(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150027
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報提示システム、情報提示方法、及び情報提示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220929BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052427
(22)【出願日】2021-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】杉原 章郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 朋実
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】施設に含まれる店舗の業務効率を向上させることが可能な情報提示システム、情報提示方法、及び情報提示プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る情報提示システムは、複数の店舗を含む所定の施設内に存在する利用者の属性を特定する特定処理部と、前記特定処理部により特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出処理部と、前記算出処理部により算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示処理部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗を含む施設内に存在する利用者の属性を特定する特定処理部と、
前記特定処理部により特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出処理部と、
前記算出処理部により算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示処理部と、
を備える情報提示システム。
【請求項2】
前記複数の店舗の中から、前記算出処理部により算出される前記属性ごとの人数又は割合に基づいて第1店舗を抽出する抽出処理部をさらに備え、
前記提示処理部は、前記抽出処理部により抽出される前記第1店舗に前記特定情報を提示する、
請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項3】
前記特定処理部は、前記利用者が家族連れか否か、前記利用者の性別、及び、前記利用者の年齢又は年代の少なくともいずれかを特定する、
請求項2に記載の情報提示システム。
【請求項4】
前記特定処理部は、前記複数の店舗のうち第2店舗に存在する利用者の属性を特定する、
請求項2又は3に記載の情報提示システム。
【請求項5】
前記抽出処理部は、前記複数の店舗の中から、前記利用者の人数又は割合が所定値以上の前記属性の前記利用者が主要な客層である前記第1店舗を抽出する、
請求項2~4のいずれかに記載の情報提示システム。
【請求項6】
前記抽出処理部は、前記複数の店舗の中から、前記利用者の人数又は割合が所定値以上の前記属性の前記利用者が主要な客層ではない前記第1店舗を抽出する、
請求項2~4のいずれかに記載の情報提示システム。
【請求項7】
前記抽出処理部は、前記複数の店舗の中から抽出される複数の前記第1店舗のそれぞれに前記利用者の人数又は割合に応じた優先順位を設定し、
前記提示処理部は、前記優先順位を含む前記特定情報を複数の前記第1店舗に提示する、
請求項5又は6に記載の情報提示システム。
【請求項8】
前記提示処理部は、前記算出処理部により算出される前記属性ごとの人数又は割合を示す前記特定情報、及び、前記利用者が来店する可能性があることを示す前記特定情報の少なくともいずれかを、前記第1店舗に提示する、
請求項2~7のいずれかに記載の情報提示システム。
【請求項9】
前記特定処理部は、前記施設及び前記各店舗の少なくともいずれかに設置された検出部による検出結果、及び、前記各店舗から取得する利用者情報の少なくともいずれかに基づいて前記利用者の属性を特定する、
請求項1~8のいずれかに記載の情報提示システム。
【請求項10】
一又は複数のプロセッサーが、
複数の店舗を含む施設内に存在する利用者の属性を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示ステップと、
実行する情報提示方法。
【請求項11】
複数の店舗を含む施設内に存在する利用者の属性を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための情報提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗に情報を提供することが可能な情報提示システム、情報提示方法、及び情報提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の店舗を統括するサーバーが各店舗の顧客情報を分析して、分析結果を各店舗に提示するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。前記システムによれば、各店舗は顧客情報の分析結果を共有することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、複数の店舗を含むショッピングモールなどの施設において、各店舗は、施設を訪れた利用者が当該店舗に来店する可能性があるか否かを判断できれば業務効率を向上させることができる。しかし、従来の技術では、過去に来店した利用者の情報を取得することはできるが、各店舗が、現に施設を訪れている利用者が当該店舗に来店するか否かを判断することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、施設に含まれる店舗の業務効率を向上させることが可能な情報提示システム、情報提示方法、及び情報提示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提示システムは、複数の店舗を含む施設内に存在する利用者の属性を特定する特定処理部と、前記特定処理部により特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出処理部と、前記算出処理部により算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示処理部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報提示方法は、一又は複数のプロセッサーが、複数の店舗を含む施設内に存在する利用者の属性を特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示ステップと、実行する方法である。
【0008】
本発明に係る情報提示プログラムは、複数の店舗を含む施設内に存在する利用者の属性を特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設に含まれる店舗の業務効率を向上させることが可能な情報提示システム、情報提示方法、及び情報提示プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る情報提示システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る情報提示システムが適用されるショッピングモールのフロアレイアウトの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る情報提示システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る情報提示システムで使用される店舗情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る情報提示システムで使用される客層情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る店舗端末に表示される客層情報ページを示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る店舗端末に表示される客層情報ページを示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る店舗端末に表示される客層情報ページを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る店舗端末に表示される客層情報ページを示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る情報提示システムで実行される情報提示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[情報提示システム1]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る情報提示システム1は、情報提示装置2と利用者端末3と店舗端末4とを含む。店舗端末4は、店舗ごとに配置される。ここで、前記店舗は、所定の施設に含まれる店舗、すなわち同一施設内に入居して営業を行う店舗(例えばテナント)である。前記施設は、ショッピングモール(ショッピングセンター)、商業施設、複合施設、娯楽施設、商業ビル、百貨店、デパートなど複数の店舗が入居する施設(グループ)である。また、前記施設は、経営母体が異なる複数の店舗が入居する施設であってもよい。また、前記施設は、住所又は敷地が同一である複数の店舗が入居する施設であってもよい。また、前記施設は、複数の店舗が同一地域に配置された商店街、飲食店街(商業地域)などであってもよい。なお、例えばショッピングモールが複数の独立した建物(北館、南館など)で構成される場合、当該ショッピングモールは一つ(同一)の施設である。前記施設に含まれる複数の店舗には、服飾店(婦人服店、紳士服店)、化粧品店、アクセサリー店、玩具店、飲食店、書店、食料品店、靴店、美容院、旅行代理店など業種の異なる店舗が含まれる。なお、所定の施設に含まれる複数の店舗が、特定の業種の店舗(例えば飲食店)であってもよい。本実施形態では、前記施設の一例として、複数の業種の店舗を含むショッピングモールSM1を挙げる。
【0013】
図2には、ショッピングモールSM1のフロアレイアウトの一例を示している。
図2に示すように、ショッピングモールSM1には、10店の店舗R1~R10が配置されている。店舗ごとに店舗端末4が配置されている(
図1参照)。なお、店舗端末4は、店舗の店内に設置されてもよいし、店舗の店外に設置されてもよい。店舗端末4は、店舗の来店客(顧客)、予約、売上(販売)などの各種情報を管理する情報処理装置である。
【0014】
利用者端末3は、ショッピングモールSM1を訪れる利用者が所持する情報処理装置である。利用者は、利用者端末3を利用して、ショッピングモールSM1内の店舗を検索及び予約したり、店舗において代金の決済をしたりすることができる。
【0015】
情報提示装置2、利用者端末3、及び店舗端末4は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0016】
ショッピングモールSM1内には、ショッピングモールSM1内の利用者を被写体として撮像する一又は複数のカメラ51(
図1参照)が設置されている。また各店舗の店内には、店舗内の利用者を被写体として撮像する一又は複数のカメラ52(
図3参照)が設置されている。情報提示装置2は、カメラ51,52、店舗端末4、及び利用者端末3から取得する後述の各種情報(検出結果、利用者情報、位置情報など)に基づいて、店舗端末4及び利用者端末3に特定情報(客層情報、混雑情報など)を提示する。
【0017】
情報提示システム1は、本発明の情報提示システムの一例である。本実施形態では、情報提示装置2単体が本発明に係る情報提示システムに相当するが、本発明に係る情報提示システムは、情報提示装置2、利用者端末3、及び店舗端末4のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、情報提示装置2、利用者端末3、及び店舗端末4の構成要素が協働して後述する各種の情報提示処理(
図10参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る情報提示システムとして捉えることが可能である。例えば、情報提示装置2及び店舗端末4が本発明に係る情報提示システムを構成してもよい。
【0018】
[情報提示装置2]
図3に示されるように、情報提示装置2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーである。なお、情報提示装置2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、情報提示装置2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0019】
通信I/F24は、情報提示装置2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して利用者端末3、店舗端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0020】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0021】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、店舗情報D1、客層情報D2などのデータが記憶される。店舗情報D1には、ショッピングモールSM1内の各店舗に関する情報が含まれる。客層情報D2には、ショッピングモールSM1内にいる利用者の属性に関する情報が含まれる。
図4は店舗情報D1の一例を示す図であり、
図5は客層情報D2の一例を示す図である。また、記憶部22には、店舗ごとの詳細情報(顧客情報、販売情報、予約情報など)のデータが記憶されてもよい。なお、情報提示装置2が複数の施設(例えばショッピングモールSM1,SM2)を管理するシステムに導入される場合には、記憶部22には、施設ごとの店舗情報D1及び客層情報D2が記憶される。
【0022】
図4に示されるように、店舗情報D1には、店舗ごとに、対応する「店舗ID」、「店舗名」、「業種」、「客層」などの情報が含まれる。前記店舗IDは、店舗の識別情報であり、前記店舗名は、店舗の名称である。前記業種は、店舗で提供される主なサービスの内容を識別可能な情報であり、取り扱う商品の種別に関する情報である。例えば、婦人服を販売する店舗R1,R5には、前記業種に「婦人服」が登録され、料理及び飲み物を提供する店舗R7~R10には、前記業種に「飲食店」が登録される。前記客層は、店舗の主要な客層(購買者層)を示す情報である。例えば、店舗R1に来店する利用者、店舗R1の商品を購入する利用者として、20代の女性、30代の女性が多い場合、店舗R1の前記客層に「20代30代女性」が登録される。また例えば、店舗R7に来店する利用者として、ファミリーが多い場合、店舗R7の前記客層に「ファミリー」が登録される。また、店舗情報D1には、店舗の電話番号、ホームページ、予約ページなどのウェブページにアクセスするためのアクセス情報(URL)などの情報が含まれてもよい。
【0023】
図5に示されるように、客層情報D2には、ショッピングモールSM1に存在する利用者の属性の情報が含まれる。具体的には、客層情報D2には、各店舗内にいる利用者の人数及び属性、店舗外にいる利用者の人数及び属性の情報が含まれる。制御部21は、ショッピングモールSM1内に設置されたカメラ51(又はセンサー)、各店舗内に設置されたカメラ52(又はセンサー)による検出結果に基づいて利用者の属性を特定して客層情報D2に登録する。例えば、制御部21は、カメラ画像を解析して、利用者が家族連れ(ファミリー)か否か、利用者の性別、及び、利用者の年齢又は年代の少なくともいずれかを特定する。また、制御部21は、特定した属性ごとの合計人数を算出して客層情報D2に登録する。客層情報D2は、現在ショッピングモールSM1内にいる利用者の属性を示す情報であり、リアルタイムに更新される。
【0024】
なお、他の実施形態として、店舗情報D1及び客層情報D2の一部又は全部が、情報提示装置2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、情報提示装置2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の情報提示処理(
図10参照)などの各処理を実行してもよい。
【0025】
また、記憶部22には、利用者端末3及び店舗端末4に表示される情報提供サイトに含まれる客層情報ページP1(
図6~
図9参照)などの各種のウェブページを生成するためのデータなども記憶される。店舗のスタッフは、店舗端末4に表示される客層情報ページP1を参照することにより、来店準備、販促活動などを行うことができる。また、記憶部22には、利用者の会員情報(会員ID、年齢、性別、氏名など)、来店履歴、購入履歴などの利用者情報が記憶されてもよい。
【0026】
なお、本実施形態において、情報提示装置2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報を利用者端末3及び店舗端末4に送信することにより、利用者端末3及び店舗端末4のそれぞれに前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、情報提示装置2の制御部21は、利用者端末3及び店舗端末4のそれぞれに前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、利用者端末3の制御部31及び店舗端末4の制御部41のそれぞれに前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0027】
なお、前記情報提供サイトは、予め設定された一つのドメインに属するウェブページの集合体であってもよいが、例えば同一の情報提示装置2の記憶部22に記憶された複数のドメインに属するウェブページの集合体を前記情報提供サイトとして捉えてもよい。また、前記情報提供サイトに含まれる各種のページは、複数のサーバーに分散して記憶されたものであってもよい。
【0028】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の情報提示処理(
図10参照)を実行させるための情報提示プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記情報提示プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、情報提示装置2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0029】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより情報提示装置2を制御する。
【0030】
ところで、複数の店舗を含むショッピングモールなどの施設において、各店舗は、施設を訪れた利用者が当該店舗に来店する可能性があるか否かを判断できれば業務効率を向上させることができる。しかし、従来の技術では、過去に来店した利用者の情報を取得することはできるが、各店舗が、現に施設を訪れた利用者が当該店舗に来店するか否かを判断することは困難である。これに対して、本実施形態に係る情報提示システム1によれば、施設に含まれる店舗の業務効率を向上させることが可能である。
【0031】
具体的に、制御部21は、
図3に示されるように、取得処理部211、特定処理部212、算出処理部213、抽出処理部214、提示処理部215などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記情報提示プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記情報提示プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0032】
取得処理部211は、ショッピングモールSM1内に設置されたカメラ51、店舗内に設置されたカメラ52、店舗端末4、及び利用者端末3から検出結果、利用者情報、位置情報などの属性判定情報を取得する。前記属性判定情報は、利用者の前記属性を判定(特定)するための情報である。カメラ51は、例えばショッピングモールSM1の入口、出口、通路などショッピングモールSM1内の店舗外に設置され、各場所を撮像した撮像画像データを情報提示装置2に逐次送信する。なお、ショッピングモールSM1内の設備を管理する施設管理端末(不図示)が各カメラ51を統括管理する場合、当該施設管理端末が前記撮像画像データを情報提示装置2に送信してもよい。取得処理部211は、ショッピングモールSM1の入口、出口、通路(店舗外)の前記撮像画像データを取得する。
【0033】
また、各店舗内に設置されたカメラ52は店内を撮像した撮像画像データを店舗端末4に送信し、店舗端末4は当該撮像画像データを情報提示装置2に送信する。取得処理部211は、各店舗内の前記撮像画像データを取得する。
【0034】
また、取得処理部211は、各店舗の店舗端末4から、前記利用者情報(会員情報、(会員ID、年齢、性別、氏名など)、来店履歴、購入履歴)を取得する。例えば、利用者が店舗において利用者端末3により代金の決済をした場合、店舗端末4に利用者端末3を翳してポイント授受を行った場合などに、店舗端末4から前記利用者情報を取得する。
【0035】
また、取得処理部211は、ショッピングモールSM1内、各店舗内に設置された通信装置(例えばビーコン)と利用者端末3との通信結果を取得してもよい。取得処理部211は、前記施設管理端末から取得する前記通信結果に基づいて、前記利用者情報(会員情報、(会員ID、年齢、性別、氏名など)、来店履歴、購入履歴)を取得してもよい。
【0036】
特定処理部212は、前記属性判定情報に基づいて、ショッピングモールSM1内に現に存在する利用者の属性を特定する。具体的には、特定処理部212は、利用者がファミリーか否か、利用者の性別、及び、利用者の年齢又は年代の少なくともいずれかの属性を特定する。例えば、特定処理部212は、ショッピングモールSM1及び各店舗の少なくともいずれかに設置されたカメラ又はセンサーによる検出結果、及び、各店舗から取得する利用者情報の少なくともいずれかに基づいて利用者の属性を特定する。カメラ及びセンサーは、本発明の検出部の一例である。また、本発明の検出部は、ビーコンであってもよい。例えば特定処理部212は、ショッピングモールSM1及び各店舗の少なくともいずれかに設置されたビーコンによる検出結果に基づいて利用者端末3を識別し、利用者端末3の識別情報に基づいて利用者の属性を特定してもよい。
【0037】
例えば、特定処理部212は、カメラ51,52により撮像された撮像画像を解析して撮像画像に含まれる利用者の属性(年齢、性別、ファミリーか否か)を特定する。また例えば、特定処理部212は、各店舗端末4から取得する前記利用者情報に基づいて利用者の属性を特定する。また例えば、特定処理部212は、前記通信装置と利用者端末3との通信結果に対応する前記利用者情報に基づいて利用者の属性を特定する。
【0038】
特定処理部212は、特定した属性を客層情報D2(
図5参照)に登録する。
図5に示す客層情報D2では、複数の利用者のそれぞれの前記属性として、「ファミリー」、「10代女性」、「20代女性」、「30代女性」、「40代女性」、「40代以降女性」、「10代男性」、「20代男性」、「30代男性」、「40代男性」、「40代以降男性」が特定されたことを示している。なお、
図5では、例えば「10代女性」及び「20代女性」を「10代~20代女性」にまとめているが、それぞれを個別に登録してもよい。特定処理部212は、所定のタイミング(例えば所定の周期)で客層情報D2を更新する。特定処理部212は、本発明の特定処理部の一例である。
【0039】
算出処理部213は、特定処理部212により特定される属性ごとに利用者の人数及び割合を算出する。なお算出処理部213は、人数及び割合のいずれか一方のみを算出してもよい。具体的には、算出処理部213は、各店舗内にいる利用者について、店舗ごとに各属性に対応する人数の合計を算出する。また、算出処理部213は、店舗外にいる利用者について、各属性に対応する人数の合計を算出する。また、算出処理部213は、ショッピングモールSM1内にいる全ての利用者について、各属性に対応する人数の合計及び割合を算出する。算出処理部213は、算出結果(人数及び割合)を客層情報D2(
図5参照)に登録する。算出処理部213は、所定のタイミング(例えば所定の周期)で客層情報D2を更新する。
【0040】
抽出処理部214は、ショッピングモールSM1に含まれる複数の店舗の中から、算出処理部213により算出される前記属性ごとの人数又は割合に基づいて所定の店舗(本発明の第1店舗の一例)を抽出する。
【0041】
例えば、抽出処理部214は、複数の店舗の中から、利用者の人数又は割合が所定値以上の属性の利用者が主要な客層である店舗を抽出する。例えば、前記割合に対応する前記所定値が20%に設定されている場合、利用者の割合(
図5に示す「全体割合」)が20%以上の属性は「ファミリー」(「25.3%」)である。この場合、抽出処理部214は、複数の店舗(店舗情報D1)の中から、「ファミリー」が客層として登録されている店舗(ここでは店舗R4,R7,R9)を抽出する(
図4参照)。なお、前記所定値は、来店履歴等に基づいて予め設定されてもよいし、現在の客層情報D2に基づいて設定されてもよい。
【0042】
また他の実施形態として、抽出処理部214は、複数の店舗の中から、利用者の人数又は割合が所定値以上の属性の利用者が主要な客層ではない店舗を抽出してもよい。例えば、前記割合に対応する前記所定値が10%に設定されている場合、利用者の割合(
図5に示す「全体割合」)が10%以上の属性は「ファミリー」、「10代~20代女性」、「20代~30代女性」、「40代以降女性」、「20代~30代男性」、「40代以降男性」である(
図5参照)。この場合、抽出処理部214は、複数の店舗(店舗情報D1)の中から、前記属性とは異なる属性「10代~20代男性」が客層として登録されている店舗(ここでは店舗R6)を抽出する(
図4参照)。
【0043】
また他の実施形態として、抽出処理部214は、複数の店舗の中から、利用者の人数又は割合が大きい上位の所定数の属性の利用者が主要な客層である店舗を抽出してもよい。例えば、抽出対象の属性の数量(前記所定数)が「3」に設定されている場合には、抽出処理部214は、
図5に示す客層情報D2において上位3つの属性(ここでは「ファミリー」、「40代以降女性」、「20代~30代男性」)を抽出して、これらの属性が客層として登録されている店舗(ここでは店舗R4,R5,R7,R9,R10)を抽出する(
図4参照)。
【0044】
ここで、上述の各実施形態において、抽出処理部214は、さらに、抽出した複数の店舗のそれぞれに利用者の人数又は割合に応じた優先順位を設定してもよい。例えば、抽出処理部214は、複数の店舗(店舗情報D1)の中から、利用者の割合が前記所定値以上の「ファミリー」(「25.3%」)が客層として登録されている店舗R4,R7,R9を抽出した場合に、現在店舗R4,R7,R9にいる利用者の属性の割合が小さい順に優先順位を設定する。例えば、店舗R4にいる属性「ファミリー」の利用者は16人であるため、ファミリーの全利用者数(「56人」)に対する割合は「28.6%」であり、店舗R7にいる属性「ファミリー」の利用者は7人であるため、ファミリーの全利用者数(「56人」)に対する割合は「12.5%」であり、店舗R9にいる属性「ファミリー」の利用者は9人であるため、ファミリーの全利用者数(「56人」)に対する割合は「16.1%」である。この場合、抽出処理部214は、前記割合が最も小さい店舗R7に優先順位「第1位」を設定し、前記割合が次に小さい店舗R9に優先順位「第2位」を設定し、前記割合が最も大きい店舗R4に優先順位「第3位」を設定する。このように、抽出処理部214は、現時点の利用者数が少ない店舗の優先順位を高く設定する。
【0045】
提示処理部215は、算出処理部213により算出される属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する。例えば、提示処理部215は、客層情報D2のデータを、ショッピングモールSM1に含まれる各店舗の店舗端末4に送信して、各店舗端末4に、客層情報D2に対応する客層情報ページP1を表示させる。客層情報D2は、本発明の特定情報の一例である。
図6には、客層情報ページP1の一例を示している。客層情報ページP1には、現時点でショッピングモールSM1にいる全ての利用者の属性に応じた人数及び割合の情報が含まれる。各店舗のスタッフは、客層情報ページP1を参照することにより現時点でショッピングモールSM1に来店している利用者の属性、来店状況、混雑状況などを把握することができる。
【0046】
他の実施形態として、提示処理部215は、抽出処理部214により抽出される特定の店舗に前記特定情報を提示してもよい。
【0047】
例えば、抽出処理部214が複数の店舗(店舗情報D1)の中から、利用者の割合が前記所定値以上である「ファミリー」(「25.3%」)が客層として登録されている店舗R4,R7,R9を抽出した場合に、提示処理部215は、「ファミリー」に関する客層情報D2のデータを店舗R4,R7,R9の店舗端末4に送信する。このように、提示処理部215は、店舗の客層に対応する属性に関する客層情報D2を当該店舗の店舗端末4に提示する。これにより、店舗R4,R7,R9のスタッフは、店舗R4,R7,R9の客層に合致する利用者がショッピングモールSM1内に多いことを把握することができるため、例えば来店する利用者を受け入れる準備、商品の品揃えなど店内業務を強化する対策を講じることができる。
【0048】
また、例えば、抽出処理部214が複数の店舗(店舗情報D1)の中から、利用者の割合が前記所定値以上である「ファミリー」、「10代~20代女性」、「20代~30代女性」、「40代以降女性」、「20代~30代男性」、「40代以降男性」とは異なる属性「10代~20代男性」が客層として登録されている店舗R6を抽出した場合に、提示処理部215は、「10代~20代男性」に関する客層情報D2のデータを店舗R6の店舗端末4に送信する。これにより、店舗R6のスタッフは、店舗R6の客層に合致する利用者がショッピングモールSM1内に少ないことを把握することができるため、例えばショッピングモールSM1外の利用者に対して販促活動を強化したり、店内商品をショッピングモールSM1内の利用者の属性に応じた商品に入れ替えるなどの対策を講じることができる。
【0049】
また、提示処理部215は、例えば抽出された複数の店舗(例えば「ファミリー」が客層として登録されている店舗R4,R7,R9)のうち前記業種が異なる店舗に対応する客層情報D2を提示してもよい。例えば、店舗R4は前記業種が「玩具」であり、店舗R7,R9はともに前記業種が「飲食店」であるため、提示処理部215は、店舗R7の店舗端末4に店舗R4(「玩具」)に対応する客層情報D2(「16人」)を提示し、店舗R9の店舗端末4に店舗R4(「玩具」)に対応する客層情報D2(「16人」)を提示し、店舗R4の店舗端末4に店舗R7(「飲食店」)に対応する客層情報D2(「7人」)と店舗R9(「飲食店」)に対応する客層情報D2(「9人」)とを提示する。
図7には、店舗R7の店舗端末4に表示される客層情報ページP1の一例を示している。
図7に示す客層情報ページP1には、ショッピングモールSM1にいる「ファミリー」の人数及び割合の情報と、店舗R4にいる「ファミリー」の人数と、店舗外にいる「ファミリー」の人数とが表示される。これにより、店舗R7のスタッフは、店舗R7に来店する可能性のある利用者がどの程度いるのかを把握することができる。なお、店舗R7及び店舗R9はともに飲食店であるため、店舗R7のスタッフは、店舗R9の利用者を考慮する必要がない。
【0050】
また、提示処理部215は、算出処理部213により算出される属性ごとの人数又は割合を示す前記特定情報、及び、利用者が来店する可能性があることを示す前記特定情報の少なくともいずれかを店舗に提示してもよい。例えば
図7に示すケースにおいて、提示処理部215は、店舗R7に、ファミリーの利用者が来店する可能性を示す情報(来店予想)を提示する。具体的には、店舗外にいるファミリーは現時点でいずれの店舗にも入店しておらず、かつ現在時刻がランチタイム(例えば「11:30」)であるため、ファミリー向けの飲食店の店舗R7に来店する可能性が高い。この場合、提示処理部215は、店舗R7の店舗端末4に、店舗外にいる利用者が来店する可能性が高いことを示す情報(来店予想「〇」)を提示する。また、店舗R4(「玩具」)にいるファミリーは店舗R4を退店した後、ファミリー向けの飲食店の店舗R7に来店する可能性がある。この場合、提示処理部215は、店舗R7の店舗端末4に、店舗R4にいる利用者が来店する可能性があることを示す情報(来店予想「△」)を提示する。これにより、店舗R7のスタッフは、来店する可能性のある利用者の人数をより正確に把握することができる。
【0051】
他の実施形態として、提示処理部215は、前記優先順位を含む前記特定情報を、抽出処理部214が抽出した店舗に提示してもよい。例えば抽出処理部214が、利用者の割合が前記所定値以上の「ファミリー」(「25.3%」)が客層として登録されている店舗R4,R7,R9を抽出した場合において、店舗R7に優先順位「第1位」を設定し、店舗R9に優先順位「第2位」を設定し、店舗R4に優先順位「第3位」を設定した場合に、提示処理部215は、店舗R4,R7,R9の各店舗端末4に客層情報D2のデータを送信する。
図8には、店舗R4,R7,R9の各店舗端末4に表示される客層情報ページP1の一例を示している。
図8に示す客層情報ページP1には、店舗R4,R7,R9に対応する前記優先順位、ファミリーの人数及び割合の情報が表示される。これにより、例えば優先順位が第1位の店舗R7のスタッフは、ファミリーの利用者が現在空いている店舗R7に来店する可能性があることを把握することができる。
【0052】
他の実施形態として、抽出処理部214が、複数の店舗の中から、利用者の人数又は割合が大きい上位の所定数の属性の利用者が主要な客層である店舗を抽出した場合に、提示処理部215は、抽出された店舗に対応する前記特定情報を当該店舗の店舗端末4に提示してもよい。例えば、抽出処理部214が、上位3つの属性(「ファミリー」、「40代以降女性」、「20代~30代男性」)を客層とする店舗R4,R5,R7,R9,R10を抽出した場合に、提示処理部215は、上位3つの属性に対応する利用者の人数及び割合の情報と、店舗R4,R5,R7,R9,R10に関する情報とを含む前記特定情報を、店舗R4,R5,R7,R9,R10の店舗端末4に提示する。
図9には、店舗R4,R5,7,R9,R10の店舗端末4に表示される客層情報ページP1の一例を示している。
図9に示す客層情報ページP1において、前記上位3つの属性に対応する利用者の人数及び割合が大きい順に表示され、各属性を客層にする店舗R4,R5,R7,R9,R10に関する情報(店舗名、客層)が前記属性の順位に応じて表示される。このように、情報提示装置2では、抽出処理部214が、複数の店舗の中から抽出した複数の前記第1店舗のそれぞれに利用者の人数又は割合に応じた優先順位を設定し、提示処理部215が、前記優先順位を含む前記特定情報を、抽出した複数の店舗に提示してもよい。
【0053】
他の実施形態として、提示処理部215は、上述した各実施形態における前記特定情報を利用者端末3に提示してもよい。例えば、提示処理部215は、ショッピングモールSM1内にいる利用者の属性ごとに人数及び割合、各店舗にいる利用者の属性ごとに人数及び割合、ショッピングモールSM1及び各店舗の混雑状況などの特定情報を利用者端末3に提示してもよい。これにより、利用者は、前記混雑状況を把握して、例えば空いている店舗を行先に決定したり、複数の店舗の訪問順を決定したりすることができる。
【0054】
[利用者端末3]
図3に示されるように、利用者端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。利用者端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0055】
通信I/F34は、利用者端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して情報提示装置2、店舗端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0056】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0057】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って情報提示装置2、店舗端末4などの外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、情報提示装置2及び店舗端末4との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0058】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末3を制御する。
【0059】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、情報提示装置2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を情報提示装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、利用者端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、情報提示装置2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0060】
具体的に、利用者端末3では、情報提示システム1で提供される情報提供サービスの前記情報提供サイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、情報提示装置2から前記情報提供サイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部33に前記情報提供サイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、利用者端末3に情報提示装置2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、利用者端末3の利用者が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に前記情報提供サイトのウェブページが表示される。
【0061】
利用者は、利用者端末3を操作することにより、前記情報提供サイトのウェブページにおいて、ショッピングモールSM1内にいる利用者の属性ごとの人数及び割合、各店舗にいる利用者の属性ごとの人数及び割合、ショッピングモールSM1及び各店舗の混雑状況などの特定情報(混雑情報)を閲覧することができる。また、利用者は、前記ウェブページにおいて、各店舗の詳細情報を閲覧したり、飲食店の予約を行ったりすることができる。
【0062】
[店舗端末4]
図3に示されるように、店舗端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。店舗端末4は、例えば、タブレット端末又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。なお、店舗端末4は、情報提示装置2と同一の機能をさらに備えてもよいし、情報提示装置2と一体の情報処理装置であってもよい。
【0063】
通信I/F44は、店舗端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して情報提示装置2、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0064】
操作表示部43は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0065】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部42には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTPなどの通信プロトコルに従って情報提示装置2などの外部装置との間で通信処理を制御部41に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、情報提示装置2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0066】
また、記憶部42には、店舗の顧客情報、販売情報、予約情報などを管理する店舗管理情報(不図示)が記憶される。情報提示装置2は、前記店舗管理情報を取得することが可能である。
【0067】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより店舗端末4を制御する。
【0068】
具体的に、制御部41は、記憶部42に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部411として機能する。ブラウザ処理部411は、情報提示装置2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部43に表示させ、操作表示部43に対する操作を情報提示装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、店舗端末4は、制御部41によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、情報提示装置2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部41に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0069】
例えば、店舗端末4では、情報提示システム1で提供される前記情報提供サイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部41が、情報提示装置2から前記情報提供サイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部43に前記情報提供サイトのウェブページを表示させる。例えば、制御部41は、客層情報ページP1(
図6~
図9参照)を表示させる。
【0070】
[情報提示処理]
以下、
図10を参照しつつ、情報提示システム1において実行される情報提示処理について説明する。具体的に、本実施形態では、情報提示装置2の制御部21によって前記情報提示処理が実行される。また、制御部21は、所定のタイミング(周期)が到来するごとに情報提示処理を実行する。
【0071】
なお、本発明は、前記情報提示処理に含まれる一又は複数のステップを実行する情報提示方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記情報提示処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記情報提示処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21が前記情報提示処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該情報提示処理における各ステップを分散して実行する情報提示方法も他の実施形態として考えられる。前記情報提示方法は、本発明の情報提示方法の一例であり、前記情報提示プログラムは、本発明の情報提示プログラムの一例である。
【0072】
先ず、ステップS11において、制御部21は、前記属性判定情報を取得する。具体的には、制御部21は、ショッピングモールSM1内に設置されたカメラ51、各店舗内に設置されたカメラ52、店舗端末4、及び利用者端末3から、撮像画像データ、利用者情報、位置情報などを含む前記属性判定情報を取得する。
【0073】
次にステップS12において、制御部21は、利用者の属性を特定する。具体的には、制御部21は、前記属性判定情報に基づいて、利用者がファミリーか否か、利用者の性別、及び、利用者の年齢又は年代の少なくともいずれかの属性を特定する。制御部21は、特定した属性を客層情報D2(
図5参照)に登録する。制御部21は、新たな属性を特定した場合には客層情報D2に追加する。ステップS12は、本発明の特定ステップの一例である。
【0074】
次にステップS13において、制御部21は、特定した属性ごとに利用者の人数及び割合を算出する。具体的には、制御部21は、各店舗内にいる利用者について、店舗ごとに各属性に対応する人数の合計を算出する。また、制御部21は、店舗外にいる利用者について、各属性に対応する人数の合計を算出する。また、制御部21は、ショッピングモールSM1内にいる全ての利用者について、各属性に対応する人数の合計及び割合を算出する。制御部21は、算出結果(人数及び割合)を客層情報D2(
図5参照)に登録する。ステップS13は、算出ステップの一例である。
【0075】
次にステップS14において、制御部21は、算出した前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する。具体的には、制御部21は、客層情報D2のデータを、ショッピングモールSM1に含まれる各店舗の店舗端末4に送信して、各店舗端末4に、客層情報D2に対応する客層情報ページP1(
図6参照)を表示させる。ステップS14は、本発明の提示ステップの一例である。
【0076】
他の実施形態として、制御部21は、ショッピングモールSM1に含まれる複数の店舗の中から、算出した前記属性ごとの人数又は割合に基づいて所定の店舗(本発明の第1店舗の一例)を抽出して、抽出した店舗に前記特定情報を提示してもよい。
【0077】
例えば、制御部21は、複数の店舗の中から、利用者の人数又は割合が所定値以上の属性の利用者が主要な客層である店舗を抽出する。例えば、前記割合に対応する前記所定値が20%に設定されている場合において、制御部21は、複数の店舗(店舗情報D1)の中から、利用者の割合が前記所定値以上である「ファミリー」(「25.3%」)が客層として登録されている店舗R4,R7,R9を抽出した場合に、「ファミリー」に関する客層情報D2のデータを店舗R4,R7,R9の店舗端末4に送信する。
【0078】
また例えば、制御部21は、複数の店舗の中から、利用者の割合が前記所定値以上の「ファミリー」、「10代~20代女性」、「20代~30代女性」、「40代以降女性」、「20代~30代男性」、「40代以降男性」とは異なる属性「10代~20代男性」が客層として登録されている店舗R6を抽出した場合に、「10代~20代男性」に関する客層情報D2のデータを店舗R6の店舗端末4に送信する。
【0079】
また例えば、制御部21は、抽出した複数の店舗のうち前記業種が異なる店舗に対応する客層情報D2を提示してもよい。例えば、制御部21は、店舗R4(「玩具」)と、店舗R7(「飲食店」)と、店舗R9(「飲食店」)とを抽出した場合に、店舗R7の店舗端末4に店舗R4(「玩具」)に対応する客層情報D2(「16人」)のデータを送信する(
図7参照)。
【0080】
また例えば、制御部21は、算出した属性ごとの人数又は割合を示す前記特定情報、及び、利用者が来店する可能性があることを示す前記特定情報を、抽出した店舗に提示してもよい。例えば
図7に示すケースにおいて、制御部21は、店舗R7の店舗端末4に、店舗R7に来店する可能性が高いことを示す情報(来店予想「〇」)と、店舗R4にいる利用者が来店する可能性があることを示す情報(来店予想「△」)とを提示する。
【0081】
また例えば、制御部21は、利用者の属性の割合が小さい順に優先順位を設定した場合に、前記優先順位を含む前記特定情報を、抽出した店舗に提示してもよい。例えば制御部21は、ファミリーを客層とする店舗R4,R7,R9について、店舗R7(「12.5%」)に優先順位「第1位」を設定し、店舗R9(「16.1%」)に優先順位「第2位」を設定し、店舗R4(「28.6%」)に優先順位「第3位」を設定した場合に、店舗R4,R7,R9の各店舗端末4に前記優先順位を含む客層情報D2のデータを送信する(
図8参照)。これにより、例えば優先順位が第1位の店舗R7のスタッフは、ファミリーの利用者が現在空いている店舗R7に来店する可能性があることを把握することができる。
【0082】
また例えば、制御部21は、複数の店舗の中から、利用者の人数又は割合が大きい上位の所定数の属性の利用者が主要な客層である店舗を抽出した場合に、抽出した店舗に対応する前記特定情報を当該店舗の店舗端末4に提示してもよい。例えば、制御部21は、上位3つの属性(例えば「ファミリー」、「40代以降女性」、「20代~30代男性」)を客層とする店舗R4,R5,R7,R9,R10を抽出した場合に、上位3つの属性に対応する利用者の人数及び割合の情報と、店舗R4,R5,R7,R9,R10に関する情報とを含む前記特定情報を、店舗R4,R5,R7,R9,R10の店舗端末4に提示する(
図9参照)。
【0083】
以上のようにして、制御部21は、前記情報提示処理を実行する。制御部21は、前記所定のタイミングが到来するごとに客層情報D2(
図5参照)を更新して前記情報提示処理を実行する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る情報提示装置2は、複数の店舗を含む所定の施設(例えばショッピングモールSM1)内に存在する利用者の属性を特定し、特定した前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出し、算出した前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する。例えば、情報提示装置2は、ショッピングモールSM1内にいる利用者のうちファミリーの割合が高い場合には、ファミリーを客層(購買者層)とする店舗にファミリーの割合、人数などの特定情報を提示する。これにより、店舗は、適切な来店準備、販促活動などを行うことができるため、業務効率を向上させることができる。
【0085】
また、例えば情報提示システム1は、店舗の店舗端末4に利用者の属性に応じた特定の情報を提示するため、従来のシステムと比較して処理負荷が軽減される。このため、情報提示システム1は、各種処理に関する通信トラフィックの低減、及びコンピュータリソースの有効利用が可能となる。
【0086】
本発明の情報提示システムは、上述の実施形態に限定されない。本発明の他の実施形態として、情報提示装置2は、複数の施設の利用者情報を管理してもよい。例えば、情報提示装置2は、ショッピングモールSM1,SM2のそれぞれにおける店舗情報D1及び客層情報D2を管理して、ショッピングモールSM1の各店舗に前記特定情報を提示し、ショッピングモールSM2の各店舗に前記特定情報を提示してもよい。また、情報提示装置2は、ショッピングモールSM1,SM2を合わせた利用者の人数及び割合に基づいて、前記店舗に前記特定情報を提示してもよい。具体的には、情報提示装置2は、ショッピングモールSM1,SM2のそれぞれに存在する利用者の属性を特定し、前記属性ごとに利用者の人数又は割合を算出し、算出した前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する。例えば、情報提示装置2は、ショッピングモールSM1,SM2に含まれる複数の店舗の中から、前記属性ごとの人数又は割合に基づいて店舗を抽出し、抽出した店舗に前記特定情報を提示する。これにより、例えば、ショッピングモールSM1の店舗のスタッフは、ショッピングモールSM2にいる利用者が当該店舗に来店するのに備えて来店準備、販促活動などを行うことができる。
【0087】
本発明の他の実施形態として、提示処理部215は、前記特定情報をショッピングモールSM1内に設置されたディスプレイ(例えばデジタルサイネージ)に表示させてもよい。例えば、提示処理部215は、ショッピングモールSM1内の各店舗の混雑状況を、ショッピングモールSM1の入口付近に設置されたディスプレイに表示させてもよい。これにより、ショッピングモールSM1を訪れた利用者は各店舗の混雑状況を把握することができる。
【0088】
本発明の他の実施形態として、情報提示装置2は、所定の店舗(第2店舗)内に存在する利用者の属性を特定し、特定した前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出し、複数の店舗の中から、算出した前記属性ごとの人数又は割合に基づいて第1店舗を抽出し、前記特定情報を第1店舗に提示してもよい。例えば、アパレル店(婦人服店、紳士服店)(第2店舗)にいる利用者のうち20代~30代の女性の割合が20%(所定値)以上の場合に、情報提示装置2は、「20代~30代女性」が客層として登録されている飲食店(第1店舗)を抽出して、当該飲食店に前記特定情報を提示する。
【0089】
本実施形態に係る情報提示システム1は、複数の店舗を含む所定の施設内に存在する利用者の属性を特定する特定処理部212と、特定処理部212により特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出処理部213と、算出処理部213により算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示処理部215と、を備えるシステムとして構成されてもよい。
【0090】
また、本実施形態に係る情報提示方法は、一又は複数のプロセッサーが、複数の店舗を含む所定の施設内に存在する利用者の属性を特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定される前記属性ごとに前記利用者の人数又は割合を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出される前記属性ごとの人数又は割合に応じた特定情報を提示する提示ステップと、を実行する方法であってもよい。また、本実施形態に係る情報提示プログラムは、前記各ステップを一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 :情報提示システム
2 :情報提示装置
3 :利用者端末
4 :店舗端末
211 :取得処理部
212 :特定処理部
213 :算出処理部
214 :抽出処理部
215 :提示処理部