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特開2022-15011輸出管理システム、輸出管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015011
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】輸出管理システム、輸出管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220114BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020117589
(22)【出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】511314119
【氏名又は名称】株式会社ホクビ
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】金本 清嗣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】 商品の輸出に係る業務を効率的に行うことができる輸出管理システムを提供する。
【解決手段】 輸出管理システム1は、顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理部と、前記顧客管理部により格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類部と、前記分類部によりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更部と、前記価格変更部により変更された価格を表示する表示部とを有し、前記表示部は、前記価格変更部により変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理部と、
前記顧客管理部により格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類部と、
前記分類部によりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更部と、
前記価格変更部により変更された価格を表示する表示部と
を有し、
前記表示部は、前記価格変更部により変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する
輸出管理システム。
【請求項2】
商品の輸出に係るインボイスとパッキングリストとの少なくとも商品の品名、及び数量一致しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、インボイスとパッキングリストとで一致していないと判定された場合に、インボイスとパッキングリストの不一致を警告する警告部と
前記判定部により一致していると判定された場合に、インボイスとパッキングリストとを印刷する印刷許可部
とをさらに有する
請求項1に記載の輸出管理システム。
【請求項3】
商品を1つ以上詰めた内箱と、前記内箱を詰めた外箱との外側に貼る指示書を印刷する指示書印刷部と、
前記内箱の指示書と前記外箱の指示書とで印刷内容を変更する変更部と
を有し、
前記指示書印刷部は、前記変更部により変更された内容に基づいて、内箱と外箱とに貼る指示書を印刷する
請求項1に記載の輸出管理システム。
【請求項4】
特定の顧客に対して商品の販売を禁止する販売禁止部
をさらに有し、
前記販売禁止部により商品の販売が禁止された顧客が、輸出管理システムログインした場合に、前記表示部は、販売が禁止された商品を表示しない
請求項1に記載の輸出管理システム。
【請求項5】
企業のある部門において操作される情報処理装置から入力された業務の進捗情報を、前記企業内のネットワークに接続された他の部門において操作される情報処理装置に表示する工程管理部
をさらに有する請求項1に記載の輸出管理システム。
【請求項6】
商品の梱包方法を計算する梱包最適化部
をさらに有し、
前記梱包最適化部は、商品を梱包した箱の体積が最も小さくなるよう梱包方法を計算する
請求項1に記載の輸出管理システム。
【請求項7】
前記顧客管理部は、前記顧客識別情報と、顧客の締め日とを関連付けて管理し、
前記顧客管理部により管理される締め日に基づいて、請求書を発行する請求書発行部
をさらに有する請求項1に記載の輸出管理システム。
【請求項8】
顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理ステップと、
前記顧客管理ステップにより格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類ステップと、
前記分類ステップによりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更ステップと、
前記価格変更ステップにより変更された価格を表示する表示ステップと
を有し、
前記表示ステップは、前記価格変更ステップにより変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する
輸出管理方法。
【請求項9】
顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理ステップと、
前記顧客管理ステップにより格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類ステップと、
前記分類ステップによりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更ステップと、
前記価格変更ステップにより変更された価格を表示する表示ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記表示ステップは、前記価格変更ステップにより変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸出管理システム、輸出管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ネットワーク回線によって顧客の端末と、輸出業務一手引受業者の端末とが共通のサーバーに接続され、輸出業務一手引受業者において、顧客が受注した商品の輸出業務及び当該商品に係る輸出書類の作成業務を行う輸出業務支援システムであって、輸出業務一手引受業者の端末は、顧客の端末からサーバーに入力された商品の受注情報をもとに輸送(船、航空機)、梱包の準備を開始し、顧客から引き受けた商品の梱包後、入力された商品の梱包情報および輸出手配情報を含めて輸出書類の作成に必要な情報をサーバーに出力し、顧客の端末から共通のサーバーに送信された、承認の指示情報を受けて当該承認に係る輸出書類を発行するものであり、輸出手配情報は、前記受注情報及び出荷情報をもとにしたものであり、輸出業務一手引受業者において、商品の輸出先、搭載すべき船舶、航空機、および搭載日を特定する作業を含めて輸出に必要な作業並びに輸出書類の作成に必要な情報であり、輸出書類は、顧客の端末及び輸出業務一手引受業者の端末から入力された受注情報、出荷指示情報、梱包情報に基づいてサーバーにて作成されるものであることを特徴とする輸出業務支援システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、利用者端末と販売システムとの間で商取引物を、インターネットを介して売買するインターネット販売システムにおいて、前記インターネット販売システムは、前記商取引物の決済を、前記利用者端末からの通貨を示す決済情報で決済代行サービスを行う決済代行システムを有し、前記決済代行システムは、前記利用者端末の利用者の国情報、通貨情報、商品情報、商品の販売対象国情報、商品の通貨情報を格納する情報記憶手段と、前記利用者端末のログ情報を取得する手段と、前記取得したログ情報を元に、前記情報記憶手段の国情報及び通貨情報を取得する手段と、利用者情報DBの国情報を受け、商品情報DBの商品及び販売対象国の商品に対する販売対象国DBと照合し、利用者の国情報と一致する販売対象国があるか否かを判定する第1の照合・判定手段と、前記第1の照合・判定手段による照合結果、前記利用者端末の利用者の国情報が商品の販売対象国と一致する場合、利用者情報DBの利用者の通貨情報を受け、当該通貨情報が販売対象国DBの通貨・価格情報DBの通貨と照合し、商品に対して利用者の通貨情報と一致する通貨があるか否かを判定する第2の照合・判定手段と、前記第2の照合・判定手段による照合結果、利用者の通貨で販売可能である場合、前記商品及び前記利用者の通貨価格を前記利用者端末側に対して表示する手段と、前記利用者端末からの商品注文及び決済情報を受け、当該決済情報を元に決済システムに対して決済依頼する手段と、を有することを特徴とするインターネット販売システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-256071
【特許文献2】特開2014-194693
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商品の輸出に係る業務を効率的に行うことができる輸出管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る輸出管理システムは、顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理部と、前記顧客管理部により格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類部と、前記分類部によりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更部と、前記価格変更部により変更された価格を表示する表示部とを有し、前記表示部は、前記価格変更部により変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する。
【0007】
好適には、商品の輸出に係るインボイスとパッキングリストとの少なくとも商品の品名、及び数量が一致しているか否かを判定する判定部と、前記判定部により、インボイスとパッキングリストとで一致していないと判定された場合に、インボイスとパッキングリストの不一致を警告する警告部と前記判定部により一致していると判定された場合に、インボイスとパッキングリストとを印刷する印刷許可部とをさらに有する。
【0008】
好適には、商品を1つ以上詰めた内箱と、前記内箱を詰めた外箱との外側に貼る指示書を印刷する指示書印刷部と、前記内箱の指示書と前記外箱の指示書とで印刷内容を変更する変更部とさらに有し、前記指示書印刷部は、前記変更部により変更された内容に基づいて、内箱と外箱とに貼る指示書を印刷する。
【0009】
好適には、特定の顧客に対して商品の販売を禁止する販売禁止部をさらに有し、前記販売禁止部により商品の販売が禁止された顧客が、輸出管理システムログインした場合に、前記表示部は、販売が禁止された商品を表示しない。
【0010】
好適には、企業のある部門において操作される情報処理装置から入力された業務の進捗情報を、前記企業内のネットワークに接続された他の部門において操作される情報処理装置に表示する工程管理部をさらに有する。
【0011】
好適には、商品の梱包方法を計算する梱包最適化部をさらに有し、前記梱包最適化部は、商品を梱包した箱の体積が最も小さくなるよう梱包方法を計算する。
【0012】
好適には、前記顧客管理部は、前記顧客識別情報と、顧客の締め日とを関連付けて管理し、前記顧客管理部により管理される締め日に基づいて、請求書を発行する請求書発行部をさらに有する。
【0013】
本発明に係る輸出管理方法は、顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理ステップと、前記顧客管理ステップにより格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類ステップと、前記分類ステップによりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更ステップと、前記価格変更ステップにより変更された価格を表示する表示ステップとを有し、前記表示ステップは、前記価格変更ステップにより変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する。
【0014】
本発明に係るプログラムは、顧客を識別する顧客識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する顧客管理ステップと、前記顧客管理ステップにより格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する分類ステップと、前記分類ステップによりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する価格変更ステップと、前記価格変更ステップにより変更された価格を表示する表示ステップとをコンピュータに実行させ、前記表示ステップは、前記価格変更ステップにより変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が輸出管理システムにログインした場合に、変更された価格を表示する。
【発明の効果】
【0015】
商品の輸出に係る業務を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】輸出管理システム1の全体構成を例示する図である。
図2】輸出管理装置3の機能構成を例示する図である。
図3】(a)は、顧客管理情報を例示し、(b)は、商品管理情報を例示する図である。
図4】(a)は、取引通貨に基づいてグループ化された顧客情報を例示し、(b)は、掛け率に基づいてグループ化された顧客情報を例示する図である。
図5】商品価格変更処理(S10)を説明するフローチャートである。
図6】輸出書類印刷処理(S20)を説明するフローチャートである。
図7】海外顧客からの受注処理(S30)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
国内及び海外における商品の取引は、複数の部門、例えば、受注部門、生産部門、輸出処理部門が関わり、それぞれにおいて業務を管理していた。また、各部門における業務の進捗状態に基づいて、次の部門にタスクが渡されていた。具体的には、受注した商品の生産が完了しなければ、輸出処理に着手できない等の問題があった。そこで、本発明における輸出管理システム1は、商品の受注から輸出処理までを一つのシステムで管理することで部門間の情報共有を可能にし、タスクの同時進行を可能にした。具体的には、輸出管理システム1は、商品のネット販売、部門間における業務の進捗状況の共有、輸出処理に必要な書類の作成、及び輸出における指示書の作成までを一つのシステムにおいて管理することを可能にする。
【0018】
図1は、輸出管理システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、輸出管理システム1は、輸出管理装置3、ユーザ端末5、プリンター7、部門A端末9及び部門B端末9を含み、ネットワーク13を介して互いに接続している。さらに、輸出管理システム1は、インターネットを介して、顧客端末11A、顧客端末11B、及び顧客端末11Cと接続している。
輸出管理装置3は、コンピュータ端末であり、インターネットを介して販売する商品の輸出を管理する。具体的には、輸出管理装置3は、商品の受注、生産、及び輸出処理を管理する。より具体的には、輸出管理装置3は、商品の受注から輸出までの工程を管理し、輸出に係る書類であるインボイス、及びパッキングリストの作成、商品の販売価格の管理、及び商品が詰められた箱へ貼る指示書の作成、梱包指示書の作成、及び請求書の発行を行う。
ユーザ端末5は、コンピュータ端末であり、輸出管理装置3への商品価格の変更の指示を出し、各部門における業務の工程の閲覧、及び必要な書類の印刷指示を行う。
【0019】
プリンター7は、輸出管理装置3からの指示に基づいて、インボイス、パッキングリスト、及び指示書の印刷を行う。インボイスとは、海外へ発送する荷物に付けるものであり、発送する荷物の中味を英文で説明する書類のことをいい、商品の発送や納品明細書、請求書などの役割を果たす。パッキングリストとは、梱包明細であり、輸出や輸入の通関時において、インボイスと一緒に税関へ提出される書類である。
部門A端末9及び部門B端末9は、コンピュータ端末であり、ネットワーク13を介して輸出管理装置3と接続している。部門A端末9及び部門B端末9は、異なる部門間、例えば、受注部門、生産部門、及び営業部門間において、輸出管理装置3により管理される、商品の受注から輸出までの工程における進捗を共有して閲覧することができる。部門端末9は、本発明に係る情報処理装置の一例である。
顧客端末11(顧客端末11A、顧客端末11B、及び顧客端末11C)は、顧客が操作するコンピュータ端末であり、インターネットを介して輸出管理装置3と接続している。具体的には、顧客端末11は、輸出管理システム1にログインすることにより、商品の発注を行うことができる。
【0020】
図2は、輸出管理装置3の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、本例の輸出管理装置3には、輸出管理プログラム30がインストールされると共に、顧客情報管理データベース600(顧客情報管理DB600)、及び商品情報管理データベース610(商品情報管理DB610)が構成される。
輸出管理プログラム30は、顧客管理部300、分類部302、価格変更部304、販売禁止部306、表示部308、輸出書類作成部310、判定部312、警告部314、印刷許可部316、指示書印刷部318、変更部320、工程管理部322、梱包最適化部324、及び請求書発行部326を有する。
なお、輸出管理プログラム30の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0021】
輸出管理プログラム30において、顧客管理部300は、顧客を識別する識別情報と、顧客が取引に使用する通貨とを関連付けて管理する。具体的には、顧客管理部300は、顧客の識別情報と、会社名と、顧客が取引に使用する通貨と、掛け率とを関連付け、顧客情報管理DB600に格納する。
分類部302は、顧客管理部300により格納される顧客識別情報を、顧客が取引に使用する通貨の種類毎にグループ化する。さらに、分類部302は、顧客管理部300により格納される顧客識別情報を、顧客締め日に基づいてグループ化する。
価格変更部304は、分類部302によりグループ化された顧客群毎に商品の価格を変更する。例えば、ユーザが「円」で取引を行う顧客に販売する商品の価格を変更した場合に、価格変更部304は、分類部302によりグループ化された、「円」で取引を行うグループに属する顧客すべてにおいて、商品の価格を変更する。
また、例えば、ユーザが「60%」の掛け率で商品を卸す顧客に販売する商品の価格を変更した場合に、価格変更部304は、分類部302によりグループ化された、「60%」の掛け率で取引を行うグループに属する顧客すべてにおいて、商品の価格を変更する。すなわち、価格変更部304は、取引通貨に基づいてグループ化され、さらに、掛け率に基づいてグループ化された顧客群に提供する商品の価格を変更することができる。
さらに、価格変更部304は、ユーザの操作により特定の顧客、または商品の価格のみを直接変更する。
販売禁止部306は、特定の顧客に対して商品の販売を禁止する。
【0022】
表示部308は、価格変更部304により価格が変更されたグループに属する顧客識別情報を有する顧客が、輸出管理システム1にログインした場合に、変更された価格を表示する。これにより、為替変動の影響を加味しながらユーザが簡便に、商品価格を変更することができる。
また、表示部308は、販売禁止部306により商品の販売が禁止された顧客が、輸出管理システム1にログインした場合に、販売が禁止された商品を表示しない。
輸出書類作成部310は、顧客情報と受注情報とに基づいて、インボイス、及びパッキングリストを作成する。
判定部312は、商品の輸出に係るインボイスとパッキングリストとの少なくとも商品の品名、及び数量が一致しているか否かを判定する。
警告部314は、判定部312により、インボイスとパッキングリストとで一致していないと判定された場合に、インボイスとパッキングリストの不一致を警告する。具体的には、警告部314は、ユーザ端末5、または部門端末9にインボイスとパッキングリストの不一致を表示し、一致していない部分を明示する。
【0023】
印刷許可部316は、判定部312により一致していると判定された場合に、インボイスとパッキングリストとの印刷を許可し、プリンター7に指示を出す。また、印刷許可部316は、インボイスとパッキングリストとが一致していない場合に、インボイスとパッキングリストとの印刷を禁止する。
指示書印刷部318は、商品を1つ以上詰めた内箱と、内箱を詰めた外箱との外側に貼る指示書を印刷する。具体的には、指示書印刷部318は、変更部320(後述)により変更された内容に基づいて、内箱と外箱とに貼る指示書を印刷する。
変更部320は、内箱の指示書と外箱の指示書とで印刷内容を変更する。変更部320により、内箱と外箱の送付先を変更することで、開封した外箱に詰められた内箱毎に異なる場所へ送付することが可能である。
【0024】
工程管理部322は、各部門(受注部門、生産部門、営業部門、経理部門、及び輸出処理部門等)における業務の進捗を管理する。具体的には、工程管理部322は、各部門端末9により入力された業務の進捗を管理し、さらに、工程管理部322は、企業のある部門において操作される部門端末9から入力された業務の進捗情報を、前記企業内のネットワークに接続された他の部門において操作される部門端末9に表示する。具体的には、業務の進捗とは、各発注毎のステータスであり、例えば、工程管理部322は、カレンダーの日付毎に、発送予定、発送確定、及び発送完了等の作業工程がどこまで進んでいるかを表示する。これにより、部門が異なっていても他の部門の業務の進捗を確認できる。すなわち、工程管理部322は、顧客端末11からの注文、及び注文により発生する作業を各部門(各担当)間でリアルタイムで共有できるため、部門間での連絡ミスや確認作業が軽減される。
梱包最適化部324は、商品を梱包した箱の体積を最も小さくするための、商品の箱への梱包方法を計算する。梱包最適化部324は、計算した梱包方法を梱包指示書として印刷する。出荷担当者は、梱包指示書に基づいて、商品を梱包することにより、作業ミスを軽減し、さらに、送料コストの削減に繋がる。
請求書発行部326は、顧客の締日に基づいて、請求書を発行する。具体的には、請求書発行部326は、顧客と顧客の締日とを関連付けて顧客管理情報DB600に格納し、顧客毎の締日に基づいて、請求書の作成及び発行をする。請求書発行部326は、顧客の締日に基づいて請求書を発行してもよいし、発注毎に請求書を発行してもよい。
【0025】
図3は、顧客情報管理DB600に格納される顧客管理情報、商品情報管理DB610に格納される商品管理情報を例示する図である。
図3(a)に例示するように、顧客管理情報は、顧客を識別する顧客識別情報と、顧客(会社)名と、顧客が商品の取引に使用する取引通貨と、掛け率(小売希望価格に対する卸値の割合)と、顧客の締日とを関連付けて有する。
図3(b)に例示するように、商品管理情報は、商品を識別する商品番号と、商品名と、取引通貨と、商品価格と、販売禁止の顧客とを関連付けて有する。特定の商品について、特定の取引通貨における商品価格を変更した場合に、特定の取引通貨を使用する全ての顧客の商品の価格が変更される。また、特定の商品において、販売禁止の顧客を登録することで、販売禁止となった顧客へ、特定の商品を表示しないようにすることができる。
【0026】
図4は、顧客情報管理DB600に格納される顧客情報を取引通貨、及び掛け率でグループ化した図である。
図4(a)に例示するように、分類部302は、顧客管理情報における顧客を、取引通貨に基づいてグループ化する。これにより、特定の取引通貨を使用する全ての顧客商品の価格を変更することができる。
また、図4(b)に例示するように、分類部302は、顧客管理情報における顧客を、掛け率に基づいてグループ化する。これにより、特定の掛け率を有する全ての顧客の商品の価格を変更することができる。
【0027】
図5は、輸出管理システム1における商品価格変更処理(S10)を説明するフローチャートである。
図5に例示するように、ステップ100(S100)において、価格変更部304は、ユーザによる、特定の取引通貨における商品価格の変更を受け付ける。具体的には、価格変更部304は、商品管理情報の商品の価格を変更する。
ステップ105(S105)において、分類部302は、商品管理情報に基づいて、価格変更部304により変更された商品価格の商品が関連付けられた取引通貨を特定する。さらに、分類部302は、顧客管理情報に基づいて、特定した取引通貨を、取引通貨として使用する顧客をグループ化する。
ステップ110(S110)において、価格変更部304は、分類部302によりグループ化された顧客群の商品価格を変更する。
ステップ115(S115)において、顧客管理部300が、輸出管理システム1へのログインを検知する。
ステップ120(S120)において、表示部308は、顧客管理情報に基づいて、ログインした顧客の取引通貨に応じた商品価格を表示する。
【0028】
図6は、輸出管理システム1における輸出書類印刷処理(S20)を説明するフローチャートである。
図6に例示するように、ステップ200(S200)において、判定部312は、商品の輸出に係るインボイスとパッキングリストとの少なくとも商品の品名、及び数量が一致しているか否かを判定する。
ステップ205(S205)において、判定部312により一致していると判定された場合に、輸出書類印刷処理(S20)は、S220へ移行し、一致していないと判定された場合に、S210へ移行する。
ステップ210(S210)において、警告部314は、ユーザ端末5、または部門端末9にインボイスとパッキングリストの不一致を表示し、一致していない部分を明示する。
ステップ215(S215)において、印刷許可部316は、インボイスとパッキングリストの印刷を禁止する。すなわち、印刷許可部316は、誤った内容でインボイスとパッキングリストとを印刷することを防ぐ。
ステップ220(S220)において、印刷許可部316は、インボイスとパッキングリストの印刷を許可する。
【0029】
図7は、輸出管理システム1における海外からの受注処理(S30)を説明するフローチャートである。
ステップ300(S300)において、輸出管理装置3の工程管理部322は、確定した受注におけるスケジュールの管理を開始する。輸出管理装置3が提供するユーザインタフェースの「受注確定」ボタンの押下により、工程管理部322は、受注した商品の発送完了までのスケジュールを作成する。
ステップ305(S305)において、工程管理部322により作成された、スケジュールに基づいて、ユーザは、納期を確認する。
ステップ310(S310)において、工程管理部322により作成されたスケジュールに基づいて、納期を確定する。具体的には、輸出管理装置3が提供するユーザインタフェースの「出荷予定日」ボタンの押下により、工程管理部322は、納期を確定する。
ステップ310(S310)において、工程管理部322は、ユーザによる「貿易条件」ボタンの押下により貿易条件を確定する。
ステップ315(S315)において、輸出書類作成部310は、ユーザによる「支払用invoice」ボタンの押下により受注した情報に基づいて、支払用のインボイスを作成する。
【0030】
ステップ320(S320)において、梱包最適化部324は、ユーザによる「自動梱包」ボタンの押下により、受注した商品の最適な梱包方法を計算し、梱包指示書を作成、及び印刷する。
ステップ325(325)において、輸出書類作成部310は、ユーザによる「発送用invoice」ボタンの押下により受注した情報に基づいて、発送用のインボイスを作成する。
ステップ330(S330)において、輸出書類作成部310は、ユーザによる「Packing List」ボタンの押下により受注した情報に基づいて、パッキングリストを作成する。
すなわち、顧客から商品を受注した場合、ユーザは、輸出管理装置3により提供されるユーザインタフェースに従い、操作するだけで受注業務を終えることができる。貿易の知識がなくてもユーザインタフェースに従うだけで、必要な書類を揃えることができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の輸出管理システム1によれば、顧客の取引通貨を管理しているため、為替の変動の影響を加味して、特定の通貨を取引に使用する顧客(または顧客群)の商品価格のみを変更することが可能である。また、輸出管理装置3は、輸出に係るインボイスとパッキングリストとの内容の一致を判定するため、異なった内容でインボイスとパッキングリストを印刷し、輸出業務が滞ることを防ぐ。
さらに、商品を詰めた内箱と外箱とで異なる内容の指示書を貼り付けることができるため、例えば、外箱を倉庫宛てに送付し、内箱に倉庫からの配送先を指示した指示書を貼り付けることで、倉庫に着いた外箱に入った内箱に新たに指示書を貼り付けることなく、内箱を配送に回すことが可能である。
また、部門間で業務の進捗を共有できるため、他の部門の進捗状況に左右される業務のスケジュールを立てやすくなる。
なお、梱包最適化部324は、AI(artificial intelligence)を用いて、商品の大きさ、形状、個数、及び、顧客の要望に応じた梱包方法を計算し、計算結果に基づいて、梱包指示書及びパッキングリストを自動的に生成してもよい。
また、価格変更部304は、AIを用いて、為替変動を加味して顧客群毎に商品の価格を変更する。
【符号の説明】
【0032】
1…輸出管理システム
3…輸出管理装置
5…ユーザ端末
7…プリンター
9…部門端末
11…顧客端末
30…輸出管理プログラム
300…顧客管理部
302…分類部
304…価格変更部
306…販売禁止部
308…表示部
310…輸出書類作成部
312…判定部
314…警告部
316…印刷許可部
318…指示書印刷部
320…変更部
322…工程管理部
324…梱包最適化部
326…請求書発行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7