(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150093
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ヒートシンク構造、及び、当該ヒートシンク構造を有する照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 29/71 20150101AFI20220929BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220929BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20220929BHJP
F21V 29/75 20150101ALI20220929BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220929BHJP
【FI】
F21V29/71
F21S2/00 375
F21V29/503
F21V29/75
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052529
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 隆
(72)【発明者】
【氏名】浅野 健乃介
(57)【要約】
【課題】放熱性能のバラツキを低減する。
【解決手段】ヒートシンク構造20は、板状のベース部21を備えている。ベース部は、熱を外部に放出するための複数の放熱フィン27を有している。放熱フィンは、ベース部を貫通する切り欠き部23によって折り曲げ可能に形成された複数の折り曲げ部22をベース部の板面から突出する方向に折り曲げることで形成されている。2つのベース部が上下に積層されており、ベース部のそれぞれの板面には、折り曲げ部を折り曲げることで開口部28が形成されている。下側に配置されたベース部の放熱フィンは、上側に配置されたベース部の開口部を通るように配置されている。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のベース部を備え、
前記ベース部は、熱を外部に放出するための複数の放熱フィンを有しており、
前記放熱フィンは、前記ベース部を貫通する切り欠き部によって折り曲げ可能に形成された複数の折り曲げ部を前記ベース部の板面から突出する方向に折り曲げることで形成されている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートシンク構造において、
2つの前記ベース部が上下に積層されており、
前記ベース部のそれぞれの板面には、前記折り曲げ部を折り曲げることで開口部が形成されており、
下側に配置された前記ベース部の前記放熱フィンは、上側に配置された前記ベース部の前記開口部を通るように配置されている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項3】
請求項2に記載のヒートシンク構造において、
積層された2つの前記ベース部は、同じ形状になっており、かつ、一方のベース部に対して他方のベース部が板面に沿って180°回転して配置されている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のヒートシンク構造において、
積層された2つの前記ベース部は、溶接、ネジ、又は接着剤によって固定されている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のヒートシンク構造において、
前記ベース部は、前記ベース部の下方に配置される発熱体の上に前記放熱フィンが集中して配置された構成になっている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のヒートシンク構造において、
前記ベース部は、前記ベース部の主要部において前記放熱フィンが平行に配置された構成になっている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項7】
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のヒートシンク構造において、
前記ベース部の任意の前記放熱フィンには、空気を通すための対流孔が形成されており、
前記対流孔は、2つの前記ベース部が積層された状態において、直線状に配置されている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のヒートシンク構造において、
3つ以上の前記ベース部が上下に積層されている
ことを特徴とするヒートシンク構造。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のヒートシンク構造と、
光源と、を有する
ことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンク構造、及び、当該ヒートシンク構造を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具の中には、熱を外部に放出するためのヒートシンク構造を備えるものがあった。ヒートシンク構造は、板状の板金をU字状に折り曲げることで放熱フィンを形成し、溶接、カシメ、又はネジ等で、複数の放熱フィンを板状のベース部に固定した構成になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来のヒートシンク構造は、放熱フィンやベース部等の部品のバラツキや放熱フィンの加工のバラツキ等により、複数の放熱フィンをベース部に固定する際に密着具合が変わり、放熱性能にバラツキが発生することがあった。
【0005】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、放熱性能のバラツキを低減したヒートシンク構造、及び、当該ヒートシンク構造を有する照明器具を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、ヒートシンク構造であって、板状のベース部を備え、前記ベース部は、熱を外部に放出するための複数の放熱フィンを有しており、前記放熱フィンは、前記ベース部を貫通する切り欠き部によって折り曲げ可能に形成された複数の折り曲げ部を前記ベース部の板面から突出する方向に折り曲げることで形成されている構成とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、放熱性能のバラツキを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係るヒートシンク構造を備えた照明器具の斜視図である。
【
図2A】実施形態1に係るヒートシンク構造を備えた照明器具の分解斜視図(1)である。
【
図2B】実施形態1に係るヒートシンク構造を備えた照明器具の分解斜視図(2)である。
【
図3A】実施形態1に係るヒートシンク構造の構成説明図(1)である。
【
図3B】実施形態1に係るヒートシンク構造の構成説明図(2)である。
【
図3C】実施形態1に係るヒートシンク構造の構成説明図(3)である。
【
図3D】実施形態1に係るヒートシンク構造の構成説明図(4)である。
【
図4A】実施形態2に係るヒートシンク構造の構成説明図(1)である。
【
図4B】実施形態2に係るヒートシンク構造の構成説明図(2)である。
【
図4C】実施形態2に係るヒートシンク構造の構成説明図(3)である。
【
図4D】実施形態2に係るヒートシンク構造の構成説明図(4)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0010】
本発明では、従来のヒートシンク構造の以下のような課題を解決することも意図している。
(1)従来のヒートシンク構造は、放熱フィンやベース部等の部品のバラツキや放熱フィンの加工のバラツキ等により、複数の放熱フィンをベース部に固定する際に放熱フィンとベース部との密着具合が変わり、放熱性能にバラツキが発生する、という課題があった。
(2)従来のヒートシンク構造は、放熱フィンの数が多いため、放熱フィンの数だけ製造コストが高騰したり加工性が悪い、という課題があった。
(3)従来のヒートシンク構造は、各放熱フィンの間隔が狭いため、放熱フィンをベース部に固定し難い、という課題があった。
【0011】
[実施形態1]
<照明器具の構成>
以下、
図1、
図2A、及び
図2Bを参照して、本実施形態1に係るヒートシンク構造を備えた照明器具の構成について説明する。
図1は、本実施形態1に係るヒートシンク構造20を備えた照明器具10の斜視図である。
図2Aは、照明器具10の斜め上方向から見た分解斜視図である。
図2Bは、照明器具10の斜め下方向から見た分解斜視図である。なお、本実施形態では、照明器具10の光源としてLED(Light Emitting Diode)が用いられているものとして説明するが、照明器具10の光源はLEDに限らず様々な発光手段を用いることができる。
【0012】
図1、
図2A、及び
図2Bに示すように、照明器具10は、外部の施設に取り付ける側から順番に、取付アーム11と、電源基板カバー12と、電源基板13と、電源基板取付板14と、ヒートシンク15と、LED基板取付板16と、LED光源基板17と、LED18と、LEDカバー19と、を備えている。
【0013】
取付アーム11は、外部の施設に照明器具10を取り付けるための部材である。
電源基板カバー12は、電源基板13を保護するカバー部材である。
電源基板13は、LED18に電力を供給する図示せぬ電源部を搭載する基板である。
電源基板取付板14は、電源基板13が取り付けられる基板である。
ヒートシンク15は、発光体(本実施形態ではLED18)で発生した熱を外部に放出するための部材である。
LED基板取付板16は、LED光源基板17が取り付けられる基板である。
LED光源基板17は、LED18を搭載する基板である。
LED18は、照明器具10の光源として機能する発光体である。
LEDカバー19は、LED18を保護するカバー部材である。
【0014】
ヒートシンク15は、熱伝導率が高いアルミニウム材等で構成されているとよい。ヒートシンク15は、ヒートシンク構造20(
図3C及び
図3D参照)を有している。ヒートシンク構造20は、ベース部21と放熱フィン27とが一体化された構成になっている。
【0015】
<ヒートシンク構造の構成>
以下、
図3A乃至
図3Dを参照して、本実施形態1に係るヒートシンク構造20の構成について説明する。
図3A乃至
図3Dは、それぞれ、本実施形態1に係るヒートシンク構造20の構成説明図である。
図3A乃至
図3Dは、ヒートシンク構造20の製造工程を示している。
【0016】
図3Aに示すように、本実施形態に係るヒートシンク構造20(
図3C及び
図3D参照)は、板状のベース部21を基材にしている。
図3Aに示す例では、板状のベース部21の内部には、ベース部21を貫通する切り欠き部23によって、折り曲げ可能な複数の折り曲げ部22が形成されている。
図3Aは、折り曲げ部22を折り曲げる前のベース部21の形状を示している。各折り曲げ部22の内部には、空気を通すための対流孔24が形成されている。
【0017】
各折り曲げ部22は、根本部分の曲げ線25に沿ってベース部21の板面から突出する方向(起立する方向)に折り曲げられる。これにより、ベース部21は、
図3Bに示す形状になる。
図3Bに示す例では、ベース部21は、折り曲げられた各折り曲げ部22(
図3A参照)を放熱フィン27として機能させる構成になっている。このようなベース部21は、熱を外部に放出するための複数の放熱フィン27(折り曲げ部22)がベース部21と一体に形成された構成になっている。本実施形態では、ベース部21は、ベース部21の下方に配置される発熱体(本実施形態では、LED光源基板17に搭載されたLED18(
図2B参照))の上に各放熱フィン27が集中して配置された構成になっている。ベース部21の板面には、各折り曲げ部22(
図3A参照)を折り曲げて放熱フィン27とすることで、ベース部21を貫通する開口部28が形成されている。
【0018】
図3Cに示すように、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、2つのベース部21(下側のベース部21aと上側のベース部21b)が上下に積層された(重ねられた)構成になっている。積層された2つのベース部21は、同じ形状になっている。積層された2つのベース部21は、一方のベース部(例えば、下側のベース部21a)に対して他方のベース部(例えば、上側のベース部21b)が中心部O(
図3B参照)を中心にして板面に沿って180°回転して配置されている。なお、本実施形態では、2つのベース部21(下側のベース部21aと上側のベース部21b)が上面視で正方形になっている。このような2つのベース部21は、一方のベース部に対して他方のベース部を180°回転して配置するようにしても、2つのベース部21の四辺を一致した状態で上下に積層することができる。また、2つのベース部21は上面視で長方形になっていてもよい。この場合であっても、2つのベース部21は、一方のベース部に対して他方のベース部を180°回転して配置するようにしても、2つのベース部21の四辺を一致した状態で上下に積層することができる。なお、下側のベース部21aの放熱フィン27aは、上側のベース部21bの開口部28bを通るように配置(挿通するように配置)されている。
【0019】
積層された2つのベース部21は、密着するようにしてもよいし、互いの間に隙間ができるようにしてもよい。積層された2つのベース部21は、溶接、ネジ、又は接着剤によって固定される。これにより、ベース部21は、
図3Dに示す形状になる。その結果、
図3Dに示すように、積層された2つのベース部21を備えた、本実施形態に係るヒートシンク構造20が形成される。
【0020】
本実施形態に係るヒートシンク構造20は、ベース部21と各放熱フィン27とが一体化された構成になっている。このような本実施形態に係るヒートシンク構造20は、以下のような作用効果を奏する。
【0021】
(1)本実施形態に係るヒートシンク構造20は、ベース部21と各放熱フィン27とが一体化されているため、放熱フィン27やベース部21等の部品のバラツキや放熱フィン27の加工のバラツキ等を低減することができる。このような本実施形態に係るヒートシンク構造20は、従来のヒートシンク構造と異なり、複数の放熱フィン27をベース部21に固定しなくてもよいため、放熱フィン27とベース部21との密着具合が変わることを無くすことがでる。その結果、各放熱フィン27の加工バラツキによる各部位の熱伝導の差異を減少させることができ、放熱性能のバラツキを低減することができる。
【0022】
(2)また、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、ベース部21に設けられた折り曲げ部22(
図3A参照)を折り曲げるだけで、複数の放熱フィン27をベース部21に形成することができるため、製造コストを低減することができるとともに、放熱フィン27の加工性を改善することができる。
【0023】
(3)また、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、ベース部21に設けられた折り曲げ部22(
図3A参照)を折り曲げるだけで、複数の放熱フィン27をベース部21に形成することができるため、各放熱フィン27の間隔を狭くしても、各放熱フィン27をベース部21の正確な位置に配置することができる。つまり、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、各放熱フィン27をベース部21に固定し難くなることを抑制することができる。
【0024】
(4)また、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、同じ形状になっている2つのベース部21a,21bを用いて形成することができるため、部品の点数及び種類を減少させることができ、製造のし易さを向上させることができる。
【0025】
(5)また、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、2つのベース部21a,21bが積層された状態において、下側のベース部21aの対流孔24aと上側のベース部21bの対流孔24bとが直線状に配置された構成になっている(
図3D参照)。これにより、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、空気を円滑に流動させることができる。なお、本実施形態では、1つの放熱フィン27に対して1つの対流孔24が形成されているが、対流孔24は、1つの放熱フィン27に対して複数形成するようにしてもよい。
【0026】
(6)また、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、発熱体(本実施形態では、LED光源基板17に搭載されたLED18(
図2B参照))の上に各放熱フィン27が集中して配置されている。そのため、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、発熱体(LED18(
図2B参照))で発生する熱を効率よく外部に排出することができる。
【0027】
なお、本実施形態に係るヒートシンク構造20は、1つのベース部21だけで構成することができる。
また、ヒートシンク構造20は、3つ以上のベース部21が上下に積層された構成にすることもできる。この場合に、下側に配置されたベース部21の放熱フィン27は、上側に配置されたベース部21の開口部28を通るように配置される。
【0028】
以上の通り、本実施形態1に係るヒートシンク構造20によれば、ベース部21と放熱フィン27とを一体構造にしたことで、放熱フィン27やベース部21等の部品のバラツキや放熱フィン27の加工のバラツキ等を低減することができるため、放熱フィン27とベース部21との密着具合が変わることを無くすことができ、放熱性能のバラツキを低減することができる。
【0029】
[実施形態2]
実施形態1に係るヒートシンク構造20(
図3C及び
図3D参照)のベース部21は、発熱体であるLED18(
図2B参照)の上に各放熱フィン27が集中して配置された構成になっている。これに対し、本実施形態2では、LED18(
図2B参照)の位置に関係なく、ベース部71の主要部において放熱フィン77が平行に配置された構成になっているヒートシンク構造70(
図4C及び
図4D参照)を提供する。
【0030】
以下、
図4A乃至
図4Dを参照して、本実施形態2に係るヒートシンク構造70の構成について説明する。
図4A乃至
図4Dは、それぞれ、本実施形態2に係るヒートシンク構造70の構成説明図である。
図4A乃至
図4Dは、ヒートシンク構造70の製造工程を示している。
【0031】
図4Aに示すように、本実施形態に係るヒートシンク構造70(
図4C及び
図4D参照)は、板状のベース部71を基材にしている。
図4Aに示す例では、板状のベース部71の内部には、ベース部71を貫通する切り欠き部73によって、折り曲げ可能な複数の折り曲げ部72が形成されている。
図4Aは、折り曲げ部72を折り曲げる前のベース部71の形状を示している。各折り曲げ部72の内部には、空気を通すための対流孔74が形成されている。
【0032】
各折り曲げ部72は、根本部分の曲げ線75に沿ってベース部71の板面から突出する方向(起立する方向)に折り曲げられる。これにより、ベース部71は、
図4Bに示す形状になる。
図4Bに示す例では、ベース部71は、折り曲げられた各折り曲げ部72(
図4A参照)を放熱フィン77として機能させる構成になっている。このようなベース部71は、熱を外部に放出するための複数の放熱フィン77(折り曲げ部72)がベース部71と一体に形成された構成になっている。本実施形態では、ベース部71は、LED18(
図2B参照)の位置に関係なく、ベース部71の主要部において放熱フィン77が平行に配置された構成になっている。ベース部71の板面には、各折り曲げ部72(
図4A参照)を折り曲げて放熱フィン77とすることで、ベース部71を貫通する開口部78が形成されている。
【0033】
図4Cに示すように、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、2つのベース部71(下側のベース部71aと上側のベース部71b)が上下に積層された(重ねられた)構成になっている。積層された2つのベース部71は、同じ形状になっている。積層された2つのベース部71は、一方のベース部(例えば、下側のベース部71a)に対して他方のベース部(例えば、上側のベース部71b)が図示せぬ中心部を中心にして板面に沿って180°回転して配置されている。なお、本実施形態では、2つのベース部71(下側のベース部71aと上側のベース部71b)が上面視で正方形になっている。このような2つのベース部71は、一方のベース部に対して他方のベース部を180°回転して配置するようにしても、2つのベース部71の四辺を一致した状態で上下に積層することができる。また、2つのベース部71は上面視で長方形になっていてもよい。この場合であっても、2つのベース部71は、一方のベース部に対して他方のベース部を180°回転して配置するようにしても、2つのベース部71の四辺を一致した状態で上下に積層することができる。なお、下側のベース部71aの放熱フィン77aは、上側のベース部71bの開口部78bを通るように配置(挿通するように配置)されている。
【0034】
積層された2つのベース部71は、密着するようにしてもよいし、互いの間に隙間ができるようにしてもよい。積層された2つのベース部71は、溶接、ネジ、又は接着剤によって固定される。これにより、ベース部71は、
図4Dに示す形状になる。その結果、
図4Dに示すように、積層された2つのベース部71を備えた、本実施形態に係るヒートシンク構造70が形成される。
【0035】
本実施形態に係るヒートシンク構造70は、ベース部71と各放熱フィン77とが一体化された構成になっている。このような本実施形態に係るヒートシンク構造70は、実施形態1に係るヒートシンク構造20と同様に、以下のような作用効果を奏する。
【0036】
(1)本実施形態に係るヒートシンク構造70は、ベース部71と各放熱フィン77とが一体化されているため、放熱フィン77やベース部71等の部品のバラツキや放熱フィン77の加工のバラツキ等を低減することができる。このような本実施形態に係るヒートシンク構造70は、従来のヒートシンク構造と異なり、複数の放熱フィン77をベース部71に固定しなくてもよいため、放熱フィン77とベース部71との密着具合が変わることを無くすことがでる。その結果、各放熱フィン77の加工バラツキによる各部位の熱伝導の差異を減少させることができ、放熱性能のバラツキを低減することができる。
【0037】
(2)また、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、ベース部71に設けられた折り曲げ部72(
図4A参照)を折り曲げるだけで、複数の放熱フィン77をベース部71に形成することができるため、製造コストを低減することができるとともに、放熱フィン77の加工性を改善することができる。
【0038】
(3)また、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、ベース部71に設けられた折り曲げ部72(
図4A参照)を折り曲げるだけで、複数の放熱フィン77をベース部71に形成することができるため、各放熱フィン77の間隔を狭くしても、各放熱フィン77をベース部71の正確な位置に配置することができる。つまり、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、各放熱フィン77をベース部71に固定し難くなることを抑制することができる。
【0039】
(4)また、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、同じ形状になっている2つのベース部71a,71bを用いて形成することができるため、部品の点数及び種類を減少させることができ、製造のし易さを向上させることができる。
【0040】
(5)また、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、2つのベース部71a,71bが積層された状態において、下側のベース部71aの対流孔74aと上側のベース部71bの対流孔74bとが直線状に配置された構成になっている(
図4D参照)。これにより、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、空気を円滑に流動させることができる。なお、本実施形態では、1つの放熱フィン77に対して1つの対流孔74が形成されているが、対流孔74は、1つの放熱フィン77に対して複数形成するようにしてもよい。
【0041】
なお、本実施形態に係るヒートシンク構造70は、1つのベース部71だけで構成することができる。
また、ヒートシンク構造70は、3つ以上のベース部71が上下に積層された構成にすることもできる。この場合に、下側に配置されたベース部71の放熱フィン77は、上側に配置されたベース部71の開口部78を通るように配置される。
【0042】
以上の通り、本実施形態2に係るヒートシンク構造70によれば、実施形態1に係るヒートシンク構造20と同様に、ベース部71と放熱フィン77とを一体構造にしたことで、放熱フィン77やベース部71等の部品のバラツキや放熱フィン77の加工のバラツキ等を低減することができるため、放熱フィン77とベース部71との密着具合が変わることを無くすことができ、放熱性能のバラツキを低減することができる。
【0043】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0044】
例えば、前記した実施形態1に係るヒートシンク構造20は、2つのベース部21を積層させた構成になっている。同様に、前記した実施形態2に係るヒートシンク構造70は、2つのベース部71を積層させた構成になっている。しかしながら、実施形態1に係るヒートシンク構造20は、1つのベース部21だけで構成することができる。同様に、実施形態2に係るヒートシンク構造70は、1つのベース部71だけで構成することができる。
【0045】
また、例えば、前記した実施形態1に係るヒートシンク構造20は、3つ以上のベース部21を積層させた構成であってもよい。この場合に、ヒートシンク構造20は、nを1以上の整数とし、下から(n+2)番目のベース部21(又は、(n+2)番目と(n+3)番目の組のベース部21)に設けられた開口部28が下から(n)番目と(n+1)番目の組のベース部21に設けられた放熱フィン27を通すことができるサイズになっている。つまり、この場合に、ヒートシンク構造20は、例えば、下から3番目のベース部21に設けられた開口部28が下から1番目と2番目の組のベース部21に設けられた放熱フィン27を通すことができるサイズになっている。
【0046】
同様に、前記した実施形態2に係るヒートシンク構造70は、3つ以上のベース部71を積層させた構成であってもよい。この場合に、ヒートシンク構造70は、nを1以上の整数とし、下から(n+2)番目のベース部71(又は、(n+2)番目と(n+3)番目の組のベース部71)に設けられた開口部78が下から(n)番目と(n+1)番目の組のベース部71に設けられた放熱フィン77を通すことができるサイズになっている。つまり、この場合に、ヒートシンク構造70は、例えば、下から3番目のベース部71に設けられた開口部78が下から1番目と2番目の組のベース部71に設けられた放熱フィン77を通すことができるサイズになっている。
【符号の説明】
【0047】
10 照明器具
11 取付アーム
12 電源基板カバー
13 電源基板
14 電源基板取付板
15,15A ヒートシンク
16 LED基板取付板
17 LED光源基板
18 LED(発熱体)
19 LEDカバー
20,70 ヒートシンク構造
21,21a,21b,71,71a,71b ベース部
22,72 折り曲げ部
23,73 切り欠き部
24,24a,24b,74,74a,74b 対流孔
25,75 曲げ線
27,27a,27b,77,77a,77b 放熱フィン
28,28a,28b,78,78a,78b 開口部
O 中心部