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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150014
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】浴室暖房乾燥システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/22 20060101AFI20220929BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220929BHJP
   F24D 15/00 20220101ALI20220929BHJP
   F26B 9/02 20060101ALI20220929BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20220929BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G08B21/22
G08B25/04 K
F24D15/00 B
F26B9/02 A
F24F7/06 B
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052404
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 福郎
(72)【発明者】
【氏名】波多野 文美
【テーマコード(参考)】
3L056
3L058
3L072
3L113
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3L056BD07
3L056BF01
3L058BE05
3L058BG04
3L072AA05
3L072AB06
3L113AA01
3L113AB03
3L113AC52
3L113AC53
3L113AC67
3L113BA14
3L113CA20
3L113DA21
3L113DA25
5C086AA22
5C086AA52
5C086BA04
5C086CA10
5C086CA12
5C086CB16
5C086CB28
5C086DA08
5C086EA45
5C086GA01
5C086GA04
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087AA37
5C087BB20
5C087BB72
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF19
5C087FF20
5C087FF23
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】浴室に子供がいることを検知して通知したり、注意を促したりしやすい浴室暖房乾燥システムを提案することにある。
【解決手段】浴室暖房乾燥システム1は、空気噴出部11と、加熱部12と、排気部13と、人検知部15と、測距部21と、通知制御部20と、を備える。空気噴出部11は、浴室4内に空気を噴出させる。加熱部12は、空気噴出部11により噴出される空気を加熱する。排気部13は、浴室4内の空気を排出する。人検知部15は、浴室4内の人の有無を検知する。測距部21は、浴室4内の物体の浴室床面410からの高さを測定する。通知制御部20は、通知条件を満たす場合に、通知情報を生成して通知させる。通知条件は、人検知部15により人が検知され、かつ、測距部21に計測された距離が所定値以下となることである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に空気を噴出させる空気噴出部と、
前記空気噴出部により噴出される空気を加熱する加熱部と、
浴室内の空気を排出する排気部と、
浴室内の人の有無を検知する人検知部と、
浴室内の物体の浴室床面からの高さを測定する測距部と、
通知条件を満たす場合に、通知情報を生成して通知させる通知制御部と、を備え、
前記通知条件は、前記人検知部により人が検知され、かつ、前記測距部に計測された距離が所定値以下となることである
浴室暖房乾燥システム。
【請求項2】
浴室内に空気を噴出させる空気噴出部と、
前記空気噴出部により噴出される空気を加熱する加熱部と、
浴室内の空気を排出する排気部と、
浴室内の人の有無を検知する人検知部と、
浴室内の物体の浴室床面からの高さを測定する測距部と、
浴室内の温度分布を検知する温度分布検知部と、
通知条件を満たす場合に、通知情報を生成して通知させる通知制御部と、を備え、
前記通知条件は、前記人検知部により人が検知され、かつ、前記測距部に計測された距離が所定値以下となり、かつ、前記温度分布検知部に検知された温度分布結果に所定温度以上の温度を有する部分があることである
浴室暖房乾燥システム。
【請求項3】
浴室内に設置される浴槽の栓の開閉を検知する栓開閉検知部を更に備え、
前記通知制御部は、
前記栓開閉検知部による検知結果が閉である場合、前記通知情報として第1の通知情報を通知し、
前記検知結果が開である場合、前記通知情報として第2の通知情報を通知する
請求項1又は2に記載の浴室暖房乾燥システム。
【請求項4】
浴室内に設置される浴槽の水位を検知する水位検知部を更に備え、
前記通知制御部は、
前記水位検知部による検知結果が所定の条件を満たす場合、前記通知情報として第1の通知情報を通知し、
前記検知結果が前記所定の条件を満たさない場合、前記通知情報として第2の通知情報を通知する
請求項1又は2に記載の浴室暖房乾燥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室暖房乾燥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、従来の浴室暖房乾燥機が開示されている。この浴室暖房乾燥機は、人検知手段を備えており、人検知手段によって人の入浴が検知された場合、換気手段の運転を自動的に停止し、人の退出が検知された場合、換気手段の運転を自動的に再開する。人検知手段として、赤外線センサや照度センサが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-57474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の浴室暖房乾燥機にあっては、浴室にいる人の検知が可能であるものの、浴室にいるのが大人か子供か等までは判別できないものであった。そのため、浴室にいるのが子供の場合に注意を促したりしにくいものであった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、浴室に子供がいることを検知して通知したり、注意を促したりしやすい浴室暖房乾燥システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る浴室暖房乾燥システムは、空気噴出部と、加熱部と、排気部と、人検知部と、測距部と、通知制御部と、を備える。前記空気噴出部は、浴室内に空気を噴出させる。前記加熱部は、前記空気噴出部により噴出される空気を加熱する。前記排気部は、浴室内の空気を排出する。前記人検知部は、浴室内の人の有無を検知する。前記測距部は、浴室内の物体の浴室床面からの高さを測定する。前記通知制御部は、通知条件を満たす場合に、通知情報を生成して通知させる。前記通知条件は、前記人検知部により人が検知され、かつ、前記測距部に計測された距離が所定値以下となることである。
【0007】
請求項2に係る浴室暖房乾燥システムは、空気噴出部と、加熱部と、排気部と、人検知部と、測距部と、温度分布検知部と、通知制御部と、を備える。前記空気噴出部は、浴室内に空気を噴出させる。前記加熱部は、前記空気噴出部により噴出される空気を加熱する。前記排気部は、浴室内の空気を排出する。前記人検知部は、浴室内の人の有無を検知する。前記測距部は、浴室内の物体の浴室床面からの高さを測定する。前記温度分布検知部は、浴室内の温度分布を検知する。前記通知制御部は、通知条件を満たす場合に、通知情報を生成して通知させる。前記通知条件は、前記人検知部により人が検知され、かつ、前記測距部に計測された距離が所定値以下となり、かつ、前記温度分布検知部に検知された温度分布結果に所定温度以上の温度を有する部分があることである。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に従属する発明であって、前記浴室暖房乾燥システムは、浴室内に設置される浴槽の栓の開閉を検知する栓開閉検知部を更に備える。前記通知制御部は、前記栓開閉検知部による検知結果が閉である場合、前記通知情報として第1の通知情報を通知する。前記通知制御部は、前記検知結果が開である場合、前記通知情報として第2の通知情報を通知する。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に従属する発明であって、前記浴室暖房乾燥システムは、浴室内に設置される浴槽の水位を検知する水位検知部を更に備える。前記通知制御部は、前記水位検知部による検知結果が所定の条件を満たす場合、前記通知情報として第1の通知情報を通知する。前記通知制御部は、前記検知結果が前記所定の条件を満たさない場合、前記通知情報として第2の通知情報を通知する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明にあっては、通知条件を満たす場合、すなわち、子供が浴室にいるとみなせる場合に、通知制御部が通知情報を生成して通知することにより、子供が浴室にいる旨を大人に通知して、注意を促すことができる。
【0011】
請求項2に係る発明にあっては、通知条件を満たす場合、すなわち、子供が浴室にいるとみなせる場合に、通知制御部が通知情報を生成して通知することにより、子供が浴室にいる旨を大人に通知して、注意を促すことができる。このとき、温度分布検知部の検知結果に基づいて人か物(特に浴室内に干される乾燥物)かを区別して、よりきめ細やかな通知(発報)を行うことができる。
【0012】
請求項3に係る発明にあっては、栓開閉検知部の検知結果に基づいて通知情報を変えることができて、よりきめ細やかな通知(発報)を行うことができる。
【0013】
請求項4に係る発明にあっては、水位検知部の検知結果に基づいて通知情報を変えることができて、よりきめ細やかな通知(発報)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る浴室暖房乾燥システムが設置された浴室の断面図である。
図2図2は、同上の浴室暖房乾燥システムのブロック図である。
図3図3は、同上の浴室暖房乾燥システムにおける通知制御部によるフローを示すフロー図である。
図4図4は、第二実施形態の浴室暖房乾燥システムのブロック図である。
図5図5は、同上の浴室暖房乾燥システムにおける通知制御部によるフローを示すフロー図である。
図6図6は、第三実施形態の浴室暖房乾燥システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る浴室暖房乾燥システムについて、図面を参照して説明する。
【0016】
第一実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1について、図1図3に基づいて説明する。浴室暖房乾燥システム1は、浴室暖房乾燥装置3を備えるもので、まず、浴室暖房乾燥装置3について説明する。
【0017】
図1に示すように、浴室暖房乾燥装置3は、浴室4の天井40に設置されたケーシング30と、浴室4の外に設置された操作器17(図2参照)を備える。操作器17は、たとえば脱衣所に設置される。ケーシング30は、浴室4の天井40の中でも浴槽42の上方の位置に設置されている。
【0018】
ケーシング30内には、ルーバー31、ルーバー用モータ311、送風用のファン32、熱交換器33、温水管路331及び排気ファン34が設けられている。熱交換器33には、温水管路331が接続されている。温水管路331は、浴室4の外に設置される熱源機(不図示)からの温水が循環するように構成されている。温水管路331を通じて熱交換器33に温水が供給されることで、熱交換器33は、ケーシング30内の風路35中で暖房用の熱交換を行う。
【0019】
ケーシング30は、風路35に連通する吸込口301と噴出口302を、浴室4内に露出するようにその下面に有する。すなわち、噴出口302は、浴室4の天井40に位置している。ファン32と熱交換器33は、風路35中に位置する。ルーバー31は、噴出口302に設置される可動式のルーバーである。
【0020】
ケーシング30内の各機器は、図2に示す制御部10によって制御される。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びメモリを含むコンピュータを有し、適宜のプログラムを実行することにより、各種制御を行う。制御部10は、ケーシング30に組み込まれている。制御部10は、操作器17との間で通信可能である。
【0021】
制御部10は、操作器17からの信号に基づいてファン32を駆動させ、かつ熱源機からの温水を熱交換器33に供給することで、ルーバー31を通じて浴室4内に温風を供給することができる。ルーバー31の向きは、ルーバー用モータ311を駆動することで、所定範囲内で変更自在である。ルーバー用モータ311は、制御部10により制御される。
【0022】
図1に示すように、排気ファン34は、ケーシング30の風路35と連通する排気路36中に、設置されている。制御部10は、操作器17からの信号に基づいて排気ファン34を駆動させ、排気路36を通じて、浴室4内の空気を外部に排出させることができる。
【0023】
ケーシング30には、ミストノズル37、給水路371及び流量調節弁38が設けられている。
【0024】
ミストノズル37は、浴室4内に露出するように、ケーシング30の下面に角度変更自在に設置されている。給水路371は、ミストノズル37と、水道水を供給する給水源(不図示)とをつなぐ水路である。ケーシング30内において、給水路371の下流端にミストノズル37が連通接続されている。
【0025】
次に、浴室暖房乾燥システム1について説明する。図2に示すように、浴室暖房乾燥システム1は、空気噴出部11、加熱部12、排気部13と、風向調節部14、人検知部15と、測距部21と、栓開閉検知部22と、通知制御部20と、を備える。
【0026】
空気噴出部11は、ファン32により構成され、噴出口302より浴室4内に空気を噴出させる。
【0027】
加熱部12は、熱交換器33、温水管路331及び熱源機により構成され、空気噴出部11により噴出される空気を加熱する。
【0028】
排気部13は、排気ファン34により構成され、吸込口301より吸い込んだ浴室4内の空気を浴室4外(屋外)に排出する。
【0029】
風向調節部14は、ルーバー31及びルーバー用モータ311により構成され、噴出口302より噴出される空気の風向を変える。第一実施形態では、噴出口302より噴出される空気の風向は、鉛直下向きを中心として、洗い場41と浴槽42の並ぶ方向に所定角度(例えば45°)の範囲内で回転可能である。噴出口302より噴出される空気が通る領域を、乾燥物配置領域43とする。乾燥物配置領域43は、具体的には、噴出口302の直下を含み、洗い場41と浴槽42の並ぶ方向に所定の幅を有する。乾燥物配置領域43は、水分を含んだ衣類等の乾燥物5を配置する領域である。なお、風向調節部14は特に設けられなくてもよい。
【0030】
人検知部15は、浴室4内の人の有無を検知する。人検知部15は、いわゆる人感センサにより構成される。人感センサとしては、赤外線式や超音波式等、従来公知の各種のセンサが適宜利用可能であって、方式は特に限定されないと共に詳細な説明は省略する。
【0031】
測距部21は、浴室4内の物体の浴室床面410からの高さを測定する。測距部21は、いわゆるToFカメラ (Time of Flight)等であって、例えば浴室天井面400に設けられる。測距部21により、浴室4内の平面視における二次元の領域内の各部位について浴室天井面400からの距離を測定することが可能である。浴室天井面400から物体までの距離が分かると、浴室床面410から浴室天井面400までの距離から、浴室天井面400から物体までの距離を減じることにより、物体の浴室床面410からの高さが測定される。このような測距部21としては、公知の各種の測距センサが適宜利用可能であって、方式は特に限定されないと共に詳細な説明は省略する。
【0032】
なお、予め人や物体(浴槽42等、浴室4内の設置物は除く)が浴室4内にない状態で測距部21により距離の測定を行った結果を基準データとし、測距部21による後の測定データを基準データと比較して、変化している箇所に物体が存在していると認識する。
【0033】
栓開閉検知部22は、浴室4内に設置される浴槽42の栓421の開閉を検知する。浴槽42の栓421の開閉を検知するものとして、磁気センサが従来用いられており、栓開閉検知部22としてこの磁気センサが好適に用いられるが、センサの方式は特に限定されないと共に詳細な説明は省略する。
【0034】
浴室暖房乾燥装置3における各種運転について説明する。まず、浴室暖房運転について説明する。浴室暖房運転では、制御部10は、空気噴出部11を駆動させると共に加熱部12を駆動させて、浴室4内に加熱された空気(温風)を噴出させる。
【0035】
次に、浴室乾燥運転について説明する。浴室乾燥運転では、制御部10は、空気噴出部11を駆動させると共に加熱部12を駆動させて、浴室4内に加熱された空気(温風)を噴出させる。更に、制御部10は、風向調節部14により風向を変えさせる。
【0036】
次に、浴室換気運転について説明する。浴室換気運転では、制御部10は、排気ファン34を駆動させると共に、空気噴出部11、加熱部12、風向調節部14及びミストノズル37は駆動させない。なお、排気ファン34と共にファン32を駆動させてもよい。
【0037】
次に、送風運転について説明する。送風運転では、制御部10は、空気噴出部11を駆動させて、浴室4内に空気を噴出させる。
【0038】
次に、ミスト噴霧運転について説明する。ミスト噴霧運転では、制御部10は、空気噴出部11を駆動させると共にミストノズル37を駆動させて、浴室4内にミストを噴霧する。このとき、加熱部12の駆動は特に行わない。
【0039】
次に、ミストサウナ運転について説明する。ミストサウナ運転では、制御部10は、空気噴出部11、加熱部12及びミストノズル37を駆動させて、浴室4内にミストを噴霧する。
【0040】
浴室暖房乾燥システム1は、通信ネットワーク6に接続可能である。具体的には、制御部10は通信部18を備えており、通信ネットワーク6に接続される。通信ネットワーク6は、インターネットを含み得るもので、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。通信ネットワーク6は、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
【0041】
また、浴室暖房乾燥システム1は、通信ネットワーク6を介して、端末装置7と通信可能に構成されている。端末装置7は、通信ネットワーク6を介して、浴室暖房乾燥システム1からの情報の表示に利用される。端末装置7は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)により実現され得る。第一実施形態では、スマートフォンからなる端末装置7を、浴室暖房乾燥システム1からの情報の表示に使用する。この場合、サーバ8から通信ネットワーク6を介して浴室暖房乾燥システム1からの情報を表示させるためのアプリケーションソフトウェア(アプリ)をダウンロードして、端末装置7にインストールするが、アプリはプリインストールされていてもよい。
【0042】
以下に、浴室4に子供がいるか否かを判定し、通知情報を通知する方法について図3に基づいて説明する。このような判定は、通知制御部20が行う。
【0043】
通知制御部20は、通知条件を満たす場合に、通知情報を生成して通知させる。すなわち、浴室4に子供がいるか否かの判定は、通知条件を満たすか否かの判定となっている。第一実施形態における通知条件は、人検知部15により人が検知され、かつ、測距部21に計測された距離が所定値以下となることである。なお、通知制御部20は、制御部10の一機能として制御部10に備えられているが、制御部10と別に設けられてもよい。
【0044】
図3に示すように、通知制御部20によるフローが開始されると、ステップS1において、人検知部15の検知結果が読み込まれ、浴室4内に人がいるか否かが判定される。ステップS1において、浴室4内に人がいると判定されると、ステップS2に移行する。ステップS1において、浴室4内に人がいないと判定されると、特に通知情報を通知する必要はないため、フローを終了する。
【0045】
ステップS2において、測距部21の測定結果が読み込まれ、浴室4内にいると認識された物体(人)の浴室床面410からの高さが、所定値以下であるか否かが判定される。第一実施形態では、浴室4の床面から浴室天井面400までの高さが230cmであり、身長が120cm以下の人を子供とみなす。このため、ステップS2において、浴室天井面400から人の頭部までの距離が110cmを超えると、子供と判定してステップS3に移行する。ステップS2において、浴室天井面400から人の頭部までの距離が110cm以下であると、大人と判定し、特に通知情報を通知する必要はないため、フローを終了する。
【0046】
ステップS3に移行するのは、ステップS1において浴室4内に人がいると判定され、かつ、ステップS2において浴室床面410からの高さが120cm以下であって子供であると判定された場合であり、通知条件を満たす場合である。ステップS3において、栓開閉検知部22の検知結果が読み込まれ、浴槽42の栓421の開閉が判定され、閉であると判定されるとステップS4に移行し、開であると判定されるとステップS5に移行する。
【0047】
ステップS4においては、通知情報として第1の通知情報を通知する。この場合、ステップS3の判定において栓421が閉であると判定されているため、浴槽42に湯水が張られていると、子供が溺れるおそれがある。そこで、第1の通知情報は、警告レベルが高い「警報」であるとする。具体的には、通知制御部20が通信ネットワーク6を介して、この浴室暖房乾燥システム1の利用者である大人の端末装置7に、第1の通知情報としての画像データや音声データを送信することにより、発報を行う。その後、フローを終了する。
【0048】
ステップS5においては、通知情報として第2の通知情報を通知する。この場合、ステップS3の判定において栓421が開であると判定されているため、浴槽42には湯水が張られていない。そこで、第2の通知情報としては、子供がすぐに溺れるおそれはないものの、浴槽42に湯水が張られると溺れるおそれはあるため、警告レベルが「警報」より低い「注意報」であるとする。具体的には、ステップS4の場合と同様に、通知制御部20が通信ネットワーク6を介して端末装置7に、第2の通知情報としての画像データや音声データを送信することにより、発報を行う。その後、フローを終了する。
【0049】
フロー開始からフロー終了までの一連のフローは、定期的に、随時、要求があった場合あるいは何らかの開始条件を満たした場合に実行されるが、実行のタイミングは適宜に設定可能であり、特に限定されない。
【0050】
第一実施形態においては、通知条件を満たす場合、すなわち、子供が浴室4にいるとみなせる場合に、通知制御部20が通知情報を生成して通知することにより、子供が浴室4にいる旨を大人に通知して、注意を促すことができる。
【0051】
また、栓開閉検知部22の検知結果に基づいて第1の通知情報又は第2の通知情報を通知することにより、よりきめ細やかな通知(発報)を行うことができる。
【0052】
特に、浴槽42の水位検知部が設けられていない場合、栓開閉検知部22の検知結果を利用するだけで、子供が溺れるおそれを警告レベルが高い「警報」と低い「注意報」とに分けて発報できて、より一層きめ細やかな通知(発報)を行うことができる。
【0053】
また、浴槽42の水位検知部として、浴槽42の側壁の下部に配置される循環アダプタ(不図示)やその配管に設けられる水圧式のセンサが広く用いられている。しかし、このような循環アダプタ等に設けられる水圧式のセンサでは、浴槽42内の循環アダプタよりも低い水位(例えば10cm以下の水位)を検知することができない。このような場合でも、栓開閉検知部22の検知結果が閉であると、実際の浴槽42内の湯水の有無にかかわらず浴槽42内に湯水が張られているとみなして警告レベルが高い「警報」を発するため、子供が溺れることを未然に防ぐことができる。
【0054】
次に、第二実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1について、図4及び図5に基づいて説明する。なお、第二実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1は、第一実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0055】
図4に示すように、浴室暖房乾燥システム1は、第一実施形態における構成に加えて、温度分布検知部16を備えている。温度分布検知部16は、浴室4内の温度分布を検知するもので、主に、乾燥物配置領域43に配置される乾燥物5の温度分布を検知する。温度分布検知部16は、第一実施形態ではいわゆるサーモグラフィーにより構成される。温度分布検知部16は、撮像部を有するもので、撮像部は、浴室4の天井40又は側壁のいずれかの箇所に配置され、浴室4内の全域を撮像可能である。なお、撮像部は、浴室4内の全域を撮像可能でなく、浴室4内の一部を撮像不可であってもよい。
【0056】
以下に、浴室4に子供がいるか否かを判定し、通知情報を通知する方法について図5に基づいて説明する。
【0057】
通知制御部20によるフローが開始されると、ステップS11において、人検知部15の検知結果が読み込まれ、浴室4内に人がいるか否かが判定される。ステップS11において、浴室4内に人がいると判定されると、ステップS12に移行する。ステップS11において、浴室4内に人がいないと判定されると、特に通知情報を通知する必要はないため、フローを終了する。
【0058】
ステップS12において、測距部21の測定結果が読み込まれ、浴室4内にいると認識された物体(人)の浴室床面410からの高さが120cm以下であるか否かが判定され、120cm以下であると子供と判定してステップS13に移行する。また、ステップS12において、浴室床面410からの高さが120cm超である場合には大人と判定し、特に通知情報を通知する必要はないため、フローを終了する。
【0059】
ステップS13において、浴室暖房運転または浴室乾燥運転が行われているか否かが判定され、行われていると判定されると、乾燥物5が浴室4内にある可能性が高いとしてステップS14に移行し、行われていないと判定されるとステップS21に移行する。
【0060】
ステップS14において、温度分布検知部16による温度分布の検知が行われ、ステップS15に移行する。
【0061】
ステップS15において、浴室暖房運転または浴室乾燥運転を停止して、送風運転を開始する。送風運転が行われた場合、浴室4内にいるのが人であると、送風による温度低下が発生せず、浴室4内にあるのが乾燥物5であると、送風による温度低下が発生する。その後、ステップS16に移行する。
【0062】
ステップS16において、一定時間経過後、温度分布検知部16による温度分布の検知が行われ、ステップS17に移行する。
【0063】
ステップS17において、ステップS14において検知した温度分布と、ステップS16において検知した温度分布とを比較する。その結果、温度低下した部分がないと判定されると、乾燥物5が浴室4内になく、測距部21により測定された浴室床面410からの高さが120cm以下の物体は人(すなわち子供)であるとして、ステップS18に移行する。
【0064】
ステップS18において、栓開閉検知部22の検知結果が読み込まれ、浴槽42の栓421の開閉が判定され、閉であると判定されるとステップS19に移行し、開であると判定されるとステップS20に移行する。
【0065】
ステップS19においては、通知情報として第1の通知情報を通知する。この場合、浴槽42に湯水が張られていると、子供が溺れるおそれがあるため、第1の通知情報として警告レベルが高い「警報」の発報を行い、フローを終了する。
【0066】
ステップS20においては、通知情報として第2の通知情報を通知する。この場合、浴槽42には湯水が張られておらず、子供が溺れるおそれはないものの、浴槽42に入って転倒したりして怪我するおそれはあるため、警告レベルが「警報」より低い「注意報」の発報を行い、フローを終了する。
【0067】
ステップS13において、浴室暖房運転または浴室乾燥運転が行われていないと判定されるとステップS21に移行して、温度分布検知部16による温度分布の検知が行われ、ステップS22に移行する。
【0068】
ステップS22において、ステップS21において検知した温度分布結果に所定温度(本実施形態では30℃)以上の温度を有する部分があるか否かが判定され、あると判定された場合、浴室4内に子供がいるとして、ステップS18に移行する。
【0069】
ステップS22において、ステップS21において検知した温度分布結果に所定温度以上の温度を有する部分がないと判定された場合、浴室4内にあるのは人ではないとして、ステップS18に移行する。
【0070】
また、ステップS17において、温度低下した部分があると判定されると、測距部21により測定された浴室床面410からの高さが120cm以下の物体は物(すなわち乾燥物5)である可能性が高いが、温度低下していない部分に人がいる可能性もあるため、念のためにステップS22に移行して、浴室4内に人がいるか否かの判定が行われる。
【0071】
第二実施形態においては、第一実施形態における効果に加えて、より一層きめ細やかな通知を行うことができる。すなわち、温度分布検知部16による温度分布の検知結果を用いて、浴室4内にいるのが人か物(特に乾燥物5)かを判別して、浴室4内にいるのが物の場合に通知を行わずにすむ。特に、浴室暖房乾燥装置3に広く設けられている温度分布検知部16を用いることで、容易に、製造コストの上昇を抑えつつ、浴室暖房乾燥システム1を構築することができる。
【0072】
次に、第三実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1について、図6に基づいて説明する。なお、第三実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1は、第二実施形態に係る浴室暖房乾燥システム1と大部分において同じである。このため、第二実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0073】
第三実施形態においては、浴室暖房乾燥システム1は、第二実施形態における栓開閉検知部22に代えて、水位検知部23を備えている。水位検知部23は、浴室4内に設置される浴槽42の水位を検知する。水位検知部23としては、上述した循環アダプタ等に設けられる水圧式のセンサをはじめ、温度変化を利用する方式、電気抵抗変化を利用する方式、静電容量変化を利用する方式、光を利用する方式、超音波を利用する方式、電磁波を利用する方式等、従来公知の各種のセンサが適宜利用可能であって、方式は特に限定されないと共に詳細な説明は省略する。
【0074】
水位検知部23を用いることにより、浴槽42内の水位が所定以下の場合には、子供が溺れるおそれがないとして、通知をしないことも選択可能であり、よりきめ細やかな通知を行うことができる。
【0075】
また、変形例として、通知条件を、人検知部15により人が検知され、かつ、測距部21に計測された距離が所定値以下となり、かつ、温度分布検知部16に検知された温度分布結果に所定温度以上の温度を有する部分があることとしてもよい。これにより、温度分布検知部16の検知結果により浴室4内に物しかないと判定された場合には、通知をしなくてもすみ、よりきめ細やかな通知(発報)を行うことができる。
【0076】
また、測距部21に計測される所定値は120cmでなくてもよい。すなわち、子供か否かを判別する閾値は120cmでなくてもよく、100cm、110cm、130cm、140cm、150cm等、閾値(所定値)は適宜設定可能である。
【0077】
また、温度分布検知部16に検知される所定温度は30℃でなくてもよい。すなわち、人か人でないかを判別する閾値は30℃でなくてもよく、28℃、32℃、35℃等、閾値(所定温度)は適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 浴室暖房乾燥システム
10 制御部
11 空気噴出部
12 加熱部
13 排気部
14 風向調節部
15 人検知部
16 温度分布検知部
17 操作器
18 通信部
20 通知制御部
21 測距部
22 栓開閉検知部
23 水位検知部
3 浴室暖房乾燥装置
30 ケーシング
301 吸込口
302 噴出口
31 ルーバー
311 ルーバー用モータ
32 ファン
33 熱交換器
331 温水管路
34 排気ファン
35 風路
36 排気路
37 ミストノズル
371 給水路
38 流量調節弁
4 浴室
40 天井
400 浴室天井面
41 洗い場
410 浴室床面
42 浴槽
421 栓
43 乾燥物配置領域
5 乾燥物
6 通信ネットワーク
7 端末装置
8 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6