(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150110
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ねじ締め装置
(51)【国際特許分類】
B23P 19/06 20060101AFI20220929BHJP
B25B 23/14 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B23P19/06 K
B25B23/14 610C
B25B23/14 610G
B25B23/14 610H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052560
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 慎悟
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA02
3C038BC04
3C038BC05
3C038CA06
3C038CB06
3C038CC04
3C038EA03
(57)【要約】
【課題】異常を判定すれば即座にねじ締め作業を中断するねじ締め装置の提供。
【解決手段】本発明のねじ締め装置1は、締結部品Sに係合可能な係合部2aを備えたビット2と、このビット2を回転駆動可能な出力軸Maを具備したモータMと、ビット2の回転角度θを検出可能な角度検出部ASと、ビット2に加わるトルクを検出可能なトルク検出部TSと、このトルク検出部TSから発せられた検出トルクTに基づいてモータMの回転を制御する制御手段30とを備える。制御手段30は、角度検出部ASおよびトルク検出部TSから発せられたデータを取り込み可能な取込部33と、検出トルクTが上昇から減少へ転じた時点の頂点A1(B1)およびこの頂点A1(B1)から減少して再び上昇へ転じる底点A2(B2)に基づいてねじ締め異常を判定する異常判定部35とを具備して成る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結部品に係合可能な係合部を備えたビットと、このビットを回転駆動可能な出力軸を具備したモータと、前記ビットの回転角度を検出可能な角度検出部と、前記ビットに加わるトルクを検出可能なトルク検出部と、このトルク検出部から発せられた検出トルクに基づいてモータの回転を制御する制御手段とを備えたねじ締め装置であって、
前記制御手段は、前記角度検出部およびトルク検出部から発せられたデータを取り込み可能な取込部と、前記検出トルクが上昇から減少へ転じた時点の頂点およびこの頂点から減少して再び上昇へ転じる底点に基づいてねじ締め異常を判定する異常判定部とを具備して成ることを特徴とするねじ締め装置。
【請求項2】
前記異常判定部は、前記頂点から前記底点へ減少した度合いを演算減少率として演算するとともに、この演算減少率と予め設定されている設定減少率とを比較してねじ締め異常の有無を判定して成ることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
【請求項3】
前記異常判定部は、1サイクルにおける演算減少率の演算回数をカウントするとともに、当該演算回数と予め設定された設定回数とを比較して前記演算回数が前記設定回数を超えればねじ締め異常と判定することを特徴とする請求項2に記載のねじ締め装置。
【請求項4】
前記異常判定部は、前記検出トルクが予め設定された判定開始トルクに到達すれば前記演算減少率の演算を開始して成ることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のねじ締め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ締め異常を検知するねじ締め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のねじ締め装置は、特許文献1に示すように、回転駆動するモータと、このモータの回転駆動を受けて回転するとともにワークに締結するねじ部品に係合可能なソケットと、このソケットに加わるトルクを検出して出力可能なトルク検出手段と、ソケットの回転角度を検出して出力可能な回転角度検出手段と、これらトルク検出手段および回転角度検出手段から出力される情報に基づいてねじ締め異常か否かを適宜判断可能な判断手段とを備えて成る。また、従来のねじ締め装置は、ねじ部品のねじ込み時に異物の噛み込み等の異常を検知するための第1基準トルクと、ねじ部品の締結完了を検知するための第2基準トルクとを予め記憶するとともに、前記第1基準トルクから第2基準トルクに到達するまでの毎回の締結時に収集するトルク曲線とを記憶するよう構成されている。
【0003】
前記第1基準トルクは、ワークとねじ部品との着座前に異物等の噛み込みによるトルク上昇を検出できる程度の値であり、かつ、ワークとねじ部品との着座までの正常なねじ込みでは到達しない程度の低い値である。また、前記トルク曲線は、異物等の噛み込みが無い状態で収集された正常時のものであり、ソケットの回転角度に対応している。前記判断手段は、トルク検出手段の検出トルクおよび回転角度検出手段の検出回転角度が前記トルク曲線に沿って上昇しているか判断するよう構成されている。
【0004】
このように構成された従来のねじ締め装置は、ねじ締め後に噛み込み等を生じた締付けであったか否かを判断して作業者等へ発信できるという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のねじ締め装置は、第1基準トルクに到達してから締結完了となる第2基準トルクに到達するまでのトルク曲線に基づいて異物の噛み込み有無を判定するので、当該判定基準となるトルク曲線を収集しているねじ込み過程では当該判定が行えない。つまり、従来のねじ締め装置は、ねじ締め完了後に異物噛み込みの判定を行うものであるため、ねじ込み途中で異物を噛み込んでも即座に異常と判定できないという問題があった。このように、異物を噛み込んだ状態のねじ部品は、第2基準トルクへ到達するまで無理にねじ込まれるので、これに螺合するワークとの間で焼き付きを生じ易い。よって、従来のねじ締め装置は、ねじ部品やワークを破損させ易いという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ねじ込み途中で異常判定可能なねじ締め装置の提供を目的としており、締結部品に係合可能な係合部を備えたビットと、このビットを回転駆動可能な出力軸を具備したモータと、前記ビットの回転角度を検出可能な角度検出部と、前記ビットに加わるトルクを検出可能なトルク検出部と、このトルク検出部から発せられた検出トルクに基づいてモータの回転を制御する制御手段とを備えたねじ締め装置であって、前記制御手段は、前記角度検出部およびトルク検出部から発せられたデータを取り込み可能な取込部と、前記検出トルクが上昇から減少へ転じた時点の頂点およびこの頂点から減少して再び上昇へ転じる底点に基づいてねじ締め異常を判定する異常判定部とを具備して成ることを特徴とする。なお、前記異常判定部は、前記頂点から前記底点へ減少した度合いを演算減少率として演算するとともに、この演算減少率と予め設定されている設定減少率とを比較してねじ締め異常の有無を判定して成ることが望ましい。また、前記異常判定部は、1サイクルにおける演算減少率の演算回数をカウントするとともに、当該演算回数と予め設定された設定回数とを比較して前記演算回数が前記設定回数を超えればねじ締め異常と判定するよう構成してもよい。さらに、前記異常判定部は、前記検出トルクが予め設定された判定開始トルクに到達すれば前記演算減少率の演算を開始するよう構成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るねじ締め装置は、上昇から減少へ転じる時点の最大トルクである頂点およびこの頂点から減少しはじめ再び上昇へ転じる時点のトルクである底点を認識し、検出トルクが焼き付き等により過度に波打つ大きなトルク変動であれば異常として判定している。つまり、本発明に係るねじ締め装置は、ねじ込み時のトルク変動の度合いに基づき最終的な締付けトルクに到達するまでにねじ締め動作を中断できるので、締結部品やワークに過度なトルクを付与し難いという利点がある。また、本発明に係るねじ締め装置は、前記頂点に対する前記底点の変動割合を演算減少率として演算するとともに、この演算減少率と予め設定された設定減少率とに基づいてねじ締め異常を判定するので、前記設定減少率を例えばワークの材質などに合わせて設定できる。このように適宜設定され変更も容易な前記設定減少率に基づいて異常判定する本発明に係るねじ締め装置は、様々なワークやねじ締めの条件にも前記設定減少率の設定変更により適合できるので、焼き付きによる異常のみならず異物の噛み込み等によるトルク変動の高いものも異常として判定できる。よって、本発明に係るねじ締め装置は、ワークや締結部品など材質等の組み合わせが異なるようなねじ締めであっても適宜対応できるので異常判定できる範囲を広げられる。また、設定減少率という判定基準を設けたことで、設けていないものに比べれば異常判定の精度も高められるという利点もある。さらに、本発明に係るねじ締め装置は、1サイクルにおける演算減少率の演算回数と予め設定されている設定回数とを比較してねじ締め異常を判定するので、異物の噛み込みやねじ込み中の焼き付きなどの異常をより高精度に高めることができるという利点もある。また、本発明に係るねじ締め装置は、ねじ込み中の検出トルクが予め設定されている判定開始トルクに到達した後でなければねじ締め異常の判定を開始しないので、ねじ込み初期段階の低トルク域における異常判定を行わずに済ませることができる。よって、本発明に係るねじ締め装置は、前記頂点および底点により求められた演算減少率を異常判定の基準とするので、低トルク域で僅かなトルク変動で本来異常と見なさなくてもよいパターンでは過度な異常判定の頻度が低減するという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るねじ締め装置の一例を示す概略説明図である。
【
図2】本発明に係るねじ締め装置の表示部34に表示されるトルク波形の一例であり、(a)は異常時のトルク波形、(b)は正常時のトルク波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るねじ締め装置を
図1または
図2に基づいて説明する。まず、本発明に係るねじ締め装置1は、締結部品SとめねじWaとの摩擦によって生じるトルク変動を検出して焼き付きを防止可能に構成されており、締結部品Sに係合可能な係合部2aを備えたビット2と、このビット2を回転駆動可能なモータMと、前記ビット2の回転角度を検出角度θとして出力可能な角度検出部ASと、前記ビット2に加わる負荷トルクを検出するトルク検出部TSと、このトルク検出部TSにより検出された検出トルクTおよび予め設定された締付け完了トルクTFに基づいてモータMの回転駆動を制御する制御手段30とを備えて成る。
【0011】
前記締結部品Sは、ワークWに予め設けられた下穴Waに螺合可能なおねじSaと、このおねじSaよりも大径に設定された頭部Sbとを一体に具備しており、その材質は鋼材である。また、頭部Sbは、その頭頂部にビット2の係合部2aと嵌合可能な嵌合部Sb1を形成されて成る。
【0012】
前記ビット2は、その一端が前記係合部2aを成し、その他端がモータMの出力軸Maに連結可能に構成されている。また、係合部2aは、本実施形態において、突状十字に成形されており、摩耗し難いように熱処理等が施されている。
【0013】
前記モータMは、回転可能な出力軸Maを備えており、後記制御手段30に接続されて所定の回転数およびトルクに応じて出力軸Maを回転可能に構成されている。これにより、モータMは、これに接続したビット2を回転駆動することができ、ビット2を介して締結部品Sへ回転を伝達することができる。また、このモータMは、軸方向へ昇降可能な昇降ユニット10に取り付けられている。
【0014】
前記昇降ユニット10は、モータMを取り付けて軸方向へ可動自在な可動板11を備えており、可動板11は、後記制御手段30の指令を受けて所定速度で昇降自在に構成されている。
【0015】
前記角度検出部ASは、出力軸Maの回転角度を検出可能に構成されており、本実施形態においては、エンコーダである。また、この角度検出部ASは、モータMに内蔵されており、出力軸Maの回転角度に応じたパルス信号を発信するよう構成されており、当該パルス信号を制御手段30へ適宜出力して成る。なお、角度検出部ASは、パルス信号を出力するものとしたが、このパルス信号を出力軸Maつまりビット2の回転角度として演算してこれを検出角度θとして後記取込部33へ送信するよう構成されてもよい。
【0016】
前記トルク検出部TSは、出力軸Maとビット2との間に配され、ビット2に加わるトルクを検出トルクTとして出力可能なトルクセンサである。また、このトルク検出部TSは、前述のトルクセンサに限定されるものではなく、出力軸Maに加わる回転方向の負荷をモータMの負荷電流に基づいてビット2に加わるトルクを演算するものであってもよい。この場合、トルク検出部TSは、モータMを接続した制御手段30内に配置してもよい。
【0017】
前記制御手段30は、
図1に示すように、前記モータMや昇降ユニット10の作動に係る各種設定値などを予め記憶して成る記憶部31と、この記憶部31に記憶されている情報に基づいてモータMや昇降ユニット10の動作を司る制御部32と、この制御部32に接続された角度検出部ASおよびトルク検出部TSから送信される検出角度θと検出トルクTとを紐付けした角度-トルクデータを生成して成る取込部33と、この取込部33によって生成された角度-トルクデータを基にトルク波形を表示して成る表示部34と、前記記憶部31の記憶情報および取込部33の情報に基づいてねじ締め異常を判定する異常判定部35とから構成されている。
【0018】
前記記憶部31は、締結部品Sの目標締付けトルクである締付け完了トルクTFと、出力軸Maの目標回転速度と、可動板11の目標移動速度と、モータMおよび昇降ユニット10のねじ締めに係る一連の動作を取り決めた動作プログラムと、ねじ締め異常判定に必要な各種判定値とを記憶して成る。
【0019】
また、前述のねじ締め異常判定に必要な各種判定値は、後記演算減少率と比較するための設定減少率と、1サイクルにおける演算減少率を演算した演算回数と比較するための設定回数と、前記演算減少率を演算し始めるきっかけとなる判定開始トルクT1とであり、予め記憶部31に記憶されている。
【0020】
前記制御部32は、動作プログラムに基づいて昇降ユニット10およびモータMへ適宜動作指令を送信して成る。
【0021】
前記取込部33は、角度検出部ASから発信されたパルス信号を出力軸Maの検出角度θに変換して成るとともに、変換した検出角度θ毎にトルク検出部TSから受信した検出トルクTが紐付けされたねじ締め開始からねじ締め完了までの一連のねじ締め過程における角度-トルクデータを生成して成る。
【0022】
前記表示部34は、X軸に角度、Y軸にトルクとする画面上に前記角度-トルクデータで紐付けされた検出角度θ毎の検出トルクTをプロットしてねじ締め時のトルク波形を表示可能に構成されている。
【0023】
前記異常判定部35は、前記記憶部31および前記取込部33に接続されており、これら記憶部31の記憶情報および取込部33の前記角度-トルクデータを取込可能に構成されている。また、異常判定部35は、
図2(a)のような検出トルクが上昇から減少へ転じる直前の最大トルクを頂点A1として記憶部31に記憶させるとともに、この頂点A1から減少して再び上昇へ転じた直前の低いトルクを底点A2として記憶部31に記憶させて成る。さらに、異常判定部35は、前記底点A2を前記頂点A1で除して前記頂点A1に対する底点A2の減少率を演算減少率として演算して成り、前記演算減少率と記憶部31に予め設定された前記設定減少率とを比較する。この時、前記演算減少率が設定減少率を超えていれば、異常判定部35は、トルク変動が大きいことにより焼き付きを起こす可能性が高いと判断してねじ締め異常と判定し、前記制御部32へねじ締め動作を中断する旨の信号を発信するとともに、前記表示部34へ異常発生のメッセージを表示するよう処理して成る。また、
図2(a)の頂点(A1,B1,C1,D1)および底点(A2,B2,C2,D2)のようにトルクが複数回波打ちトルク変動を繰り返す場合、前記演算減少率は、頂点A1および底点A2、頂点B1および底点B2、頂点C1および底点C2、頂点D1および底点D2のように、頂点A1(B1,C1,D1)と、この頂点A1(B1,C1,D1)からトルクが減少する底点A2(B2,C2,D2)とを使用され演算されたものである。
【0024】
また、前記異常判定部35は、前記演算減少率の演算回数をカウントして1サイクルのねじ締めにおける前記演算回数と、記憶部31に予め記憶した前記設定回数とを比較し、前記演算回数が前記設定回数を超えればねじ締め異常と判定し、制御部32へねじ締め動作を中断する旨の信号を発信するとともに、前記表示部34へ異常発生のメッセージを表示するよう処理して成る。さらに、前記異常判定部35は、ねじ締め開始から検出トルクTと、記憶部31に記憶している前記判定開始トルクT1とを比較し、前記検出トルクTが前記判定開始トルクT1を超えれば、前記演算減少率を演算できるようスタンバイするよう処理して成る。つまり、異常判定部35は、検出トルクTが判定開始トルクを超えない低トルク域の締付け過程では、演算減少率を求めないのでトルク変動の小さい焼き付き等の可能性が低い状態ではねじ締め異常を判定しないように制限されている。
【0025】
このように構成されたねじ締め装置1は、図示しない作業者等の操作により発せられた信号を受けて前記制御部32からモータMおよび昇降ユニット10へ動作指令を送る。これにより、前記ビット2に係合した締結部品Sは、回転しながら下降を始めるので、やがておねじSaの先端がワークWの表面に当接する。引き続きビット2は、回転しつつ下降するので、締結部品Sが下穴Waの奥方へねじ込まれる。
【0026】
前記異常判定部35は、前記モータMおよび昇降ユニット10の動作指令タイミングと同時に検出トルクTが前記判定開始トルクT1に到達していないか判定する。この時、検出トルクTが判定開始トルクT1に到達していれば、頂点A1および底点B1の発生をチェックし、これら繰り返し発生する頂点と底点に基づいて演算した演算減少率の演算回数をカウントする。
【0027】
前記異常判定部35は、前述した演算回数をカウントする度に当該演算回数が設定回数を超えているか判断して、超えていればモータMおよび昇降ユニット10の動作を中断する旨の信号を制御部32へ送る一方、超えていなければ引き続き演算回数のカウントを行う。
【0028】
前記異常判定部35は、前記頂点A1および前記底点B1の両点を認識すると、その直後に前記演算減少率を演算し、当該演算減少率が前記設定減少率を超えているか判定する。異常判定部35は、前記演算減少率が設定減少率を超えていればモータMおよび昇降ユニット10の動作を中断する旨の信号を制御部32へ送る。
【0029】
また、前記異常判定部35は、
図2(b)のようなねじ込み過程でトルク変動の少ない正常なねじ締め時であれば、トルク波形は、判定開始トルクT1に到達してから締付け完了トルクTFに到達するまでの間で、過度に波打つようなトルク変動がほとんど無い。したがって、おねじSaと下穴Waとの摩擦熱等による焼き付き現状が発生していないと見し締付け完了トルクTFの到達をもってねじ締め動作を完了する。
【0030】
なお、本実施形態において、前記設定減少率は、10%から20%の範囲に設定されているが、これに限定するものではなく、ワークWや締結部品Sの材質などに合わせた焼き付きを生じない数値に設定されている。
【符号の説明】
【0031】
1 … ねじ締め装置
2 … ビット
30 … 制御手段
31 … 記憶部
32 … 制御部
33 … 取込部
35 … 異常判定部
AS … 角度検出部
TS … トルク検出部
A1 … 頂点
A2 … 底点