていない場合を意味し、その場合には発電制御部34は工程#59に移行して自立運転モードで動作する。
【0098】
それに対して、発電装置30に電圧入力がある場合、即ち、電力系統1及び充放電装置20の少なくとも一方から電力が供給されている場合、発電制御部34は工程#51に移行して、電力消費部33での消費電力を変更し、工程#52において電流測定部11に流れる電流が変化するか否かを判定する。
【0099】
そして、発電制御部34は、電流測定部11に流れる電流が変化しない場合、工程#53に移行する。それに対して、発電制御部34は、電流測定部11に流れる電流が変化する場合、工程#60に移行する。
【0100】
工程#53において発電制御部34は、発電電力の供給を停止する。つまり、電力消費部33での消費電力を変化させても、電流測定部11で測定される電流が変化しない場合、即ち、正常状態の電力系統1に対して発電装置30が接続されているとは言えない場合、このフローチャートでは発電装置30からの発電電力の供給を停止させている。
【0101】
次に、工程#54において発電制御部34は、信号検出部35が所定の自立信号を受信したか否かを判定する。そして、発電制御部34は、信号検出部35が自立信号を受信した場合には工程#55に移行し、信号検出部35が自立信号を受信していない場合には、発電電力の供給を停止したままの状態で、即ち、出力電力をゼロに調節して(工程#58)このフローチャートの最初にリターンする。
【0102】
工程#55において発電制御部34は、受信した自立信号が、蓄電部21の蓄電残量が閾値以上であることを示す場合には工程#56に移行し、受信した自立信号が、蓄電部21の蓄電残量が閾値未満であることを示す場合には工程#57に移行する。
【0103】
工程#56において発電制御部34は、発電装置30の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節させる非連系状態モードで動作する。例えば、上記第1実施形態で説明したのと同様に、発電制御部34は、
図2に示した第1の電源システムにおいて、電流測定部11の測定結果を無視し、定格発電電力の例えば75%又は50%などの所定の電力を出力することを供給電力決定ルールとする非連系状態モードで動作する。
【0104】
それに対して、工程#57において発電制御部34は、発電装置30の出力電力を上記供給電力決定ルールで定まる値以上の値に調節する非連系状態モード(出力電力増加あり)で動作する。例えば、発電制御部34は、非連系状態モード(出力電力増加あり)の場合、上記供給電力決定ルールで定まる値と同じ又はそれよりも例えば100W、200Wなどの所定値だけ大きい電力を出力する。その結果、充放電装置20の放電電力が小さく又は充電電力が大きくなり、充放電装置20の蓄電部21の蓄電残量の増加度合いは大きく又は減少度合いは小さくなることを期待できる。
【0105】
また、工程#60において発電制御部34は、信号検出部35が所定の自立信号を受信したか否かを判定する。そして、発電制御部34は、信号検出部35が自立信号を受信した場合には工程#61に移行し、信号検出部35が自立信号を受信していない場合には、工程#64に移行して連系運転モードで動作させる。
【0106】
工程#61において発電制御部34は、受信した自立信号が、蓄電部21の蓄電残量が閾値以上であることを示す場合には工程#62に移行し、受信した自立信号が、蓄電部21の蓄電残量が閾値未満であることを示す場合には工程#63に移行する。
【0107】
工程#62において発電制御部34は、発電装置30の出力電力を所定の供給電力決定ルールで定まる値に調節させる非連系状態モードで動作する。例えば、発電制御部34は、
図4に示した第2の電源システムにおいて、電流測定部11の測定結果を無視し、定格発電電力の例えば75%又は50%などの所定の電力を出力することを供給電力決定ルールとする非連系状態モードで動作する。或いは、発電制御部34は、
図4に示した第2の電源システムにおいて、電流測定部11の測定結果を参照して、第2接続箇所P2から第4切替部16に向かう電力をゼロとするように発電電力を供給することを供給電力決定ルールとする非連系状態モードで動作する。
【0108】
それに対して、工程#63において発電制御部34は、上記工程#57の場合と同様に、発電装置30の出力電力を上記供給電力決定ルールで定まる値以上の値に調節する非連系状態モード(出力電力増加あり)で動作する。例えば、発電制御部34は、
図4に示した第2の電源システムにおいて、非連系状態モード(出力電力増加あり)の場合、上記供給電力決定ルールで定まる値と同じ又はそれよりも例えば100W、200Wなどの所定値だけ大きい電力を出力する。その結果、充放電装置20の放電電力が小さく又は充電電力が大きくなり、充放電装置20の蓄電部21の蓄電残量の増加度合いは大きく又は減少度合いは小さくなることを期待できる。
【0109】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、電源システム、充放電装置、発電装置、及び、信号発生装置の構成について具体例を挙げて説明したが、それらの構成は適宜変更可能である。
例えば、
図1及び
図2には、第2切替部14が充放電装置20とは別体で構成される状態を示したが、例えば第2切替部14が充放電装置20と一体で構成されてもよい。また、
図3及び
図4には、第3切替部15が充放電装置20と一体で構成される状態を示したが、例えば第3切替部15が充放電装置20とは別体で構成されてもよい。
【0110】
<2>
上記実施形態では、自立信号の波形例について具体的な数値を例示して説明したが、それらの数値は例示目的で記載したものであり、適宜変更可能である。
【0111】
<3>
上記実施形態では、充放電装置20及び発電装置30のそれぞれの連系運転モード及び自立運転モード、並びに、発電装置30の非連系状態モードについて具体例を挙げて説明したが、それらは例示目的で記載したものであり、適宜変更可能である。
【0112】
<4>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、充放電装置と発電装置とが互いに接続されている状況下で必要に応じて発電装置から電力を供給させる電源システムに利用できる。
【符号の説明】
【0114】
1 電力系統
3 電力負荷装置(負荷装置群)
4 一般電力負荷装置(第1負荷装置群)
5 重要電力負荷装置(第2負荷装置群)
12 接続切替部
13 第1切替部(接続切替部)
14 第2切替部(接続切替部)
15 第3切替部(接続切替部)
16 第4切替部(接続切替部)
20 充放電装置
24 信号発生部
30 発電装置
35 信号検出部