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特開2022-149937情報処理装置、警告方法および警告プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022149937
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、警告方法および警告プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052296
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 良太
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貴史
(72)【発明者】
【氏名】大石 岬
(72)【発明者】
【氏名】亀井 政宏
(72)【発明者】
【氏名】山野 大偉治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】退社予定時刻に間に合う警告を行うこと。
【解決手段】情報処理装置は、利用者の作業の進捗情報を基にして、作業の終了予定時刻を算出する。情報処理装置は、終了予定時刻が、利用者の退社予定時刻よりも後の時刻である場合に、利用者の作業内容に応じた引継ぎ時間と、退社予定時刻とを基にして、警告時刻を算出する。情報処理装置は、警告時刻を基にして、警告を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の作業の進捗情報を基にして、前記作業の終了予定時刻を算出する第1算出部と、
前記終了予定時刻が、前記利用者の退社予定時刻よりも後の時刻である場合に、前記利用者の作業内容に応じた引継ぎ時間と、前記退社予定時刻とを基にして、警告時刻を算出する第2算出部と、
前記警告時刻を基にして、警告を行う警告部と
有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1算出部は、前記作業の全工程を完了するまでに要する作業時間と、前記進捗情報とを基にして、前記終了予定時刻を算出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1算出部は、新たな進捗情報を取得した場合に、前記新たな進捗情報を基にして、前記終了予定時刻を更新する処理を更に実行することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1算出部は、前記利用者の翌日のスケジュールと、所定のインターバルとを基にして、前記退社予定時刻を算出する処理を更に実行することを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1算出部は、利用者が利用する駅の終電時間を基にして、前記退社予定時刻を算出する処理を更に実行することを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する警告方法であって、
利用者の作業の進捗情報を基にして、前記作業の終了予定時刻を算出し、
前記終了予定時刻が、前記利用者の退社予定時刻よりも後の時刻である場合に、前記利用者の作業内容に応じた引継ぎ時間と、前記退社予定時刻とを基にして、警告時刻を算出し、
前記警告時刻を基にして、警告を行う
処理を実行することを特徴とする警告方法。
【請求項7】
コンピュータに、
利用者の作業の進捗情報を基にして、前記作業の終了予定時刻を算出し、
前記終了予定時刻が、前記利用者の退社予定時刻よりも後の時刻である場合に、前記利用者の作業内容に応じた引継ぎ時間と、前記退社予定時刻とを基にして、警告時刻を算出し、
前記警告時刻を基にして、警告を行う
処理を実行させることを特徴とする警告プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従業員は、通常の業務時間内に作業が完了しない場合、残業を行っている。基本的に、従業員が退社する時刻(以下、退社時刻)は、個人に委ねられており、ある程度の残業で退社する従業員もいれば、最終電車に間に合うように退社する従業員もいる。
【0003】
一方、働き方改革の一環として、勤務間インターバル制度が導入され、一日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、従業員の生活時間や、睡眠時間を確保することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-177376号公報
【特許文献2】特開2004-137747号公報
【特許文献3】特開2002-073923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従業員は、自身が参加する会議が翌日の早朝のスケジュールに設定されていても、かかるスケジュールを把握していない場合があり、夜遅くまで残業を継続してしまうこともある。このような状況において、勤務間インターバル制度を導入すると、従業員が会議に参加できない場合があった。
【0006】
ここで、翌日のスケジュールの開始時刻と、インターバルとを基にして、翌日のスケジュールの開始時刻に間に合う退社予定時刻を予め算出し、退社予定時刻となった際に、従業員に退社を警告することが考えられる。しかし、従業員の作業の進捗状況によっては、他の従業員に作業を引き継ぐための時間(以下、引継ぎ時間)を要するため、警告に従って、直ちに帰宅することができない場合があった。
【0007】
また、上記の退社予定時刻は、インターバルに限らず、電車の終電時刻を基に算出することも考えられるが、同様に、引継ぎ時間によって、従業員は、通知された退社予定時刻に帰宅することができない場合がある。
【0008】
1つの側面では、本発明は、退社予定時刻に間に合う警告を行うことができる情報処理装置、警告方法および警告プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の案では、情報処理装置は、利用者の作業の進捗情報を基にして、作業の終了予定時刻を算出する。情報処理装置は、終了予定時刻が、利用者の退社予定時刻よりも後の時刻である場合に、利用者の作業内容に応じた引継ぎ時間と、退社予定時刻とを基にして、警告時刻を算出する。情報処理装置は、警告時刻を基にして、警告を行う。
【発明の効果】
【0010】
退社予定時刻に間に合う警告を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施例に係る情報処理装置の処理を説明するための図である。
図2図2は、本実施例のシステムを示す図である。
図3図3は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、スケジュールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、作業時間テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、作業工程テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7図7は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する情報処理装置、警告方法および警告プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例0013】
図1は、本実施例に係る情報処理装置の処理を説明するための図である。図1に示す横軸は、時間軸である。本実施例に係る情報処理装置は、利用者(従業員等を含む)の作業内容の入力を受け付け、作業内容を基にして、標準作業時間と、引継ぎ時間とを特定する。「標準作業時間」は、作業の開始から終了までに要する時間を示す。「引継ぎ時間」は、作業の引継ぎに要する時間である。標準作業時間、引継ぎ時間は、作業内容固有の時間となる。
【0014】
情報処理装置は、利用者から「退社予定時刻」を受け付ける。なお、情報処理装置は、翌日の利用者のスケジュールと、インターバルとを基にして、退社予定時刻を算出してもよいし、終電時刻を基にして、退社予定時刻を算出してもよい。インターバルは予め設定された時間とする。
【0015】
たとえば、情報処理装置は、ある時刻「t」において、利用者による作業の進捗状況を示す情報(以下、進捗情報)の入力を受け付ける。情報処理装置は、進捗情報と、標準作業時間とを基にして、利用者の作業を完了するまでの残りの時間を特定し、特定した時間と、時刻「t」とを基にして、作業の終了予定時刻を算出する。
【0016】
情報処理装置は、作業の終了予定時刻が、退社予定時刻を超過する場合には、退社予定時刻よりも引継ぎ時間だけ前の時刻を、警告を行う時刻(以下、警告時刻)を算出する。情報処理装置は、警告時刻となった場合には、利用者の端末装置に警告画面を表示することで、利用者の退社を促す。
【0017】
たとえば、終了予定時刻を「t」、退社予定時刻を「t」とすると、利用者の作業が終了する終了予定時刻が、退社予定時刻を超過する。この場合、情報処理装置は、退社予定時刻「t」から引継ぎ時間だけ前の時刻「t」を警告時刻として設定し、警告時刻「t」となった時点で退社を促す警告を行う。
【0018】
このように、本実施例に係る情報処理装置は、作業の進捗情報に応じた終了予定時刻が、利用者の退社予定時刻を超過する場合に、作業を中断して退社するために要する引継ぎ時間を基にして、警告時刻を算出し、警告を行う。これによって、利用者の作業が完了しておらず、引継ぎが発生する場合でも、退社予定時刻に間に合う警告を行うことができる。
【0019】
次に、本実施例に係るシステムの一例について説明する。図2は、本実施例のシステムを示す図である。図2に示すように、このシステムは、端末装置10a,10b,10cと、情報処理装置100とを有する。
【0020】
端末装置10a~10cと、情報処理装置100とは、ネットワーク5を介して相互に接続される。
【0021】
端末装置10a~10cは、利用者の端末装置であり、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)等に対応する。図2では、端末装置10a~10cを示すが、更に他の端末装置を更に含んでいてもよい。以下の説明では、端末装置10a~10cをまとめて、適宜、「端末装置10」と表記する。
【0022】
利用者は、端末装置10を操作して、情報処理装置100にアクセスし、作業内容、退社予定時刻、進捗情報を入力する。端末装置10は、利用者を識別する利用者ID(Identification data)と対応付けて、作業内容、退社予定時刻、進捗情報を、情報処理装置100に送信する。端末装置10は、利用者から新たな進捗情報の入力を受け付けた場合には、受け付けた新たな進捗情報を、利用者IDと対応付けて、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、端末装置10から受け付ける利用者IDを基にして、利用者と、端末装置10とを対応付ける。
【0023】
利用者は、必ずしも、退社予定時刻を入力しなくてもよい。後述するように、利用者が退社予定時刻を入力しない場合には、情報処理装置100が、利用者の退社予定時刻を自動で算出する。
【0024】
次に、図2に示した情報処理装置100の構成の一例ついて説明する。図3は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、この情報処理装置100は、通信部110、記憶部140、制御部150を有する。
【0025】
通信部110は、有線または無線通信によって、端末装置10との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0026】
タイマ115は、現在の日時の情報を、制御部150に出力する装置である。
【0027】
記憶部140は、スケジュールテーブル141、作業時間テーブル142、作業工程テーブル143を有する。記憶部140は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0028】
スケジュールテーブル141は、利用者のスケジュールを保持するテーブルである。図4は、スケジュールテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、このスケジュールテーブル141は、利用者ID、氏名、スケジュール、通勤経路が含まれる。
【0029】
利用者IDは、利用者を一意に識別する情報である。氏名は、利用者の氏名である。スケジュールは、利用者のスケジュールの情報であり、各イベントの開始日時、終了日時が設定される。通勤経路は、利用者の通勤経路に関する情報を含む。たとえば、利用者の通勤経路の情報には、利用者が通勤で利用する乗車駅と降車駅とが含まれる。
【0030】
作業時間テーブル142は、作業内容の作業時間に関する情報を保持するテーブルである。図5は、作業時間テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この作業時間テーブル142は、項番と、作業内容と、作業分類と、標準作業時間と、引継ぎ時間とを有する。
【0031】
項番は、作業時間テーブル142の各レコードを識別する番号である。作業内容は、利用者が実行する作業の内容である。作業分類は、作業内容を分類した場合の分類先を示す。標準作業時間は、該当する作業内容において、作業の開始から作業の終了までに要する合計時間である。引継ぎ時間は、作業の引継ぎに要する時間を示す。作業内容に応じて、引継ぎ時間は異なり、引継ぎ時間が「0」となる作業内容も存在する。
【0032】
作業工程テーブル143は、作業内容において順に実行される複数の作業フェーズに関する情報を保持するテーブルである。図6は、作業工程テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、この作業工程テーブル143は、項番、作業内容、複数の作業フェーズを有する。作業フェーズは、該当する作業フェーズに要する時間が対応付けられる。
【0033】
項番は、作業工程テーブル143の各レコードを識別する番号である。作業内容は、利用者が行う作業の内容である。複数の作業フェーズは、該当する作業内容の作業に含まれる工程であり、作業フェーズf1,f2,f3、・・・fnの順に実行される。なお、端末装置10から送信される進捗情報には、作業フェーズを識別する情報が設定されているものとする。たとえば、作業内容が「ディスクの交換」で、進捗情報に「エラー確認」が設定されている場合、作業フェーズf1となる。
【0034】
図3の説明に戻る。制御部150は、受付部151、第1算出部152、第2算出部153、警告部154を有する。たとえば、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により実現される。また、制御部150は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実行されてもよい。
【0035】
受付部151は、ネットワーク5を介して、端末装置10からのアクセスを受け付ける。受付部151は、端末装置10から、作業内容、退社予定時刻、進捗情報を受け付ける。作業内容、退社予定時刻、進捗情報には、利用者IDが対応付けられる。
【0036】
受付部151は、複数の作業内容の候補を選択可能な画面情報を、端末装置10に表示させ、複数の作業内容の候補から、いずれかの作業内容を選択させることで、作業内容を受け付けてもよい。
【0037】
受付部151は、作業内容と、退社予定時刻と、進捗情報と、利用者IDとを、第1算出部152に出力する。受付部151は、新たな進捗情報を端末装置10から受付けた場合には、新たな進捗情報と、利用者IDとを、第1算出部152に出力する。
【0038】
ところで、受付部151は、端末装置10から、退社予定時刻を受信しない場合には、インターバルまたは終電時刻を基にして、自動で退社予定時刻を算出する。
【0039】
受付部151が、インターバルを基にして、退社予定時刻を算出する場合の処理について説明する。受付部151は、端末装置10から受付けた利用者IDと、スケジュールテーブル141とを基にして、利用者の翌日のスケジュールの情報を取得し、翌日のイベントのうち、最も開始日時の早いイベントを特定する。受付部151は、特定したイベントの開始時間よりも、インターバルだけ前の時刻(日時)を、退社予定時刻として算出する。
【0040】
受付部151が、終電時刻を基にして、退社予定時刻を算出する場合の処理について説明する。受付部151は、端末装置10から受付けた利用者IDと、スケジュールテーブル141とを基にして、利用者の通勤経路の情報を取得し、通勤で利用する最寄り駅の終電時刻を特定する。受付部151は、ネットワーク5を介して、外部装置から、最寄り駅の終電時刻を取得してもよい。受付部151は、最寄り駅の終電時刻と、利用者の勤める会社から、最寄り駅までの距離に基づく移動時間とを基にして、退社予定時刻を算出する。たとえば、受付部151は、最寄り駅の終電時刻よりも、移動時間だけ前の時刻を、退社予定時刻として算出する。
【0041】
第1算出部152は、作業内容および進捗情報を基にして、作業の終了予定時刻を算出する。以下において、第1算出部152の処理の一例について説明する。
【0042】
第1算出部152は、作業内容と、作業時間テーブル142とを基にして、作業内容に対応する標準作業時間を特定する。
【0043】
第1算出部152は、作業内容と、進捗情報と、作業工程テーブル143とを基にして、現在の作業フェーズを特定する。第1算出部152は、最初の作業フェーズから、特定した現在の作業フェーズまでの時間を合計することで、進捗時間を算出する。
【0044】
図6を用いて説明する。作業内容が「ディスクの交換」で、進捗情報に「交換ディスクの取り付け」が設定されている場合、作業フェーズf3となる。第1算出部152は、作業フェーズf1、f2、f3の時間を合計することで、進捗時間(a1+a2+a3)を算出する。
【0045】
第1算出部152は、標準作業時間から、進捗時間を減算することで、残り作業時間を算出する。第1算出部152は、タイマ115から、現在の時刻(日時)を取得し、現在の時刻に、残り時間時間を加算することで、作業の終了予定時刻を算出する。
【0046】
第1算出部152は、利用者IDと、作業内容と、終了予定時刻と、退社予定時刻とを第2算出部153に出力する。第1算出部152は、受付部151から、新たな進捗情報を取得した場合には、上記処理を再度実行し、作業の終了予定時刻を更新し、第2算出部153に出力する。
【0047】
第2算出部153は、利用者IDと、作業内容と、終了予定時刻と、退社予定時刻とを基にして、警告時刻を算出する。以下において、第2算出部153の処理の一例について説明する。
【0048】
第2算出部153は、終了予定時刻と、退社予定時刻とを比較し、終了予定時刻が、退社予定時刻よりも後の時刻であるか否かを判定する。
【0049】
第2算出部153は、終了予定時刻が、退社予定時刻よりも後の時刻でない場合には、利用者IDと、退社予定時刻とを対応付けた情報を、警告部154に出力する。終了予定時刻が、退社予定時刻よりも後の時刻でない場合、退社予定時刻よりも前に、作業が終了することを意味するため、第2算出部153は、警告時刻を算出することを抑止する。
【0050】
一方、第2算出部153は、終了予定時刻が、退社予定時刻よりも後の時刻となる場合には、以下の処理を実行することで、警告時刻を算出する。
【0051】
第2算出部153は、作業内容と、作業時間テーブル142とを基にして、作業内容に応じた引継ぎ時間を特定する。第2算出部153は、退社予定時刻よりも、特定した引継ぎ時間だけ前の時刻を、警告時刻として算出する。第2算出部153は、引継ぎ時間に余裕を持たせるために、引継ぎ時間の所定時間αを加算してもよい。
【0052】
図5を用いて説明する。たとえば、作業内容が「ディスクの交換」の場合には、引継ぎ時間は「Ma1」となる。第2算出部153は、退社予定時間が「t」で、引継ぎ時間が「Ma1」の場合には、警告時刻を「t-Ma1」とする。なお、引継ぎ時間が「0」となる場合には、警告時刻は、退社予定時刻と同じ時刻となる。
【0053】
第2算出部153は、利用者IDと、警告時刻とを対応付けた情報を、警告部154に出力する。
【0054】
ところで、第2算出部153は、終了予定時刻が、退社予定時刻よりも後の時刻となる場合には、利用者の作業を引き継ぐ引継者を特定してもよい。たとえば、第2算出部153は、スケジュールテーブル141を参照し、各利用者のうち、翌日の最初のイベントの開始日時からインターバルを引いた時刻が、終了予定時刻よりも後の利用者を引継者として特定する。第2算出部153は、引継者の利用者ID、氏名を、警告部154に出力する。
【0055】
警告部154は、第2算出部153から取得した情報を基にして、端末装置10に警告を行う処理部である。たとえば、警告部154は、利用者IDを基にして、警告を行う端末装置10を特定し、現在の時刻が警告時刻となった場合には、対象の端末装置10に、退社を促す警告画面の情報を送信して、警告画面を表示させる。警告画面には、引継者の氏名を表示させる。
【0056】
警告部154は、引継者の利用者IDを基にして、引継者の端末装置10を特定し、引継者の端末装置10に引継者である旨の画面情報を表示させてもよい。
【0057】
警告部154は、第2算出部153から取得した情報に、警告時刻が含まれていない場合には、退社予定時刻の情報を、対象の端末装置10に送信して表示させる。
【0058】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の処理手順の一例について説明する。図7は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、情報処理装置100の受付部151は、端末装置10から、作業内容、退社予定時刻、進捗情報の入力を受け付ける(ステップS101)。
【0059】
情報処理装置100の第1算出部152は、作業内容と、作業時間テーブルとを基にして、標準作業時間を特定する(ステップS102)。第1算出部152は、作業内容と、進捗情報と、作業工程テーブル143とを基にして、進捗時間を算出する(ステップS103)。第1算出部152は、現在の時刻、標準作業時間、進捗時間を基にして、作業の終了予定時刻を算出する(ステップS104)。
【0060】
情報処理装置100の第2算出部153は、終了予定時刻が退社予定時刻よりも後の時刻であるか否かを判定する(ステップS105)。第2算出部153は、終了予定時刻が退社予定時刻よりも後の時刻でない場合には(ステップS105,No)、処理を終了する。
【0061】
一方、第2算出部153は、終了予定時刻が退社予定時刻よりも後の時刻の場合には(ステップS105,Yes)、作業内容と作業時間テーブル142とを基にして、引継ぎ時間を特定する(ステップS106)。
【0062】
第2算出部153は、退社予定時刻と、引継ぎ時間とを基にして、警告時刻を算出する(ステップS107)。第2算出部153は、引継者を特定する(ステップS108)。情報処理装置100の警告部154は、現在の時刻が警告時刻となった際に、警告画面を送信して、警告を行う(ステップS109)。
【0063】
なお、図7のフローチャートでは説明を省略するが、情報処理装置100の受付部151が、新たな進捗情報を受け付けた場合には、情報処理装置100は、ステップS103以降の処理を再度実行する。
【0064】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の効果について説明する。情報処理装置100は、作業の進捗情報に応じた終了予定時刻が、利用者の退社予定時刻を超過する場合に、作業を中断して退社するために要する引継ぎ時間を基にして、警告時刻を算出し、警告を行う。これによって、利用者の作業が完了しておらず、引継ぎが発生する場合でも、退社予定時刻に間に合う警告を行うことができる。
【0065】
情報処理装置100は、作業の全工程を完了するまでに要する作業時間(標準作業時間)と、進捗情報とを基にして、終了予定時刻を算出する。これによって、利用者の作業の進捗状況に応じた終了予定時刻を精度よく算出することができる。
【0066】
情報処理装置100は、新たな進捗情報を取得した場合に、新たな進捗情報を基にして、終了予定時刻を更新する。これによって、新たな進捗情報に関する最新の終了予定時刻によって、警告時刻を算出することができる。
【0067】
情報処理装置100は、利用者の翌日のスケジュールと、所定のインターバルとを基にして、退社予定時刻を算出する。これによって、インターバル以上の休息を利用者に取らせるような警告を行うことができる。
【0068】
情報処理装置100は、終電時刻を基にして、退社予定時刻を算出する。これによって、終電時刻に間に合うように、利用者に警告を行うことができる。
【0069】
ところで、上述した情報処理装置100の処理は一例であり、その他の処理を実行してもよい。以下において、情報処理装置100が実行するその他の処理(1)~(4)について説明する。
【0070】
その他の処理(1)について説明する。情報処理装置100の受付部151は、端末装置10から、最初の進捗情報を受け付けた後に、かかる端末装置10に対して、定期的に、最新の進捗情報を要求する要求画面を送信してもよい。情報処理装置100の第1算出部152は、新たな進捗情報を取得する度に、作業の終了予定時刻を更新する。
【0071】
その他の処理(2)について説明する。利用者は、進捗情報を設定することが難しい場合には、進捗情報を「不明」に設定してもよい。情報処理装置100の第1算出部152は、進捗情報が「不明」に設定されている場合には、作業内容毎に予め設定された所定の進捗時間を利用する。第1算出部152は、標準作業時間から、所定の進捗時間を減算することで、残り作業時間を算出し、現在の時刻に、残り時間時間を加算することで、作業の終了予定時刻を算出する。
【0072】
その他の処理(3)について説明する。情報処理装置100の第2算出部153は、作業終了時刻が、退社予定時刻を超過する場合でも、作業終了時刻と。退社予定時刻との差が所定時間未満である場合には、端末装置10に、引継ぎを行うか否かを選択させる画面を、端末装置10に通知して表示させる。第2算出部153は、端末装置10から、引継ぎを行う旨の情報を受け付けた場合に、上記の処理を実行して、警告時刻を算出する。一方、第2算出部153は、端末装置10から、引継ぎを行わない旨の情報を受け付けた場合には、警告時刻を算出する処理を抑止する。
【0073】
その他の処理(4)について説明する。情報処理装置100の第1算出部152は、標準作業時間から、進捗時間を減算することで、残り作業時間を算出していたが、これに限定されるものではない。たとえば、利用者は、進捗情報として、進捗割合γを指定することもできる。この場合、第1算出部152は、標準作業時間に、残りの進捗割合(1-γ)を乗算することで、残りの作業時間を算出してもよい。
【0074】
次に、上記実施例に示した情報処理装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図8は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0075】
図8に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、有線または無線ネットワークを介して、外部装置等との間でデータの授受を行う通信装置204と、インタフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0076】
ハードディスク装置207は、受付プログラム207a、第1算出プログラム207b、第2算出プログラム207c、警告プログラム207dを有する。また、CPU201は、各プログラム207a~207dを読み出してRAM206に展開する。
【0077】
受付プログラム207aは、受付プロセス206aとして機能する。第1算出プログラム207bは、第1算出プロセス206bとして機能する。第2算出プログラム207cは、第2算出プロセス206cとして機能する。警告プログラム207dは、警告プロセス206dとして機能する。
【0078】
受付プロセス206aの処理は、受付部151の処理に対応する。第1算出プロセス206bの処理は、第1算出部152の処理に対応する。第2算出プロセス206cの処理は、第2算出部153の処理に対応する。警告プロセス206dの処理は、警告部154の処理に対応する。
【0079】
なお、各プログラム207a~207dについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207dを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10a,10b,10c 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
140 記憶部
141 スケジュールテーブル
142 作業時間テーブル
143 作業工程テーブル
150 制御部
151 受付部
152 第1算出部
153 第2算出部
154 警告部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8