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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150215
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】エネルギー供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04664 20160101AFI20220929BHJP
   H01M 8/043 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20220929BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20220929BHJP
【FI】
H01M8/04664
H01M8/043
H01M8/04303
H01M8/04228
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/0432
H01M8/04313
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052707
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】秋田 達也
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB23
5H127AC05
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA32
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB17
5H127BB37
5H127DA11
5H127DB66
5H127DB71
5H127DB90
5H127DC90
5H127GG03
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】システムを構成する複数の部品の各々の再使用の可否を容易に判定できるエネルギー供給システムを構成する。
【解決手段】供給された燃料ガスから発電を行う燃料電池を備えているエネルギー供給システムであって、システムを構成する複数の部品Pの使用時間を取得する使用時間取得部44aと、複数の部品の性能を所定のタイミングで判定する性能判定部44bと、使用時間取得部44aで取得した使用時間、及び、性能判定部44bでの判定結果を複数の部品と関連付けて記憶する記憶部46を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された燃料ガスから発電を行う燃料電池を備えているエネルギー供給システムであって、
システムを構成する複数の部品の使用時間を取得する使用時間取得部と、複数の前記部品の性能を所定のタイミングで判定する性能判定部と、前記使用時間取得部で取得した使用時間、及び、前記性能判定部での判定結果を複数の前記部品に関連付けて時系列的に記憶する記憶部とを備えているエネルギー供給システム。
【請求項2】
前記タイミングが、前記燃料電池において発電が停止した待機時と、待機状態にある前記燃料電池が発電を開始する発電移行時と、前記燃料電池での発電が継続する発電継続時と、発電状態にある前記燃料電池による発電を停止する状態に移行する停止移行時と、のいずれかのタイミングである請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項3】
前記性能判定部は、前記複数の前記部品が前記燃料電池のセルスタックである場合に、前記セルスタックから出力される電力によって前記判定を行い、
前記性能判定部は、複数の前記部品のうち電流供給により作動するものについては、前記部品に電流が供給された際の作動結果によって前記判定を行い、
前記性能判定部は、複数の前記部品のうち電流供給により温度が変化するものについては、前記部品に電流が供給された際の温度変化によって前記判定を行い、
前記性能判定部は、複数の前記部品のうち状態変化を検出するものについては、設定された条件における前記部品の状態変化によって前記判定を行う請求項1又は2に記載のエネルギー供給システム。
【請求項4】
所定の前記部品について、前記性能判定部で判定した前記判定結果が、前回の判定により前記記憶部に記憶されている前記判定結果と比較して向上する場合、あるいは、乖離することを認めた場合には、所定の前記部品に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記使用時間に代えて、新たに設定した前記使用時間を前記記憶部に記憶する請求項1~3のいずれか一項に記載のエネルギー供給システム。
【請求項5】
複数の前記部品の各々にユニークな識別情報を付しており、複数の前記部品のうち同じ前記部品について同じ前記識別情報を付して前記使用時間と、使用限界を示す耐用時間と、前記判定結果とを前記記憶部に記憶する請求項1~4のいずれか一項に記載のエネルギー供給システム。
【請求項6】
同じ前記識別情報が付された前記耐用時間から前記使用時間を減じた余寿命を前記記憶部に記憶し、外部から前記識別情報を指定して情報の要求があった場合に前記記憶部に記憶されている前記余寿命を出力する、
又は、前記耐用時間から前記使用時間を減ずることで前記余寿命を求めることが可能な外部端末から情報の要求があった場合に、前記記憶部に記憶している前記使用時間と、前記耐用時間とを出力する請求項5に記載のエネルギー供給システム。
【請求項7】
複数の前記部品を制御する運転制御装置が通信ネットワークに接続し、
前記通信ネットワークに接続するサーバに前記使用時間と前記判定結果とを記憶する記憶部が備えられている請求項1~6のいずれか一項に記載のエネルギー供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスから発電を行う燃料電池を備えているエネルギー供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、改質部で生成された燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セルを有するセルスタックと、セルスタックからの排ガスの熱を回収して貯える貯湯タンクとを筐体に収容した燃料電池設備が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-145346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるエネルギー供給システムは、コージェネシステムとも称され、一般家庭の家屋の屋外に設置されるものも多い。このように構成されるエネルギー供給システムは、使用開始から耐用年数に達した場合に、システム全体が交換されることが一般的である。
【0005】
ここでシステム全体の交換により撤去されたシステムを考えると、システムを構成する複数の部品には、使用可能なものも存在するものであり、使用可能な部品を適正に再使用することも望まれている。特に、燃料電池を稼動させるシステムには、希少金属を利用した部品や、高価な部品が用いられることもあり、再使用可能な部品を取り出して市場に流通させることも必要とされている。
【0006】
しかしながら、部品を再使用する場合には、再使用の可否を判定する必要があり、例えば、燃料電池のスタックのように、直接的に発電に関与する部品は、稼動時間に基づいて性能の低下を、ある程度は判断できるものであるが、例えば、燃料電池の排熱を回収する排熱回収部と貯湯槽との間で水(温水)を循環させるポンプや、空気を送る電動ブロアは、作動時間がシステム毎で異なり、複数の部品毎の再使用の可否を適正に判定することは困難であった。
【0007】
このような理由から、システムを構成する複数の部品の各々の再使用の可否を容易に判定できるエネルギー供給システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るエネルギー供給システムの特徴構成は、供給された燃料ガスから発電を行う燃料電池を備えているエネルギー供給システムであって、
システムを構成する複数の部品の使用時間を取得する使用時間取得部と、複数の前記部品の性能を所定のタイミングで判定する性能判定部と、前記使用時間取得部で取得した使用時間、及び、前記性能判定部での判定結果を複数の前記部品に関連付けて時系列的に記憶する記憶部とを備えている点にある。
【0009】
この特徴構成によると、燃料電池を備えているエネルギー供給システムを構成する複数の部品の使用時間と性能とが、夫々の部品に関連付けて記憶部に記憶される。このように記憶することにより、例えば、エネルギー供給システムを撤去した場合に、記憶部に記憶された使用時間と判定結果とに基づいて、再使用が可能な部品を選別することも可能となる。また、判定結果が時系列的に記憶されているため、部品毎の性能の変化を取得することも可能となる。
従って、システムを構成する複数の部品の各々の再使用の可否を容易に判定できるエネルギー供給システムが構成された。
【0010】
上記構成に加えた構成として、前記タイミングが、前記燃料電池において発電が停止した待機時と、待機状態にある前記燃料電池が発電を開始する発電移行時と、前記燃料電池での発電が継続する発電継続時と、発電状態にある前記燃料電池による発電を停止する状態に移行する停止移行時と、のいずれかのタイミングであっても良い。
【0011】
これによると、予め設定された複数のタイミングのうち、性能の判定を行うために最適なタイミングで部品の性能の判定を行える。
【0012】
上記構成に加えた構成として、前記性能判定部は、前記複数の前記部品が前記燃料電池のセルスタックである場合に、前記セルスタックから出力される電力によって前記判定を行い、
前記性能判定部は、複数の前記部品のうち電流供給により作動するものについては、前記部品に電流が供給された際の作動結果によって前記判定を行い、
前記性能判定部は、複数の前記部品のうち電流供給により温度が変化するものについては、前記部品に電流が供給された際の温度変化によって前記判定を行い、
前記性能判定部は、複数の前記部品のうち状態変化を検出するものについては、設定された条件における前記部品の状態変化によって前記判定を行っても良い。
【0013】
これによると、セルスタックの電力によりセルスタックの性能を判定でき、作動する部品については作動により性能を判定でき、温度が変化する部品については温度によって性能を判定でき、状態が変化する部品については状態変化に基づいて性能を判定できる。
【0014】
上記構成に加えた構成として、所定の前記部品について、前記性能判定部で判定した前記判定結果が、前回の判定により前記記憶部に記憶されている前記判定結果と比較して向上する場合、あるいは、乖離することを認めた場合には、所定の前記部品に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記使用時間に代えて、新たに設定した前記使用時間を前記記憶部に記憶しても良い。
【0015】
これによると、性能判定部で判定した判定結果が、前回の判定により記憶部に記憶されている判定結果と比較して向上する場合、あるいは、乖離することを認めた場合には、部品が交換されたと判断できるため、新たに設定した初期値からの適正な使用時間を記憶部に記憶することになる。これにより、部品が交換された場合でも、交換された時点からの使用時間を正確に取得でき、部品の再使用の可否を判定する場合に部品の使用時間を正確に反映させることが可能となる。
【0016】
上記構成に加えた構成として、複数の前記部品の各々にユニークな識別情報を付しており、複数の前記部品のうち同じ前記部品について同じ前記識別情報を付して前記使用時間と、使用限界を示す耐用時間と、前記判定結果とを前記記憶部に記憶しても良い。
【0017】
これによると、識別情報が付された部品毎に耐用時間から使用時間を減ずることで、使用可能な時間(例えば、余寿命)を取得して使用の可否の判断が可能となる。
【0018】
上記構成に加えた構成として、同じ前記識別情報が付された前記耐用時間から前記使用時間を減じた余寿命を前記記憶部に記憶し、外部から前記識別情報を指定して情報の要求があった場合に前記記憶部に記憶されている前記余寿命を出力する、
又は、前記耐用時間から前記使用時間を減ずることで前記余寿命を求めることが可能な外部端末から情報の要求があった場合に、前記記憶部に記憶している前記使用時間と、前記耐用時間とを出力しても良い。
【0019】
これによると、識別情報で指定された部品の余寿命を外部に出力すること、又は、識別情報で指定された部品の耐用時間と使用時間とを外部端末に出力することで、外部端末において余寿命を取得することが可能となる。
【0020】
上記構成に加えた構成として、複数の前記部品を制御する運転制御装置が通信ネットワークに接続し、
前記通信ネットワークに接続するサーバに前記使用時間と前記判定結果とを記憶する記憶部が備えられても良い。
【0021】
これによると、通信ネットワークに対してパーソナルコンピュータ等を接続してサーバにおいて識別情報を指定してサーバの記憶部から使用時間と判定結果を取得することで、識別情報で指定された部品が再使用の可否を容易に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】エネルギー供給システムの構成図である。
図2】運転制御装置の構成を示すブロック回路図である。
図3】記憶処理のフローチャートである。
図4】判定結果情報の情報構造を示す図である。
図5】部品の識別情報から判定結果情報を取得する手順の概要を模式的に示した図である。
図6】別実施形態(a)において判定結果情報を取得する手順の概要を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1に示すように、外部から供給される都市ガス等の燃料ガスによって発電する発電モジュールM(燃料電池の一例)と、発電された電力を交流に変換する電力変換部1と、発電モジュールMでの発電時に発生する排熱を回収する排熱回収熱交換部2と、排熱回収熱交換部2で回収した排熱で水を加熱して温湯として貯える貯湯槽3と、システム全体を制御する運転制御装置Cと、を備えてエネルギー供給システムAが構成されている。
【0024】
このエネルギー供給システムAは、発電モジュールM(燃料電池)と、電力変換部1と、排熱回収熱交換部2と、貯湯槽3と、運転制御装置Cとを筐体に収容して発電ユニットAx(図5を参照)を構成しており、この発電ユニットAxは、一般家庭の屋外に設置される。図1に示すように筐体の内部温度を検知する筐体内センサASを筐体の内部に備えている。また、筐体内には、内部の空気を外部に排出する冷却ファン(図示せず)が設けられている。このエネルギー供給システムAは、システムを構成する複数の部品P(図5を参照)の性能を判定する機能を有している。この判定の機能については後述する。
【0025】
電力変換部1は、発電モジュールMで発電された直流の電力を交流電力に変換して外部の分電盤5に供給する。分電盤5は、商用電源から供給される電力と、電力変換部1から供給された電力とを併せて家屋内の電気機器等の電気負荷7に供給する。運転制御装置Cは、家屋の内部のリモートコントローラRで制御可能に構成されている。
【0026】
発電モジュールMは、都市ガス等の燃料ガスと改質水とが供給される気化器11と、気化器11からの燃料ガスと改質水とから改質ガスを生成する改質部12と、改質された燃料ガスと空気とから発電を行う複数のセルを積層したセルスタック13とを高温容器Maに収納している。高温容器Maには、空気流路16を介して空気供給ファン17からの空気が供給される。なお、空気流路16には、空気の流量を計測する流量計(図示せず)が設けられている。
【0027】
発電モジュールMは、都市ガス等の燃料ガスを、燃料ブロア(図示せず)の駆動により燃料ガス供給路10を介して気化器11に供給すると共に、改質水タンクWTに貯留した改質水を改質水ポンプ18の駆動により改質水供給路19を介して気化器11に供給される。また、気化器11から送り出された改質水は高温の環境下で蒸気化し、改質部12において燃料ガスと化学反応する結果、水素を多く含む改質ガスに改質される。特に、この発電モジュールMでは、燃料ガスの一部と空気とを混合して燃焼させることで高温環境を作り出している。
【0028】
セルスタック13は、固体酸化物形の複数の燃料電池セルを積層しており、改質された燃料ガスと、空気とがセルスタック13に供給されることで、このセルスタック13での化学的な反応により発電が行われる。また、発電された電力を電力変換部1に供給する電力系に電圧センサ4が備えられている。
【0029】
燃料ガス供給路10には、燃料ガスの供給を制御するガス開閉弁14と、燃料ガスの圧力を検知する圧力センサ15とを備えている。高温容器Maには内部温度を検出する雰囲気温度センサ28を備え、改質部12には改質温度を検出する改質温度センサ29を備えている。
【0030】
このエネルギー供給システムAは、発電モジュールMで発生する高温の排ガスを送り出す排ガス流路8を有し、この排ガス流路8の中間に排熱回収熱交換部2を備え、排熱回収熱交換部2の上流位置に排ガスの流量を検出する流量センサ8Sを備えている。
【0031】
この排熱回収熱交換部2と貯湯槽3との間に熱交換ユニットEを備えている。更に、貯湯槽3に対して外部から水道水等からの給水と、貯湯槽3から外部に対して温湯を送り出す給排水ユニットFを備えている。
【0032】
熱交換ユニットEは、熱交換流路20に対し、電磁制御型の熱交換側三方弁21と、電動モータで駆動される循環ポンプ22と、通電により発熱する熱交換部ヒータ23(凍結防止ヒータの一例)と、ラジエータ部24aおよび電動ファン24bを有するラジエータ24と、上流側温度センサ25と、下流側温度センサ26とを備えている。更に、ラジエータ24のケースの外部に冷却温度センサ24cを備えている。
【0033】
つまり、熱交換流路20は、貯湯槽3の底部からの水(温湯)を排熱回収熱交換部2に供給する上流側流路20aと、排熱回収熱交換部2で加熱された温湯を貯湯槽3の上部に戻す下流側流路20bとを有し、前述した上流側温度センサ25、熱交換側三方弁21、循環ポンプ22、熱交換部ヒータ23、ラジエータ24の各々が、この順序で上流側流路20aに備えられている。上流側流路20aと下流側流路20bとを結ぶバイパス流路20cを備え、バイパス流路20cは、熱交換側三方弁21の制御によって水(温湯)を流す状態と遮断される状態とに切り換えられる。
【0034】
給排水ユニットFは、外部からの給水(基本的に水道水の供給)を貯湯槽3の底部に供給する給水流路30と、貯湯槽3の上部から温湯を送り出す出湯流路31と、給水流路30から分岐する分岐流路30Aと、分岐流路30Aから更に分岐して出湯流路31に合流する冷水流路32とを備えている。
【0035】
給排水ユニットFは、分岐流路30Aと出湯流路31との合流位置に電磁式の混合弁33を備え、冷水流路32には、電磁式の開閉弁34を備えている。これにより、混合弁33の制御により貯湯槽3の温湯と、給水流路30からの冷水を混合して送り出すことが可能となる。また、開閉弁34を開放することにより給水流路30の冷水を出湯流路31から送り出すことも可能となる。
【0036】
この給排水ユニットFでは、給水流路30に給水流路ヒータ30H(凍結防止ヒータの一例)を備え、分岐流路30Aに給水流路30に供給される水の水温を計測する水温センサ35を備え、出湯流路31に出湯流路ヒータ31H(凍結防止ヒータの一例)を備え、この出湯流路31のうち、混合弁33より下流側に出湯温センサ36を備えている。更に、給排水ユニットFの外部には、出湯流路31から送り出される温湯が低温である場合に、燃料ガスの燃焼熱によって加熱する瞬間湯沸かし型の給湯器37を備えている。
【0037】
〔運転制御装置での基本的な制御〕
運転制御装置Cは、マイクロプロセッサや、DSP(Digital Signal Processor)等を備えることにより、予め記憶されたプログラムに従って処理を実行する。
【0038】
図2に示すように、運転制御装置Cは、ソフトウエアで成る発電制御部41と、熱交換制御部42と、出湯制御部43と、部品情報取得部44と、カレンダー部45(時間計測部の一例)とを備えている。また、運転制御装置Cは、ハードウエアで成る記憶部46と、情報アクセス部47を備えている。部品情報取得部44は、使用時間取得部44aと性能判定部44bとで構成されている。
【0039】
更に、運転制御装置Cは、電圧センサ4、圧力センサ15、上流側温度センサ25、下流側温度センサ26、水温センサ35、出湯温センサ36等を含むセンサ類からの信号が入力し、ガス開閉弁14、空気供給ファン17、改質水ポンプ18、熱交換側三方弁21、循環ポンプ22、電動ファン24b、混合弁33、開閉弁34等を含むアクチュエータ類に信号を出力し、熱交換部ヒータ23、給水流路ヒータ30H、出湯流路ヒータ31H等に制御信号を出力する。これら、センサ類、アクチュエータ類、凍結防止ヒータ、及び、発電モジュールMを構成する部材が部品Pである。
【0040】
尚、熱交換制御部42と、出湯制御部43と、部品情報取得部44と、カレンダー部45との各々は、ソフトウエアで構成するものに限らず、ソフトウエアとハードウエアとを組み合わせによって構成するものであっても良い。
【0041】
記憶部46は、部品情報取得部44で取得した情報を記憶するためEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリが用いられている。情報アクセス部47は、入出力ユニット48と接続しており、この入出力ユニット48は、外部のパーソナルコンピュータPCや、タブレットTB等の外部端末と直接的な接続を可能にすると共に、通信ネットワークとしてのインターネットINを介して情報のアクセスを可能にする。尚、この入出力ユニット48は、無線LANに接続するものであって良く、例えばUSBメモリを接続できるものでも良い。
【0042】
発電制御部41は、発電モジュールMでの発電を制御し、熱交換制御部42は、熱交換ユニットEでの熱交換を制御し、出湯制御部43は、給排水ユニットFでの給排水を制御する。
【0043】
部品情報取得部44の使用時間取得部44aは、エネルギー供給システムAを構成する部品P(センサ類やアクチュエータ類等を構成する単体を部品Pと称している)が使用された使用時間(使用開始から積算された使用時間、以下、積算使用時間と称することもある)を取得し、性能判定部44b(性能判定部)は、部品Pの性能の判定を行う。この部品情報取得部44の判定形態は後述する。カレンダー部45は、例えば、電波時計を有し、継続的に年月日時の情報を生成する。
【0044】
このような構成から、リモートコントローラRが操作された場合のように電力を必要とする場合には、発電制御部41が、ガス開閉弁14を制御する等の制御によって発電を開始する。また、発電時には、熱交換制御部42が熱交換ユニットEの循環ポンプ22を駆動する等の制御によって貯湯槽3に温湯を貯留する。
【0045】
更に、リモートコントローラRの操作によって貯湯槽3の温湯を利用する場合には、出湯制御部43が、水温センサ35と出湯温センサ36との検知に基づいて混合弁33と、開閉弁34とを制御することで、貯湯槽3から出湯流路31に送られる温湯と、冷水流路32から供給される冷水と混合を制御して目標温度の給湯を実現する。特に、貯湯槽3に貯留された温湯の温度が目標とする温度より低下している場合には給湯器37で温湯の温度上昇が図られる。
【0046】
〔部品情報取得部〕
このエネルギー供給システムAでは、複数の部品Pに対して予めユニークな識別情報が付されている。図2に示す部品情報取得部44の使用時間取得部44aは、例えば、使用を開始した時点からの積算使用時間を取得し、性能判定部44bは、設定タイミングで複数の部品Pについて性能の判定を行う。また、部品情報取得部44は、積算使用時間と判定結果とを、部品Pの識別情報に関連付けて記憶部46に記憶する。特に、部品情報取得部44は、複数の部品Pの耐用時間を、識別情報に関連付けて記憶しており、積算使用時間が取得される毎に、耐用時間から積算使用時間を減じた値となる余寿命が複数の部品Pの識別情報の関連付けて記憶される。
【0047】
尚、耐用時間は、部品Pの各々が使用に耐える設計上の限界の時間であり、余寿命は、耐用時間から積算使用時間を減じた値であり、使用可能な時間となる。
【0048】
〔制御形態〕
部品情報取得部44は、図3のフローチャートに示す記憶処理を行う。つまり、判定タイミングに達した場合に性能の判定が行われ、判定結果が複数の部品Pの夫々の識別情報に関連付けて記憶部46に記憶される(#101~#103ステップ)。
【0049】
#101ステップの判定タイミングとして、発電モジュールM(燃料電池)での発電が停止している「待機時」と、「待機時」にある発電モジュールM(燃料電池)が発電を開始する過程となる「発電移行時」と、「発電移行時」の後に発電モジュールMでの発電が継続する「発電継続時」と、「発電継続時」から発電モジュールM(燃料電池)での発電を停止する「待機時」に移行する過程となる「停止移行時」とが予め設定されている。
【0050】
この処理では、性能判定部44bが、前述した「待機時」と、「発電移行時」と、「発電継続時」と、「停止移行時」との何れかのタイミングにおいて部品Pの性能の判定が行われる。
【0051】
また、#102ステップの性能の判定は、部品Pの健全性を判定するものであり、再使用が可能である場合には、性能(健全性)の高いものから「A」「B」とし、再使用が不可能である場合に「NG」の判定結果を与える。尚、判定結果としては、「A」「B」「NG」等のランク付けに限らず、3つ以上の段階のランク付けを行って良く、また、性能が良好であるほど高い数値としても良い。
【0052】
更に、#102ステップの性能の判定として、例えば、性能が低下したパーセンテージや、性能を示す数値を記憶するように構成することも可能である。
【0053】
性能判定部44bで性能が判定される対象となる部品Pを、大きく分けて「ファンやブロア」と、「ポンプ」と、「ヒータ」と、「セルスタック」と、「改質部」と、「センサ」とが想定されている。このように性能が判定される部品Pについても、使用時間取得部44aで積算使用時間が取得される。
【0054】
「ファンやブロア」には、ラジエータ24の電動ファン24bと、空気供給ファン17と、燃料ブロアと、冷却ファンが含まれる。
【0055】
具体的には、ラジエータ24の電動ファン24bの性能を判定する場合において、「待機時」のように発電を停止している状況で、電動ファン24bに設定電流を供給して電動ファン24bを駆動し、この駆動時にファンの単位時間あたりの回転数を取得し、取得した回転数が高速であるほど高いランクの判定結果が与えられる(前述したように、判定結果として性能を示す数値を与えても良い)。
【0056】
この判定において、再使用が不能である判定結果の場合には「NG」の判定結果が与えられる。尚、電動ファン24bが、ブラシレスDCモータで構成され、制御基板を有するものでは、制御基板から回転数を取得することになる。
【0057】
電動ファン24bの性能の判定を行うための異なる判定形態として、例えば、「待機時」において、電動ファン24bに設定電流を供給する状況で、熱交換流路20に流れる水の温度変化を冷却温度センサ24cで取得し、この温度変化に基づいて性能の判定を行うように判定形態を採用しても良い。
【0058】
尚、電動ファン24bと、空気供給ファン17との何れであっても、駆動と、駆動の停止との切り換え連動してスイッチ類が作動するものついてはスイッチ類の状態を検知するだけであるので、「待機時」と「発電移行時」と「発電継続時」と「停止移行時」との何れのタイミングでも性能の判定が可能となる。
【0059】
「ポンプ」には、循環ポンプ22と、改質水ポンプ18とが含まれる。また、「ヒータ」には凍結防止ヒータとして、熱交換部ヒータ23と、給水流路ヒータ30Hと、出湯流路ヒータ31Hとが含まれる。
【0060】
具体的には、循環ポンプ22の性能を判定する場合において、「待機時」あるいは、「停止移行時」のように発電が停止しているタイミングあるいは、発電状態に移行する過程において、熱交換部ヒータ23に設定電流を供給すると共に、循環ポンプ22に設定電流を供給し、この状態を設定時間維持した際の下流側温度センサ26で検出される温度上昇が、設定値を超える場合に、循環ポンプ22に高いランクの判定結果が与えられる(前述したように、判定結果として性能を示す数値を与えても良い)。
【0061】
特に、この判定は、熱交換部ヒータ23の判定を同時に行うことになるため、下流側温度センサ26で検出される温度上昇が、設定値を超える場合に、熱交換部ヒータ23に対しても高いランクの判定結果が与えられる。
【0062】
循環ポンプ22の性能の判定を行うための異なる判定形態として、「待機時」において、例えば、熱交換部ヒータ23に供給する電流を設定値に維持したまま、循環ポンプ22に供給する電流を変化させ、この変更前と変更後とにおいて下流側温度センサ26で検出される温度の変化が大きいほど高い性能の判定を行うように判定形態を採用しても良い。
【0063】
尚、循環ポンプ22と、改質水ポンプ18との何れであっても、駆動と、駆動の停止との切り換え連動してスイッチ類が作動するもの付いてはスイッチ類の状態を検知するだけであるので、「待機時」と「発電移行時」と「発電継続時」と「停止移行時」との何れのタイミングでも性能の判定が可能となる。
【0064】
更に、「ヒータ」の性能の判定を行うための異なる判定形態として、「待機時」において、熱交換部ヒータ23と、給水流路ヒータ30Hと、出湯流路ヒータ31Hとに対して、個別に設定時間だけ、設定電流を供給する処理を行い。このように設定電流を供給した際において筐体内センサASによってエネルギー供給システムAの筐体の内部の温度上昇を計測する、このような判定を行った場合に、所定に温度に達するまでの時間が短いほど高い性能を示す判定結果が与えられる(前述したように、判定結果として性能を示す数値を与えても良い)。
【0065】
セルスタック13(「スタック」)の性能の判定は以下のように行われる。
【0066】
具体的には、「発電移行時」と「発電継続時」との何れかのタイミングにおいて、設定時間だけ発電目標値を設定して発電を行い、電圧センサ4で電圧と、電流センサ(図示せず)で検出した電流値とに基づいて発電出力を取得することになり、このように取得した発電出力が発電目標値に達する場合や、発電目標値を超える場合に、セルスタック13に対して高い性能の判定結果が与えられる(前述したように、判定結果として性能を示す数値を与えても良い)。
【0067】
改質部12の性能の判定は、以下のように行われる。
【0068】
具体的には、「発電移行時」と「発電継続時」との何れかのタイミングにおいて、設定電力を出力する際に改質温度センサ29で検出される温度が設定値である場合に高い性能を示す判定結果が与えられる。これと同様に、設定電力を出力する際に改質部圧力センサ(図示せず)で検出される圧力が設定値である場合に高い性能を示す判定結果が与えれる。更に、設定電力を出力する際に高温容器Maから排出される排ガスの流量を流量センサ8Sで検出し、検出された流量が設定範囲である場合に高い性能を示す判定結果が与えられる(前述したように、判定結果として性能を示す数値を与えても良い)。
【0069】
「センサ」として筐体内センサASの性能の判定は、以下のように行われる。
【0070】
具体的には、「待機時」に筐体の外部の温度を外気温センサ(図示せず)で計測し、外気温と筐体内センサASとの誤差が小さいほど高い性能を示す判定結果が与えられる(前述したように、判定結果として性能を示す数値を与えても良い)。
【0071】
前述した#101~#103ステップのように判定結果を複数の部品Pの夫々の識別情報に関連付けて記憶部46に記憶する処理が行われた後には、使用時間取得部44aは、カレンダー部45(時間計測部)の情報を取得すると共に、記憶対象として予め設定された複数の部品Pを個別に設定し、その部品Pが交換されていない場合には(#106ステップのNo)、積算使用時間を複数の部品Pの識別情報に関連付けて記憶部46に記憶する(#104~#106、#108ステップ)。また、このように積算使用時間が記憶される際に、積算使用時間を耐用時間から減ずることにより余寿命が記憶部46に記憶される。
【0072】
これに対し、その部品Pが交換されていることが認められた場合には、交換した年月日を初期値に変更することで(#107ステップ)、交換後の部品Pに対する正確な積算使用時間が記憶される(#108ステップ)。
【0073】
この積算使用時間は、部品Pの使用を開始した年月日時の情報を初期値として予め記憶しておき、カレンダー部45で取得した現在の年月日時の情報から減算することによって算出するものを想定している。尚、積算使用時間は、前述した減算によるものに限るものではなく、カウンター等を用いて時間経過を計測し、この経過時間に基づいて、加算することで求められるものでも良い。
【0074】
特に、フローチャートの#106ステップでは、部品Pの交換の有無を判定している。つまり、部品Pが交換された場合には、性能判定部44bで判定された判定結果が、部品Pの識別情報に関連付けて記憶部46に対し前回に記憶されている判定結果と比較して向上する、あるいは、乖離することになるため、このように判定結果(ランクや性能を示す数値)が大きく異なる場合には、使用時間取得部44aが、部品Pが交換されたと認め、このように判定結果が異なることを認めたタイミングにおける年月日を初期値に変更することにより、積算使用時間を正確な値にしている。
【0075】
記憶処理は、設定されたインターバル毎に行うものを想定しており、このような処理により、記憶部46に積算使用時間と、性能の判定結果とが時系列的に記憶される。従って、例えば、所定の使用時間に対する性能の低下の傾向を判断することも可能となる。
【0076】
〔部品の再使用の判定プロセス〕
前述した使用時間の取得と、性能の判定とは、エネルギー供給システムAが設置した後に使用が停止するまで継続して行われ、使用時間と判定結果とは、時系列的に記憶部46に記憶されている。このように再使用の判定を可能にする情報が記憶部46に記憶されるため、エネルギー供給システムA(発電ユニットAx)が撤去された後に部品Pの再使用の可否を判定するためには、記憶部46に記憶されている情報を取得することで済み、このような判定を可能にする必要なプロセスの一例を図5に示している。
【0077】
つまり、図5に示すように、エネルギー供給システムAの運転制御装置Cの入出力ユニット48に外部端末としてのパーソナルコンピュータPC(タブレットTBでも良い/図2を参照)を接続しておき、このパーソナルコンピュータPCに接続するスキャナ50で部品Pの識別情報を取得する。
【0078】
同図には、部品Pの外面に識別情報に対応するバーコードBC(一次元コード)を備えたものを示しているが、部品Pに対してICタグを備えても良く、部品Pの外面にプリントされた数字や文字で成る識別情報をスキャナ50で取得しても良い。
【0079】
尚、部品Pの識別情報をパーソナルコンピュータPCで取得するために、部品Pの外面に識別情報としてプリントされている数字や文字をパーソナルコンピュータPCのキーボードから人為的に入力しても良い。更に、部品PにICタグを備えたものでは、ICタグの情報を読み取ることで、その部品Pの識別情報を取得することも考えられる。
【0080】
このようにパーソナルコンピュータPCで識別情報を取得した後には、パーソナルコンピュータPCから運転制御装置Cの記憶部46にアクセスして、識別情報に対応して記憶部46に記憶されている「A」「B」「NG」等の判定情報と積算使用時間の情報と、余寿命とを取得する。また、判定結果として性能を示す数値を記憶部46に記憶するものでは、例えば、性能(健全性)をパーセンテージで示す数値を判定情報として出力することが考えられる。
【0081】
このように取得した判定情報と積算使用時間の情報とは、例えば、図4に示すように、発電ユニットAxの本体機種名、部品名(部品コード/識別情報)、「A」「B」「NG」等の判定結果、積算使用時間、耐用時間、余寿命が含まれる。これらの情報は、パーソナルコンピュータPCのディスプレイで確認することが可能であり、この表示に基づいて部品Pの再使用の可否を判定できる。特に、このように識別情報に関連付けられた複数の情報を判定結果情報と称している。
【0082】
図4に示す画面は、エネルギー供給システムAの発電ユニットAxが撤去される直前の最終的な判定結果情報を表示したものである。これに対し、記憶部46には、耐用時間と、積算使用時間と、余寿命と、性能の判定結果とが時系列的に記憶されていため、これらの情報をパーソナルコンピュータPCのディスプレイに対し時系列に沿って表示することも可能である。このように表示する際には、例えば、使用開始時点からの所定時間が経過した時点を指定することで、指定された時点の判定結果情報を図4に示す画面と同様に表示することが考えられる。また、性能の判定結果である数値を時系列に沿ったグラフや、一覧として表示することも考えられる。
【0083】
また、耐用時間から使用時間を減ずることで余寿命を求めることが可能なパーソナルコンピュータPC(外部端末)を用いる場合には、判定結果情報に余寿命を含める処理が不要となり、パーソナルコンピュータPCから情報の要求があった場合に、記憶部46に記憶している耐用時間から積算使用時間を減ずる処理を、パーソナルコンピュータPCで行い余寿命を求めてディスプレイに表示するように構成することも考えられる。
【0084】
バーコードBC(一次元コード)の情報を取得する際にパーソナルコンピュータPCを運転制御装置Cに接続するものでは、手間が掛かるため、図5に示すように、取得した判定結果情報を二次元コード化してプリンタ51でシール52にプリントし、部品Pに貼り付けることも想定している。尚、二次元コードとしてQRコード(登録商標)を用いることも考えられる。
【0085】
つまり、判定結果情報が二次元コードとして記録されたシール52を、部品Pに備えることにより、パーソナルコンピュータPCを運転制御装置Cに接続しなくとも、シール52の二次元コードを読み取るだけで、判定結果情報をパーソナルコンピュータPCのディスプレイに表示し、部品Pの再使用の可否の判断を可能にするのである。
【0086】
〔部品の再使用の判定プロセスの変形例〕
このように部品Pの再使用を判定するために、図5に示すように、エネルギー供給システムAの運転制御装置Cの入出力ユニット48にパーソナルコンピュータPCを接続し、記憶部46に記憶されている全ての部品Pの判定結果情報をパーソナルコンピュータPCのハードディスクやSSD(Solid State Drive )等のストレージに記憶することが考えられる。
【0087】
このようにパーソナルコンピュータPCのストレージに記憶することにより、運転制御装置CにパーソナルコンピュータPCを接続することなく、パーソナルコンピュータPCに接続するスキャナ50で部品Pの識別情報を取得することにより、ストレージから部品Pの判定結果情報を取得して、部品Pの使用の可否の判断が可能となる。
【0088】
更に、変形例で説明したように判定結果情報をパーソナルコンピュータPCのストレージに記憶するプロセスに限らず、図5に示すように、USBメモリ53(着脱可能な記憶手段でも良い)に記憶することも考えられる。このようにUSBメモリ53などに記憶することにより、所定のパーソナルコンピュータPCにUSBメモリ53などを装着しておき、パーソナルコンピュータPCに接続するスキャナ50で部品Pの識別情報を取得することにより、USBメモリ53などから部品Pの判定結果情報の取得が可能となる。
【0089】
〔実施形態の作用効果〕
エネルギー供給システムAを継続して使用するだけで、システムにおいて自動的に複数の部品Pの性能を判定し、判定結果が記憶部46に記憶され、積算使用時間が記憶部46に記憶される。また、記憶部46として不揮発性のメモリを使用しているため、例えば、エネルギー供給システムが撤去された後に、記憶部46に記憶された情報を入出力ユニット48から取り出すことも可能となる。
【0090】
また、運転制御装置Cでは、部品Pが交換された場合には、人為的な操作を行わずとも運転制御装置Cにおいて交換されたことを判定し、交換した年月日を初期値に変更することにより、積算使用時間を正確な値にしている。
【0091】
図2に示すように、エネルギー供給システムA(発電ユニットAx)を撤去した後であっても、運転制御装置Cに電力を供給し、パーソナルコンピュータPCやタブレットTB等のケーブルを、入出力ユニット48に接続することで、複数の部品Pの判定結果情報を記憶部46から取得できる。そして、判定結果情報に基づいて、部品Pの再使用の可否の判断を容易に行え、再使用可能な部品Pとして市場に流通させることも可能となる。
【0092】
特に、判定結果情報の全てをパーソナルコンピュータPCやタブレットTB、あるいは、USBメモリ53に記憶することにより、判定結果情報を必要とする毎に運転制御装置Cに接続することなく、判定結果情報を取得することも可能となる。
【0093】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0094】
(a)図6に示すように、部品Pの再使用の判定プロセスとして、運転制御装置Cの入出力ユニット48を通信ネットワークとしてのインターネットINに接続し、このインターネットINに接続するサーバ60に対し、部品情報取得部44と、カレンダー部45と、記憶部46とを備え、サーバ60において、図3に示す記憶処理を実行できるようにエネルギー供給システムAを構成する。
【0095】
このようにエネルギー供給システムAを構成することにより、エネルギー供給システムAを継続的に使用した場合には、サーバ60において、判定情報と積算使用時間とが生成され、これらがストレージに記憶されることになる。
【0096】
そして、発電ユニットAxが撤去された後に、運転制御装置CがインターネットINに接続していない状態でも、インターネットINにパーソナルコンピュータPCを接続してサーバ60にログインした状態でパーソナルコンピュータPCに接続するスキャナ50で部品Pの識別情報を取得することによりインターネットINを介してサーバ60の記憶部46に記憶されている判定結果情報を取得し、部品Pの再使用の可否を判定できる。
【0097】
特に、この構成では、複数のエネルギー供給システムA(複数の発電ユニットAx)をインターネットINに接続することも可能であり、複数のエネルギー供給システムAの複数の部品Pの判定結果情報の「A」「B」「NG」等の個別の情報を取得して、部品Pの再使用の可否を判定することが可能となる。
【0098】
(b)図6に示すように、運転制御装置Cを通信ネットワークとしてのインターネットIN(通信ネットワーク)に接続し、このインターネットINにサーバ60を接続すると共に、エネルギー供給システムAの運転制御装置Cを、実施形態に示したように、発電制御部41と、熱交換制御部42と、出湯制御部43と、部品情報取得部44と、カレンダー部45と、記憶部46と、情報アクセス部47とを備えて構成する。
【0099】
この別実施形態(b)では、発電ユニットAxの内部の運転制御装置Cで複数の部品Pの性能を判定し、この判定結果を記憶部46に記憶し、積算使用時間を記憶部46に記憶するものであるが、記憶部46に記憶した判定結果情報がインターネットINを介してサーバ60のストレージに記憶される。
【0100】
このようにエネルギー供給システムAを構成することにより、例えば、インターネットINにパーソナルコンピュータPCを接続し、このパーソナルコンピュータPCに接続するスキャナ50で識別情報を取得するだけでインターネットINを介してサーバ60から判定結果情報を取得できる。
【0101】
(c)複数の部品Pの夫々にEEPROMやフラッシュメモリのように不揮発性のメモリを備えておき、このメモリを記憶部46として用いる。この構成では、複数の部品Pの各々に判定情報や積算使用時間を記憶することが可能となるため、発電ユニットAxから部品Pを取り外した後であっても、部品Pのメモリから情報を、直接取得することで使用の可否を容易に判定できる。
【0102】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、燃料電池を備えたエネルギー供給システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0104】
13 セルスタック
44 部品情報取得部(性能判定部)
44a 使用時間取得部
44b 性能判定部
45 カレンダー部
46 記憶部
A エネルギー供給システム
Ax 発電ユニット
C 運転制御装置
M 発電モジュール(燃料電池)
P 部品
IN インターネット(通信ネットワーク)
PC パーソナルコンピュータ(外部端末)
TB タブレット(外部端末)
図1
図2
図3
図4
図5
図6