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特開2022-150263情報処理装置、携帯端末及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022150263
(43)【公開日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、携帯端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220929BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220929BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20220929BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220929BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20220929BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220929BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06Q30/06
G16Y10/45
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021052794
(22)【出願日】2021-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 奈津子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】在庫管理を確実に行うことができる情報処理装置およびプログラムを提供する情報処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ装置(情報処理装置)は、納品された商品を特定する識別情報と当該商品の納品数とを取得する納品情報取得部と、決済された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する売上情報取得部と、未会計状態で持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する持出商品特定部と、納品情報取得部と売上情報取得部と持出情報取得部とがそれぞれ取得した情報に基づいて、指定された商品の在庫数を、少なくとも、当該商品の納品数と未会計状態で持ち出された持出数とに分けて算出する在庫数算出部とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
納品された商品を特定する識別情報と当該商品の納品数とを取得する納品情報取得部と、
決済された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する売上情報取得部と、
未会計状態で持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する持出商品特定部と、
前記納品情報取得部と前記売上情報取得部と前記持出商品特定部とがそれぞれ取得した情報に基づいて、指定された商品の在庫数を、少なくとも、当該商品の納品数と未会計状態で持ち出された持出数とに分けて算出する在庫数算出部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記持出商品特定部は、
未会計状態の商品を監視した画像に基づいて、持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記納品情報取得部は、更に前記商品の納品時間を取得して、
前記売上情報取得部は、更に前記商品の決済時間を取得して、
前記持出商品特定部は、更に前記商品が持ち出された時刻を特定して、
前記在庫数算出部は、前記納品情報取得部が取得した前記商品の納品時間と、前記売上情報取得部が取得した前記商品の決済時間と、前記持出商品特定部が特定した前記商品が持ち出された時刻とに基づいて、指定された時間帯における前記商品の在庫数を算出する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
商品の納品予定数に対して、当該商品の在庫数の過不足がある場合に、前記商品の識別番号と前記過不足に係る情報を取得する問い合わせ取得部と、
前記問い合わせ取得部が、前記商品の識別番号と前記過不足に係る情報を取得したことを条件として、前記商品の在庫数を確認することによって、前記過不足の原因を推定する数量確認部と、
を備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
指定した商品の、少なくとも納品数と、当該商品が未会計状態で持ち出された持出数と、前記商品の在庫数とを取得する取得部と、
前記商品の名称と、前記取得部が取得した、少なくとも前記商品の納品数と持出数と在庫数とを表示する表示部と、
を備える携帯端末。
【請求項6】
コンピュータを、
納品された商品を特定する識別情報と当該商品の納品数とを取得する納品情報取得部と、
決済された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する売上情報取得部と、
未会計状態で持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する持出商品特定部と、
前記納品情報取得部と前記売上情報取得部と前記持出商品特定部とがそれぞれ取得した情報に基づいて、指定された商品の在庫数を、少なくとも、当該商品の納品数と未会計状態で持ち出された持出数とに分けて算出する在庫数算出部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、情報処理装置、携帯端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店においては、商品を仕入れた際に仕入数量を取得して、当該仕入数量と売上数量とに基づいて、商品の在庫数を管理している(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところが、接客や商品登録作業等が発生すると、検品作業及び陳列作業が滞るため、客は、商品棚に陳列されていない未検品の商品を購入することができない。そのため、購買のチャンスを逃してしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、未検品の商品を含む在庫管理を確実に行うことができる情報処理装置、携帯端末及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の情報処理装置は、納品情報取得部と、売上情報取得部と、持出商品特定部と、在庫数算出部とを備える。納品情報取得部は、納品された商品を特定する識別情報と当該商品の納品数とを取得する。売上情報取得部は、決済された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する。持出商品特定部は、未会計状態で持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する。在庫数算出部は、納品情報取得部と売上情報取得部と持出商品特定部とがそれぞれ取得した情報に基づいて、指定された商品の在庫数を、少なくとも、当該商品の納品数と未会計状態で持ち出された持出数とに分けて算出する。
【0006】
また、実施の形態の携帯端末は、取得部と、表示部とを備える。取得部は、指定した商品の、少なくとも納品数と、当該商品が未会計状態で持ち出された持出数と、商品の在庫数とを取得する。表示部は、商品の名称と、取得部が取得した、少なくとも商品の納品数と持出数と在庫数とを表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態の在庫管理システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、サーバ装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
図3図3は、携帯端末のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
図4図4は、商品の持ち出しを検出する方法を説明する図である。
図5図5は、実施の形態のサーバ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6図6は、実施の形態の携帯端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図7図7は、携帯端末に表示される情報の一例を示す図である。
図8図8は、在庫管理システムが行う在庫数確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態)
図1を用いて、本発明の実施の形態である在庫管理システム10について説明する。
【0009】
(決済システムの全体構成)
図1は、実施の形態の在庫管理システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。在庫管理システム10は、サーバ装置20と、携帯端末30と、POS端末40と、カメラ50とを備える。
【0010】
サーバ装置20は、店舗の店員が所持する複数の携帯端末30と通信を行って、商品の納品情報及び検品情報を取得する。また、サーバ装置20は、店舗に備えられた少なくとも1台のPOS端末40と通信を行って、商品の売上情報を取得する。また、サーバ装置20は、店内に設置された少なくとも1台のカメラ50と通信を行って、カメラ50が撮像した画像を取得する。そして、サーバ装置20は、カメラ50が撮像した画像に基づいて、客が持ち出した未会計の商品を特定する。また、サーバ装置20は、商品の納品情報と、検品情報と、売上情報と、客が持ち出した商品情報とから、現在の商品の在庫数を算出する。また、サーバ装置20は、算出した商品の在庫数を管理する。なお、サーバ装置20は、本開示における情報処理装置の一例である。
【0011】
携帯端末30は、店員に所持されて、店員の操作指示に応じてサーバ装置20と通信を行い、指定された商品の在庫数等をサーバ装置20から取得するする。また、携帯端末30は、取得した在庫数等を表示する。なお、携帯端末30は複数備えられて、それぞれ異なる店員が所持している。
【0012】
POS端末40は、店舗に備えられて、客が購入した商品の会計処理及び決済処理を行う。なお、POS端末40は、一般に、店舗に複数台備えられている。
【0013】
カメラ50は、店舗に複数設置されて、商品棚、及び納品された商品の一時載置場所を監視する。なお、カメラ50は、防犯用として店舗に備えられたカメラを兼用してもよい。
【0014】
(サーバ装置のハードウエア構成)
図2を用いて、サーバ装置20のハードウエア構成を説明する。図2は、サーバ装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
【0015】
サーバ装置20は、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、記憶部22等を備えている。CPU211は制御主体となる。ROM212は各種固定データや各種テーブル等を記憶する。RAM213は、CPU211が各種処理を行う際に、制御プログラムや各種データを展開してワークメモリとして機能する。記憶部22は、CPU211が実行する制御プログラムPaを記憶する。CPU211、ROM212、RAM213、記憶部22は、互いに内部バス24を介して接続されている。CPU211とROM212とRAM213は、制御部21を構成する。即ち、制御部21は、CPU211が、記憶部22に記憶された制御プログラムPaおよびROM212に記憶された各種データをRAM213に展開して、動作させることによって、各種制御処理を実行する。
【0016】
記憶部22は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部22は、前記した制御プログラムPaの他に、画像データIと、検品データSと、在庫データTと、商品マスタMとを記憶する。
【0017】
画像データIは、店内に備えられたカメラ50が撮像した画像データを記憶したデータファイルである。なお、画像データIには所定時間(例えば1日)に撮像された画像データが、カメラ50、及び撮像時刻と関連付けて記憶される。
【0018】
検品データSは、店員が行った検品情報を格納したファイルである。検品データSは、検品を行った店員の携帯端末30からサーバ装置20に送信される。検品データSは、検品情報(商品名と納品数量)と、検品時刻と、検品担当者と関連付けて記憶される。
【0019】
在庫データTは、サーバ装置20が算出した商品の在庫データを格納したファイルである。在庫データTは、例えば、商品名と、納品日時と、納品数と、売上日時と、売上数と、未会計状態での持ち出し日時と、持出数とを含む形式で記憶される。
【0020】
商品マスタMは、店舗で取り扱っている商品のJANコード(商品コード)と、その商品の「商品名」や「商品単価」等の商品情報とを対応付けて記憶したマスタデータファイルである。
【0021】
また、制御部21は、内部バス24及び周辺機器コントローラ23を介して、周辺機器である表示デバイス25と、操作デバイス26と、通信インタフェース27と接続している。周辺機器コントローラ23は、制御部21からの指示を受けて、これらの周辺機器の動作を制御する。
【0022】
表示デバイス25は、サーバ装置20が出力する各種情報を表示するデバイスである。表示デバイス25は、例えば液晶モニタや有機ELモニタ等である。
【0023】
操作デバイス26は、サーバ装置20に対する操作指示を入力するデバイスである。操作デバイス26は、例えばタッチパネルやキーボード等である。
【0024】
通信インタフェース27は、通信回線を介して、サーバ装置20とカメラ50、POS端末40、携帯端末30とを通信可能に接続する。
【0025】
サーバ装置20は、通信インタフェース27を介して、カメラ50から、当該カメラ50が撮像した画像データを受信する。
【0026】
また、サーバ装置20は、通信インタフェース27を介して、POS端末40から、商品の売上情報を受信する。
【0027】
また、サーバ装置20は、通信インタフェース27を介して、携帯端末30から納品情報及び検品情報を受信する。また、サーバ装置20は、通信インタフェース27を介して、携帯端末30から在庫情報の取得要求等の各種要求を受信する。また、サーバ装置20は、通信インタフェース27を介して、携帯端末30に対して、要求された商品の在庫情報等を送信する。
【0028】
(携帯端末のハードウエア構成)
図3を用いて、携帯端末30のハードウエア構成を説明する。図3は、携帯端末のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
【0029】
携帯端末30は、CPU311、ROM312、RAM313、記憶部32等を備えている。CPU311は制御主体となる。ROM312は各種固定データや各種テーブル等を記憶する。RAM313は、CPU311が各種処理を行う際に、制御プログラムや各種データを展開してワークメモリとして機能する。記憶部32は、CPU311が実行する制御プログラムPbを記憶する。CPU311、ROM312、RAM313、記憶部32は、互いに内部バス34を介して接続されている。CPU311とROM312とRAM313は、制御部31を構成する。即ち、制御部31は、CPU311が、記憶部32に記憶された制御プログラムPbおよびROM312に記憶された各種データをRAM313に展開して、動作させることによって、各種制御処理を実行する。
【0030】
記憶部32は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部32は、前記した制御プログラムPbを記憶する。
【0031】
また、制御部31は、内部バス34及び周辺機器コントローラ33を介して、周辺機器である表示デバイス35と、操作デバイス36と、スキャナ37と、通信インタフェース38と接続している。周辺機器コントローラ33は、制御部31からの指示を受けて、これらの周辺機器の動作を制御する。
【0032】
表示デバイス35は、携帯端末30が出力する各種情報を表示するデバイスである。表示デバイス35は、例えば液晶モニタや有機ELモニタ等である。
【0033】
操作デバイス36は、携帯端末30に対する操作指示を入力するデバイスである。操作デバイス36は、例えば10キーや方向キー、ファンクションキー等である(図7参照)。なお、携帯端末30は、表示デバイス35に積層されたタッチパネルを備えてもよい。
【0034】
スキャナ37は、納品された商品に貼付されたバーコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ37が読み取ったコードシンボルに記録された情報は、CPU311によってデコードされて納品情報や商品コードが取得される。
【0035】
通信インタフェース38は、通信回線を介して、携帯端末30とサーバ装置20とを通信可能に接続する。
【0036】
携帯端末30は、通信インタフェース38を介して、サーバ装置20に対して、納品情報や検品情報を送信する。また、携帯端末30は、通信インタフェース38を介して、サーバ装置20に対して、商品の在庫数等の確認要求を送信する。
【0037】
また、携帯端末30は、通信インタフェース38を介して、サーバ装置20から、要求した商品の在庫数等を受信する。
【0038】
(未会計商品の持ち出しの検出方法)
図4を用いて、未会計商品の持ち出しを検出する方法を説明する。図4は、商品の持ち出しを検出する方法を説明する図である。
【0039】
店舗には複数のカメラ50が設置される。あるカメラ50は、未検品商品88が載置された納品箱80を監視可能な状態で設置される。また、別のカメラ50は、商品棚90に陳列された検品済商品98を監視可能な状態で設置される。
【0040】
各カメラ50が撮像した画像は、逐次、当該画像を撮像したカメラ50及び撮像時刻と関連付けられて、サーバ装置20に送信される。
【0041】
サーバ装置20は、受信した画像(時系列画像)を画像解析することによって、当該画像に映っている商品の特定を行う。また、サーバ装置20は、時間経過とともに、商品が画像からなくなった、即ち、商品が持ち出されたこととを検出する。
【0042】
なお、画像解析の方法は問わないが、例えば、公知のオブジェクト認識を行うことによって、画像に映っている商品を特定する。画像の中に含まれる商品を認識するオブジェクト認識は、一般物体認識(generic object recognition)とも呼ばれる。一般物体認識で用いられる各種認識技術については、下記の文献に詳しく解説されているため、説明は省略する。
【0043】
柳井 啓司、“一般物体認識の現状と今後”、情報処理学会論文誌、Vol.48、No.SIG16 [令和2年11月18日検索]、インターネット<URL: https://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
【0044】
Jamie Shottonら、“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”、[令和2年11月18日検索]、インターネット<URL: http://mi.eng.cam.ac.uk/~cipolla/publications/inproceedings/2008-CVPR-semantic-texton-forests.pdf>
【0045】
なお、オブジェクト認識を行うためには、認識対象となる商品を複数方向から観測した画像を予め取得して記憶しておく必要がある。そのため、全ての商品をオブジェクト認識のみで認識するのは困難である。そのため、サーバ装置20は、受信した画像の中に、バーコードや2次元コード等のコードシンボルが写っているかの認識を行う。そして、コードシンボルが写っていた場合は、そのコードシンボルを読み取ることによって、コードシンボルが付された商品を特定する。
【0046】
また、サーバ装置20は、同じカメラ50で撮像した、撮像時刻が異なる複数の画像を比較することによって、商品がなくなったこと(持ち出されたこと)と、商品がなくなった時刻(持ち出された時刻)とを検出する。
【0047】
なお、サーバ装置20は、前述した以外の方法で、商品の持ち出しを検出してもよい。例えば、商品棚90に重量センサを設置して、商品が持ち出された際の重量センサの出力の変化を検出することによって、持ち出された商品を特定してもよい。この場合、例えば、同じ種類の商品を、一つの重量センサの重量検出範囲内に陳列するようにすればよい。
【0048】
(サーバ装置の機能構成)
次に、図5を用いて、サーバ装置20の機能構成を説明する。図5は、実施の形態のサーバ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0049】
サーバ装置20の制御部21は、制御プログラムPaをRAM213に展開して動作させることによって、図5に示す納品情報取得部61と、検品情報取得部62と、売上情報取得部63と、持出商品特定部64と、在庫数算出部65と、在庫数記憶部66と、問い合わせ取得部67と、数量確認部68と、数量更新部69と、在庫数出力部70と、通信制御部71とを機能部として実現する。
【0050】
納品情報取得部61は、携帯端末30から、納品された商品を特定する識別情報と当該商品の納品数と納品時間とを取得する。また、納品情報取得部61は、取得した納品数を、商品の識別情報及び納品時間と関連付けて記憶する。
【0051】
検品情報取得部62は、携帯端末30から、検品された商品を特定する識別情報と当該商品の検品数とを取得する。また、検品情報取得部62は、取得した検品数を、商品の識別情報と関連付けて記憶する。
【0052】
売上情報取得部63は、POS端末40から、決済された商品を特定する識別情報と当該商品の数量と決済時間とを取得する。
【0053】
持出商品特定部64は、カメラ50が撮像した画像データIに基づいて、未会計状態で持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量と持ち出された時刻とを特定する。
【0054】
在庫数算出部65は、携帯端末30から、在庫数の確認指示を取得する。また、在庫数算出部65は、納品情報取得部61と売上情報取得部63と持出商品特定部64とがそれぞれ取得した情報に基づいて、指定された商品の在庫数を、少なくとも、当該商品の納品数と未会計状態で持ち出された持出数とに分けて算出する。また、在庫数算出部65は、納品情報取得部61が取得した納品時間と、売上情報取得部63が取得した決済時間と、持出商品特定部64が特定した商品が持ち出された時刻とに基づいて、指定された時間帯における商品の在庫数を算出する。
【0055】
在庫数記憶部66は、在庫数算出部65が算出した在庫数を在庫数が算出された時刻と関連付けて記憶する。
【0056】
問い合わせ取得部67は、携帯端末30から、各種問い合わせを取得する。問い合わせ取得部67は、例えば、商品の納品予定数に対して、当該商品の在庫数の過不足がある場合に、商品の識別番号と過不足に係る情報を取得する。また、問い合わせ取得部67は、携帯端末30から、指定した商品の持出数の確認、売上数の確認、在庫数の確認等の問い合わせを取得する。
【0057】
数量確認部68は、問い合わせ取得部67が、商品の識別番号と過不足に係る情報を取得したことを条件として、商品の在庫数を確認することによって、過不足の原因を推定する。より具体的には、数量確認部68は、特定時間帯在庫数と、在庫数記憶部66に記憶された現在の在庫数とが一致しているかを確認する。
【0058】
数量更新部69は、在庫数記憶部66に記憶された在庫数と現在の在庫数とが一致していない場合に、検品データS及び在庫データTを更新する。
【0059】
在庫数出力部70は、携帯端末30から要求された商品の在庫数を当該携帯端末30に対して出力する。
【0060】
通信制御部71は、サーバ装置20と、携帯端末30、POS端末40、及びカメラ50との間の通信状態を制御する。
【0061】
(携帯端末の機能構成)
次に、図6を用いて、携帯端末30の機能構成を説明する。図6は、実施の形態の携帯端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0062】
携帯端末30の制御部31は、制御プログラムPbをRAM313に展開して動作させることによって、図6に示す納品情報読取部81と、納品情報送信部82と、問い合わせ入力部83と、在庫数取得部84と、在庫数表示部85と、操作制御部86と、通信制御部87とを機能部として実現する。
【0063】
納品情報読取部81は、納品された商品の名称と数量とを示す納品情報を取得する。具体的には、携帯端末30が備えるスキャナ37によって、納品業者が所持している納品した商品の内容と数量とを示すバーコードを読み取ることによって、納品情報を取得する。
【0064】
納品情報送信部82は、納品情報読取部81が取得した納品情報を、サーバ装置20に送信する。
【0065】
問い合わせ入力部83は、サーバ装置20に対して、各種問い合わせを取得して送信する。問い合わせ入力部83は、例えば、商品の納品予定数に対して、当該商品の在庫数の過不足がある場合等に、当該商品の商品コードと商品の数に過不足がある旨の入力とを取得して、サーバ装置20に送信する。また、問い合わせ入力部83は、指定した商品の持出数の確認、売上数の確認、在庫数の確認等の入力を取得して、サーバ装置20に送信する。
【0066】
在庫数取得部84は、サーバ装置20から、指定した商品の、少なくとも納品数と、当該商品が未会計状態で持ち出された持出数と、商品の在庫数とを取得する。なお、在庫数取得部84は、本開示における取得部の一例である。
【0067】
在庫数表示部85は、商品の名称と、在庫数取得部84が取得した、少なくとも商品の納品数と、持出数と、在庫数とを表示する。なお、在庫数表示部74は、本開示における表示部の一例である。
【0068】
操作制御部86は、携帯端末30に対してなされた操作の内容を示す操作情報を取得する。操作制御部86が取得した操作情報は、制御部31に送信されて、操作情報に応じた操作が実行される。
【0069】
通信制御部87は、携帯端末30とサーバ装置20との間の通信状態を制御する。
【0070】
(在庫管理システムが行う検品処理の流れ)
次に、在庫管理システム10が行う検品処理の流れを説明する。
【0071】
携帯端末30の納品情報読取部81は、作業者がスキャナ37で、納品された商品に貼付されたバーコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ37が読み取ったコードシンボルに記録された情報は、携帯端末30のCPU311によってデコードされて納品情報(納品された商品の商品コードと数量)が取得される。
【0072】
携帯端末30の納品情報送信部82は、納品情報読取部81が取得した納品情報を、サーバ装置20に送信する。
【0073】
サーバ装置20の検品情報取得部62は、携帯端末30から、検品された商品を特定する識別情報と当該商品の検品数とを取得する。そして、在庫数算出部65は、検品情報取得部62が取得した商品の在庫データTを読み出す。
【0074】
サーバ装置20の在庫数算出部65は、商品の検品数と在庫データTとから、実際に納品された商品の数を算出して、在庫データTを更新する。そして、サーバ装置20の在庫数出力部70は、商品の在庫数を携帯端末30に対して送信する。
【0075】
携帯端末30の在庫数取得部84は、サーバ装置20が送信した商品の在庫数を取得して、在庫数表示部85は、取得した商品の在庫数を、表示デバイス35に表示する。
【0076】
(在庫管理システムが行う未会計商品の持出数算出処理の流れ)
次に、在庫管理システム10が行う未会計商品の持出数確認処理の流れを説明する。
【0077】
携帯端末30に表示される在庫データには、店舗内で未会計のまま持ち出されている商品の数も含まれているため、陳列されている商品数と在庫データとの不整合が発生するおそれがある。本実施形態の在庫管理システム10は、携帯端末30に、未会計のまま持ち出されている商品の数を表示させることができる。
【0078】
具体的には、携帯端末30の問い合わせ入力部83は、サーバ装置20に対して、確認したい商品の商品コードと、当該商品の持出数の確認を行いたい旨を送信する。なお、このとき、商品の持ち出された時間帯を同時に指定するのが望ましい。
【0079】
サーバ装置20の問い合わせ取得部67は、携帯端末30からの持出商品確認を受信すると、持出商品特定部64に対して、指定された商品の持出数を特定させる。そして、在庫数算出部65は、指定された商品の、持出数を考慮した在庫数を算出して、在庫データTに記憶する。
【0080】
そして、サーバ装置20の在庫数出力部70は、商品の持出数を携帯端末30に対して送信する。
【0081】
携帯端末30の在庫数取得部84は、サーバ装置20が送信した商品の持出数を取得する。そして、在庫数表示部85は、取得した商品の持出数を、表示デバイス35に表示する。
【0082】
(携帯端末の表示例)
次に、図7を用いて、携帯端末30に表示される情報の例を説明する。図7は、携帯端末に表示される情報の一例を示す図である。
【0083】
図7は、携帯端末30の操作デバイス36を操作することによって、サーバ装置20に対して、指定した商品の在庫数を取得する要求を送信した際に、サーバ装置20から取得した結果を表示デバイス35に表示した例である。
【0084】
携帯端末30の表示デバイス35には、商品名351と、納品数352と、持出数353と、在庫数354とが表示される。
【0085】
商品名351は、携帯端末30の操作者が指定した商品名である。
【0086】
納品数352は、サーバ装置20の納品情報取得部61が取得して記憶した、携帯端末30の操作者が指定した商品の納品数である。
【0087】
持出数353は、携帯端末30の操作者が指定した商品が未会計状態で持ち出された数である。持出数353は、サーバ装置20の持出商品特定部64が特定した数である。
【0088】
在庫数354は、サーバ装置20の在庫数算出部65が算出した、携帯端末30の操作者が指定した商品の在庫数である。
【0089】
なお、図7には図示しないが、携帯端末30は、表示デバイス35に、指定した商品の売上数を表示してもよい。
【0090】
(在庫管理システムが行う在庫数確認処理の流れ)
次に、図8を用いて、在庫管理システム10が行う在庫数確認処理の流れを説明する。図8は、在庫管理システムが行う在庫数確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
まず、携帯端末30が行う処理の流れを説明する。例えば、商品の想定される在庫数と実際の数とが一致しない場合、携帯端末30の操作者は、携帯端末30に当該商品の商品コードと、商品の数に過不足がある旨を入力する。問い合わせ入力部83は、この過不足入力を受け付けて、サーバ装置20に問い合わせる(ステップS11)。
【0092】
在庫数取得部84は、サーバ装置20から、指定した商品の在庫数を取得する(ステップS12)。
【0093】
在庫数表示部85は、サーバ装置20から取得した在庫数を表示デバイス35に表示する(ステップS13)。その後、携帯端末30は、図8の処理を終了する。
【0094】
次に、サーバ装置20が行う処理の流れを説明する。問い合わせ取得部67は、携帯端末30から、商品コードと当該商品の数に過不足がある旨を取得する(ステップS21)。
【0095】
在庫数算出部65は、指定された商品の、前回の検品完了から納品完了までの特定時間帯の想定される在庫数を算出する(ステップS22)。
【0096】
在庫数算出部65は、指定された商品の、現在の在庫数を算出する(ステップS23)。
【0097】
数量確認部68は、ステップS22で算出した特定時間帯の在庫数が、ステップS23で算出した現在の在庫数以上であるかを判定する(ステップS24)。特定時間帯の在庫数が現在の在庫数以上であると判定される(ステップS24:Yes)とステップS25に進む。一方、特定時間帯の在庫数が現在の在庫数以上であると判定されない(ステップS24:No)とステップS27に進む。
【0098】
ステップS24において、特定時間帯の在庫数が現在の在庫数以上であると判定されると、数量確認部68は、納品数不足の可能性があると判定する(ステップS25)。
【0099】
数量更新部69は、検品データSを更新する(ステップS26)。
【0100】
数量更新部69は、在庫データTを更新する(ステップS28)。
【0101】
在庫数出力部70は、携帯端末30に対して、更新された在庫数を送信する(ステップS29)。その後、サーバ装置20は、図8の処理を終了する。
【0102】
例えば、図8の処理を実行することによって、検品処理を行っていない状態において、ある商品の納品予定数が3個、在庫数が5個、未会計状態の持出数が2個(合計10個)であるはずが、納品数1個、在庫数5個、未会計状態の持出数が2個(合計8個)しか見当たらない場合、特定時間帯の商品の在庫数が7個であったとする。そして、現時点での商品の在庫数と未会計状態の持出数の合計値が7個であったとする。このとき、商品の納品予定数3個に対して、実際の納品数が1個であるため、納品数が2個不足していた可能性があることがわかる。
【0103】
以上説明したように、実施の形態のサーバ装置20(情報処理装置)は、納品された商品を特定する識別情報と当該商品の納品数とを取得する納品情報取得部61と、決済された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する売上情報取得部63と、未会計状態で持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを取得する持出商品特定部64と、納品情報取得部61と売上情報取得部63と持出商品特定部64とがそれぞれ取得した情報に基づいて、指定された商品の在庫数を、少なくとも、当該商品の納品数と未会計状態で持ち出された持出数とに分けて算出する在庫数算出部65とを備える。したがって、未検品の商品の持出数を取得することができるため、未検品の商品を含む在庫管理を確実に行うことができる。また、サーバ装置20は、未検品の商品の持出数を含む在庫数を算出することができるため、作業者は自由なタイミングで検品作業を行うことができる。
【0104】
また、実施の形態のサーバ装置20(情報処理装置)において、持出商品特定部64は、未会計状態の商品を監視した画像データIに基づいて、持ち出された商品を特定する識別情報と当該商品の数量とを特定する。したがって、検品の実施状態に関わらず、未会計の商品が持ち出されたことを特定することができる。これによって、商品の持出数を考慮した在庫数を算出することができる。
【0105】
また、実施の形態のサーバ装置20(情報処理装置)において、納品情報取得部61は、更に商品の納品時間を取得して、売上情報取得部63は、更に商品の決済時間を取得して、持出商品特定部64は、更に商品が持ち出された時刻を取得して、在庫数算出部65は、納品情報取得部61が取得した商品の納品時間と、売上情報取得部63が取得した商品の決済時間と、持出商品特定部64が特定した商品が持ち出された時刻とに基づいて、指定された時間帯における商品の在庫数を算出する。したがって、サーバ装置20は、時間帯毎の商品の在庫数を算出することができる。
【0106】
また、実施の形態のサーバ装置20(情報処理装置)は、商品の納品予定数に対して、当該商品の在庫数の過不足がある場合に、商品の識別番号と過不足に係る情報を取得する問い合わせ取得部67と、問い合わせ取得部67が、商品の識別番号と過不足に係る情報を取得したことを条件として、商品の在庫数を確認することによって、過不足の原因を推定する数量確認部68と、を備える。したがって、商品の納品予定数に対して、当該商品の在庫数の過不足がある場合に、その原因を推定することができる。
【0107】
また、実施の形態の携帯端末30は、指定した商品の、少なくとも納品数と、当該商品が未会計状態で持ち出された持出数と、商品の在庫数とを取得する在庫数取得部84(取得部)と、商品の名称と、在庫数取得部84が取得した、少なくとも商品の納品数と持出数と在庫数とを表示する在庫数表示部85(表示部)とを備える。したがって、未会計状態で持ち出された商品数を考慮した、当該商品の在庫数を確認することができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
10…在庫管理システム、20…サーバ装置(情報処理装置)、30…携帯端末、40…POS端末、50…カメラ、61…納品情報取得部、62…検品情報取得部、63…売上情報取得部、64…持出商品特定部、65…在庫数算出部、66…在庫数記憶部、67…問い合わせ取得部、68…数量確認部、69…数量更新部、70…在庫数出力部、71,87…通信制御部、81…納品情報読取部、82…納品情報送信部、83…問い合わせ入力部、84…在庫数取得部(取得部)、85…在庫数表示部(表示部)、86…操作制御部、80…納品箱、88…未検品商品、90…商品棚、98…検品済商品、I…画像データ、T…在庫データ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2021-28768号公報
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8