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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150105
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ワーク受け渡し装置及び工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 7/04 20060101AFI20220929BHJP
   B23B 15/00 20060101ALI20220929BHJP
   B23B 9/10 20060101ALI20220929BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B23Q7/04 E
B23B15/00 A
B23B9/10
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052551
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000133593
【氏名又は名称】株式会社ツガミ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】池田 創一
【テーマコード(参考)】
3C033
3C045
3C707
【Fターム(参考)】
3C033HH11
3C045BA05
3C045CA01
3C045FB01
3C707AS05
3C707BS01
3C707HS12
(57)【要約】
【課題】ブランク材の形状に関わらずブランク材を運搬することができるワーク受け渡し装置及び工作機械を提供する。
【解決手段】ワーク受け渡し装置80は、ブランク材Wbを供給するワーク供給部60とブランク材Wbを加工部2に搬送する搬送ハンド装置70の間に設けられ、ワーク供給部60から搬送ハンド装置70にブランク材Wbを受け渡す。ワーク受け渡し装置80は、ワーク供給部60から供給されたブランク材Wbを把持するハンド部81と、ハンド部81を、ワーク供給部60からブランク材Wbを受け取り可能な第1授受位置Paと搬送ハンド装置70にブランク材Wbを受け渡し可能な第2授受位置Pbの間で移動させる第1駆動部84と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工前のワークであるブランク材を供給するワーク供給部と前記ブランク材を加工部に搬送する搬送ハンド装置の間に設けられ、前記ワーク供給部から前記搬送ハンド装置に前記ブランク材を受け渡すワーク受け渡し装置であって、
前記ワーク供給部から供給された前記ブランク材を把持するハンド部と、
前記ハンド部を、前記ワーク供給部から前記ブランク材を受け取り可能な第1位置と前記搬送ハンド装置に前記ブランク材を受け渡し可能な第2位置の間で移動させる駆動部と、を備える、
ワーク受け渡し装置。
【請求項2】
前記ハンド部である第1ハンド部は、前記ブランク材を把持し、
前記搬送ハンド装置は、前記第1ハンド部が把持した状態の前記ブランク材を把持可能に構成される第2ハンド部を備える、
請求項1に記載のワーク受け渡し装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のワーク受け渡し装置と、
前記ブランク材を把持する主軸を有する前記加工部と、
前記ワーク供給部と、
前記搬送ハンド装置と、を備える、
工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク受け渡し装置及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の振動ボウル形のパーツフィーダは、ピン(ブランク材)を1本ずつ分離してレールに沿って部品取出し装置により取り出し可能な位置に移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2678709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、ピンをレールに沿って滑らせる構成であるため、ブランク材の形状によってはブランク材をレールに沿って運搬することが困難となる。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、ブランク材の形状に関わらずブランク材を運搬することができるワーク受け渡し装置及び工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るワーク受け渡し装置は、加工前のワークであるブランク材を供給するワーク供給部と前記ブランク材を加工部に搬送する搬送ハンド装置の間に設けられ、前記ワーク供給部から前記搬送ハンド装置に前記ブランク材を受け渡すワーク受け渡し装置であって、前記ワーク供給部から供給された前記ブランク材を把持するハンド部と、前記ハンド部を、前記ワーク供給部から前記ブランク材を受け取り可能な第1位置と前記搬送ハンド装置に前記ブランク材を受け渡し可能な第2位置の間で移動させる駆動部と、を備える。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る工作機械は、前記ワーク受け渡し装置と、前記ブランク材を把持する主軸を有する前記加工部と、前記ワーク供給部と、前記搬送ハンド装置と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブランク材の形状に関わらずブランク材を運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る工作機械の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る工作機械の平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る工作機械の側面図である。
図4図2の一部の拡大図である。
図5図4の範囲Aの拡大図である。
図6図3の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係るワーク受け渡し装置及び工作機械について、図面を参照して説明する。
図2に示すように、旋盤である工作機械1は、加工部2と、ワーク供給部60と、搬送ハンド装置70と、ワーク受け渡し装置80と、制御部300と、を備える。
図1及び図2に示すように、加工部2は、加工部2全体の台であるベッドSと、第1主軸11を有する第1主軸ユニット10と、第2主軸21を有する第2主軸ユニット20と、第1主軸移動機構13Zと、第2主軸移動機構25X,25Zと、工具移動機構42X,42Yと、第1工具ユニット45と、第2工具ユニット26と、を備える。
以下では、第1主軸11及び第2主軸21の回転軸に沿う軸線方向をZ軸方向と規定し、Z軸方向に直交する高さ方向をY軸方向と規定し、Y軸方向及びZ軸方向に直交する方向をX軸方向と規定する。
【0011】
図1に示すように、第1主軸ユニット10は、ワークWを把持しつつ回転させる。具体的には、第1主軸ユニット10は、第1主軸11と、第1主軸11を回転可能に支持する第1主軸台12と、を備える。第1主軸11は、ワークWの一端を把持する。第1主軸台12には、第1主軸11を回転させるワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。
【0012】
第2主軸ユニット20は、Z軸方向に第1主軸ユニット10と向かい合う位置に設けられている。第2主軸ユニット20は、ワークWの他端を把持する第2主軸21と、第2主軸21を回転可能に支持する第2主軸台22と、を備える。第2主軸台22には、第2主軸21を回転させるワーク回転用モータ(図示せず)が内蔵されている。
【0013】
第1主軸移動機構13Zは、第1主軸ユニット10をZ軸方向に移動させる。第2主軸移動機構25Xは、第2主軸ユニット20をX軸方向に移動させる。第2主軸移動機構25Zは、第2主軸ユニット20をZ軸方向に移動させる。
【0014】
工具移動機構42Yは、第1工具ユニット45をY軸方向に移動させる。図2に示すように、工具移動機構42Xは、第1工具ユニット45をX軸方向に移動させる。
第1主軸移動機構13Z、第2主軸移動機構25X,25Z及び工具移動機構42X,42Yは、それぞれ、モータ、ボールねじ及びナットを有する。
【0015】
図2に示すように、第1工具ユニット45は、第1主軸11により把持されたワークWを加工する。第1工具ユニット45は、複数の工具45aと、複数の工具45aを保持する工具保持部45bと、を備える。工具45aは、例えば、バイト又はドリルである。
【0016】
第2工具ユニット26は、第2主軸21により把持されたワークWを加工する。第2工具ユニット26は、複数の工具26aと、複数の工具26aを保持する工具保持部26bと、を備える。工具26aは、例えば、バイト又はドリルである。
【0017】
図2に示すように、ワーク供給部60、搬送ハンド装置70及びワーク受け渡し装置80は、X軸方向に並べられる。加工部2に近い方から、搬送ハンド装置70→ワーク受け渡し装置80→ワーク供給部60の順番で並べられる。
【0018】
図3に示すように、ワーク供給部60は、パーツフィーダであり、加工前のワークWであるブランク材Wbをワーク受け渡し装置80により受け取り可能な第1授受位置Paに供給する。ブランク材Wbは、本例では、円環状に形成されている。第1授受位置Paにあるブランク材Wbの中心軸はZ軸方向に沿って延びる。
ワーク供給部60は、ベース部61と、ボウル62と、レール63と、加振部64と、を備える。ボウル62は、ベース部61の上面に設置され、複数のブランク材Wbが収容される。レール63は、ブランク材Wbが配列可能にX軸方向に直線状に延びる。レール63の第1端部は、ボウル62内に位置する。レール63の第2端部は、ボウル62外に位置し、搬送ハンド装置70にブランク材Wbを受け渡し可能な第1授受位置Paにある。
加振部64は、ボウル62に振動を与えることにより、ボウル62内で複数のブランク材Wbを螺旋状に並べたうえで、レール63に沿って移動させてブランク材Wbを第1授受位置Paに到達させる。
【0019】
図4に示すように、ワーク受け渡し装置80は、ワーク供給部60により第1授受位置Paに供給されたブランク材Wbを把持して第2授受位置Pbまで運ぶ。第2授受位置Pbは、搬送ハンド装置70がワーク受け渡し装置80からブランク材Wbを受け取り可能な位置である。
ワーク受け渡し装置80は、ブランク材Wbをその外周から把持するハンド部81と、ハンド部81をX軸方向に移動させる第1駆動部84と、ハンド部81をZ軸方向に移動させる第2駆動部85と、を備える。
【0020】
図6に示すように、第1駆動部84は、スライダ一体型のロッドレスシリンダである。第1駆動部84は、スライダ84aと、シリンダチューブ84bと、を備える。シリンダチューブ84bは、X軸方向に沿って延びる。スライダ84aは、シリンダチューブ84bに沿って移動可能に構成される。
図3に示すように、第1駆動部84のワーク供給部60に近い第1端部は、ベース部61の上面に支持部材89を介して支持される。第1駆動部84の加工部2に近い第2端部は自由端として設けられる。
【0021】
図4に示すように、第2駆動部85は、スライダ84aとともにシリンダチューブ84bに沿って移動可能にスライダ84aに固定される。第2駆動部85は、例えば、流体式のシリンダである。第2駆動部85は、ハンド部81を搬送ハンド装置70に対して退避させた退避位置Prと搬送ハンド装置70に近づけた前進位置Pf1,Pf2の間で移動させる。前進位置Pf1は、搬送ハンド装置70の後述するハンド部71内に位置する。前進位置Pf2は、前進位置Pf1よりも退避位置Prに近い位置に設けられ、ハンド部81にて第1授受位置Paにあるブランク材Wbを把持可能な位置である。退避位置Prは、搬送ハンド装置70の後述するハンド部71外に位置する。
ハンド部81は、第1駆動部84によりX軸方向に移動可能に、かつ、第2駆動部85によりZ軸方向に移動可能に構成されている。ハンド部81は、ブランク材WbをY軸方向から挟持するハンド爪83を有する。ハンド部81は、図示しない流体式シリンダ等の各種の駆動部によりハンド爪83を開閉する。
【0022】
搬送ハンド装置70は、ワーク受け渡し装置80から第2授受位置Pbにてブランク材Wbを受け取り、受け取ったブランク材Wbを加工部2内の第3授受位置Pcに移動させる。
図5に示すように、搬送ハンド装置70は、ブランク材Wbをその外周から把持するハンド部71と、ハンド部71をX軸方向に移動させるハンド駆動部72と、を備える。
ハンド駆動部72は、スライダ一体型のロッドレスシリンダである。ハンド駆動部72は、スライダ72aと、シリンダチューブ72bと、レール72dと、挟持部72eと、を備える。
【0023】
シリンダチューブ72bは、X軸方向に沿って延びる。スライダ72aは、シリンダチューブ72bに沿ってスライド移動可能に構成される。スライダ72aの移動は、搬送ハンド装置70のX軸方向の両端に位置する図示しないストッパに当接することにより規制される。このストッパには、スライダ72aが衝突する衝撃を和らげる図示しないショックアブソーバー(ダンパー)が設けられてもよい。スライダ72aは、スライダ72aのワーク受け渡し装置80に対向する面に形成され、後述する連結プレート71bをその厚さ方向から挟み込むように配置される2つの凸部72a1を備える。
挟持部72eは、後述する連結プレート71bをその厚さ方向から挟持することにより、スライダ72aにハンド部71を固定する。挟持部72eは、2組のボルト72e1及びナット72e2を有する。各ボルト72e1は、それぞれ凸部72a1にX軸方向に貫通した状態で螺合している。各ボルト72e1の先端は、それぞれ連結プレート71bに当接する。各ナット72e2は、それぞれボルト72e1の連結プレート71b側からボルト72e1に螺合されている。各ボルト72e1が作業者により回されることにより、各ボルト72e1がその軸方向に移動し、各ナット72e2で固定する。これにより、連結プレート71b、ひいては、ハンド部71のX軸方向の位置調整が行われる。
【0024】
レール72dは、シリンダチューブ72bに沿って延び、シリンダチューブ72bよりもワーク受け渡し装置80に近い位置に設けられる。
図4に示すように、レール72dのX軸方向の第1端部(図4の上端部)は、ワーク受け渡し装置80のシリンダチューブ84bの一部にZ軸方向に対向する。レール72dのX軸方向の第2端部(図4の下端部)は、ベッドSの上面であって、第2工具ユニット26の側方に位置する。
【0025】
図5に示すように、ハンド部71は、把持部71aと、連結プレート71bと、基礎部71cと、ガイド71dと、を備える。
連結プレート71bは、Z軸方向に沿って延びる板状をなし、挟持部72eによりX軸方向から挟持される。
基礎部71cは、連結プレート71bのワーク受け渡し装置80に近い端部に固定され、X軸方向に沿って延びる板状をなす。
把持部71aは、基礎部71cの連結プレート71bから遠い端部に固定されている。把持部71aは、X軸方向において、スライダ72aよりも第2主軸21(図4参照)に近い位置に設けられる。
図6に示すように、把持部71aは、ブランク材WbをX軸方向から把持する。把持部71aは、図示しない流体式シリンダ等の各種の駆動部により開閉する。
【0026】
図2に示すように、制御部300は、加工部2、ワーク供給部60、搬送ハンド装置70及びワーク受け渡し装置80を制御する。制御部300は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、CPUによる処理の手順を定義したプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を備える。
【0027】
次に、制御部300により実行される加工処理について説明する。制御部300は、事前に作成されたNCプログラムに従って、この加工処理を実行する。この加工処理実行中においては、ワーク供給部60は、ブランク材Wbを第1授受位置Paに供給する。
制御部300は、図4の一点鎖線で示すように、ワーク受け渡し装置80の第1駆動部84を介してハンド部81を第1授受位置Paに移動させる。そして、図4の矢印J1で示すように、ワーク受け渡し装置80の第2駆動部85を介してハンド部81をブランク材Wbに向けてZ軸方向に前進位置Pf2まで前進させて、ハンド部81によりブランク材WbをY軸方向から把持する。
【0028】
次に、制御部300は、図4の矢印J2で示すように、ワーク受け渡し装置80の第2駆動部85を介してハンド部81を退避位置Prに後退させて、図4の矢印J3で示すように、ワーク受け渡し装置80の第1駆動部84を介してハンド部81をX軸方向に第2授受位置Pbに移動させる。
【0029】
制御部300は、ハンド部81が第2授受位置Pbにある状態で、図4の矢印J4で示すように、ワーク受け渡し装置80の第2駆動部85を介してハンド部81をブランク材Wbに向けてZ軸方向に前進位置Pf1まで前進させる。これにより、ハンド部81のハンド爪83が搬送ハンド装置70のハンド部71内に進入する。
【0030】
そして、制御部300は、ハンド部71を閉状態とし、ハンド部81を開状態とする。これにより、ブランク材Wbがハンド部81からハンド部71に受け渡す。この際、ハンド部71によりブランク材WbがX軸方向から把持される。
なお、ワーク受け渡し装置80は、ブランク材Wbを第1授受位置Paから第2授受位置Pbに運んで搬送ハンド装置70に受け渡す処理を、ブランク材Wbが第1授受位置Paに供給される毎に繰り返し実行する。
【0031】
次に、制御部300は、図4の矢印J5で示すように、ハンド部81を退避位置Prに後退させる。そして、図4の矢印J6で示すように、搬送ハンド装置70のハンド駆動部72を介してハンド部71を第3授受位置Pcに向けてX軸方向に移動させる。
次に、制御部300は、第2主軸移動機構25X,25Z(図2参照)を介して第2主軸21を第3授受位置Pcにあるハンド部71に対向させ、ハンド部81から第2主軸21にブランク材Wbを受け渡す。
なお、搬送ハンド装置70は、ブランク材Wbを第2授受位置Pbから第3授受位置Pcに運んで第2主軸21に受け渡す処理を、ブランク材Wbが第2授受位置Pbに供給される毎に繰り返し実行する。
【0032】
次に、制御部300は、第2主軸21により把持したブランク材Wbを第2工具ユニット26を利用しつつ第1加工を行う。
そして、図2に示すように、制御部300は、第1主軸移動機構13Zと第2主軸移動機構25X,25Zを介して第2主軸21を第1主軸11にZ軸方向に対向させて、第2主軸21から第1主軸11に第1加工を行ったワークWを受け渡す。次に、制御部300は、第1主軸11により把持したワークWを第1工具ユニット45を利用しつつ第2加工を行う。
制御部300は、第2加工を行ったワークWを第1主軸11から図示しないワークキャッチャーに排出する。このワークキャッチャーに排出されたワークWは、図示しないワークコンベアで機外に搬送される。
以上で、加工処理が終了する。この加工処理は、ワークW(ブランク材Wb)の加工毎に行われる。
【0033】
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ワーク受け渡し装置80は、ブランク材Wbを供給するワーク供給部60とブランク材Wbを加工部2に搬送する搬送ハンド装置70の間に設けられ、ワーク供給部60から搬送ハンド装置70にブランク材Wbを受け渡す。ワーク受け渡し装置80は、ワーク供給部60から供給されたブランク材Wbを把持するハンド部81と、ハンド部81を、ワーク供給部60からブランク材Wbを受け取り可能な第1位置の一例である第1授受位置Paと搬送ハンド装置70にブランク材Wbを受け渡し可能な第2位置の一例である第2授受位置Pbの間で移動させる駆動部の一例である第1駆動部84と、を備える。
例えば、比較例に係る中間受け渡し部では、ワーク供給部から供給されたブランク材を傾斜したレールに沿って滑らせたり転がしたりすることにより搬送ハンド装置に供給する。このため、ブランク材の形状に制限がある。例えば、ブランク材の重心が偏っている形状ではブランク材が転がりづらく、ブランク材の外周面が平面状である場合にはブランク材が滑りづらくなる。よって、比較例に係る中間受け渡し部では、ブランク材の形状に合わせてレールを調整する必要があった。例えば、ブランク材の形状に合わせて、ワーク供給部、中間受け渡し部及び搬送ハンド装置の芯高調整が必要であった。
上記構成によれば、ワーク受け渡し装置80のハンド部81にてブランク材Wbを把持した状態でワーク供給部60と搬送ハンド装置70の間でブランク材Wbを運ぶ。このため、ブランク材Wbの形状への制限が少なくなり、ブランク材Wbの形状に関わらず加工部2にブランク材Wbを運搬することができる。また、ブランク材Wbの形状が変更となったときに必要となる調整作業の手間が少なくて済む。例えば、上記芯高調整が不要となる。
さらに、上記比較例に係る中間受け渡し部では、レールに沿って移動するブランク材を搬送ハンド装置のハンド部に装着するように押すシリンダが必要となる。このハンド部への装着に係るブランク材を次のブランク材が押すことを抑制するために、次のブランク材を押さえるシリンダが必要となる。上記構成によれば、これらシリンダが不要となり、より簡易な構成を実現することができる。
【0034】
(2)第1ハンド部の一例であるハンド部81は、ブランク材Wbを把持する。搬送ハンド装置70は、ハンド部81が把持した状態のブランク材Wbを把持可能に構成される第2ハンド部の一例であるハンド部71を備える。
この構成によれば、2つのハンド部71,81間でブランク材Wbを把持する方向が異なっているため、ハンド部81が把持した状態のブランク材Wbをハンド部71が把持可能となる。よって、2つのハンド部71,81間でのブランク材Wbの受け渡しが容易となる。
【0035】
(3)工作機械1は、ワーク受け渡し装置80と、加工時にブランク材Wbを把持する主軸の一例である第2主軸21を有する加工部2と、ワーク受け渡し装置80にブランク材Wbを供給するワーク供給部60と、ワーク受け渡し装置80からブランク材Wbを受け取って第2主軸21まで搬送する搬送ハンド装置70と、を備える。
この構成によれば、工作機械1において、ワーク供給部60、ワーク受け渡し装置80及び搬送ハンド装置70は、ブランク材Wbの形状に関わらず加工部2にブランク材Wbを供給することができる。
【0036】
なお、本開示は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本開示の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0037】
(変形例)
上記実施形態においては、工作機械1は、第1主軸ユニット10及び第2主軸ユニット20を備えていたが、第1主軸ユニット10及び第2主軸ユニット20の何れか一方が省略されてもよい。
【0038】
上記実施形態における第1主軸ユニット10、第2主軸ユニット20及び第1工具ユニット45の移動方向は適宜変更可能である。
上記実施形態において、搬送ハンド装置70はハンド部71をZ軸方向に移動可能に構成されてもよい。
【0039】
上記実施形態においては、各ハンド部71,81は、互いに異なる方向からブランク材Wbを把持していたが、これに限らず、同じ方向からブランク材Wbを把持してもよい。この場合、例えば、ハンド部71がブランク材Wbの一端を把持し、ハンド部81がブランク材Wbの他端を把持する。
また、上記実施形態においては、2つのハンド部71,81は、それぞれブランク材Wbを外周から把持していたが、これに限らず、2つのハンド部71,81の少なくとも何れは円環状のブランク材Wbを内周から把持していてもよい。例えば、ハンド部81はブランク材Wbを内周から把持し、ハンド部71はブランク材Wbを外周から把持してもよい。ブランク材Wbの形状は、円環状に限らず、どのような形状であってもよい。例えば、ブランク材Wbの重心が偏った形状であってもよいし、ブランク材Wbの外周面が平面に沿った形状であってもよい。
【0040】
上記実施形態においては、ワーク供給部60、搬送ハンド装置70及びワーク受け渡し装置80は、X軸方向に並べられていたが、これに限らず、どの方向に並べられてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…工作機械、2…加工部、10…第1主軸ユニット、11…第1主軸、12…第1主軸台、13Z…第1主軸移動機構、20…第2主軸ユニット、21…第2主軸、22…第2主軸台、25X,25Z…第2主軸移動機構、26…第2工具ユニット、26a,45a…工具、26b,45b…工具保持部、42X,42Y…工具移動機構、45…第1工具ユニット、60…ワーク供給部、61…ベース部、62…ボウル、63,72d…レール、84b…シリンダチューブ、64…加振部、70…搬送ハンド装置、71,81…ハンド部、71a…把持部、71b…連結プレート、71c…基礎部、71d…ガイド、72…ハンド駆動部、72a,84a…スライダ、72b…シリンダチューブ、72a1…凸部、72e…挟持部、72e1…ボルト、72e2…ナット、80…ワーク受け渡し装置、83…ハンド爪、84…第1駆動部、85…第2駆動部、89…支持部材、300…制御部、S…ベッド、W…ワーク、Pa…第1授受位置、Pb…第2授受位置、Pc…第3授受位置、Pf1,Pf2…前進位置、Wb…ブランク材、Pr…退避位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6