特開 2022-149855 パチンコ遊技機及びその演出装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022149855

(43)【公開日】2022-10-07

(54)【発明の名称】パチンコ遊技機及びその演出装置

(51)【国際特許分類】

   A63F 7/02 20060101AFI20220929BHJP

【ＦＩ】

A63F7/02 304D

A63F7/02 326C

【審査請求】未請求

【請求項の数】8

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021052179

(22)【出願日】2021-03-25

(71)【出願人】

【識別番号】595112915

【氏名又は名称】株式会社ヤマダ

(74)【代理人】

【識別番号】110001184

【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ

(72)【発明者】

【氏名】山田 将人

(72)【発明者】

【氏名】大上 英章

(72)【発明者】

【氏名】松岡 輝

【テーマコード（参考）】

2C088

【Ｆターム（参考）】

2C088BC07

2C088BC10

2C088BC22

2C088BC25

2C088DA09

2C088DA23

2C088EA26

2C088EB55

(57)【要約】

【課題】 遊技盤での遊技に対応した演出装置を遊技盤と別個に設計可能とし得るパチンコ遊技機及びその演出装置の提供。
【解決手段】 遊技球を表面に沿って転動させる遊技盤での遊技内容に基づいて動作する演出装置を含むパチンコ遊技機である。遊技盤を含む遊技装置本体は筐体内部に設けられて、演出装置は筐体の外部にあって遊技装置本体と別区画に設けられていることを特徴とする。演出装置は、遊技球を表面に沿って転動させる遊技盤での遊技内容に基づいて動作するパチンコ遊技機の演出装置である。遊技場に取り付けられる枠体の内側に遊技盤を含む遊技装置本体とともに設けられ、一体として遊技装置本体から分離可能に設けられることを特徴とする。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

遊技球を転動させる遊技盤での遊技内容に基づいて動作する演出装置を含むパチンコ遊技機であって、
前記遊技盤を含む遊技装置本体は筐体内部に設けられて、前記演出装置は前記筐体の外部にあって前記遊技装置本体と別区画に設けられていることを特徴とするパチンコ遊技機。

【請求項2】

前記遊技装置本体及び前記演出装置は遊技場に取り付けられる枠体の内側に設けられ、前記演出装置が一体として前記遊技装置本体から分離可能に設けられていることを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機。

【請求項3】

前記演出装置を一体とする共通フレームを含むことを特徴とする請求項２記載のパチンコ遊技機。

【請求項4】

前記演出装置は前記枠体の前方から着脱自在であることを特徴とする請求項３記載のパチンコ遊技機。

【請求項5】

前記遊技装置本体は、前記遊技球を前記筐体内部で循環させて継続的に遊技を行わせしめ得ることを特徴とする請求項１乃至４のうちの１つに記載のパチンコ遊技機。

【請求項6】

遊技球を表面に沿って転動させる遊技盤での遊技内容に基づいて動作するパチンコ遊技機の演出装置であって、
遊技場に取り付けられる枠体の内側に前記遊技盤を含む遊技装置本体とともに設けられ、一体として前記遊技装置本体から分離可能に設けられることを特徴とするパチンコ遊技機の演出装置。

【請求項7】

前記遊技装置本体から分離可能な共通フレームに取り付け可能であることを特徴とする請求項６記載のパチンコ遊技機の演出装置。

【請求項8】

前記共通フレームは前記枠体の前方から前記遊技装置本体に着脱自在であることを特徴とする請求項６又は７に記載のパチンコ遊技機の演出装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、遊技盤での遊技に対応した演出装置を遊技盤と別個に設計可能とし得るパチンコ遊技機及びその演出装置に関する。

【背景技術】

【0002】

遊技球を転動させて遊技を行う遊技盤を含むパチンコ遊技機において、該遊技盤での遊技内容に基づいて動作を行う演出装置の設計の自由度はその大きさや遊技球の取り扱いに関連するルールを数多く有する遊技盤と比較してより高く、演出装置がパチンコ遊技機の個性をより強く特徴付けるようになってきている。

【0003】

各種演出装置のうち、センター役物と称される遊技盤中央の表示装置の如きを含む演出装置は、遊技内容の表示の中核をなし遊技者の最も視認する箇所でもある。そこで、センター役物における設計の斬新さを訴えた提案が数多くなされている。

【0004】

例えば、特許文献１では、表示パネルとその周囲を装飾する演出装置本体とからなるセンター役物において、該演出装置本体が遊技盤に固定されたベースユニットに対して着脱自在に取り付けられる遊技機を開示している。演出装置本体をベースユニットの表示パネルと分離させて着脱自在として交換できるようにすることで、遊技機のデザインのバラエティさを豊富にできるとしている。ここでは、ベースユニットに設けられた第１コネクタハウジングに、演出装置本体に設けられた第２コネクタハウジングが着脱自在に嵌合することで、互いを安定して固定させつつ、同時に第１及び第２コネクタハウジング内に設けられた接続端子同士が接続されて、演出装置本体の動作信号を受けられるようになっている。

【0005】

遊技機のデザインのバラエティさを広げることは、究極的には、遊技機本体をそのままに、他の遊技機であるかのように遊技者に認識させることにもなる。つまり、遊技機本体をそのままに、演出装置を交換して他の遊技機とするリサイクルとも位置付け得る。

【0006】

例えば、特許文献２では、リニューアル時に遊技盤ユニットを交換しても演出効果等のゲーム内容に係るリニューアルが簡単にできるように、遊技機の上部ユニットに交換が不要な電源基板、持球管理基板、球発射装置、発射球供給装置等の交換不要部品を集約して設け、これらをそのまま利用できるようにした遊技機が開示されている。ここでは、リニューアル時に遊技盤ユニットを交換しても、一般的に高価で交換の必要がないディスプレイ等が無用に廃棄されることがないことについても述べている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【特許文献1】特開２００６－２６３０３６号公報

【特許文献2】特開２０２０－４４１４２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

上記したように、遊技盤に比べて演出装置の設計の自由度は高いが、遊技盤の内部に設けられることで、結局は遊技盤からの設計の制約を受けてしまう。そこで、演出装置を遊技盤とは別個に設けることが考慮される。

【0009】

本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、遊技盤での遊技に対応した演出装置を遊技盤と別個に設計可能とし得るパチンコ遊技機及びその演出装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明によるパチンコ遊技機は、遊技球を表面に沿って転動させる遊技盤での遊技内容に基づいて動作する演出装置を含むパチンコ遊技機であって、前記遊技盤を含む遊技装置本体は筐体内部に設けられて、前記演出装置は前記筐体の外部にあって前記遊技装置本体と別区画に設けられていることを特徴とする。

【0011】

また、本発明による演出装置は、遊技球を表面に沿って転動させる遊技盤での遊技内容に基づいて動作するパチンコ遊技機の演出装置であって、遊技場に取り付けられる枠体の内側に前記遊技盤を含む遊技装置本体とともに設けられ、一体として前記遊技装置本体から分離可能に設けられることを特徴とする。

【0012】

上記した特徴によれば、演出装置の設計を筐体により区画される遊技装置の外部で行うことができて、互いの干渉を効果的に排除し、演出装置の変更にかかわらず、遊技盤を別個に設計可能とできるのである。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】本発明による１つの実施例におけるパチンコ遊技機の正面図である。

【図2】本発明による１つの実施例におけるパチンコ遊技機の上面図である。

【図3】遊技機に用いられる本体枠の正面図である。

【図4】本発明による１つの実施例におけるパチンコ遊技機の側面図である

【図5】本発明による１つの実施例におけるパチンコ遊技機の分解側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0014】

本発明による１つの実施例としてのパチンコ遊技機及びその演出装置について、図１乃至図５を用いて説明する。

【0015】

図１及び図２に示すように、パチンコ遊技機である遊技機１は、図示しない遊技場内の島設備に設置される枠体である外枠２の内側に取り付けられる。遊技機１は、外枠２に対して開閉自在に取り付けられた本体枠５と、本体枠５に対し開閉自在に組み込まれた遊技装置本体１ａとを含む。遊技装置本体１ａは、筐体１５（図５参照）の内部に備えられるとともに、本体枠５に対して上部に空間を設けるよう下側に備えられる。一方、演出装置１ｂは上部に設けられた空間に収容される。つまり、演出装置１ｂは、遊技装置本体１ａの筐体１５の外部にあって遊技装置本体１ａとは別区画に設けられている。なお、以降において方向を示す場合、図示するように遊技機１に正対する遊技者から見た方向を用いる。

【0016】

遊技装置本体１ａは、中央に開口３ａを有する前面扉３を備え、左側端部を回動軸として手前側に開くことができる。前面扉３には、さらに、開口３ａを閉塞しつつ遊技領域１９を遊技者に視認させる透明板６と、遊技球を発射させるために操作されるハンドル７と、遊技球を貯留する上皿８と、下皿９とが取り付けられている。

【0017】

遊技装置本体１ａには、前面扉３に嵌めこまれた透明板６との間に遊技領域１９を形成してその表面に沿って遊技球を転動させる遊技盤１０が固定される。遊技盤１０には、さらに、スタートチャッカー１３やアタッカー１４などの入賞口、その他図示しない入賞口、釘や役物などが設けられ、その表面に沿って遊技領域１９内を転動しつつ落下させる遊技球の経路を振り分けることができる。なお、遊技装置本体１ａは、演出装置１ｂなしでも単体で遊技球を扱い遊技を進行させることを可能とする。

【0018】

一方、演出装置１ｂは、遊技盤１０での遊技内容に基づいて動作するようにされている。例えば、演出装置１ｂは、液晶表示装置による第１演出部１２や、ＬＥＤによって入賞や抽選に関する演出を行う第２演出部４、その他図示しないスピーカによる音声演出を行う演出部を備える。第１演出部１２は、例えば、遊技盤１０上の入賞口等への入賞に伴う大当たりの抽選処理の結果について演出を伴って表示して遊技者に通知することができる。なお、演出装置１ｂの演出部や演出内容については特に制限はなく、他の組み合わせとしてもよい。

【0019】

図３を併せて参照すると、遊技装置本体１ａ及び演出装置１ｂの取り付けられる本体枠５は、外枠２に沿うように正面視で断面を略長方形とされた枠体である。本体枠５は、上方端部及び下方端部にそれぞれ上端横梁５ａ及び下端横梁５ｃを有するとともに、この間に中央横梁５ｂを有する。上端横梁５ａ及び下端横梁５ｃの左側端部には、それぞれ上ヒンジ１１ａ及び下ヒンジ１１ｃが設けられる。上ヒンジ１１ａ及び下ヒンジ１１ｃは、外枠２に組付けられることで左側端部を回動軸Ａ１として本体枠５を外枠２に対して回動自在とさせることができる。また中央横梁５ｂの左側側部近傍には中ヒンジ１１ｂが備えられ、下ヒンジ１１ｃとの間の鉛直軸Ａ２の周囲に回動自在とするよう遊技装置本体１ａを組み付けることができる。

【0020】

そして、本体枠５の内側で下端横梁５ｃ及び中央横梁５ｂの間の下部空間２２に遊技装置本体１ａを収容し、中央横梁５ｂ及び上端横梁５ａの間の上部空間２１に演出装置１ｂを収容する。つまり、遊技装置本体１ａは、本体枠５に対して開閉自在に移動でき、遊技装置本体１ａ及び演出装置１ｂを含む遊技機１は、本体枠５とともに外枠２に対して開閉できる。なお、本体枠５は、外枠２とともに正面視でその断面を楕円などの他の形状とすることもできる。

【0021】

図４及び図５を併せて参照すると、演出装置１ｂは手前側の部分が奥側の部分に比べて左右及び上方に向けて大きくなっており、手前側から奥側に向けてスライドさせるように挿入されることで本体枠５に収容される。つまり、演出装置１ｂは本体枠５の前方（手前側）から着脱自在とされている。このとき、演出装置１ｂは、第１演出部１２や第２演出部４などを一体とする共通フレーム３０（特に図５参照）によって１つにまとめられており、共通フレーム３０を係合させることで本体枠５取り付けられる。これによって、演出装置１ｂは一体として遊技装置本体１ａから分離可能とされる。なお、演出装置１ｂは、遊技装置本体１ａを閉じた状態において前面扉３の上部の手前側にせり出すように設けられている。また、遊技装置本体１ａについても、筐体１５によって一体となり、本体枠５から着脱自在とされている。

【0022】

以上のように、遊技機１においては、遊技装置本体１ａと演出装置１ｂとをそれぞれ別区画に収容させた。これによって、演出装置１ｂを一体として遊技装置本体１ａから分離可能とし、演出装置１ｂの設計を筐体１５により区画される遊技装置本体１ａの外部で行うことができる。その結果、遊技装置本体１ａ及び演出装置１ｂの互いの干渉を効果的に排除し、演出装置１ｂの変更にかかわらず、遊技盤を別個に設計可能とできる。また、遊技装置本体１ａと演出装置１ｂとをともに外枠２及び本体枠５の内側に設けるようにしたことで、現行の遊技場に容易に設置できる。

【0023】

なお、遊技装置本体１ａは、筐体の内部で遊技球を循環させて継続的に遊技を行わせることのできる循環式遊技機によるものとすることも好ましい。この場合、島設備より遊技球を導く遊技球通路が不要となり、遊技装置本体１ａと演出装置１ｂとを完全に分離でき、設計の自由度も向上する。

【0024】

ここまで本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。

【符号の説明】

【0025】

１ 遊技機
１ａ 遊技装置本体
１ｂ 演出装置
２ 外枠
５ 本体枠
１０ 遊技盤

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】